JP6238881B2 - 炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、剛性、電気抵抗値、熱伝導率が高い炭素繊維強化炭化珪素(C/SiC)の複合材料からなる成形体の製造方法に関する。
一般的な機器部品等には特性が高く、加工性が良く、製造コストが低いことから、金属部材が多く使われている。
しかしながら、金属は比重が高く、また、磁石等を使用する機器においては、その電気特性の影響で問題がある。問題としては、磁場の影響による渦電流による発熱、及び排熱性が悪いことが挙げられる。
そのため、軽量部材としてプラスチック等が用いられることが増えてきたが、機械特性で劣るため適用の幅が限られる。
そこで、機器部品に対して金属と同等程度の機械特性を有し、導電性を有さないために磁石の影響を受けないセラミックス系の材料の適用が期待されている。その中で、セラミックスを基材に有する複合材料の適用の検討が進められている。
セラミックス基複合材料として炭素繊維強化炭化珪素(C/SiC)の複合材料からなる成形体の部品への適用を進めている。
このC/SiCの複合材料は、剛性、電気抵抗値、熱伝導率が高いために、渦電流の影響を受けず、かつ排熱特性も高いために、前述の問題を解決する材料として適している。
このC/SiCの複合材料を用いた、複雑形状の部品を製造する方法として、例えば、特許文献1に記載された製造方法では、まず原料粉末を混合させた後、目的形状より大型のブロック状に加圧成形した後、原料樹脂の炭素化を行いる炭素繊維強化炭素(C/C)ブロックを形成している。
次に、このC/Cブロックを切削加工、研削加工により最終形状に近い形状である半成形品を成形し、この後この半成形品に珪素(Si)を溶融含浸させることにより、C/SiCの複合材料からなる成形品である部品を製造している。
特許第5068218号公報
上記C/SiCの複合材料からなる部品の製造では、Si含浸の際に、半成形品の上面及び下面に金属Siを過剰に配置して加熱してSiを溶融させるので、表面にSiの残留物が多数付着し、最終仕上げ工程で機械加工により残留Siを除去することで部品を仕上げている。
しかしながら、この機械加工による残留Si除去工程には、長時間を要し、C/SiCの複合材料からなる成形体である部品の製造時間が増大し、特に小型部品の大量生産に対して大きな障害になっているという問題点があった。
また、表面付着物に加えて、Si溶融時にC/CとSiの比重差により、溶融Si内にC/Cが浮遊し、部品内部でのSiのバラツキが発生するという問題点もあった。
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、炭素繊維強化炭化珪素の複合材料からなる成形体を製造するに際して、表面での残留Siの付着物、内部でのSiのバラツキを抑制した炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法を得ることを目的としている。
この発明に係る炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法は、
樹脂及び炭素繊維を焼結してなる炭素繊維強化炭素ブロックを形成する炭素繊維強化炭素ブロック形成工程と、
この炭素繊維強化炭素ブロックを加工して複数の半成形品を形成する半成形品形成工程と、
個々の前記半成形品を、珪素配置治具に形成された複数の個々の窪み部に固定手段より固定する半成形品固定工程と、
前記窪み部に珪素を配置する珪素配置工程と、
前記珪素を加熱して溶融させることにより前記珪素を前記半成形品の内部に含浸させる珪素溶融含浸工程と、
前記半成形品に前記珪素が含浸して化学反応により生じた炭素繊維強化炭化珪素からなる未加工成形品を前記固定手段の部位で前記珪素配置治具から取り外す未加工成形品取り外し工程と、
前記未加工成形品を仕上げ加工して成形品を形成する仕上げ加工工程と、
を有する。
この発明に係る炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法によれば、個々の半成形品を、珪素が配置された、珪素配置治具の窪み部に固定手段より固定した後、加熱、溶融した珪素を前記半成形品の内部に含浸させる。その結果表面での残留珪素の付着物、内部での珪素のバラツキが抑制された炭素繊維強化炭化珪素成形体を得ることができる。
この発明の実施の形態1の炭素繊維強化炭化珪素部品の製造方法を示すフローチャート図である。 図2(a)は図1の製造方法で製造された部品の正面図、図2(b)は図2(a)の平面図である。 図3(a),(b)は図2の部品の製造工程である粉体加圧成形工程を示す図である。 フェノール樹脂の重量変化を示す図である。 図5(a),(b)は図2の部品の製造途中の半部品を示す図である。 図6(a)は図2の部品の製造工程である珪素溶融含浸工程で用いる炭素製の珪素配置治具を示す平面図、図6(b)は図6(a)のイ−イ線に沿った矢視断面図である。 図2の部品の製造工程である珪素溶融含浸工程を示す図である。 図2の部品の製造工程である未加工部品取り外し工程を示す図である。 この実施の形態1により得られた未加工部品と従来法により得られたものとの歩留まりを比較した図である。 この実施の形態1により得られた未加工部品と従来法により得られたものとの比重を比較した図である。 この発明の実施の形態2の炭素繊維強化炭化珪素部品の製造方法で製造された部品を示す部分断面正面図である。 図12(a)は図11の部品の製造工程である珪素溶融含浸工程で用いる炭素製の珪素配置治具を示す正断面図、図12(b)は図11の部品の製造工程である珪素溶融含浸工程を示す図である。 図11の部品の製造工程である未加工部品取り外し工程を示す図である。
以下、この発明の各実施の形態の炭素繊維強化炭化珪素(C/SiC)成形体の製造方法について図に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
なお、この発明は、以下の各実施の形態のものに限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1のC/SiC部品の製造方法を示すフローチャート図であり、図2(a)は、図1に示した製造方法により製造された成形体である部品1を示す正面図、図2(b)は、図2(a)の平面図である。
この部品1は、段付円柱形状であって、長さが数十mmの小径部2及び小径部2よりも大径の直径数十mmであって長さが小径部2と同じである中空の大径部3からなる。
先ず、この部品1を製造する方法を図1のフローチャート図に基づいて説明する。
この部品1を製造するに際しては、先ず、PAN系炭素繊維4、ピッチ系炭素繊維5及びフェノール樹脂粒子6、黒鉛粒子7の各原料を混合して混合粉体8を作る(S1:原料紛体混合工程)。
次に、混合粉体8を加圧成形する(S2:紛体加圧成形工程)。
その後、加圧加熱成形によりフェノール樹脂粒子6を加熱硬化し、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を成形する(S3:粉体中樹脂硬化工程)。
引き続き、CFRP内のフェノール樹脂を炭化して炭素繊維強化炭素(C/C)ブロックを形成する(S4:C/Cブロック形成工程)。
次に、C/Cブロックを目的形状に加工し半成形品である半部品を形成する(S5:半成形品形成工程)。
この後、この半部品を珪素配置治具に形成された個々の窪み部に固定手段により固定する(S6:半成形品固定工程)。
その後、珪素配置治具の窪み部に、珪素を配置する(S7:珪素配置工程)。
次に、Siを加熱して溶融させることによりSiを半部品の内部に毛細管現象により含浸させ組成中の炭素(C)を化学反応により炭化珪素(SiC)化させ、C/SiCからなる未加工成形品である未加工部品を形成する(S8:珪素溶融含浸工程)。
次に、珪素配置治具から未加工部品を固定手段で折り、珪素配置治具から取り出す(S9:未加工成形品取り外し工程)。
最後に、未加工部品を仕上げ、成形品である部品1を形成する(S10:仕上げ加工工程)。
次に、この発明の実施の形態1のC/SiCの複合材料からなる成形体である部品1の製造方法を図3〜図10に基いてより詳細に説明する。
上記原料紛体混合工程S1では、PAN系炭素繊維4、ピッチ系炭素繊維5及びフェノール樹脂粒子6、黒鉛粒子7の各原料を特定重量比で、ミキサーに装填して均一に混合させて混合紛体8を得る。
上記粉体加圧成形工程S2では、図3(a),(b)に示すように、混合紛体8を金属金型9内に投入し、フェノール樹脂粒子6の軟化温度(70℃)以下の温度の加圧によりブロック状構造体30を成形する。
このブロック状構造体30の成形は、金属金型9を利用し加圧成形を行う方法の他に、FRP材料の製造で用いられる一般的な射出成形法等を用いてもよい。
この仮硬化状態におけるブロック状構造体30の材料密度を、0.8〜0.9g/cmとなるような条件で加圧することで、Si含浸時の含浸効率、及び段付きの円柱構造としての部品1の剛性の要求を満たす材料組成割合が、SiC70〜80%、C10%未満、Si15〜20%のC/SiCの複合材料からなる部品1の製造が可能となる。
この仮硬化されたブロック状構造体30の材料密度は、成形品の特性、材料組成割合の要求に合わせて加圧量を調整することで制御される。
ブロック状構造体30成形後の上記粉体中樹脂硬化工程S3では、仮硬化を行ったブロック状構造体30を樹脂の硬化条件、フェノール樹脂の場合は150℃、1時間で硬化することによりブロック状のCFRP構造体を成形することができる。このフェノール樹脂の硬化工程では加圧は行わず、オーブン内に載置して行う。
CFRP構造体の成形後の上記C/Cブロック形成工程S4では、CFRP構造体を炭化しC/Cの複合材料からなる、図5(a)に示すC/Cブロック10を成形する。
この実施の形態では、真空雰囲気下において10℃/minの昇温速度で800℃、1時間の条件により炭化を施した。
図4は、フェノール樹脂の熱分析装置(TGA)での測定結果を示す。
横軸は温度、左縦軸は材料初期重量を100%としたとき各温度での材料の重量、右縦軸は単位温度当たりの重量変化率を示している。
この結果から、375℃を超えた温度域で急激な重量変化が開始し、550℃までに熱分解がほぼ完了することが確認された。
この結果を踏まえて、フェノール樹脂を用いたCFRP構造体においては炭化の条件としては図4に示すフェノール樹脂のTGA測定結果から得られるデータが示すように急激な熱分解が完了した600℃以上で行うことが望ましい。
この条件は、使用する樹脂の炭化条件により異なるため、接着材料にフェノール樹脂以外の樹脂材料を用いる場合においては、使用する樹脂により材料分析の結果を元に炭化温度の決定をする必要がある。
また、炭化処理における雰囲気は炭素材料の酸化、反応を防ぐ必要があるために、この実施の形態で示した真空雰囲気に限らず、不活性雰囲気、たとえばアルゴンや窒素雰囲気での実施することも含まれる。
C/Cブロック10成形後の上記半成形品形成工程S5では、図5(b)に示すように、C/Cブロック10を一般的な機械加工により、半成形品である半部品11を形成する。
この半部品11は、オネジ部13を有している。
このオネジ部13は、次工程である半成形品固定工程S6で用いられる炭素製の珪素配置治具12との固定のほかに、未加工成形品取り外し工程S9においてオネジ部13を谷部で折るための応力集中部を兼ねている。
半部品11の加工形状は、この後の珪素溶融含浸工程S8でのSi14の含浸による体積収縮を考慮し、Si14含浸後に最終目的形状となるような形状とする。
この例では、径方向に0.3〜0.5%の収縮を見込んで、最終加工代を含めた形状の加工を行っている。
オネジ部13の径は必要部品形状により変更する必要があるが、オネジ部13の谷部分の径が大きくなると未加工成形品取り外し工程S9でオネジ部13を折ることが困難になることから、未加工成形品取り外し工程S9時にオネジ部13を折ることが可能である範囲内でオネジ部13の径を決定すればよい。
通常、オネジ部13の径としてはM6以下が推奨される。
また、この実施の形態では、オネジ部13は、半部品11と一体化した同一部材であり、例えば珪素配置治具に中継部材を介して半部品が固定されたものと比較して、中継部材が無いため個々の未加工部品18(図8)の内部への含浸によるSiの均一性が確保され、大量に部品1を製造した際の個々の部品1の品質のバラツキが極めて小さくなる。
半部品11形成後の上記半成形品固定工程S6では、図6に示す、表面にBNコート16が施された炭素製の珪素配置治具12が用いられる。
この炭素製の珪素配置治具12では、等分間隔で複数の窪み部17に形成されている。この窪み部17の底面の中心部にはメネジ部15が形成されている。
このメネジ部15に半部品11のオネジ部13が螺着することで、半部品11は、図7に示すように珪素配置治具12に固定される。
なお、半部品11のオネジ部13と珪素配置治具12のメネジ部15とにより、半部品11を珪素配置治具12に固定する固定手段を構成している。
次に、窪み部17に溶融前のフレーク状のSi14を配置し(珪素配置工程S7)、引き続き珪素配置治具12を加熱し、Si14を溶融する。この溶融したSi14は、毛細管現象により上昇し半部品11の内部に含浸する。
なお、毛細管現象を利用して半部品11の下部からSi14を含浸させるのは一例であり、溶融したSi14を半部品11の内部に上部、側面部から供給するようにしてもよい。
供給するSi14の量は、この実施の形態では、一個の半部品11当たり9.0gとした。このSi14の量は最終の成形品である部品1の形状と密度とから計算して得られる。
また、Si14については、真空雰囲気下で昇温速度7℃/min、1500℃の条件で熱処理を施し、溶融、含浸することで、半成形品である半部品11のCとの化学反応によりC/SiCからなる未加工部品18が成形される
この熱処理における昇温速度、含浸温度に関しては、それぞれの温度を変えることで、部品1の最終組成を変化させることが可能である。
表面に炭素製の珪素配置治具12に施したBNコート16は、溶融Si14との反応を防ぐために用いられている。
珪素配置治具の素材、コーティング材については、Si14の溶融温度に耐えることができ、かつ構造体、珪素配置治具の素材のC及びSiならびに反応成生物であるSiCとの反応性を持たない材料、例えばBN等の使用も可能である。
炭素製の珪素配置治具12内の未加工成形品である未加工部品18を、図8に示すようにオネジ部13の谷部分から折って珪素配置治具12から取り外す(未加工成形品取り外し工程S9)。
その際、オネジ部13の谷部分は応力集中部となり、オネジ部13以外が損傷することなく折ることができる。
図9は、固定手段の構成要素であるオネジ部13を有しない、従来法により得られた未加工部品の歩留まりと、この実施の形態による方法で得られた未加工部品18の歩留まりとを比較した図である。
従来法のものでは、Siが溶融した珪素配置治具内に半成形品である半部品を浸漬して半部品にSiを含浸させているが、半部品がSiを介して珪素配置治具に固着して未加工部品に欠け等が発生していた。
また、この実施の形態のものでは、未加工成形品取り外し工程S9で欠け等が生じたものは不良とした。
この歩留まりを算出した結果、従来法のものでは30%程度生じていた不良率が、この実施の形態のものでは0%となり、歩留まりが30%改善された。
また、図10に目標重量に対する未加工部品18の重量の比率を示す。C/SiCの状態で比重として2.9g/Cmを目標比重としている。未加工部品18の形状から体積を算出した際に、目標比重となる未加工部品18の重量を100%としたときの、未加工部品18全ての平均重量、及びそのエラーバーを図10に示した。
上記従来法のものでは、Si含浸時の部品移動等により、Siの含浸ムラが発生したことにより、目標比重に対して5〜10%程度の重量が不足したことが確認され、また、エラーバーが大きく、比重バラツキが大きいことが確認された。
一方、この実施の形態のものでは、平均値で目標重量を達成し、かつSiの含浸バラツキが10%以内であることから、部品1の内部のSiのバラツキの改善が確認された。
上記各工程S1〜S9を経て得られた未加工部品18は、オネジ部13の残り部19を取り除き、所定の寸法になるように表面を切削する等の仕上げ加工が施され、最終の製品である部品1が形成される(仕上げ加工工程S10)。
未加工部品18は、CFRPからC/SiCとなる工程においてサイズとして0.5%程度の形状変化が確認された。この形状変化の度合いは粉体加圧成形工程S2において設定した最終形状とのマージン(0.7〜1.0%)以下である。
即ち、0.5%以下の削り代を有するサイズでの形状作製が可能となり、仕上げ加工工程S10により精密な形状を有する構造の形成が可能となることが確認された。
同時に、上記従来法のものでは表面にSi残留物の付着が生じており、Si含浸後に表面を長時間加工して形状の精度を出す必要があるが、この実施の形態のものでは、残留付着Siは部品1の形状には影響の無い、折り代であるオネジ部13の残り部19付近にしか生じないことが確認された(残り部19に残留付着Siが生じるのは、半部品11に対して必要とするSi14量よりも余分なSi14を窪み部17に配置するためである。)。そのため、機械加工により仕上げ加工工程S10にかかる時間は、上記従来法のものと比較して格段に短縮できる。
加えて、部品1には珪素配置治具12等の固着もなく、部品1の割れ、カケ等がないことも確認された。
また、個々の窪み部17でSi14の半部品11に対する含浸を行ったことから、一度に処理を行った全ての部品1において、十分なSi14の含浸が確認でき、Siのバラツキ、含浸ムラ等が無いことも確認された。
部品1の割れ、カケ、Siバラツキを抑制することで、部品1として製造時の歩留まりを大幅に改善することが可能であることが確認された。
以上、この実施の形態によるC/SiCからなる部品1の製造方法によれば、従来のC/SiC部品の製造時に生じる表面残留Siを大幅に低減することができることから、仕上げ加工に要する時間を大幅に短縮することができ、かつ歩留まりが良好で、特に小形の部品1の量産化が可能となる。
実施の形態2.
図11は、この発明の実施の形態2の方法により得られる成形体である部品20を示す部分断面図、図12(a)は図11の部品20の製造工程である珪素溶融含浸工程S8で用いる炭素製の珪素配置治具25を示す正断面図、図12(b)は図11の部品20の製造工程である珪素溶融含浸工程S8を示す図、図13は図11の部品20の製造工程である未加工部品取り外し工程S9を示す図である。
この部品20は、M6のメネジ部23を有する小径部21及び直径数十mmの中空の大径部22からなる段付円柱形状である。
この部品20は、メネジ部23を有しているが、実施の形態1の方法で得られた部品1から、メネジ部23を形成しようとした場合には、部品1は高硬度のC/SiCで形成されており、メネジ部23の加工が困難である。
この実施の形態では、炭素繊維強化炭素(C/C)の段階でメネジ部23を形成することで、M6のメネジ部23を有する部品20を製造することができる。
この実施の形態2の部品20の製造方法では、原料紛体混合工程S1からC/Cブロック形成工程S4までは、実施の形態1のものと同じである。
この実施の形態では、半成形品形成工程S5では、C/Cブロック10を機械加工により、図12(b)半成形体である半部品24を形成する。
珪素溶融含浸工程S8では、表面にBNコート16が施された炭素製の珪素配置治具25のオネジ部26に、半部品24のメネジ部23を螺着し、半部品24を珪素配置治具25に固定する。
その後、図12(b)に示すように、オネジ部25の周囲の窪み部27に溶融前のフレーク状のSi14を配置し(珪素配置工程S7)、引き続き珪素配置治具24を加熱し、Si14を溶融する。この溶融したSi14は、毛細管現象により上昇して半部品24の内部に含浸する(珪素溶融含浸工程S8)。
この後、未加工成形品取り外し工程S9では、珪素配置治具24のオネジ部26を折って未加工成形品である未加工部品28を珪素配置治具24から取り外す。
その際、オネジ部26の谷部分は応力集中部となり、オネジ部26以外が損傷することなく折ることができる。
これにより得られた未加工部品28にはSi付着物、損傷が無く、加えてSiの含浸バラツキが無い。
その後、機械加工により、未加工部品28に螺着したままのオネジ部26の残り部29を除去し、所定の寸法になるように切削することで、メネジ部23を有する部品20を簡単に製造することができる(仕上げ加工工程S10)。
なお、上記の実施の形態1及び2では、成形体として段付き円柱構造の部品1について説明したら、勿論この形状、大きさに限定されるものではなく、また部品に限定されるものではない。
また、固定手段として、オネジ部13,26、メネジ部15,23を構成要素とする固定手段について説明したが、他にも例えば半部品または珪素配置治具の一方に周方向に延びた溝を有する柱部を形成し、珪素配置治具または半部品の他方に柱部が嵌着する凹部を形成した、柱部及び凹部を構成要素とした固定手段であってもよい。
1,20 部品(成形体)、2,21 小径部、3,22 大径部、4 PAN系炭素繊維、5 ピッチ系炭素粒子、7 黒鉛粒子、8 混合紛体、9 金属金型、10 炭素繊維強化炭素(C/C)ブロック、11,24 半部品(半成形品)、12,25 珪素配置治具、13,26 オネジ部、14 珪素(Si)、15,23 メネジ部、16 BNコート、17,27 窪み部、18,28 未加工部品、19,29 残り部、30 ブロック状構造体。

Claims (10)

  1. 樹脂及び炭素繊維を焼結してなる炭素繊維強化炭素ブロックを形成する炭素繊維強化炭素ブロック形成工程と、
    この炭素繊維強化炭素ブロックを加工して複数の半成形品を形成する半成形品形成工程と、
    個々の前記半成形品を、珪素配置治具に形成された複数の個々の窪み部に固定手段より固定する半成形品固定工程と、
    前記窪み部に珪素を配置する珪素配置工程と、
    前記珪素を加熱して溶融させることにより前記珪素を前記半成形品の内部に含浸させる珪素溶融含浸工程と、
    前記半成形品に前記珪素が含浸して化学反応により生じた炭素繊維強化炭化珪素からなる未加工成形品を前記固定手段の部位で前記珪素配置治具から取り外す未加工成形品取り外し工程と、
    前記未加工成形品を仕上げ加工して成形品を形成する仕上げ加工工程と、
    を有する炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  2. 前記炭素繊維強化炭素ブロック形成工程では、不活性雰囲気下で炭化が行われる請求項1に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  3. 前記珪素溶融含浸工程では、真空雰囲気下で前記炭素繊維強化炭化珪素からなる前記未加工成形品が成形される請求項1または2に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  4. 前記珪素溶融含浸工程では、前記珪素が前記半成形品の前記内部に毛細管現象により上昇して含浸される請求項1〜3の何れか1項に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  5. 前記固定手段は、前記半成形品に形成されたオネジ部と、前記珪素配置治具に形成され前記オネジ部が螺着するメネジ部とから構成され、前記半成形品は、前記オネジ部の谷部で折って前記珪素配置治具から取り外される請求項1〜4の何れか1項に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  6. 前記固定手段は、前記珪素配置治具に形成されたオネジ部と、前記半成形品に形成され前記オネジ部が螺着するメネジ部とから構成され、前記半成形品は、前記オネジ部の谷部で折って前記珪素配置治具から取り外される請求項1〜4の何れか1項に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  7. 前記固定手段は、前記珪素配置治具及び前記半成形品の一方に形成された柱部と、前記半成形品及び前記珪素配置治具の他方に形成され前記柱部が嵌着する凹部とから構成され、前記半成形品は、前記柱部で折って前記珪素配置治具から取り外される請求項1〜4の何れか1項に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  8. 前記柱部は、周方向に延びた溝部を有する請求項7に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  9. 前記珪素配置治具は、炭素製の珪素配置治具である請求項1〜8の何れか1項に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
  10. 炭素製の前記珪素配置治具は、表面にBNコートが施されている請求項9に記載の炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法。
JP2014249643A 2014-08-22 2014-12-10 炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法 Active JP6238881B2 (ja)

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