JP6245002B2 - 板ガラス研磨装置および板ガラス研磨方法 - Google Patents
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具体的には、板ガラスの被研磨面(研磨が施される面)に研磨スラリーを供給しつつ、研磨パッドなどの研磨手段によって当該被研磨面を押圧しながら磨き上げる。
こうして、板ガラスの研磨は、研磨スラリーを用いて行われていた。
一方、研磨スラリーに含有される研磨剤としては、酸化セリウムやパーミス等の高価なものも多く、一回のみの使用によって研磨スラリーを破棄することとすれば、研磨剤のコスト増大を招くこととなる。
このようなことから、従来から、被研磨部材(例えば、板ガラスなど)の研磨終了後、使用された研磨スラリーを被研磨部材より直ちに除去するとともに、除去した研磨スラリーを回収して再利用する研磨装置が知られている(例えば、「特許文献1」を参照)。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図4の上下方向を研磨装置100の上下方向と規定して記述する。
また、図4においては、矢印Aの方向を板ガラスGの搬送方向と規定して記述する。
なお、ベルトコンベア101の上方、且つ上流側(矢印Aが示す側とは反対側)には、研磨スラリーの吐出機器や研磨パッドなどからなる研磨手段(図示せず)が配置されており、当該研磨手段によって、水平姿勢で搬送される板ガラスGの被研磨面(上面)が研磨される構成となっている。
また、貫通孔102bには、配管部材105の一端部が接続されるとともに、配管部材105の他端部は、シュート102の下方に位置する回収タンク104に接続される。
つまり、シュート102は、配管部材105を介して、回収タンク104と連通される。
そして、これらの複数の噴出口103a・103a・・・から、洗浄水(例えば、常温水)w・w・・・が、下方に向かって噴出される。
研磨手段による研磨が終了した板ガラスGは、ベルトコンベア101によって、引き続き水平姿勢で搬送される。この際、板ガラスGの上面には、研磨後の研磨スラリーSの一部が、板ガラスGより落下することなく付着したままの状態となっている。
その後、ベルトコンベア101の下流側端部に到達した板ガラスGの上面に向かって、洗浄水wが吹き付けられる。これにより、板ガラスGの上面に付着していた研磨後の研磨スラリーSの略全てが、板ガラスGより除去される。
その後、回収タンク104に回収された研磨スラリーSは、前述した研磨手段(図示せず)を構成する、研磨スラリーの吐出機器等に送られ再利用される。
ここで、研磨後の研磨スラリーには、研磨によって板ガラスから除去されたガラス片が含有されており、回収された研磨スラリーを再利用するには、当該ガラス片を取り除く必要がある。
しかしながら、従来の板ガラス研磨装置においては、研磨後の研磨スラリーが被研磨部材より除去される際、当該研磨スラリーに対して多くの洗浄水が混ざり合うため、たとえガラス片を取り除くことによって、回収された研磨スラリーを再利用することが可能になったとしても、スラリー濃度(研磨スラリー中の研磨剤の割合)が低下しており、研磨スラリーの研磨能力(単位時間当たりに、単位量の研磨スラリーが被研磨部材より除去する研磨量)が短時間で低下するという問題があった。
また、圧縮エアーによって、研磨後の大部分の研磨スラリーが搬送方向の上流側にて吹き飛ばされることにより、エアーノズルに対して搬送方向の下流側に噴出する洗浄ノズルが、残りの研磨スラリーを吹き飛ばすために、必要な洗浄水の使用量および排水量を大幅に削減することができ、環境保全を図ることができる。
次に、本発明を具現化する板ガラス研磨装置1(以下、単に「研磨装置1」と記載する)の全体構成について、図1乃至図3を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1の上下方向を研磨装置1の上下方向と規定して記述する。
また、図1乃至図3においては、矢印Aの方向を板ガラスGの搬送方向と規定して記述する。
研磨装置1は、図1に示すように、主に、搬送手段10、除去手段20、および回収手段30などにより構成される。
搬送手段10は、例えば、本実施形態においては、板ガラスGを水平方向に搬送可能なベルトコンベア11によって構成される。
また、ベルトコンベア11の上方において、前記搬送方向の下流側(矢印A示す側)には、後述する除去手段20が配置されており、板ガラスGの被研磨面(本実施形態においては、上面)に付着した、研磨後の研磨スラリーSを除去するように構成されている。
除去手段20は、板ガラスGの表面に付着した研磨後の研磨スラリーSを、板ガラスGより除去する、除去工程を実行するためのものである。
除去手段20は、エアーノズル21および洗浄ノズル22などにより構成される。
エアーノズル21は、ベルトコンベア11の上方、且つ平面視にて前記搬送方向との直交方向に延出して配設される。
また、エアーノズル21には、図示せぬコンプレッサーやソレノイドバルブなどが、配管部材を介して連結されている。
換言すると、ベルトコンベア11によって搬送される板ガラスGは、被研磨面(上面)に対して均一に、エアーノズル21より噴出される圧縮エアーaを吹き付けられる。
洗浄ノズル22は、ベルトコンベア11の上方、且つ板ガラスGの搬送方向の下流側(より具体的には、エアーノズル21の下流側)において、平面視にて前記搬送方向との直交方向に延出して配設される。
また、洗浄ノズル22には、図示せぬポンプや洗浄水の貯溜タンクなどが、配管部材を介して連結されている。
換言すると、ベルトコンベア11によって搬送される板ガラスGは、被研磨面(上面)に対して均一に圧縮エアーaを吹き付けられた後、当該被研磨面(上面)に対してさらに均一に、洗浄ノズル22より噴出される洗浄水wを吹き付けられる。
回収手段30は、除去手段20によって板ガラスGより除去された研磨後の研磨スラリーSを、研磨能力の低下を極力防止しつつ回収する、回収工程を実行するためのものである。
回収手段30は、図1に示すように、シュート31、回収タンク32、および廃棄タンク33などにより構成される。
つまり、シュート31は、圧縮エアーaによって吹き飛ばされた研磨能力の低下を殆ど伴わない研磨スラリーS(以下、適宜「再生研磨スラリーSa」と記載する)を回収タンク32に導く一方、洗浄水wによって除去された研磨能力が低下した研磨スラリーS(以下、適宜「廃棄研磨スラリーSb」と記載する)を廃棄タンク33へ導くためのものである。
具体的には、図2に示すように、平面視において、シュート31の幅方向(矢印Aに対する平面視直交方向)の寸法は、板ガラスGおよびベルトコンベア11の幅方向の寸法と比較しても、大きくなるように設定されている。
また、シュート31の上流側端部の位置は、ベルトコンベア11の上流側端部の位置と同等である一方、シュート31の下流側端部の位置は、ベルトコンベア11の下流側端部の位置に比べて、さらに下流側となるように設定されている。
なお、シュート31の下流側端部の位置は、除去手段20の洗浄ノズル22の配置位置と略同等となるように設定されている。
これにより、除去手段20による圧縮エアーaや洗浄水wによって吹き飛ばされた研磨スラリーSは、ベルトコンベア11の幅方向の両側、および下流側端部より、シュート31の開口部内に落下し、確実に回収されることとなる。
また、第一排出口31bには、第一配管部材34の一端部が接続されるとともに、第一配管部材34の他端部は、回収タンク32に接続される。つまり、シュート31は、第一配管部材34を介して、回収タンク32と連通される。
また、第二排出口31cには、第二配管部材36の一端部が接続されるとともに、第二配管部材36の他端部は、廃棄タンク33に接続される。つまり、シュート31は、第二配管部材36を介して、廃棄タンク33と連通されている。
このように、シュート31内において、第一排出口31bは、止水板35の、板ガラスGの搬送方向における上流側に設けられ、第二排出口31cは、止水板35の、板ガラスGの搬送方向における下流側の近傍に、それぞれ設けられる。
このような構成を有することで、後述するように、除去手段20による圧縮エアーaによって吹き飛ばされた再生研磨スラリーSaは、第一排出口31bを介して回収タンク32に導かれる一方、洗浄水wによって吹き飛ばされた廃棄研磨スラリーSbは、第二排出口31cを介して廃棄タンク33に導かれることとなる。
回収タンク32は、シュート31の下方に配置され、前述したように、第一配管部材34を介して、シュート31と連通される。
廃棄タンク33は、シュート31の下方に配置され、前述したように、第二配管部材36を介して、シュート31と連通される。
次に、本発明に係る板ガラス研磨方法について、図1を用いて説明する。
本実施形態によって具現化される板ガラス研磨方法は、研磨装置1によって実施される。
止水板35は、平面視において、シュート31の、板ガラスGの搬送方向におけるエアーノズル21の配置位置と、洗浄ノズル22の配置位置との間に位置するようになっており、シュート31の内部は、止水板35によって、止水板35よりも上流側の空間(以降、「上流側空間」と記載する)と、止水板35よりも下流側の空間(以降、「下流側空間」と記載する)とに区画されている。
即ち、洗浄水wによって除去された廃棄研磨スラリーSbには多くの洗浄水wが混入しているが、多くの洗浄水wが混じり合ってスラリー濃度(研磨スラリーS全体に対する研磨剤の割合)が低下し、研磨能力が低下した研磨スラリーSが、第一排出口31bを介して回収タンク32へと導かれるのを、止水板35によって効果的に堰き止められる構成となっている。
また、回収手段30によって、再生研磨スラリーSaはシュート31の上流側空間内に案内され、廃棄研磨スラリーSbは下流側空間内に案内される構成となっている。
つまり、本実施形態における板ガラス研磨方法においては、研磨能力の低下を伴う破棄研磨スラリーSbを極力除いた、再生研磨スラリーSaを優先的に回収することによって、研磨能力の低下を極力防止しつつ研磨後の研磨スラリーSを回収し、研磨スラリーSを再利用する構成となっている。
10 搬送手段
11 ベルトコンベア
21 エアーノズル
22 洗浄ノズル
31 シュート
31a 底面(傾斜面)
31b 第一排出口
31c 第二排出口
35 止水板
37 フィルター
a 圧縮エアー
G 板ガラス
S 研磨スラリー
Sa 再生研磨スラリー
Sb 廃棄研磨スラリー
w 洗浄水
Claims (4)
- 研磨剤と水からなる研磨スラリーを用いて板ガラスを研磨するとともに、研磨後の研磨スラリーを回収して再利用する、板ガラス研磨装置であって、
研磨スラリーが付着した板ガラスを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記板ガラスに対して圧縮エアーを噴出するエアーノズルと、
前記搬送手段により搬送される前記板ガラスに対して洗浄水を噴出する洗浄ノズルと、
前記搬送手段の下方に配置され、前記圧縮エアーにより前記板ガラスから除去された研磨スラリーおよび前記板ガラスに噴出された洗浄水を受け止めて回収するシュートと、を備え、
前記エアーノズルおよび前記洗浄ノズルは、前記エアーノズルの圧縮エアー噴出位置が、前記洗浄ノズルの洗浄水噴出位置よりも、前記板ガラスの搬送方向における上流側となるようにそれぞれ配置され、
前記シュートは、前記圧縮エアーにより吹き飛ばされた研磨剤の濃度が高い再生研磨スラリーと、前記洗浄水により除去された研磨剤の濃度が低い廃棄スラリーとに分別して、前記研磨スラリーを回収可能に構成されてなる、
ことを特徴とする板ガラス研磨装置。 - 前記搬送方向における前記エアーノズルの配置位置と洗浄ノズルの配置位置との間の下方、かつ、前記シュート内には、止水板が設けられ、
前記シュート内は、前記止水板により、前記止水板よりも前記搬送方向における上流側の空間と、前記止水板よりも前記搬送方向における下流側の空間とに区画される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の板ガラス研磨装置。 - 前記搬送手段は、ベルトコンベアであって、
前記洗浄ノズルは、前記搬送手段の下流側端部の近傍に配置される、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の板ガラス研磨装置。 - 研磨剤と水からなる研磨スラリーを用いて板ガラスを研磨するとともに、使用後の研磨スラリーを回収して再利用する、板ガラス研磨方法であって、
研磨スラリーが付着した板ガラスを搬送する搬送工程と、
前記搬送工程により搬送されている前記板ガラスに対して圧縮エアーおよび洗浄水を噴出して前記板ガラスから前記研磨スラリーを除去する除去工程と、
前記除去工程で除去した研磨スラリーを、前記圧縮エアーによって吹き飛ばされた研磨剤の濃度が高い再生研磨スラリーと、前記洗浄水によって除去された研磨剤の濃度が低い廃棄研磨スラリーとに分別して、回収する回収工程と、を備え、
前記除去工程において、圧縮エアーは、前記洗浄水よりも、前記搬送工程における上流側で噴出される、
ことを特徴とする板ガラス研磨方法。
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