JP6248103B2 - β−ターン環式ペプチド模倣化合物の合成 - Google Patents

β−ターン環式ペプチド模倣化合物の合成 Download PDF

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Description

本出願は、2012年6月22日出願の米国特許出願第61/663,387号に基づく優先権を主張するものであり、この米国特許出願の開示は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本発明は、β−ターン環式ペプチド模倣化合物及びその中間体の製造方法に関する。
イントロダクション:
特定のβ−ターン環式ペプチド模倣化合物の合成については知られている。しかし、これらの方法は、In Vivo及び臨床研究に必要なグラム単位及びキログラム単位での本化合物の大量生産に適用する際には、特に二量体副生成物の形成という点で困難性が生じる。
β−ターン環式ペプチド模倣化合物のクラスにおけるいくつかの化合物の有望な薬理学的活性を踏まえると、よりコスト効率のよい生産が可能な新しい合成方法を開発する必要性が存在する。
従って、本発明の一態様は、上述した従来の制限を克服するβ−ターン環式ペプチド模倣化合物を製造する新たな合成方法を提供することである。本発明の更なる一態様は、商業ベースで実現可能なこれらの化合物を生産する方法を提供することにある。
図1は、本発明の実施形態における、一般の反応であるスキーム1を表し、構造式(I)のβ−ターン環式ペプチド模倣化合物へ到る反応を示す。
図2は、本発明の実施形態における、例示的な反応であるスキーム2を表し、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)樹脂を用いてD3の構造を有するβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する反応経路を示す。
様々な実施形態によって、本発明に係るβ−ターン環式ペプチド模倣化合物の合成方法が開示される。他の実施形態によって、上記方法による有用な本発明に係る中間体が開示される。合成方法及び新規の中間体は、図1(スキーム1)言及される実施形態において記載される。
本発明のある実施形態に係る方法は、構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する方法であり、
この方法は、

(a)構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物を提供し、



(b)分子内芳香族求核置換反応により構造式(IV)の保護されたβ−ターンペ
プチド模倣環式化合物を形成するため、構造式(III)の保護された線形ペプチド
模倣化合物を環状化し、



(c) 構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物における
アミノ酸の側鎖保護基を脱保護化し、

1及びR3は、それぞれ独立に、水素、C1からC6のアルキル、アリール、又は自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基でもよく、
2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、R1及びR2は、それらが結合しているC原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はR3及びR4は、それらが結合しているC原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成してもよく、
5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、又はSO28であってもよく、
R8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6のアルキレン、SO、SO2又はNHであってもよく、
Zは、F、Cl、Br、又はIであってもよく、
11及びR13は、それぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13各々のアタッチメントポイントに水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、
2はH、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6アルキル、又はC1からC6アリールでもよい。
ある実施形態において、構造式(II)の固相支持体に付加される保護された線形ペプチド模倣化合物であって
2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6アルキルから選択され、W1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はW3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成してもよく、
5、R6、及びR7はそれぞれ独立に、水素、又はC1からC6アルキルでもよく、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、又はSO2NR8であってもよく、
8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6アルキレン、SO、SO2、又はNHであってもよく、
Zは、F、Cl、Br、又はIであってもよく、
11、R12、及びR13は、それぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、
1は、null、NH、O、S、COO−、NH−CH2−COO−、C1からC6のアルキレン、又はC1からC6アリーレンでもよく、
前記固相支持体は、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)、4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシブチル酸MBHA(HMPB−MBHA)、9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イロキシ−メリフィールド樹脂(Seiber Amide)、トリチルアルコール、4−メチルトリチルクロライド、4−メトキシトリチルクロライド、4(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシ樹脂(Rink Acid Resin)、2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコール樹脂(Sasrin Resin)、3−(N−Fmoc−N−メトキシ)プロピル−アミドメチル樹脂(Weinreb amide resin)からなるグループから選択された官能基を備える樹脂であってもよい。
ある実施形態において、構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物が提供されてもよく、

2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6アルキルから選択され、W1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はW3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成してもよく、
5、R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素、又ははC1からC6アルキルであってもよく、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、又はSO2NR8であってもよく、
8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6のアルキレン、SO、SO2、又はNHであってもよく、
Zは、F、Cl、Br、又はIであってもよく、
11及びR13はそれぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13各々のアタッチメントポイントに水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、
2はH、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6のアルキル、又はC1からC6のアリールでもよい。
ある実施形態において、構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物が提供されてもよく、
2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルでもよく、W1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はW3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成してもよく、
5、R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素、又はC1からC6のアルキルであってもよく、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、又は−SO2NR8であってもよく、
8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C1からC6アルキレン、SO、SO2、又はNHであってもよく、
Zは、F、Cl、Br、又はIであってもよく、
11及びR13はそれぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、
2はH、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6のアルキル、又はC1からC6のアリールでもよい。
これらの図面は、例を示しているものであって、一般的に本明細書で議論される様々な実施形態を非限定的な方法で示すものである。
本発明に係る実施形態における、構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物の製造のための合成方法を概念的に示す図
本発明に係る実施形態における、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)樹脂を用いた構造D3のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する反応スキームの例を示す図
定義:
本明細書で「a」、又は「an」という用語は、特許の書面で共通に用いられる通りに用いられ、「少なくとも一つ」、又は「一又は複数」という他の用法と独立して、一以上の一又は複数を含む。
本明細書で「約」という用語は、概ね、略、ほとんど、又は、述べられた量に対し等しいといえる近傍、又は等しいことを示す。
本明細書の「非自然のアミノ酸」は、上述の通り自然のアミノ酸ではないすべてのアミノ酸を示す。このようなアミノ酸には、上述の通り、光学活性を有する19種全てのD体、及び自然に存在するグリシンが含まれる。非自然のアミノ酸には、ホモセリン、ホモシステイン、シトルリン、2−3−ジアミノプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、オルニチン、ノルロイシン、及びチロシンが含まれる。追加的な非自然のアミノ酸は当業者にとって周知の事項である。非自然のアミノ酸はD−体又はL−体である。非自然のアミノ酸には、αアミノ酸、βアミノ酸、又はγアミノ酸が含まれる。非自然のアミノ酸には、翻訳後修飾アミノ酸、リン酸化セリン、トレオニン又はチロシン、アシル化リシン、又はアルキル化リシン又はアルギニンが含まれてもよい。翻訳後修飾アミノ酸の多くの形がすでに知られている。
本明細書では、「保護基」とは、多機能化合物中のもう一つの反応部位において反応が選択的に行われるよう、特定の機能残基、例えばO、S、又はNが一時的にブロックされることをさす。
本明細書で使用されるとおり、「プロトン性溶媒」という用語は、ヒドロキシル基内のような酸素に付加された水素を運ぶ、又はアミノ基内のような窒素に付加された水素を運ぶ溶媒をさす。このような溶媒はH+(プロトン)を供与する。「プロトン性溶媒」の例として、水、エタノール、tert−ブタノール、及びジエチルラミンが含まれる。
本明細書で使用されるとおり、「非プロトン性溶媒」という用語は、ヒドロキシル基内のような酸素に付加された水素をほとんど又は全く運ぶことがない、又はアミノ基内のような窒素に付加された水素をほとんど又は全く運ぶことがない溶媒をさす。
本明細書で使用されるとおり、「リング(環)」という用語は、環式の形状で化学構造式中に配置される原子を有する化合物を意味する。
本明細書で使用されるとおり、「アルキル」という用語は、線形、環式、分岐、又はこれらの組み合わせであって、指定された炭素数を有する炭化水素基を意味する。アルキル基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソ−アミル、ヘキシル、オクチル、ノイル、等が含まれる。本明細書において、アルキル基は、置換されてもよい。本明細書で用いられる「アルキレン」という用語は、メチレン(−CH2−)のような二つ以上の場所に付加された飽和炭化水素の直鎖又は分岐鎖由来の飽和脂肪族基をさす。
本明細書で用いられるとおり、「アリル」という用語は、アリル基(すなわちCH2=CH−CH2−)を含む化合物をさす。
本明細書で用いられるとおり、「アリール」とは、一つ、二つ、又は三つのリングであって、このようなリングが一緒に垂れ下がって付加され、又は縮合されている炭素環式芳香族システムを意味する。「アリール」という用語は、ベンジル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナンスリル、インデニル、アヌレニル、アズレニル、テトラヒドロナフチル、及びビフェニルといった芳香族ラジカルを包含する。本明細書において、アリール基は、置換されてもよい。「アリーレン」という用語は、アリール(上記で定義したとおり)から水素原子の引き抜きによって二価の基となったいずれのものを示す。
基が「ヌル(null)」と定義された場合は、基が存在しないことを意味する。
基が置換された場合、その置換は、非限定的に、以下のグループ又は、特定のグループから独立して一つ又は組合わされて選択される一又は複数の置換を含む:低級アルキル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級へテロアルキル、低級へテロシクロアルキル、低級へテロシクロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、低級シクロアルキル、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、低級アルキルカルボニル、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、アリールチオ、低級アルキルスルスルフォニル、アリールスルフィニル、アリールスルフォニル、アリールチオ、スルフォネート、スルホン酸、三置換シリル、N3、SH、SCH3、C(O)CH3、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバマート、及び低級尿素。
明瞭化のため、及び、本明細書で開示され特許請求の範囲に記載されている本発明の理解の助けのために、以下の用語及び略語が次の通り定義される。
Boc: t−ブチルオキシカルボニル
Cbz: ベンジルオキシカルボニル
CTC: クロロトリチルクロライド
DBU: 1,8,−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン
DCM: ジクロロメタン
DIC: 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA: N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DIPEA: N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF: ジメチルホルムアミド
Fmoc: 9−フルオレニルメトキシカルボニル
HBTU: O−ベンゾトリアゾル−N,N,N',N'−テトラメチル−ウロニウム−ヘクサフルオロ−フォスフェート
HMPB−MBHA: 4−ヒロドキシメチル−3−メトキシフェノキシブチル酸MBHA、又は4−(4−ヒロドキシメチル−3−メトキシフェノキシ)−ブチリル−p−メチル−ベンズヒドリルアミン
HOBt: N−ヒドロキシベンゾトリアゾル
Mtt: メチルトリチル
Pbf: ペンタメチルジヒドロベンゾフランスルホニル
SPPS: 固相ペプチド合成
TBAF: テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBDMS: tert−ブチルジメチルシラン
tBu: tert−ブチルエステル
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
TIS: トリイソプロピルシラン
TMG: テトラメチルグアニジン
Trt: トリチル
図1は、構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造するのに一般的な経路であるスキーム1を示す。すなわち、(a)構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物を提供し、(b)構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物を,分子内芳香族求核置換によって形成するために構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物を環状化し、(c)構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物における保護基のアミノ酸側鎖を脱保護化することを含む手順を示す。
本発明に係る実施形態において、構造式(I)の14個から16個の環原子の大環状環(リング)を有するβ−ターンペプチド模倣環式化合物が開示される。
ある実施形態に係る方法において、R1及びR3がアミノ酸側鎖置換基である化合物を提供する。典型的には、R1及びR3は、それぞれ独立に、自然のアミノ酸又は非自然のアミノ酸由来であってよい。例えば、R1及びR3は、それぞれ独立に、いずれかの鏡像異性配置における20種の自然に発生するアミノ酸(自然のアミノ酸)、又は修飾アミノ酸(非自然のアミノ酸)から由来してもよい。20種の自然のアミノ酸は、グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、システイン(Cys)及びメチオニン(Met)を含むαアミノ酸である。α−アミノ酸の一般的な構造は構造式Aで表せられる。H2NCH(R*)COOHR*は、アミノ酸の側鎖置換基を表しており、本発明におけるR1又はR3のいずれかを示している。
非自然のアミノ酸は、典型的には、R*基が20種の自然のアミノ酸中に用いられるもの以外の置換基である構造式Aの構造を有するものである。例えば、20種の自然のアミノ酸の構造については、Biochemistry,L.Stryer,31(1 ed. 1988),Freeman and Company, New Yorkを参照。非自然のアミノ酸は、上述する20種のαアミノ酸以外の自然に存在する化合物であってもよい。
このような非自然のアミノ酸には、上述の通り、光学活性を有する19種全てのD体、及び自然に存在するグリシンが含まれる。非自然のアミノ酸には、ホモセリン、ホモシステイン、2−3−ジアミノプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、オルニチン、ノルロイシン、及びチロシンが含まれる。追加的な非自然のアミノ酸は当業者にとって周知の事項である。非自然のアミノ酸はD−体又はL−体である。非自然のアミノ酸は、構造式B:H2N(CH)n(R*)COOHを有し、nが2又は3であり、R*は、20種のたんぱく質を構成するアミノ酸の置換基又は20種のアミノ酸の中で用いられる置換基以外の置換基であるβアミノ酸又はγアミノ酸であってもよい。非自然のアミノ酸には、翻訳後修飾アミノ酸、リン酸化セリン、トレオニン又はチロシン、アシル化リシン、又はアルキル化リシン又はアルギニンが含まれてもよい。翻訳後修飾アミノ酸の多くの形がすでに知られている。
ある実施形態に係る方法により、R1及びR3が、それぞれ独立に、2つの異なるアミノ酸の側鎖置換基である化合物が提供されてもよい。このような実施形態におけるある実施形態において、R1及びR3が、それぞれ独立に、リシン、グルタミン酸、チロシン、イソロイシン、アスパラギン、アルギニン、又はトレオニンの側鎖置換基であってもよい。このような実施形態におけるある実施形態において、R1及びR3が、それぞれ独立に、グルタミン酸、リシン、イソロイシン、又はアルギニンの側鎖置換基であってもよい。このような実施形態における一の実施形態において、R1及びR3が、それぞれ独立に、グルタミン酸、又はリシンの側鎖置換基であってもよい。このような実施形態におけるもう一つの実施形態において、R1及びR3が、それぞれ独立に、イソロイシン、又はアルギニンの側鎖置換基であってもよい。
一般的に、本発明に係るβ−ターン環式ペプチド模倣合成物を製造する方法における環状化工程の前に、アミノ酸側鎖置換基(R1及びR3)は、適切な保護基(それぞれ、R11及びR13)によって保護される。アミノ酸側鎖置換基、R1及びR3が保護される際、R1及びR3は、それぞれW111及びW333と表す。W1及びW3は、それぞれ独立して、自然のアミノ酸又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13それぞれのアタッチメントポイントにおいて水素原子が一つ以下であるものである。水素原子が一つであるのは、アミノ酸側鎖置換基であるカルボン酸、アミン、チオール、アミド、ヒドロキシル、グアニジンといった官能基で通常発見される。
本発明に係る方法の工程において、合成に関わる分子であって他の敏感な反応基のアミノ酸側鎖保護は、例えば以下に記載さているような当該分野で知られている伝統的な保護基によって行われる: T. W. Greene & P. G. M. Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis 1991 John Wiley and Sons, New−York); Sewald and Jakubke (Peptides: chemistry and Biology, 2002, Wiley−VCH, Wheinheim p.142)。例えばαアミノ保護基は、限定されるものではないが、アシル型保護基(例えば、トリフルオアセチル、ホルミル、アセチル)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、シクロヘキシルオキシカルボニル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、フルオレニル−9−メトキシ−カルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、Cbz誘導体)及びアルキル型保護基(例えば、トリフェニルメチル、ベンジル)を含む。
アミノ酸側鎖保護基は、セリン、トレオニン、及びチロシンに対してはtert−ブチルエーテル、リシン、トリプトファン、及びヒスチジンに対してはBoc、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、及びヒスチジンに対してはトリチル、アスパラギン酸及びグルタミン酸に対してはtert−ブチル又はアリルエステル、アルギニンに対してはPbf、スレオニン及びセリンに対してはベンジル、チロシン、トレオニン、セリン、アルギニン、及びリシンに対してはCbz、セリン及びトレオニンに対してはアルキルシラン、及び当該分野で広く知られている他の全ての保護基を含む。
ある実施形態において、R11及びR13が、それぞれ独立に、トリフルオロアセチル、ホルミル、アセチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、シクロヘキシルオキシカルボニル、フルオレニルー9−メトキシ−カルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、Cbz誘導体、トリフェニル、メチル、ベンジル、アリロオキシカルボニル、tert−ブチル、アルキルシラン及びアリルを含むグループから選択される化合物を本発明に係る方法が提供してもよい。
ある実施形態において、本発明に係る方法は、R1がグルタミン酸の側鎖置換基であり、R11がアリル又はtert−ブチルである化合物を提供してもよい。このような実施形態のある実施形態において、R1がグルタミン酸の側鎖置換基であり、R11がtert−ブチルであってもよい。
ある実施形態において、本発明に係る方法は、R3がリシンの側鎖置換基であり、R13がベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、又はtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である化合物を提供してもよい。このような実施形態のある実施形態において、R3がリシンの側鎖置換基でありR13がtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)であってもよい。
保護基は、当該分野で広く知られた方法を用いて後の便利な段階で除去してもよい。ある実施形態において、アミノ酸側鎖R1及びR3の保護基は、固相支持からペプチド模倣化合物を切断するために使用した同じ条件では除去されなくてもよい。ある実施形態において、アミノ酸側鎖R1及びR3の保護基は、固相支持からペプチド模倣化合物を切断するために使用した同じ酸性条件では除去されなくてもよい。
ある実施形態に係る方法により、R2及びR4が、それぞれ独立に、水素又はC1からC6アルキルである化合物が提供されてもよい。
ある実施形態に係る方法において、R5、R6及びR7が水素である化合物が提供されてもよい。
ある実施形態に係る方法において、XがO、S、又はNHである化合物が提供されてもよい。
ある実施形態に係る方法において、L1/L2がホモ二官能性化合物との化学反応により構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物の二量体を効果的に形成する連結基となる化合物が提供されてもよい。L1は、null、NH、O、S、COO、NH−CH2−COO−、C1からC6アルキレン、又はC1からC6アリーレンでもよい。ある実施形態において、L1はNH−CH2−COO−であってもよい。L2は、H、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6アルキル、又はC1からC6アリールを含んでもよい。ある実施形態において、L2はNH−CH2−COOHであってもよい。
ある実施形態に係る方法において、nが1である化合物が提供されてもよい。
ある実施形態に係る方法において、Yが、アミド基のアタッチメントポイントと関連したメタ位における構造式のベンゼン環に付加された化合物を提供してもよい。ある実施形態において、Yは−NO2である。
ある実施形態に係る方法において、Zが、アミド基のアタッチメントポイントと関連したオルト位における構造式のベンゼン環に付加された化合物を提供してもよい。ある実施形態においてZはFである。
固相支持体からの切断:
図1(スキーム1)を参照して、構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物は、構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物を切断することから得ることができる。構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物は以下の構造を有している。
固相支持体からの切断は、酸、塩基、又は求核試薬の存在下で行われる。
切断溶液の処置の下、線形ペプチド模倣中間体(III)を得るために、構造式(II)の保護されたペプチド模倣化合物は、連結基を介して付加されている固相支持体から切断される。
前記固相支持体は、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)、4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシブチル酸MBHA(HMPB−MBHA)、9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イロキシ−メリフィールド樹脂(Seiber Amide)、トリチルアルコール、4−メチルトリチルクロライド、4−メトキシトリチルクロライド、4(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシ樹脂(Rink Acid Resin)、2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコール樹脂(Sasrin Resin)、3−(N−Fmoc−N−メトキシ)プロピル−アミドメチル樹脂(Weinreb amide resin)といった官能基を備えた樹脂(resin)であってもよい。ある実施形態において、この樹脂は、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)、又は2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコール樹脂(Sasrin resin)の官能基を備えてもよい。
本発明の固相支持体として用いられる樹脂は、少なくとも0.75mmol/g、例えば1.0mmol/gから2.0mmol/g、又は1.2mmol/gから1.6mmol/gのローディング(loading)の官能基を有してもよい。
典型的に、樹脂は、架橋ポリスチレン/1%ジビニルベンゼン共重合体(co−polymer)といった不溶性重合体(polymer)であってもよい。しかしながら、ポリスチレンベースの重合体以外の重合体、例えば、純粋、又は混合PEG樹脂(例えば、Tentagnel, NovaPEG、及びNovaSyn樹脂)も、固相支持体として用いられてもよい。これらの非ポリスチレンベースの重合体は、異なる様々な溶媒中で、より優れた膨潤特性を提供する。
構造式(II)の保護されたペプチド模倣化合物は、酸不安定なエステル結合といった不安定な結合を介してレジンに付加される。一方、官能アミノ酸側鎖は、樹脂からペプチドを切断するのに必要な条件下において切断されない、又は、脱保護化されないより安定した保護基を用いて、保護される。このような官能アミノ酸側鎖は、官能基において強酸不安定性保護基によって保護される。官能アミノ酸側鎖に用いられる保護基は本明細書で記載される。したがって、構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物の切断は、構造式(II)中に存在する保護された官能基R11及びR13の大きな脱保護化を生じさせない。
ある実施形態において、構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物の切断は弱酸性の条件の下で行われる。切断溶液は、トリフルオロ酢酸(TFA、Trifluoro acetic acid)といった酸を約0.01%から約50%(v/v)、又は0.5%から5%(v/v)含む。
構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物の切断は、異なる溶媒システム中で行われてもよい。溶媒システムには、有機溶媒、又は有機溶媒の混合物がある。溶媒システムは、ジクロロメタン、アセトニトリル、又はテトラヒドロフラン、及びこれらの混合物といった極性非プロトン性溶媒を備える。
反応中に形成されるアルキル−カルベニウムイオンによるX基のアルキル化を防止するため、スカベンジャーが、切断溶液に追加されうる。適したスカベンジャーとして、限定されるものではないが、トリイソプロピルシラン(TIS)、チオアニソル、トリアルキルシラン(例えば、トリメチルシラン、トリエチルシラン)、又はこれらの混合物が含まれる。一の実施形態において、スカベンジャーはとりイソプロピルシラン(TIS)である。
ある実施形態において、弱酸性溶液は、10%、5%、又は3%未満の酸とスカベンジャーとの混合物が含まれる。固相支持体からの構造式(II)の保護されたペプチド模倣化合物の切断に用いられる弱酸性溶液下での酸性物とスカベンジャーとの量の相対比は、約1:1から約1:5、約1:1から約1:3、又は1:2である。一の実施形態において、構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物の切断は、TFAとTISを量で約1:1から1:5の比で混ぜた混合物を10%未満含む溶液中で行われる。
ある実施形態において、末端官能基Xは保護されうる(すなわちR12が保護基となる場合である。)ある実施形態において、XはOであり、R12はトリチル(Trt)、tert−ブチルジメチルシラン(TBDMS)、又は例えば弱酸の条件下といった、構造式中に存在する他の保護基の脱保護化を生じさせない条件の下で除去されうる保護基である。このような実施形態のある実施形態において、XはOであり、R12はトリチル(Trt)又はtert−ブチルジメチルシラン(TBDMS)である。ある実施形態において、XはSであり、R12はトリチル(Trt)である。ある実施形態において、XはNHであり、R12は4−メチルトリチル(Mtt)である。
ある実施形態において、末端官能基Xは、構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物を得るために固相支持体からペプチドを切断するのに用いられる切断溶液の処置において、脱保護化されうる。
環状化:
本発明の一側面は、溶液相において環状化反応が行われることである。線形ペプチド模倣中間体(III)の固相支持体からの切断の後に環状化反応が行われるので、二量体の副産物の形成の制御において、樹脂のローディングは重要ではない。この理由のため、2mmol/g程度のローディングの官能基を有する置換グレードの樹脂が固相支持体として選択される。より高いローディングの樹脂を用いると、合成生成物が改善し(すなわち、一グラムのレジンあたりに生産される化合物の比が大きくなる)、生産コストを低減することができる。環状化反応は、求核分子Xによる芳香族求核置換反応を介して行われうる。
環状化反応は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、DCM/DMFの混合物、又はこれらの混合物といった極性プロトン性溶媒の中で行われる。DCMとDMFの混合物は、約5:95から約95:5、約70:30から約95:5、約80:20から約90:10の混合比で用いられうる。多量の水やメタノールといった溶媒は、それらが求核分子として機能し、環状化を阻害するため、避けられるべきである。本発明の一側面は、水の不存在下で環状化反応が行われることである。本発明の一側面は、メタノールの不存在下で環状化反応が行われることである。本発明の一側面は、水とメタノールの不存在下で環状化反応が行われることである。
ある実施形態において、環状化反応は、塩基触媒化環状反応である。環状化反応における塩基の役割は、官能基Xの求核という性質を強めることにある。用いられる塩基の例として、K2、CO3、CsCO3、CsF、テトラブチルアンモニウムフロライド(TBAF)、テトラメチルグアニジン(TMG)がある。
環状化の段階における重要な側面は、反応の際に二量体の副産物の形成を避けるため、線形ペプチド模倣中間体(III)の濃度を制御することにある。環状化反応は、線形ペプチド模倣中間体(III)のより高い濃度、例えば0.05Mより高い、で行われる場合は、分子間反応の比が大きくなり、二量体の副産物の形成の比を大きくしてしまう。従って、二量体の形成を避けるために、環状化反応は0.05Mより低い濃度、特に0.03Mより低い濃度、又は0.02Mより低い濃度で行われてもよい。このような低い濃度(すなわち、高い希釈化)は、多量の溶媒を用いることで達成される。代替的に、環状化反応は、線形ペプチド模倣中間体(III)を反応メディアにゆっくりと加えることで行われてもよい。これにより、大量の溶媒を用いるのを避けることができる。
環状反応は、室温で実行されてもよい。室温による反応時間は、リングサイズ、反応に必要な求核分子、塩基、及び溶媒により異なり、24時間から48時間である。より高い温度、例えば40℃から60℃に暖めた反応では、反応時間を1−5時間にまで減少させることができる。特に、環状化反応溶液が約45℃から55℃である場合、反応時間は2−4時間にまで減少させることができる。典型的には、環状化反応は20℃から65℃、25℃から60℃、又は45℃から55℃で実行される。
線形ペプチド模倣中間体(III)と構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物は、異なる保持時間、量、及びUVプロファイルを有しているので、反応は分析用HPLC、LC−MS又はUVにより監視されうる。環状化が一旦終了したら、溶液は、塩基を除去するために、例えばCeliteパッドを通して、濾過されてもよい。フィルターは、例えばTHFといった溶媒で洗浄されてもよく、有機層は回収され、真空化で蒸発させてもよい。
脱保護化
アミノ酸側鎖保護基の最後の脱保護化において、構造式(IV)における保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物は、構造式中に存在する保護基の種類に従って、適切な試薬によって処置されてもよい。一の実施形態において、強酸溶液が用いられる。典型的には、強酸溶液は、50%を超えるTFAを含んでいる。TFAは水、又はDCM、THF等といった有機溶媒に溶解されうる。ある実施形態において、強酸溶液は、TFAとH2Oとを含み、TFA:H2Oの量の比は、90:10から99:1、90:10から95:5、又は約95:5であってもよい。
ある実施形態において、強酸溶液は、さらに例えばトリイソプロピルシラン(TIS)、チオアニソル、トリアルキルシラン(例えば、トリメチルシラン、トリエチルシラン)、又はこれらの混合物といったスカベンジャーを含んでいてもよい一の実施形態において、スカベンジャーはトリイソプロピルシラン(TIS)である。脱保護化の後、粗生成物を、エーテル又はメチルtert−ブチルエーテルを用いて、0℃以下の温度で、例えば−20(℃で、沈殿させてもよい。その後、逆相HPLC(RP−HPLC、reverse−phase HPLC)により粗生成物を濾過し、精製してもよい。
ある特定の実施形態に係る本発明は、D3のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する方法を提供する。

この方法は、

(a)構造式(IIIa)の保護された線形ペプチド模倣物を提供し、

(b)分子内芳香族求核置換反応により構造式(IVa)の保護されたβ−ターン
ペプチド模倣環式化合物を形成するため、構造式(IIIa)の保護された線形ペプ
チド模倣化合物を環状化し、

(c) 構造式(IVa)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物におけ
るアミノ酸の側鎖保護基を脱保護化することである。
ある実施形態において、構造式(IIa)の固相支持体に付加される保護された線形ペプチド模倣化合物が提供される。
本発明のある実施形態に係る方法は、構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造するのに用いられる中間体に関するものである。本明細書で開示される中間体は、構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物の製造に用いやすいものであり、特定の実施形態において、β−ターンペプチド模倣環式化合物D3の製造に用いやすいものである。
構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物であり、
2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルから選択され、W1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はW3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、
5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、及び−SO2NR8を含むグループから選択されてもよく、
8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6のアルキレン、SO、SO2及びNHを含むグループから選択されてもよく、
Zは、F、Cl、Br、及びIを含むグループから選択されてもよく、
11、R12、及びR13は、それぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13各々のアタッチメントポイントに水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、及び
1は、null、NH、O、S、COO、NH−CH2−COO、C1からC6のアルキレン、又はC1からC6のアリーレンでもよい。
前記固相支持体は、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)、4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシブチル酸MBHA(HMPB−MBHA)、9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イロキシ−メリフィールド樹脂(Seiber Amide)、トリチルアルコール、4−メチルトリチルクロライド、4−メトキシトリチルクロライド、4(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシ樹脂(Rink Acid Resin)、2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコール樹脂(Sasrin Resin)、3−(N−Fmoc−N−メトキシ)プロピル−アミドメチル樹脂(Weinreb amide resin)からなるグループから選択された官能基を備えた樹脂であることを特徴としてもよい。
本発明の一態様において、構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物は、構造式(IIa)の構造を有してもよい。
構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物であり、
2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルから選択され、W1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はW3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、
5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、及び−SO2NR8であってもよく、
8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6のアルキレン、SO、SO2及びNHを含むグループから選択されてもよく、
Zは、F、Cl、Br、及びIを含むグループから選択されてもよく、
11及びR13はそれぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13各々のアタッチメントポイントに水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、及び
2は、H、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6のアルキル、又はC1からC6のアリールでもよい。
本発明の一態様において、構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物は、構造式(IIIa)の構造を有してもよい。
構造式(IV)の保護されたペプチド模倣化合物であり、
2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6アルキルから選択され、W1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はW3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、
5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、
Yは、水素、−NO2、COOR8、−OC(R83、−SO38、及び−SO2NR8であってもよく、
8は、それぞれアルキル又はアリールであってもよく、
Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6のアルキレン、SO、SO2及びNHを含むグループから選択されてもよく、
11及びR13はそれぞれ独立に、水素、又は保護基であってもよく、
1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13各々のアタッチメントポイントに水素原子がなく、
nは0、1、2、3、4、又は5であってもよく、及び
2は、H、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6のアルキル、又はC1からC6のアリールでもよい。
本発明の一態様において、構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣化合物は、構造式(IIVa)の構造を有してもよい。
ある特実施形態に係る本発明は、D3のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する方法を提供する。図2は、例示的なスキーム2の反応を表し、2−クロロトリチルクロライド(2−CTC)レジンを用いてD3の構造を有するβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する反応経路を示している。
実施例:
以下で示される実施例は、単に本発明の説明のためのものであり、これらの実施例及びこれらの等価のものは、本開示内容及び特許請求の範囲から当業者にとって明らかなものであり、どのような方法であれ本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。本出願で用いられる全てのパーセントは、注記したものを除き、重量対重量(w/w)のパーセントである。
実施例1:
図2(スキーム2)は、構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物の一つである化合物D3の合成を示している。この合成は、2−Cl−Trt−Cl(2−CTC)樹脂を固相支持体として用いることで行われる。
化合物2bの合成は、当該分野で知られている標準的な段階Fmoc SPPS(Solid phase peptide synthesis)によって行われる。Merrifield, (J. Am. Chem. Soc. 1964, 85, 2149); Vale et al., (Science, 1981, 213,1394-1397), in U.S. Pat. Nos. 4,305,872 and 4,316,891, Bodanszky et al. (Principles of Peptide Synthesis, 2nd ed., Springer Verlag Berlin Heidelberg 1989) 、及び、Pieta and Marshall, (Chem. Comm. 1970, 650); (Houver-Weyl, Methods of Organic Chemistry. Vol E22a. Synthesis of Peptides and Peptidomimetics, Murray Goodman, Editor-in-Chief, Thieme. Stuttgart. New York 2002)。
2−CTC樹脂2のローディングは、ジフェニル−2'−クロロフェニルクロロメタン派生物の求核置換によって行われる。
1gの2−CTC樹脂(1.2mmol/g)が、30mLの乾燥ジクロロメタン(DCM)により30分間膨潤させられる。溶媒は濾過され、Fmoc−Gly−OH(2eq)と、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(4eq)との溶液が、この樹脂に追加される。少量のN,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)も酸の溶解を促進するために追加される。この溶液は、窒素雰囲気の下、室温で30分間撹拌される。反応時間の最後に、この樹脂は濾過され、DCM/DIPEA溶液(3x5分)、DCM溶液(3x5分)、及びDMF溶液(3x5分)で洗浄される。アミノ酸のローディングは、1,8−ジアザビシクロウンデク−7−エン(DBU)で、N末端Fmoc基の脱保護化により、及びUV分光法で遊離したジベンゾフルベンの溶液濃度を計測することにより、乾燥され、重さを計測された少量の樹脂に基づいて決定される(Gude et al (Lett. Pept. Sci. 2003, 9, 203))。
この樹脂を洗浄した後、DMFに20%(v/v)のピペリジンにより10ml、30分間処置することで、Fmoc保護基は除去される。この樹脂は、塩基の超過を除去するために、濾過され、DMF(3x5分)及びDCM(3x5分)で洗浄される。脱保護化の反応は、陽性ニンヒドリンテストで、少量の樹脂に基づいて監視される(E. Kaiser et al,"Analytical Biochemistry"1970, 34, 595)。
引き続くアミノ酸、Fmoc−hSer(Trt)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、及びFmoc−Glu(OtBu)−OHのカップリングは、Fmoc脱保護サイクルへのカップリング反応に交替するよう段階的に行われる。カップリングについては特に、DMF内のFmoc保護アミノ酸(2eq)、HOBt(2eq)、DIC(2eq)、及びDIPEA(4eq)の溶液が樹脂に追加され、室温で1時間撹拌される。それぞれのカップリングサイクルの後、試薬の超過を除去するために、この樹脂は、DMF(3x5分)及びDCM(3x5分)で洗浄される。それぞれのカップリングの進展は、陰性ニンヒドリンテストで監視される。2−フルオロ−5−ニトロ安息香酸(2eq)のカップリングが、DMF内のHBTU及びDIEA(4eq)の二つの透過物を用いて行われる。この樹脂は、最終的にDMF(3x5分)及びDCM(3x5分)で洗浄され、濾過され、窒素流により乾燥され、化合物2cが得られる。
この樹脂からの化合物2dの切断は、化合物2cをDCMとTFAとTISを97:1;2(v/v)の割合で含む溶液で処置することで行われる。この溶液は、濾過前の2分の間、この樹脂と接触した状態でいることが許される。このステップは、5回繰り返される。この濾過液は、回収され、溶媒は、減圧下で除去される。残ったTISはデカントされ、残留生産物2dが窒素下で乾燥される。
残留生産物2dはDCM:DMFが9:1の溶液に20mg/mLの濃度で溶解され、K2CO3(2eq)が引き続き追加され、混合液は、50℃で3時間撹拌される。(この反応は、環式生産物の完全な形成を確保するため、分析的RP(逆相)−HPLCにより監視される。引き続き分析的逆相HPLC法が、工程中の制御のために用いられる。
反応混合物は、Celiteパッドを介して塩基を除去するために濾過され、フィルターはTHFで洗浄される。濾過液は、回収され、生成物2eを得るためDMFを除去するために、圧力を掛け、60℃で蒸発させられる。
生成物2eは、1時間で、H2O中95%のTFAの溶液に溶解させる。アミノ酸側鎖の脱保護化が完了する。この溶媒は、減圧下で濃縮され、低温のメチルtertブチルエーテルによって、この生成物は沈殿する。粗製生成物D3は、水中のアセトニトリルの勾配を用いて、C18カラムにRP−HPLCによって精製される。TFA塩中全体の40%の収率の化合物D3を得るために、所望の生成物を含む破片が回収され、凍結乾燥される。
Dowex樹脂上のイオン交換クロマトグラフィによって、精製された化合物D3のTFA塩は、化合物D3のHCL塩に交換される。クロマトグラフィによる精製の間に得られた凍結乾燥されたプールされたサブロットの水様アセトニトリル中の溶液は、1x2−100(クロライド形式)を超えたDowexによって充填されたカラムを通過する。これにより、引き続き、追加される水様アセトニトリルによって洗浄され、生成物を得る。
95%の収率のオフホワイトの無定形の固体を得るために、溶離したペプチドが、回収され、シェル凍結され、さらに凍結乾燥される。
効果のある実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨や範囲から逸脱することなく様々な変更、修正、置換、削除がなしえることが理解できるであろう。本発明は、かかる均等物も、特許請求の範囲に含むことを意図している。

Claims (51)

  1. (a)構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物を提供する工程と、

    (b)分子内芳香族求核置換反応により、構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物を形成するため、構造式(III)の保護された線形ペプチド模倣化合物を環状化する工程と、及び

    (c)構造式(IV)の保護されたβ−ターンペプチド模倣環式化合物におけるアミノ酸側鎖保護基を脱保護化する工程と、
    を含み、
    1及びR3は、それぞれ独立に、水素、C1からC6のアルキル、アリール、又は、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であり、
    2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、又はR1及びR2は、それらが結合しているC原子と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、又はR3及びR4は、それらが結合しているC原子と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル基を形成し、
    5、R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルであり、
    Yは、水素、−NO2、−COOR8、−OC(R83、−SO38、及び−SO28を含むグループから選択され、
    8は、それぞれアルキル又はアリールであり、
    Xは、O、N、S、P、Se、C、C1からC6のアルキレン、SO、SO2及びNHを含むグループから選択され、
    Zは、F、Cl、Br、及びIを含むグループから選択され、
    11及びR13は、それぞれ独立に、水素、又は保護基であり、
    1及びW3は、それぞれ独立に、自然又は非自然のアミノ酸のアミノ酸側鎖置換基であって、R11及びR13各々のアタッチメントポイントに水素原子がなく、
    nは、0、1、2、3、4、又は5であり、及び
    2H、NH2、OH、SH、COOH、NH−CH2−COOH、C1からC6のアルキル、又はC1からC6のアリールであり、
    構造式(I)のβ−ターンペプチド模倣環式化合物を製造する方法。
  2. 構造式(I)の前記β−ターンペプチド模倣環式化合物は、14個から16個の環原子の大環状環を有する請求項1記載の方法。
  3. 1及びR3は、それぞれ独立に、2つの異なるアミノ酸の側鎖置換基である請求項1記載の方法。
  4. 1及びR3は、それぞれ独立に、リシン、グルタミン酸、チロシン、イソロイシン、アスパラギン、アルギニン、又はトレオニンの側鎖置換基である請求項3記載の方法。
  5. 1及びR3は、それぞれ独立に、グルタミン酸又はリシンの側鎖置換基である請求項1記載の方法。
  6. 1及びR3は、それぞれ独立に、イソロイシン又はアルギニンの側鎖置換基である請求項1記載の方法。
  7. 11及びR13は、それぞれ独立に、トリフルオロアセチル、ホルミル、アセチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、シクロヘキシルオキシカルボニル、フルオレニルー9−メトキシ−カルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、Cbz誘導体、トリフェニル、メチル、ベンジル、アリロオキシカルボニル、tert−ブチル、アルキルシラン及びアリルを含むグループから選択される請求項1記載の方法。
  8. 1はグルタミン酸の側鎖置換基であり、及びR11はアリル又はtert−ブチルである請求項1記載の方法。
  9. 11は、tert−ブチルである請求項8記載の方法。
  10. 3はリシンの側鎖置換基であり、及びR13はベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、又はtert−ブチルオキシカルボニル(BOC)である請求項1記載の方法。
  11. 13は、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)である請求項10記載の方法。
  12. 2及びR4は、それぞれ独立に、水素又はC1からC6のアルキルである請求項1記載の方法。
  13. 5、R6、及びR7は、水素である請求項1記載の方法。
  14. Xは、O、S、又はNHである請求項1記載の方法。
  15. 2 は、NH−CH2−COOHである請求項1記載の方法。
  16. nは1である請求項1記載の方法。
  17. Yは、アミド基のアタッチメントポイントと関連したメタ位において、前記構造式のベンゼン環に付加されている請求項1記載の方法。
  18. Yは、−NO2である請求項1記載の方法。
  19. Zは、アミド基のアタッチメントポイントと関連したオルト位において、前記構造式のベンゼン環に付加されている請求項1記載の方法。
  20. Zは、Fである請求項1記載の方法。
  21. 構造式(III)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物は、酸、塩基、又は求核試薬の存在の下、構造式(II)の保護された線形ペプチド模倣化合物を固相支持体から切断することにより得られ、構造式(II)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物は以下の構造を有しており、

    1は、null、NH、O、S、COO−、NH−CH2−COO−、C1からC6のアルキレン、又はC1からC6のアリーレンであり、
    12は、水素、又は保護基である請求項1記載の方法。
  22. 12は、保護基である請求項21記載の方法。
  23. XはOであり、及びR12はトリチル又はtert−ブチルジメチルシラン(TBDMS)である請求項21記載の方法。
  24. XはSであり、及びR12はトリチルである請求項21記載の方法。
  25. XはNHであり、及びR12は4−メチルトリチル(Mtt)である請求項21記載の方法。
  26. 構造式(II)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物の該切断では、構造式(II)中に存在する保護された官能基R11及びR13のいずれの脱保護化も生じさせない請求項21記載の方法。
  27. 構造式(II)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物の該切断は、弱酸性の条件の下で行われる請求項21記載の方法。
  28. 前記弱酸性の条件では、0.01%から50%(v/v)のトリフルオ酢酸(TFA)を含む請求項27記載の方法。
  29. 構造式(II)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物の該切断は、極性非プロトン性溶媒中で行われる請求項21記載の方法。
  30. 前記極性非プロトン性溶媒は、ジクロロメタン、アセトニトリル、又はテトラヒドロフラン及びこれらの混合物を含む請求項29記載の方法。
  31. 構造式(II)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物の該切断では、さらにスカベンジャーを含む請求項21記載の方法。
  32. 前記スカベンジャーは、トリイソプロピルシラン(TIS)、チオアニソル、トリアルキルシラン、又はこれらの混合物を含む請求項31記載の方法。
  33. 前記スカベンジャーは、トリイソプロピルシラン(TIS)である、請求項31に記載の方法。
  34. 構造式(II)の前記保護された線形ペプチド模倣化合物の該切断は、TFAとTISとの1:1から1:5の量比の混合物を10%未満含む溶液中で行われる請求項31記載の方法。
  35. 前記固相支持体は、2−クロロトリチルクロライド、4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシブチル酸MBHA、9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イロキシ−メリフィールド樹脂、トリチルアルコール、4−メチルトリチルクロライド、4−メトキシトリチルクロライド、4(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシ樹脂、2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコール樹脂、3−(N−Fmoc−N−メトキシ)プロピル−アミドメチル樹脂を含むグループから選択された官能基を備える樹脂である請求項21記載の方法。
  36. 前記樹脂は、少なくとも0.75mmol/gのローディングの官能基を有する請求項35に記載の方法。
  37. 前記樹脂は、1.0mmol/gから2.0mmol/gのローディングの官能基を有する請求項35に記載の方法。
  38. 前記樹脂は、不溶性重合体である請求項35に記載の方法。
  39. 前記樹脂は、架橋ポリスチレンジビニルベンゼン共重合体である請求項35に記載の方法。
  40. 該環状化は、溶液相で行われる請求項1に記載の方法。
  41. 該環状化は、塩基の存在下で行われる請求項1に記載の方法。
  42. 前記塩基は、K2CO3、CsCO3、CsF、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、テトラメチルグアニジン(TMG)、又はこれらの混合物を含む請求項41記載の方法。
  43. 該環状化は、極性プロトン性溶媒で行われる請求項1記載の方法。
  44. 前記極性プロトン性溶媒は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、DCM/DMFの混合物、又はこれらの混合物を含む請求項43記載の方法。
  45. DCM/DMFは、それらの比で5:95から95:5で用いられる混合物である請求項44記載の方法。
  46. 該環状化は、水及びメタノールの不存在下で行われる請求項1記載の方法。
  47. 該環状化は、前記線形ペプチド模倣化合物の濃度を0.1M未満として行われる請求項1記載の方法。
  48. 該環状化は、25℃から60度の温度で行われる請求項1記載の方法。
  49. 該脱保護化が、強酸性の条件下で行われる請求項1記載の方法。
  50. 前記強酸性の条件では、50%を超えるTFAを含む請求項49記載の方法。
  51. 該脱保護化では、さらにスカベンジャーを含む請求項1記載の方法。
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