JP2020045030A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急時に乗員の傷害値を効率よく抑えることが可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。【解決手段】エアバッグ装置100は、車両に設置されガスを供給可能なインフレータ112と、ガスによって車両の乗員の着座位置の前方に膨張展開するインナバッグ116と、ガスによってインナバッグ116を内包するよう膨張展開し、インナバッグ116を着座位置側に露出させる開口を形成するアウタバッグ118と、を備える。アウタバッグ118は、外表面を構成し、開口の縁となる開口縁121を有している外側基布126と、開口縁121とインナバッグ116とに接続されている内側基布128と、を含む。インナバッグ116の露出している部分は、着座位置から見てアウタバッグ118よりも窪んでいる。内側基布128は、インナバッグ116から着座位置側に延びる所定の柱状体の側面に沿うように設けられていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、緊急時に乗員を拘束するエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグ装置がほぼ標準装備されている。エアバッグ装置は、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、ガス圧で膨張展開するエアバッグクッションを利用して乗員を受け止めて保護する。エアバッグ装置には、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、主に前後方向の衝撃から前部座席の乗員を守るために、運転席にはステアリングの中央にドライバエアバッグが設けられていて、助手席の近傍にはインストルメントパネルやその周辺部位にパッセンジャエアバッグが設けられている。他にも、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から前後列の各乗員を守るために、壁部の天井付近にはサイドウィンドウに沿って膨張展開するカーテンエアバッグが設けられ、座席の側部には乗員のすぐ脇へ膨張展開するサイドエアバッグが設けられている。
各種エアバッグ装置のエアバッグクッションは、目的や設置環境に応じて、内部が複数の空間に区画されている場合がある。例えば特許文献1に記載の乗員保護装置(ドライバエアバッグ)では、エアバッグクッションが、中央の中央気体袋1と、その周囲の外周気体袋3とで構成されている。特許文献1の構成によれば、乗員を拘束する拘束面が扁平に拡大して広い面積になるため、確実に乗員を受け止めることができると述べられている。
特開平1−132444号公報
現在では、エアバッグ装置に対して、例えば車両に対して斜め前後方向からの衝撃が加わるいわゆるオブリーク衝突など、変則的な衝突や衝撃への対応も求められている。オブリーク衝突時の乗員は、座席の正面に存在するエアバッグクッションに対して、斜め方向等の変則的な角度で進入する。その場合、乗員の頭部が座席の正面のエアバッグクッションに接触すると、頭部には上から見て首を軸にした回転が生じることがある。このような頭部の回転は、人体の構造からみて乗員の傷害値を高くする要因となりやすいため、これを効率よく防ぎたいという要望がある。
本発明は、このような課題に鑑み、緊急時に乗員の傷害値を効率よく抑えることが可能なエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の代表的な構成は、車両に設置されガスを供給可能なインフレータと、ガスによって車両の乗員の着座位置の前方に膨張展開するインナバッグと、ガスによってインナバッグを内包するよう膨張展開し、インナバッグを着座位置側に露出させる所定の開口を形成するアウタバッグと、を備え、アウタバッグは、アウタバッグの外表面を構成し、開口の縁となる開口縁を有している外側基布と、開口縁とインナバッグとに接続されている内側基布と、を含み、インナバッグの露出している部分は、着座位置から見てアウタバッグよりも窪んでいて、内側基布は、インナバッグから着座位置側に延びる所定の柱状体の側面に沿うように設けられていることを特徴とする。
上記のインナバッグとアウタバッグとで構成されるエアバッグクッションには、乗員側の中央に、インナバッグを底面にして窪んだ凹部が形成される。この凹部によって、エアバッグクッションは、乗員の上半身の中央、つまり顎付近への接触を避けるまたは遅らせることができる。一般に、人間の頭部は、顎に力が加わることで回転しやすい。上記構成であれば、乗員の顎への衝撃を抑えて頭部の回転を減らし、これによって傷害値を軽減することが可能になる。
上記の内側基布は、着座位置側に延びる所定の直線を軸とした円柱の側面に沿うように設けられていてもよい。すなわち、上記凹部は円柱状の窪みであってもよく、これによって乗員の顎への衝撃を抑えて、傷害値の軽減を効率良く図ることが可能になる。
上記の内側基布は、帯状の基布から形成されていてもよい。帯状の基布であれば、円柱状の凹部を効率よく形成することが可能となる。
上記の内側基布は、着座位置側に下底を向けた円錐台の側面に沿うように設けられていてもよい。すなわち、上記凹部は奥側に向かって狭まる円錐台状の窪みであってもよく、この構成によっても乗員の顎への衝撃を抑えて、傷害値の軽減を効率良く図ることが可能になる。
上記の内側基布は、着座位置側に上底を向けた円錐台の側面に沿うように設けられていてもよい。すなわち、上記凹部は奥に向かって広がる円錐台状の窪みであってもよく、この構成によっても乗員の顎への衝撃を抑えて、傷害値の軽減を効率良く図ることが可能になる。
上記の内側基布は、環状扇型の基布から形成されていてもよい。環状扇型の基布であれば、円錐台の側面に沿った状態の内側基布を効率よく実現することができる。
上記の外側基布は、内側基布と同心に配置された複数の環状または管状の基布を含んでいてもよい。この構成によっても、凹部を好適に形成することが可能になる。
上記のインフレータは、インナバッグに挿入されていて、インナバッグは、アウタバッグに包まれる範囲に形成されていてガスをアウタバッグ内に送るインナベントを有していてもよい。
上記構成によれば、先にインナバッグが膨張し、次いでアウタバッグが膨張する流れとなる。この構成であれば、インナバッグを底面とする凹部を効率よく形成することが可能になる。
上記のインフレータ、インナバッグおよびアウタバッグは、車両のステアリングホイールの中央に収納されていてもよい。この構成によって、当該エアバッグ装置をドライバエアバッグとして好適に活用することができる。
本発明によれば、緊急時に乗員の傷害値を効率よく抑えることが可能なエアバッグ装置を提供可能になる。
本発明の実施形態にかかるエアバッグ装置の概要を例示する図である。 図1(b)の膨張展開時のクッションを各方向から例示した図である。 図1(a)のクッションを構成する基布を各方向から例示した図である。 図3(b)のクッションの膨張展開時の様子を概略的に例示した図である。 図3(b)の内側基布の各状態を例示した図である。 図1(b)の膨張展開時のクッションが乗員を拘束する過程を例示した図である。 図5(a)に例示したクッションの第1変形例を例示した図である。 図5(a)に例示したクッションの第2変形例を例示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかるエアバッグ装置100の概要を例示する図である。図1(a)はエアバッグ装置100の稼動前の車両を例示した図である。以降、図1その他の図面において、車両前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Back)、車幅方向の左右をそれぞれ矢印L(Left)、R(Right)、車両上下方向をそれぞれ矢印U(up)、D(down)で例示する。
本実施形態では、エアバッグ装置100を、左ハンドル車における運転席用(前列左側の座席102)のドライバエアバッグとして実施している。以下では、前列左側の座席102を想定して説明を行うため、例えば車幅方向外側(以下、車外側)とは車両左側を意味し、車幅方向内側(以下、車内側)とは車両右側を意味する。
エアバッグ装置100のエアバッグクッション(以下、クッション104(図1(b)参照))は、折畳みや巻回等されて、ステアリングホイール106の中央の収納部108に収納されている。収納部108は、カバー110やその下のハウジング(図示省略)等を含んで構成されている。
収納部108には、クッション104の他に、ガス発生装置であるインフレータ112(図2(b)参照)も収納されている。インフレータ112は、不図示のセンサから送られる衝撃の検知信号に起因して稼働し、クッション104(図1(b)参照)にガスを供給する。クッション104は、インフレータ112からのガスによって膨張を開始し、その膨張圧でカバー110を開裂等して座席102に向かって膨張展開する。
なお、本実施形態では、インフレータ112は、ディスク型(円盤型)のものを採用している。インフレータ112は、収容部(図1(a)参照)の底面に固定され、ガス噴出孔を含む部位がインナバッグ116(図2(b)参照)に挿入される。現在普及しているインフレータには、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、または燃焼ガスと圧縮ガスとを両方利用するハイブリッドタイプのものなどがある。インフレータ112としては、いずれのタイプのものも利用可能である。
図1(b)はエアバッグ装置100のクッション104の膨張展開後の車両を例示した図である。クッション104は、座席102側から見て円形に膨らむ袋として形成されていて、前方へ移動しようとする乗員の上半身や頭部を拘束する。クッション104は、その表面を構成する複数の基布を重ねて縫製または接着することによって形成されている。
図2は、図1(b)の膨張展開時のクッション104を各方向から例示した図である。図2(a)は、図1(b)のクッション104を車外側のやや下方から見て例示している。本実施形態におけるクッション104は、特徴的な部位として、乗員側の中央が窪み、凹部114が形成されている。
図2(b)は、図1(b)のエアバッグクッション104の概略的なA−A断面図である。本実施形態では、クッション104は、大きく分けて、内側のインナバッグ116、および外側のアウタバッグ118の2つの部位から形成されている。
インナバッグ116は、クッション104の中心側を構成している袋状の部位である。インナバッグ116は、インフレータ112からのガスによって、座席102(図1(b)参照)における乗員の着座位置の前方に膨張展開する。
アウタバッグ118は、ガスを利用して、インナバッグ116を内包するようにしてインナバッグ116の外側に膨張展開する。アウタバッグ118の着座位置側の中央には、インナバッグ116を露出させる開口が形成されている。インナバッグ116のうち、開口から露出している部分(端面122)は、着座位置から見てアウタバッグ118よりも窪んでいる。これらによって、凹部114が形成されている。
インナバッグ116は、アウタバッグ118に包まれる範囲に、インナベント124a、124bが形成されている。インナベント124a、124bは、ガスをインナバッグ内からアウタバッグ内へと送る。この構成によって、クッション104は、先にインナバッグ116が膨張を開始し、次いでアウタバッグ118が膨張する構成となっている。これによって、当該クッション104は、インナバッグ116を底面にした凹部114を効率よく形成することが可能になっている。なお、アウタバッグ118の所定箇所には、ガスを外部に排出するアウタベント(図示省略)も設けられている。
図3は、図1(a)のクッション104を構成する基布を各方向から例示した図である。図3(a)は、図1(b)と同じくクッション104を着座位置側から見て例示している。本実施形態では、アウタバッグ118を構成する基布として、外側基布126および内側基布128が含まれている。
外側基布126は、アウタバッグ118が膨張展開したときに、外側の外表面を構成する基布である。外側基布126は、複数の環状または管状の基布(基布126a、126bの他、図3(b)の基布126c、126dなど)を結合して形成されている。
内側基布128は、アウタバッグ118が膨張展開したときに、凹部114(図4参照)の内壁を構成する基布である。内側基布128は、乗員側から見て、インナバッグ116の端面122を中心にして環状に配置されている。
インナバッグ116を構成する基布116a、116b(図3(b)参照)は、着座位置側から見て円形になっている。そして、外側基布126および内側基布128は、それぞれインナバッグ116と同心に配置されている。これら構成によって、クッション104は、ステアリングホイール106(図1(a)参照)から着座位置側へ膨張展開しやすく、また、膨張展開の際に凹部114(図4参照)も形成しやすくなっている。
図3(b)は、図3(a)のクッション104のB−B断面図である。図3(b)に例示するように、外側基布126は開口し、インナバッグ116を着座位置側に露出させる。内側基布128は、外側基布126の開口の縁(開口縁121)とインナバッグ116とに接続されている。
図4は、図3(b)のクッション104の膨張展開時の様子を概略的に例示した図である。まず、インフレータ112からのガスによって、インナバッグ116が膨張展開する。そして、矢印で例示するように、インナベント124a、124bを通じて、インナバッグ116からアウタバッグ118へとガスが供給され、アウタバッグ118が膨張展開する。このとき、基布126aは、円形の開口の縁となる開口縁121を有している。内側基布128は、開口縁121とインナバッグ116とに接続されていて、基布126aに引っ張られるようにして凹部114の内壁を形成する。クッション104は、環状や管状の外側基布126(基布126a〜126d)および内側基布128を重ねて互いの縁でつなげた構造になっていて、着座位置側へ向かって図4中矢印に沿ってスムーズに膨張展開することが可能になっている。
図5は、図3(b)の内側基布128の各状態を例示した図である。図5(a)は、クッション104が膨張展開した状態における内側基布128の様子を例示している。内側基布128は、クッション104が膨張展開したときに、凹部114の内壁を形成する。本実施形態では、内側基布128は、インナバッグ116から着座位置側に延びる所定の直線L1を軸とした柱状体として、直線L1を中心にした円柱の側面に沿って張られるよう設けられている。この構成によって、凹部114は円柱状の窪みとして形成される。
図5(b)は、図5(a)の内側基布128を分離して広げた様子を例示している。内側基布128は、長方形の帯状の基布として形成されている。帯状の内側基布128のうち、短辺130、132は互いに結合され、2つの長辺のうち一辺134は外側基布126の開口縁121(図3(b)参照)に接続され、他辺136はインナバッグ116に接続される。このように、内側基布128が帯状であることで、円柱状の凹部114(図5(a)参照)を効率よく形成することが可能になっている。
本実施形態のクッション104では、上述した凹部114によって、緊急時に乗員の傷害値を効率よく抑えることを可能にしている。以下、図6を参照して、クッション104が乗員140を拘束する過程について説明する。
図6は、図1(b)の膨張展開時のクッション104が乗員140を拘束する過程を例示した図である。図6(a)は、クッション104および乗員140を車外側から見て例示している。クッション104は、車両に衝撃が発生すると、乗員140の着座位置の前方に膨張展開する。このとき、クッション104の着座位置側の中央には、凹部114が形成される。
クッション104は、凹部114によって、乗員140の上半身の中央、つまり顎144の付近への接触を避けるまたは遅らせることができる。一般に、人間の頭部は、顎に力が加わることで回転しやすい。例えば、顎144に正面から衝撃を加えると、頭部142には横軸を有する縦の回転ωyが起こるおそれがある。凹部114を形成するクッション104であれば、顎144への衝撃を減らし、頭部142の回転を抑えて傷害値を軽減することが可能である。
図6(b)を参照して、図6(a)とは別方向からもクッション104が乗員140を拘束する過程を説明する。図6(b)は、クッション104および乗員140を上方から見て例示している。
例えばオブリーク衝突では、車両に対して斜めに衝撃が加わり、乗員140が斜め前方(図6(b)中、左斜め下方)へ向かって移動することがある。この場合、従来のドライバエアバッグ用のクッションでは、斜めに移動する頭部142に対して正面からクッション104が接触することで、頸椎を軸にして頭部142を振り向かせるような横の回転ωz(図6(b)中、右回転)が生じるおそれがあった。そこで、本実施形態のクッション104では、乗員側に凹部114を形成し、これによって顎への衝撃を抑えつつ、頭部142を前側からだけでなく側頭部側からも拘束する。このようにして、クッション104は、頭部142の回転を抑えながら乗員140を拘束する。
以上のように、クッション104は、凹部114によって顎144(図6(b)参照)への接触を避けるまたは遅らせつつ、凹部114の周囲の部位で乗員140の頭部142や胸146および肩148などを拘束する。これら作用によって、クッション104は、乗員140の頭部142と肩148等との動きをそろえることができ、頭部142の横軸の回転ωy、および頭部142の肩148に対して左右に振り向く縦軸の回転ωzのいずれをも最小限に抑えて拘束する。このようにして、クッション104は、乗員140の頭部142の回転を大幅に減少または打消し、頭部142の角速度を小さくすることで頭部142の回転に伴う乗員140の傷害値を軽減することが可能になっている。
なお、本実施形態の構成によれば、オブリーク衝突時だけでなく、通常の車両前後方向の衝突時においても、高い乗員拘束性能を拘束し、乗員140の傷害値および移動を抑えることができる。また、上記では、図6(b)を参照しながら、頭部142に生じる回転の例として右回りの回転ωzを挙げた。しかし、緊急時の状況によっては、例えば乗員140は車内側斜め前方に移動し、頭部142には上方から見て首を中心に左回りの回転が生じる場合もある。この左回りの回転に対しても、本実施形態のクッション104によれば、頭部142の角速度を小さくすることが可能である。すなわち、本実施形態のクッション104は、乗員140が車幅方向のいずれに移動する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(第1変形例)
図7は、図5(a)に例示したクッション104の第1変形例(クッション200)を例示した図である。以降、既に説明した構成要素と同じものについては、同じ符号を付することによって説明を省略する。また、既に説明した構成要素と同じ名称のものについては、異なる符号を付していても、特に明記しない場合は同じ機能を有するものとする。
図7(a)は、クッション200が膨張展開した状態における内側基布202の様子を例示している。第1変形例のクッション200が備える内側基布204は、直線L1を軸とした柱状体として、着座位置側に下底を向けた円錐台の側面に沿って張られるよう設けられている。この構成によって、凹部202は、奥に向かって狭まる円錐台状の窪みとして形成されている。
図7(b)は、図7(a)の内側基布204を分離して広げた様子を例示している。内側基布204は、環状扇型の基布として形成されている。環状扇型の内側基布204のうち、2つの直線状の辺206、208は互いに結合され、二つの円弧状の辺のうち径の大きい辺210は外側基布126の開口縁121(図3(b)参照)に接続され、径の小さい辺212はインナバッグ116に接続される。
このように、クッション200では、内側基布204が環状扇型であることで、円錐台状の凹部202を効率よく形成することが可能になっている。このようにして形成された凹部202によっても、乗員140(図6(a)参照)の顎144付近への衝撃を抑え、頭部130の回転を抑えながら乗員140を拘束することが可能になる。
(第2変形例)
図8は、図5(a)に例示したクッション104の第2変形例(クッション220)を例示した図である。図8(a)は、クッション220が膨張展開した状態における内側基布224の様子を例示している。クッション220では、内側基布224は、図7(a)の内側基布204とは逆の構成であって、着座位置側に上底を向けた円錐台の側面に沿って張られるよう設けられている。この構成によって、凹部222は、奥に向かって広がる円錐台状の窪みとして形成されている。
図8(b)は、図8(a)の内側基布224を分離して広げた様子を例示している。内側基布224は、図7(b)の内側基布204と同様に、環状扇型の基布として形成されている。環状扇型の内側基布224のうち、2つの直線状の辺226、228は互いに結合され、二つの円弧状の辺のうち径の小さい辺230は外側基布126の開口縁121(図3(b)参照)に接続され、径の大きい辺232はインナバッグ116に接続される。
このように、クッション220もまた、環状扇型の内側基布224によって、円錐台状の凹部222を効率よく形成することが可能になっている。このようにして形成された凹部222によっても、乗員140(図6(a)参照)の顎144付近への衝撃および頭部130の回転を抑えながら乗員140を拘束することが可能である。
上記説明では、当該エアバッグ装置100を運転席用のドライバエアバッグとして実施した。しかしながら、当該エアバッグ装置100は、運転席以外の箇所にも設置可能である。例えば、前部座席の後側に設けることで、後部座席の正面に膨張展開するフロンタルエアバッグとしても実施可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、緊急時に乗員を拘束するエアバッグ装置に利用することができる。
L1…所定の直線、100…エアバッグ装置、102…座席、104…クッション、106…ステアリングホイール、108…収納部、110…カバー、112…インフレータ、114…凹部、116…インナバッグ、118…アウタバッグ、121…開口縁、122…端面、124a、124b…インナベント、126…外側基布、126a〜126d…外側基布を構成する複数の基布、128…内側基布、130、132…短辺、134、136…長辺、140…乗員、142…頭部、144…顎、146…胸、148…肩、200…第1変形例のクッション、202…凹部、204…内側基布、206、208…直線状の辺、210…径の大きい円弧状の辺、212…径の小さい円弧状の辺、220…第2変形例のクッション、222…凹部、224…内側基布、226、228…直線状の辺、230…径の小さい円弧状の辺、232…径の大きい円弧状の辺

Claims (9)

  1. 車両に設置されガスを供給可能なインフレータと、
    前記ガスによって前記車両の乗員の着座位置の前方に膨張展開するインナバッグと、
    前記ガスによって前記インナバッグを内包するよう膨張展開し、該インナバッグを前記着座位置側に露出させる所定の開口を形成するアウタバッグと、
    を備え、
    前記アウタバッグは、
    該アウタバッグの外表面を構成し、前記開口の縁となる開口縁を有している外側基布と、
    前記開口縁と前記インナバッグとに接続されている内側基布と、
    を含み、
    前記インナバッグの前記露出している部分は、前記着座位置から見て前記アウタバッグよりも窪んでいて、
    前記内側基布は、前記インナバッグから前記着座位置側に延びる所定の柱状体の側面に沿うように設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記内側基布は、前記着座位置側に延びる所定の直線を軸とした円柱の側面に沿うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記内側基布は、帯状の基布から形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記内側基布は、前記着座位置側に下底を向けた円錐台の側面に沿うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記内側基布は、前記着座位置側に上底を向けた円錐台の側面に沿うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記内側基布は、環状扇型の基布から形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記外側基布は、前記内側基布と同心に配置された複数の環状または管状の基布を含んでいることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記インフレータは、前記インナバッグに挿入されていて、
    前記インナバッグは、前記アウタバッグに包まれる範囲に形成されていて前記ガスを該アウタバッグ内に送るインナベントを有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記インフレータ、前記インナバッグおよび前記アウタバッグは、車両のステアリングホイールの中央に収納されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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