JP6247251B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、車両に衝撃が生じた場合などに、車両座席の乗員を側方から拘束するサイドエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグ装置がほぼ標準装備されている。エアバッグ装置は、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、ガス圧でエアバッグクッション(以下、単にクッションと記載する)を膨張展開させて乗員を受け止めて保護する。エアバッグ装置には、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、前後方向からの衝突から運転者を守るために、ステアリングの中央にはフロントエアバッグ装置が設けられている。その他にも、側面衝突等による車幅方向からの衝撃から乗員を守るために、サイドウィンドウの上方の天井付近にはカーテンエアバッグ装置が設けられ、座席の側部にはサイドエアバッグ装置が設けられている。
一般的なエアバッグ装置では、インフレータと呼ばれるガス発生器を使用してクッションにガスを供給している。インフレータから供給するガスの出力や流す方向、さらには排気の仕方等の各設定は、クッションの乗員拘束性能に直接的に影響する。例えば、特許文献1のサイドエアバッグ装置では、クッションの折畳み方を工夫することで排気孔からのガスの排気の時期を調節し、膨張展開の速度の低下を防いでいる。
特開2009−1057号公報
現在では、エアバッグ装置に対して、乗員に対する障害値を下げる対策が求められている。なかでも、通称アウトオブポジション(OOP)と呼ばれる、正規の着座位置にない不測の姿勢をとっている乗員はクッションに変則的に接触することがあり、規定通りの内圧に設定したクッションであっても障害値が高くなりやすい。すなわち、障害値を考慮すると、変則的に接触する乗員には内圧の低いクッションのほうが有効である。しかし、出力の低いインフレータを採用するとクッションの展開速度も遅くなるため、本来満たすべき正規着座位置の乗員に対する乗員拘束性能も低下してしまう。また、乗員が正規着座位置かアウトオブポジションかを判定する機構として、例えば複数のセンサー類等を設置して乗員の姿勢を判定しガス圧を制御する機構などは、装置全体のコストを著しく増大させてしまう。
本発明は、このような課題に鑑み、簡潔な構成で、正規着座位置の乗員に対する乗員拘束性能を維持しつつ、変則的にクッションに接触した乗員に対する傷害値を下げることが可能なサイドエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の代表的な構成は、座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、インナチューブの車両前側に設けられてガスをインナチューブからアウタバッグに流すインナベントと、アウタバッグの車両前側に設けられてガスをアウタバッグから外部に放出するアウタベントと、アウタバッグのうち膨張展開したときにインナチューブに接触する領域に設けられる細長形状の外部スリットベントと、を備えることを特徴とする。
当該サイドエアバッグ装置のクッションは、アウタバッグとインナチューブとで構成される2重構造になっている。上記の外部スリットベントは、アウタバッグのうちインナチューブが接触する領域に設けられている。したがって、通常であれば外部スリットベントはインナチューブによって塞がれガスがほとんど放出せず、乗員拘束性能に影響を与えない。しかし、乗員がアウタバッグの車両前側の領域に変則的に接触した場合すると、アウタバッグの車両後側とインナチューブとの間に隙間ができる。これによって、外部スリットベントがインナチューブから開放されてガスが放出し、アウタバッグの内圧が下がる。したがって、クッションの剛性を低下させて乗員に対する障害値を下げることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の他の代表的な構成は、座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、インナチューブの車両前側に設けられてガスをインナチューブからアウタバッグに流すインナベントと、アウタバッグの車両前側に設けられてガスをアウタバッグから外部に放出するアウタベントと、アウタバッグのうち膨張展開したときにインナチューブの車両前後方向の中央よりも後側に設けられる細長形状の外部スリットベントと、を備えることを特徴とする。
当該サイドエアバッグ装置のクッションは、アウタバッグとインナチューブとで構成される2重構造になっている。特に、インナチューブはアウタバッグの車両後側に設けられていて、膨張展開したインナチューブはアウタバッグの車両後側に接触する。このアウタバッグの車両後側の領域には、外部スリットベントが設けられている。外部スリットベントは、通常であればインナチューブによって塞がれガスがほとんど放出せず、乗員拘束性能に影響を与えない。しかし、乗員がアウタバッグの車両前側に変則的に接触すると、インナチューブの車両後側とアウタバッグとの間に隙間ができる。これによって、外部スリットベントがインナチューブから開放されてガスが放出し、アウタバッグの内圧が下がる。したがって、クッションの剛性を低下させて乗員に対する障害値を下げることができる。
上記の外部スリットベントは、車両上下方向の高さの異なる2点を結ぶように設けられてもよい。この構成によっても前述した機能を有する外部スリットベントが好適に実施可能である。
当該サイドエアバッグ装置は、上記の細長形状の外部スリットベントの長手方向に延びて対向する2辺が接触するとよい。この構成によれば、外部スリットベントからのガスの不測の放出を効率よく防止できる。
上記の外部スリットベントは、長手方向の両端それぞれに丸孔を有してもよい。この構成によって、ガスの放出時において外部スリットベントの両端への負荷の集中を避け、基布の破損を防ぐことができる。
当該サイドエアバッグ装置はさらに、インナチューブのうち膨張展開したときにアウタバッグに接触する領域に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えてもよい。内部スリットベントによって、通常時においてはインナチューブの内圧を保ち、乗員が変則的な接触を起こした場合にはインナチューブの内圧を下げて障害値を下げることが可能になる。
当該サイドエアバッグ装置はさらに、インナチューブのうち膨張展開したときに車両前後方向の中央よりも後側に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えてもよい。内部スリットベントによって、通常時においてはインナチューブの内圧を保ち、乗員が変則的な接触を起こした場合等にはインナチューブの内圧を下げて障害値を下げることが可能になる。
上記の内部スリットベントは、外部スリットベントとは重ならないとよい。これによって、ガスの不測の放出を好適に抑えることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の他の代表的な構成は、座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、インナチューブの車両前側に設けられてガスをインナチューブからアウタバッグに流すインナベントと、アウタバッグの車両前側に設けられてガスをアウタバッグから外部に放出するアウタベントと、インナチューブのうち膨張展開したときにアウタバッグに接触する領域に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えることを特徴とする。
当該サイドエアバッグ装置のクッションは、アウタバッグとインナチューブとで構成される2重構造になっている。上記の内部スリットベントは、インナチューブのうちアウタバッグに接触する領域に設けられている。したがって、通常であれば内部スリットベントはアウタバッグによって塞がれてガスがほとんど放出せず、乗員拘束性能に影響を与えない。しかし、乗員がアウタバッグの車両前側に変則的に接触すると、アウタバッグの車両後側とインナチューブとの間に隙間ができ、内部スリットベントがアウタバッグから開放される。したがって、インナチューブからガスが放出され、インナチューブの内圧が下がる。これによって、クッションの剛性を低下させて乗員に対する障害値を下げることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の他の代表的な構成は、座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、インナチューブの車両前側に設けられてガスをインナチューブからアウタバッグに流すインナベントと、アウタバッグの車両前側に設けられてガスをアウタバッグから外部に放出するアウタベントと、インナチューブのうち膨張展開したときに車両前後方向の中央よりも後側に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えることを特徴とする。
当該サイドエアバッグ装置のクッションは、アウタバッグとインナチューブとで構成される2重構造になっている。特に、インナチューブはアウタバッグの車両後側に設けられていて、膨張展開したインナチューブはアウタバッグの車両後側に接触する。このインナチューブの車両後側の領域には、内部スリットベントが設けられている。内部スリットベントは、通常であればアウタチューブによって塞がれてガスがほとんど放出せず、乗員拘束性能に影響を与えない。しかし、乗員がアウタバッグの車両前側に変則的に接触すると、アウタバッグとインナチューブの後側との間に隙間ができる。これによって、内部スリットベントがアウタバッグから開放されてガスが放出し、インナチューブの内圧が下がる。したがって、乗員に対する障害値を下げることができる。
上記の内部スリットベントは、車両上下方向の高さの異なる2点を結ぶように設けられてもよい。この構成によっても前述した機能を有する内部スリットベントが好適に実施可能である。
当該サイドエアバッグ装置は、上記の細長形状の内部スリットベントの長手方向に延びて対向する2辺が接触するとよい。この構成によれば、内部スリットベントからのガスの不測の放出を効率よく防止できる。
内部スリットベントは、長手方向の両端それぞれに丸孔を有してもよい。この構成によって、ガスの放出時において内部スリットベントの両端への負荷の集中を避け、基布の破損を防ぐことができる。
本発明によれば、簡潔な構成で、正規着座位置の乗員に対する乗員拘束力を維持しつつ、変則的に接触した乗員に対する傷害値を下げることが可能なサイドエアバッグ装置を提供することが可能になる。
本発明の第1実施形態に係るサイドエアバッグ装置を例示した図である。 図1(a)のクッションを各方向から例示した図である。 本発明の第2実施形態に係るサイドエアバッグ装置を例示した図である。 本発明の第3実施形態に係るサイドエアバッグ装置を例示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るサイドエアバッグ装置100を例示した図である。図1(a)ではサイドエアバッグ装置100、およびこのサイドエアバッグ装置100が適用されている車両右側の座席102を、車幅方向の内側から例示している。図1(a)その他の本願のすべての図面において、車両前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Back)、車幅方向の左右をそれぞれ矢印L(Left)、R(Right)、車両上下方向をそれぞれ矢印U(up)、D(down)で例示する。
図1(a)に例示するように、サイドエアバッグ装置100は、エアバッグクッション(クッション104)が座席102の側方で膨張展開する構成となっている。クッション104は、車両に衝撃が発生した場合などの緊急時に乗員を受け止める袋状の部位であって、乗員とサイドドアとの間に扁平な形状に膨張展開する。クッション104は、基布を重ねて縫製したり接着したりすることで袋状に形成される。クッション104は、シートバック106の側部に備えられたハウジング(図示省略)に、巻回または折り畳まれて収納されている。収納状態のクッション104は、その上をシートカバー等が覆っているため、外部からは視認不能である。サイドエアバッグ100の稼動時には、クッション104はシートカバー等を開裂させて乗員の側方へ膨張展開し、乗員を側方から拘束する。
図1(b)は、図1(a)のクッション104の内部を例示した図である。図1(b)では、クッション104の表面側を構成するアウタバッグ108の車内側の一部を省略し、その内部構成を例示している。
クッション104は外側のアウタバッグ108と、内側のインナチューブ110との二重構造になっている。アウタバッグ108およびインナチューブ110は、ともに袋状に形成されている。アウタバッグ108は、クッション104の外郭を構成し、座席102(図1(a)参照)に着座した乗員の側方に膨張展開する。インナチューブ110は、クッション104の内部の車両後側に設けられている。図1(b)では、インナチューブ110の車幅方向の左側を一部省略し、その内部のインフレータ112を図示している。インナチューブ110は、インフレータ112を内包していて、インフレータ112からのガスを最初に受ける。
図1(c)は、図1(b)のクッション104のA−A断面図である。図1(c)に例示するように、インナチューブ110は、基布の一部をアウタバッグ108の外周に重ねてこれと共に縫製等することで設けることができる。この構成によれば、インナチューブ110の展開時に、インナチューブ110の車両後方側の端部のはためきが抑えられるため、展開の挙動を安定化させることができる。
再び図1(b)を参照する。インフレータ112はガス発生装置であって、衝撃発生時に車両側から発信される稼働信号を受けて稼働し、クッション104の内部にガスを供給する。本実施形態で採用しているインフレータ112は、シリンダ型(筒型)のものであり、インナチューブ110の内部の車両後方側に、長手方向を上下方向に向けて設置される。インフレータ112にはスタッドボルト114が設けられていて、スタッドボルト114はクッション104を貫通してシートバック106(図1(a)参照)の側部のハウジング等に締結される。
現在普及しているインフレータ112には、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、または燃焼ガスと圧縮ガスとを両方利用するハイブリッドタイプのものなどがある。インフレータ112としては、いずれのタイプのものも利用可能である。
インナチューブ110には、アウタバッグ108にガスを供給する部位として、車両前側の上部の上側インナベント114および下部の下部インナベント118の2つのインナベントが設けられている。インフレータ112から供給されるガスは、上側インナベント114および下部インナベント116のそれぞれを通過して、車両前方側に向かって流れる。このように本実施形態では、まずインナチューブ110が先にインフレータ112からのガスを受け、それに続いてインナチューブ110からアウタバッグ108へとガスが供給される構成となっている。
アウタバッグ108の車両前側には、ガスを放出するアウタベント120が設けられている。本実施形態では、アウタベント120は、上下方向に3つ並べて設けられている。インフレータ112から供給されたガスは、インナチューブ110およびアウタバッグ108を膨張展開させた後、アウタベント120から外部へ適宜放出される。
図2は、図1(a)のクッション104を各方向から例示した図である。図2(a)は、図1(a)のクッション104を車幅方向の内側から例示した図である。図2(a)に例示するように、アウタバッグ108のうち車両後側の下部には、外部スリットベント122が設けられている。外部スリットベント122は、乗員に対するクッション104の障害値を下げることを目的に設置された、細長形状のガスの排気部である。すなわち、アウタバッグ108は、車両前側のアウタベント120に加えて、車両後側の外部スリットベント122からもガスを外部に放出することが可能になっている。
図2(b)は、図2(a)のクッション104のB−B断面図である。図2(b)のクッション104は、通常の膨張展開時におけるものである。図2(b)に例示するように、膨張展開したインナチューブ110はアウタバッグ108の車両後側に接触する。外部スリットベント122は、アウタバッグ108の車両後側の領域であって、膨張展開したインナチューブ110の車両前後方向の中央C1よりも後側に設けられている。外部スリットベント122は、中央C1よりも後側であれば、アウタバッグ108の車内側および者外側のいずれの領域にも設けることが可能である。
座席102(図1(a)参照)の正しい位置に着座している乗員(正規着座位置の乗員)は、通常は膨張展開したクッション104に対して車幅方向の側面124に接触する。例えば図2(b)のクッション104に対しては、乗員は車両左側から右側へ移動して接触する。このとき、外部スリットベント122は内側にインナチューブ110が接触することで塞がれているため、外部スリットベント122からのガスの放出はほとんど無い。したがって、外部スリットベント122がクッション104の乗員拘束性能に与える影響はなく、クッション104は乗員を好適に拘束することができる。
図2(c)は、図2(b)のクッション104に乗員126が変則的に接触した場合を例示している。図2(c)に例示するように、正規着座位置以外の通称アウトオブポジションの乗員126は、例えば車両右側のサイドドア(図示省略)に寄って位置していることがある。このような場合、クッション104が乗員126を車両後方から直線的に当たってしまい、例え正規着座位置の乗員にとっては適した内圧のクッション104であっても、障害値が増大するおそれがあった。このような場合に、外部スリットベント122が有効に機能を発揮する。
アウタバッグ108は、その車両前側に乗員126が接触すると車両後側に押され、車両後側にてインナチューブ110との間に隙間S1ができる。これによって、外部スリットベント122はインナチューブ110から開放されてガスを放出し、アウタバッグ108の内圧は下がる。したがって、アウタバッグ108の剛性は低下する。このように、当該サイドエアバッグ装置100では、外部スリットベント122を利用した簡易な構成で、正規着座位置の乗員に対する乗員拘束性能を充足しつつ、アウトオブポジション等の変則的に接触した乗員126に対する障害値の低下を達成している。
図2(a)を再び参照する。外部スリットベント122は、長穴形状ではなく、幅を有さない線状に形成されている。すなわち、外部スリットベント122は線状の切れ目のように形成されていて、幅が無いため対向する長手の2辺が接触している。例えば、未稼働時のアウタバッグ108の基布を平面上に広げた場合には、線状の外部スリットベント122を形成している2辺は接触する。この構成によれば、外部スリットベント122からのガスの不測の放出が効率よく防止でき、アウタバッグ108の不必要な内圧の低下を防ぐことができる。
外部スリットベント122は、長手方向の両端それぞれに丸孔128a、128bを有している。丸孔128a、128bを有することで、ガスの放出時において外部スリットベント122の両端への負荷の集中を避け、基布の破損を防ぐことができる。
外部スリットベント122は、丸孔128a、128bとして例示される車両上下方向の高さの異なる2点を結ぶように設けられ、上下方向に延びている。アウタバッグ108およびインナチューブ110は車両前後方向よりも上下方向に長い形状であり、外部スリットベント122にも上下方向に力がかかりやすい。したがって、外部スリットベント122は、車両前後方向に設けると通常の膨張展開時にも開きやすくなってしまう。そこで本実施形態では、外部スリットベント122を上下方向に設け、乗員126(図2(c)参照)が変則的に接触したときのみに外部スリットベント122が開くよう構成している。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係るサイドエアバッグ装置200を例示した図である。図3(a)は、図2(a)に対応してクッション202を例示している。なお、以降の明細書中では、既に説明した構成要素については、同じ符号を付すことでその説明を省略する。また、既に説明した構成要素と同じ名称の構成要素については、異なる符号を付していても、同じ機能を有するものとする。
クッション202はアウタバッグ204とインナチューブ206の二重構造となっている。このうち、インナチューブ206には、内部スリットベント208が設けられている。内部スリットベント208もまた、乗員に対するクッション202の障害値を下げることを目的に設置された、細長形状のガスの排気部である。
図3(b)は、図3(a)のクッション202のC−C断面図である。図3(b)のクッション202は、通常の膨張展開時におけるものである。図3(b)に例示するように、膨張展開したインナチューブ206はアウタバッグ204の車両後側に接触する。内部スリットベント208は、インナチューブ206のうちアウタバッグ204に接触する領域であって、膨張展開したインナチューブ206の車両前後方向の中央C2よりも後側の領域に設けられている。内部スリットベント208は、中央C2よりも後側であれば、車内側および車外側のいずれの領域にも設けることができる。
正規着座位置の乗員は、通常は膨張展開したクッション202に対して車幅方向の側面210に接触する。例えば図3(b)のクッション202に対しては、乗員は車両左側から右側へ移動して接触する。このとき、内部スリットベント208はアウタバッグ204によって塞がれるため、内部スリットベント208からのガスの放出はほとんど無い。したがって、内部スリットベント208はクッション202の乗員拘束性能に影響を与えず、クッション202は乗員を好適に拘束することができる。
図3(c)は、図3(b)のクッション202に乗員126が変則的に接触した場合を例示している。図3(c)に例示するように、アウトオブポジションの乗員126が例えば車両右側のサイドドア(図示省略)に寄っていた場合、クッション202が乗員126を車両後方から直線的に当たってしまい、正規着座位置の乗員にとっては適した内圧のクッション202であっても、障害値が増大するおそれがあった。そこで、本実施形態では、内部スリットベント208を設けている。
本実施形態では、アウタバッグ204は、車両前側に乗員126が接触すると車両後側に押され、車両後側にてインナチューブ206との間に隙間S2ができる。これによって、内部スリットベント208はインナチューブ206から開放されてガスを放出し、インナチューブ206の内圧は下がる。乗員126に対してはアウタバッグ204が直接的に接触するが、アウタバッグ204の剛性にはその内側のインナチューブ206の剛性も影響している。そのため、インナチューブ206の内圧を下げることで、アウタバッグ204の剛性も下げることができる。このように、当該サイドエアバッグ装置200では、内部スリットベント208を利用した簡易な構成で、正規着座位置の乗員に対する乗員拘束性能を充足しつつ、アウトオブポジション等の変則的に接触した乗員126に対する障害値の低下を達成している。
図3(a)を再び参照する。内部スリットベント208は、長穴形状ではなく、幅を有さない線状に形成されている。すなわち、内部スリットベント208は線状の切れ目のように形成されていて、幅が無いため対向する長手の2辺が接触している。例えば、未稼働時のクッション202の基布を平面に置いた場合には、線状の内部スリットベント208を形成している2辺は接触する。この構成によれば、内部スリットベント208からのガスの不測の放出を効率よく防止でき、インナチューブ206の内圧の低下を防ぐことができる。
内部スリットベント208は、長手方向の両端それぞれに丸孔212a、212bを有している。丸孔212a、212bを有することで、ガスの放出時において内部スリットベント208の両端への負荷の集中を避け、基布の破損を防ぐことができる。
内部スリットベント208は、丸孔212a、212bとして例示される車両上下方向の高さの異なる2点を結ぶように設けられ、上下方向に延びている。アウタバッグ204およびインナチューブ206は車両前後方向よりも上下方向に長い形状であり、内部スリットベント208にも上下方向に力がかかりやすい。したがって、内部スリットベント208は、車両前後方向に設けると通常の膨張展開時にも開きやすくなってしまう。そこで本実施形態では、内部スリットベント208を上下方向に設け、乗員126(図3(c)参照)が変則的に接触したときのみに内部スリットベント208が開くよう構成している。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るサイドエアバッグ装置300を例示した図である。図4(a)は、図2(a)に対応してクッション302を例示している。図4(a)に例示するように、サイドエアバッグ装置300は、外部スリットベント122と内部スリットベント208との両方を実施している点で、上記各実施形態と異なっている。したがって、サイドエアバッグ装置300は、アウトオブポジション等の乗員126(図4(b)参照)と変則的に接触した場合に、より効率よくガスを放出して剛性を低下させることができる。
図4(a)に例示するように、外部スリットベント122と内部スリットベント208とは、互いに重ならない位置に設けられている。例えば、外部スリットベント122と内部スリットベント208とは、一方を車外側に設け、他方を車内側に設けることなども可能である。外部スリットベント122と内部スリットベント208を重ねて設けてしまうと、通常の膨張展開の際にもガスを放出してしまうためである。この構成によって、正規着座位置等の乗員がクッション302の側面304に接触した場合には、クッション302はその乗員拘束性能を好適に発揮することができる。
図4(b)は、図4(a)のD−D断面図であって、クッション302に乗員126が変則的に接触した場合を例示している。なお、図4(a)に例示しているように、D−D断面はクッション302を外部スリットベント122および内部スリットベント208の位置にて上下方向に切断している。そのため、図4(b)中には外部スリットベント122と内部スリットベント208が重なって例示されているが、図4(a)に例示しているように本来これらは重なっていない。
アウタバッグ108は、その車両前側に乗員126が接触すると車両後側に押され、車両後側にてインナチューブ206との間に隙間S3ができる。これによって、外部スリットベント122および内部スリットベント208が開放されてガスが放出し、アウタバッグ108およびインナチューブ206の内圧が下がる。これによって、クッション302の全体の剛性を低下し、乗員126に対する傷害値を下げることができる。このように、当該サイドエアバッグ装置300においても、外部スリットベント122および内部スリットベント208を利用した簡易な構成で、正規着座状態の乗員に対する乗員拘束性能を充足しつつ、アウトオブポジション等の変則的に接触した乗員126に対する障害値の低下を達成している。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両に衝撃が生じた場合などに、車両座席の乗員を側方から拘束するサイドエアバッグ装置に利用することができる。
100…サイドエアバッグ装置、102…座席、104…クッション、106…シートバック、108…アウタバッグ、110…インナチューブ、112…インフレータ、114…スタッドボルト、116…上側インナベント、118…下部インナベント、120…アウタベント、122…外部スリットベント、124…クッションの側面、126…アウトオブポジションの乗員、128a、128b…丸孔、200…サイドエアバッグ装置、202…クッション、204…アウタバッグ、206…インナチューブ、208…内部スリットベント、212a、212b…丸孔、210…クッションの側面、300…サイドエアバッグ装置、302…クッション、304…クッションの側面、C1、C2…インナチューブの車両前後方向の中央、S1、S2、S3…アウタバッグとインナチューブとの隙間

Claims (13)

  1. 座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、
    前記アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、
    前記インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、
    前記インナチューブの車両前側に設けられてガスを該インナチューブから前記アウタバッグに流すインナベントと、
    前記アウタバッグの車両前側に設けられてガスを該アウタバッグから外部に放出するアウタベントと、
    前記アウタバッグのうち膨張展開したときに前記インナチューブに接触する領域に設けられる細長形状の外部スリットベントと、を備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、
    前記アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、
    前記インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、
    前記インナチューブの車両前側に設けられてガスを該インナチューブから前記アウタバッグに流すインナベントと、
    前記アウタバッグの車両前側に設けられてガスを該アウタバッグから外部に放出するアウタベントと、
    前記アウタバッグのうち膨張展開したときに前記インナチューブの車両前後方向の中央よりも後側に設けられる細長形状の外部スリットベントと、を備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  3. 前記外部スリットベントは、車両上下方向の高さの異なる2点を結ぶように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記細長形状の外部スリットベントの長手方向に延びて対向する2辺が接触することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記外部スリットベントは、長手方向の両端それぞれに丸孔を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  6. 当該サイドエアバッグ装置はさらに、前記インナチューブのうち膨張展開したときに前記アウタバッグに接触する領域に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  7. 当該サイドエアバッグ装置はさらに、前記インナチューブのうち膨張展開したときに車両前後方向の中央よりも後側に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  8. 前記内部スリットベントは、前記外部スリットベントとは重ならないことを特徴とする請求項6または7に記載のサイドエアバッグ装置。
  9. 座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、
    前記アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、
    前記インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、
    前記インナチューブの車両前側に設けられてガスを該インナチューブから前記アウタバッグに流すインナベントと、
    前記アウタバッグの車両前側に設けられてガスを該アウタバッグから外部に放出するアウタベントと、
    前記インナチューブのうち膨張展開したときに前記アウタバッグに接触する領域に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  10. 座席の側方に膨張展開する袋状のアウタバッグと、
    前記アウタバッグの内部の車両後側に設けられる袋状のインナチューブと、
    前記インナチューブの内部に設けられてガスを供給するインフレータと、
    前記インナチューブの車両前側に設けられてガスを該インナチューブから前記アウタバッグに流すインナベントと、
    前記アウタバッグの車両前側に設けられてガスを該アウタバッグから外部に放出するアウタベントと、
    前記インナチューブのうち膨張展開したときに車両前後方向の中央よりも後側に設けられる細長形状の内部スリットベントを備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  11. 前記内部スリットベントは、車両上下方向の高さの異なる2点を結ぶように設けられることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  12. 前記細長形状の内部スリットベントの長手方向に延びて対向する2辺が接触することを特徴とする請求項6から11のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  13. 前記内部スリットベントは、長手方向の両端それぞれに丸孔を有することを特徴とする請求項6から12のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
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