JP6236235B2 - 貯蔵庫の扉開閉構造 - Google Patents
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Description
このように前記扉16は、錘36に対して、2本のリンケージアーム32,34で接続されており、またカウンタ用の錘36の重量は、前記扉16の重量よりも大きく設定してある。このため図60に示すように、扉16は優勢な錘36の重量により常には上昇位置に保持されて、開口部14を閉成している。しかるに扉16に手を掛けて前記錘36の重量を超える力で押し下げると、図61に示すように、2本のリンケージアーム32,34を介して扉16が下降すると共に錘36は上昇し、開口部14は開放されるに到る。次いで扉16から手を放すと、錘36の重量により2本のリンケージアーム32,34は逆動作して、扉16を自動的に上昇させて、図60に示すように開口部14を閉成する。
このように買物を終えた人が貯氷庫の氷を利用する際に、購入品で一杯になった買物袋を両手に持った状態で、貯氷庫の扉を開けなければならない場合が多い。この場合は、片手で前記扉を押して下降させ、貯氷庫の開口部を開口させた後に、他方の手でシャベルを持って氷を取り出すことになる。この氷を取り出している間は、買物袋を持ったままの手で、前記扉を下方へ押して開放状態を維持する必要がある。先に述べたように、扉の重量は錘の重量とのバランスを考えて設定してある。従って、前記錘が下降しようとする力に抗して、操作者が片手で扉を支える必要があるため、殊に買物袋等を持って操作する場合は、操作者の負担が大きい欠点がある。ここではスーパーマーケットの買物客の便宜を想定して述べたが、レストラン等の設備でも、調理人や従業員が片手にアイスペールやトレー等を持って扉の開放操作をする必要が多くあり、同じく前記負担を生ずる欠点があった。
筐体の前フレームに開設した開口部と、この開口部と縦方向の下部に隣接する扉収容部と、縦方向に昇降自在で常には上方に位置して前記開口部を閉成し、前記扉収容部へ移動して下方に位置することで前記開口部を開放する扉と、前記扉を付勢して下降させることで前記開口部を開放し、前記付勢を解除すると前記扉が上昇して前記開口部を閉成する扉開閉機構とを有する貯蔵庫において、
前記扉を下降させて前記開口部を開放した際に、該扉の開放状態を一時的に維持する操作手段が設けられており、
前記操作手段は、前記扉の下端に取付けられて、該扉の下降に伴い前記前フレームから外部に突出するようになっていることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、扉を下降させて開口部を開放した後は、操作者が操作手段を操作するだけで該扉の開放状態を所望の時間だけ一時的に維持することができ、両手の自由を確保し得る利点がある。また、扉を下降させるに伴って操作手段が前フレームから操作者の足下側へ突出して来るので、操作が便利である。
請求項2に係る発明によれば、操作手段を足踏部を備えた棒状のフットレバーとすることで、操作者が足踏操作により扉を下降させたままにして、開口部の開放状態を維持することができて便利である。
前記棒状本体の上端は前記立上り部にピンを介して取付けられ、また該棒状本体は前記舌片に形成した通孔に挿通されて垂下することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、棒状部材からなる操作手段は、取付部材を介して安定的に保持され、操作者が足踏部に対し側方への力を誤って加えても、容易に変形することがない。
前記扉収容部における前フレームに設けられ、前記プーリと反対側に位置するワイヤ巻取装置と、前記ワイヤ巻取装置から引出され、常に巻取り方向への駆動力が付与された状態で前記プーリに巻き掛けられた後、その開放端を前記扉に固定されるワイヤとからなることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、扉を下降させればワイヤ巻取装置からワイヤが巻取り方向への駆動力に抗して引出され、該扉を押し下げる力を解除すれば該ワイヤ巻取装置の巻取力によりワイヤが巻取られて扉は自動的に上昇する。
該ブラケットに前記棒状本体の上部が、前記軸ピンと平行になるよう枢支ピンを介して揺動自在に軸支されていることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、操作手段をなす棒状本体はヒンジにより揺動し得るように軸支されて垂下しているから、扉を下降させて棒状本体が設置床面に突き当たっても、該棒状本体が僅かに揺動してショックを緩和する。また、設置床面に何等かの障害物があっても、棒状本体がこの障害物に先に突き当たり、扉への衝撃は伝わり難い利点がある。
前記棒状本体は前記ガイド板に形成した通孔に挿通されていることを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、棒状本体はヒンジを介して揺動可能になっているが、該棒状本体はガイド片の通孔に昇降自在に挿通されている。このため扉の下降に伴い棒状本体が下降するときは、ガイド片で案内されているから安定に昇降し得る利点がある。
前記押出部の端部は斜め前方に傾斜したテーパー面になっており、前記棒状本体は下降するにつれて該テーパー面に当接して、前記足踏部が手前側へ案内されて延出することを要旨とする。
請求項7に係る発明によれば、扉の下降と共に下りて来る棒状本体は、押出部のテーパー面により手前側へ押出されるため、操作者が足踏部を視認し易くなる利点がある。
前記扉を下降させて前記開口部を完全に開放した際に、前記扉に設けた前記被係合部が前記係合部の下方で近接するよう位置設定され、この状態で前記フロントバーを弾力に抗して押すことにより、前記係合部が前記被係合部に係合して前記扉が下降位置に維持されることを要旨とする。
請求項8に係る発明によれば、扉を完全に下降させたところで、操作者がフロントバーを膝等で押すことで、扉に設けた被係合部と該フロントバーに設けた係合部が互いに係合して扉を下降状態に容易に維持することができる。フロントバーへの膝による押圧力を解除すれば、該フロントバーは原位置へ復帰し、前記係合を解除するため、扉は自動的に上昇して開口部を閉成する。
前記取付部と前記折曲部である前記係合部との間に介装した弾性部材によって、前記フロントバーは前記フロントパネルの手前側へ常に延出するよう弾力付勢されていることを要旨とする。
請求項9に係る発明によれば、フロントバーは常にはフロントパネルの手前側へ弾力的に延出しているので、膝による押圧力を解除すると原位置へ復帰する。
図1〜図3は、本願発明の実施例に係る扉開閉構造において、扉が下降した位置で開口部を完全に開放した状態を示している。また図4〜図6は、前記扉開閉構造において、扉が上昇した位置で開口部を完全に閉成している状態を示している。なお、図示の扉開閉構造は、図2に示す貯氷庫10の筐体12における前フレーム40に設けられるものである。図3および図6は、筐体12の前面に取り付けられる前フレーム40を示し、この前フレーム40の前面は、図2および図5に示すフロントパネル28により覆われる。そして前フレーム40は、左右の縦フレーム42,44と、両縦フレーム42,44に上下で横方向に接続する上フレーム46および下フレーム48と、上下のフレーム46,48の中間に位置する横フレーム50(図7)とから構成される。また上フレーム46と横フレーム50との間には、殊に図3(1)に示すように、矩形状の開口部14が画成されている。従って前記フロントパネル28の上方にも、図2に示すように、前記開口部14に対応する開口部52が開設されている。更に、貯氷庫10の底部裏面の四隅には脚部88が設けられ、該貯氷庫10を設置床面から所定の高さに保持している。
前記扉16は、操作者が前記把手18に手で触れて下方へ力を加えるだけで、前記開口部14を完全開放し、手による押し下げ力を解除すると、該扉16は自動的に上昇して開口部14を完全閉成するものである。その扉開閉構造を、次に説明する。本実施例では、図3(1)および図6(1)に示されるように、ワイヤ巻取装置64から引出したワイヤ66を、前記前フレーム40に枢支したプーリ62を介して前記扉16に接続することで、操作者の労力軽減を達成している。図7の縦断側面に示す如く、前フレーム40の前面はフロントパネル28により覆われ、前記開口部14の下方でかつ前記フロントパネル28の裏側には、前記扉16が下降した際に該扉16を完全に収容し得る扉収容部68が画成されている。すなわち前記扉16は、上昇位置にあるときは、図6(1)および図7に示すように前記開口部14を閉成している。また、扉16が下降位置にあるときは、図1および図3(1)に示すように前記扉収容部68に収容されて、前記開口部14を開放している。
なお、ワイヤ巻取装置64に内蔵されてワイヤ66に巻取力を与える構造としては、前述の過巻ばねに拘わらず、モータでワイヤ巻取ドラムを回転させるようにして、該モータの駆動力を扉16の重さに応じて自動設定またはマニュアル設定ができるようにしてもよい。例えば、ワイヤ巻取装置64のワイヤ巻取力は、操作者が開放中の扉16から手を離すと、該扉16が自動的に上昇して前記開口部14を閉成するように設定される。
また、前記の扉開閉機構において、下降させた扉16を捕捉して開口部14の開放状態を一時的に維持する捕捉手段と、該捕捉手段による扉16の捕捉を解除する解除手段とを設けた実施例5〜7も、本発明に属するものである。そこで、各実施例の構成について以下説明する。
図1〜図9は、前記操作手段90が具体的にはフットレバーであることを示している。例えば、図3(1)および図6(1)に示す如く、前記操作手段90は、前記扉16の下端に取付けられて下方へ延在する棒状の本体91と、該扉16が下降して前記開口部14を完全に開放させた位置で、前記貯氷庫10の設置床面に当接するように、前記棒状本体91を該床面と平行な側方へ直角に折曲げた足踏部92とから構成される。この操作手段90は、ブラケット93により安定的に取付けられている。すなわち、扉16の正面を斜視状態で示す図8において、該扉16の下端縁の補強板72には、操作手段90を支持するためのブラケット93の上端が固定され、所要寸法だけ下方へ延在している。図3(2)に示すように、ブラケット93は長尺の金属板材を材料とし、その中間よりやや上方を後側へ折曲させた後、僅かに後退した部位で再び直角に折曲させて立上り部93aを形成している。またブラケット93の下端部は、図3(2)において、前方側へ角角に折曲されて舌片93bになっている。この舌片93bには、前記操作手段90における棒状本体91の遊挿を許容する通孔93cが開設されている(図8および図9参照)。
前述したように、前記ブラケット93に取付けた操作手段90は、例えば所要太さの金属丸棒をL字形に折曲することで、前記棒状本体91と足踏部92とを形成したものである。この棒状本体91の一端部は偏平に加工されてフラット頭部91aとなり、このフラット頭部91aに開設した通孔(図示せず)と、前記ブラケット93の上部に開設した通孔93d(図8)とにピン96を挿通することで、棒状本体91の上端はブラケット93に固定されている。このとき、棒状本体91は、図6(2)に示すように、前記ブラケット93の舌片93bに開設した前記通孔93cに遊挿され、これにより棒状本体91を安定的に垂下させている。
しかるに図1および図3(1)に示すように、操作者が扉16の把手18に手を掛けて押し下げると、該扉16は下降して開口部14を開放する。また扉16の下降動作に伴って操作手段90の棒状本体91が前記ブラケット93と共に下降し、棒状本体91の下方において側方へ延出させた前記足踏部92が床面に衝き当たって下降を停止する。そこで操作者は、前記足踏部92を足で踏むことにより扉16は下降姿勢が保持される。すなわち開口部14は開放したままになり、しかも操作者は扉16を手で押さえておく必要がないので、両手の自由が確保できて便利である。貯氷庫10から氷を取り出した後に操作者が足踏部92から足を離せば、前記ワイヤ巻取装置64の作用下に扉16は自動的に上昇し、これにより前記開口部14を閉成する。
図11〜図17は、本発明の実施例2を示すものであり、基本構成は実施例1を前提としている。すなわち実施例1では、操作手段90における棒状本体91の上部は、ブラケット93にリベット94で固定されている。このため扉16を下降させると、棒状本体91はそのまま垂直に下降して、足踏部92を貯氷庫10の設置床面に衝き当たらせる。このように操作手段90(棒状本体91および足踏部92)が、扉16の下降に伴い垂直に下降して設置床面に衝突すると、場合によっては衝突時の衝撃が扉16に伝達されて、該扉16が損傷したり耐久性が低下する等の畏れがある。
実施例2は、前述した懸念を払拭するべく提案されたものであって、操作者が扉16を手で押して下降させると、該扉16の下降に伴い足踏部92も下降して前記の如く設置床面に衝き当たるが、この場合に操作手段90が前後または左右の何れかの方向に振れることにより、衝撃を逸らして緩和させ、扉16へ加わる衝撃を小さくする、というものである。例えば図15および図16に示すように、扉16の下端中央(実施例1ではブラケット93が固着されていた個所)に、第1羽根97aと第2羽根97bとを軸ピン97cで枢支したヒンジ97が取付けられ、このヒンジ97に前記操作手段90の上端部が、貯氷庫10の前後および左右へ僅かに揺動可能に軸支されている。
図11(2)および図13(2)に示すように、貯氷庫10における扉収容部68には、ガイド板104が取付けられて水平に延出している。このガイド板104の水平延出部には、前記棒状本体91の挿入を許容する充分に大径の通孔105が開設されている。前記ガイド板104が前記扉収容部68に取付けられる位置は、図11に示すように、扉16を上昇させた際に、棒状本体91の下方部分が位置し(足踏部92はガイド板104の下方に位置する)、また扉16を下降させると、図13に示すように、棒状本体91の上方部分が位置する関係に設定される。前記扉収容部68の下方には、図11(2)に示す位置規制板103が配設されている。この位置規制板103は、前記扉16の下降に伴って下降する前記棒状本体91の垂直な昇降経路よりも僅かに後側に位置している。すなわち、常には位置規制板103は棒状本体91に接触していないが、該棒状本体91が後方へ揺動した際は、振れ過ぎないように該位置規制板103が位置規制を行うようになっている。
実施例3は、基本構造は実施例2に示すものであるが、操作手段90の足踏部92が扉16の下降に伴い操作者の足下の側へ延出して、視認性を向上させたものである。すなわち図18(1)において、実施例2で説明した位置規制板103の取付位置に、これに代えて押出部138が配設されている。この押出部138は斜め上方を指向するテーパー面139を有し、該テーパー面139は前記棒状本体91が下降する際に想定される垂直な昇降軌跡よりも僅かに前方へ張出している。従って、図11(1)の扉16が上昇位置にある状態から、図13(1)に示す扉16が下降位置に転ずると、棒状本体91は図19(1)に側面で示す位置から図19(2)に示す状態になる。すなわち前記押出部138のテーパー面139に当接し、該扉16が下降するにつれて棒状本体91は、強制的に貯氷庫10の手前側へ延出する。すなわち図14に示す如く、棒状本体91はアングルブラケット99を介してヒンジ97に取り付けられているので、該ヒンジ97の第1羽根97aが軸ピン97cを中心として上動することにより、該棒状本体91の手前側へのスイングが許容される。この結果として、図18(2)に示すように、足踏部92は貯氷庫10のフロントパネル28より手前側へ延出するため、操作者の視野に容易に捕らえられる。
図20〜図25は、本発明の実施例4を示すものである。先の実施例1〜3は、棒状本体91の足踏部92を踏むことで、扉16を下降状態に保持するようにした構成であった。これに対し本実施例は、フロントパネルに進退自在に配設したフロントバーを操作者が膝で押さえることで扉16を下降状態に保持し、該膝によるフロントバーへの押圧を解除することで、扉16が自動的に上昇して開口部14を閉成する、というものである。図21において、扉16の下端部の左右には、前述したL字形ブラケット74が取付けられ、また該ブラケット74には前記位置規制片78が取付けられている。前記左右のL字形ブラケット74,74の夫々には、図23に示すL形支持板106が取付けられている。そして左右の各L形支持板106には、図25に示すように、被係合部として機能する被係合ピン107が内向きかつ水平に突設されて、両ピン107,107の軸線を一致させてある。すなわち扉16の左右下端部に設けた被係合ピン107,107は、図24で扉16が上昇位置にあるときは、図25に示すように同じく上昇位置にある。また図20で扉16が下降位置にあるときは、図21に示すように同じく下降位置にある。
実施例5は、後述する実施例6および実施例7と上位概念が共通する貯蔵庫の扉開閉機構である。すなわち実施例5〜7は、扉16を下降させて開口部14を開放させた際に、この扉16を捕捉して扉開放状態を一時的に維持する捕捉手段と、前記捕捉手段による扉16の捕捉を解除して、該扉16が前述したワイヤ巻取装置64の作用下に上昇するのを許容する解除手段とを備えている。
実施例5において、図27は、図26の円Aで囲んだ部分の拡大図であって、扉16の左右下端縁に設けた前記L形支持板106に被係合部となる被係合ピン107が水平に配設されている。この被係合ピン107の配設関係は、実施例4で図21および図23を参照して説明した通りである。また図28は、図26の円Bで囲んだ部分の拡大図であって、前記被係合ピン107と常には係合する方向へ弾力付勢された係合部116が開示されている。そして、前記被係合ピン107と係合部116とを総称して、本明細書では捕捉手段117という。
図26および図28に示すように、係合舌片116aを備える係合部116には、解除手段としてL字形棒材からなるフットレバー121が、その上端においてピン122により軸支されている。このフットレバー121のL字形に屈曲した部分は、操作者による足踏部121aとして機能する。すなわち前記フットレバー121を操作者が足で踏むと、スプリング付きヒンジ118の弾力に抗して、前記第2羽根118bおよび係合片116は図31(2)に矢印で示す方向へ僅かに回動して停止する。また足踏部121aを足から外すと、スプリング付きヒンジ118の復帰弾力により、図31(1)に示すように、係合舌片116aは反時計方向へ回動する。
なお、扉16が完全に下降し切る前に、操作者がフットレバー121を踏んでしまうこともあり得る。これは、被係合ピン107が図31(2)に示す位置に到来する前に、係合舌片116aは図31(2)に示す状態になっていることを意味する。この場合であっても、係合舌片116aは前述の如く弾性に富む金属を材質としているから、被係合ピン107が下降して係合舌片116aに当接すると、該係合舌片116aは、図31(2)において左方向へ僅かに変形した後に被係合ピン107を安定的に係合捕捉する。
次に操作者がフットレバー121から足を離すと、スプリング付きヒンジ118の復帰弾力が作用して、第2羽根118bおよび係合舌片116aを、図31(2)の反時計方向へ回動させる。これにより係合舌片116aは、被係合ピン107から離脱して前記係合を開放するため、扉16は前記ワイヤ巻取装置64によるワイヤ133の巻取りにより自動的に上昇して前記開口部14を開成する。
先の実施例5は、被係合ピン107に係脱自在に係合している係合部116を解除する手段は、操作者の足踏みで行うフットレバー121であった。しかし実施例6では、前記フットレバーに代わる解除手段として、扉16が定位置へ下降したことを検出して電気的に動作するソレノイドを採用したものである。すなわち実施例6において、被係合部として扉16に設けた被係合ピン107を使用し、また該被係合ピン107と係脱自在に係合する係合部として係合舌片116aを使用することは、前述した実施例5と同じである。また、係合部116を扉収容部68に取付ける手段として、前記スプリング付きヒンジ118が使用されることも同じである。
図32の円Aで囲んだ部分を拡大した図33において、扉16の下端の補強板72には、図34に示すマイクロスイッチ123の検出レバー124に接触すると、該スイッチ123をON動作させる位置検出片125が取付けられている。ここで前記マイクロスイッチ123は、図32および図35に示すように、前記扉16と共に下降する前記位置検出片125の下降軌跡中にあり、かつ該扉16が完全に下降した位置において、前記検出レバー124が接触する位置関係に設定されている。
なお、前述したところは、制御回路に内蔵したタイマの設定時間がカウントアップすると、ソレノイド126が滅勢して扉16の保持を解除するものであった。この実施例6の変更例として、人感センサを使用することもできる。例えばフロントパネル28や開口部14の近辺に、人の接近を検知して電気信号を出す人感センサを設置する。前述した如く、扉16を下降させて開口部14を開放すると、ソレノイド126が付勢されて、係合舌片116aが被係合ピン107を捕捉係合する。前記人感センサは、フロントパネル28の前に人がいることを検知している間は前記係合状態のロックを継続する。そして、人が立ち去ったことを前記人感センサが検出するとロックを解除して、前記ソレノイド126を滅勢し扉16を自動的に上昇させる。ここで使用する人感センサは近接センサであり、例えば、人体の容量を検出するキャパシティーセンサや、光電センサ等が選択的に使用される。
実施例7は、先の実施例5が扉16を任意時間だけ開放保持するフットレバーであったのに対し、これを足踏みペダルとコントロールケーブルとの組合せに代えたものである。従って、図36の円Aを拡大した図37に示す被係合ピン107の取付け構造と、図36の円Bを拡大した図38に示す係合部116の取付け構造は、実施例5に示す構造と基本的に同じである。すなわち実施例7では、図36に示す貯氷庫10の足下に足踏みペダル129が設置され、操作者が任意にペダル部130を足踏みすることで、該ペダル部130に接続したコントロールケーブル131を介して動きを係合部116へ伝達し得るようになっている。
実施例1に示す操作手段90は、棒状本体91と足踏部92とからなるフットレバーであった。このフットレバーについては、図1〜図6に示す構成以外に複数の変形例が存在するので、各変形例について説明する。
(1)図42〜図43は変形例1を示し、前記操作手段90は、貯氷庫10の扉16を開成した状態では、図42に示す如く、フロントパネル28に完全に収納されている。扉16を完全に下降させると足踏部92が設置床面に衝き当たるまで降りてくるが、該足踏部92は図43に示すように、T字形に左右に延出しているので、操作者が足で踏み易い利点がある。また、図43および図44に示すように、足踏部92は断面において蒲鉾状に膨出しているため、操作者の足裏に馴染み易い利点がある。
(2)図45〜図47は変形例2を示し、変形例1に示した足踏部92が、フロントパネル28の下部中央に開設した開口部28aに臨んでいる。このため足踏部92は、常にフロントパネル28の前面に露出しており、操作者が視認し易い利点がある。
(3)図48〜図50は変形例3を示し、フロントパネル28の前面に足踏部92だけを露出させ得るようになっている。このためフロントパネル28の下部中央に1本のスリット28bが縦に開設され、図50に示す如く、棒状本体91の下部が前記スリット28bを介して僅かにフロントパネル28の外方へ延出している。そして、この棒状本体91の延出端に足踏部92が設けられている。
(4)図51および図52は変形例4を示し、フロントパネル28の下部に2本のスリット28b,28bを平行に開設したものである。そして前記操作手段90における棒状本体91は2本平行に設けられ、これら2本の棒状本体91,91に前記足踏部92が取付けられている。この場合は、フロントパネル28の前面に足踏部92が常に露出しているため視認し易く、しかも2本の棒状本体91,91で足踏部92を支えるので剛性が向上する利点がある。
(5)図53〜図55は変形例5を示し、前記変形例3の更なる変形例である。すなわちフロントパネル28の中央にスリット28cが縦に1本開設され、このスリット28cを介
して棒状本体91とT字形に左右に延在する足踏部92とが露出している。この場合も、足踏部92の存在が常にフロントパネル28の前方で視認されるため、操作者にとり使い勝手が良い利点がある。
実施例1〜3は、操作手段90として棒状本体91と足踏部92とからなるフットレバーを使用している。実施例に係る貯氷庫10の底部に設けた4本の脚部88は、個々の高さを調節することで、該貯氷庫10の設置床面の凹凸状況等に応じ一定の範囲で高低調節可能になっている。そして、前記脚部88を高さ方向へ調節すると、貯氷庫10の底面は相対的に床面から高く設置されることになる。この脚部88を高く調節した後に、前記扉16を下降させると、これに伴い下降した前記フットレバー90の足踏部92が、設置床面に届かないで浮き上がった状態になることがある。このように足踏部92が浮き上がった状態で、操作者が該足踏部92を強く踏み込むと、前記フットレバー90の荷重を上方で支持している前記アングルブラケット99が変形することがある。
28 フロントパネル,40 前フレーム,62 プーリ,64 ワイヤ巻取装置,
66 ワイヤ,68 扉収容部,90 操作手段,91 棒状本体,92 足踏部,
93 ブラケット(取付部材),93a 立上り部,93b 舌片,93c 通孔,
96 ピン,97 ヒンジ,97a 第1羽根,97b 第2羽根,97c 軸ピン,
99 アングルブラケット,102 枢支ピン,104 ガイド板,105 通孔,
107 被係合ピン(被係合部),108 通孔,109 フロントバー,
110 取付部材,113 端部(係合部),115 コイルばね(弾性部材),
116 係合部,117 捕捉手段,118 スプリング付きヒンジ,
121 フットレバー(解除手段),123 マイクロスイッチ(検出スイッチ),
125 位置検出片(検出部材),126 ソレノイド,127 プランジヤ,
129 足踏みペダル,130 ペダル部(可動部),131 コントロールケーブル,
138 押出部,139 テーパー面
Claims (9)
- 筐体(12)の前フレーム(40)に開設した開口部(14)と、この開口部(14)と縦方向の下部に隣接する扉収容部(68)と、縦方向に昇降自在で常には上方に位置して前記開口部(14)を閉成し、前記扉収容部(68)へ移動して下方に位置することで前記開口部(14)を開放する扉(16)と、前記扉(16)を付勢して下降させることで前記開口部(14)を開放し、前記付勢を解除すると前記扉(16)が上昇して前記開口部(14)を閉成する扉開閉機構とを有する貯蔵庫(10)において、
前記扉(16)を下降させて前記開口部(14)を開放した際に、該扉(16)の開放状態を一時的に維持する操作手段(90)が設けられており、
前記操作手段(90)は、前記扉(16)の下端に取付けられて、該扉(16)の下降に伴い前記前フレーム(40)から外部に突出するようになっている
ことを特徴とする貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記操作手段(90)は、前記扉(16)の下端に取付けられて垂下する棒状本体(91)と、前記扉(16)が下降して前記開口部(14)を完全に開放させた位置で、貯蔵庫の設置床面に当接するよう前記棒状本体(91)を側方へ折曲げた足踏部(92)とからなる請求項1記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
- 前記扉(16)の下端には、立上り部(93a)と該立上り部(93a)の下部から水平に延出する舌片(93b)とからなる取付部材(93)が固定され、
前記棒状本体(91)の上端は前記立上り部(93a)にピン(96)を介して取付けられ、また該棒状本体(91)は前記舌片(93b)に形成した通孔(93c)に挿通されて垂下する請求項2記載の貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記扉開閉機構は、前記扉収容部(68)における前フレーム(40)の開口部側に枢支したプーリ(62)と、
前記扉収容部(68)における前フレーム(40)に設けられ、前記プーリ(62)と反対側に位置するワイヤ巻取装置(64)と、前記ワイヤ巻取装置(64)から引出され、常に巻取り方向への駆動力が付与された状態で前記プーリ(62)に巻き掛けられた後、その開放端を前記扉(16)に固定されるワイヤ(66)とからなる請求項1記載の貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記扉(16)の下端には、ヒンジ(97)の第1羽根(97a)が軸ピン(97c)を水平にして取付けられると共に、該ヒンジ(97)の第2羽根(97b)にブラケット(99)が取付けられ、
該ブラケット(99)に前記棒状本体(91)の上部が、前記軸ピン(97c)と平行になるよう枢支ピン(102)を介して揺動自在に軸支されている請求項2記載の貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記扉収容部(68)の下方に、前記棒状本体(91)の昇降経路に臨んで水平に延出するガイド板(104)が取付けられ、
前記棒状本体(91)は前記ガイド板(104)に形成した通孔(105)に挿通されている請求項5記載の貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記扉収容部(68)に取付けた前記ガイド板(104)の下方において、前記棒状本体(91)の昇降経路に臨んで取付けられ、前記ガイド板(104)の延出端よりも更に延出する位置に端部を臨ませた押出部(138)からなり、
前記押出部(138)の端部は斜め前方に傾斜したテーパー面(139)になっており、前記棒状本体(91)は下降するにつれて該テーパー面(139)に当接して、前記足踏部(92)が手前側へ案内されて延出する請求項6記載の貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記操作手段(90)は、前記扉(16)の下端に設けた被係合部(107)と、前記扉収容部(68)を覆うフロントパネル(28)の前面に進退自在に取付けられて弾力的に付勢され、常には前記フロントパネル(28)の手前側へ延出しているフロントバー(109)と、前記フロントパネル(28)の内側に臨んでいる前記フロントバー(109)の端部である係合部(113)とからなり、
前記扉(16)を下降させて前記開口部(14)を完全に開放した際に、前記扉(16)に設けた前記被係合部(107)が前記係合部(113)の下方で近接するよう位置設定され、この状態で前記フロントバー(109)を弾力に抗して押すことにより、前記係合部(113)が前記被係合部(107)に係合して前記扉(16)が下降位置に維持される請求項1記載の貯蔵庫の扉開閉構造。 - 前記フロントバー(109)の両端近傍はL字形に折曲され、夫々の折曲部が前記フロントパネル(28)の通孔(108)を介して該フロントパネル(28)の裏側に臨むと共に、該フロントパネル(28)の裏側に固定した取付部材(110)に進退自在に挿通され、
前記取付部材(110)と前記折曲部である前記係合部(113)との間に介装した弾性部材(115)によって、前記フロントバー(109)は前記フロントパネル(28)の手前側へ常に延出するよう弾力付勢されている請求項8記載の貯蔵庫の扉開閉構造。
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