JP6243295B2 - サファイア部材、およびサファイア部材の製造方法 - Google Patents

サファイア部材、およびサファイア部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、サファイア部材、およびサファイア部材の製造方法に関する。
アルミナの単結晶であるサファイアは、LED素子の材料となる窒化ガリウム(GaN)と結晶格子定数が近く、LED素子を作成するための窒化ガリウム結晶の成長用基板として広く用いられている。LED結晶成長用基板として用いられる基板状のサファイアは、結晶成長するための表面(基板の主面)が高精度に平坦化されていることが求められる。このため、例えば下記特許文献1に記載されているように、基板状のサファイアについては、表面の算術平均表面粗さRaを数nmとするような研磨技術が確立されており、このような研磨技術は従来から広く実施されている。また、サファイアは光の透過性が高く、例えば表面の算術平均表面粗さRaが数nmレベルに平坦化された結晶成長用の基板状のサファイアは、無色透明に視認される。
特開平10―166259
サファイアは、窒化ガリウム結晶との結晶格子定数が近いという特性以外にも、硬度が高く傷がつき難い、光の透過性が高い、各種薬品に対する耐性が高い、等の性質を有している。近年、これらの特性を活かしたサファイアの用途が種々検討されており、その一例として、腐食性の強い薬液等を取り扱うための小型の薬液槽としての利用も提案されている。例えば、薬液を貯留するための凹部を備えた小型の薬液貯留槽などの用途にサファイアを用いる場合、研削加工等によって用途に見合った形状にサファイアを加工する必要がある。
上述したように基板状のサファイアについては、表面の算術平均表面粗さRaを数nmレベルにする研磨技術が確立されているが、例えば凹部や曲部を有する薬液貯留槽のような複雑な形状の表面についての研磨技術は確立されておらず、例えばホーニング加工や研削加工等によって加工された後の凹部や曲部の表面は、算術平均粗さが約0.1μm以上と比較的大きくなっていた。このように表面の算術平均粗さが約0.1μm以上である場合、表面での可視光の散乱が比較的大きくなり、サファイアを透過する光が白濁してしまうという課題があった。例えば上述の薬液貯留槽としてサファイアを用いた場合には、薬液を貯留する凹部の内面から外面に向けて透過する可視光の散乱が大きいので、薬液槽の外面の側からは凹部の内側が白濁して見えてしまい、凹部に貯留した薬品や凹部に配置した物品の状態が把握し難いといった問題があった。本願発明は、かかる課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、サファイアを主成分とし、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域を有することを特徴とするサファイア部材を提供する。また、上記サファイア部材の製造方法であって、サファイアを主成分とする基本部材をを1800℃〜2000℃に加熱する工程と、前記加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温させる工程とを有することを特徴とするサファイア部材の製造方法を併せて提供する。
本発明のサファイア部材は、透過する光の散乱が少ない。このため、本発明のサファイア部材を挟んで反対側に配置された被観察体を観察する観察者は、この被観察体の状態を比較的明確に視認することができる。また、本発明のサファイア部材の製造方法を用いることで、透過する光の散乱が少なく、被観察体の状態を比較的明確に視認することができるサファイア部材を、比較的安価に量産することができる。
本発明のサファイア部材の一実施形態の薬液槽について説明する図であり、(a)は概略斜視図、(b)は概略断面図である。 本発明のサファイア部材の製造方法の一実施形態の工程フロー図である。 本発明のサファイア部材を含む実験例1〜4の各板状部材の加工された主面のレーザー顕微鏡写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。 本発明のサファイア部材を含む実験例1〜4の各板状部材の加工された主面の電子顕微鏡写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。 本発明のサファイア部材を含む実験例5〜8の各板状部材の加工された主面のレーザー顕微鏡写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。 本発明のサファイア部材を含む実験例5〜6の各板状部材の加工された主面の電子顕微鏡写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。 実験例2と同一条件の板状部材について、一方の主面から他方の主面に透過する光の状態を比較して示した写真画像である。 (a)は実験例1のX線回折試験結果を示すグラフである。(b)は実験例2のX線回折試験結果を示すグラフである。
以下、本発明のサファイア部材、およびサファイア部材の製造方法について説明する。図1(a)および(b)に示す薬液槽10は、サファイア部材の一実施形態である。
薬液槽10は、1つの主面に開口した凹部12を備える直方体状の部材である。薬液槽10はサファイアを主成分とする部材であり、凹部12の内面13および外面15をそれぞれ複数有している。薬液槽10の複数の内面13および複数の外面15はいずれも、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上である。
なお、本明細書における算術平均粗さRaは、2001年度改訂版のJIS規格B0601に準拠する値である。同様に、後述する粗さ曲線要素の平均長さRsm、および粗さ曲線の最大高さRzも、2001年度改訂版のJIS規格B0601に準拠する値である。これらの算術平均粗さRa、および粗さ曲線要素の平均長さRsm、粗さ曲線の最大高さRzは、例えばキーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510等を用いて測定することができる。
薬液槽10は、サファイアを主成分とする基本部材が、超音波加工機やボール盤、平面研削盤やラッピング装置等の加工機を用いて加工されて形成されたものである。薬液槽10は単純な基板状ではなく、凹部12や、複数の外面15が当接する角部11を有しているので、内面13や外面15については、基板状のサファイアに用いることができる高精
度な研磨技術を用いることができない。このため、内面13や外面15は、超音波加工機やボール盤等を用いて研削した後に、研磨剤等で簡単に研磨された状態となっており、表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きい。
薬液槽10では、内面13および外面15の全てが、算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きな表面粗さを有する。一方で、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上と比較的大きい。粗さ曲線要素の平均長さRsmは、いうなれば表面のうねりの周期の大きさの程度を表しており、このRsmの値よりも細かい周期の凹凸は比較的少ない。可視光線の波長領域は約0.3μm〜0.8μmであり、例えばある透光体の表面に、約0.3μm〜0.8μm程度の周期をもつ凹凸があれば、この凹凸は可視光線を積極的に散乱させる。この透光体の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.3μm〜0.8μmに近いほど、可視光線を積極的に散乱させる凹凸が多い。すなわち、ある透光体の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.3μm〜0.8μmに近いほど、この透光体を透過する光は散乱されて、観察者からは白く濁ったように視認される傾向にある。
薬液槽10は、表面粗さが0.1μm程度と比較的大きく、かつ、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上と比較的大きくなっているので、薬液槽10では、この薬液槽10を透過する光の散乱が少ない。例えば、1つの内面13a(第1領域)とこの内面13aと反対側の外面15a(第2領域)とを透過する可視光Lについて、内面13aおよび外面15aでの散乱が少ないので、凹部12内に配置された薬液や物体等を外面15aの側から観察する観察者Pは、凹部12内に配置された薬液や物体等の状態を比較的明確に視認することができる(図1参照)。
薬液槽10ではまた、凹部12の内面13および外面15の全てにおいて、粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満である。粗さ曲線の最大高さは、表面の凹凸の高さの程度を表しており、この凹凸の高さが大きいほど、凹凸部分を通過する光の距離が大きくなるので、光が凹凸部分を屈折する回数が増加して散乱の程度がより大きくなってしまう傾向にある。薬液槽10では、粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であるので、この薬液槽10を透過する光の散乱がより少なくされている。
サファイアを主成分とする部材を加工(研削等)した後に簡単に研磨しただけでは、加工および研磨後の表面には、0.3〜0.8μm程度の周期の凹凸が比較的多く存在し、加工および研磨後の表面は、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満と比較的小さい。また、数μmの高さを有する凹凸も大きく、粗さ曲線の最大高さRzも2.5μm以上と比較的大きい。このような本発明のサファイア部材は、本願発明者が初めて見出した、加工および研磨後の表面状態を改質する後述する工程によって初めて得られるものである。
このような薬液槽10では上述するように光の散乱が少ない。具体的には、薬液槽10では、全ての表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上でありながら、1つの内面13a(第1領域)とこの内面13aと反対側の外面15a(第2領域)とを透過する光線Lについてのヘイズ率が70%未満である。ここでヘイズ率とは、1981 年に制定のJI
SK7105に準拠する値である(なお、JIS規格では「ヘーズ値」とも呼ばれている)。また、後述する全透過率Ttおよび直接透過率Tpの値も、同様に2000年度改訂版のJIS規格K7136に準拠する値である。これらヘイズ率や全透過率Ttおよび直接透過率Tpの値は、例えばスガ試験機株式会社製ヘイズメーター装置HGM−2B等を用いて測定することができる。
薬液槽10はまた、1つの内面13a(第1領域)とこの内面13aと反対側の外面15a(第2領域)とを透過する光線Lについての全透過率Ttが80%以上である。薬液
槽10は元々透過率の高いサファイアを主成分とするとともに、表面における光の散乱が少ないので透過率Ttが大きくなっており、凹部12内に配置された薬液や物体等を外面15aの側から観察する観察者Pに届く光量は大きい。このため観察者Pは、凹部12内に配置された薬液や物体等の状態を比較的明確に視認することができる。また、1つの内面13a(第1領域)とこの内面13aと外面15a(第2領域)とを透過する光線Lについての直接透過率Tpが20%以上である。すなわち、凹部12内に配置された薬液や物体等を外面15aの側から観察する観察者Pに届く光のうち、薬液槽10の表面や内部で散乱されることなく観察者Pに直接届く光の成分が比較的大きいので、観察者Pは、凹部12内に配置された薬液や物体等の状態をより明確に視認することができる。
薬液槽10は、表面の全ての領域が、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域となっていたが、本願のサファイア部材は、表面の全ての領域が上記状態になっていることを限定するものではなく、表面の一部のみが、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域となっていてもよい。また、薬液槽10の例に限定されず、凹部や凸部、曲線部や角部等をもつ各種用途の部材であってもよく、その形状や用途は特に限定されない。
以下、薬液槽10の製造方法の一実施形態について説明する。図2は、サファイア部材の製造方法の一実施形態の工程フロー図である。本実施形態は、サファイアを主成分とする基本部材を加工し、加工した表面を算術平均粗さRaを0.1μm以上、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満とする工程(加工工程)と、加工した基本部材を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを有する。
サファイアを主成分とする基本部材は、例えばEFG法等の結晶成長方法で育成されたアルミナ単結晶であるサファイアからなる。加工工程では、この基本部材を、図1に示すように凹部12を備える薬液槽10の形状に加工していく。
具体的には、例えば運動する砥石の表面に被加工体を摺接させてこの被加工体を研削する平面研削盤を用いて、薬液槽10の外面15に対応する面(研削外面)を形成していく。また、例えばボール盤等を用いて外面15を掘り込むように加工して凹部12を形成し、内面13に対応する面(研削内面)も形成していく。これら研削外面や研削内面は、硬度が高いサファイアを機械的加工によって削り出した状態の面となっている。基板状のサファイア以外は、表面を高精度に平坦化させる研磨技術等は確立されておらず、これら研削外面や研削内面は、算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きい(表面が粗い)。
また研削外面や研削内面は、アルミナの単結晶であるサファイアが機械的に破壊されて非常に細かい割れやヒビが無数に存在しているので、粗さ曲線要素の平均長さRsmは7μm未満と比較的小さくなっている。このため、この加工工程の直後は、研削外面と研削内面とを透過する光は、これら研削外面や研削内面で散乱されて、観察者からは白く濁ったように視認されてしまう。すなわち、この加工工程直後の状態では、加工した後の基本部材(以下、加工体ともいう)に形成された凹部12に薬液や物体を配置しても、研削外面の側からこの薬液や物体の状態を詳しく観察することは難しい。
本実施形態では、このような加工工程の後に、加工した基本部材(加工体)を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを行うことで、研削外面と研削内面との表面状態を変化させる。なお本実施形態では、これら加熱工程および徐冷工程を、加工後の基本部
材を希ガス雰囲気中に配置した状態で行う。
加熱工程および徐冷工程は、加工体を加熱炉内に配置して行う。加熱工程ではまず、加熱炉のチャンバー内に加工体を配置し、チャンバー内を希ガスであるアルゴン(Ar)ガスで置換する。その後、約14(時間)かけてチャンバー内の温度を徐々に1950℃まで昇温させ、1950℃の状態で約5(時間)維持する。サファイアの融点は約2070℃程度である。加熱工程ではこのように、加工体をサファイアの融点に近い温度に昇温させて長時間維持する。この加熱工程によって、サファイアからなる加工体の最表面部分は、一部が溶融するなど原子単位で移動し易い状態となり、原子位置の再配列が進行していく。この過程において、加工工程において表面に形成された、サファイアが機械的に破壊されてできた非常に細かい割れやヒビ等は修復されていく(その隙間が埋まっていく)と考えられる。また、表面エネルギーのポテンシャルが小さくなるように、すなわち表面積が小さくなるように原子の再配列が進行することで、非常に細かい凹凸は平坦化されていくと考えられる。
このような加熱工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度する。このように長時間かけて徐々に冷却することで、最表面の結晶化が進行する。すなわち、加工工程によって機械的に破壊された結晶部分が、その破壊部分の下層の結晶部分に対応するように再度結晶化されていく。このように長時間かけてゆっくりと徐冷して再結晶化を促進することで、結晶が破壊されてできた細かい割れやひびや凹凸等はより平坦化される。
加工工程後の加工体に、このような加熱工程と徐冷工程とを施すことで、研削外面と研削内面とはいずれも表面状態が変化して、複数の内面13および複数の外面15がいずれも、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上となる。このように加熱炉を用いた加熱・徐冷工程では、複数の加工体を同時に加熱・徐冷できるので、光の散乱が少ないサファイア部材を比較的安価に量産することができる。
加熱工程における温度は1950℃に限定されないが、ヘイズ率を低下させるには1800℃以上であることが好ましい。また、加熱炉内の雰囲気は限定されないが、ヘイズ率をより確実に低減するには、加工後の基本部材をアルゴン(Ar)ガス等の希ガス雰囲気に配置して加熱工程と徐冷工程とを実施することが好ましい。
他の実施形態のサファイア部材は、サファイアを主成分とし、ステップ部と、幅が1μm以上のテラス部とが交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域を有する。この表面領域は、算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが1.9μm以上となっている。
この他の実施形態のサファイア部材は、サファイアを主成分とする基本部材を加工し、加工した表面の少なくとも一部を、算術平均粗さRaを0.1μm未満とする工程と、機械加工した基本部材を1800℃〜2000℃に加熱する工程と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程とを経て製造することができる。例えば板状のサファイア部材の主面を、コロイダルシリカを用いたCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨によって、算術平均粗さRaが例えば0.1μm未満となるように高精度に平坦化する研磨を行った後、研磨したサファイア部材(研磨体)について、上述の実施形態と同様に、1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱後に6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを行うことで、この他の実施形態のサファイア部材を得ることができる。
本実施形態では、これら加熱工程および徐冷工程を、研磨したサファイア部材(研磨体
)を希ガス雰囲気中に配置した状態で行う。加熱工程および徐冷工程は、研磨体を加熱炉内に配置して行う。加工工程ではまず、加熱炉のチャンバー内に研磨体を配置し、チャンバー内を希ガスであるアルゴン(Ar)ガスで置換する。その後、約14時間かけてチャンバー内の温度を徐々に1950℃まで昇温させ、1950℃の状態で約5時間維持する。加熱工程ではこのように、研磨体をサファイアの融点に近い温度に昇温させて長時間維持する。この加熱工程によって、サファイアからなる研磨体の最表面部分は、一部が溶融するなど原子単位で移動し易い状態となり、原子位置の再配列が進行していく。この過程において、算術平均粗さRaが例えば0.1μmと高精度に平坦化されていた研磨体の表面のアルミニウム(Al)原子や酸素(O)原子が、サファイアの結晶格子の状態に応じた位置に再配列される。これによって上述の、ステップ部と、幅が1μm以上のテラス部とが交互に繰り返し並んだ周期的段差構造が形成される。
例えば、機械研磨や化学的機械研磨(いわゆるCMP)によって基板状のサファイア部材の表面を高精度に平坦化する研磨を行い、研磨したサファイア部材を例えば約500℃〜1500℃の温度で熱処理することで、この前駆体の表面の原子を結晶構造に応じて再配列させて、ステップ高さが約1×10−11〜10−9(m)、テラス幅が約1×10
−8〜10−6(m)程度のいわゆるナノステップ構造が形成できることが知られている
。これに対してこの他の実施形態では、サファイアの融点により近い温度での熱処理によって、ステップ部と、1μm以上の非常に大きな幅のテラス部とが、交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域を形成している。このような周期的段差構造を有するサファイア部材は、算術平均粗さRaが0.1μm未満であって平坦度が高く、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが1.9μm以上と可視光の波長と比べて大きめなので、サファイア部材の表面での反射光やサファイア部材を透過する透過光の散乱は小さいい。すなわち、この他の実施形態のサファイア部材は、反射光の濁りや透過光の濁りが少ない透明度の高い部材でありながら、観察者が知覚しないレベルの大きさの周期的段差構造を有する。このような周期的段差構造を有するサファイア部材は、表面が高精度に平坦化されたサファイア部材と比べて表面積が大きく、表面からの放熱性が比較的高い。この他の実施形態の透光性カバー基板は、周期的段差構造のように微細な凹凸を有するので、サファイア部材の表面に皮脂等の油が付着した場合も、この凹凸に沿っての皮脂等の汚れが分散し易い。このため、例えば人物が指で触れた場合も、サファイア部材の表面に、皮脂等の汚れからなる指紋の後が付着し難い。
以下、この他の実施形態のサファイア部材の製造方法の一実施形態について説明しておく。まず、サファイアを主成分とする例えば板状の基本部材を準備する。サファイアを主成分とする基本部材は、例えばEFG法等の結晶成長方法で育成されたアルミナ単結晶であるサファイアからなる。なお、アルミナ単結晶であるサファイアの育成方法等は特に限定されず、カイロポーラス法やHEM法などであってもよい。
この基板状の基本部材に対して、算術平均粗さRaが例えば0.1μm未満となるように機械研磨やCMP研磨を施して、この基本部材を高精度に平坦化する研磨を行った後、研磨したサファイア部材(研磨体)について、上述の実施形態と同様に、1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱後に6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを行うことで、研磨基板の表面状態を変化させる。なお本実施形態では、これら加熱工程および徐冷工程を、加工後の基本部材を希ガス雰囲気中に配置した状態で行う。
加熱工程および徐冷工程は、加工体を加熱炉内に配置して行う。加熱工程ではまず、加熱炉のチャンバー内に加工体を配置し、チャンバー内を希ガスであるアルゴン(Ar)ガスで置換する。その後、約14時間かけてチャンバー内の温度を徐々に1950℃まで昇温させ、1950℃の状態で約5時間維持する。加熱工程ではこのように、加工体をサフ
ァイアの融点に近い温度に昇温させて長時間維持する。この加熱工程によって、サファイアからなる加工体の最表面部分は、一部が溶融するなど原子単位で移動し易い状態となり、原子位置の再配列が進行し、ステップ部と、1μm以上の非常に大きな幅のテラス部とが、交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域が形成される。
このような加熱工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる。このように長時間かけて徐々に冷却することで、最表面の結晶化が進行する。すなわち、研磨工程によって平坦化された表面部分が、その表面部分の下層の結晶部分に対応するように再度結晶化されていく。このように長時間かけてゆっくりと徐冷して再結晶化を促進することで、実際の結晶構造に対応するように原子の再配列が進み、ステップ部と1μm以上の非常に大きな幅のテラス部とが、交互に繰り返し並んだ周期的段差構造が形成される。
以下、本発明の実施例を示すとともに、本発明の効果について説明する。まず、サファイアからなる板状部材を複数用意し、各板状部材の表面をそれぞれ異なる8種類の方法で研磨した。板状部材の形状は、いずれも、縦15mm、横16mm、高さ3.5mmの略四角柱状とした。8枚それぞれの研磨条件は以下の通りとした。
実験例1:研磨板として鋳鉄板を使い、平均粒径25μmのダイヤモンドスラリーを用いて共立精機株式会社製ラッピング装置によって自重モードで研磨を行った。この条件による研磨を板状部材の主面の両面について行った。
実験例2:研磨板としてレジンダイヤモンド板#200を用いて、三井ハイテック社製平面研削装置を用いて0.05mm/トラバースモードで研磨(研削)をおこなった。この条件による研磨を板状部材の主面の両面について行った。
実験例3:研磨板としてレジンダイヤモンド板#325を用いて、三井ハイテック社製平面研削装置を用いて0.05mm/トラバースモードで研磨(研削)をおこなった。この条件による研削を板状部材の主面の両面について行った。
実験例4:研磨板として鋳鉄板を使い、炭化ホウ素(B4C)砥粒を用いて共立精機株式会社製ラッピング装置を用いて研磨をおこなった。この研磨を板状部材の片側の主面のみ行い、他方の主面はCMP研磨装置を用いて鏡面研磨を行った。鏡面研磨面の表面粗さRaは2nm以下と高精度に平坦化されている。
実験例5:CMP研磨装置を用いて鏡面研磨を行った。鏡面研磨面の表面粗さRaは0.02μm以下と高精度に平坦化されている。
実験例6:研磨板としてレジンダイヤモンド板#230を用いて、ワイダ社製立型両頭研削盤WGL−35を用いて0.05mm/トラバースモードで研磨(研削)をおこなった。この条件による研削を板状部材の主面の両面について行った。
実験例7:研磨板として銅板を使い、平均粒径2μmのダイヤモンドスラリーを用いて共立精機株式会社製ラッピング装置によって自重モードで研磨を行った。この条件による研磨を板状部材の主面の両面について行った。
実験例8:研磨板として錫(Sn)板を使い、平均粒径2μmのダイヤモンドスラリーを用いて共立精機株式会社製ラッピング装置によって自重モードで研磨を行った。この条件による研磨を板状部材の主面の両面について行った。 これら実験例1〜8の板状部材それぞれについて、キーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510を用いて表面の粗
さ曲線を測定し、研磨加工直後の算術平均粗さRa(μm)、粗さ曲線要素の平均長さRsm(μm)、粗さ曲線の最大高さRz(μm)の値をそれぞれ求めた。また、実験例1〜4の板状部材については、スガ試験機株式会社製ヘイズメーター装置HGM−2B等を用いて、板状部材の両主面を透過する光線に対するヘイズ率(%)、全透過率Tt(%)、直接透過率Tp(%)をそれぞれ測定した。
次に、これら実験例1〜8の板状部材それぞれについて、上述の実施形態と同じ条件で、上述の加熱工程と徐冷工程とを実施した。そして、各実験例1〜8の板状部材について、加熱工程と徐冷工程の後にも、加工直後と同じ条件で、表面の粗さ曲線を測定し、研削加工直後の算術平均粗さRa(μm)、粗さ曲線要素の平均長さRsm(μm)、粗さ曲線の最大高さRz(μm)の値をそれぞれ求めた。また実験例1〜8それぞれの板状部材については、板状部材の両主面を透過する光線に対するヘイズ率(%)、全透過率Tt(%)、直接透過率Tp(%)もそれぞれ同様に測定した。
図3は、キーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510を用いて撮影された、実験例1〜8の各板状部材の研削加工された主面の写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。図3(a−1)は実験例1の加工後の写真であり、図3(a−2)は実験例1の加熱・徐冷後の写真である。また図3(b−1)は実験例2の加工後の写真であり、図3(b−2)は実験例2の加熱・徐冷後の写真である。図3(c−1)は実験例3の加工後の写真であり、図3(c−2)は実験例3の加熱・徐冷後の写真である。図3(d−1)は実験例4の加工後の写真であり、図3(d−2)は実験例4の加熱・徐冷後の写真である。
また図4は、日本電子社製走査電子顕微鏡JSM−7001Fを用いて撮影された、実験例1〜4の各板状部材の研削加工された主面の写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。図4(a−1)は実験例1の加工後の写真であり、図4(a−2)は実験例1の加熱・徐冷後の写真である。また図4(b−1)は実験例2の加工後の写真であり、図4(b−2)は実験例2の加熱・徐冷後の写真である。図4(c−1)は実験例3の加工後の写真であり、図4(c−2)は実験例3の加熱・徐冷後の写真である。図4(d−1)は実験例4の加工後の写真であり、図4(d−2)は実験例4の加熱・徐冷後の写真である。
また図5は、キーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510を用いて撮影された、実験例5〜8の各板状部材の研削加工された主面の写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。
図5(a−1)〜(d−1)はそれぞれ実験例5の加工後の写真であり、図5(a−2)〜(d−2)はそれぞれ、実験例8の加熱・徐冷後の写真である。
また図6は、日本電子社製走査電子顕微鏡JSM−7001Fを用いて撮影された、実験例5〜8の各板状部材の研削加工された主面の写真であり、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示している。
図6(a−1)〜(d−1)はそれぞれ実験例6の加工後の写真であり、図6(a−2)〜(d−2)はそれぞれ、実験例8の加熱・徐冷後の写真である。
また下記表1は、実験例1〜4の各板状部材について測定した値を、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示した表である。
図3の各写真を比較して分かるように、加熱・徐冷工程を経ることで、実験例1〜4のいずれにおいても、加工工程において表面に形成された、サファイアが機械的に破壊されてできた非常に細かい割れやヒビ等は修復されていくように平坦化されて、凹凸の周期が比較的大きい、なだらかな表面が再構築されている。
これにより、表1に示されているように、実験例1〜4のいずれにおいても、加工・徐冷後は、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上に変化している。また、粗さ曲線の最大高さRzも2.5μm未満に変化している。このような粗さ曲線要素の平均長さRsmや、粗さ曲線の最大高さRzの値は、実験例1〜4の加工直後では達成できておらず、従来の研削加工や研磨加工では得られなかった値であることが分かる。
また、実験例1〜4のいずれにおいても、このように加熱・徐冷工程を経ることで得られた主面を透過する光についてのヘイズ率が70%未満であり、全透過率Ttは80%以上、かつ直接透過率Tpが20%以上であることがわかる。これらの光学特性も、実験例1〜4の加工直後では達成できておらず、従来の研削加工や研磨加工では得られなかった値であることが分かる。
また表2は、実験例5〜8の各板状部材について測定した値を、加工工程直後(加工後)と、加熱工程および徐冷工程直後(加熱・徐冷後)とに分けてそれぞれ纏めて示した表である。
加熱・徐冷工程を経ることで、実験例5〜8のいずれにおいても、算術平均粗さの大きさはそれほど大きな変化を確認できないが、粗さ曲線要素の平均長さRsm(μm)はいずれも大きくなっており、粗さ曲線要素の平均長さRsmが1.9μm以上となっている。
また図6から分かるように、加熱・徐冷工程を経ることで、実験例1〜8のいすれにおいても、サファイアを主成分とし、ステップ部と、幅が1μm以上のテラス部とが交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域が形成されていることが確認できる。
図7は、実験例2と同一条件の板状部材について、一方の主面から他方の主面に透過する光の状態を比較して示した写真画像である。図7の左側の板状部材は、両方の主面が加工後の状態であり、図7の右側の板状部材は、両方の主面が加熱・徐冷された状態である。各板状部材の下側には、同一濃度で同一形状の文字記号(121212・・・)が標記された紙が置かれている。図7の2つの板状部材を比較して分かるように、加工工程直後の板状部材(図7の左側の板状部材)では、一方の主面から他方の主面に透過する可視光の散乱が大きいので、下側の主面に対向する紙に標記された文字記号の白濁の度合いが大きい。一方、加熱・徐冷を施した後の、図7の右側の板状部材は、一方の主面から他方の主面に透過する可視光の散乱が小さいので、下側の主面に対向する紙に標記された文字記号の白濁の度合いが小さく、文字記号が視認し易いことが確認できる。
図8(a)は実験例1のX線回折試験結果であり、図8(b)は実験例2のX線回折試験結果である。図8(a)および(b)のいずれも、PANalytical社製X‘Pert PRO−MRDを用いて、X線出力を45kV/40mAとして測定して得られた
値である。図8(a)(b)いずれにも、加熱・徐冷前および加熱・徐冷後それぞれの状態のX線回折試験結果を示している。
図8(a)および(b)からわかるように、表面にX線を照射して測定されるアルミナ単結晶を示すX線回折ピークの半値幅が、加工直後に比べて加熱・徐冷後の方が顕著に小さくなっている(結晶性が高くなっている)る。加工工程で破壊された最表面層の結晶は、加熱・徐冷によって再結晶化されているといえる。
下記表3は、実験例1のサンプル10個について、JIS K71714に準拠する方法で四点曲げ強度を測定した結果を示している。また下記表4は、実験例1のサンプル5個についてJIS R1607に準拠する方法で破壊靭性を測定した結果を示している。表3および表4から分かるように、加熱工程と徐冷工程とを経ることで、四点曲げ強度と破壊靭性とが向上している。これは、加熱・徐冷工程による表面の再結晶化によって
、表面部分を中心に機械強度が向上した為だと考えることができる。
また、実験例1のサンプルについて、150℃の炉内で加熱後に25℃の水の中に落下させる、昇温と降温を繰り返す熱サイクル試験を実施した。、加工工程直後の部材は、この熱サイクル試験を実施した5個のうち4個のサンプルでクラックが発生したのに対して、上述の加熱・徐冷工程を経た後の部材は、この熱サイクル試験を40個実施しても1つもクラックが確認できなかった。
これら特性の向上は、本発明の加熱・徐冷工程による細かい傷やヒビの修復や、表面の最結晶化の結果によるものと考えることができる。
以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
10 薬液槽10
12 凹部
13 内面
15 外面

Claims (12)

  1. サファイアを主成分とし、
    算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域を有することを特徴とするサファイア部材。
  2. 前記表面領域の粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であることを特徴とする請求項1記載のサファイア部材。
  3. 前記表面領域は、第1領域と、前記第1領域の反対側の第2領域とを有し、前記第1領域と前記第2領域とを透過する光線についてのヘイズ率が70%未満であることを特徴とする請求項1または2記載のサファイア部材。
  4. 前記表面領域は、第1領域と、前記第1領域の反対側の第2領域とを有し、前記第1領域と前記第2領域とを透過する光線についての全透過率Ttが80%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサファイア部材。
  5. 前記第1領域と前記第2領域とを透過する光線についての直接透過率Tpが20%以上であることを特徴とする請求項4記載のサファイア部材。
  6. サファイアを主成分とし、
    算術平均粗さRaが0.1μm以上である表面領域を有し、前記表面領域は、第1領域と、前記第1領域の反対側の第2領域とを有し、前記第1領域と前記第2領域とを透過する光線についてのヘイズ率が70%未満であることを特徴とするサファイア部材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のサファイア部材の製造方法であって、
    サファイアを主成分とする基本部材を1800℃〜2000℃に加熱する工程と、
    前記加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程とを有することを特徴とするサファイア部材の製造方法。
  8. 請求項7記載のサファイア部材の製造方法であって、
    前記加熱する工程の前に、サファイアを主成分とする基本部材を加工し、加工した表面の少なくとも一部を、算術平均粗さRaを0.1μm以上とする工程とを有することを特徴とするサファイア部材の製造方法。
  9. サファイアを主成分とし、
    ステップ部と、幅が1μm以上のテラス部とが交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域を有することを特徴とするサファイア部材。
  10. 前記表面領域は、算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが1.9μm以上であることを特徴とする請求項記載のサファイア部材。
  11. 請求項9または10に記載のサファイア部材の製造方法であって、
    サファイアを主成分とする基本部材を1800℃〜2000℃に加熱する工程と、
    前記加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程とを有することを特徴とするサファイア部材の製造方法。
  12. 請求項11記載のサファイア部材の製造方法であって、
    前記加熱する工程の前に、サファイアを主成分とする基本部材を加工し、加工した表面の少なくとも一部を、算術平均粗さRaを0.1μm未満とする工程とを有することを特徴とするサファイア部材の製造方法。
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