JP6243213B2 - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブロック共重合体の製造方法に関し、詳しくはスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系ブロック共重合体を特定の溶媒を用いて液々抽出することで、製造中に副生する重合体不純物を選択的に除去することができる、単峰性で、且つ分子量分布の狭いブロック共重合体を製造する方法に関する。
近年、ブロック共重合体の自己組織化の性質を利用した半導体の微細加工技術が検討されており、中でも、ポリスチレンブロックとポリ(メタ)アクリル酸エステルブロックとからなる、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系ブロック共重合体が注目されている(特許文献1等)。昨今のさらなる微細加工技術の進展に伴い、より高純度で、分子量分布の狭いブロック共重合体が求められており、様々な製造方法が提案されている。
例えば特許文献2には、スチレン系モノマーを重合後、ジアルキル亜鉛やトリアルキルアルミニウム等の有機金属化合物を添加し、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合することで、ブロック化率の高い共重合体の製造方法が提案されている。しかし、該共重合体中に亜鉛やアルミニウム等の金属分が残存し除去が困難であるうえ、分子量が10万を超える高分子量体の製造に用いた場合、スチレン系ホモポリマーの生成を抑えるのは困難であった。
また特許文献3には、ブロック共重合体をシクロヘキサン等の溶媒に投入し、同溶媒の沸点より20℃以上低い温度でスチレンホモポリマーを抽出する方法が記載されている。しかし、同文献の実施例では抽出に12時間かけており、工業上効率的な製造方法とは言えない。
特開2001−151834号公報 特開2007−70453号公報 特開2013−235187号公報
本発明は、単峰性で分子量分布が狭い、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系ブロック共重合体を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、スチレン系単量体を重合後、(メタ)アクリル酸エステル類を重合して得られたブロック共重合体を、特定の溶媒を用いた液々抽出法によって精製することで、重合中に生成するスチレン系ホモポリマーを選択的に除去し、単峰性且つ、狭分散性のブロック共重合体を効率的に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)の工程を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系ブロック共重合体の製造方法に関するものである。
(1)重合溶媒中でスチレン系単量体を重合後、該重合液に(メタ)アクリル酸エステル類を添加し重合することによりブロック共重合体を得る工程。
(2)(1)で得られたブロック共重合体またはその溶液に、(A)ケトン系溶媒及び/又はエステル系溶媒と、(B)炭素数が5〜10の脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒を加えて混合した後、静置して2層に分離する工程。
(3)(2)の下層を分液し、ブロック共重合体溶液を得る工程。
本発明のブロック共重合体の製造方法は、以下で詳述する工程(1)〜(3)を有することを特徴とするものである。
工程(1)は、重合溶媒中でスチレン系単量体を重合した後、該重合液に(メタ)アクリル酸エステル類を添加し、ブロック共重合体を得る工程である。重合方法としては、リビングアニオン重合法、リビングラジカル重合法等、特に制限されるものではないが、金属分の精製が比較的容易である点等からリビングアニオン重合法により得ることが好ましい。
リビングアニオン重合法において用いる重合開始剤としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属、アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等の有機アルカリ金属を例示することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。中でも、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
重合溶媒としては、重合反応に関与しない溶媒であれば特に制限されず、具体的にはn−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等で、これらは1種単独又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。具体的には、ヘキサンとTHFの組み合わせを例示できる。使用する重合溶媒の量は、全モノマー質量に対し、好ましくは3〜25質量倍、さらに好ましくは4〜20質量倍である。
重合反応前に不活性ガス雰囲気下、重合溶媒を脱水する目的で、該重合溶媒に対し脱水剤を添加し、−100〜−20℃、さらに好ましくは−80〜−30℃の温度範囲で30分間以上撹拌後使用することも可能である。用いられる脱水剤には上記に示した有機アルカリ金属等が挙げられ、その使用量は有機溶媒中に含有する水分子1モルに対し、1.0〜2.0モル倍が好ましい。
本発明に用いられるスチレン系単量体としては、具体的には、スチレン、α―アルキルスチレン、核置換スチレン等を例示することができる。核置換基としては、重合開始能力があるアニオン種に対して不活性な基であれば特に制限されず、具体的にはアルキル基、アルコキシルキル基、アルコキシ基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基等を例示することができる。さらにスチレン誘導体の具体例としては、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,4,6−トリイソプロピルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、m−t−ブトキシスチレン等を例示することができる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルスチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル類には、(メタ)アクリル酸と炭素数が1〜20の、好ましくは炭素数が1〜5のアルコールとのエステル化物が含まれ、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
重合方法としては、分子量及び分子量分布の制御のしやすさの点から、アニオン重合開始剤を含む溶液に単量体(混合)液を滴下する方法が好ましい。重合は通常、窒素又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100℃〜30℃の温度範囲で行われる。
また、スチレン系単量体を重合した後に、ジフェニルエチレンや塩化リチウム等の少なくとも1種を添加することが好ましく、これによりリビングアニオンの安定化を図ることができ、(メタ)アクリル酸エステル類の重合が良好に進行する。具体的には、ジフェニルエチレンを、開始剤に対し1.0〜10.0当量、さらに好ましくは1.1〜5.0当量加えることが好ましい。
また、得られる重合体の分子量をさらに正確に制御するため、一定量の単量体を重合した後、その分子量をGPC等で把握し、さらに所望する重合体の分子量に必要とされる単量体を加えることで、より精密に分子量を制御することができる。
工程(1)で得られるブロック共重合体の数平均分子量Mnは、Mn=30,000〜800,000が好ましく、より好ましくは30,000〜500,000であり、さらに好ましくは30,000〜300,000である。
また分子量分布は、通常Mw/Mn=1.00〜1.50、より好ましくは1.00〜1.30である。
ブロック共重合体中のスチレン系単量体に由来する繰り返し単位からなるブロック(p1)とポリ(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位からなるブロック(p2)の質量比は、通常p1:p2=20:80〜90:10、好ましくは40:60〜90:10である。
工程(1)で得られたブロック共重合体には、開始剤に由来する金属塩等が含まれるため、次工程に移る前に水洗等によって精製してもよい。また原料中に水分等のプロトン性不純物が存在するとスチレン系ホモポリマーが副生するが、工程(2)及び(3)の精製操作を経ることにより該ホモポリマーを効率よく選択的に除去することができる。
工程(2)は、工程(1)で得られたブロック共重合体またはその溶液に、(A)ケトン系溶媒及び/又はエステル系溶媒と、(B)炭素数が5〜10の脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒を加えて混合し、その後静置して2層に分離する工程である。本工程において、ブロック共重合体とスチレン系ホモポリマーとの極性や、溶媒に対する溶解性の違いを利用して該ブロック共重合体からスチレン系ホモポリマーを分離することができる。すなわち、混合液を静置することで溶媒(B)中にスチレン系ホモポリマーが主に溶解する上層と、溶媒(A)中に共重合体が主に溶解する下層とに分離する。
(A)ケトン系溶媒、エステル系溶媒は、ブロック共重合体の良溶媒であり、溶媒(B)と混合しても比較的短時間で2層に分離する。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン;エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、又はエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、アセトン、メチルイソブチルケトン、PGMEAが好ましい。ブロック共重合体を含む溶液100質量部に対し、30〜200質量部、好ましくは40〜150質量部混合することができる。
(B)炭素数が5〜10である脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でもn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい。ブロック共重合体溶液100質量部に対し、(B)を50〜200質量部、好ましくは60〜150質量部混合させることで2層分離が進行する。
これらの溶媒に加え、必要に応じエーテル系溶媒、低級アルコール溶媒等を併用してもよい。エーテル系溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トリオキサン、低級アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
工程(2)では、まずブロック共重合体を溶媒(A)中に均一に溶解し、次いで溶媒(B)を加えて撹拌や振とう等により混合することで、スチレン系ホモポリマーや低分子量成分、オリゴマー等の不純物を短時間で溶媒(B)に移行させることができる。なお、溶媒(A)を加える前に必要に応じて重合溶媒を他の溶媒に溶剤置換してもよいし、重合溶媒を溶媒(A)で溶剤置換した後に溶媒(B)を加えてもよい。これら操作はすべて室温下で行うことも可能であるが、通常15〜70℃、好ましくは20〜50℃で行うことで、スチレン系ホモポリマーの抽出が良好に進行する。また必要に応じこれらの精製操作を数回繰り返すことで、さらに高純度のブロック共重合体を得ることができる。
次いで工程(3)として下層を分液することによって、スチレン系ホモポリマーが選択的に除去されたブロック共重合体溶液を効率的に得ることができる。
以上の工程を経ることにより、単峰性で、分子量分布(Mw/Mn)が1.10以下、より好ましくは1.05以下、最も好ましくは1.03以下のブロック共重合体を効率よく製造することができる。またブロック共重合体を含むポリマー成分中のスチレン系ホモポリマーは5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下まで除去することができる。
本発明のブロック共重合体を含む製品の形態が溶液の場合、その溶媒はブロック共重合体が可溶なものであれば、特に制限されないが、例えばメチルイソブチルケトン(以下MIBKともいう。)、メチルエチルケトン(以下、MEKともいう。)、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAともいう。)プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテルが挙げられる。具体的なより好ましい溶媒の例としては、MIBK、MEK、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、PGMEAが挙げられる。該溶媒に対する共重合体の重量比は、5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%より好ましくは15〜40質量%である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ブロック共重合体の分子量と分子量分布、スチレンホモポリマーの含有量は下記の方法で測定した。
分子量と分子量分布の測定に用いたGPC装置は東ソー(株)製HLC−8220GPC、溶離液はTHF、カラム温度は40℃、流速は毎分0.6ml、カラムは東ソー(株)製TSKgel SuperHM−Nを3本直列に接続したものを使用した。
またスチレン系ホモポリマーの分析には、液体クロマトグラフィー(アジレント社製)を用い、カラムはTSKgel ODS−100V(東ソー(株)社製)を使用した。
移動相としてアセトニトリル/THF混合液を用い、流速毎分1mL、カラムオーブンは40℃を保持した。
グラジェント条件は、アセトニトリル/THF混合割合を100/0から20分かけて0/100まで連続的に変化させたものである。検出器は波長220nmのUV光で行い、標準ポリスチレン(東ソー(株)社製)を用いた検量線を用いて定量した。
[ブロック共重合体の製造]
製造例
窒素雰囲気下にてTHF865.4g、n−ヘキサン216.4gに塩化リチウム0.4gを加えて均一に溶解させた後、−70℃に冷却した。攪拌下、−70℃を保持しながらsec−ブチルリチウムを1.1ミリモル加えた。さらに攪拌下、−70℃を保持しながらスチレン(以下Stと略す)89.3gを30分かけて滴下した。5分間熟成させた後、1,1−ジフェニルエチレンを0.2g加え、さらに5分間の熟成の後、−70℃を保持しながらメタクリル酸メチル(以下MMAと略す)30.9gを20分かけて滴下した。さらに反応を30分間継続した後、メタノールを加えることで反応を停止させた。
反応液をGPCにより分析したところ、得られたポリマーはポリスチレン換算でMn=114000、Mw/Mn=1.08の単分散ポリマーであった。また、液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略す)で分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は8.9重量%であった。得られたポリマーをP−1とした。
[スチレン系ホモポリマーの精製除去]
実施例1
製造例で得られたSt/MMAブロック共重合体P−1重合液を水洗することで無機塩を除去し、さらに減圧濃縮操作を経てメチルイソブチルケトン(以下MIBKと略す)で溶剤置換することで得られたポリマー分20質量%のMIBK溶液100質量部に対して、アセトンを90質量部とn−ヘプタンを110質量部加えた後、10分間攪拌したのち、25℃で1時間静置した。
静置後、溶液は2層分離しており、析出物は確認されなかった。2層の内の下層部を分液し、同様の抽出操作を2回繰り返した。抽出後の下層部を分液し、HPLCで分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は0.4重量%であり、Stホモポリマーの低減が確認された。
また、GPCで分析したところ、得られたブロック共重合体はポリスチレン換算でMn=127000、Mw/Mn=1.02の単分散ポリマーであった。
実施例2
製造例で得られたSt/MMAブロック共重合体P−1重合液を水洗することで無機塩を除去し、さらに減圧濃縮操作を経てMIBKで溶剤置換することで得られたポリマー分20重量%のMIBK溶液100質量部に対して、アセトンを90質量部とn−ヘプタンを110質量部加えた後、50℃に昇温して10分間攪拌したのち、同温度で保持しながら1時間静置した。
静置後、溶液は2層分離しており、析出物は確認されなかった。2層の内の下層部を分液し、HPLCで分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は0.6重量%であり、Stホモポリマーの低減が確認された。
また、GPCで分析したところ、得られたブロック共重合体はポリスチレン換算でMn=126000、Mw/Mn=1.03の単分散ポリマーであった。
実施例3
製造例で得られたSt/MMAブロック共重合体P−1重合液を水洗することで無機塩を除去し、さらに減圧濃縮操作を経てプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと略す)で溶剤置換することで得られたポリマー分20重量%のPGMEA溶液100質量部に対して、アセトンを50質量部とシクロヘキサンを110質量部加えた後、50℃に昇温して10分間攪拌したのち、同温度で保持しながら1時間静置した。
静置後、溶液は2層分離しており、析出物は確認されなかった。2層の内の下層部を分液し、HPLCで分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は0.5重量%であり、Stホモポリマーの低減が確認された。
また、GPCで分析したところ、得られたブロック共重合体はポリスチレン換算でMn=126000、Mw/Mn=1.04の単分散ポリマーであった。
実施例4
製造例で得られたSt/MMAブロック共重合体P−1重合液を水洗することで無機塩を除去し、さらに減圧濃縮操作を経て酢酸エチルで溶剤置換することで得られたポリマー分20重量%の酢酸エチル溶液110重量部に対して、アセトンを90重量部とn−ヘプタンを110重量部加えた後、45℃に昇温して10分間撹拌したのち、同温で保持しながら1時間静置した。
静置後、溶液は2層分離しており、析出物は確認されなかった。2層の内の下層部を分液し、HPLCで分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は0.6重量%であり、Stホモポリマーの低減が確認された。
また、GPCで分析したところ、得られたブロック共重合体はポリスチレン換算でMn=125000、Mw/Mn=1.04の単分散ポリマーであった。
比較例1
300mL容の三口フラスコに、合成したSt/MMAブロック共重合体P−1を3.0gとシクロヘキサン150gを加え、還流管を付け、50℃で1時間撹拌した。その後、不溶分をろ過、減圧乾燥した。得られたポリマーをGPCで分析したところ、Mn=113000、Mw/Mn=1.07であった。HPLCで分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は8.2重量%であった。
比較例2
500mLビーカーに、メタノール50g、n−ヘキサン450gを室温で混合、撹拌し、合成したSt/MMAブロック共重合体C−1の20%MIBK溶液40gを30分かけて滴下した。得られた析出分をろ過し、ポリマーを得た。得られたポリマーをHPLCで分析したところ、ポリマー成分中のStホモポリマーの割合は7.9重量%であり、GPCで分析したところ、Mn=113000、Mw/Mn=1.07であった。
実施例1〜4から、スチレン系ホモポリマーが低減された狭分散性ブロック共重合体が得られることが認められた。一方、比較例1はStホモポリマーを液相に、目的のSt/MMAブロック共重合体を固相に分離することで、Stホモポリマーを除去する精製法であるが、1時間程度の抽出ではStホモポリマー量はほとんど低減せず、分子量分布も劣る結果となった。また比較例2は、Stホモポリマーをメタノールとn−ヘキサン混合溶媒中に、目的のSt/MMAブロック共重合体を固相に分離することで、Stホモポリマーを除去する精製法であるが、Stホモポリマー量、分子量分布ともに劣る結果となった。

Claims (4)

  1. 下記(1)〜(3)の工程を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系ブロック共重合体の製造方法。
    (1)重合溶媒中でスチレン系単量体を重合後、該重合液に(メタ)アクリル酸エステル類を添加して重合することによりブロック共重合体を得る工程。
    (2)(1)で得られたブロック共重合体またはその溶液に、(A)ケトン系溶媒及び/又はエステル系溶媒と、(B)炭素数が5〜10の脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒とを加えて混合した後、静置して2層に分離する工程。
    (3)(2)の下層を分液し、ブロック共重合体溶液を得る工程。
  2. 前記ケトン系溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種の溶媒である、請求項1に記載のブロック共重合体の製造方法。
  3. 前記エステル系溶媒が、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種の溶媒である、請求項1または2に記載のブロック共重合体の製造方法。
  4. 前記炭素数が5〜10の脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種の溶媒である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
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