JP7196471B2 - 定着装置、画像形成装置および熱伝導積層体 - Google Patents
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Description
このような定着装置では、例えば加熱源と比較して幅が小さい記録材に画像を定着する際に、両端部の非通紙領域において加熱源からの熱が消費されずに、接触部の温度が過度に上昇してしまうおそれがある。これを抑制するために、定着装置では、例えば接触部等と比べて熱伝導率が高い高熱伝導部を加熱源に重ねて設ける場合がある。
定着装置においてこのような高熱伝導部を設けた場合、例えば高熱伝導部と加熱源の発熱部とが重なっている領域の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と中央部とで等しいと、加熱源により接触部の加熱を開始する立ち上げの際に、接触部を予め定めた温度まで加熱するために要する時間が長くなるおそれがある。
請求項2に記載の発明は、前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とは、前記幅方向の中央部では重なっていないことを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、搬送される記録材に接触する接触部と、記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、前記高熱伝導部は、前記幅方向の全域に亘って前記発熱部に重なっていない領域を有することを特徴とする定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記高熱伝導部は、前記発熱部に重なっていない領域が、当該発熱部に対して前記搬送方向の上流側に位置することを特徴とする請求項3に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記加熱源は、前記幅方向に沿って設けられ、前記発熱部に電力を供給する電極部を備え、前記高熱伝導部は、前記発熱部に重なっていない領域が、前記電極部に重なっていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、前記高熱伝導部は、前記搬送方向に沿った長さが、前記幅方向の両端部と比較して当該幅方向の中央部で短いことを特徴とする請求項3に記載の定着装置である。
請求項7に記載の発明は、前記加熱源の前記発熱部は、前記幅方向の両端部において、前記搬送方向の全域で前記高熱伝導部と重なっていることを特徴とする請求項6に記載の定着装である。
請求項8に記載の発明は、前記加熱源の前記発熱部は、前記幅方向の中央部と比較して当該幅方向の両端部の発熱量が大きいことを特徴とする請求項7に記載の定着装置である。
請求項9に記載の発明は、搬送される記録材に接触する接触部と、記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面に接触するように設けられ、前記高熱伝導部と比較して熱伝導率が低い低熱伝導部をさらに有し、前記高熱伝導部は、前記低熱伝導部を介して前記加熱源の前記反対面上に積層され、前記低熱伝導部は、前記高熱伝導部と同じ形状を有していることを特徴とする定着装置である。
請求項10に記載の発明は、搬送される記録材に接触する接触部と、記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、前記高熱伝導部は、それぞれが、前記搬送方向に延びる板状形状を有し、前記発熱部と当該搬送方向に重なっている長さが前記幅方向の両端部と比較して当該幅方向の中央部で短い複数の板状部材と、熱伝導性の粘性液体とが交互に積層されていることを特徴とする定着装置である。
請求項11に記載の発明は、記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により形成された画像を記録材に定着する定着装置とを備え、当該定着装置が、請求項1乃至10の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、それぞれが、金属からなり、長手方向に延びる板状形状を有し、且つ当該長手方向に交差する短手方向に沿った長さが、当該長手方向の両端部と比較して当該長手方向の中央部で短い複数の金属板と、熱伝導性の粘性液体とが交互に積層され、他の部材から供給された熱を前記長手方向に伝導する熱伝導積層体である。
請求項2の発明によれば、高熱伝導部と加熱源の発熱部とが幅方向の中央部で重なっている場合と比較して、幅方向の中央部における接触部の温度上昇を促進することができる。
請求項3の発明によれば、高熱伝導部と加熱源の発熱部とが重なっている領域の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と中央部とで等しい場合と比較して、接触部の加熱に要する時間を短くすることができる。
請求項4の発明によれば、高熱伝導部の発熱部に重なっていない領域が発熱部に対して搬送方向の下流側に位置する場合と比較して、記録材に接触する前に接触部の温度むらを低減することができる。
請求項5の発明によれば、高熱伝導部の発熱部に重なっていない領域が電極部に重なっていない場合と比較して、加熱源が搬送方向に大型化することを抑制しながら高熱伝導部を搬送方向に大きくすることができる。
請求項6の発明によれば、高熱伝導部の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と幅方向の中央部とで等しい場合と比較して、高熱伝導部と発熱部とが重なっている領域の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と比べて幅方向の中央部で短い状態を、簡易な形状の発熱部によっても実現することができる。
請求項7、8の発明によれば、発熱部が幅方向の両端部において搬送方向の全域で高熱伝導部と重なっていない場合と比較して、接触部の幅方向の両端部における過度な温度上昇を抑制することができる。
請求項9の発明によれば、高熱伝導部と加熱源の発熱部とが重なっている領域の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と中央部とで等しい場合と比較して、接触部の加熱に要する時間を短くすることができる。
請求項10の発明によれば、高熱伝導部と加熱源の発熱部とが重なっている領域の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と中央部とで等しい場合と比較して、接触部の加熱に要する時間を短くすることができる。
請求項11の発明によれば、高熱伝導部と加熱源の発熱部とが重なっている領域の搬送方向に沿った長さが幅方向の両端部と中央部とで等しい場合と比較して、接触部の加熱に要する時間を短くすることができる。
請求項12の発明によれば、短手方向に沿った長さが長手方向の両端部と中央部とで等しい場合と比較して、例えば接触部を加熱する加熱源上に設けた場合に接触部の加熱に要する時間を短くすることができる。
[実施形態1]
図1は、画像形成装置1の全体構成図である。
画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタである。
画像形成装置1は、画像形成手段の一例としての画像形成部10を備える。画像形成部10は、各色の画像データに基づき、記録材の一例である用紙Pへの画像形成を行う。
制御部30は、画像形成装置1に設けられた各機能部を制御する。
画像処理部35は、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等からの画像データに対して画像処理を施す。
各画像形成ユニット11は、現像器15(後述)に収納されるトナーを除いて、同様に構成されている。各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(画像)を形成する。
感光体ドラム12は、帯電器200による帯電が行われる。さらに、感光体ドラム12は、LPH300により露光され、感光体ドラム12には、静電潜像が形成される。
さらに、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する現像器15、感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ(不図示)が設けられている。
また、画像形成部10には、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール22、用紙Pに転写されたトナー像をこの用紙Pに定着させる定着装置40が設けられている。
定着ベルトモジュール50は、用紙搬送経路R1の図中左側に配置されている。加圧ロール60は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。さらに、定着ベルトモジュール50に対して、加圧ロール60が押し当てられている。
接触部の一例としてのこの定着ベルト51は、例えば、最外層に位置し用紙Pに接触する離型層と、離型層の一つ内側に位置する弾性層と、この弾性層を支持する基層とにより構成される。
さらに、定着ベルト51は、無端状に形成され、図中反時計周り方向に循環移動する。また、定着ベルト51の内周面51Aには、潤滑のための潤滑剤が塗布されており、後述する加熱源等と定着ベルト51との摺動抵抗が減じられている。なお、潤滑剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素オイル等の液体状オイル、固形物質と液体とを混合させたグリース等、さらにこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。これらの潤滑剤は、熱伝導性の粘性液体の一例である。
さらに、定着ベルトモジュール50には、定着ベルト51の内側に、定着ベルト51を加熱する加熱源(後述)が設けられている。
また、加圧ロール60は、モータ(不図示)により、図中時計回り方向に回転する。加圧ロール60が、時計回り方向に回転すると、定着ベルト51が、加圧ロール60から駆動力を受けて反時計回り方向に回転する。
そして、例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器200により帯電され、画像処理部35から送信された画像データに基づいて発光するLPH300により露光される。
同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
中間転写ベルト20上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が位置する箇所(二次転写部T)に搬送される。そして、このトナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて、用紙収容部1Bから二次転写部Tへ用紙Pが供給される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト20から剥離され、定着装置40まで搬送される。
これにより、用紙Pの加圧および加熱が行われて、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。そして、定着が終了した後の用紙Pは、排出ロール500によって、用紙積載部1Eへ搬送される。
定着ベルトモジュール50には、用紙Pへのトナー像の定着に用いられる定着ベルト51が設けられ、この定着ベルト51が、用紙Pのうちのトナー像が形成された面に押し当てられる。
具体的には、加圧ロール60は、定着ベルト51の外周面51Bに接触するよう配置され、用紙Pが加圧されながら通過する領域であるニップ部Nを、定着ベルト51との間に形成する。本実施形態では、このニップ部Nを用紙Pが通過する過程で、用紙Pの加熱および加圧が行われて、用紙Pへのトナー像の定着が行われる。
以下の説明において、このニップ部Nにおける定着ベルト51の移動方向を、定着ベルト51の移動方向、または、単に移動方向と称する場合がある。なお、ニップ部Nにおける定着ベルト51の移動方向と、ニップ部Nを通過する用紙Pの搬送方向とは、一致する。また、この移動方向に直交する定着ベルト51の幅方向を、定着ベルト51の幅方向、または単に幅方向と称する場合がある。
本実施形態では、加熱源52から定着ベルト51へ熱が供給されて、定着ベルト51の加熱が行われる。また、本実施形態では、定着ベルト51を介し、加熱源52の対向面52Aに対して、加圧ロール60が押し当てられている。
なお、発熱層522による発熱量は、発熱層522に供給される電力および発熱層522の厚さが一定の場合、発熱層522に対する通電方向に直交する方向(この例では、定着ベルト51の移動方向)の径に反比例する。すなわち、発熱層522による発熱量は、定着ベルト51の移動方向に沿った発熱層522の径が小さいほど大きい。
この例では、図3(a)に示すように、給電層523は、発熱層522に対して定着ベルト51の移動方向の上流側に隣接し且つ定着ベルト51の幅方向に沿って延びる延伸部523Aを有している。この例では、給電層523の延伸部523Aは、幅方向の一端(図3(a)における右端)が折れ曲がることで、発熱層522の一端に接続されている。
押し付け部材54は、例えば、圧縮ばねやゴム等の弾性を有する部材により構成され、弾性復元力によって高熱伝導部53を加熱源52に押し付ける。
また、本実施形態の高熱伝導部53は、それぞれが板状の形状を有する複数の高熱伝導部材531が熱伝導性を有するグリース等を介して積層されることで構成されている。高熱伝導部53は、複数の高熱伝導部材531が積層されることで、全体としてブロック状の形状を有している。
高熱伝導部材531を構成する材料としては、例えば、銅やアルミニウム等、又はSUS等の合金といった金属が挙げられる。また、それぞれの高熱伝導部材531を構成する材料は、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。
定着処理が行われる用紙Pの幅が小さい場合、加熱源52の幅方向における両端部であって加熱源52のうち用紙Pに接触しない部分である非通紙領域の温度が上昇する。かかる場合、加熱源52および定着ベルト51において幅方向に温度むらが生じる場合がある。そして、その後に幅が大きい用紙Pの定着処理を行うと、定着むらが生じるおそれがある。
これに対し、高熱伝導部53が設けられていると、加熱源52のうち温度が高い部分の熱が、加熱源52のうち温度が低い部分へ供給され、加熱源52および定着ベルト51の温度むらが低減される。
以下、高熱伝導部53の構成および高熱伝導部53と加熱源52との関係について、詳細に説明する。
これにより、本実施形態の高熱伝導部53は、移動方向に沿った長さが、幅方向の両端部と比較して幅方向の中央部で短くなっている。言い換えると、本実施形態の高熱伝導部53は、幅方向の中央部に位置する短尺部53Aと、短尺部53Aの幅方向の両端部に位置し短尺部53Aと比較して移動方向に沿った長さが長い長尺部53Bとを有している。なお、この例では、短尺部53Aにおける幅方向の両端部は、長尺部53Bに近づくに従い移動方向に沿った長さが徐々に長くなっている。
そして、本実施形態では、図5(a)~(c)に示すように、高熱伝導部53と加熱源52の発熱層522とが重なっている領域の移動方向に沿った長さが、幅方向の両端部と比べて幅方向の中央部で短くなっている。ここで、高熱伝導部53と発熱層522とが重なっている領域とは、加熱源52に対して高熱伝導部53が積層される方向(図5(a)において紙面に直交する方向)から見た場合に高熱伝導部53と発熱層522とが重なっている領域を意味する。また、この領域の移動方向に沿った長さには、高熱伝導部53と加熱源52の発熱層522とが重なっていない場合の長さ(すなわち、長さが0の場合)も含む。
一方、図5(a)、(c)に示すように、幅方向の両端部では、高熱伝導部53の長尺部53Bと、加熱源52の発熱層522とが重なっている。
これにより、高熱伝導部53と加熱源52の発熱層522とが重なっている領域の移動方向に沿った長さ(図5(c)において符号D1で示す)が、幅方向の両端部と比べて幅方向の中央部で短くなっている。
これに対し、本実施形態では、幅方向の両端部において、高熱伝導部53と発熱層522とが重なっている領域の移動方向に沿った長さが幅方向の中央部と比べて長いことで、発熱層522で発生した熱が高熱伝導部53に伝導しやすくなっている。そして、幅方向の両端部において高熱伝導部53へ伝導した熱は、高熱伝導部53を幅方向に伝導し、加熱源52のうち温度が低い部分である幅方向の中央部へ供給される。これにより、加熱源52および定着ベルト51の温度むらがより低減されやすくなる。
特に、本実施形態では、高熱伝導部53のうち上流側面53Cに隣接する移動方向の上流側の領域が、幅方向の一端から他端に亘って連続して発熱層522に重ならない領域となっている。これにより、高熱伝導部53によってニップ部Nに到達する前に定着ベルト51の温度むらが低減されやすくなる。
続いて、本発明の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明は省略する。
図6(a)~(c)は、実施形態2が適用される加熱源52および高熱伝導部53の構成を説明する図である。図6(a)は、加熱源52および高熱伝導部53を、加熱源52に対して高熱伝導部53が積層される方向(図4のVA方向に対応する方向)から見た平面図である。図6(b)は、図6(a)のVIB部での断面図であり、図6(c)は、図6(a)のVIC部での断面図である。なお、図6(a)~(c)では、複数の高熱伝導部材531(図4参照)を区別せずにまとめて高熱伝導部53として示している。
具体的に説明すると、実施形態2の発熱層522は、定着ベルト51の移動方向に沿った径が、幅方向の中央部と比較して幅方向の両端部で短くなっている。ここで、上述したように、発熱層522は、定着ベルト51の移動方向に沿った径が小さいほど、抵抗が高く発熱量が大きい。したがって、実施形態2の加熱源52では、幅方向の中央部と比べて幅方向の両端部のほうが、発熱層522に電力が供給された際の発熱量が大きい。
これにより、実施形態1と同様に、高熱伝導部53と発熱層522とが重なっている領域の移動方向に沿った長さが幅方向の両端部と中央部とで等しい場合と比べて、加熱源52により定着ベルト51の加熱を開始する立ち上げの際に、定着ベルト51を予め定めた温度まで加熱するのに要する時間が短くなる。
続いて、本発明の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明は省略する。
図7(a)~(c)は、実施形態3が適用される加熱源52および高熱伝導部53の構成を説明する図である。図7(a)は、加熱源52および高熱伝導部53を、加熱源52に対して高熱伝導部53が積層される方向(図4のVA方向に対応する方向)から見た平面図である。図7(b)は、図7(a)のVIIB部での断面図であり、図7(c)は、図7(a)のVIIC部での断面図である。なお、図7(a)~(c)では、複数の高熱伝導部材531(図4参照)を区別せずにまとめて高熱伝導部53として示している。
また、高熱伝導部53は、全体として幅方向に長尺の立方体形状を有している。言い換えると、高熱伝導部53を構成するそれぞれの高熱伝導部材531が、幅方向に長尺の長方形状を有している。これにより、実施形態3の高熱伝導部53は、移動方向に沿った長さが、幅方向の中央部と幅方向の両端部とで等しくなっている。
また、実施形態3では、加熱源52の発熱層522が、幅方向の中央部と比較して幅方向の両端部で移動方向に沿った径が長い形状を有することで、高熱伝導部53の形状を図7(a)に示した立方体等の単純な形状にすることができる。
続いて、本発明の実施形態4について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明は省略する。
図8(a)~(c)は、実施形態4が適用される加熱源52および高熱伝導部53の構成を説明する図である。図8(a)は、加熱源52および高熱伝導部53を、加熱源52に対して高熱伝導部53が積層される方向(図4のVA方向に対応する方向)から見た平面図である。図8(b)は、図8(a)のVIIIB部での断面図であり、図8(c)は、図8(a)のVIIIC部での断面図である。なお、図8(a)~(c)では、複数の高熱伝導部材531(図4参照)を区別せずにまとめて高熱伝導部53として示している。
続いて、本発明の実施形態5について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明は省略する。
図9(a)~(b)は、実施形態5が適用される加熱源52、高熱伝導部53および後述する低熱伝導部56の構成を説明する図である。図9(a)は、加熱源52、高熱伝導部53および低熱伝導部56を示した斜視図である。また、図9(b)は、図9(a)のIXB部での断面図である。
また、図示は省略するが、実施形態5の加熱源52における発熱層522は、実施形態1の発熱層522と同様の形状を有している。すなわち、発熱層522の移動方向に沿った径は、幅方向の全域に亘って一定となっている。
低熱伝導部56は、加熱源52を構成する材料と比較して熱伝導率が低いことが好ましい。低熱伝導部56は、例えば、ポリイミド等の耐熱性を有する樹脂材料等からなる薄膜フィルムにより構成される。また、加熱源52に対して低熱伝導部56および高熱伝導部53が積層される方向から見た低熱伝導部56の形状は、高熱伝導部53の形状と等しい。
具体的に説明すると、実施形態5では、熱伝導率が低い低熱伝導部56によって、加熱源52の発熱層522で発生した熱が高熱伝導部53へ伝導することが抑制される。これにより、加熱源52の発熱層522で発生した熱が定着ベルト51へ伝導しやすくなる。この結果、加熱源52により定着ベルト51の加熱を開始する立ち上げの際に、発熱層522で発生した熱により定着ベルト51の温度が上昇しやすくなる。
ここで、例えば定着処理が行われる用紙の幅が小さく、加熱源52の幅方向の両端部である非通紙領域の温度が上昇した場合には、加熱源52の幅方向の両端部から低熱伝導部56を介して高熱伝導部53へ熱が伝導する。そして、幅方向の両端部において高熱伝導部53へ伝導した熱は、高熱伝導部53を幅方向に伝導し、加熱源52のうち温度が低い部分である幅方向の中央部へ供給される。これにより、加熱源52および定着ベルト51の温度むらが低減される。
Claims (12)
- 搬送される記録材に接触する接触部と、
記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、
前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、
前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、
前記加熱源の前記発熱部は、前記搬送方向に沿った長さが、前記幅方向の両端部と比較して当該幅方向の中央部で短く、
前記高熱伝導部は、前記搬送方向に沿った長さが、前記幅方向の両端部と中央部とで等しいことを特徴とする定着装置。 - 前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とは、前記幅方向の中央部では重なっていないことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 搬送される記録材に接触する接触部と、
記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、
前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、
前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、
前記高熱伝導部は、前記幅方向の全域に亘って前記発熱部に重なっていない領域を有することを特徴とする定着装置。 - 前記高熱伝導部は、前記発熱部に重なっていない領域が、当該発熱部に対して前記搬送方向の上流側に位置することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記加熱源は、前記幅方向に沿って設けられ、前記発熱部に電力を供給する電極部を備え、
前記高熱伝導部は、前記発熱部に重なっていない領域が、前記電極部に重なっていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。 - 前記高熱伝導部は、前記搬送方向に沿った長さが、前記幅方向の両端部と比較して当該幅方向の中央部で短いことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記加熱源の前記発熱部は、前記幅方向の両端部において、前記搬送方向の全域で前記高熱伝導部と重なっていることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
- 前記加熱源の前記発熱部は、前記幅方向の中央部と比較して当該幅方向の両端部の発熱量が大きいことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
- 搬送される記録材に接触する接触部と、
記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、
前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、
前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、
前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面に接触するように設けられ、前記高熱伝導部と比較して熱伝導率が低い低熱伝導部をさらに有し、
前記高熱伝導部は、前記低熱伝導部を介して前記加熱源の前記反対面上に積層され、
前記低熱伝導部は、前記高熱伝導部と同じ形状を有していることを特徴とする定着装置。 - 搬送される記録材に接触する接触部と、
記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該発熱部を支持する支持部とを備え、前記接触部に対向する対向面および反対面を有し、当該接触部を加熱する加熱源と、
前記加熱源の前記発熱部と少なくとも一部で重なるように、前記幅方向に沿って前記反対面上に設けられ、前記支持部および前記接触部を構成する材料の少なくとも一部と比較して熱伝導率が高い高熱伝導部とを有し、
前記高熱伝導部と前記加熱源の前記発熱部とが重なっている領域の前記搬送方向に沿った長さは、前記幅方向の両端部と比べて当該幅方向の中央部で短く、
前記高熱伝導部は、それぞれが、前記搬送方向に延びる板状形状を有し、前記発熱部と当該搬送方向に重なっている長さが前記幅方向の両端部と比較して当該幅方向の中央部で短い複数の板状部材と、熱伝導性の粘性液体とが交互に積層されていることを特徴とする定着装置。 - 記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により形成された画像を記録材に定着する定着装置とを備え、当該定着装置が、請求項1乃至10の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置。
- それぞれが、金属からなり、長手方向に延びる板状形状を有し、且つ当該長手方向に交差する短手方向に沿った長さが、当該長手方向の両端部と比較して当該長手方向の中央部で短い複数の金属板と、
熱伝導性の粘性液体と
が交互に積層され、他の部材から供給された熱を前記長手方向に伝導する熱伝導積層体。
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