図1は本発明の第1実施形態によるセンサ装置を例示する。センサ装置は、センサ回路(SC)と、外部機器(ED)と電気的に接続される端子部(T)と、センサ回路(SC)の出力と端子部(T)との間に配置されるセンサインタフェース10とを含む。本実施形態では、センサ回路(SC)とセンサインタフェース10はモノリシックICに搭載される。
センサ回路(SC)は、例えば、光センサ、温度センサ、圧力センサ、磁気センサ又は加速度センサ等のセンサのように、検出対象の物理量に対応する電気信号(SSC)を発生するように構成される。本実施形態では、上記電気信号はアナログ信号である。なお、本発明はこれに限定されない。例えば、センサ回路(SC)の電気信号はデジタル信号でもよい。
端子部(T)は、少なくとも第1及び第2端子(T1,T2)を含む。例えば、図1に示すように、第1及び第2端子(T1,T2)は、それぞれ電源及び出力端子であり、端子部(T)は、第3端子(T3)として接地端子をさらに含む。
センサインタフェース10は、モード検出器20、通信部30、記憶回路40、信号処理回路50、出力回路60及び電源回路70を含む。電源回路70は、目標構成要素に電力(例えばDC電圧)を供給するように構成される。目標構成要素は、センサ回路(SC)及びセンサインタフェース10の構成要素のうち、少なくとも、モード検出器20、通信部30、記憶回路40、信号処理回路50及び出力回路60である。本実施形態では、電源回路70は、電源端子(T1)からの電圧(例えばDC電圧)を降圧、昇圧又は安定化して上記目標構成要素に供給するように構成される。
モード検出器20は、電源端子(T1)側から受信された入力信号(ST1)がモード信号であるとき、モード信号で指定されるモードを検出するように構成される。詳しくは、モード信号はアナログ信号である。外部機器(ED)は、入力信号(ST1)として、アナログ信号を電源端子(T1)に伝送し、また、入力信号(ST1)として、シリアル入力信号(デジタル信号)を電源端子(T1)に伝送するように構成される。
本実施形態のセンサ装置は、センサ出力、通信及び移行モードを使用するように構成される。なお、本発明はこれに限らない。例えば、センサ装置は、少なくともセンサ出力及び通信モードを使用するように構成されてもよい。
モード信号は、センサ出力、通信及び移行モードの何れか一つのモードを示すための信号である。センサ出力モードは、センサ回路(SC)から得られる電気信号(SSC5)を出力端子(T2)側に伝送するためのモードである。通信モードは、電源端子(T1)側からの入力信号(ST1)を受信し、また出力信号(ST2)を出力端子(T2)側に伝送するためのモードである。移行モードについては後述する。
センサインタフェース10は、モード検出器20で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、センサ回路(SC)から得られる電気信号(SSC5)を出力端子(T2)側に伝送し、また、モード検出器20で検出されたモードが通信モードであるとき、電源端子(T1)側からの入力信号(ST1)を受信する一方、出力信号(ST2)を出力端子(T2)側に伝送するように構成される。図1の例では、電気信号(SSC5)は、センサ回路(SC)から信号処理回路50を介して得られ、続いて出力回路60を介して出力端子(T2)側の外部機器(ED)に伝送される。
従って、通信部30は、通信回路301を含む。通信回路301は、モード検出器20で検出されたモードが通信モードであるとき、出力信号(ST2)としてシリアル出力信号(デジタル信号)を出力端子(T2)側に伝送するように構成される。本実施形態では、モード検出器20で検出されたモードが通信モードであるとき、通信回路301は、電源端子(T1)を介して外部機器(ED)からシリアル入力信号を受信すれば、シリアル入力信号から得られるデータを記憶回路40に格納する一方、記憶回路40から読み出されたデータ又はシリアル入力信号から得られたデータを含むシリアル出力信号を、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に伝送するように構成される。
記憶回路40は、例えば不揮発性メモリを含み、通信回路301を通じて、入力信号(シリアル入力信号)から得られるデータを記憶し、また、信号処理回路50の制御に従って、記憶回路40に記憶されたデータを信号処理回路50に提供するように構成される。さらに、データが正しく書き込みされたかどうかを確認するために、記憶回路40に記憶されたデータは、通信回路301を通じて出力端子(T2)側に伝送可能である。
信号処理回路50は、記憶回路40に記憶されたデータを読み出し、そのデータに基づいてセンサ回路(SC)の出力信号(SSC)を校正し、被校正信号である電気信号(SSC5)を出力回路60に伝送するように構成される。例えば、信号処理回路50は、D/A変換器(図示しない)を含み、D/A変換器を介して記憶回路40からデータを読み出すことによって、例えばゲインやオフセットなどのアナログ校正信号を生成し、そのアナログ校正信号によってセンサ回路(SC)の出力信号(SSC)を校正するように構成される。
出力回路60は、信号処理回路50及び通信回路301の両出力と出力端子(T2)との間に配置される。出力回路60は、モード検出器20で検出されたモードに従って、回路50,301の一方からの信号を出力端子(T2)の側に出力するように構成される。本実施形態では、出力回路60は、モード検出器20で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、信号処理回路50からの電気信号を出力端子(T2)の側に出力し、また、モード検出器20で検出されたモードが通信モードであるとき、通信回路301からの出力信号を出力端子(T2)の側に出力するように構成される。
例えば、出力回路60は、ボルテージフォロワを含み、これは、センサ出力モードでは有効にされ、移行及び通信モードでは無効にされる。例えば、モード検出器20は、モード検出器20で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、出力回路60のボルテージフォロワを有効にし、モード検出器20で検出されたモードが移行又は通信モードであるとき、出力回路60のボルテージフォロワを無効にするように構成される。なお、本発明はこれに限らない。例えば、通信部(又は通信回路)は、入力信号からセンサ出力モードが得られれば出力回路60のボルテージフォロワを有効にし、入力信号から移行又は通信モードが得られれば出力回路60のボルテージフォロワを無効にするように構成されてもよい。
出力回路60のボルテージフォロワが有効にされると、出力回路60の出力はローインピーダンスになる。出力回路60のボルテージフォロワが無効にされると、出力回路60の出力はハイインピーダンスになる。従って、ボルテージフォロワが有効にされると、出力回路60の入力信号(センサ回路(SC)から得られる電気信号(SSC5))は、出力がローインピーダンスである出力回路60から伝送される。
図2,3に示すように、センサ装置は、センサ出力モード、移行モード、通信モード及びセンサ出力モードの順番に周期的に切り替わるセンサ出力、移行及び通信モードを使用するように構成される。即ち、モード検出器20は、センサ出力モードにおいて、電源端子(T1)側から受信されたモード信号で指定されるモードが移行モードに変化し、続いて通信モードに変化すれば、通信モードを検出するように構成される。センサ出力モードから変化する移行モードのモード信号は、通信モードから変化するモード信号と異なる。
センサ出力モードから変化する移行モードのモード信号は、その移行モードへの変化前のモード(即ちセンサ出力モード)のモード信号のレベルよりも高い電圧信号である。さらに、所定のデジタル信号が、電源端子(T1)に印加されて、センサ出力モードから変化する移行モードのモード信号に加えられる。所定のデジタル信号は、例えばシリアル入力信号の開始フレームである。
上記の如く、センサ装置は、外部機器(ED)からの入力信号(ST1)として、モード信号又はシリアル入力信号を受信し、出力信号(ST2)として、シリアル出力信号を伝送するように構成される。シリアル入力信号及びシリアル出力信号の各々は、開始フレームと、少なくとも1つのフレームとを含み、少なくとも1つのフレームは、例えば、スタート、アドレス、コマンド、データ及びストップの各フィールドを含み、これらは、それぞれ、1ビット、5ビット、2ビット、12ビット及び1ビットである。アドレスは、メモリ(記憶回路40)のアドレスである。コマンドは、記憶回路40に対するリード、ライト又は消去コマンドである。スタート及びストップは、それぞれフレームの開始と終了を示す。モード信号は、アナログ入力信号であり、そのDC電圧は、第1電圧(例えば5V)又は第1電圧より高い第2電圧(例えば8V)に変化する。
詳しくは、図2,3に示すように、センサ出力モードは、電源端子(T1)に印加される電圧のレベル、即ち第1電圧によって設定される。モード検出器20は、電源端子(T1)の電圧がしきい電圧(例えば6V)より低ければ、現在のモードがセンサ出力モードであることを検出する。つまり、外部機器(ED)は、電源端子(T1)に第1電圧を印加することにより、現在のモード(センサ装置の動作モード)をセンサ出力モードに設定する。センサ回路(SC)から得られる電気信号は、所定の電圧範囲(例えば、0.5V〜4.5V)内にあり、センサ出力モードにおいて出力端子(T2)を介して外部機器(ED)に伝送される。この場合、出力回路60の出力はローインピーダンスである。
電源端子(T1)の電圧がしきい電圧より高ければ、モード検出器20は、現在のモードが移行モードであることを検出する。つまり、外部機器(ED)は、電源端子(T1)に第2電圧を印加することにより、現在のモードを移行モードに設定する。
電源端子(T1)を介して所定のデジタル信号、即ち開始フレーム(例えば‘10011010’)を受信すれば、モード検出器20は、現在のモードが通信モードであることを検出する。詳しくは、モード検出器20は、開始フレームの最後のビットが受信された時点で、現在のモードが通信モードであることを検出する。つまり、外部機器(ED)は、電源端子(T1)に第2電圧を印加しているときに、開始フレームを含むシリアル入力信号を電源端子(T1)に伝送することにより、現在のモードを通信モードに設定する。通信モードのシリアル入力信号は、第2電圧と第2電圧より高い第3電圧(例えば12V)の範囲内で変化するデジタル信号である。このため、通信回路301は、第2電圧と第3電圧との間のしきい電圧(例えば10V)を発生する基準電源(図示しない)と、そのしきい電圧とシリアル入力信号がそれぞれ第1及び第2入力端子に供給されるコンパレータ(図示しない)とを含む。通信回路301は、シリアル入力信号をしきい電圧と比較することによってシリアル入力信号をデジタル信号に変換するように構成される。
出力端子(T2)を介して外部機器(ED)に伝送されるシリアル出力信号は、図3に示すように、シリアル入力信号と同様に、第2電圧と第3電圧の範囲内で変化するデジタル信号である。
センサインタフェース10(通信回路301)は、クロック信号に従って、出力端子(T2)を流れる、シリアル出力信号に対応する電流(定電流)を供給することによって、出力端子(T2)を介して外部機器(ED)に、シリアル出力信号としての電流信号を伝送するように構成される。例えば、センサインタフェース10(例えば通信回路301)はクロック信号を生成するためのクロックを含む。本実施形態では、図4に示すように、センサインタフェース10は、出力端子(T2)と接地端子(T3)との間に直列に接続される定電流回路602及びスイッチ素子603をさらに含む。通信回路301は、クロック信号とシリアル出力信号に従って、スイッチ素子603をオン及びオフするように構成される。
本実施形態では、出力回路60は、上記スイッチ素子603に加えて、ボルテージフォロワと、定電流回路の両方を含むように構成される。
例えば、図5に示すように、出力回路60に含まれるボルテージフォロワ601は、スイッチ素子(SW1−SW5)と、オペアンプ600とから構成される。オペアンプ600は、電流源(CS1,CS2)と、トランジスタ(Tr1〜Tr7)と、ダイオード(D1,D2)と、キャパシタ(C1)とにより構成される。トランジスタ(Tr1)のベースがオペアンプ600の第1入力端子(非反転入力端子)であり、トランジスタ(Tr2)のベースがオペアンプ600の第2入力端子(反転入力端子)であり、トランジスタ(Tr6,Tr7)の接続点がオペアンプ600の出力端子である。第2入力端子がオペアンプ600の出力端子に接続される。スイッチ素子(SW1−SW5)がオンされることにより、出力回路60は、ボルテージフォロワ601として機能する。つまり、このボルテージフォロワ601は、スイッチ素子(SW1−SW5)をオンすることにより有効にされ、スイッチ素子(SW1−SW5)をオフすることにより無効にされる。このため、スイッチ素子(SW1−SW5)がオフされると、出力回路60の出力はハイインピーダンスになる。例えば、スイッチ素子603は、モード検出器20で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、オンにされる。
出力回路60に含まれる定電流回路602は、スイッチ素子(SW6−SW9)と、基準電源(Vref)と、抵抗(R)と、オペアンプ600の一部とから構成される。オペアンプ600の一部は、オペアンプ600における出力段の一部(Tr7)と利得部の一部(D2)以外の構成要素、つまり電流源(CS1,CS2)と、トランジスタ(Tr1〜Tr6)と、ダイオード(D1)と、キャパシタ(C1)である。ボルテージフォロワ601が無効にされているとき、スイッチ素子(SW1,SW2,SW6〜SW9)がオンされると、出力回路60は定電流回路602として機能する。定電流(Icom)は、Vref/Rによって算出され、ここにおいて、Vrefは基準電源の電圧であり、Rは抵抗(R)の抵抗値である。一例において、出力回路60は、信号処理回路50の入力端に直列に接続(挿入)されるスイッチ素子をさらに備え、モード検出器20は、モード信号で指定されるモードがセンサ出力モードであればそのスイッチ素子をオンし、モード信号で指定されるモードが通信モードであればそのスイッチ素子をオフするように構成される。
要するに、スイッチ素子(SW1−SW5)がオンにされ、スイッチ素子(SW6−SW9)がオフされると、出力回路60は、ボルテージフォロワ601として機能する。スイッチ素子(SW1−SW9)がオフされると、ボルテージフォロワ601が無効にされ、出力回路60の出力はハイインピーダンスになる。スイッチ素子(SW1,SW2,SW6〜SW9)がオンにされ、スイッチ素子(SW3〜SW5)がオフされると、出力回路60は、定電流回路602として機能する。本実施形態では、スイッチ素子(SW1〜SW9)は、モード検出器20によってオン又はオフにされ、スイッチ素子603は、通信回路301からのシリアル出力信号に従ってオン及びオフされる。このように、ボルテージフォロワと定電流回路602とで出力回路60は多くのトランジスタを共有しているので、各モードについて個別の回路ブロックを準備するよりも省スペースかつ低コストのセンサ装置を実現している。
図4に示すように、外部機器(ED)は、コンパレータ101、抵抗102〜104及び基準電源105から構成されるデジタル入力回路を通じてシリアル出力信号(ST2)を受信するように構成される。抵抗102と基準電源105は直列に接続されるとともにその直列の組(102,105)は定電流回路602及びスイッチ素子603の直列回路と並列に接続される。抵抗(分圧抵抗)103,104は直列に接続されるとともにその直列の組(103,104)は基準電源105と並列に接続される。コンパレータ101は、第1及び第2入力端子を有する。第1入力端子は、出力端子(T2)と抵抗102との間に接続され、第2入力端子は、抵抗103と抵抗104との接続点に接続される。また、外部機器(ED)は、スイッチ素子110とアナログ入力回路111とを含み、シリアル出力信号(ST2)を受信するときはデジタル入力回路を出力端子(T2)側に接続し、センサ回路(SC)から得られる電気信号を受信するときはアナログ入力回路111を出力端子(T2)側に接続するように構成される。さらに、外部機器(ED)は、電源端子(T1)に接続されるバイパスキャパシタ(C1)によって通信速度がほとんど影響されない高能力ドライバを含む。
一方、センサ装置は、外部機器(ED)のようなドライバを有さない。このため、出力端子(T2)に接続されるバイパスキャパシタ(C2)の容量は、電源端子(T1)に接続されるバイパスキャパシタ(C1)のそれよりも小さいが、センサ装置の通信速度は、バイパスキャパシタ(C2)によって影響される。この場合、シリアル出力信号が電圧信号であると、キャパシタを充放電するために出力端子(T2)の伝送路に大きな電流を流す必要がある。その電流を小さくすれば通信速度が低下し、通信速度を上げるには、外部機器(ED)のドライバのように高能力ドライバが必要になる。
このため、本実施形態では、外部機器(ED)のデジタル入力回路は、抵抗102、即ち電流検出抵抗を含む。コンパレータ101は、電流検出抵抗102の電圧降下が、分圧器(103,104)の電圧降下より大きいか小さいかを比較することにより、シリアル出力信号をデジタル値に変換する。
例えば、シリアル出力信号がHIGHであるときにスイッチ素子603をオフする場合、出力端子(T2)の伝送路に流れる定電流(Icom)が流れる抵抗102の電圧が抵抗103のそれよりも大きくなるように、デジタル入力回路の各素子のパラメータが設定される。この構成では、電流検出抵抗102の抵抗値を小さくすることにより、通信速度を上げることができる。
本実施形態の動作を説明する。図1,3に示すように、外部機器(ED)が第1電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、モード検出器20が、現在のモードがセンサ出力モードであることを検出する。この場合、モード検出器20は出力回路60のボルテージフォロワ601を有効にし、出力回路60は、信号処理回路50からの電気信号を出力端子(T2)の側に出力する。その結果、センサ回路(SC)から得られる電気信号(SSC5)が出力端子(T2)を介して外部機器(ED)に伝送される。
外部機器(ED)が第2電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、モード検出器20が、現在のモードが移行モードであることを検出する。この場合、モード検出器20は出力回路60のボルテージフォロワ601を無効にする。一例において、モード検出器20はボルテージフォロワ601の有効状態を維持し、出力回路60は、信号処理回路50の出力と出力端子(T2)との間の接続を維持してもよい。
外部機器(ED)が、第2電圧を電源端子(T1)に印加しているときに、開始フレームを含むシリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送すると、モード検出器20が、現在のモードが通信モードであることを検出する。この場合、モード検出器20は出力回路60の定電流回路602を有効にし、出力回路60は、通信回路301からのシリアル出力信号を出力端子(T2)の側に出力する。本実施形態では、図3に示すように、センサインタフェース10は、電源端子(T1)側からのシリアル入力信号を受信する一方、シリアル出力信号を出力端子(T2)側に伝送する。例えば、シリアル入力信号のフレーム1のデータ、フレーム2のデータ及びフレーム3のデータは、それぞれ、シリアル出力信号のフレーム1のデータフィールド、フレーム2のデータフィールド及びフレーム3のデータフィールドに包含される。また、シリアル出力信号の各フレームは、シリアル入力信号の各フレームに比べて1フレーム遅れて伝送される。
本実施形態では、電源端子(T1)を介して外部機器(ED)から入力信号(ST1)を受信する一方、出力端子(T2)を介して外部機器(ED)に出力信号(ST2)を伝送する。これにより、端子部(T)の端子の数を増やすことなく、入力信号と出力信号とをそれぞれ同時に受信及び伝送することができる。
センサインタフェース10は、出力端子(T2)を介して外部機器(ED)に、シリアル出力信号としての電流信号を伝送するので、出力端子(T2)に接続されるバイパスキャパシタ(C2)に起因するシリアル出力信号の通信速度の低下を防止することができる。
センサ出力モードから通信モードへの遷移の間に移行モードを設けて遷移を2段階にすることによって、サージやノイズによって意図せずセンサ出力モードから通信モードになってしまうことを防止することができる。移行モードにおいては入力信号用の閾値設定を行うので、移行モードから通信モードに遷移するためのモード信号は、センサ出力モードから移行モードに遷移するためのモード信号より複雑なビットパターンであっても容易に対応可能である。これにより、移行モードから通信モードに意図せず移行してしまうことを可及的に低減することができる。
センサ出力モードから変化する移行モードのモード信号が、その移行モードへの変化前のモード(センサ出力モード)のモード信号のレベルよりも高い電圧信号であるので、移行モードを簡単に設定することができる。
所定のデジタル信号(開始フレーム)が、電源端子(T1)に印加されて、センサ出力モードから変化する移行モードのモード信号に加えられるので、通信モードを簡単に設定することができる。
記憶回路40が不揮発性メモリを含むので、センサ回路(SC)の特性を調整するためのデータを記憶回路40に格納することにより、電源端子(T1)の電源がオン及びオフされても、そのデータに基づくセンサ出力を得ることができる。
センサ回路(SC)とセンサインタフェース10とがモノリシックICに搭載されるので、センサ装置を小型化し、低コストで生産することができる。
一実施形態において、センサ装置は、通信モード、移行モード、センサ出力モード及び通信モードの順番に周期的に切り替わる通信、移行及びセンサ出力モードを使用するように構成される。この場合、通信モードから変化する移行モードのモード信号は、その移行モードへの変化前のモード(即ち通信モード)のモード信号のレベルよりも高い電圧信号である。所定のデジタル信号(開始フレーム)は、電源端子(T1)に印加されて、通信モードから変化するモード信号に加えられる。
一実施形態において、センサ装置は、センサ出力モード、移行モード、通信モード、移行モード、センサ出力モード、移行モードの順番に周期的に切り替わるセンサ出力、移行及び通信モードを使用するように構成される。この場合、センサ出力モードから変化する移行モードのモード信号は、その移行モードへの変化前のモード(センサ出力モード)のモード信号のレベルよりも高い電圧信号であり、通信モードから変化する移行モードのモード信号は、その移行モードへの変化前のモード(通信モード)のモード信号のレベルよりも高い電圧信号である。所定のデジタル信号(開始フレーム)は、電源端子(T1)に印加されて、センサ出力モードから変化するモード信号に加えられ、また電源端子(T1)に印加されて、通信モードから変化するモード信号に加えられる。
本発明の第2実施形態によるセンサ装置について説明する。本実施形態は、モード検出器20で検出されたモードが通信モードであるとき、出力回路60が、通信モードのフェーズに応じて、信号処理回路50又は通信回路301からの信号を出力端子(T2)の側に出力するように構成される点で、第1実施形態と相違する。明瞭のため、同様の要素には、第1実施形態で表されたのと同じ符号が割り当てられる。
本実施形態では、通信モードは、入力フェーズと、出力フェーズと、入力及び出力フェーズとを含み、これらの何れか1つが、外部機器(ED)によって決定され、外部機器(ED)とセンサ装置との間で使用される。入力フェーズは、外部機器(ED)が電源端子(T1)側にシリアル入力信号を伝送する必要があるが、センサ装置からのシリアル出力信号を必要としないときに使用されるフェーズである。出力フェーズは、外部機器(ED)がセンサ装置からのシリアル出力信号を必要とするが、電源端子(T1)側に何のシリアル入力信号も伝送する必要がないときに使用されるフェーズである。入力及び出力フェーズは、第1実施形態の通信モードと同様に、外部機器(ED)が電源端子(T1)側にシリアル入力信号を伝送するとともにセンサ装置からのシリアル出力信号を必要とするときに使用されるフェーズである。
例えば、これら何れかのフェーズを示すデータは、外部機器(ED)を通じてシリアル入力信号における開始フレーム以降のフレームに含まれる。
このため、出力回路60は、通信回路301と協調するように構成されるモード検出器20の制御に従って、通信モードのフェーズが入力フェーズであれば信号処理回路50からの電気信号を出力端子(T2)の側に出力し、通信モードのフェーズが出力フェーズ又は入力及び出力フェーズであれば通信回路301からのシリアル出力信号を出力端子(T2)の側に出力するように構成される。つまり、通信回路301は、通信モードのフェーズをモード検出器20に送信するように構成される。
次に本実施形態の動作を説明する。先ず入力フェーズの動作を説明する。通信モードにおいて、開始フレーム後の何れかのフレームに入力フェーズを示すデータが含まれていれば、出力回路60は、信号処理回路50からの電気信号(SSC5)を出力端子(T2)の側に出力し、また通信回路301は、電源端子(T1)側からのシリアル入力信号を受信すれば、そのシリアル入力信号から得られるデータを記憶回路40に格納する。入力フェーズにおいては、出力回路60の出力はハイインピーダンス(すなわち、ボルテージフォロワ601は無効)に設定されてもよい。
次に出力フェーズの動作を説明する。通信モードにおいて、シリアル入力信号の開始フレーム後の何れかのフレームに出力フェーズを示すデータが含まれていれば、出力回路60は、通信回路301からのシリアル出力信号を出力端子(T2)の側に出力する。通信回路301は、シリアル入力信号に含まれるコマンド等に従って記憶回路40に記憶されたデータを読み出し、そのデータを含むシリアル出力信号を出力端子(T2)側に伝送する。特定アドレスのデータが読み出し、伝送されるようになっていてもよいし、すべてのアドレスのデータが順に読み出し、伝送されるようになっていてもよい。
最後に入力及び出力フェーズの動作を説明する。通信モードにおいて、シリアル入力信号の開始フレーム後の何れかのフレームに入力及び出力フェーズを示すデータが含まれていれば、出力回路60は、通信回路301からのシリアル出力信号を出力端子(T2)の側に出力する。通信回路301は、電源端子(T1)側からのシリアル入力信号を受信し、そのシリアル入力信号から得られるデータを記憶回路40に格納する。また、通信回路301は、シリアル入力信号に含まれるコマンド等に従って記憶回路40に記憶されたデータを読み出し、そのデータを含むシリアル出力信号を出力端子(T2)側に伝送する。特定アドレスのデータが常に読み出し、伝送されるようになっていてもよいし、すべてのアドレスのデータが順に読み出し、伝送されるようになっていてもよい。
本実施形態では、通信モードのフェーズが入力フェーズであるとき、シリアル出力信号を出力端子(T2)の側に出力しないから、信号処理回路50からの電気信号(SSC5)を出力端子(T2)の側に伝送することができる。要するに、電源端子(T1)を介して外部機器(ED)からシリアル入力信号を受信することができる一方、出力端子(T2)を介して外部機器(ED)にセンサ回路(SC)から得られる電気信号(SSC)を伝送することができる。
一実施形態において、センサ装置は、複数のセンサ回路と複数のセンサインタフェースとを含み、入力フェーズにおいては、出力回路60の各出力はハイインピーダンス(すなわち、各ボルテージフォロワ601は無効)に設定され、すべてのセンサインタフェースが共通データを伝送する場合などに有効である。
図6は本発明の第3実施形態によるセンサ装置を例示する。センサ装置は、同一の物理量を検出するように構成される、上記センサ回路(SC)としての第1及び第2センサ回路(SC1,SC2)を含み、上記センサインタフェース10として、第1及び第2センサインタフェース11,12をさらに含む。
換言すると、共通のセンサ回路(以下「センサ回路SC」という)が第1及び第2センサ回路(SC1,SC2)の各々に使用される一方、共通のセンサインタフェース(以下「センサインタフェース10」という)が第1及び第2センサインタフェース11,12の各々に使用される。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、センサ回路SC及びセンサインタフェース10が共通のモノリシックICに搭載される。モノリシックICは、望ましくは第1−第6ピン(P1−P6)を含む。
図6の例では、第1センサインタフェース11は、第1実施形態と同様に、第1センサ回路(SC1)の出力と電気的に接続されている一方、端子部(T)の電源、出力及び接地端子(T1,T2,T3)と電気的に接続されている。一方、第2センサインタフェース12は、第2センサ回路(SC2)の出力と電気的に接続されている一方、端子部(T)のうち電源及び接地端子(T1,T3)のみと電気的に接続されている。
例えば、第1及び第2モノリシックICと端子部(T)は一つのプリント回路基板に搭載される。第1モノリシックICのピン(P1,P2,P3)は、それぞれ、電源、出力及び接地端子(T1,T2,T3)と電気的に接続される。第2モノリシックICのピン(P1,P3)は、それぞれ、電源及び接地端子(T1,T3)と電気的に接続される。第1センサインタフェース11のピン(P5)は第2センサインタフェース12のピン(P6)と電気的に接続される。
第1センサインタフェース11は、それぞれ、モード検出器20、通信部30及び記憶回路40として、第1モード検出器21、第1通信部31及び第1記憶回路41を含み、第1センサ回路(SC1)の出力と端子部(T)との間に配置される。図6では、第1センサインタフェース11は、それぞれ、モード検出器20、通信部30、記憶回路40、信号処理回路50、出力回路60及び電源回路70として、第1モード検出器21、第1通信部31、第1記憶回路41、第1信号処理回路51、第1出力回路61及び第1電源回路71を含んでいる。
第2センサインタフェース12は、それぞれ、モード検出器20、通信部30及び記憶回路40として、第2モード検出器22、第2通信部32及び第2記憶回路42を含み、第2センサ回路(SC2)の出力と端子部(T)との間に配置される。図6では、第2センサインタフェース12は、それぞれ、モード検出器20、通信部30、記憶回路40、信号処理回路50、出力回路60及び電源回路70として、第2モード検出器22、第2通信部32、第2記憶回路42、第2信号処理回路52、第2出力回路62及び第2電源回路72を含んでいる。
本実施形態では、第1センサインタフェース11は、第1異常検出回路81及び第1マスタ/スレーブスイッチ91をさらに含み、第2センサインタフェース12は、第2異常検出回路82及び第2マスタ/スレーブスイッチ92をさらに含む。第1及び第2異常検出回路81,82については後述する。
第1及び第2マスタ/スレーブスイッチ91,92の各々は、それ自身のセンサインタフェースをマスタ又はスレーブの何れか一方に設定するためのスイッチである。
一方のセンサインタフェース10がそれ自身のマスタ/スレーブスイッチを通じてマスタに設定されると、そのセンサインタフェース10は、マスタ、即ち第1センサインタフェース11として機能する。他方のセンサインタフェース10がそれ自身のマスタ/スレーブスイッチを通じてスレーブに設定されると、そのセンサインタフェース10は、スレーブ、即ち第2センサインタフェース12として機能する。
例えば、センサインタフェース10は、それ自身のマスタ/スレーブスイッチが電源又は接地端子の何れか一方に電気的に接続されるとマスタとして機能する一方、それ自身のマスタ/スレーブスイッチがその他方に電気的に接続されるとスレーブとして機能する。図6では、第1センサインタフェース11は、第1マスタ/スレーブスイッチ91が第1センサインタフェース11のピン(P4)を介して接地端子(T3)に電気的に接続されてマスタとして機能している。第2センサインタフェース12は、第2マスタ/スレーブスイッチ92が第2センサインタフェース12のピン(P4)を介して電源端子(T1)に電気的に接続されてスレーブとして機能している。要するに、第1センサインタフェース11はマスタ/スレーブスイッチ91を通じてマスタに設定され、第2センサインタフェース12はマスタ/スレーブスイッチ92を通じてスレーブに設定されている。
第1及び第2通信部31,32は、それぞれ、第1及び第2中継回路(TC1,TC2)をさらに有している。図6では、第1及び第2中継回路(TC1,TC2)は、それぞれ、第1及び第2通信部31,32の第1及び第2通信回路311,321内に含まれ、インタフェース11のピン(P5)及びインタフェース12(P6)を介して互いに電気的に接続されている。
本実施形態では、センサインタフェース10の信号処理回路50は、記憶回路40からのデータに基づいて、センサ回路(SC)からの電気信号を校正し、被校正信号である電気信号を出力回路60に出力するように構成される。本実施形態では、電気信号(被校正信号)はデジタル信号である。
この構成では、図5に示すように、出力回路60は、ボルテージフォロワのみに使用される構成要素(D2,Tr7,SW5〜SW9)が除去され、スイッチ素子(SW1〜SW3)と、定電流回路602と、スイッチ素子603とを含む。詳しくは、定電流回路602は、基準電源(Vref)と、電流源(CS1,CS2)と、トランジスタ(Tr1〜Tr6)と、ダイオード(D1)と、キャパシタ(C1)と、抵抗(R)とを含み、スイッチ素子(SW6,SW8,SW9)及びダイオード(D2)の各部は結合線(パターン配線)と置き換えられる。
加えて、センサインタフェース10の中継回路は、信号処理回路50から得られる電気信号(被校正信号)をインタフェース10のピン(P6)の側に伝送するか、インタフェース10のピン(P5)からの電気信号を受信するように構成される。また、センサインタフェース10の中継回路は、インタフェース10のピン(P5)からの電気信号を受信すれば、その電気信号をセンサインタフェース10の異常検出回路に伝送するように構成される。
つまり、スレーブの中継回路、即ち第2中継回路(TC2)は、第2センサインタフェース12のピン(P6)を介して、第2信号処理回路52からの第2電気信号であるシリアル中継信号(SST)を第1センサインタフェース11(第1中継回路(TC1))に伝送するように構成される。マスタの中継回路、即ち第1中継回路(TC1)は、第1センサインタフェース11のピン(P5)を介して、第2中継回路(TC2)からの第2電気信号を受信するように構成される。その第2電気信号は第1異常検出回路81に伝送される。この構成では、スイッチ素子110とアナログ入力回路111は、外部機器(ED)から除去される(図4参照)。一例において、第1中継回路(TC1)は、第1信号処理回路51から第1電気信号を受信すれば、第1出力回路61を通じて第1電気信号を外部機器(ED)に伝送し、また第1センサインタフェース11のピン(P5)を介して第2電気信号を受信すれば、第1出力回路61を通じて第2電気信号を外部機器(ED)に伝送するように構成されてもよい。
要するに、第2センサインタフェース12は、第2モード検出器22で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第2センサ回路(SC2)から得られる検出対象の物理量に対応する第2電気信号に基づいて、第2中継回路(TC2)を通じて第1センサインタフェース11に第1シリアル中継信号を伝送するように構成される。本実施形態では、第2電気信号(デジタル値)は、変更無しに第1シリアル中継信号として第1センサインタフェース11に伝送される。
また、センサインタフェース10の中継回路は、第2モード検出器22で検出されたモードが通信モードであるとき、第2シリアル中継信号をセンサインタフェース10のピン(P6)の側に伝送するように構成される。即ち、第2センサインタフェース12は、第2モード検出器22で検出されたモードが通信モードであるとき、電源端子(T1)を通じて第2シリアル入力信号を受信すれば、第2シリアル入力信号から得られる第2データを第2記憶回路42に格納する一方、第2中継回路(TC2)を通じて第1センサインタフェース11に第2シリアル中継信号を伝送するように構成される。第2シリアル入力信号は、外部機器(ED)から第2センサインタフェース12宛の入力信号(ST1)であり、第2シリアル中継信号は、外部機器(ED)への出力信号(ST2)としての第2シリアル出力信号である。例えば、外部機器(ED)は、第2センサインタフェース12の識別データを第2センサインタフェース12への第2シリアル入力信号のデータフィールドに含める。
第1センサインタフェース11は、第1モード検出器21で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第1電気信号を出力端子(T2)側に伝送する一方、第1中継回路(TC1)を通じて第1シリアル中継信号を受信すれば、第1シリアル中継信号に基づいて出力端子(T2)側に第2電気信号を伝送するように構成される。第1電気信号は、第1センサ回路(SC1)から得られる検出対象の物理量に対応する。本実施形態では、上述のクロックから得られる信号に従って、第1信号処理回路51及び第1中継回路(TC1)が、それぞれ、第1出力回路61を介して外部機器(ED)に第1電気信号及び第2電気信号を交互に伝送する。
また、第1センサインタフェース11は、第1モード検出器21で検出されたモードが通信モードであるとき、第1シリアル入力信号を、電源端子(T1)を通じて受信すれば、第1シリアル入力信号から得られる第1データを第1記憶回路41に格納するように構成される。第1シリアル入力信号は、外部機器(ED)から伝送され電源端子(T1)側から受信された第1センサインタフェース11宛の入力信号(ST1)である。例えば、外部機器(ED)は、第1センサインタフェース11の識別データを第1センサインタフェース11への第1シリアル入力信号のデータフィールドに含める。また、第1センサインタフェース11は、第1モード検出器21で検出されたモードが通信モードであるとき、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に、出力信号(ST2)として第1シリアル出力信号を伝送し、また第1中継回路(TC1)を通じて第2シリアル中継信号を受信すれば、第2シリアル中継信号を基に出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に第2シリアル出力信号を伝送するように構成される。
各異常検出回路は、それ自身のセンサインタフェース10がマスタに設定されれば有効にされ、それ自身のセンサインタフェース10がスレーブに設定されれば無効にされる。
有効にされた異常検出回路、即ち第1異常検出回路81は、第1電気信号の物理量と第2電気信号の物理量との差が予め決められたしきい値を超えれば、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に、差がしきい値を超えたことを示すエラー信号を伝送するように構成される。本実施形態では、エラー信号はデジタル信号である。例えば、ビット信号‘00000000’をエラー信号として確保しておき、電気信号(被校正信号)のレベルに従って「00000001」〜「11111111」の範囲内のビット信号が電気信号に割り当てられる。
本実施形態の動作を説明する。外部機器(ED)が第1電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々は、現在のモードがセンサ出力モードであることを検出する。
この場合、第1モード検出器21は第1出力回路61の定電流回路を有効にする。第2出力回路62の出力は端子部(T)に接続されていないので、第2モード検出器22は第2出力回路62を有効にしても無効にしてもよい。第2センサインタフェース12は、第2センサ回路(SC2)からの第2電気信号に基づいて、第2中継回路(TC2)を通じて第1センサインタフェース11に第1シリアル中継信号を伝送する。第1センサインタフェース11は、第1センサ回路(SC1)からの第1電気信号を、第1出力回路61を介して出力端子(T2)側に伝送する一方、第1中継回路(TC1)を通じて第1シリアル中継信号を受信すれば、第1シリアル中継信号に基づいて、第1出力回路61を介して出力端子(T2)側に第2電気信号を伝送する。本実施形態では、第1及び第2電気信号(デジタル値)は、交互に伝送される。一例において、第1及び第2電気信号(デジタル値)は、TDMA(時分割多重アクセス)信号として伝送されてもよい。
このセンサ出力モードにおいて、第1電気信号と第2電気信号(第1シリアル中継信号)との差がしきい値を超えれば、エラー信号が第1異常検出回路81から第1出力回路61に出力されて、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に伝送される。
外部機器(ED)が第2電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々は、現在のモードが移行モードであることを検出する。
この場合、第1モード検出器21は、第1出力回路61の出力がハイインピーダンスになるように、スイッチ素子(SW1〜SW3)をオフにする(図5参照)。また、第1出力回路61のスイッチ素子603はオフにされている。
外部機器(ED)が、第2電圧を電源端子(T1)に印加しているときに、開始フレームを含むシリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々は、現在のモードが通信モードであることを検出する。例えば、外部機器(ED)は、第1センサインタフェース11に宛てた第1シリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送するか、第2センサインタフェース12に宛てた第2シリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送する。
この場合、第1モード検出器21は、第1出力回路61の定電流回路を有効にする。第2センサインタフェース12は、電源端子(T1)を通じて、第2シリアル入力信号を受信すれば、第2シリアル入力信号から得られる第2データを第2記憶回路42に格納する一方、第2中継回路(TC2)を通じて第1センサインタフェース11に第2シリアル中継信号を伝送する。例えば、第2シリアル中継信号は、第2記憶回路42から読み出されたデータを含む。
一方、第1センサインタフェース11は、電源端子(T1)を通じて第1シリアル入力信号を受信すれば、第1シリアル入力信号から得られる第1データを第1記憶回路41に格納する。また、第1センサインタフェース11は、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に第1シリアル出力信号を伝送し、また第1中継回路(TC1)を通じて第2シリアル中継信号を受信すれば、第2シリアル中継信号を基に出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に第2シリアル出力信号を伝送する。例えば、第1シリアル出力信号は、第1記憶回路41から読み出されたデータを含み、第2シリアル出力信号は、第2シリアル中継信号に含まれたデータ(例えば第2記憶回路42から読み出されたデータ)を含む。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、センサ回路(SC)及びセンサインタフェース10が共通のモノリシックICに搭載されるので、第1及び第2実施形態と同様の種々の効果を得ることができる。
本実施形態では、第2通信部32が第1又は第2シリアル中継信号(SST)を第1センサインタフェース11に伝送し、第1通信部31が第1又は第2シリアル中継信号(SST)を受信するので、第1センサインタフェース11は、それぞれ、第2センサインタフェース12からの第1又は第2シリアル中継信号(SST)に基づいて第1又は第2シリアル出力信号を出力端子(T2)の側に伝送することが可能になる。つまり、第1及び第2センサインタフェース11,12の各々は、端子部(T)の端子の数を増やすことなく、端子部(T)を介して、外部機器(ED)からの入力信号を受信し、また出力信号を伝送することが可能になる。
本実施形態では、第2センサインタフェース12は端子部(T)のうち電源及び接地端子(T1,T3)のみと電気的に接続される。この構成でも、第1センサインタフェース11は、出力端子(T2)と接続されない第2センサインタフェース12からの第1又は第2シリアル中継信号(SST)に基づいて第1又は第2シリアル出力信号を出力端子(T2)の側に伝送することが可能になる。例えば、外部機器(ED)は、第1及び第2記憶回路41,42の各々に正しいデータが格納されていることを確認することができる。
本実施形態では、第1電気信号の物理量と第2電気信号の物理量との差が予め決められたしきい値を超えれば、第1異常検出回路81が、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に、差がしきい値を超えたことを示すエラー信号を伝送するので、第1又は第2センサ回路(SC1又はSC2)の異常を検出することができる。
一実施形態において、第1センサインタフェース11は、第1記憶回路41に記憶された設定パラメータに従って、出力端子(T2)側に第1又は第2電気信号の何れか一方を伝送するように構成される。つまり、設定パラメータは、第1又は第2電気信号の何れか1つを指定するパラメータである。その場合、他方の電気信号はマスタICでの異常診断にのみ使用される。この実施形態では、第1又は第2センサ回路(SC1又はSC2)の何れか一方の出力(電気信号)を外部機器(ED)に伝送することができるので、第1及び第2センサ回路(SC1,SC2)の利用度を高めることができる。何れの場合も、センサ出力モードと通信モードとにおいて同一の通信回路(中継回路)を使用してスレーブからマスタにシリアル通信をするので、回路が共用化されていて効率がよい。言い換えれば、低コストで多重機能が実現できている。
一実施形態において、図7に示すように、センサインタフェース10の出力回路60は、スイッチ素子(SW6)と置き換えられるスイッチ素子603と、基準電源(Vref)と、トランジスタ(Tr1)と、出力端子(T2)に直列に接続されるスイッチ素子(SW10)とを含み、これらは定電流回路を構成する。スイッチ素子(SW10)は、モード検出器20によってオン(有効)又はオフ(無効)される。この実施形態では、出力回路60を簡単に構成することができる。
図8は本発明の第4実施形態によるセンサ装置を例示する。センサ装置は、第1及び第2電気信号の各々が第1実施形態と同様にアナログ信号である点で、第3実施形態と相違する。明瞭のため、同様の要素には、第3実施形態で表されたのと同じ符号が割り当てられる。
このため、第4実施形態におけるセンサインタフェース10の中継回路は、信号処理回路50の出力に直結される。センサインタフェース10の出力回路60は、第1実施形態のそれと同様に構成される(図5参照)。つまり、第1センサインタフェース11の第1中継回路(TC1)は、第1信号処理回路51の出力に直結され、第2センサインタフェース12の第2中継回路(TC2)は、第2信号処理回路52の出力に直結される。
また、センサインタフェース10の中継回路は、モード検出器20で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、信号処理回路50から得られる電気信号(被校正信号)をセンサインタフェース10のピン(P6)の側に伝送するか、センサインタフェース10のピン(P5)からの電気信号を受信するように構成される。
スレーブの中継回路、即ち第2中継回路(TC2)は、第2モード検出器22で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第2センサインタフェース12のピン(P6)を介して、第2信号処理回路52からの第2電気信号(被校正信号)を第1センサインタフェース11(第1中継回路(TC1))に伝送するように構成される。マスタの中継回路、即ち第1中継回路(TC1)は、第1モード検出器21で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第1センサインタフェース11のピン(P5)を介して、第2中継回路(TC2)からの第2電気信号(被校正信号)を受信するように構成される。
加えて、第1中継回路(TC1)は、第1モード検出器21で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第1信号処理回路51からの第1電気信号(被校正信号)と第2中継回路(TC2)からの第2電気信号(被校正信号)を第1異常検出回路81に伝送し、またそれら第1及び第2電気信号を交互に第1出力回路61に伝送するように構成される。第1異常検出回路81のエラー信号は、アナログ信号であり、本実施形態では例えばHIGH信号である。例えば、電源端子(T1)の電圧が5Vであるとき、HIGH信号は4.8V以上に設定される。外部機器(ED)は、出力端子(T2)からのHIGH信号を、第1異常検出回路81のエラー信号として受信する。
センサインタフェース10の中継回路は、モード検出器20で検出されたモードが通信モードであるとき、第2シリアル中継信号をセンサインタフェース10のピン(P6)の側に伝送するか、第2シリアル出力信号を出力端子(T2)の側に伝送するように構成される。すなわち、第2通信部32は、第2モード検出器22で検出されたモードが通信モードであるとき、第2中継回路(TC2)を通じて第2シリアル中継信号を第1センサインタフェース11(第1中継回路(TC1))に伝送するように構成される。第2シリアル中継信号は、外部機器(ED)への出力信号(ST2)としての第2シリアル出力信号のための信号である。第1通信部31は、第1モード検出器21で検出されたモードが通信モードであるとき、第1中継回路(TC1)を通じて第2シリアル中継信号を受信すれば、第2シリアル中継信号を基に第1出力回路61及び出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に第2シリアル出力信号を伝送するように構成される。
本実施形態の動作を説明する。外部機器(ED)が第1電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々が、現在のモードがセンサ出力モードであることを検出する。
この場合、第2中継回路(TC2)は、第2センサインタフェース12のピン(P6)を介して、第2信号処理回路52からの第2電気信号(被校正信号)を第1センサインタフェース11(第1中継回路(TC1))に伝送する一方、第1中継回路(TC1)は、第1センサインタフェース11のピン(P5)を介して、第2中継回路(TC2)からの第2電気信号(被校正信号)を受信する。また、第1中継回路(TC1)は、第1信号処理回路51からの第1電気信号と第2中継回路(TC2)からの第2電気信号を第1異常検出回路81に伝送し、またそれら第1及び第2電気信号を交互に第1出力回路61に伝送する。
第1出力回路61は、第1中継回路(TC1)からの第1及び第2電気信号を出力端子(T2)の側に交互に伝送する。また、第1異常検出回路81は、第1電気信号の物理量と第2電気信号の物理量との差が予め決められたしきい値を超えれば、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に、差がしきい値を超えたことを示すエラー信号(HIGH信号)を伝送する。
外部機器(ED)が第2電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々は、現在のモードが移行モードであることを検出する。この場合、第1モード検出器21は第1出力回路61のボルテージフォロワを無効にする。
外部機器(ED)が、第2電圧を電源端子(T1)に印加しているときに、開始フレームを含むシリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々は、現在のモードが通信モードであることを検出する。例えば、外部機器(ED)は、第1センサインタフェース11に宛てた第1シリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送するか、第2センサインタフェース12に宛てた第2シリアル入力信号を電源端子(T1)側に伝送する。
この場合、第1モード検出器21は、第1出力回路61の定電流回路を有効にする。第2センサインタフェース12は、電源端子(T1)を通じて、第2シリアル入力信号を受信すれば、第2シリアル入力信号から得られる第2データを第2記憶回路42に格納する一方、第2中継回路(TC2)を通じて第1センサインタフェース11(第1通信部31)に第2シリアル中継信号を伝送する。第2シリアル中継信号は、第2記憶回路42から読み出されたデータを含む。
一方、第1センサインタフェース11は、電源端子(T1)を通じて第1シリアル入力信号を受信すれば、第1シリアル入力信号から得られる第1データを第1記憶回路41に格納する。また、第1センサインタフェース11は、出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に第1シリアル出力信号を伝送し、また第1中継回路(TC1)を通じて第2シリアル中継信号を受信すれば、第2シリアル中継信号を基に出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に第2シリアル出力信号を伝送する。例えば、第1シリアル出力信号は、第1記憶回路41から読み出されたデータを含み、第2シリアル出力信号は、第2シリアル中継信号に含まれたデータ(例えば第2記憶回路42から読み出されたデータ)を含む。
本実施形態でも、第1及び第2センサインタフェース11,12の各々は、端子部(T)の端子の数を増やすことなく、端子部(T)を介して、外部機器(ED)からの入力信号を受信し、また出力信号を伝送することが可能になる。
一実施形態において、第1信号処理回路51は、第1記憶回路41に記憶された設定パラメータに従って、出力端子(T2)側に第1又は第2電気信号(アナログ信号)の何れか一方を伝送するように構成される。この場合、第1センサ回路(SC1)又は第2センサ回路(SC2)の異常を検出することができる。
図9は本発明の第5実施形態によるセンサ装置を例示する。センサ装置は、第2センサインタフェース12のピン(P2)がさらに出力端子(T2)に電気的に接続され、少なくともセンサ出力モードにおいて、第1及び第2記憶回路41,42に記憶された各データに基づいて、第1及び第2出力回路61,62の何れか一方が有効にされ、その他方が無効にされる点で、第4実施形態と相違する。移行及び通信モードでは、第1及び第2出力回路61,62は、第4実施形態と同様に動作する。一例において、通信モードでは、第1及び第2出力回路61,62の各々は、自己のセンサインタフェース宛のシリアル入力信号に含まれるデータによって有効か無効にされてもよい。明瞭のため、同様の要素には、第4実施形態で表されたのと同じ符号が割り当てられる。
本実施形態では、第1及び第2モノリシックICの各々は、少なくとも第1〜第5ピン(P1−P5)を含み、ピン(P5,P5)が互いに電気的に接続される。
センサインタフェース10の中継回路は信号処理回路50の出力の側に配置され、信号処理回路50の出力は、センサインタフェース10における中継回路、出力回路及び異常検出回路に電気的に接続される。この中継回路は、モード検出器20で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、信号処理回路50を介してセンサ回路(SC)から得られる電気信号(被校正信号)をセンサインタフェース10のピン(P5)の側に伝送するか、そのピン(P5)から得られる電気信号(被校正信号)をセンサインタフェース10の異常検出回路に伝送するように構成される。例えば、中継回路は、対応する出力回路が有効にされていれば、センサインタフェース10のピン(P5)から得られる電気信号(被校正信号)をセンサインタフェース10の異常検出回路に伝送し、対応する出力回路が無効にされていれば、信号処理回路50を介してセンサ回路(SC)から得られる電気信号(被校正信号)をセンサインタフェース10のピン(P5)の側に伝送するように構成される。
即ち、第1中継回路(TC1)は第1信号処理回路51の出力の側に配置され、第1信号処理回路51の出力は、第1中継回路(TC1)、第1出力回路61及び第1異常検出回路81に電気的に接続される。第1モード検出器21で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第1中継回路(TC1)は、第1出力回路61が有効にされていれば、ピン(P5,P5)を介して第2センサインタフェース12(第2中継回路(TC2))から得られる電気信号(第2電気信号)を第1異常検出回路81に伝送し、また第1出力回路61が無効にされていれば、第1信号処理回路51を介して第1センサ回路(SC1)から得られる電気信号(第1電気信号)を、ピン(P5,P5)を介して第2センサインタフェース12(第2中継回路(TC2))に伝送するように構成される。
第2中継回路(TC2)は第2信号処理回路52の出力の側に配置され、第2信号処理回路52の出力は、第2中継回路(TC2)、第2出力回路62及び第2異常検出回路82に電気的に接続される。第2モード検出器22で検出されたモードがセンサ出力モードであるとき、第2中継回路(TC2)は、第2出力回路62が有効にされていれば、ピン(P5,P5)を介して第1センサインタフェース11(第1中継回路(TC1))から得られる第1電気信号を第2異常検出回路82に伝送し、また第2出力回路62が無効にされていれば、第2信号処理回路52を介して第2センサ回路(SC2)から得られる第2電気信号(被校正信号)を、ピン(P5,P5)を介して第1センサインタフェース11(第1中継回路(TC1))に伝送するように構成される。
本実施形態の動作を説明する。外部機器(ED)が第1電圧のモード信号を電源端子(T1)側に伝送すると、第1及び第2モード検出器21,22の各々は、現在のモードがセンサ出力モードであることを検出する。
この場合、第1出力回路61が有効にされ、かつ、第2出力回路62が無効にされていれば、第1出力回路61は、第1信号処理回路51からの電気信号を出力端子(T2)の側に伝送する。第2中継回路(TC2)は、第2センサ回路(SC2)からの第2電気信号を、ピン(P5,P5)を介して第1中継回路(TC1)に伝送する一方、第1中継回路(TC1)は、第2中継回路(TC2)から得られる第2電気信号を第1異常検出回路81に伝送する。これにより、第1異常検出回路81は、第1電気信号の物理量と第2電気信号の物理量との差がしきい値を超えれば、エラー信号を第1出力回路61及び出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に伝送する。
第1出力回路61が無効にされ第2出力回路62が有効にされていれば、第2出力回路62は、第2信号処理回路52からの電気信号を出力端子(T2)の側に伝送する。また、第1中継回路(TC1)は、第1センサ回路(SC1)からの第1電気信号を、ピン(P5,P5)を介して第2中継回路(TC2)に伝送する一方、第2中継回路(TC2)は、第1中継回路(TC1)から得られる第1電気信号を第2異常検出回路82に伝送する。これにより、第2異常検出回路82は、第1電気信号の物理量と第2電気信号の物理量との差がしきい値を超えれば、エラー信号を第2出力回路62及び出力端子(T2)を通じて外部機器(ED)に伝送する。
移行及び通信モードの動作は第4実施形態のそれらと同様である。
本実施形態でも、第1及び第2センサインタフェース11,12の各々は、端子部(T)の端子の数を増やすことなく、端子部(T)を介して、外部機器(ED)からの入力信号を受信し、また出力信号を伝送することが可能になる。
本発明を幾つかの好ましい実施形態について記述したが、この発明の本来の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な修正及び変形が可能である。