JP6248358B2 - 車椅子用自転車連結具 - Google Patents

Description

本発明は、車椅子の牽引支援具に関するものである。

予め設定されたガイド手段に沿って移動する牽引台車を用いて、車椅子を目的地まで安全に牽引する車椅子移動支援装置が知られている（特許文献１）。
また、左右の車輪を支持する支持軸上に板ばねを介して支持される座席部と、この座席部を牽引するための梶棒とを備えた人力車であって、座席部として、着座部材、背もたれ部材および足載せ部材が付設された椅子型の座席用パイプフレームを備えている人力車が知られている（特許文献２）。
また、大掛かりな連結装置を必要とせずに車椅子使用者自身が手動で簡便に連結できるようにするとともに、指先や手の不自由な人が運転した場合でも安全な速度で走行できるようにした簡便連結式車椅子牽引車が知られている（特許文献３）。

しかしながら、上記の特許文献１に開示された車椅子移動支援装置の場合、予め設定されたガイド手段に沿って移動する牽引台車を用いるため、災害時等の緊急避難や、砂地、雪道、砂利道、泥沼地などの不整地走行や登り坂における走行は困難である。
また、上記の特許文献２に開示された座席用パイプフレームを備えている人力車の場合、一般の車椅子に適用することは困難である。
さらに、上記の特許文献３に開示された簡便連結式車椅子牽引車の場合、バッテリーからの電力供給が必要であり、バッテリーの充電が無くなれば牽引できないという問題がある。
東日本大震災のような大規模な緊急避難が必要な場合や、砂地、雪道、砂利道、泥沼地などの不整地における移動、登り坂における移動など、車椅子の後方の握り部（グリップ）を押して移動するのは非常に困難である。

本発明者は、上記状況に鑑みて、既に、災害時等の緊急避難や、砂地、雪道、砂利道、泥沼地などの不整地走行や登り坂における車椅子の走行移動を支援できる車椅子移動支援具を提案している（特許文献４を参照。）。
本発明は、特許文献４に開示された車椅子移動支援具を応用して、車椅子を自転車を用いて牽引するための支援具を提供するものである。

実用新案登録第３１１６３５１号登録公報 特開２０１２−０３５８３３号公報 特開２００４−１３５７４７号公報 実用新案登録第３１７５８３２号登録公報

本発明は、車椅子を、自転車を用いて牽引するための車椅子用自転車連結具を提供することを目的とする。

上記目的を達成すべく、本発明の車椅子用自転車連結具は、車椅子の左右のフロントパイプ又はレッグパイプの何れかに、挟着もしくは係着させて脱着自在に取付ける左右一対の取付部材を両端に備えた平面視略コ字状のパイプフレームから成り、パイプフレームの中央部を引っ張ることにより車椅子を牽引する車椅子移動支援具の中央部に取付けられる自転車連結具である。
本発明の車椅子用自転車連結具は、上記のパイプフレームの中央部に挟着あるいは嵌着して固定されるフレーム固定部と、フレーム固定部から前方に延設された前方先端部と、自転車後部荷台上に固定される荷台固定部と、この荷台固定部に設けられた斜め後ろ下向きの回転軸をもつ摺動部とを備える。
そして、摺動部の後方端部とフレーム固定部の前方先端部とをボールジョイント方式で連結させる。

本発明の車椅子用自転車連結具によれば、安定して自転車を用いて牽引することができる。自転車と車椅子の姿勢の違いをボールジョイント方式の連結方法により吸収し、また、自転車が仮に横倒しに転倒した場合でも、荷台固定部の摺動部により車椅子の姿勢を維持できる。

車椅子牽引用部材を介して自転車により牽引される牽引用車椅子のイメージ図 自転車連結具の構造説明図 固定式の車椅子牽引用部材の説明図 脱着式の車椅子牽引用部材の説明図（１） 脱着式の車椅子牽引用部材の説明図（２） 脱着式の車椅子牽引用部材の説明図（３） 車椅子牽引用部材を介して牽引される牽引用車椅子のイメージ図 車椅子の説明図

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。

図１は、車椅子牽引用部材を介して牽引される牽引用車椅子のイメージ図を示している。
車椅子牽引用部材の握り部フレーム３に連結ユニット４８を取付け、自転車４１の後輪４３の上の荷台４５に取付けられた連結ユニット４７により、車椅子と自転車４１と連結し、図１のイメージ図のように自転車４１により車椅子を牽引走行することができる。
ここで、握り部フレーム３に取付けられた連結ユニット４８は、本発明の車椅子用自転車連結具におけるフレーム固定部である。また、荷台４５に取付けられた連結ユニット４７は、本発明の車椅子用自転車連結具における荷台固定部である。

図１のイメージ図では、車椅子の左右のフロントパイプに、挟着して取付けた左右一対の取付部材を両端に備えた平面視略コ字状のパイプフレームで、このパイプフレームの中央部の握り部フレーム３を引っ張ることにより車椅子を牽引する様子が描かれている。

図２は、車椅子用自転車連結具の構造説明図である。
実施例１の車椅子用自転車連結具１００では、パイプフレームの中央部の握り部フレーム３（図示せず）に挟着して固定されるフレーム固定部１０１と、フレーム固定部１０１から前方に延設された前方先端部１０２と、自転車後部荷台上に固定される荷台固定部（図示せず）と、荷台固定部に設けられた斜め後ろ下向きの回転軸をもつ摺動部１１０とを備える。
そして、摺動部１１０の後方端部１１１とフレーム固定部１０１の前方先端部１０２はボールジョイント方式の連結部１２０で連結されている。

実施例１の車椅子用自転車連結具は、上記のように構成されているため、自転車と車椅子の姿勢の違いをボールジョイント方式の連結部１２０により吸収でき、また、自転車が仮に横倒しに転倒した場合でも、荷台固定部の摺動部１１０により車椅子の姿勢を維持できることから、安定して自転車を用いて牽引することができるのである。

車椅子の牽引用部材は、図３に示すような平面視でコ字状であり、車椅子が容易に接続できるように、予め、図７に示すように、左右のフロントパイプ１１に、車椅子牽引用部材の両端を把持する把持部材６が固着されている。

図４〜６は、脱着式の車椅子牽引用部材を示している。
脱着式の車椅子牽引用部材の場合は、車椅子牽引用部材の両端を把持する把持部材６が予め固着されている必要はなく、牽引走行時に、脱着式の車椅子牽引用部材の両端を、車椅子のフロントパイプ１１あるいはレッグパイプ１２に取付ければよい。

なお、図８は、車椅子の説明図であり、フロントパイプ１１に関して、車椅子全体における位置を確認するためのものである。

本発明は、牽引走行する牽引用車椅子に有用である。

１ 車椅子牽引用部材
２ パイプフレーム
３ 握り部フレーム
４ 繋ぎ手フレーム
６ 把持部材
７ 挟着部
８ 位置調整ナット
９ 脱落防止用ストッパー
１０ グリップ
１１ フロントパイプ
１２ レッグパイプ
１３ 座シート
１４ フットプレート
１５ アームパイプ
１６ クロスパイプ
１７ 肘あて
１８ 背バンド
１９ バックレストパイプ
２０ 後輪（タイヤ）
２１ 前輪（キャスター）
２２ ハンドリム
２３ ブレーキレバー
２４ ブレーキシュー
２５ シャフトプレート
２６ レッグベルト
４０ 車椅子を牽引する人
４１ 自転車
４２ 自転車の前輪
４３ 自転車の後輪
４５ 自転車の荷台
４７，４８ 連結ユニット
１００ 車椅子用自転車連結具
１０１ フレーム固定部
１０２ 前方先端部
１１０ 摺動部
１１１ 後方端部
１２０ ボールジョイント方式の連結部

Claims (1)

1. 車椅子の左右のフロントパイプ又はレッグパイプの何れかに、挟着もしくは係着させて脱着自在に取付ける左右一対の取付部材を両端に備えた平面視略コ字状のパイプフレームから成り、
   前記パイプフレームの中央部を引っ張ることにより車椅子を牽引する車椅子移動支援具の前記中央部に取付けられる自転車連結具であって、
   前記パイプフレームの中央部に挟着あるいは嵌着して固定されるフレーム固定部と、
   該フレーム固定部から前方に延設された前方先端部と、
   自転車後部荷台上に固定される荷台固定部と、
   該荷台固定部に設けられた斜め後ろ下向きの回転軸をもつ摺動部と、
   を備え、
   該摺動部の後方端部と、前記フレーム固定部の前方先端部がボールジョイント方式で連結されたことを特徴とする車椅子用自転車連結具。