JP6235957B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートの着座者の腰部に左右に架け渡して装着される腰部シートベルトを有するシートベルト装置に関する。
シートベルト装置とは、シートの着座者の身体をシートベルトによってシートに拘束する装置である。例えば、車両用シートに設けられた一般的な3点式シートベルト装置においては、着座者の上体上に斜めに架け渡される肩部シートベルトにより着座者の肩部及び胸部が車両用シートに拘束され、着座者の腰部に左右に架け渡される腰部シートベルトにより着座者の腰部が車両用シートに拘束される。
かかるシートベルト装置において、着座者を車両用シートに対してより効果的に拘束するため、特許文献1に記載されるような、シートベルトに張力を付与するプリテンショナ機構が用いられる。
特許文献1のプリテンショナ機構は、例えば、火薬式のプリテンショナ機構であり、ガス発生器と、ガス発生器から発生したガスを封止するシリンダと、シリンダ内をガス圧によって移動するピストンと、ピストンの移動を、クラッチ機構を介してシートベルトを巻回保持するリール軸の回転運動に変換する伝達機構等と、によって構成される。
そして、ガス発生器が車両の衝突に対応して作動し、リール軸をシートベルトの巻取り方向に回転させてシートベルトを強制的に巻き取り、着座者をシートに拘束する。
特開2007−055454号公報
従来のシートベルト装置によれば、腰部シートベルトによって着座者の腰部が車両用シートに拘束されて保護されるものの、車両衝突時等に腰部シートベルトが腰部位置、すなわち、腰部シートベルトが腰骨に掛け回される腰骨位置より上方にずれていた場合、腰部シートベルトが腰骨に保護されていない腹部を強く圧迫して腹部傷害が引き起こされるおそれがある。
そして、特許文献1のプリテンショナ機構によれば、着座者を車両用シートに対してより効果的に拘束することができるものの、腰部シートベルトから着座者に加わる圧迫力はプリテンショナ機構が無い場合と比較して大きくなる。よって、腰部シートベルトが着座者の腰骨位置より上方にずれていた場合、プリテンショナ機構が作動すると腹部の圧迫がさらに強くなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、腰部シートベルトに張力を付与するプリテンショナ機構を備えるシートベルト装置において、着座者の腹部を腰部シートベルトによる圧迫から的確に保護することができるシートベルト装置を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両用シートの着座者の腰部に左右に架け渡して装着される腰部シートベルトと、衝突に対応させて前記腰部シートベルトにプリテンションを付与するプリテンショナ機構と、を有するシートベルト装置において、前記シートベルト装置は、前記腰部シートベルトに設けられ、前記装着状態における前記着座者から付加される荷重を前記腰部シートベルトの左右架け渡し方向所定領域で検知するセンサと、該センサにより検知された前記荷重の前記腰部シートベルトの左右架け渡し方向の荷重分布を算出する荷重分布算出手段と、該荷重分布算出手段によって得られた荷重分布に基づいて前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にあるか否かを判定する腰部シートベルト位置判定手段と、を有し、該腰部シートベルト位置判定手段の前記判定結果に基づいて前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構の作動を制御することを特徴とする。
この構成によれば、腰部シートベルト位置判定手段によって腰部シートベルトが腰骨位置にあるか否かの判定結果に基づいてプリテンショナ機構の作動を制御することができるので、実際の腰部シートベルトの位置に基づいて適切なプリテンショナ機構の作動を選択し、腰部シートベルトによる腹部の圧迫から着座者を効果的に保護することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシートベルト装置において、前記プリテンショナ機構の作動の制御は、前記腰部シートベルト位置判定手段によって前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合には前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にあると判定される場合よりも前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構によるプリテンション力を弱める制御であることを特徴とする。
この構成によれば、腰部シートベルト位置判定手段によって腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合、衝突に対応させたプリテンショナ機構のプリテンション力が弱められる。よって、衝突による衝撃により、腰骨位置よりも上方にずれた腰部シートベルトから着座者の腹部に入力される荷重が、通常にプリテンションを行う場合と比較して低減され、腹部の圧迫が緩和される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のシートベルト装置において、前記プリテンショナ機構の作動の制御は、前記腰部シートベルト位置判定手段によって前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合には前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にあると判定される場合よりも前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構によるプリテンションを多段に付与することを特徴とする。
この構成によれば、腰部シートベルト位置判定手段によって腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合、衝突に対応させたプリテンショナ機構によるプリテンションが多段に付与される。よって、衝突による衝撃により、腰骨位置よりも上方にずれた腰部シートベルトから着座者の腹部に付与される衝撃が、一度にプリテンションを行う場合と比較して多段にされたことにより緩和され、腹部の圧迫が緩和される。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のシートベルト装置において、前記プリテンショナ機構の作動の制御は、前記腰部シートベルト位置判定手段によって前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合に前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構によるプリテンションの付与を中止する制御であることを特徴とする。
この構成によれば、腰部シートベルト位置判定手段によって腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合、衝突に対応させたプリテンショナ機構によるプリテンションの付与を中止する。
よって、衝突による衝撃により、腰骨位置よりも上方にずれた腰部シートベルトから着座者の腹部に付与される荷重が、プリテンションによって張力が付加された腰部シートベルトによって着座者の身体が受け止められる場合と比較して低減され、腹部の圧迫のおそれが緩和される。
本発明に係るシートベルト装置によれば、実際の腰部シートベルトの位置に基づいて適切なプリテンショナ機構の作動を選択し、衝突による衝撃から着座者を効果的に保護することが可能となる。したがって、腹部傷害の恐れが低減し、より安全性の向上したシートベルト装置を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るシートベルト装置を説明するための正面図である。 (A)はセンサを有するシートベルトの構成を示す一部破断要部斜視図である。(B)は(A)のII−II線断面の端面図である。 (A)はリトラクタに設けられたプリテンショナ機構を説明するための要部断面図である。(B)は(A)のIII−III線断面の端面図である。 シートベルト装置の制御回路ブロック図である。 図1のV−V線断面図及び対応する荷重分布を示す図である。 図1のVI−VI線断面図及び対応する荷重分布を示す図である。 シートベルト装置の制御を説明するためのフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図7を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るシートベルト装置を説明するための正面図、図2はセンサを有するシートベルトの構成を示す図、図3はプリテンショナ機構を説明する図、図4はシートベルト装置の制御回路ブロック図、図5は図1のV−V線断面図及び対応する荷重分布を示す図、図6は図1のVI−VI線断面図及び対応する荷重分布を示す図、並びに図7はシートベルト装置の制御を説明するためのフローチャート図である。尚、各図において矢印Fは車体前方方向を示し、矢印Wは車幅方向を示す。
図1に示すように、シートベルト装置10は、車両のBピラー11下部に設けられたリトラクタ5と、一端15aがリトラクタ5に取り付けられるとともにBピラー11上部に固定されたスルーリング14を挿通し、他端15bがリトラクタ5下方においてBピラー11に固定されたシートベルト15と、シートベルト15をベルト挿通孔25aに挿通させたタングプレート25と、タングプレート25の先端が挿入固定されるバックル26と、を有する。バックル26は、アンカー28によって車両用シート30の下側縁部に固定されている。尚、タングプレート25はシートベルト15に対して密着固定されているわけではなく、ベルト挿通孔25aにシートベルト15を挿通させた状態でシートベルト15の長手方向に移動可能である。
そして、図示のように車両用シート30に着座者Pが着座した状態で身体上にシートベルト15を通過させてタングプレート25をバックル26に挿入固定させることで、着座者Pの上半身に斜めに架け渡された肩部シートベルト16が着座者Pの肩部及び腰部を拘束し、着座者Pの腰部に左右に架け渡された腰部シートベルト17が着座者Pの腰部を車両用シート30に拘束する。
リトラクタ5は、図3に示すように、略矩形筒状のハウジング6と、ハウジング6の対向する壁部6a、6b間に回転可能に支持されてシートベルト15を巻回保持するベルトリール7と、を有する。ベルトリール7の軸心部にはトーションバー8が設けられており、リトラクタ5はさらにトーションバー8の一端側端部8aと壁部6aとの当接によりベルトリール7の回動を係止させることを可能とするロック機構9を有する。
トーションバー8の他端8b側には後述するプリテンショナ機構40が存在する。
シートベルト15は、ポリエステル素材を編み合せてなる等幅帯状の2本のウェビングを幅方向両端部で縫合してなる構成を有するが、シートベルト15の長手方向所定領域においては、図2に示すように、装着状態において表側のウェビング18及び着座者Pに接触する裏側のウェビング19の間にウェビング18及び19と等幅帯状の柔軟なシート20を挟み込んでおり、ウェビング18、シート20及びウェビング19を幅方向両端部、すなわち、シートベルト15の幅方向両端部15c及び15dで縫合固定した3層構造を有する。
シート20が挟み込まれるシートベルト15の長手方向所定領域は、シートベルト15が着座者Pの腰部に左右に架け渡される領域、すなわち、腰部シートベルト17の領域であれば良く、本実施の形態においては、例えば、シートベルト15の他端15bから300mm〜1300mmの長さ範囲(1000mm)である。
シート20におけるウェビング18側の面には、シート20の長手方向に延在する3線の等幅帯状の電極21がシート20の幅方向に互いに平行に並ぶように埋設されており、シート20におけるウェビング19側の面には、電極21に対して略垂直に交差するようにシート20の幅方向に延在する多数の線の等幅帯状の電極22がシート20の長手方向に互いに平行に並ぶように埋設されている。電極21及び22が重なる部位によって平面視略矩形のセンサ23が構成されている。
よって、シート20上には、シート20の長手方向(すなわち、シートベルト15の長手方向)に等間隔に並ぶセンサ23列が、シート20の幅方向に等間隔に3列並べて設けられている。センサ23は、電極21及び22間の距離の変化を測定して圧力値に換算するキャパシタ方式を採用する。
次に、センサ23による圧力値の測定について説明する。シートベルト15の装着状態において着座者Pの身体からシートベルト15に対して荷重が付加されると、センサ23には表側のウェビング18と裏側のウェビング19との間でシートベルト15の面に対して垂直方向の圧縮力が作用するため、電極21及び22間距離が縮小し、略同方向の圧力変化が測定される。
一方で、センサ23が設けられたシート20の幅方向両端部は、シート20の長手方向全長に亘ってウェビング18及び19に固定されているために、センサ23の面方向への伸びが拘束されてセンサ23に作用する面方向への張力は小さくなる。
したがって、センサ23は、着座者Pの身体からシートベルト15の面に対して垂直方向に付加される荷重に対して略同方向に作用する応力を検知する面圧センサである。
尚、本明細書において、シートベルト15において装着状態における着座者Pから付加される荷重を検知するセンサとは、着座者Pからシートベルト15の面に対して垂直方向に付加される荷重を検知するセンサのみに限らず、センサ23のように、着座者Pからシートベルト15の面に対して体圧で垂直方向に付加される荷重に対して略同方向に作用する応力を検知するセンサを含むものとする。
さらに、センサ23は、シート20の長手方向(すなわち、シートベルト15の長手方向)全長に亘って等間隔に並べて配置されているので、その領域において応力分布が測定される。
よって、本実施の形態に係るシートベルト15によれば、シートベルト15が有するセンサが、着座者Pからシートベルト15の面に対して付加される荷重を、その荷重に対して略同方向に作用する応力として直接検知し、この検知は、シートベルト15の架け渡し方向の所定領域でなされるので、その領域内においてシートベルト15を装着した着座者Pの身体のシートベルト15による圧迫状態をより正確に把握することができる。
尚、センサ23列は、シート20の幅方向(シートベルト15の幅方向)に3列並べて設けられているので、後述する荷重分布を算出する場合には何れか一列のセンサ23列によって検知された荷重を用いればよい。しかし、3列全てのセンサ23列によって検知された荷重データを用いることにより、着座者Pのシートベルト15による圧迫状態をさらに正確に把握することが可能となる。本実施の形態においては、シート20の幅方向中央のセンサ23列のみを用いて荷重を検知している。
次に、シートベルト装置10の制御について説明する。図4に示すように、シートベルト装置10は、プリテンショナ機構40と、シートベルト15に設けられたセンサ23と、衝突を検知する衝突センサ60と、プリテンショナ機構40の作動を制御する制御部50と、を有する。
プリテンショナ機構40は、図3に示すように、トーションバー8の他端8b側に設けられてベルトリール7の軸と同軸且つ一体に回転するクラッチギア41と、該クラッチギア41と所定条件下で噛み合い可能なクラッチキー46と、該クラッチキー46を軸着するロータ42と、ロータ42を矢印100方向に駆動させるアクチュエータ43と、を有する。クラッチキー46は、ロータ42に対して矢印100方向に回動可能に軸着されており、且つ、クラッチギア41方向に付勢されている。
アクチュエータ43は、ロータ42の周方向外方に配されたロータシリンダ44と、ロータシリンダ44内の空間をガスジェネレータ45に連通する加圧室44a及び大気開放された背圧室44bに区画するロータ42のベーン42bとによって構成されている。
そして、ガスジェネレータ45の作動によって加圧室44a内に供給されたガスがロータ42のベーン42bを背圧室44b側(矢印200方向)に押し進める圧力を付与し、この圧力によってロータ42が矢印200方向に回動し、クラッチキー46と噛合したクラッチギア41が同方向に回動し、クラッチギア41と同軸回転するベルトリール7がシートベルト15を巻き取る方向に回転する。すなわち、ベルトリール7の軸と同軸且つ一体に回転するクラッチギア41、ロータ42及びアクチュエータ43によってプリテンショナ機構40の駆動力伝達機構47が構成されている。
尚、ガスジェネレータ45は、本実施の形態においては2段式のガスジェネレータであり、制御部50からの信号により、1段のみの作動及び2段同時の作動の2つのパターンを選択することができる。
センサ23は、上記の通り、シートベルト15に設けられた面圧センサであり、ここではその記載を省略する。
衝突センサ60は、例えば、実際の衝突を検知するセンサであり、本実施の形態においては、衝突時に車体に発生する衝撃を検知する加速度センサを用いている。加速度センサは、検知した加速度が所定の閾値を超えたときに信号を制御部50に出力する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータである。制御部50は、ROMに記憶させたプログラムをRAM上に展開して対応する処理をCPUに実行させる。
制御部50は、ROMに記憶させた荷重分布算出手段52及び腰部シートベルト位置判定手段54のそれぞれに対応するプログラムをRAM上に展開して対応する処理をCPUに実行させる。尚、上記プログラムはROMに記憶されている場合に限らず、NVRAM(Non−Volatile Randam Access Memory)に記憶されていればよい。
荷重分布算出手段52は、センサ23が検知した荷重(本実施の形態においては、着座者Pの身体からシートベルト15の面に対して垂直方向に付加される荷重に対して略同方向に作用する応力として検知したもの)の腰部シートベルト17の左右架け渡し方向の荷重分布を算出することを目的とするプログラムである。本プログラムがRAM上に展開された場合、CPUはセンサ23が検知した荷重データと腰部シートベルト左右架け渡し方向位置とに基づき、荷重分布を算出する。
以下、荷重分布算出手段52により算出される荷重分布について具体的に説明する。例えば、腰部シートベルトが図1に示す腰部上に左右に架け渡された正常な位置にある場合、図5下に示すように、腰部シートベルト17は図示しない右側のタングプレート25側から、図示右側の腰骨Ph前方に掛け回され、背骨Pbの前方に位置する下腹部付近を通過して図示左側の腰骨Ph前方に掛け回されてシートベルト15の他端15b方向へと延在する。センサ23は、シートベルト15の他端15bから300mm〜1300mmの長さ範囲に存在しているので、腰部シートベルト17が腰部上に左右に架け渡される範囲に亘って存在する。
この状態において、荷重分布は、図5上に示すように、腰部シートベルト17の左右架け渡し方向中央領域Rcを挟んだ左右の腰骨領域Rl及びRrに、それぞれ両側より高い荷重値を示す高荷重部Pl及びPrを含む。一方で、左右架け渡し方向中央領域Rcに、上記高荷重部Pl及びPrに挟まれて該部より低い荷重値を示す低荷重部Lを含む。
これは、図5下に示す通り、腰部シートベルト17が正常な位置にある場合、腰部シートベルト17は着座者Pの腰骨Phに掛け回されるため、腰部シートベルト17の左右架け渡し方向中央領域Rcを挟んだ左右の領域ではセンサ23は腰骨Phからの大きい荷重を受けるからである。
一方、左右架け渡し方向中央領域Rcにおいては、腰部シートベルト17は腰骨Ph間の柔らかな下腹部と当接しているため、センサ23は腰骨Phよりも小さい荷重を受けるからである。
一般に、タングプレート25を起点としてシートベルト15の他端15b方向に向かって200mm〜400mmまでの領域が右側腰骨領域Rr、右側腰骨領域Rrから同方向に向かって100mm〜200mmまでの領域が左右架け渡し方向中央領域Rc、及び左右架け渡し方向中央領域Rcから同方向に向かって200mm〜400mmまでの領域が左側腰骨領域Rlとなる。したがって、これらの領域上に腰部シートベルト17が架け渡される範囲にセンサ23が存在すれば良い。
尚、タングプレート25の位置は、シートベルトの装着時に算出される荷重分布において急峻な単独の荷重ピーク(図示せず)が生じる位置として認識される。よって、CPUは、この急峻な荷重ピークの生じる位置よりもシートベルト15の他端15b側における荷重分布を腰部シートベルト17の左右架け渡し方向の領域として認識し、以下に説明する判定において用いる。
腰部シートベルト位置判定手段54は、荷重分布算出手段52によって得られた荷重分布に基づいて腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置にあるか否かを判定することを目的とするプログラムである。本プログラムがRAM上に展開された場合、CPUは荷重分布算出手段52によって得られた荷重分布を予めROMに記憶された荷重分布パターンと対比し、一致する場合には腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置にあると判定する。
具体的には、図5上に示すように、荷重分布の腰部シートベルト17の左右架け渡し中央領域Rcを挟んだ左右の腰骨領域Rl及びRrに、領域Rl及びRrにおける両側より高い荷重値を示す高荷重部Pl、Prが存在する荷重分布パターンがROMに記憶されており、この荷重分布パターンに荷重分布算出手段52によって得られた荷重分布が一致する場合、腰部シートベルト位置判定手段54は、腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置にあると判定する。
図6上は、腰部シートベルト17が腰骨位置から上方にずれた場合の典型的な荷重分布を示す図である。図6下に示すように、腰部シートベルト17は腰骨Phではなく腹部に掛け回されているので腹部のうち前方に最も突出する部位である左右架け渡し中央領域Rcにその領域Rcにおける両側より高い荷重値を示す高荷重部Pcが発生し、左右の腰骨領域Rl及びRrには高荷重部Pl、Prが発生しない荷重分布となる。
この場合、左右の腰骨領域Rl及びRrにおいては各領域の両側より高い荷重値を示す高荷重部Pl、Prが存在しないので、荷重分布算出手段52によって得られた荷重分布は上記荷重分布パターンとは一致せず、腰部シートベルト位置判定手段54は、腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置に無いと判定する。
以下、シートベルト装置10により実行される制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、車両用シート30に着座した着座者Pの身体上にシートベルト15を通過させてタングプレート25をバックル26に挿入固定させることで制御が開始されると、ステップS101においてセンサ23は腰部シートベルト17の左右架け渡し方向の領域Rl、Rc及びRrで着座者Pから付加される荷重を検知し、制御部50に出力する。
次に、ステップS102において、荷重分布算出手段52はセンサ23により検知された荷重値データと腰部シートベルト左右架け渡し方向位置とに基づき、荷重分布を算出する。
ステップS103では、腰部シートベルト位置判定手段54は、荷重分布算出手段52によって得られた荷重分布に基づいて腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置に無いかどうかを判定する。腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置に無い(YES判定)と判定する場合、ステップS104に移行する。腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置にある(NO判定)と判定する場合、ステップS106に移行する。
ステップS104では、衝突センサ60による衝突の検知を行う。衝突センサ60が衝突を検知した(YES判定)場合、ステップS105に移行する。衝突を検知しない(NO判定)場合、ステップS104にリターンする。
ステップS105では、CPUはガスジェネレータ45を1段のみ作動させる信号をガスジェネレータ45に送り、ガスジェネレータ45は1段のみ作動してクラッチギア41をシートベルト15の巻き取り方向に回動させる。
ステップS106では、衝突センサ60による衝突の検知を行う。衝突センサ60が衝突を検知した(YES判定)場合、ステップS107に移行する。衝突を検知しない場合(NO判定)、ステップS106にリターンする。
ステップS107では、CPUはガスジェネレータ45を2段同時に作動させる信号をガスジェネレータ45に送り、ガスジェネレータ45は2段同時に作動してクラッチギア41をシートベルト15の巻き取り方向に急激に回動させる。
本実施の形態に係るシートベルト装置10によれば、腰部シートベルト15が腰骨位置にある場合は、衝突に対応させて2段同時に作動したガスジェネレータ45の力によって力強くシートベルト15を巻き上げ、着座者Pを車両用シート30に強力に拘束する。尚、この場合、腰部シートベルト17は腰骨Phに掛け回されているので、これにより腹部は保護されている。
一方で、腰部シートベルト17が腰骨位置の上方にずれている場合には、ガスジェネレータ45は一段のみしか作動しないので、シートベルト15の巻き取り力は緩和される。
よって、腰部シートベルト位置判定手段54によって腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置にないと判定される場合、衝突に対応させたプリテンショナ機構40のプリテンション力が弱められ、衝突による衝撃により、腰骨位置よりも上方にずれた腰部シートベルト17から着座者Pの腹部に入力される荷重が、通常にプリテンションを行う場合と比較して低減される。よって、腹部の圧迫が緩和され、腹部傷害のおそれが緩和される。
上記ステップS105においては、ガスジェネレータ45を1段のみ作動させているが、S105においてガスジェネレータ45を作動させない制御としても良い。すなわち、CPUは衝突センサ60からの信号が入力されても、ガスジェネレータ45に信号を送らない。
この制御によれば、腰部シートベルト位置判定手段54によって腰部シートベルト17が着座者Pの腰骨位置にないと判定される場合、衝突に対応させたプリテンショナ機構40によるプリテンションの付与を中止する。よって、衝突による衝撃により、腰骨位置よりも上方にずれた腰部シートベルト17から着座者Pの腹部に付与される荷重が、プリテンションによって張力が付加された腰部シートベルト17によって着座者Pの身体が受け止められる場合と比較して低減され、腹部の圧迫が緩和される。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ロータ42を駆動させる機構としてアクチュエータ43を採用しているが、ロータ42を駆動させる機構として電動式モータを採用しても良い。この構成によれば、ロータ42の矢印200方向への回動量を例えばベルトリール7の軸の回転角度を検知して調整することが可能となる。
そして、プリテンショナ機構の制御においては、ベーン42bがロータシリンダ44の図3(B)に示す基端位置から反対側の終端位置まで移動するよう一度にロータ42をモータによって回動させることが一般的であるが、一旦ベーン42bをロータシリンダ44内の途中位置まで移動させ、次いで終端位置まで2段時間差で移動させる制御としても良い。
この制御によれば、一度にベーン42bが基端位置から終端位置まで移動する場合と比較して衝突に対応させたプリテンショナ機構のプリテンション力を弱めることができ、衝突による衝撃により、腰骨位置よりも上方にずれた腰部シートベルト17から着座者Pの腹部に付与される衝撃が、一度にプリテンションを行う場合と比較して2段にされたことにより緩和され、腹部の圧迫が緩和される。
また、例えば、衝突センサとして衝突を予知する衝突予知センサを用いても良い。衝突予知センサとしては、例えば、ミリ波センサ、レーザセンサ、超音波センサ又は撮像装置等の非接触型距離センサを挙げることができる。
さらに、腰部シートベルト17に設けられるセンサ23は、着座者Pからシートベルト15の面に対して垂直方向に付加される荷重に対して略同方向に作用する応力を検知するセンサであるが、着座者Pからシートベルト15の面に対して垂直方向に付加される荷重を検知する薄型の荷重計をシート20に貼り付ける構成としても良い。
そのうえ、本実施の形態においては、プリテンショナ機構40をシートベルト15の一端15a側では無く他端15b側に設ける構成としても良い。この構成によれば、腰部シートベルト17が腰骨位置にあるときには腰部シートベルト17が直接プリテンショナ機構によって巻き取られることでより強く着座者Pの腰部を車両用シート30に拘束することができる。一方、腰部シートベルト17が腰骨位置よりも上方にずれている場合には上記実施の形態同様にプリテンショナ機構による腹部の圧迫を緩和することが可能となる。
10 シートベルト装置
15 シートベルト
17 腰部シートベルト
23 センサ
30 車両用シート
40 プリテンショナ機構
52 荷重分布算出手段
54 腰部シートベルト位置判定手段

Claims (4)

  1. 車両用シートの着座者の腰部に左右に架け渡して装着される腰部シートベルトと、衝突に対応させて前記腰部シートベルトにプリテンションを付与するプリテンショナ機構と、を有するシートベルト装置において、
    前記シートベルト装置は、
    前記腰部シートベルトに設けられ、前記装着状態における前記着座者から付加される荷重を前記腰部シートベルトの左右架け渡し方向所定領域で検知するセンサと、
    該センサにより検知された前記荷重の前記腰部シートベルトの左右架け渡し方向の荷重分布を算出する荷重分布算出手段と、
    該荷重分布算出手段によって得られた荷重分布に基づいて前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にあるか否かを判定する腰部シートベルト位置判定手段と、を有し、
    該腰部シートベルト位置判定手段の前記判定結果に基づいて前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構の作動を制御することを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記プリテンショナ機構の作動の制御は、前記腰部シートベルト位置判定手段によって前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合には前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にあると判定される場合よりも前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構によるプリテンション力を弱める制御であることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記プリテンショナ機構の作動の制御は、前記腰部シートベルト位置判定手段によって前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合には前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にあると判定される場合よりも前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構によるプリテンションを多段に付与することを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  4. 前記プリテンショナ機構の作動の制御は、前記腰部シートベルト位置判定手段によって前記腰部シートベルトが着座者の腰骨位置にないと判定される場合に前記衝突に対応させた前記プリテンショナ機構によるプリテンションの付与を中止する制御であることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
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