JP6244905B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部を、当該軸方向に沿って支持する支持部材と、前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記加圧部よりも前記定着部材の移動方向下流側において前記軸方向に沿って設けられ、軸方向両端部が、軸方向中央部と比較して当該定着部材の外周側に向けて突出した形状を有することを特徴とする定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記押圧部材は、弾性を有する部材で構成され、前記定着部材の内周面に対して予め定められた荷重で接触することを特徴とする請求項1または2記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成部と、前記トナー像を記録材に転写する転写部と、回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部が、当該軸方向に沿って支持される支持部材と、前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記加圧部にて記録材が通過する領域よりも前記軸方向の両端側にて、前記定着部材を押圧することを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成部と、前記トナー像を記録材に転写する転写部と、回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部が、当該軸方向に沿って支持される支持部材と、前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記加圧部よりも前記定着部材の移動方向下流側において前記軸方向に沿って設けられ、軸方向両端部が、軸方向中央部と比較して当該定着部材の外周側に向けて突出した形状を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明によれば、定着部材と加熱部材との接触不良を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、定着部材に過度な負荷がかかることを抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、定着部材と加熱部材との接触不良を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、定着部材と加熱部材との接触不良を抑制することができる。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施の形態の定着装置が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部31を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等との通信を行って画像データを受信する通信部32、通信部32にて受信された画像データに対し予め定めた画像処理を施す画像処理部33を備えている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収納されるトナーを除いてほぼ同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
次に、本実施の形態の定着ユニット60について説明する。
図2および図3は本実施の形態の定着ユニット60の構成を示す図であり、図2は正面図、図3は図2におけるIII−III断面図である。
まず、断面図である図3に示すように、定着ユニット60は、加熱源としてのヒータユニット80と、ヒータユニット80により加熱されることでトナー像を定着する定着ベルト61と、定着ベルト61を内周側から支持する支持フレーム70と、定着ベルト61の外周に対向するように配置された加圧ロール62と、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される押圧パッド63とを備えている。
さらに、定着ユニット60は、定着ベルト61の内周面と接触して定着ベルト61の温度を測定する温度センサ65と、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材66とを備えている。
なお、以下の説明においては、図2、図3等に示すように、定着ユニット60における定着ベルト61の回転軸方向をX方向と定義し、後述するニップ部Nにおける定着ベルト61の移動方向(用紙の搬送方向)をY方向と定義し、X方向およびY方向の双方に直交する方向をZ方向と定義する。
定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向長が300mmに形成されている。また、図4(定着ベルト61の断面層構成図)に示したように、定着ベルト61は、基材層611と、基材層611の上に被覆された離型層612からなる構造のベルト部材である。
基材層611としては、例えば、ポリイミド樹脂からなる厚さ60μm〜200μmのシートが用いられる。また定着ベルト61の温度分布をより均一化するために酸化アルミニウム等からなる熱伝導フィラーをポリイミド樹脂シート中に含有させてもよい。
次に、定着ベルト61の駆動機構について説明する。
正面図である図2に示したように、支持フレーム70(図3参照)の軸方向両端部(X方向両端部)には、定着ベルト61の両端部の断面形状を円形に維持しながら定着ベルト61を周方向に回転駆動するエンドキャップ部材67が固定されている。そして、定着ベルト61は、両端部からエンドキャップ部材67を介した回転駆動力を直接的に受けて、例えば140mm/sのプロセススピードで図3の矢印C方向に回転移動する。
エンドキャップ部材67を構成する材質としては、機械的強度や耐熱性の高い所謂エンジニアリングプラスチックスが用いられる。例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂等が適する。
このように、定着ベルト61が定着ベルト61の両端部から駆動力を直接受けて回転するので、定着ベルト61は安定して回転する。
図3に戻り、加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置され、定着ベルト61に従動して図3の矢印D方向に、例えば140mm/sのプロセススピードで回転する。そして、加圧ロール62と押圧パッド63とにより定着ベルト61を挟持した状態でニップ部Nを形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着する。
加圧ロール62は、例えば直径18mmの中実のアルミニウム製コア(円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆された例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層622と、さらに例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成される。そして、押圧ばね68(図2参照)により例えば25kgfの荷重で定着ベルト61を介して押圧パッド63を押圧している。
押圧パッド63は、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴム等の剛体で構成された、断面が略円弧形状のブロック部材であり、定着ベルト61の内側において支持フレーム70に支持されている。そして、加圧ロール62が定着ベルト61を圧接する領域にて、X方向全域に亘って固定配置されている。そして、押圧パッド63は、定着ベルト61を介して加圧ロール62を予め定められた幅領域に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧するように設置され、ニップ部Nを形成している。
温度センサ65は、例えば、サーミスタ式の温度センサであり、温度の変化により抵抗値が変化する材料であるサーミスタを有する温度検知部を備える。
図5(a)〜(b)は、本実施の形態のヒータユニット80の構成を示す図である。
ここで、図5(a)は、ヒータユニット80の斜視図である。また、図5(b)は、ヒータユニット80を図5(a)におけるVb方向から見た図である。
ヒータユニット80は、熱発生源であるヒータ81と、ヒータ81の形状をアーチ状に規定するガイド82と、ヒータ81およびガイド82を取り付ける支持部材の一例としての取り付け部83と、ヒータ81を取り付け部83に固定するボルト84と、ヒータ81を定着ベルト61に押圧するためのばね部材85を備える。
図6(a)〜(b)は、ヒータ81の構造について説明した図である。
ヒータ81は、いわゆるフィルムヒータであり、可撓性を有する。そして、実際の使用状態においては、定着ベルト61の内周面に接触させるため、図5(a)〜(b)で示すように定着ベルト61の内周面に沿うように円弧状に曲げられアーチ状に取り付けられる。
ただし、説明を分かりやすくするため、図6(a)〜(b)では、円弧状に曲げられる前の平面状のヒータ81について図示している。
ここで、図6(a)は、ヒータ81の斜視図である。また、図6(b)は、ヒータ81のVIb−VIb断面図である。
また、図6(a)に示すように、円弧状に曲げられる前のヒータ81は、全体として長方形状となっている。言い換えると、本実施の形態のヒータ81は、互いに対向する2つの長辺側端部と、長辺側端部と交差し互いに対向する2つの短辺側端部とを有している。なお、ヒータ81における長辺側端部に沿う方向(以下、長手方向と呼ぶことがある)が、定着ベルト61の回転軸方向(X方向)に対応している。
そして、本実施の形態のヒータ81は、図6(a)に示すように、発熱層811が設けられる発熱領域81aが長手方向に沿って形成されている。また、ヒータ81の長辺側端部には、発熱層811が設けられてない非発熱領域81bが、発熱領域81aを挟んで対向するように形成されている。
発熱層811は、導電性の発熱材料からなり、通電することにより発熱する。本実施の形態では、発熱層811は、例えば、厚さ30μmのステンレス箔からなる。発熱層811を構成するステンレス箔としては、例えば、SUS430やSUS330等を用いることができる。また、発熱層811は、予め定められたパターンを描くことで、より均一に発熱を行うようにしている。なお、発熱層811の配線が描くパターンについては、後述する。
絶縁層812a、812bは、絶縁性を有するとともに、耐熱性に優れた材料からなることが必要である。本実施の形態では、絶縁層812aとして、例えば、厚さ25μm〜50μmの熱硬化性ポリイミドが使用される。そして絶縁層812bとして、例えば、厚さ25μm〜50μmの熱可塑性ポリイミドが使用される。
熱拡散層813は、伝熱性に優れるとともに、耐熱性に優れた材料からなることが必要である。本実施の形態では、熱拡散層813として、例えば、厚さ30μm〜50μmのステンレス箔を使用する。熱拡散層813を構成するステンレス箔としては、例えば、SUS430やSUS330等を用いることができる。
熱拡散層813は、絶縁層812bと接合している。実際には、上述した絶縁層812aと絶縁層812bとで発熱層811を挟み込み、熱圧着を行うときに、併せて熱拡散層813と絶縁層812bとを接着させる。
図7(a)および(b)に示す発熱層811のパターンは、円弧状の箇所と直線状の箇所からなるU字形状の基本パターンが連続して接続することにより形成されている。図7(a)に示すパターンは、大きさが互いに等しいU字形状の基本パターンが連続して接続することにより形成される。一方、図7(b)に示すパターンは、大きさが異なる複数のU字形状の基本パターンの組み合わせにより形成されている。
なお、図7(a)および(b)に示す発熱層811のパターンでは、U字形状の基本パターンを構成する辺部が、ヒータ81(図5(a)〜(b)等参照)の短手方向に対して傾斜するように設けられている。これにより、本構成を採用しない場合と比較して、ヒータ81の長手方向において発熱層811が存在しない領域が形成されることが抑制でき、ヒータ81に加熱される定着ベルト61(図3等参照)における温度むらが生じることを抑制できる。
なお、発熱層811が描くパターンは、定着ベルト61、ヒータ81等の材質や定着温度等に応じて選択することができ、図7(a)〜(c)に示したものに限られるものではない。
ガイド82は、耐熱性に優れるとともに、加工性にも優れることが必要とされる。本実施の形態では、ガイド82を形成する材料として、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂が使用される。
つまり、ヒータ81は、ガイド82によりその形状がアーチ状に規定されるとともに、ボルト84により取り付け部83にリジッド固定される。これにより、ヒータ81を定着ベルト61の内周面に沿った形状とすることができる。
図8(a)〜(b)は、本実施の形態の支持フレーム70の構成を示す図である。図8(a)は、支持フレーム70をY方向上流側から見た図であり、図8(b)は、支持フレーム70をY方向下流側から見た図である。
図8(a)〜(b)および図3に示すように、支持フレーム70は、定着ベルト61の内周側において、X方向(ヒータ81の長手方向)に沿って設けられる。
そして、支持フレーム70は、上述したように、押圧パッド63を支持するとともに、ばね部材85を介してヒータユニット80を定着ベルト61に押し付けている(図3等参照)。
上流側ベルト支持部71は、定着ユニット60(図3参照)が組み立てられた場合に、ニップ部N(図3参照)よりもY方向上流側に位置するように設けられる。また、下流側ベルト支持部72は、定着ユニット60が組み立てられた場合に、ニップ部NよりもY方向下流側に位置するように設けられる。
さらに、本実施の形態の上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72は、それぞれ、ニップ部Nにおいて用紙が搬送され得る通紙領域よりも外側(X方向両端側)に設けられる。
なお、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72の詳細な構造、および上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72による定着ベルト61の支持方法等については後述する。
図9−1(a)〜(c)は、熱膨張によるヒータ81の変形の様子を説明するための図である。図9−1(a)は、ヒータ81をY方向から見た図であり、図9−1(b)は、図9−1(a)におけるIXb−IXb断面図であり、図9−1(c)は、図9−1(a)におけるIXc−IXc断面図である。なお、図9−1(a)〜(c)において、破線は、熱膨張により変形する前のヒータ81の形状を示しており、実線が、熱膨張により変形した後のヒータ81の形状を示している。
また、上述した図6(a)等に示したように、ヒータ81は、定着ベルト61の軸方向(X方向)に長い長尺形状を有しており、これに伴って発熱領域81aも同様に定着ベルト61の軸方向(X方向)に長い長尺形状を有している。これにより、ヒータ81において発熱層811が発熱した場合には、発熱領域81aは、定着ベルト61の移動方向(Y方向)と比較して定着ベルト61の軸方向(X方向)に、より膨張しやすくなる。
具体的には、ヒータ81の長手方向中央部では、図9−1(b)に示すように、発熱領域81aが外周側(Z方向下流側)に向かって膨張し、Z方向に長い形状に変形する。これに対し、ヒータ81の長手方向両端部では、図9−1(c)に示すように、ほとんど変形しない。
そして、ヒータ81全体としては、図9−1(a)に示すように、X方向中央部からX方向両端部に亘って連続的に変形することで、X方向中央部が定着ベルト61(図3参照)の外周側(Z方向下流側)に向けて突出した凸形状になる。
ここで、図9−2(a)〜(b)に示した従来の定着ユニット260は、支持フレーム70が上述した上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72(ともに図8参照)を有していない以外は、図3等に示した本実施の形態の定着ユニット60と同様の構成を有している。なお、以下の説明において、図9−2(a)〜(b)に示す定着ベルト61のうち、ヒータ81に対向する領域を対向領域61a、ヒータ81および押圧パッド63に対向しない領域を非対向領域61bと呼ぶことがある。
ここで、図9−2(a)に示すように変形前の定着ベルト61は円形の断面形状を有しており、ヒータ81によって押されることで変形した場合であっても、定着ベルト61の外周の長さはほとんど変化しない。
この結果、定着ベルト61のX方向中央部では、図9−2(b)に示すように、ヒータ81に対向する対向領域61aは、ヒータ81によって内周側から外周側に向かって押し上げられることで、Z方向に延びるように変形する。一方、定着ベルト61のX方向中央部においてヒータ81に対向しない非対向領域61bは、図9−2(b)に示すように、定着ベルト61の内周側に縮むように変形する。これにより、定着ベルト61のX方向中央部では、定着ベルト61の断面形状が、Z方向に長い楕円形状に変形する。
具体的には、図9−2(b)に示すように、X方向両端部では、ヒータ81と対向する対向領域61aがZ方向に延びるように変形するとともに、ヒータ81と対向しない非対向領域61bが定着ベルト61の内周側に縮むように変形する。なお、X方向両端部では、ヒータ81は定着ベルト61を押し上げないため、定着ベルト61の変形量は、X方向中央部と比較して小さい。
一方、上述したようにヒータ81のX方向両端部はほとんど変形しないため、定着ベルト61のX方向両端部において対向領域61aがZ方向に延びるように変形することで、定着ベルト61の対向領域61aはヒータ81から離れるようになる。
そして、ヒータ81の表面と定着ベルト61の内周面との間に空隙が形成された場合、ヒータ81から定着ベルト61への熱の伝導量が少なくなる。これにより、従来のヒータユニット260では、定着ベルト61がヒータ81と接触するX方向中央部と、定着ベルト61がヒータ81と接触しないX方向両端部とで、定着ベルト61への熱の伝導量に差異が生じ、定着ベルト61に温度むらが発生する場合がある。
これに対し、本実施の形態の定着ユニット60では、支持フレーム70に、定着ベルト61を内周側から支持し定着ベルト61の形状を規定する上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72を設けることで、ヒータ81が熱膨張により変形した場合であっても、定着ベルト61とヒータ81との間に空隙が形成されることを抑制している。本実施の形態では、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72により、押圧部材が構成されている。
なお、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72は、弾性および耐熱性を有する部材であれば、板ばねに限定されるものではない。また、定着ベルト61の内周面との摩擦を低減するため、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72の表面に、例えばフッ素樹脂等からなる低摩擦層を形成してもよい。
また、図10(b)および図11に示すように、下流側ベルト支持部72は、押圧パッド63よりも定着ベルト61の移動方向下流側に設けられる。そして、図11に示すように、ヒータユニット80および支持フレーム70が定着ベルト61の内周に配置された状態では、下流側ベルト支持部72は、ニップ部Nよりも定着ベルト61の移動方向下流側に位置する非対向領域61bにて、定着ベルト61の内周面に接触する。
ここで、定着ベルト61の移動方向に沿って見た場合、図11に示すように、本実施の形態の定着ユニット60では、上流側ベルト支持部71、押圧パッド63(ニップ部N;図3参照)、下流側ベルト支持部72、定着ベルト61の非対向領域61b、対向領域61a(ヒータ81による加熱領域)、および非対向領域61bが順に並んで設けられている。
本実施の形態の定着ユニット60では、ヒータ81が変形し、定着ベルト61のX方向中央部がヒータ81によって押し上げられることで断面形状がZ方向に長い楕円形状に変形した場合であっても、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72によってベルトを支持することで、X方向の両端部において定着ベルト61が変形することを抑制し、定着ベルト61の内周面とヒータ81との間に空隙ができることを抑制している。
これに対し、図11に示すように、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72は、定着ベルト61の内周面に向けて突出するように設けられている。
そして、上述したように定着ベルト61の外周の長さはほとんど変化しないことから、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72によって定着ベルト61の非対向領域61bの変形が抑制されることで、定着ベルト61の対向領域61aがZ方向へ延びる変形についても抑制される。したがって、本実施の形態の定着ユニット60では、X方向両端部において、定着ベルト61の内周面とヒータ81との間に空隙が形成されることが抑制され、本構成を採用しない場合と比較して、定着ベルト61とヒータ81との接触不良が抑制される。
上述したように、本実施の形態の定着ユニット60では、熱膨張によりヒータ81が変形した場合であっても、X方向中央部および両端部の双方において、定着ベルト61とヒータ81との密着性を良好に保つことが可能となっている。したがって、定着ベルト61およびヒータ81の形状が連続的に変化することで、X方向両端部とX方向中央部との間に位置する領域においても、定着ベルト61とヒータ81との接触不良が抑制される。
上述したように、上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72は、少なくともヒータ81が変形した場合に、定着ベルト61の内周面に接触するように設けられる。
したがって、例えば上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72を通紙領域に設けた場合には、ヒータ81から定着ベルト61に伝導した熱が上流側ベルト支持部71および下流側ベルト支持部72に伝導し、通紙領域において定着ベルト61の温度が低下するおそれがある。
上述した例では、下流側ベルト支持部72を支持フレーム70のX方向両端部に設ける構成とし、定着ベルト61の温度低下を抑制するものとしたが、ニップ部N(図3参照)の下流側にて定着ベルト61を支持する下流側ベルト支持部の構成はこれに限られない。
図12は、下流側ベルト支持部の他の形態を示した図である。図12に示す下流側ベルト支持部75は、上述した図10(b)等に示した下流側ベルト支持部72と異なり、支持フレーム70のX方向一端から他端の全域に亘って延びて設けられる。
本実施の形態の下流側ベルト支持部75は、押圧部材の他の一例であって、図12に示すように、その先端部が、X方向両端部に向かうほど外側(定着ベルト61側)に突出するような凹形状を描くように形成される。
それぞれのスリット75aは、隣接するスリット75a同士の間隔が、X方向両端部ほど広く、またX方向中央部ほど狭くなるように設けられる。これにより、下流側ベルト支持部75の弾性力がX方向中央部からX方向両端部に向かって段階的に大きくなるようになっている。
すなわち、定着ベルト61のX方向両端部において、定着ベルト61の非対向領域61bが、ヒータ81の熱膨張に伴って定着ベルト61の内周側に縮む方向に力がかかった場合であっても、定着ベルト61の内周面が下流側ベルト支持部75に押しつけられるようになる。上述したように、下流側ベルト支持部75は、X方向両端側ほど外側に突出するように設けられており、且つX方向両端部ほど弾性力が大きくなるように形成されている。この結果、定着ベルト61のX方向両端部においては、下流側ベルト支持部75によって定着ベルト61の内周側に縮む変形が抑制される。したがって、定着ベルト61の内周面とヒータ81との間に空隙が抑制され、本構成を採用しない場合と比較して、定着ベルト61とヒータ81との接触不良が抑制される。
なお、図示は省略するが、図12に示す支持フレーム70に対して、図10(a)等に示した上流側ベルト支持部71をさらに設けてもよい。
図5(a)〜(b)に示したヒータユニット80では、ヒータ81に設けられた2カ所の非発熱領域81bの双方を取り付け部83に対して取り付ける構成としたが、本発明が適用できるヒータユニットはこのような構成には限られない。
図13(a)〜(b)および図14(a)〜(b)は、ヒータユニットおよび支持フレームの第2の構成例を説明するための模式図である。図13(a)は、定着ベルト61に取り付ける前のヒータユニット180および支持フレーム70の状態を示した斜視図であり、図13(b)は、定着ベルト61の内周に取り付けた後のヒータユニット180および支持フレーム70の状態を示した斜視図である。また、図14(a)は、定着ベルト61に取り付ける前のヒータユニット180および支持フレーム70の状態を示した断面図であり、図14(b)は、定着ベルト61の内周に取り付けた後のヒータユニット180および支持フレーム70の状態を示した断面図である。
具体的には、図13(a)および図14(a)に示すように、ヒータユニット180では、支持フレーム70がヒータ81を支持する支持部材としての機能を有している。そして、ヒータ81に設けられる2つの非発熱領域81bのうち、定着ベルト61の移動方向上流側に位置する一方の非発熱領域81bのみが支持フレーム70に固定され、他方の非発熱領域81bは固定されていない。
これにより、図13(a)および図14(a)に示すように、ヒータユニット180および支持フレーム70を定着ベルト61の内周に設置していない状態では、ヒータ81のうち定着ベルト61の移動方向下流側に位置する他方の非発熱領域81bが、支持フレーム70等から浮いた状態となっている。
このように、一方の非発熱領域81bのみを固定する構成を採用することで、本構成を採用しない場合と比較して、定着ベルト61の内周面とヒータ81との接触状態を良好に保つことが可能になる。
したがって、ヒータ81が発熱した場合には、上述した図9−1(a)〜(b)等に示した場合と同様に、ヒータ81のX方向中央部が定着ベルト61側に突出するように変形することになる。そして、ヒータ81が変形した場合には、図9−2(a)〜(b)等に示した場合と同様に、X方向両端部において、ヒータ81と定着ベルト61の内周面との間に空隙ができ、ヒータ81と定着ベルト61との接触不良が発生する場合がある。
なお、図示は省略するが、第2の構成例において、下流側ベルト支持部72は、図10に示したように、X方向両端部のみにおいて定着ベルト61に接触するような形状であってもよいし、図12に示した下流側ベルト支持部75のように、X方向の一端から他端の全域に亘って延びる形状であってもよい。
Claims (5)
- 回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、
前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、
前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、
前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部を、当該軸方向に沿って支持する支持部材と、
前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材と
を備え、
前記押圧部材は、前記加圧部にて記録材が通過する領域よりも前記軸方向の両端側にて、前記定着部材を押圧することを特徴とする定着装置。 - 回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、
前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、
前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、
前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部を、当該軸方向に沿って支持する支持部材と、
前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材と
を備え、
前記押圧部材は、前記加圧部よりも前記定着部材の移動方向下流側において前記軸方向に沿って設けられ、軸方向両端部が、軸方向中央部と比較して当該定着部材の外周側に向けて突出した形状を有することを特徴とする定着装置。 - 前記押圧部材は、弾性を有する部材で構成され、前記定着部材の内周面に対して予め定められた荷重で接触することを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成部と、
前記トナー像を記録材に転写する転写部と、
回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、
前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、
前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、
前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部が、当該軸方向に沿って支持される支持部材と、
前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材と
を備え、
前記押圧部材は、前記加圧部にて記録材が通過する領域よりも前記軸方向の両端側にて、前記定着部材を押圧することを特徴とする画像形成装置。 - トナー像を形成するトナー像形成部と、
前記トナー像を記録材に転写する転写部と、
回転し、記録材にトナー像を定着する無端状の定着部材と、
前記定着部材とともに、未定着トナー像を保持した記録材が通過するための加圧部を形成する加圧部材と、
前記定着部材の軸方向に延び且つ当該定着部材の内周面に接して設けられ、通電により発熱する発熱部を有し、当該定着部材を加熱するフィルム状の加熱部材と、
前記軸方向に延び前記発熱部を挟んで対向する前記加熱部材の2つの縁部のうち少なくとも一方の縁部が、当該軸方向に沿って支持される支持部材と、
前記定着部材の内周側において前記加熱部材よりも当該定着部材の移動方向下流側および/または上流側に設けられ、当該定着部材の軸方向両端部を、当該定着部材の外周側に向けて押圧する押圧部材と
を備え、
前記押圧部材は、前記加圧部よりも前記定着部材の移動方向下流側において前記軸方向に沿って設けられ、軸方向両端部が、軸方向中央部と比較して当該定着部材の外周側に向けて突出した形状を有することを特徴とする画像形成装置。
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