JP6235308B2 - 繊維強化樹脂複合体用強化繊維基材、及びその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた力学物性と耐熱性、難燃性、寸法安定性を兼ね備えた繊維強化樹脂複合体に関するものである。
炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維と樹脂材料からなる繊維強化樹脂複合体は、軽量であり、比強度、比剛性に優れているため、電気・電子用途、土木・建築用途、自動車用途、航空機用途等に広く用いられている。樹脂材料としては、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂が広く知られており、強度や剛性、耐薬品性、性能の再現性(品質)に優れていることから、既に航空機の構造部材やスポーツ分野での採用が進んでいる。その一方で、熱硬化性樹脂は成形サイクルが長く生産歩留まりが悪いこと、成形設備が膨大なものになり易く、大きな初期投資を必要とすること、リサイクルが難しいこと等が課題として挙げられており、より汎用性を高めて自動車、鉄道及び電気・電子等の幅広い分野での採用を目指すためには、技術的な革新が必要であるとされている。
近年では、熱硬化性樹脂材料の問題点である生産性向上、リサイクル性の観点から熱可塑性樹脂材料に注目が集まっている。熱可塑性樹脂材料は、上述の生産性(短時間成形)、リサイクル性の改善に期待が集まる一方で、樹脂自体の粘度が硬化前の熱硬化性樹脂よりも高いことから、強化繊維へ樹脂を含浸させることが比較的難しく、そのための効率の良い方法を見出すことが課題とされている。
繊維強化熱可塑性樹脂複合体の製造は、強化繊維に予め樹脂を含浸させた基材を用い、これら強化繊維基材を材料設計に応じた枚数を積層させ、再度加熱加圧成形する方法が広く知られている。このような強化繊維基材を製造する方法としては、(1)熱可塑性樹脂をパウダー化し、それを強化繊維からなる布帛に塗し、加熱加圧させることにより予め樹脂を強化繊維内部へ含浸させたものを基材とする方法、(2)強化繊維からなる布帛の層間に熱可塑性樹脂からなるフィルム素材を挟み込み、これらを積層させたものを加熱加圧することにより製造する方法、(3)強化繊維からなる布帛へ熱可塑性樹脂を溶解させた溶剤へ含浸させ、該溶剤を揮発除去させることにより熱可塑性樹脂を強化繊維へ担持させたものを基材とする方法、(4)上述(2)と同様の方法であり、強化繊維からなる布帛の層間に前記フィルムの代わりに熱可塑性樹脂からなる不織布を用いる方法等が知られている。
上述(1)の方法では、強化繊維からなる布帛上への熱可塑性樹脂パウダーの均一な塗布が難しく、またパウダーの粒径を揃えることが難しいことから、強化繊維からなる布帛上へ熱可塑性樹脂を均一に配置することが難しく、結果として得られる強化繊維基材の品質も低いものに留まる。更に、該方法で得られる強化繊維基材は加熱加圧されるため、強化繊維中への熱可塑性樹脂の含浸は比較的しっかりと進んでいるものの、結果として板状となり屈曲することができないため、ドレープ性が悪く、複雑な形状への賦形成形が難しいとの問題点を有する。
また、上述(2)の方法は、フィルム形態のものを強化繊維の層間に配置するため、加熱加圧成形時において空気が抜けず成形体中のボイドの原因となり易く、結果として高品質の繊維強化複合体が得られにくいとの問題を有する。また、(1)と同様に、フィルムのドレープ性が悪いために、複雑形状への成形には適さない(例えば、特許文献1)。
更に、上述(3)の方法においては、予め樹脂を強化繊維内へと含浸させるという観点からは、他の方法と比較して優れた方法ではあるが、樹脂を強化繊維に対して高比率で含浸させることが難しい他、十分な含浸を行うためには含浸工程と溶剤を乾燥させる工程を繰り返す必要があり、取り扱い性が悪いとの問題がある。更に有機溶剤を用いることから、成形前には十分に溶剤を乾燥除去させることが必要であり、溶剤除去が不十分な場合には加熱成形時に溶剤が揮発し、結果として成形体内部での発泡、及びそれに伴う物性低下、あるいは溶剤を体内へ吸引する等の人体への影響も懸念される。
上述(4)の方法のような、熱可塑性樹脂素材として不織布を用いる方法もいくつか開示されている。例えば、特許文献2においては、強化繊維からなる布帛上へ溶融状態の熱可塑性樹脂をエアーブローして不織布層を形成し、強化繊維とは界面で接着している繊維基材が開示されている。該方法は、熱可塑性樹脂が不織布形態で強化繊維基材に配置されているため、成形時の樹脂含浸性が良好であり、且つ繊維基材のドレープ性も損なわれていないことから賦形成形性も問題がない。しかしながら、全ての熱可塑性樹脂がエアーブロー成形への適用が可能である訳ではなく、取り分け耐熱性、及び寸法安定性に優れる熱可塑性樹脂は一般的に粘度が高く、エアーブロー成形が困難な場合がある。また、エアーブロー成形を可能とするためには、原料となる熱可塑性樹脂の粘度つまり分子量を下げる必要があるが、このような低分子量の熱可塑性樹脂は、得られる繊維強化樹脂複合体の強度、衝撃性等の物性が低下することが懸念される。
また、特許文献3では複数本の強化繊維束のそれぞれを幅広く薄く開繊させてなる一方向引き揃え強化繊維シートに、熱可塑性樹脂からなる布帛を重ね合わせて加熱しつつ加圧することにより、強化繊維シートへ熱可塑性樹脂を含浸させて得られる強化繊維基材が開示されている。しかしながら、上記技術においては、熱可塑性樹脂を強化繊維へ十分に含浸させる処方としては専ら強化繊維束の開繊技術に依るところが大きく、使用できる強化繊維が限定されるとの問題を有する。
更に、ここで用いられる熱可塑性樹脂からなる布帛を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維として、ポリエーテルイミド系繊維や半芳香族ポリアミド系繊維に関する記述はなく、また、熱可塑性樹脂に関して詳細には記載されておらず、熱可塑性樹脂の繊維化及び布帛化、更には強化繊維への樹脂含浸に最適な熱可塑性樹脂からなる繊維、及び布帛に関して十分に説明がなされているとは言えない。
特開平5−96638号公報 特許第4292994号公報 特許第4324649号公報
上述したように、繊維強化樹脂複合体の用途は多岐に渡ってきている。特に生産性、リサイクル性の観点から注目を集める熱可塑性樹脂材料においては、今後汎用性を高め、自動車、船舶、電気・電子分野へと用途展開させていくためには、高い力学物性を維持しつつ、多様な形状へと成形可能な賦形性を併せ持ち、且つこれらを効率よく、低コストで製造できる技術が求められている。また、安全・安心といった市場ニーズの高まりから、耐熱性や難燃性、寸法安定性等が求められるようになり、それを満足しうる繊維強化樹脂複合体が望まれている。
本発明者らは上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、強化繊維からなる布帛と特定の構成の熱可塑性樹脂からなる繊維の不織布を重ね合わせて強化繊維基材とし、前記繊維基材を積層させて加熱成形することにより、高い力学物性と耐熱性、難燃性、寸法安定性を兼ね備えた熱可塑性樹脂複合体を効率よく、低コストで製造できることを見出した。
すなわち本発明は、強化繊維からなる織物、編み物、及び引き揃え糸シート状物からなる群より選択された少なくとも1つの形態を有する布帛に対して、熱可塑性樹脂からなる繊維のステープルファイバーで構成された不織布を重ね合わせてなる強化繊維基材であって、前記強化繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維が半芳香族ポリアミド系繊維であり、以下の条件を全て満たすことを特徴とする強化繊維基材に関するものである。
(1)前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃以上である。
(2)前記熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)が、結晶性樹脂の場合には結晶融解温度より30℃高い温度において20〜80g/10minであり、非晶性樹脂の場合にはガラス転移温度より120℃高い温度において20〜80g/10minである。
また本発明は、好ましくは前記強化繊維基材を構成する、熱可塑性樹脂からなる繊維の単繊維の平均繊度が0.1〜12dtexであり、且つ前記熱可塑性樹脂からなる繊維で構成された不織布の目付けが5〜500g/m、厚みが0.1〜10mm、及びかさ密度が0.01〜1.0g/cmであることを特徴とする、上記の強化繊維基材に関するものである。
前記半芳香族ポリアミド系繊維が、芳香族ジカルボン酸単位と炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位とからなるポリアミド系樹脂からなることを特徴とする、上記の強化繊維基材であることが好ましい。
前記半芳香族ポリアミド系繊維が、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位及び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とからなるポリアミド系樹脂からなることを特徴とする、上記の強化繊維基材であることが好ましい。
また、好ましくは前記強化繊維基材を構成する強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、メタル繊維からなる群より選択された少なくとも1種で構成されることを特徴とする、上記の強化繊維基材に関するものである。
そして本発明は、好ましくは前記強化繊維基材を、該繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維の流動開始温度よりも高い温度にて加熱加圧成形して得られることを特徴とする、上記の強化繊維基材より得られる繊維強化樹脂複合体に関するものである。
更に好ましくは、前記強化繊維基材を、該繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維の流動開始温度よりも高い温度にて加熱加圧成形して繊維強化樹脂複合体を得る際に、予め該流動開始温度よりも低い温度にて加圧成形し、半含浸状態とすることを特徴とする上記の強化繊維基材より得られる繊維強化樹脂複合体に関するものである。
本発明によれば、優れた力学物性と耐熱性、難燃性、寸法安定性、及び賦形性、低コストでの成形性を兼ね備え、特に高い温度環境下に曝される機会の多い用途に適応される繊維強化樹脂複合体を提供することが可能である。また、本発明の繊維強化樹脂複合体は、特別な加熱成形工程を必要とせず、圧縮成形やGMT成形等の通常の加熱成形工程で安価に製造することができ、更には、目的に応じてその形状も自由に設計可能であり、一般産業資材分野、電気・電子分野、土木・建築分野、航空機・自動車・鉄道・船舶分野、農業資材分野、光学材料分野、医療材料分野等をはじめとして多くの用途に極めて有効に使用することができる。
本発明の強化繊維基材を成形して繊維強化樹脂複合体を得るために用いた金型の模式図。
以下、本発明に関し具体的に説明する。
(熱可塑性樹脂からなる繊維)
本発明で用いられる熱可塑性樹脂からなる繊維(以下、熱可塑性繊維と称することがある)は、力学物性や耐熱性、難燃性、寸法安定性の観点から、該繊維を形成する樹脂のガラス転移温度が100℃以上であることが重要である。一般に、高分子の力学物性は非晶部の分子が動き出すガラス転移温度で大きく落ち込むことがよく知られている。例えば、PETやナイロン6等のような200℃以上の融点を持つ熱可塑性繊維であっても、その力学物性は60〜80℃付近のガラス転移温度で大きく落ち込んでしまうため、耐熱性に優れているとは言い難い。従って、ガラス転移温度が100℃未満の熱可塑性繊維を用いると、得られる繊維強化樹脂複合体の耐熱性が高いとは言えず、実使用に制限がかかるものとなる。本発明で用いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは105℃以上、更に好ましくは110℃以上である。なお、前記ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の測定方法により算出されるものである。
本発明で用いられる熱可塑性繊維を形成する樹脂の粘度は、該樹脂が結晶性樹脂の場合は、結晶融解温度よりも30℃高い温度でのメルトフローレート(MFR)が20〜80g/10minであることが重要であり、また非晶性樹脂の場合には、ガラス転移温度よりも120℃高い温度でのMFRが20〜80/10minであることが重要である。これにより、該熱可塑性繊維を用いて不織布を構成し、強化繊維からなる布帛と重ね合わせて強化繊維基材とし、該繊維基材を積層させ、加熱加圧プレスして熱可塑性樹脂を強化繊維基材へ含浸する際に十分な含浸性を達成することができ、力学物性に優れた繊維強化樹脂複合体が得られる。好ましくは、結晶性樹脂では40〜60g/10minであり、非晶性樹脂では40〜60g/10minである。なお、前記メルトフローレートは、後述する実施例に記載の測定方法により算出されるものである。
また、前記熱可塑性繊維を形成する樹脂の分子量分布は特に制限されるものではないが、得られる繊維強化樹脂複合体の成形性、及び力学物性の均一性を求める観点から、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表記される分子量分布(Mw/Mn)が、2.3以下であることが望ましい。分子量分布が2.3を超える場合には、繊維基材を加熱加圧プレスする際に、樹脂の流動性に斑が生じ、成形斑が起こることから、得られる繊維強化樹脂複合体の外観や力学物性にバラツキが生じるおそれがある。なお、前記重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出することができる。
本発明で用いられる熱可塑性繊維の種類は、上述したガラス転移温度及び粘度(MFR)の条件を満たすものであれば特に制限はないが、例えば、ポリエーテルイミド系繊維、ポリエーテルケトンケトン系繊維、熱可塑性ポリイミド系繊維、半芳香族ポリアミド系繊維、ポリエーテルエーテルケトン系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維、ポリスルフォン系繊維、ポリカーボネート系繊維等が挙げられる。特に、高い耐熱性、難燃性、寸法安定性が要求される航空宇宙、自動車、船舶等の輸送機器分野においては、前記性能に優れるポリエーテルイミド系繊維、ポリエーテルケトンケトン系繊維、熱可塑性ポリイミド系繊維、半芳香族ポリアミド系繊維を好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上の繊維を組み合わせて用いても良い。
本発明で用いられるポリエーテルイミド系繊維は、難燃性及び耐熱性の点から、繊維を構成する樹脂が下記の一般式で表される、脂肪族、脂環族、または芳香族系のエーテル単位と環状イミドを繰り返し単位として含有し、非晶性、溶融成形性を有し、且つガラス転移温度が200℃以上であるポリエーテルイミド系樹脂であることが好ましい。
(式中、R1は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基であり、R2は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、及び2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基を表す。)
本発明においては、ポリエーテルイミド系繊維を構成する樹脂として、非晶性、溶融成形性、コストの観点から、下記式で示される構造単位を主として有する、2、2−ビス[4−(2、3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンとの縮合物がより好ましく使用される。このようなポリエーテルイミド系樹脂は、「ウルテム」の商標でサービックイノベイティブプラスチックス社から市販されている。
また、本発明で用いられるポリエーテルケトンケトン系繊維は、難燃性及び耐熱性の点から、下記の一般式で示され、ガラス転移温度が130℃以上であり、結晶性のポリエーテルケトンケトン系樹脂からなることが好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性ポリイミド系繊維は、難燃性及び耐熱性の点から、下記式で表される繰り返し単位を有する熱可塑性ポリイミド99.9〜50重量%と芳香族ポリエーテルイミド0.1〜50重量%とからなるポリイミド系樹脂からなることが好ましい。このようなポリイミド系樹脂として、例えば特開平3−199234号公報に開示されているものを使用することができる。
(式中、Xは直結、炭素数1ないし10の2価の炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基、またはスルホニル基からなる群より選択された基を表し、またRは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選択された4価の基を表す。)
また、本発明で用いられる半芳香族ポリアミド系繊維は、耐熱性の点から、繊維を構成する半芳香族ポリアミド系樹脂が、芳香族ジカルボン酸単位と炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位とからなるポリアミド系樹脂からなることが好ましく、更には、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位及び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とからなるポリアミド系樹脂からなることが好ましい。このような半芳香族ポリアミド系樹脂は、例えば「ジェネスタ」の商標でクラレ社より市販されている。
本発明で用いる熱可塑性繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、ラジカル抑制剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機物等を含んでいてもよい。かかる無機物の具体例としては、カーボンナノチューブ、フラーレン、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、シリカ、ベントナイト、アルミナシリケート等の珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラック及びシリカ、黒鉛等が用いられる。
本発明で用いる熱可塑性繊維の製造においては、特に限定されるものではなく、公知の溶融紡糸装置を用いることができる。すなわち、溶融押出し機で熱可塑性ポリマーのペレットや粉体を溶融混練し、溶融ポリマーを紡糸筒に導きギヤポンプで計量し、紡糸ノズルから吐出させた糸条を巻き取ることで得られる。その際の引取り速度は特に限定されるものではないが、紡糸線上で分子配向が起こると好ましくないので、500〜4000m/分の範囲で引き取ることが好ましい。500m/分未満では生産性の点からは好ましくなく、一方、4000m/分を超えるような高速では、高温時の収縮を引き起こすに足る分子配向が進むばかりでなく、繊維の断糸が起こりやすくなるので好ましくない。
本発明の熱可塑性繊維の製造においては、繊維強化樹脂複合体の製造工程での工程通過性や得られる複合体の寸法安定性を確保するために、延伸工程を施さないことが好ましい。従来の繊維製造工程で実施されるような延伸を施すと、加熱成形時に、分子運動の増大に起因するエントロピー収縮が起こり、熱可塑性繊維が大きな収縮を伴うことになり、強化繊維基材を加熱成形する際の工程通過性を悪化させ、得られた複合体の外観不良等を引き起こす懸念がある。
本発明で用いる熱可塑性繊維の単繊維の平均繊度は、0.1〜12dtexであることが好ましい。力学物性の優れた、且つ均一な品質の繊維強化樹脂複合体を得るためには、前駆体となる強化繊維基材中の熱可塑性繊維からなる不織布は目付け、及び厚みが均一なものであることが望ましい。平均繊度が小さいほど、不織布を構成する熱可塑性繊維の本数が多くなり、均一な不織布を得ることができる。更に、不織布を構成する熱可塑性繊維の表面積が大きくなることから、その後の熱プレス成形において熱可塑性繊維が溶融しやすい状態となり、強化繊維への樹脂含浸性が向上することから望ましい。但し、平均繊度が0.1dtexより小さいと、不織布製造工程において絡まったりして、均一な品質の不織布を得られない可能性がある。一方で、平均繊度が12dtexより大きい場合、不織布を構成する熱可塑性繊維の本数が少なすぎ、均一な不織布が得られない可能性がある。熱可塑性繊維の平均繊度は、より好ましくは0.2〜9dtex、更に好ましくは0.3〜8dtexである。
本発明で用いる熱可塑性繊維の単繊維の平均繊維長は、0.5〜60mmであることが好ましい。平均繊維長が0.5mmより小さい場合、不織布製造過程で繊維が脱落したり、また、特に湿式抄紙で不織布を製造する場合に、工程中での濾水性が悪くなったりする等、工程通過性を大幅に悪化させる可能性があるので好ましくない。平均繊維長が60mmより大きい場合、不織布製造工程において熱可塑性繊維が絡まる等して工程通過性が悪くなる可能性があるので好ましくない。より好ましくは1〜55mm、更に好ましくは3〜50mmである。なお、本発明で用いる熱可塑性繊維の断面形状に関しても特に制限はなく、円形、中空、扁平、あるいは星型等異型断面であってもかまわない。ここで用いられる繊維は、例えば、ショートカットファイバー、ステープルファイバー等の形態で用いてよく、不織布製造において適当な繊維形態を自由に選択することができる。
(熱可塑性繊維からなる不織布)
本発明の熱可塑性繊維からなる不織布の製造方法は特に限定はなく、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、スチームジェット不織布、乾式抄紙法、湿式抄紙法等が挙げられる。本発明の不織布には、ポリビニルアルコール系繊維等の水溶性ポリマー繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊維等の熱融着繊維、パラ系アラミド繊維や全芳香族ポリエステル系繊維のパルプ状物)等を含んでいてもよい。また、紙の均一性や圧着性を高めるために、スプレードライによるバインダーを塗布したり、熱プレス工程を加えたりしてもよい。
本発明の熱可塑性繊維からなる不織布の目付は、5〜500g/mであることが好ましい。目付が5g/mより小さい場合、地合斑が大きくなり、また工程通過性が悪化するので好ましくない。目付けが500g/mより大きい場合も、同様な理由で好ましくない。より好ましくは6〜300g/mであり、更に好ましくは7〜200g/mである。
また、本発明の熱可塑性繊維からなる不織布の厚みは、0.1〜10mmであることが好ましい。厚みが0.1mm未満の場合には、地合斑が大きくなる他、不織布が破れる、あるいはひび割れる等の問題が生じ、工程通過性が悪化するため好ましくない。また、厚みが10mmよりも大きい場合には、地合斑の問題の他、成形時に基材を金型へと設置する際の操作性が極めて悪くなる等の問題が生じる。より好ましくは1〜7mm、更に好ましくは1〜5mmである。
更に、本発明の熱可塑性繊維からなる不織布のかさ密度は、0.01〜1.0g/cmであることが好ましい。かさ密度が0.01g/cm未満の場合には、不織布が嵩高となるため成形時の操作性が悪くなる、あるいは不織布に穴が開く、破れる等の問題の発生することが懸念される。またかさ密度が1.0g/cmを超える場合には、不織布が板状に近いものとなり、金型形状によっては賦形できない等の問題が生じる。
(強化繊維)
本発明で用いる強化繊維については、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、有機繊維であっても無機繊維であってもよく、また、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維、玄武岩繊維、各種メタル繊維(例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、チタン、ステンレス等)を例示することができ、また、有機繊維としては、全芳香族ポリエステル系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリスルフォンアミド繊維、フェノール樹脂繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維等を例示することができる。
これらの強化繊維のうち、力学物性や難燃性、耐熱性、入手のし易さの点から、炭素繊維、ガラス繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、メタル繊維が好適に用いられる。
(強化繊維基材、及び繊維強化樹脂複合体)
本発明の繊維強化樹脂複合体は、前記強化繊維からなる織物、編み物、及び引き揃え糸シート状物からなる群より選択された少なくとも1つの形態を有する布帛に対して、前記熱可塑性繊維で構成された不織布を重ね合わせてなる強化繊維基材を用いることが重要である。好ましくは、前記強化繊維基材を一枚ないしは複数枚積層して、該熱可塑性繊維の流動開始温度以上の温度で加熱加圧成形することで繊維強化樹脂複合体を得ることができる。
加熱加圧成形方法については特に制限はなく、スタンパブル成形や加圧成形、真空圧着成形、GMT成形のような一般的な圧縮成形が好適に用いられる。その時の成形温度は用いる熱可塑性繊維の流動開始温度や分解温度に併せて設定すればよい。例えば、熱可塑性繊維が結晶性樹脂からなる場合、成形温度は熱可塑性繊維の融点以上、(融点+100℃)以下の範囲であることが好ましい。また、熱可塑性繊維が非晶性樹脂からなる場合、成形温度は熱可塑性繊維のガラス転移温度以上、(ガラス転移温度+200℃)以下の範囲であることが好ましい。
加熱加圧成形する際の圧力も特に制限はないが、通常は0.05N/mm以上の圧力で行われる。加熱加圧成形する際の時間も特に制限はないが、長時間高温に曝すとポリマーが劣化してしまう可能性があるので、通常は30分間以内であることが好ましい。また、得られる繊維強化樹脂複合体の厚さや密度は、強化繊維の種類や加える圧力で適宜設定可能である。更には、得られる繊維強化樹脂複合体の形状にも特に制限は無く、適宜設定可能である。目的に応じて、仕様の異なる熱可塑性繊維からなる不織布、あるいは強化繊維基材を複数枚積層したり、あるいはある大きさの金型の中に別々に配置したりして、加熱加圧成形することも可能である。場合によっては、他の強化繊維織物や繊維強化樹脂複合体と併せて成形することもできる。そして、目的に応じて、一度加熱加圧成形して得られた繊維強化樹脂複合体を、再度加熱加圧成形することも可能である。
また、本発明の繊維強化樹脂複合体は、前記強化繊維基材を、該繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維の流動開始温度よりも高い温度にて加熱加圧成形する際に、予め該流動開始温度よりも低い温度にて加圧成形し、半含浸状態としてから得られる複合体であることが、賦形成形性の点から好ましい。
前記繊維強化樹脂複合体は、24℃での曲げ強度と曲げ弾性率がそれぞれ150MPa以上、及び5GPa以上であることが好ましい。曲げ強度と曲げ弾性率がそれぞれ150MPa、及び5GPaより小さい場合、使用が限られるので好ましくない。好ましくは、曲げ強度と弾性率がそれぞれ160MPa以上、及び5.5GPa以上であり、更に好ましくは170MPa以上、及び6GPa以上である。
また、本発明の繊維強化樹脂複合体は、その密度が2.00g/cm以下であることが好ましい。密度が2.00g/mより大きいと、軽量化に資する繊維強化樹脂複合体とは言えず、用途が限られる場合がある。より好ましくは1.95g/cm以下、更に好ましくは1.90g/cm以下である。
更に、本発明の繊維強化樹脂複合体は、その厚みが0.5mm以上であることが好ましい。0.5mmより薄い場合、得られる繊維強化樹脂複合体の強力が低くなったり、生産コストが高くなったりするため好ましくない。好ましくは、0.7mm以上、より好ましくは1mm以上である。
本発明の繊維強化樹脂複合体は、優れた力学物性と耐熱性、難燃性、寸法安定性、成形性を兼ね備えているだけでなく、特別な工程を必要とせず安価に製造できることから、例えば、パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、デジタルビデオカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、玩具用品、その他家電製品等の筐体、トレイ、シャーシ、内装部材、またはそのケース等の電気・電子機器部品、支柱、パネル、補強材等の土木、建材用部品、各種メンバ、各種フレーム、各種ヒンジ、各種アーム、各種車軸、各種車輪用軸受、各種ビーム、各種ピラー、各種メンバ、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、各種レール、各種ヒンジ等の、外板、またはボディー部品、バンパー、モール、アンダーカバー、エンジンカバー、整流板、スポイラー、カウルルーバー、エアロパーツ等外装部品、インストルメントパネル、シートフレーム、ドアトリム、ピラートリム、ハンドル、各種モジュール等の内装部品、またはモーター部品、CNGタンク、ガソリンタンク、燃料ポンプ、エアーインテーク、インテークマニホールド、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、各種配管、各種バルブ等の燃料系、排気系、または吸気系部品等の自動車、二輪車用構造部品、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ等の航空機用部品に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例により何等限定されるものではない。なお、以下の実施例において、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をはじめとする各項目は、下記の方法により測定したものを示す。
[ガラス転移温度 ℃]
熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、レオロジ社製の固体動的粘弾性装置「レオスペクトラDVE−V4」を用い、周波数10Hz、昇温速度10℃/minで損失正接(tanδ)の温度依存性を測定し、そのピーク温度から求めた。ここで、tanδのピーク温度とは、tanδの値の温度に対する変化量の第1次微分値がゼロとなる温度のことである。
[MFR g/10min]
熱可塑性樹脂のMFRは、テクノセブン社製の「メルトインデクサー L244−2531」を用い、結晶性樹脂の場合には結晶融解温度より30℃高い温度において、非晶性樹脂の場合にはガラス転移温度より120℃高い温度において、ノズル径2.095mmφ、荷重6.66kg、10分間における吐出量を測定することにより算出した。
[分子量分布(Mw/Mn)]
熱可塑性樹脂の分子量分布は、Waters社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、1500ALC/GPC(ポリスチレン換算)を用いて測定した。クロロホルムを溶媒として、0.2重量%となるように試料を溶解した後、ろ過して測定に供した。得られた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比から、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
[平均繊度 dtex]
熱可塑性繊維のマルチフィラメントから無作為に100本抜き出し、それぞれの繊度を測定し、単繊維の平均繊度を求めた。
[平均繊維長 mm]
熱可塑性繊維のカット糸から無作為に100本抜き出し、それぞれの繊維長を測定し、平均繊維長を求めた。
[目付 g/m、厚み mm、かさ密度 g/m
熱可塑性繊維からなる不織布に関して、JIS L1913試験法に準じて測定し、n=3の平均値を採用した。
[曲げ強度 MPa、曲げ弾性率 GPa]
繊維強化樹脂複合体に関して、24℃ならびに100℃における曲げ強度ならびに曲げ弾性率は、ASTM790に準拠して測定した。
[難燃性]
繊維強化樹脂複合体の難燃性は、UL94 V規格の方法に準拠して測定した。
[含浸性]
強化繊維基材の含浸性に関する評価は、繊維強化樹脂複合体の断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面中にボイドが占める面積比率により以下の通り3段階で評価した。
○:ボイドが占める面積が10%未満
△:ボイドが占める面積が10%以上30%未満
×:ボイドが占める面積が30%以上
[賦形成形性]
強化繊維基材の賦形成形性に関し、図1のような金型を用いて成形した際に、得られる繊維強化樹脂複合体の外観を観察することにより、以下の観点から3段階で評価した。
○:外観に皺等が見られず、良好である。
△:一部外観に皺等が見られる。
×:一部外観に穴等が見られ、不良である。
[参考例1]
(1)非晶性樹脂であるポリエーテルイミド(以下、PEIと略称することがある)系ポリマー(サービックイノベイティブプラスチックス社製「ULTEM9001」)を150℃で12時間真空乾燥した。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は217℃であり、MFRは、337℃(前記ガラス転移温度より120℃高い)で42g/10minであった。
(2)上記(1)のポリマーを紡糸ヘッド温度390℃、紡糸速度1500m/分、吐出量50g/分の条件で丸孔ノズルより吐出し、2640dtex/1200fのPEI系繊維のマルチフィラメントを得た。次いで、得られた繊維を捲縮加工した後、長さを51mmにカットし、ステープルファイバーを得た。
(3)得られた繊維の外観は毛羽等なく良好で、単繊維の平均繊度は2.2dtex、平均繊維長は51.1mmであった。
(4)得られたステープルファイバーをスパンレース法により布帛化し、190℃でロールプレスすることにより、目付け100g/m、厚み0.5mm、かさ密度0.2g/cmのPEI系繊維からなる不織布を得た。
(5)強化繊維からなる布帛としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、上記(4)で得られたPEI系繊維からなる不織布を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2400g/m)、PEI系繊維が全て溶ける温度である360℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。なお、該複合体における強化繊維と熱可塑性樹脂の重量比率は1:1である。
(6)得られた複合体の外観は良好であり、また複合体断面内のボイドも殆ど観測されず、含浸性に優れる結果となった。室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、710MPa、41.7GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、570MPa、33.8GPaで、その保持率はそれぞれ、80%、81%となり、耐熱性に優れるものであった。また、難燃性はUL94V−0規格に合格した。
(7)(5)と同様の繊維基材を用いて図1に示す金型にて賦形成形を実施した。得られた繊維強化樹脂複合体は目立った皺や基材の目ズレ等も起こっておらず、外観は良好で賦形成形性に優れるものであった。
[参考例2]
参考例1の(4)の不織布に関して、目付け40g/m、厚み0.2mm、かさ密度0.2g/cmとし、且つ(5)の複合体に関して、重量比率(強化繊維:熱可塑性樹脂)が1:2.5となるように強化繊維基材を積層させたこと以外は、参考例1と同様な方法で繊維強化樹脂複合体を得た。得られた複合体の外観は良好であり、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、990MPa、58.4GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、832MPa、50.2GPaで、その保持率はそれぞれ、84%、86%となり、耐熱性に優れるものであった。また、難燃性はUL94V−0規格に合格し、含浸性、及び賦形成形性にも優れるものであった。
[参考例3]
参考例1の(5)の強化繊維からなる布帛に関して、ガラス繊維織物(ユニチカ社製「M205K104H:200g/m」としたこと以外は参考例1と同様な方法で繊維強化樹脂複合体を得た。得られた複合体の外観は良好であり、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、550MPa、19.1GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、440MPa、15.5GPaで、その保持率はそれぞれ、80%、81%となり、耐熱性に優れるものであった。また、難燃性はUL94V−0規格に合格し、含浸性、及び賦形成形性にも優れるものであった。
[実施例
(1)結晶性樹脂である半芳香族ポリアミド系ポリマー(クラレ社製「ジェネスタPA9MT」)を80℃で12時間真空乾燥した。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は125℃、結晶融解温度は262℃であり、MFRは、292℃(記結晶融解温度より30℃高い)で30g/10minであった。
(2)上記(1)のポリマーを紡糸ヘッド温度310℃、紡糸速度1500m/分、吐出量50g/分の条件で丸孔ノズルより吐出し、半芳香族ポリアミド系繊維のマルチフィラメントを得た。次いで、得られた繊維に捲縮加工を施し、長さを51mmにカットしてステープルファイバーを得た。
(3)得られた繊維の外観は毛羽等なく良好で、単繊維の平均繊度は0.7dtex、平均繊維長は51.2mmであった。
(4)得られたステープルファイバーをスパンレース法により布帛化し、150℃でロールプレスすることにより、目付け100g/m、厚み0.5mm、かさ密度0.2g/cmの半芳香族ポリアミド系繊維からなる不織布を得た。
(5)強化繊維からなる布帛としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、上記(4)で得られた半芳香族ポリアミド系繊維からなる不織布を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。
該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2400g/m)、半芳香族ポリアミド系繊維が全て溶ける温度である320℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。
(6)得られた複合体の外観は良好であり、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、600MPa、48.3GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、498MPa、40.6GPaで、その保持率はそれぞれ、83%、84%となり、耐熱性に優れるものであった。一方、半芳香族ポリアミド系樹脂が難燃性を有しないため、UL94V−0規格には合格しなかったが、含浸性、及び賦形成形性には優れるものであった。
[参考例4]
(1)結晶性樹脂であるポリエーテルケトンケトン(以下、PEKKと略称することがある)系ポリマー(アルケマ社製「8000番シリーズ」)を80℃で12時間真空乾燥した。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は160℃、結晶融解温度は305℃であり、MFR、335℃(前記結晶融解温度より30℃高い)で50g/10minであった。
(2)上記(1)のポリマーを紡糸ヘッド温度370℃、紡糸速度1500m/分、吐出量50g/分の条件で丸孔ノズルより吐出し、PEKK系繊維のマルチフィラメントを得た。次いで、得られた繊維に捲縮加工を施し、長さを51mmにカットしてステープルファイバーを得た。
(3)得られた繊維の外観は毛羽等なく良好で、単繊維の平均繊度は5.0dtex、平均繊維長は51.1mmであった。
(4)ステープルファイバーをスパンレース法により布帛化し、190℃でロールプレスすることにより、目付け100g/m、厚み0.5m、かさ密度0.2g/cmのPEKK系繊維からなる不織布を得た。
(5)強化繊維からなる布帛としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101: 3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、上記(4)で得られたPEKK系繊維からなる不織布を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2400g/m)、PEKK系繊維が全て溶ける温度である390℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。
(6)得られた複合体の外観は良好であり、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、730MPa、42.5GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、621MPa、36.1GPaで、その保持率はそれぞれ、85%、85%となり、耐熱性に優れるものであった。また、難燃性はUL94V−0規格に合格し、含浸性、及び賦形成形性にも優れるものであった。
[参考例5]
(1)結晶性樹脂である熱可塑性ポリイミド系ポリマー(三井化学社製「PL450C」)を80℃で12時間真空乾燥した。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は250℃、結晶融解温度は387℃であり、MFRは、417℃(前記結晶融解温度より30℃高い)で55g/10minであった。
(2)上記(1)のポリマーを紡糸ヘッド温度420℃、紡糸速度1500m/分、吐出量50g/分の条件で丸孔ノズルより吐出し、熱可塑性ポリイミド系繊維のマルチフィラメントを得た。次いで、得られた繊維に捲縮加工を施し、長さを51mmにカットしてステープルファイバーを得た。
(3)得られた繊維の外観は毛羽等なく良好で、単繊維の平均繊度は5.6dtex、平均繊維長は51.1mmであった。
(4)上記(3)で得られた繊維ステープルファイバーをスパンレース法により布帛化し、190℃でロールプレスすることにより、目付け100g/m、厚み0.5mm、かさ密度0.2g/cmの熱可塑性ポリイミド系繊維からなる不織布を得た。
(5)強化繊維基材としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、上記(4)で得られた熱可塑性ポリイミド系繊維からなる不織布を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2400g/m)、熱可塑性ポリイミド系繊維が全て溶ける温度である400℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。
(6)得られた複合体の外観は良好であり、成形時の操作性にも優れていた。室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、650MPa、41.5GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、585MPa、36.9GPaで、その保持率はそれぞれ、90%、89%となり、耐熱性に優れるものであった。また、難燃性はUL94V−0規格に合格し、含浸性、及び賦形成形性にも優れるものであった。
[参考例6]
(1)参考例1のポリエーテルイミド系ポリマーを、より粘度の低い樹脂(サービックイノベイティブプラスチックス社製「ULTEM1040」)としたこと以外は、参考例1と同様の方法にて目付け100g/m、厚み0.5mm、かさ密度0.2g/cmのPEI系繊維からなる不織布を得た。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は217℃で、MFRは337℃(前記ガラス転移温度より120℃高い)で105g/10minであった。
(2)強化繊維基材としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、上記(1)で得られたPEI系繊維からなる不織布を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2400g/m)、PEI系繊維が全て溶ける温度である360℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。
(3)得られた複合体の外観は良好であり、また複合体断面内のボイドも殆ど観測されなかった。しかし、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、560MPa、39.1GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、420MPa、30.1GPaで、その保持率がそれぞれ75%、77%となり、力学物性に劣るものであった。一方、難燃性はUL94V−0規格に合格した。
(4)(2)と同様の繊維基材を用いて図1に示す金型にて賦形成形を実施した。得られた繊維強化樹脂複合体は、目立った皺や基材の目ズレ等も起こっておらず、賦形成形性の点では問題ないが、前述したように、用いる樹脂の粘度が低いために力学物性に劣るものであった。
[参考例7]
(1)強化繊維基材としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、PEI系樹脂からなるフィルム(住友ベークライト社製「スミライトFS−1450:厚み75μm」)を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2340g/m)、PEI系フィルムが全て溶ける温度である360℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。なお、ここで用いた樹脂のガラス転移温度は217℃、MFRは、337℃(前記ガラス転移温度より120℃高い)で42g/10minであった。
(2)得られた複合体の外観は良好であったが、複合体断面中に確認できるボイドが観測され、含浸性に劣る結果であった。また、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、610MPa、38.1GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ、476MPa、30.1GPaで、その保持率がそれぞれ78%、79%となり、力学物性に劣るものであった。一方、難燃性はUL94V−0規格に合格した。
(3)(1)と同様の繊維基材を用いて図1に示す金型にて賦形成形を実施した。得られた繊維強化樹脂複合体はやや皺や繊維基材のズレ等が起こり、外観不良が発生し、賦形成形性に劣るものであった。
[参考例8]
(1)強化繊維基材としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」に、予め粉砕し、平均粒径が80μmであるPEI系パウダーを塗し、それを熱プレス成形機により300℃で3分間プレス成形し、強化繊維基材を作成した。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は217℃で、MFRは337℃(前記ガラス転移温度より120℃高い)で42g/10minであった。この強化繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=3050g/m)、PEI系パウダーが全て溶ける温度である360℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。成形時における基材の設置等の操作性は良好であった。
(2)得られた複合体の外観は良好であったが、成形品断面中に確認できるボイドが観測され、含浸性に劣る結果となった。室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ600MPa、37.5GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ462MPa、28.9GPaであり、その保持率がそれぞれ77%、77%となり、力学物性に劣るものであった。一方、難燃性はUL94V−0規格に合格した。
(3)図1に示す金型にて賦形成形を実施したところ、成形品外観に皺が確認され、賦形成形性に劣るものであった。
[比較例
(1)結晶性樹脂であるポリアミド系ポリマー(宇部興産社製「UBEナイロン6」)を90℃で12時間真空乾燥した。ここで用いた樹脂のガラス転移温度は48℃、結晶融解温度は225℃であり、MFRは、255℃(前記結晶融解温度より30℃高い)で40g/10minであった。
(2)上記(1)のポリマーを紡糸ヘッド温度230℃、紡糸速度3000m/分、吐出量25g/分の条件で丸孔ノズルより吐出し、ポリアミド系繊維のマルチフィラメントを得た。次いで、得られた繊維に捲縮加工を施し、長さを51mmにカットしてステープルファイバーを得た。
(3)得られた繊維の外観は毛羽等なく良好で、単繊維の平均繊度は3.0dtex、平均繊維長は51.0mmであった。
(4)上記(3)で得られた繊維ステープルファイバーをスパンレース法により布帛化し、150℃でロールプレスすることにより、目付け100g/m、厚み0.5mm、かさ密度0.2g/cmのポリアミド系繊維からなる不織布を得た。
(5)強化繊維基材としての炭素繊維織物(東邦テナックス社製「W−3101:3K織物、200g/m目付け」の上下両面に、上記(4)で得られたポリアミド系繊維からなる不織布を重ね合わせたものを1セットとして強化繊維基材を得た。該繊維基材を6枚積層させた後(総目付け=2400g/m)、ポリアミド系繊維が全て溶ける温度である250℃で3分間圧縮成形して平板を成形し、繊維強化樹脂複合体を得た。
(6)得られた複合体の外観は良好であり、また、含浸性、及び賦形成形性にも優れるものであった。しかし、室温での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ620MPa、45.0GPa、100℃での曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ267MPa、18.0GPaで、その保持率はそれぞれ、43%、40%となり、耐熱性に大きく劣るものであった。更に、難燃性についてはUL94V−0規格に合格しなかった。
本発明によれば、優れた力学物性と耐熱性、難燃性、寸法安定性、成形性を兼ね備え、特に高い温度環境下に曝される機会の多い用途に適用される繊維強化樹脂複合体を提供することが可能である。また本発明の繊維強化樹脂複合体は、特別な加熱成形工程を必要とせず圧縮成形やGMT成形等の通常の加熱成形工程で安価に製造することができ、更には、目的に応じてその形状も自由に設計可能であり、一般産業資材分野、電気・電子分野、土木・建築分野、航空機・自動車・鉄道・船舶分野、農業資材分野、光学材料分野、医療材料分野等をはじめとして多くの用途に極めて有効に使用することができる。
1:金型の型枠
2:金型の上蓋

Claims (7)

  1. 強化繊維からなる織物、編み物、及び引き揃え糸シート状物からなる群より選択された少なくとも1つの形態を有する布帛に対して、熱可塑性樹脂からなる繊維のステープルファイバーで構成された不織布を重ね合わせてなる強化繊維基材であって、前記強化繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維が半芳香族ポリアミド系繊維であり、以下の条件を全て満たすことを特徴とする強化繊維基材。
    (1)前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃以上である。
    (2)前記熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)が、結晶性樹脂の場合には結晶融解温度より30℃高い温度において20〜80g/10minであり、非晶性樹脂の場合にはガラス転移温度より120℃高い温度において20〜80g/10minである。
  2. 前記強化繊維基材を構成する、熱可塑性樹脂からなる繊維の単繊維の平均繊度が0.1〜12dtexであり、且つ前記熱可塑性樹脂からなる繊維で構成された不織布の目付けが5〜500g/m、厚みが0.1〜10mm、及びかさ密度が0.01〜1.0g/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
  3. 前記半芳香族ポリアミド系繊維が、芳香族ジカルボン酸単位と炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位とからなるポリアミド系樹脂からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の強化繊維基材。
  4. 前記半芳香族ポリアミド系繊維が、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位及び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とからなるポリアミド系樹脂からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の強化繊維基材。
  5. 前記強化繊維基材を構成する強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、メタル繊維からなる群より選択された少なくとも1種で構成されることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の強化繊維基材。
  6. 前記強化繊維基材を、該繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維の流動開始温度よりも高い温度にて加熱加圧成形して得られることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の強化繊維基材より得られる繊維強化樹脂複合体。
  7. 前記強化繊維基材を、該繊維基材を構成する熱可塑性樹脂からなる繊維の流動開始温度よりも高い温度にて加熱加圧成形して繊維強化樹脂複合体を得る際に、予め該流動開始温度よりも低い温度にて加圧成形し、半含浸状態とすることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の強化繊維基材より得られる繊維強化樹脂複合体。
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