JP6244568B2 - 構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法 - Google Patents

構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6244568B2
JP6244568B2 JP2013251506A JP2013251506A JP6244568B2 JP 6244568 B2 JP6244568 B2 JP 6244568B2 JP 2013251506 A JP2013251506 A JP 2013251506A JP 2013251506 A JP2013251506 A JP 2013251506A JP 6244568 B2 JP6244568 B2 JP 6244568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
structural material
adhesive
building
structural
foundation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013251506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015098756A (ja
Inventor
雅雄 山嵜
雅雄 山嵜
Original Assignee
株式会社山嵜雅雄建築設計
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社山嵜雅雄建築設計 filed Critical 株式会社山嵜雅雄建築設計
Priority to JP2013251506A priority Critical patent/JP6244568B2/ja
Publication of JP2015098756A publication Critical patent/JP2015098756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6244568B2 publication Critical patent/JP6244568B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法に関する。
従来、例えば住宅等の木造構造物を構築する工法として、柱、梁を組み合わせて軸組みを構成するいわゆる在来工法、所定の断面寸法を有した材料で組み立てた枠組みの両面に合板を張り付けて構成したパネル材を用いる2×4(ツーバイフォー)工法等が広く用いられている。
また、特許文献1に示すような構造材を用いた工法を本発明者が既に提案している。この構造材は、2枚の同一形状の木製板材を対向させて接着剤により接合して形成した壁構造基材を複数個用い、各壁構造基材どうしを連結具により一体的に接合して連結することによってパネル状としたものである。この工法によれば、パネル状の構造材を、建造物の外壁および内壁をなすよう設けることで、建造物を構成することができる。
また、特許文献2には、複数枚の薄い帯状の原料材を複数枚重ねて形成した集成材によって構成される厚板を壁とし、建造物の躯体とする構成が開示されている。この集成材は、薄い帯状の原料材の左右幅を厚板の板厚に一致させて、複数枚の原料材を壁の幅方向に沿って積層して接着したものとなっている。
特許文献3には、2つの部材(厚板)を接着して形成した断面矩形の柱を横方向に並列させて接着することによって、板状の中空列柱壁を形成し、この中空列柱壁を建造物の壁面を構築する構成が開示されている。
特許第4019166号公報 特開2006−322205号公報(図3) 特開2003−291114号公報(図5)
しかしながら、特許文献1〜3に開示された構成の技術においては、以下に示すような問題が存在する。
特許文献1に示された構成においては、複数枚の壁構造基材どうしを連結具により接合するため、各壁構造基材の端面に縦長状の溝を形成し、この溝に連結具を挿入している。このため、複数枚の壁構造基材を接合してパネル状の構造材を構成するには、溝の加工精度を高め、連結具との嵌め合い精度を高める必要があり、これにコストがかかる。また、複数枚の壁構造基材を接合する作業にも手間がかかる。
一方、特許文献2,3に開示された構成においては、薄い帯状の原材料を接着したり、断面矩形の柱を接着することによって厚板や中空列柱壁を形成しているため、高精度な溝加工等も不要であり、その組立を容易かつ低コストに行うことが可能となっている。
しかし、特許文献2,3に開示された構成においては、薄い帯状の原料材や断面矩形の柱が横方向(壁の幅方向)に並列されて接着されるため、原材料どうしの接着部、柱同士の接着部が、建造物の外部に露出することとなる。建造物の外部においては、雨等が当たるため、接着部の劣化により接着強度が低下しないよう、防水性の高い接着剤を用いるのが好ましい。しかし、防水性の高い接着剤は高価であるため、接着部位の多い厚板や中空列柱壁が高コストなものとなってしまう。
そこでなされた本発明の目的は、容易に製作することが可能で、低コスト化を図ることのできる構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、建造物を構成する構造材であって、前記構造材は、該構造材の幅方向に沿って棒状の単位材を複数本並べて第一の接着剤により互いに接着されることによって形成され、前記各単位材は、木製で帯状の帯板材を、前記構造材の厚さ方向に複数枚重ね合わせて第二の接着剤により接着することによって形成され、前記第一の接着剤および前記第二の接着剤の一方は、前記第一の接着剤および前記第二の接着剤の他方よりも吸水性が低い材料からなる。
ここで、前記構造材は、前記建造物の外壁を構成し、前記第一の接着剤は、前記第二の接着剤よりも吸水性が低い材料からなる構成としてもよい。建造物の外壁を構成する場合、構造材の幅方向に沿って複数本並べられた棒状の単位材どうしを接着する第一の接着剤に、吸水性が低い材料を用いるのが好ましい。
また、前記構造材は、前記建造物の外壁面に直交する面内に位置し、前記第二の接着剤は、前記第一の接着剤よりも吸水性が低い材料からなる構成としてもよい。構造材が、建造物の外壁面に直交する面内に位置する場合、構造材の外周端面が建造物の外方に向けて露出する。したがって、この場合、帯状の帯板材を、構造材の厚さ方向に複数枚重ね合わせて接着する第二の接着剤に、吸水性が低い材料を用いるのが好ましい。
このように、構造材において、建造物の外表面に露出する部分の接着部には吸水性が低い、つまり防水性の高い材料(接着剤)を用いることで、高い耐久性を確保する。その一方で、構造材において、建造物の外表面に露出しない部分の接着部には、雨等が当たらないため、吸水性が高い、つまり防水性が低い材料(接着剤)を用いる。このように、防水性が低い接着剤としては、防水性が高い接着剤よりも低コストなものを採用することができる。これにより、構造材としては所要の強度および防水性を確保しつつも、接着剤のコストを抑え、構造材全体としての低コスト化を図ることが可能となる。
また、帯板材どうしを接着して単位材を形成し、さらに単位材どうしを接着して構造材を形成できるので、構造材の製作を容易に行うことができる。
また、複数本の単位材を並べて接合することによって構造材を形成するようにしたので、並べる単位材の本数を増減することによって、様々な幅寸法を有した構造材を容易に製作することが可能となる。
このような吸水性の低い接着剤としては、例えばレゾルシノール樹脂接着剤を用いることができ、吸水性の高い接着剤には、水性高分子イソシアネート系接着剤を用いることができる。
単位材は、該単位材の軸方向に直交する断面形状が正方形状であるようにしてもよい。
単位材を断面正方形状とし、帯板材を積層して形成することで、帯板材よりも幅の広いパネル材や帯板材よりも厚い材料を用いる場合に比較して、小径の原木からであっても帯板材を切り出すことができる。したがって、木材を無駄なく有効利用するとともに、帯板材をより低コストに入手することが可能となる。その結果、構造材全体としての低コスト化を図ることが可能となる。
本発明は、上記したような構造材を用いて形成された建造物であって、地盤上に構築された基礎と、基礎上に立設された壁体と、壁体上に架設された屋根体と、を少なくとも備え、壁体は、基礎上に沿って複数枚の構造材を固設することによって形成されていることを特徴とすることもできる。
これにより、建造物を、低コストで、かつ短工期で構築することが可能となる。
ここで、屋根体は、壁体のみによって支持されているのが好ましい。すなわち、本発明の構造材が建造物の躯体を構成する構造材となり、柱や梁のない建造物を構成することができる。
また、本発明は、上記したような構造材を用いて形成された耐震補強構造物であって、地盤上に構築された基礎と、基礎上に設けられた、柱、梁からなる躯体と、躯体上に架設された屋根体と、を少なくとも備え、構造材が、躯体において、互いに上下に位置する二本の梁の間に設けられていることを特徴とする。
このようにして、二本の梁の間に構造材を設けることによって、この構造材がブレースのように機能して上下の梁の相対変位を拘束することができ、躯体を有効に補強して、高い耐震性能を有した耐震補強構造物を形成することができる。
また、本発明は、上記したような構造材を用いた耐震補強工法であって、既設の柱、梁を備えた建造物に対し、互いに上下に位置する二本の梁の間に、構造材を設けることを特徴とする。
このような工法によれば、既設の構造物を容易かつ効果的に補強して、その耐震性能を向上させることができる。
本発明によれば、構造材としては所要の強度および防水性を確保しつつも、接着剤のコストを抑えることで、構造材全体としての低コスト化を図ることが可能となる。
また、帯板材どうしを接着して単位材を形成し、さらに単位材どうしを接着して構造材を形成できるので、構造材の製作を容易に行うことが可能となる。
そして、上記のような構造材を用いることによって、建造物の低コスト化、既存の構造物を補強して形成する耐震補強構造物の低コスト化を図ることができる。
本実施形態に係るパネル状の構造材を示す斜視図である。 構造材を構成する単位材どうしを接着する状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る構造材を用いて構成される建造物の一例を示す斜視図である。 基礎上の構造材を固設している状態を示す立面図である。 複数枚の構造材により建造物の一面において壁体を構成した状態を示す図である。 構造材を固定金物および固定ピンにより固定した状態を示す立断面図である。 構造材どうしを連結金物により連結する鋼製を示す斜視図である。 複数枚の構造材により壁体を構成した状態を示す図である。 既存の建造物を構造材により補強した耐震補強構造物の一例を示す立面図である。 本実施形態に係る構造材を、大断面構造材として用いて構成される建造物の一例を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
(構造材)
図1に示すように、パネル状をなした構造材10は、棒状(柱状)の単位材20を、構造材10の幅方向に沿って複数本並べて互いに接合することによって構成されている。
各単位材20は、軸方向に直交する断面形状が正方形状であり、薄い帯板材21を帯板材21の厚さ方向に同一形状のものを複数枚(N枚)重ね合わせて接合することによって形成されている。各帯板材21は、単位材20の軸方向の長さ寸法Lと同じ長さ、単位材20の幅寸法Wと同じ幅を有するとともに、単位材20の厚さ寸法Dの1/Nの厚さを有している。この帯板材21には、建造物の躯体を構成するのに用いられる木材であればいかなるものを用いてもよく、例えばベイ松材を用いるのが好適である。
単位材20を構成する複数枚の帯板材21どうしは、その表面どうしが接着剤30Aにより互いに接着されている。
図2に示すように、このような単位材20は、帯板材21の積層方向を構造材10の厚さ方向に一致させた状態で、その側面20aを、他の単位材20の側面20aと突き合わせ、接着剤30Bにより接着される。ここで、各単位材20の側面20aには、複数枚が積層された帯板材21の接着部22が露出している。
また、図1に示すように、所定本数の単位材20が接着剤30Aで接着されることで形成された構造材10においては、その一方の側の表面10aと、他方の側の表面10bには、所定本数の単位材20どうしの接着部23が露出している。
ここで、単位材20を構成する複数枚の帯板材21どうしの接着に用いる接着剤30Aと、単位材20どうしの接着に用いる接着剤30Bは、以下のような性状を有したものを用いる。
まず、接着剤30Bは、接着剤30Aよりも防水性が高い(吸水性が低い)、例えばレゾルシノール樹脂接着剤を用いるのが好ましい。また、接着剤30Aには、求められる防水性が接着剤30Bよりも低く、より安価な、水性高分子イソシアネート系接着剤を用いるのが好ましい。
このような構造材10を製造するには、まず、所定枚数の帯板材21を接着剤30Aにより積層して接着し、単位材20を製作する。
そして、所定本数の単位材20を、接着剤30Bにより並列状態に接着することによって、構造材10を製作する。
製作した構造材10には、底面10cに、構造材10を建造物の基礎上に固定するための固定金物が挿入される固定金物挿入穴40を形成し、側面10dに構造材10を他の構造材10と連結するための連結金物が挿入される連結金物挿入穴41を予め形成しておくのが好ましい。さらに、構造材10の表面10aには、固定金物挿入穴40,連結金物挿入穴41に対応した位置に、固定金物や連結金物を固定するピン孔42等を予め形成しておくのが好ましい。
さらに、構造材10には、窓や玄関等の開口部を予め形成しておくのが好ましい。
上記したような構造材10は、建造物の躯体を構成する壁構造材として用いることができる。このような用途において、構造材10において建造物の外表面に露出する部分、つまり、構造材10の表面10a,10bに露出する単位材20,20どうしの接着部23には吸水性が低く、防水性の高い接着剤30Bを用いる。一方、構造材10において建造物の外表面に露出しない部分、つまり、表面10a,10bに露出しない各単位材20の帯板材21,21どうしの接着部22には、接着剤30Bよりも吸水性が高く、防水性が低い、低コストな接着剤30Aを用いるようにした。
これにより、構造材10としては所要の強度および防水性を確保しつつも、接着剤30Aのコストを抑えることで、構造材10全体としての低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記したような構造材10は、高強度を有したものとなるため、建造物の躯体を構成する構造材として用いることが可能となる。
また、各単位材20を断面正方形状とし、薄い帯板材21を積層して形成することで、帯板材21よりも幅の広いパネル材や帯板材21よりも厚い材料を用いる場合に比較して、小径の原木からであっても帯板材21を切り出すことができる。したがって、木材を無駄なく有効利用するとともに、帯板材21をより低コストに入手することが可能となる。その結果、この点においても構造材10全体としての低コスト化を図ることが可能となる。
さらに、帯板材21,21どうしを接着して単位材20を形成し、さらに単位材20どうしを接着して構造材10を形成できるので、構造材10の製作を容易に行うことができる。
加えて、複数本の単位材20を並べて接合することによって構造材10を形成するようにしたので、並べる単位材20の本数を増減することによって、様々な幅寸法を有した構造材10を容易に製作することが可能となる。
なお、上記に示した構造材10において、各単位材20は、単位材20の長さ寸法Lと同じ長さを有した帯板材21を積層して形成するようにしたが、互いに対向する帯板材21,21どうしを長さ方向にオフセットさせて、互い違いに積層してもよい。
(建造物)
次に、上記したような構造材10を用いて形成する建造物100について説明する。
図3に示すように、建造物100は、地盤上に形成されたコンクリート製の基礎101と、基礎101上に立設されて建造物100の外周部を囲う壁体102と、壁体102上に架設されて建造物100の上方を覆う屋根体103と、を少なくとも備える。
基礎101は、建造物100を平面視したときの外形形状、および建造物100の間取りに応じて形成されている。
壁体102は、基礎101が連続する水平方向に沿って、複数枚の上記構造材10を並べて立設することによって形成されている。各構造材10は、基礎101に固設した適宜の固定金物を介して基礎101に固定することができる。
このような固定金物としては、例えば、図4、図5、図6に示すような固定金物110を用いることができる。この固定金物110は、基端部110bが基礎101中に埋設され、先端部110aが基礎101の上面101aから鉛直上方に向けて突出している。固定金物110において、少なくとも基礎101の上面101aから上方に突出した部分は一定幅を有した矩形のプレート状をなしている。そして、固定金物110の先端部110aの近傍には、幅方向両側に幅方向内側に凹となる凹部111または貫通孔が形成されている。
構造材10は、クレーン等によって吊り込み、固定金物挿入穴40に固定金物110を挿入して、基礎101上に設置する。そして、固定金物110の凹部111,111に対応した位置に形成されたピン孔42,42を通して凹部111に固定ピン120を打ち込むことで、固定金物110を介して構造材10を基礎101上に固設する。ここで、固定ピン120としては、一定径を有したストレート状のものを用いてもよいが、先端部から基端部に向けて外径が漸次拡大するテーパ状のピンや、さらには、図6に示すように、一定径を有したストレート状のピン本体121の外周部に、先端側から基端側に向けて外径が漸次拡大するテーパリング122を備えたものを用いるのが特に好ましい。テーパリング122が固定金物110の凹部111に嵌め込まれることで、固定ピン120と固定金物110とを緊結することができる。
図7に示すように、このようにして基礎101上に固設した構造材10の隣に、他の構造材10を、上記と同様にして、固定金物110および固定ピン120により固設する。このとき、互いに隣接する構造材10,10の連結金物挿入穴41,41には、プレート状の連結金物130を挿入する。この連結金物130には、両端部に、凹部131または貫通孔が形成されている。互いに隣接する構造材10,10のそれぞれのピン孔42を通して凹部131に固定ピン120を打ち込むことで、互いに隣接する構造材10,10が連結金物130を介して連結される。
上記のようにして構造材10を順次設置していき、所定枚数の構造材10を設置することによって、図8に示すように、建造物100の外周部を囲う壁体102が構築される。
この後、図3に示すように、壁体102上に、適宜工法により、建造物100の上方を覆う屋根体103を架設する。さらに、壁体102に形成された開口部50に、サッシや扉を取り付けることによって、窓や玄関等を形成する。
このようにして、建造物100が構築される。
上述したように、建造物100を、上記のような高強度を有したパネル状の構造材10を用いて構築することによって、柱や梁を排した躯体を形成することが可能となり、施工を容易に行うことができる。また、構造材10は、予め工場で製作することができるため、施工の短工期化を図ることができる。
このようにして、建造物100の材料コスト、施工コストを大幅に低減することが可能となる。図ることが可能となる。
なお、上記に示した建造物100において、図3に示した、建造物100の外形形状、および建造物100の間取りについては一例に過ぎず、適宜変更することができる。
(耐震補強構造、耐震補強工法)
次に、上記したような構造材10を用いた既設の建造物200の耐震補強構造及び耐震補強方法について説明する。
図9に示すように、既設の建造物200において、梁202および柱203からなる躯体201において、互いに上下に位置する梁202,202、および互いに隣接する柱203,203によって囲まれた矩形の空間内に、上記構造材10を設置する。
これには、構造材10を下方の粱202上に載せ、その上下を適宜の固定金物により粱202,202に固定する。この状態で、構造材10は、上端部10eと下端部10fが、上方の梁202の下面202bと下方の梁202の上面202aに突き当たるようになっている。
このように構造材10を設置すると、上下の梁202,202が、上下方向および梁202,202の軸線に平行な水平方向において拘束される。これにより、梁202,202、柱203,203によって囲まれた矩形の空間にブレースを設けたのと同様の補強効果が得られ、既設の建造物200の躯体201を有効に補強して、その耐震性能を向上させた耐震補強構造物とするとができる。
また、既設の建造物200に構造材10を追設するのみでよいため、既設の建造物200を容易かつ効果的に補強して、低コストでその耐震性能を向上させることができる。
(大断面構造材)
なお、図10に示すように、上記構造材10は、建造物300の外表面300aに直交した面内に位置する大断面構造材310としても用いることができる。
このような用途において、構造材10において建造物300の外表面300aに露出する部分、つまり、構造材10の外周端面における各単位材20(図2参照)の帯板材21,21どうしの接着部22の接着剤30Bには、吸水性が低く、防水性の高い材料を用いる。一方、構造材10において建造物の外表面に露出しない部分、つまり、単位材20,20どうしの接着部23の接着剤30Aには、接着剤30Bよりも吸水性が高く、防水性が低い、低コストな材料を用いるようにした。
これにより、構造材10としては所要の強度および防水性を確保しつつも、接着剤コストを抑えることで、構造材10全体としての低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記したような構造材10は、高強度を有したものとなるため、建造物の躯体を構成する大断面構造材310として好適に用いることが可能となる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、固定金物110、固定ピン120、連結金物130、固定金物205等について示したが、これらはあくまでも一例に過ぎず、構造材10を所要の強度で固定することができるのであれば、他のいかなる固定方法、連結方法を用いてもよい。
さらに、単位材20どうし、あるいは帯板材21どうしを接着するに際し、その接着面に互いに嵌め合う凹凸を設け、その接合強度を高めるようにしてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10 構造材、20 単位材、20a 側面、21 帯板材、22 接着部、23 接着部、30A 接着剤(第二の接着剤)、30B 接着剤(第一の接着剤)、40 固定金物挿入穴、41 連結金物挿入穴、42 ピン孔、50 開口部、100 建造物、101 基礎、102 壁体、103 屋根体、110 固定金物、111 凹部、120 固定ピン、121 ピン本体、122 テーパリング、130 連結金物、131 凹部、200 建造物、201 躯体、202 梁、203 柱、300 建造物、310 大断面構造材

Claims (8)

  1. 建造物を構成する構造材であって、
    前記構造材は、該構造材の幅方向に沿って棒状の単位材を複数本並べて第一の接着剤により互いに接着されることによって形成され、
    前記各単位材は、木製で帯状の帯板材を、前記構造材の厚さ方向に複数枚重ね合わせて第二の接着剤により接着することによって形成され、
    前記第一の接着剤および前記第二の接着剤の一方は、前記第一の接着剤および前記第二の接着剤の他方よりも吸水性が低い材料からなることを特徴とする構造材。
  2. 前記単位材は、該単位材の軸方向に直交する断面形状が正方形状であることを特徴とする請求項1に記載の構造材。
  3. 前記構造材は、前記建造物の外壁を構成し、
    前記第一の接着剤は、前記第二の接着剤よりも吸水性が低い材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の構造材。
  4. 前記構造材は、前記建造物の外表面に直交する面内に位置し、
    前記第二の接着剤は、前記第一の接着剤よりも吸水性が低い材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の構造材。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の構造材を用いて形成された建造物であって、
    地盤上に構築された基礎と、
    前記基礎上に立設された壁体と、
    前記壁体上に架設された屋根体と、を少なくとも備え、
    前記壁体は、前記基礎上に沿って複数枚の前記構造材を固設することによって形成されていることを特徴とする建造物。
  6. 前記屋根体は、前記壁体のみによって支持されていることを特徴とする請求項5に記載の建造物。
  7. 請求項1から3のいずれか一項に記載の構造材を用いて形成された耐震補強構造物であって、
    地盤上に構築された基礎と、
    前記基礎上に設けられた、柱、梁からなる躯体と、
    前記躯体上に架設された屋根体と、を少なくとも備え、
    前記構造材が、前記躯体において、互いに上下に位置する二本の前記梁と、互いに隣接する二本の前記柱との間に設けられていることを特徴とする耐震補強構造物。
  8. 請求項1から3のいずれか一項に構造材を用いた耐震補強工法であって、
    既設の柱、梁を備えた建造物に対し、互いに上下に位置する二本の前記梁と、互いに隣接する二本の前記柱との間に、前記構造材を設けることを特徴とする耐震補強工法。
JP2013251506A 2013-11-18 2013-11-18 構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法 Expired - Fee Related JP6244568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013251506A JP6244568B2 (ja) 2013-11-18 2013-11-18 構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013251506A JP6244568B2 (ja) 2013-11-18 2013-11-18 構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015098756A JP2015098756A (ja) 2015-05-28
JP6244568B2 true JP6244568B2 (ja) 2017-12-13

Family

ID=53375542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013251506A Expired - Fee Related JP6244568B2 (ja) 2013-11-18 2013-11-18 構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6244568B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110869431B (zh) 2017-06-23 2022-05-13 联合株式会社 含有纤维素黄原酸酯微细纤维的树脂组合物

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6448204U (ja) * 1987-09-18 1989-03-24
JPH0560836U (ja) * 1992-01-31 1993-08-10 田島産業株式会社 建築用木製積層板材
JPH0857810A (ja) * 1994-08-24 1996-03-05 Nisshin:Kk 竹合板
JPH1034613A (ja) * 1996-07-23 1998-02-10 Ohbayashi Corp 積層木材の構造
JPH10202612A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Tajima Sangyo Kk 間伐材使用の建築材
JP4019166B2 (ja) * 1998-11-05 2007-12-12 株式会社山嵜雅雄建築研究室 建造物の新規な壁構造材及び該壁構造材を使用した壁建造方法
CN2876230Y (zh) * 2006-02-10 2007-03-07 廖志坤 木质地板结构改良

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015098756A (ja) 2015-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EA200701334A1 (ru) Конструкция междуэтажного перекрытия со стальными балками перекрытия, снабженными отверстиями с кромками
JP2012241482A (ja) 組立家屋及びその組立方法
KR101549417B1 (ko) 철골합성보용 조인트 바스켓
JP4716498B2 (ja) 木造建築物における柱梁架構
JP2005098036A (ja) 木質部材の接合構造
JP6244568B2 (ja) 構造材、およびそれを用いた建造物、耐震補強構造物、耐震補強工法
JP2015209725A (ja) 木製トラス梁ユニット、及びその設置工法
JP5199855B2 (ja) 木造枠組壁
JP5574311B2 (ja) 木造建築物における柱梁架構
JP6345565B2 (ja) 木造建築物の補強構造
KR20120114080A (ko) 조적조 건축물용 내진 보강 구조 및 그 시공방법
KR101026077B1 (ko) 큐브구조 건축물용 조립 부재
JP2009091848A (ja) 軸材
US20180274235A1 (en) Wall framing system
GB2429217A (en) Modular shell housing system
JP2004011162A (ja) 木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物
KR101021514B1 (ko) 큐브구조 건축물용 조립식 시공 방법
JP2008255715A (ja) 屋根パネルおよび屋根パネル継ぎ目カバー、並びに梁材
JP2019157604A (ja) 連結具
JP5850480B2 (ja) コンクリート柱の補強構造
JP2005232937A (ja) 木造建築物の梁補強構造及び方法
JP4454418B2 (ja) 架構構造
JP6042374B2 (ja) 板壁式の木製梁ユニット
JP2001311239A (ja) 木質パネルどうしの接合方法
JP4417743B2 (ja) 木造建築物における柱梁架構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170815

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171003

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6244568

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees