以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る車両制御装置を搭載した電動車両1は、車載された二次電池を外部電源からの電力供給によって充電可能な電動車両で構成されている。電動車両1としては、例えばセニアカー(登録商標)や電動車いす等の小型電動車両、プラグインハイブリッド車、電気自動車、小型モビリティ車、電動二輪車等の種々の電動車両が挙げられる。
電動車両1は、二次電池としてのバッテリ2と、電動機としてのモータ3と、充電器4とを含んで構成されている。バッテリ2としては、例えば鉛蓄電池やニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池およびリチウムイオン電池等を用いることができる。また、バッテリ2は、電動車両1の種別に応じて、例えば比較的低電圧の12V〜24Vや、高電圧の200V以上の出力電圧を有するものを用いることができる。本実施形態では、主に小型電動車両に搭載される出力電圧24Vのバッテリ2を用いている。
モータ3は、後述するメインリレー60を介してバッテリ2と電気的に接続されており、バッテリ2から供給される電力により駆動するようになっている。また、モータ3は、複数のギヤ等によって構成された図示しない動力伝達機構を介して電動車両1の駆動輪に連結されている。したがって、電動車両1は、モータ3の駆動力によって走行可能とされる。なお、モータ3は、動力伝達機構等を介さずに直接駆動輪に駆動力を伝達可能なインホイールモータであってもよい。
充電器4は、外部電源としての商用交流電源Eに接続可能な充電プラグ4aを有する。充電プラグ4aは、例えば家庭用コンセント等に着脱自在なプラグであり、電源コード4bを介して充電器4に接続されている。充電器4は、商用交流電源Eから充電プラグ4aに供給された交流電力を直流電力に変換するコンバータ等を含む充電回路(図示しない)を有している。
ここで、充電器4は、充電プラグ4aを有していない構成であってもよい。例えば、電動車両に電力を供給するための充電スタンドなどの商用交流電源Eが有する充電プラグを、電動車両1に設けられた充電口を介して充電器4と接続し、商用交流電源Eから充電器4へ電力を供給する構成であってもよい。
また、充電器4には、商用交流電源Eから充電プラグ4aを介して充電器4に電力を供給するための電力ラインにおける電圧を検知する電圧検知回路42が設けられている。充電器4は、電圧検知回路42で検出した電圧を示す信号を統括コントローラ7に出力するようになっている。
また、充電器4は、後述するメインリレー60を介してバッテリ2と電気的に接続されている。さらに、充電器4には、バッテリ温度センサ41が接続されており、バッテリ温度センサ41から必要に応じてバッテリ2のバッテリ温度が入力されるようになっている。
また、電動車両1には、車両制御装置を構成する電源スイッチ5、駆動コントローラ6および制御部としての統括コントローラ7ならびに報知部8が搭載されている。電源スイッチ5は、ユーザの操作に応じてON状態とOFF状態とが切り替えられるようになっている。電源スイッチ5がON状態とされると、バッテリ2とモータ3とが電気的に接続され、電動車両1が走行可能状態になる。一方、電源スイッチ5がOFF状態とされると、バッテリ2とモータ3との電気的な接続が遮断され、電動車両1が走行不能状態になる。
駆動コントローラ6は、バッテリ2およびモータ3を含む電動車両1の走行に関わる各種装置を制御するとともに、CAN通信により統括コントローラ7と接続されている。この駆動コントローラ6には、クラッチセンサや電磁ブレーキ等の各種センサ類や各種制御機器類(図示しない)が接続されている。
また、駆動コントローラ6は、電源リレーとしてのメインリレー60を有し、このメインリレー60はバッテリ2およびモータ3が接続された駆動回路上に設けられている。メインリレー60は、上述の電源スイッチ5の操作状態に応じて、バッテリ2をモータ3あるいは充電器4のいずれかに電気的に接続されるよう駆動するようになっている。
具体的には、メインリレー60は、電源スイッチ5がON状態に操作されると、バッテリ2をモータ3に電気的に接続して電動車両1の電源を投入するようになっている。一方、メインリレー60は、電源スイッチ5がOFF状態に操作されると、バッテリ2を充電器4に電気的に接続して電動車両1の電源を遮断するとともに、バッテリ2を充電可能な状態にするようになっている。
したがって、本実施形態に係る電源スイッチ5およびメインリレー60は、バッテリ2からモータ3に電力を供給可能にする第1の状態としてのON状態と、商用交流電源Eからバッテリ2に電力を充電可能にする第2の状態としてのOFF状態とがユーザの操作に応じて切り替えられるようになっている。このような電源スイッチ5およびメインリレー60は、切替部を構成する。
なお、本実施形態に係るメインリレー60は、電源スイッチ5がOFF状態に操作されると、バッテリ2をモータ3に電気的に接続して電動車両1の電源を投入するようになっており、一方、メインリレー60は、電源スイッチ5がON状態に操作されると、バッテリ2を充電可能な状態にするようになっていてもよい。すなわち、電源スイッチ5のON状態およびOFF状態に応じた機能は、上述した機能に限定されるものではない。
統括コントローラ7は、電動車両1のシステム全般を統括して制御するものであり、CAN通信により駆動コントローラ6と接続されている。また、統括コントローラ7には、充電器4、電源スイッチ5、報知部8およびアクセルセンサやステアリングセンサ、アクセルレバー等の各種センサ類や各種制御機器類(図示しない)が接続されている。
報知部8は、ディスプレイ81と、スピーカ82と、ブザー83と、警告灯84とを含んで構成されている。報知部8は、統括コントローラ7からの制御信号に応じて、ディスプレイ81、スピーカ82、ブザー83および警告灯84のいずれか、あるいはそれらを組み合わせてユーザに情報を報知するものである。報知される情報としては、例えば後述する充電時報知制御における電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨や、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨等の情報がある。
ディスプレイ81は、例えば電動車両1の運転席近傍や電動車両1の車体表面に設けられた液晶表示装置や有機EL表示装置等によって構成されており、情報を文字や図形等の態様で画像として表示させる。スピーカ82は、情報をユーザが聴取可能な音声に変換してメッセージとして出力する。ブザー83は、情報を例えばブザー音として出力する。警告灯84は、例えば電動車両1の運転席近傍や電源コード4bの取り出し口近傍等に設けられたLEDランプ等によって構成されており、情報をLEDランプの消灯・点灯あるいは点滅等の態様で出力する。
ここで、ユーザがバッテリ2の充電を行うにあたって、電源スイッチ5をOFF状態に操作せずに、すなわち電源スイッチ5をON状態にしたまま充電プラグ4aを商用交流電源Eに接続してしまうことがある。この場合、バッテリ2は、充電器4と電気的に接続されていないため充電が行われない。このような電源スイッチ5の操作に連動してメインリレー60が切り替わることを知らないユーザは、バッテリ2の充電が正常に行われていないことに気が付かないおそれがある。
そこで、本実施形態では、上述したような不具合を解消するために、充電プラグ4aの接続時における電源スイッチ5の切替状態に応じて各種報知を行う充電時報知制御を実行することとした。この充電時報知制御は、後述する切替報知制御および回復報知制御を含むもので、統括コントローラ7によって実行される。
具体的には、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態で充電プラグ4aが商用交流電源Eに接続されたことを条件に、電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨を報知部8に報知させる切替報知制御を行うようになっている。この切替報知制御が実行されると、報知部8によりユーザに対して電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知がなされる。
また、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態で、かつ充電プラグ4aが商用交流電源Eに接続された状態が所定時間以上継続したことを条件に、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨を報知部8に報知させる回復報知制御を行うようになっている。ここで、回復報知制御が行われるタイミングとしては、上述の所定時間経過後に電源スイッチ5がON状態からOFF状態に切り替えられたタイミングであることが好ましい。
したがって、統括コントローラ7は、上述の所定時間経過後に電源スイッチ5がON状態からOFF状態に切り替えられたことを条件に、上述の切替報知制御に代えて回復報知制御を行うようになっている。
なお、所定時間は、予め定められた規定時間に基づいて事前に設定されてもよいし、後述すフェール判定を行うのに適した任意の時間となるよう適宜変更して設定してもよい。
次に、図2を参照して、以上のように構成された本実施形態に係る統括コントローラ7によって実行される充電時報知制御について説明する。なお、以下に説明する充電時報知制御は、統括コントローラ7が作動している間、繰り返し実行される。
図2に示すように、統括コントローラ7は、まず充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されているか否かを判定する(ステップS1)。充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されているか否かは、充電器4の電圧検知回路42で検出され、充電器4から入力される電圧を示す信号に基づき判定することができる。
統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていないと判定した場合には、本処理を終了する。一方、統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていると判定した場合には、電源スイッチ5がON状態であるか否かを判定する(ステップS2)。統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態でないと判定した場合、ステップS13の処理に移行する。
一方、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態であると判定した場合には、報知部8によって電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)を行う(ステップS3)。これにより、統括コントローラ7は、ユーザに対して電源スイッチ5のOFF状態への操作を促す。
次いで、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態であるか否かを判定する(ステップS4)。統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態であると判定した場合には、ステップS13の処理に移行する。
一方、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態でないと判定した場合には、バッテリ2の充電電流が所定の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、所定の閾値は、バッテリ2が充電器4と電気的に接続され正常に充電されている場合の充電電流の値であって、例えばバッテリ容量の1/10の電流値である。なお、この閾値は、バッテリ2のバッテリ容量や急速充電か否か等の要因により適宜最適な値とされる。したがって、バッテリ2が充電器4と接続されていない場合には、バッテリ2の充電が正常に行われていないため充電電流は上述の閾値未満となる。
なお、所定の閾値は、予め定めれた固定値であってもよいし、電動車両1の状態等に応じて任意に変更可能な設定値であってもよい。
統括コントローラ7は、バッテリ2の充電電流が閾値未満でないと判定した場合には、電源スイッチ5がOFF状態にされてメインリレー60によってバッテリ2と充電器4とが電気的に接続された可能性があると判断し、再度ステップS4の処理を行う。
一方、統括コントローラ7は、バッテリ2の充電電流が閾値未満であると判定した場合には、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されたことを検知してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS6)。
具体的には、統括コントローラ7は、ステップS1で充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されたことを検知したタイミングから計測されたタイマの値が上述の所定時間に達したか否かを判定する。すなわち、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態で、かつ充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続された状態が上述の所定時間以上継続したか否かを判定する。
統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されたことを検知してから所定時間が経過していないと判定した場合には、再度ステップS4以降の処理を実行する。一方、統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されたことを検知してから所定時間が経過したと判定した場合には、バッテリ2への電圧印加を停止する(ステップS7)。
具体的には、充電器4が、電源スイッチ5がON状態で、かつ充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続された状態が上述の所定時間以上継続したことを条件に、商用交流電源Eからバッテリ2への電力の供給を禁止するフェール判定を行う。そして、充電器4は、当該フェール判定を示す信号を統括コントローラ7に出力する。統括コントローラ7は、充電器4からフェール判定を示す信号が入力されると、バッテリ2への電圧印加を停止するよう充電器4を制御する。このとき、実際には、バッテリ2と充電器4とはメインリレー60によって電気的に接続されていない。したがって、上述の「電圧印加を停止する」とは、その後のメインリレー60の制御によってバッテリ2と充電器4とが電気的に接続されたとしても、電圧印加が可能となることを禁止することである。
なお、ここでは、電源スイッチ5がON状態で、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続された状態が所定時間以上継続した場合に、充電器4によってフェール判定がなされ、統括コントオーラ7は、充電器4からフェール判定を示す信号が入力されると、バッテリ2への電圧印加を停止するよう充電器4を制御する構成としたが、この構成に限定されず、他の実施形態として、充電器4によるフェール判定を行わない構成であってもよい。
具体的には、電源スイッチ5がON状態で、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続された状態が所定時間以上継続したことを条件に、統括コントローラ7は、バッテリ2への電圧印加を停止するよう充電器4を制御する。これにより、簡便な充電時報知制御を実現できる。
次いで、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態となったか否かを判定する(ステップS8)。統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態となっていないと判定した場合には、本ステップを再度実行する。
一方、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態となったと判定した場合には、ステップS3で行われた、電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)を停止する(ステップS9)。これにより、切替報知制御が終了する。
次いで、統括コントローラ7は、報知部8によって商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知(回復報知)を行う(ステップS10)。すなわち、統括コントローラ7は、回復報知制御を開始する。これにより、統括コントローラ7は、ユーザに対して商用交流電源Eから充電プラグ4aを抜くよう促す。
次いで、統括コントローラ7は、商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であるか否かを判定する(ステップS11)。商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であるか否かは、充電器4から入力される電圧を示す信号に基づき判定することができる。統括コントローラ7は、商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であると判定した場合には、再度本ステップを実行する。
一方、統括コントローラ7は、商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であると判定できなくなった場合、すなわち、商用交流電源Eから充電プラグ4aが抜かれた場合には、商用交流電源Eからの電力の供給が断たれることにより、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知(回復報知)が停止される。このように、ステップS11では、商用交流電源Eから充電プラグ4aが抜かれるまで、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知(回復報知)が継続して出力される。その後、統括コントローラ7は、本処理を終了する。
他方、ステップS13において、統括コントローラ7は、報知中か否か、すなわち電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)が行われているか否かを判定する。統括コントローラ7は、報知中であると判定した場合には、ステップS3で報知が行われた後に電源スイッチ5がOFF状態とされたことにより正常な充電が可能となったものと判断することができ、電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)を停止する(ステップS14)。
一方、統括コントローラ7は、ステップS13において報知中でないと判定した場合、あるいはステップS14の後に、バッテリ2への充電を実行するよう充電器4を制御する(ステップS15)。
その後、統括コントローラ7は、バッテリ2への充電が完了したか否かを判定する(ステップS16)。ここで、バッテリ2に対する充電が完了したか否かは、バッテリ残容量が充電完了バッテリ容量に達したか否かに基づき判定される。
統括コントローラ7は、バッテリ2への充電が完了していないと判定した場合には、再度ステップS15以降の処理を実行する。一方、統括コントローラ7は、バッテリ2への充電が完了したと判定した場合には、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る車両制御装置は、電源スイッチ5がバッテリ2からモータ3に電力を供給可能なON状態にあるときに、充電プラグ4aが商用交流電源Eに接続されたことを条件に、切替報知制御を行うようになっている。この切替報知制御では、電源スイッチ5を商用交流電源Eからバッテリ2に電力を充電可能なOFF状態に切り替える旨の報知を行うようになっている。
したがって、電源スイッチ5がON状態であることにより、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されたとしてもバッテリ2の充電が正常に行われていない場合には、電源スイッチ5をOFF状態に切り替えることを促す報知を行うことで、バッテリ2の充電が正常に行われていない旨をユーザに報知することができる。
また、本実施形態に係る車両制御装置は、電源スイッチ5がON状態で充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続された状態が所定時間以上継続したことを条件に回復報知制御を行うようになっている。この回復報知制御では、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外すことを促す報知を行うようになっている。したがって、ON状態で充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続された状態が所定時間以上継続した場合には、充電器4によってフェール判定がなされるため、充電プラグ4aを取り外して再度、商用交流電源Eに接続し直さないと、正常な充電ができないことをユーザに知らせることができる。
さらに、本実施形態に係る車両制御装置は、上述の所定時間の経過後に電源スイッチ5がON状態からOFF状態に切り替えられたことを条件に、切替報知制御に代えて回復報知制御を行うので、ユーザによる電源スイッチ5の切替操作に応じて報知内容を切り替えることができる。このように、報知内容がユーザの操作と連動して切り替わるため、報知内容が突然切り替わることによってユーザが混乱してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態において、「電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨」および「商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨」の各報知がスピーカ82やブザー83で実行される場合には、その音量を時間の経過に関わらず一定音量としてもよいし、時間の経過とともにその音量を増大あるいは減少させることとしてもよい。特に、時間の経過とともに報知の音量を増大させる場合は、電動車両1の周囲への騒音防止を図りつつ、ユーザに各報知の内容を認識させやすくすることができる。また、ユーザが、報知の音量を一定とするか、増大あるいは減少させるかを選択可能としてもよい。
また、上述の各報知がディスプレイ81により実行される場合には、時間の経過とともに文字や図形等の表示を拡大させる等、表示態様を変更するようにしてもよい。これにより、ユーザは、報知が行われていることを認識し易くなる。
また、上述の各報知を行うにあたっては、例えば、最初に警告灯84を点滅させ、所定時間経過後にスピーカ82による音声を出力させる等、時間の経過とともに報知部8による報知の態様を変化させるようにしてもよい。これにより、ユーザは、報知が行われていることを認識し易くなる。
また、本実施形態においては、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知が行われている場合には、充電プラグ4aが商用交流電源Eから抜かれるまで当該報知が継続して行われる構成としたが、これに限らず、例えば当該報知が行われた後、予め定められた時間が経過した後に当該報知を自動的に停止するようにしてもよい。これにより、ユーザが当該報知を無視して充電プラグ4aを商用交流電源Eから抜かない場合であっても、必要以上に報知が継続されることを防止できる。また、特に音声による報知の場合には当該報知が電動車両1の周囲への騒音となってしまうことを防止することができる。なお、当該報知は、時間の経過に関わらず、当該報知が予め定められた回数行われたことを条件に自動的に停止するようにしてもよい。
さらに、本実施形態においては、ユーザによる電源スイッチ5の操作によりメインリレー60を切り替える構成について説明したが、これに限らず、例えばメインリレー60の切替を行うリレー回路を設けて、統括コントローラ7がリレー回路を制御することで電源スイッチ5の操作と独立してメインリレー60の切替が可能な構成としてもよい。この場合、例えば電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知と併せて、バッテリ2を充電器4に電気的に接続するようメインリレー60を自動的に切り替えることが可能となる。これにより、バッテリ2の充電が正常に行われていない旨をユーザに報知しつつ、ユーザが電源スイッチ5をOFF状態に操作しない場合にもバッテリ2を充電可能な状態にすることができる。なお、上述の構成にあっては、メインリレー60の切替と併せて電源スイッチ5をOFF状態に自動的に切り替える構成とするのが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、図3を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、上述した第1の実施形態とは、特に図2に示す充電時報知制御におけるステップS5およびステップS8を省略した点で異なるが、他の構成および他のステップは第1の実施形態と同様である。したがって、以下においては、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、また同一内容のステップについては説明を簡略化し、第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳しく説明する。なお、以下に説明する充電時報知制御は、統括コントローラ7が作動している間、繰り返し実行される。
図3に示すように、統括コントローラ7は、まず充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されているか否かを判定する(ステップS21)。統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていないと判定した場合には、本処理を終了する。
一方、統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていると判定した場合には、電源スイッチ5がON状態であるか否かを判定する(ステップS22)。統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態でないと判定した場合、ステップS31の処理に移行する。
一方、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がON状態であると判定した場合には、報知部8によって電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)を行う(ステップS23)。
次いで、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態であるか否かを判定する(ステップS24)。統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態であると判定した場合には、ステップS31の処理に移行する。
一方、統括コントローラ7は、電源スイッチ5がOFF状態でないと判定した場合には、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていることを検知してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS25)。
統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていることを検知してから所定時間が経過していないと判定した場合には、再度ステップS24の処理を実行する。一方、統括コントローラ7は、充電プラグ4aと商用交流電源Eとが接続されていることを検知してから所定時間が経過したと判定した場合には、バッテリ2への電圧印加を停止する(ステップS26)。このように、本実施形態では、第1の実施形態のようにバッテリ2の充電電流を監視しないため、簡便な充電時報知制御を実現できる。
次いで、統括コントローラ7は、ステップS23で行われた、電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)を停止する(ステップS27)。これにより、切替報知制御が終了する。本実施形態では、第1の実施形態のように電源スイッチ5がOFF状態となったか否かの判定を行っていない。したがって、本実施形態では、ユーザによる電源スイッチ5の操作があったか否かに関わらず、バッテリ2への電圧印加が停止された時点で一律に、電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨(切替報知)の報知が停止される。なお、この報知(切替報知)の停止は、ステップS25で判定される所定時間が経過したタイミングで行ってもよい。
次いで、統括コントローラ7は、報知部8によって商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知(回復報知)を行う(ステップS28)。すなわち、統括コントローラ7は、回復報知制御を開始する。
次いで、統括コントローラ7は、商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であるか否かを判定する(ステップS29)。統括コントローラ7は、商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であると判定した場合には、再度本ステップを実行する。
一方、統括コントローラ7は、商用交流電源Eと充電プラグ4aとが接続中であると判定できなくなった場合、すなわち、商用交流電源Eから充電プラグ4aが抜かれた場合には、商用交流電源Eからの電力の供給が断たれることにより、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知(回復報知)が停止される。このように、ステップS29では、商用交流電源Eから充電プラグ4aが抜かれるまで、商用交流電源Eから充電プラグ4aを取り外す旨の報知(回復報知)が継続して出力される。その後、統括コントローラ7は、本処理を終了する。
他方、ステップS31において、統括コントローラ7は、報知中か否か、すなわち電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)が行われているか否かを判定する。統括コントローラ7は、報知中であると判定した場合には、ステップS23で報知が行われた後に電源スイッチ5がOFF状態とされたことにより正常な充電が可能となったものと判断することができるため、電源スイッチ5をOFF状態に切り替える旨の報知(切替報知)を停止する(ステップS32)。
一方、統括コントローラ7は、ステップS31において報知中でないと判定した場合、あるいはステップS32の後に、バッテリ2への充電を実行するよう充電器4を制御する(ステップS33)。
その後、統括コントローラ7は、バッテリ2への充電が完了したか否かを判定する(ステップS34)。統括コントローラ7は、バッテリ2への充電が完了していないと判定した場合には、再度ステップS33以降の処理を実行する。一方、統括コントローラ7は、バッテリ2への充電が完了したと判定した場合には、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る車両制御装置は、第1の実施形態における効果に加えて、充電時報知制御の処理内容を簡略化でき、統括コントローラ7の処理負担を軽減することができる。
本発明によれば、切替部が二次電池から電動機に電力を供給可能な第1の状態にあるときに、充電プラグが外部電源に接続されたことを条件に、切替報知制御を行うようになっている。この切替報知制御では、切替部を外部電源から二次電池に電力を充電可能な第2の状態に切り替える旨の報知を行うようになっている。
したがって、切替部が第1の状態であることにより二次電池の充電が正常に行われていない場合には、切替部を第2の状態に切り替えることを促す報知を行うことができる。これにより、ユーザが次回電動車両を利用する際に、二次電池の電力が不十分なため電動車両を良好に利用できないといった不都合を軽減できる。
また、本発明によれば、切替部が第1の状態であり、充電プラグと外部電源とが接続された状態が所定時間以上継続したことを条件に、回復報知制御を行うようになっている。この回復報知制御では、外部電源から充電プラグを取り外す旨の報知を行うようになっている。
したがって、第1の状態で充電プラグと外部電源とが接続された状態が所定時間以上継続した場合には、充電プラグを取り外して再度、外部電源に接続し直さないと、正常な充電ができないことをユーザに知らせることができる。これにより、ユーザが次回電動車両を利用する際に、二次電池の電力が不十分なため電動車両を良好に利用できないといった不都合を軽減できる。
また、本発明によれば、所定時間の経過後に、切替部が第1の状態から第2の状態に切り替えられたことを条件に、切替報知制御に代えて回復報知制御を行うので、ユーザによる切替部の切替操作に応じて報知内容を切り替えることができる。これにより、報知内容がユーザの操作と連動して切り替わるため、報知内容が突然切り替わることによってユーザが混乱してしまうことを防止することができる。
上述の通り、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。