JP6238818B2 - 自動クラッチ制御装置における微速走行制御方法及び自動クラッチ制御装置 - Google Patents
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Description
車両の動作状態に基づいてクラッチの断接を自動制御可能に構成されてなる自動クラッチ制御装置における微速走行制御方法であって、
微速走行の要否をファジー演算により算出された推論値に基づいて判定し、前記推論値により微速走行が必要と判定された際に微速走行制御を開始し、
前記ファジー演算は、少なくともアクセル開度、アクセル開度変化量、車速、及び、エンジン回転数の各々について予め規定されたメンバーシップ関数を用いて行われるよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る自動クラッチ制御装置は、
車両の動作状態に基づいてクラッチの断接を自動制御可能に構成された電子制御ユニットを具備してなる自動クラッチ制御装置において、
前記電子制御ユニットは、
微速走行の要否をファジー演算により算出された推論値により判定し、前記推論値により微速走行が必要と判定された際に微速走行制御を開始せしめ、
前記ファジー演算は、少なくともアクセル開度、アクセル開度変化量、車速、及び、エンジン回転数の各々について予め規定されたメンバーシップ関数を用いて実行されるよう構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本発明の実施の形態における自動クラッチ制御装置Sは、電子制御ユニット100と、クラッチアクチュエータ110と、クラッチ120とを主たる構成要素として構成されてなるものである。
本発明の実施の形態における自動クラッチ制御装置Sは、いわゆる2ペダルMT車に搭載されるものを前提としたものである。
かかる電子制御ユニット100は、従来同様、自動クラッチ制御処理を実行すると共に、変速機制御処理やエンジン動作制御等の車両の動作制御を実行する他、後述する本発明の実施の形態における自動クラッチ制御装置における微速走行制御処理を実行するものとなっている。
電子制御ユニット100による処理が開始されると、最初に、この後の微速走行制御処理を実行するに必要な各種のデータ入力が行われる(図2のステップS102参照)。
入力されるデータは、例えば、アクセル開度Acc、エンジン回転数Ne、車速Vc、及び、アクセルストローク等が好適である。
ここで、アクセル変化量とは、単位時間当たりのアクセル開度の変化量であり、本発明の実施の形態においては、1秒当たりのアクセル開度の変化量として算出されるものとなっている。
次いで、ファジー演算による推論値の算出が行われる(図2のステップS106参照)。
ファジー演算自体は、従来から良く知られている推論のための演算であり、本発明の実施の形態においては、ファジー演算に必要な以下に述べるメンバーシップ関数が予め設定され、それに基づいて微速走行に対する運転者の要求度がどの程度であるかを表す指標値としての推論値が算出されるようになっている。
図3には、アクセル開度と微速走行を行うか否かの要求度(適合度)とに関するメンバーシップ関数の例が示されており、以下、同図を参照しつつアクセル開度に関するメンバーシップ関数について説明する。
まず、図3において、横軸は、アクセル開度(%)を、縦軸は適合度を、それぞれ表している。
そして、アクセル開度が25%を過ぎると、アクセル開度の増加に比例して微速走行を非実行状態とすることに対する要求度としての適合度が増加してゆき、アクセル開度が大凡40%付近で適合度1、すなわち、換言すれば、微速走行を非実行状態とするように規定されたものとなっている(図3の実線の特性線参照)。
まず、図4において、横軸は、アクセル開度変化量(%/s)を、縦軸は適合度を、それぞれ表している。
さらに、アクセル開度変化量が0(%/s)から増大すると共に、適合度は比例して増加してゆき、アクセル開度変化量が大凡130(%/s)のところで1となり、その後は、アクセル開度変化量の増大に対して適合度1に維持されるように規定されたものとなっている(図4の実線の特性線参照)。
例えば、車速については、車速0から大凡1Km/hまでの間、車速の増加に比例して微速走行を実行状態とすることに対する要求度としての適合度が大きくなり、大凡1Km/hで適合度1となり、その後は、車速の増加に反比例して適合度が減少し、大凡4Km/hのところで適合度0となるようなメンバーシップ関数が好適である。
なお、上述のメンバーシップ関数を用いた推論値の算出は、例えば、良く知られている重心法などを用いて実行するのが好適である。
ここで、微速走行の要求があるか否かの判定は、推論値が予め定めた要求基準値を超えているか否かによって判定され、要求基準値を超えている場合(YESの場合)に微速走行の要求有りと判定される一方、推論値が要求基準値を超えない場合(NOの場合)には、微速走行は必要無いとして処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
なお、要求基準値を如何なる値に設定するかは、車両の具体的な仕様等を考慮し、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
すなわち、この時点におけるアクセル開度及びアクセル変化量に基づいてクラッチ120が動くか動かないかの半クラッチの状態となるように、クラッチ120の接続状態が制御されると共に、エンジン150のトルク制御が行われる結果、車両は微速走行状態に維持されることとなる。
なお、微速走行が具体的に如何なる走行状態であるかは、個々の車両の具体的な仕様等によって一義的には定められないが、一般的には、エンジン回転数が大凡600rpm以下で、かつ、車速が大凡4km/h程度の走行状態が好適である。
ここで、解除要求の有無は、予め設定された解除条件が成立したか否か、換言すれば、解除条件が満たされたか否かを判定することで行われるようになっている。
解除要求の有無を判定する要素は、微速走行を解除したいとする運転者の意思を迅速に反映できるようにする観点から、複数設定することが好適である。
アクセル開度が大凡25%〜50%の範囲に入った場合、アクセル開度変化量が大凡76〜2500(%/s)の範囲に入った場合、車速が大凡6〜8km/hの範囲に入った場合、エンジン回転数が900rpm〜1000rpmの範囲に入った場合、のいずれかが成立した場合に解除要求有りと判定されるようになっている。
なお、上述した解除要求の有無を判定する要素はあくまでも一例であり、これらに限定される必要はなく、適宜選定されるべきものである。
110…クラッチアクチュエータ
120…クラッチ
130…ギアシフトアクチュエータ
140…変速機
150…エンジン
Claims (4)
- 車両の動作状態に基づいてクラッチの断接を自動制御可能に構成されてなる自動クラッチ制御装置における微速走行制御方法であって、
微速走行の要否をファジー演算により算出された推論値に基づいて判定し、前記推論値により微速走行が必要と判定された際に微速走行制御を開始し、
前記ファジー演算は、少なくともアクセル開度、アクセル開度変化量、車速、及び、エンジン回転数の各々について予め規定されたメンバーシップ関数を用いて行われることを特徴とする自動クラッチ制御装置における微速走行制御方法。 - 前記微速走行は、少なくともアクセル開度、アクセル開度変化量、車速、及びエンジン回転数のいずれかが、それぞれ定められた解除条件を満たした際に解除されることを特徴とする請求項1記載の自動クラッチ制御装置における微速走行制御方法。
- 車両の動作状態に基づいてクラッチの断接を自動制御可能に構成された電子制御ユニットを具備してなる自動クラッチ制御装置において、
前記電子制御ユニットは、
微速走行の要否をファジー演算により算出された推論値により判定し、前記推論値により微速走行が必要と判定された際に微速走行制御を開始せしめ、
前記ファジー演算は、少なくともアクセル開度、アクセル開度変化量、車速、及び、エンジン回転数の各々について予め規定されたメンバーシップ関数を用いて実行されるよう構成されてなることを特徴とする自動クラッチ制御装置。 - 前記電子制御ユニットは、少なくともアクセル開度、アクセル開度変化量、車速、及びエンジン回転数のいずれかが、それぞれ定められた解除条件を満たした際に微速走行制御を解除せしめるよう構成されてなることを特徴とする請求項3記載の自動クラッチ制御装置。
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