JP6234061B2 - ベローズ型管継手 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製のベローズを有するベローズ型管継手に関するものであり、詳しくは、放射光施設における粒子加速器などを構成する真空ビームダクト(又は真空チャンバー)の連結部に好適に使用されるベローズ型管継手に関する。
SPring−8(財団法人高輝度光科学研究センター)や、大強度陽子加速器計画(日本原子力研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構)における3GeVシンクロトロンなどの粒子加速器は、超真空に維持された真空ビームダクト内において荷電粒子を高周波(RF)により光速に近いスピードまで加速するものである。この真空ビームダクトは、通常、環状に構築され、例えばアルミニウム合金などからなる加速管(ビームパイプ)を多数環状に連結することで形成される。
多数の加速管の連結には、加速管同士の連結作業を容易にし、かつ、真空ビームダクトの長手方向の熱伸縮を吸収するために、金属製のベローズを有するベローズ型管継手が用いられる。
ここで、ベローズの内周面の凹凸を真空ビームダクト内に露出させてしまうと、この凹凸による段差によってダクト内面の連続性が損なわれてダクト内径が急激に変化してしまう結果、ビームインピーダンスが増大して、真空ビームダクト内のビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)が発生するなど、真空ビームダクト内を一方向に流れる荷電粒子を加速するのに悪影響を及ぼしてしまう。そのため、ベローズの内周面を金属製の筒状体で覆うことで、真空ビームダクト内を流れる荷電粒子の加速への影響を低減するようにした、RF(Radio Frequency)コンタクト付きベローズと称される特殊なベローズ型管継手が用いられている(例えば特許文献1〜3を参照)。
図8は、RFコンタクト付きベローズの内部構造を示している。RFコンタクト付きベローズ100は2つのフランジ部材101,102を有しており、ベローズ103は2つのフランジ部材101,102の間で固定されている。ベローズ103の内周面には、RFコンタクト104と称される導電性及び弾性を有する金属薄板からなる筒状体が配置され、ベローズ103の内周面の凹凸が真空ビームダクト内に露出しないように覆われている。これにより、ベローズ103の凹凸の段差によってダクト内面の連続性が損なわれてダクト内径が急激に変化することが防止されている。なお、RFコンタクト104は、図示例ではテーパ状を呈していて、この部分においてダクト内径が変化しているが、単なる円筒状を呈していてもよい。
RFコンタクト104の一方の端部104aはフランジ部材102に固定され、他方の端部104bは、多数の切り込み108が形成されることによって多数のフィンガー106に分割されている。多数のフィンガー106は、片持ち状の板バネとして弾性変形可能である。フランジ部材101からは内筒107が張り出しており、フィンガー106の先端部は、この内筒107の外周面に適度な接触圧をもって当接する。そして、ベローズ103が温度変化などにより伸縮した場合には、フィンガー106が弾性変形しながら内筒107と接触した状態で移動する。よって、ベローズ103の伸縮性が損なわれることなくベローズ103の内周面の凹凸は覆われるとともに、かつ、2つのフランジ部材101,102が電気的に接続されて、発生する壁電流を問題なく流すことができる。
特開平6−68987号公報 特開2004−55399号公報 実用新案登録第3101173号公報
しかしながら、上記構成のRFコンタクト付きベローズ100では、2つのフランジ部材101,102の電気的な接続を良好に保たなければならないために、フィンガー106の先端部を内筒107に対して常に所定の接触圧にて接触させる必要がある。そのため、個々のフィンガー106について、その形状、板厚のばらつき、弾性力のばらつき、組立て寸法のばらつきなど、接触圧に影響する全ての要素を厳しく管理する必要がある。例えば、フィンガー106は、1枚の薄い金属板に多数のスリットを入れることによって櫛のような一体構造として形成されているが、スリットによって分けられた個々のフィンガー106が規定の復元力を有しているかどうか、1つ1つ検査する必要がある。また、そのために、もとの金属板も1枚ずつ測定しなければならない。さらには、両側のフランジ部材101,102の偏心など、継手全体の組立ても、フィンガー106の接触圧に影響するため、部品精度や組立て精度が求められる。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、従来のRFコンタクト付きベローズが有する課題を解消し得る、新たな構造を有するベローズ型管継手を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、複数の管を連結するためのベローズ型管継手であって、一対のフランジ部材と、前記一対のフランジ部材に両端が固定され、前記一対のフランジ部材を伸縮可能に連結する筒状かつ金属製のベローズと、前記ベローズの内周面を覆うように配置される筒状かつ金属製の編組体と、を備え、前記編組体は、内周面が前記一対のフランジ部材の内周面とほぼ段差がなく接続されるように、前記一対のフランジ部材に固定されているベローズ型管継手によって達成される。
上記構成のベローズ型管継手において、「ほぼ段差がなく接続される」とは、編組体の内周面と各フランジ部材の内周面とが、段差なく連続的(面一)に連なるように接続されていることに加え、僅かな段差が発生していることを許容するものである。許容される段差の高さとしては、原則、5.0mm以下とする必要がある。ただし、この段差の高さは、加速器の種類、つまりは、加速される荷電粒子(素粒子)により異なり、例えば陽子を加速する粒子通路の内径が300mm〜500mm程度の加速器であれば、段差の高さは上記した5.0mm以下とすることが好ましいが、例えば電子を加速する粒子通路の内径が50mm程度の加速器であれば、段差の高さを0.1mm以下とすることが好ましい。
上記構成のベローズ型管継手の好ましい実施態様においては、前記編組体の両端部には、口金がそれぞれ取り付けられ、前記口金を介して前記編組体が前記一対のフランジ部材に固定されており、前記口金は、前記編組体の内周面に取り付けられた筒状の内側リングを少なくとも備え、前記内側リングは、前記編組体の内部に向けて裾広がりとなるように、内周面の少なくとも一部がテーパ面とされている。この実施態様においては、内側リングは、その内周面がフランジ部材の内周面と段差なく連続的(面一)に連なるように、フランジ部材に固定されるのが好ましい。これにより、上記した段差は、編組体と内側リングとの境界となる内側リングの先端部(編組体の内部に挿入されている側の端部)に形成されるが、内側リングの厚みは内側リングの先端部にいくにしたがって薄くなって、内側リングの内周面と編組体の内周面とがほぼ連続的(面一)に連なるので、編組体の内周面をフランジ部材の内周面とほぼ段差なく接続することが可能になる。また、前記内側リングの前記編組体の内部に挿入された側の端部の厚みは、原則、5.0mm以下となるようにテーパ面が形成される必要がある。ただし、このテーパ面の高さは、加速器の種類、つまりは、加速される荷電粒子(素粒子)により異なり、例えば陽子を加速する粒子通路の内径が300mm〜500mm程度の加速器であれば、テーパ面の高さは上記した5.0mm以下であることが好ましいが、例えば電子を加速する粒子通路の内径が50mm程度の加速器であれば、テーパ面の高さを0.1mm以下とすることが好ましい。
上記構成のベローズ型管継手の他の好ましい実施態様においては、前記編組体の両端部には、口金がそれぞれ取り付けられ、前記口金を介して前記編組体が前記一対のフランジ部材に固定されており、前記口金は、前記編組体の内周面に取り付けられた筒状の内側リングを少なくとも備え、前記内側リングは、厚みが5.0mm以下である。この実施態様においても、内側リングは、その内周面がフランジ部材の内周面と段差なく連続的(面一)に連なるように、フランジ部材に固定されるのが好ましい。これにより、上記した段差は、編組体と内側リングとの境界となる内側リングの先端部(編組体の内部に挿入されている側の端部)に形成されるが、内側リングの厚みが薄いので、内側リングの先端部が編組体とほぼ連続的(面一)に連なり、編組体の内周面をフランジ部材の内周面とほぼ段差なく接続することが可能になる。ただし、この内側リングの厚みは、加速器の種類、つまりは、加速される荷電粒子(素粒子)により異なり、例えば陽子を加速する粒子通路の内径が300mm〜500mm程度の加速器であれば、内側リングの厚みは上記した5.0mm以下であることが好ましいが、例えば電子を加速する粒子通路の内径が50mm程度の加速器であれば、内側リングの厚みを0.1mm以下とすることが好ましい。
上記構成のベローズ型管継手の他の好ましい実施態様においては、前記編組体の両端部には、口金がそれぞれ取り付けられ、前記口金を介して前記編組体が前記一対のフランジ部材に固定されており、前記口金は、前記編組体の外周面に取り付けられた筒状の外側リングからなる。この実施態様においては、編組体の内周面をフランジ部材の内周面と連続的(面一)に連なるように、外側リングによりフランジ部材に固定されることで、編組体の内周面をフランジ部材の内周面とほぼ段差なく接続することが可能になる。
上記構成のベローズ型管継手のさらに好ましい実施態様においては、前記口金は、多数の貫通孔が形成されている。
上記構成のベローズ型管継手のさらに好ましい実施態様においては、粒子加速器の真空ビームダクトを構築する加速管同士の連結に用いられる。
本発明のベローズ型管継手によると、上記した従来のRFコンタクト付きベローズが有する課題を解消することができるとともに、ベローズ型管継手内において、フランジ部材と編組体との接続部の段差が小さく、両者がほぼ連続的(面一)に連なっているので、ベローズ型管継手内を流れるビームから見てこの接続部が滑らかに繋がれ、この接続部でのビームインピーダンスを下げることができる。その結果、ベローズ型管継手内のビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)の発生を防止することができるため、ベローズ型管継手内を一方向に流れる荷電粒子の軌道が変えられたり、荷電粒子の加速が妨げられたりするなどの悪影響が生じることをより一層効果的に防止できる。
本発明の一実施形態に係るベローズ型管継手の内部構造を概略的に示す断面図である。 編組体の編み組み構造を例示する模式図である。 編組体の平面図である。 編組体の側面図である。 編組体の斜視図である。 編組体の断面図である。 他の実施形態の編組体の断面図である。 従来例のベローズ型管継手(RFコンタクト付きベローズ)の内部構造を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るベローズ型管継手1の内部構造を概略的に示している。本発明のベローズ型管継手1は、例えば、荷電粒子を高周波(RF)により光速に近いスピードまで加速させるための粒子加速器の真空ビームダクト(又は真空チャンバー)を構築する複数の管(加速管)の間に介在して、隣接する加速管同士を伸縮可能に連結するものであり、一対のフランジ部材2と、筒状かつ金属製のベローズ3と、筒状かつ金属製の編組体4とで構成されている。ベローズ型管継手1の内部は、荷電粒子(ビーム)が流れるビーム通路Aを構成し、加速された荷電粒子は、この粒子通路Aを真空ビームダクトの一部として一方向に流れる。
一対のフランジ部材2は、例えばステンレスやアルミニウム、チタンなどの従来から公知の材料で構成され、ベローズ型管継手1を連結対象の加速管と接続するためのものであり、加速管と接続される外側フランジ20と、ベローズ3や編組体4が接合される内側フランジ21とを有している。本実施形態では、図1の左側のフランジ部材2と右側のフランジ部材2とで内径が異なっているが、これは内径が異なる加速管同士を連結する場合に、それぞれ接続される加速管の内径に合致するように内径が設定されているだけであり、同じ内径の加速管同士を連結する場合には、両フランジ部材2の内径は同じであってよい。
一対のフランジ部材2の内側フランジ21,21の間に、蛇腹構造のベローズ3が架け渡されている。ベローズ3は、例えばステンレスやアルミニウム、チタンなどの従来から用いられている公知の材料で構成されるが、その中でも、内部の高真空に耐えかつ繰り返しの伸縮にも耐え得る材料、例えばアルミニウムやチタンを好ましく例示することができる。また、ベローズ3は、ダイヤフラム型成形ベローズなどと称されるもののように、一本の金属管から成形することで、繰り返しの伸縮に対する耐久性や内部の高真空に対する耐久性を向上させることができる。ベローズ3の凹凸の断面視形状は、V字状やU字状などの種々の形状に形成することができる。ベローズ3の肉厚や内径、凹凸の高さ、凹凸のピッチ(単位長さあたりの凹凸の数)などは、求められる使用条件などに応じて適宜設定可能であるが、ベローズ3の内周面の凹凸が編組体4の外周面に接しないように、適度な大きさに形成されることが好ましい。このベローズ3の両端部が各フランジ部材2の内側フランジ21に溶接やろう付けなどの公知の接合方法で固定されることで、真空ビームダクトが伸縮した場合であっても、その変位量は吸収される。
ベローズ3の内部には、ベローズ3の内周面を全面的に覆うようにして、編組体4(図1〜図6に示す)が配置されている。この編組体4により、編組体4の内部がビーム通路Aとなるようにベローズ3内が区画され、ベローズ3の内周面の凹凸が真空ビームダクト内(粒子通路A)に露出することが防止されている。これにより、真空ビームダクト内を流れるビームから見て加速管と加速管との接続部(ベローズ型管継手1)が滑らかに繋がれ、この接続部でのビームインピーダンスを下げることができ、真空ビームダクト内のビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)の発生を防止することができる。その結果、真空ビームダクト内を一方向に流れる荷電粒子の軌道が変えられたり、荷電粒子の加速が妨げられたりするなどの悪影響が生じることを防止できる。なお、編組体4は一端部から他端部に向けて軸方向に縮径するテーパ状に形成され、この部分においてビーム通路Aの径(ダクト内径)が変化しているが、同じ内径の加速管同士を連結する場合には、単なる円筒状に形成されていてもよい。また、本実施形態では、編組体4の一端部側の断面視形状は円形状に形成されている一方で、他端部側の断面視形状は長円形状に形成されているが、必ずしもこの形状に限られるものではない。
編組体4は、図2に示すように、例えば複数本の金属素線40を並列配置したものを1束とし、束状の金属線41を複数用いて、交角θにて筒状に網代編みすることで形成される。束状の金属線41同士の間隔が広がったり狭くなったりすることにより、編組体4は軸方向に伸縮可能である。なお、真空ビームダクトへの用途の場合には、金属素線41の束を編む際には、束状の金属線41の間に隙間が生じないように密に編むことが好ましいが、必要に応じて意図的に隙間を設けてもよい。
編組体4は、束状の金属線41を筒状に網代編みした網材を複数層重ね合わせて形成することもできる。この場合、同一の網材では、金属素線40の径は同一とすることが好ましいが、異なる網材間では、金属素線40の径を同じにしてもよいし、異なるようにしてもよい。例えば、編組体4は、金属素線40が編みあわされて形成されているため、その内面の金属素線40の編みあわせ部分に僅かな段差を生じる。この段差は、金属素線40の径を細くすればするほど、小さくすることができるため、できる限り径の細い金属素線40を用いて編組体4を形成することが好ましいが、その反面、それ単層では編組体4の強度・厚みが弱いおそれがある。そこで、径が同じ好ましくは径の大きな金属素線40を用いて筒状に網代編みしたもの網材を外側に被せて編組体4を2層以上の複数層構造として、編組体4の強度・厚みを適度に保持するようにすることもできる。金属素線40の材料としては、例えばステンレス、アルミニウム、チタンなどを好ましく例示することができる。金属素線40の径は、編組体4を単一の網材で構成する場合には、0.1mm〜1.0mmが好ましく、0.2mm〜0.4mmが特に好ましい。
上記構成の編組体4において、束にする金属素線40の本数(持数)、網代編みする束状の金属線41の本数(打数)、交角θは、特に限定されるものではないが、一例を挙げると、金属素線40の径が0.3mmの場合には、持数が4本〜28本、打数が24本〜128本、交角θが50度〜120度、好ましくは60度〜100度である。
なお、編組体4は、上記した編み組み構造のものに限られるものではなく、従来からベローズの外側の被覆として用いられている「ブレード(braid)」と呼ばれる金属製の筒状編組体と同様の構造のものを用いることができ、編み組み構造については従来公知のブレードの製造技術を参照することができる。
編組体4の両端部には、編組体4を一対のフランジ部材2に固定するための口金5がそれぞれ取り付けられている。口金5は、本実施形態では、編組体4の内周面に取り付けられた筒状の内側リング50と、編組体4の外周面に取り付けられた筒状の外側リング51とを備え、内側リング50の一端部及び外側リング51の一端部同士が接合された構成のものである。内側リング50及び外側リング51は、金属板を筒状に折り曲げて対向する端部同士を接合することで形成される。なお、1枚の金属板を半分に折り、これを筒状に折り曲げて対向する端部同士を接合するようにして内側リング50及び外側リング51を一体に形成してもよい。この口金5を各フランジ部材2に固定するには、溶接やろう付けなどの公知の接合方法を用いることができ、内側リング50の外周面や外側リング51の内周面に対して、局所的に又は全面的に編組体4を接合すればよい。この際、口金5は、内側リング50の内周面が各フランジ部材2の内周面と段差なく連続的(面一)に連なるように、各フランジ部2に固定されるのが好ましい。これにより、ベローズ型管継手1内(ビーム通路A)を流れるビームから見てフランジ部材2と内側リング50との接続部が滑らかに繋がれ、この接続部でのビームインピーダンスを下げることができ、ビーム通路Aのビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)の発生を防止することができる。その結果、ビーム通路Aを一方向に流れる荷電粒子の軌道が変えられたり、荷電粒子の加速が妨げられたりするなどの悪影響が生じることを防止できる。口金5の材料としては、例えばステンレスやアルミニウム、チタンなどを好適に例示することができる。
内側リング50は、編組体4の軸方向Lにおいて、編組体4の内部に向けて裾広がりとなるように、その内周面の少なくとも一部がテーパ面52とされており、内側リング50の厚みが内側リング50の先端部(編組体4の内部に挿入されている側の端部)にいくにしたがって薄くなっている。これにより、編組体4と内側リング50との境界となる内側リング50の先端部において、内側リング50の内周面と編組体4の内周面との間に形成される段差Dが小さくなり、内側リング50の内周面と編組体4の内周面とがほぼ連続的(面一)に連なるようになっている。これにより、ベローズ型管継手1内(ビーム通路A)を流れるビームから見て内側リング50と編組体4との接続部が滑らかに繋がれ、この接続部でのビームインピーダンスを下げることができ、ビーム通路Aのビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)の発生を防止することができる。その結果、ビーム通路Aを一方向に流れる荷電粒子の軌道が変えられたり、荷電粒子の加速が妨げられたりするなどの悪影響が生じることを防止できる。また、反射波が発生すると、RFが増幅し、これにより、高真空中では発熱が生じて、管継手の構成要素をなす各部分に損傷が生じて真空漏れにつながるが、上記段差Dを小さくすることで、この問題も防止することができる。編組体4との境界となる内側リング50の先端部の厚み(テーパ面52の高さ)としては、小さければ小さいほど好ましく、原則、5.0mm以下とする必要がある。内側リング50の先端部の厚み(テーパ面52の高さ)が上記範囲内であれば、上述する高調波成分(反射波)の発生を効果的に防止することができる。ただし、このテーパ面52の高さは、加速器の種類、つまりは、加速される荷電粒子(素粒子)により異なり、例えば陽子を加速する粒子通路の内径が300mm〜500mm程度の加速器に用いるものであれば、テーパ面52の高さは上記した5.0mm以下であることが好ましいが、例えば電子を加速する粒子通路の内径が50mm程度の加速器に用いるものであれば、テーパ面の高さを0.1mm以下とすることが好ましい。
内側リング50及び外側リング51には、多数の貫通孔53がその全体にわたって形成されている。この貫通孔53は、例えば、金属板をパンチングプレスなどの金型を用いて打ち抜き加工することで形成される。なお、内側リング50及び外側リング51を多数の網目を有する網材により構成することでも、内側リング50及び外側リング51に多数の貫通孔53を形成することができる。
上記構成のベローズ型管継手1において、その主要部分の寸法は、特に限定されるものではなく、ベローズ型管継手1が用いられる設備や要求に応じた寸法に適宜設定されればよい。
上記構成のベローズ型管継手1では、従来のRFコンタクト付きベローズで用いられていたフィンガーを排除し、その代りに、金属製の編組体4を用いて蛇腹構造のベローズ3の内周面を覆っている。編組体4は、その内周面がフィンガーの内周面のような平滑面ではないが、編組面が荷電粒子の加速に悪影響を与えることはなく、真空ビームダクトの熱伸縮を柔軟に吸収できる上、ベローズ3の凹凸を隠すシールドとして十分好ましい効果を奏する。その上で、上記構成のベローズ型管継手1によれば、従来のRFコンタクト付きベローズのような、フィンガーを弾性により内筒に接触させるといった接触構造を排除できるので、従来のRFコンタクト付きベローズように、フィンガーの接触圧を適正に保つための過剰な部品精度や組立て精度が求められるという課題を解消できる。
また、従来のRFコンタクト付きベローズの構造では、フィンガーが内筒に接触した状態でフィンガーの摺動が繰り返されるので、フィンガーの摩耗によって微細な金属粉が発生し、荷電粒子の加速に悪影響を与えるという課題もある。これに対して、上記構成のベローズ型管継手1では、ベローズ3が伸縮する際、編組体4自体が柔軟性によって伸縮してベローズ3の伸縮に追随するので、編組体4が擦れて微細な金属粉を発生させることはなく、従来のRFコンタクト付きベローズように、フィンガーの磨耗により微細な金属粉が発生して荷電粒子の加速に悪影響を与えるという課題も解消できる。
このように、本実施形態のベローズ型管継手1によると、各部品の部品精度は、真空ビームダクトの構築に求められる本来の部品精度を満たしていれば十分であり、かつ、ベローズ3内への編組体4の設置も従来のフィンガーと比べて簡単かつ確実に行うことができるので、組み立ても容易となる。
さらに、ベローズ型管継手1内のビーム通路Aにおいて、フランジ部材2と口金5との接続部、特に、口金5と編組体4との境界部の段差が小さく、これらがほぼ連続的(面一)に連なっているので、ビーム通路Aを流れるビームから見てこれらの接続部や境界部が滑らかに繋がれ、これらの接続部や境界部でのビームインピーダンスを下げることができる。その結果、ビーム通路Aのビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)の発生を防止することができるため、ビーム通路Aを一方向に流れる荷電粒子の軌道が変えられたり、荷電粒子の加速が妨げられたりするなどの悪影響が生じることをより一層効果的に防止できる。また、反射波の発生が防止されることで、RFの増幅に伴う発熱も防止でき、管継手の構成要素をなす各部分に損傷が生じて真空漏れが生じることも防止することができる。
さらに、口金5は高真空環境下で使用されるため、使用中に口金5内部から水素ガスなどのガスが放散される。そこで、口金5をベローズ3内に組み込むにあたって事前に研磨液や砥粒などを用いて研磨して厚みを薄くすることで、使用中に水素ガスなどのガスが放散される速度を抑えるようにすることが一般的に行われている。よって、口金5をベローズ3内に組み込む際には、口金5に付着した研磨液や砥粒、また、空気中のごみなどが付着することによる汚れを最終的に洗浄液などで洗浄して完全に除去する必要がある。ここで、本実施形態のベローズ型管継手1のように、口金5に多数の貫通孔53が形成されていると、この貫通孔53から研磨液や砥粒、ごみなどが洗浄液とともに流れ落ちるので、貫通孔53が形成されていない場合と比較して研磨液や砥粒、ごみなどを確実に除去することが可能である。このように、口金5に多数の貫通孔53を形成することで、最終洗浄においての洗浄効果を高めることができるので、研磨液や砥粒、ごみなどが取りきれずに口金5に付着したまま残ることを効果的に防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、上記した実施形態においては、口金5の内側リング50の内周面をテーパ状としているが、内側リング50の厚みを、5.0mm以下に薄く加工すれば、必ずしも内側リング50の内周面をテーパ状とする必要はなく、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、この場合の内側リング50の厚みは、加速器の種類、つまりは、加速される荷電粒子(素粒子)により異なり、例えば陽子を加速する粒子通路Aの内径が300mm〜500mm程度の加速器であれば、内側リング50の厚みは上記した5.0mm以下であることが好ましいが、例えば電子を加速する粒子通路Aの内径が50mm程度の加速器であれば、内側リング50の厚みを0.1mm以下とすることが好ましい。
また、内側リング50をなくし、口金5を外側リング51だけで構成して、外側リング51を介して編組体4をフランジ部材2に固定することも可能である。この場合には、編組体4の両端部の内周面が各フランジ部材2の内周面とほぼ段差がなく接続されるように、具体的には、段差なく連続的(面一)に連なるように、もしくは、段差が生じたとしても、その段差の高さができる限り小さくなるように、原則、5.0mm以下となるように編組体4を各フランジ部材2に固定する。ただし、この段差の高さは、加速器の種類、つまりは、加速される荷電粒子(素粒子)により異なり、例えば陽子を加速する粒子通路Aの内径が300mm〜500mm程度の加速器に用いるものであれば、段差の高さは上記した5.0mm以下であることが好ましいが、例えば電子を加速する粒子通路Aの内径が50mm程度の加速器に用いるものであれば、段差の高さを0.1mm以下とすることが好ましい。この構成によっても、ビーム通路Aを流れるビームから見て各フランジ部材2と編組体4の接続部が滑らかに繋がれて、この接続部でのビームインピーダンスを下げることができる結果、ビーム通路Aのビーム流れとは逆向きに進行する高調波成分(反射波)の発生を防止することができ、ビーム通路Aを一方向に流れる荷電粒子の軌道が変えられたり、荷電粒子の加速が妨げられたりするなどの悪影響が生じることを効果的に防止できる。また、反射波の発生が防止されることで、RFの増幅に伴う発熱も防止でき、管継手の構成要素をなす各部分に損傷が生じて真空漏れが生じることも防止することができる。
また、上記した内側リング50をなくした場合においては、編組体4の両端部を折り返し、外側リング51を編組体4でサンドイッチするようにして、外側リング51を編組体4に溶接やろう付けなどの公知の接合方法で取り付けてもよい。また、図7に示すように、折り返された編組体4の外側面にさらに筒状の最外側リング54を溶接やろう付けなどの公知の接合方法で取り付け、編組体4の折り返し部分を外側リング51と最外側リング54とでサンドイッチするようにしてもよい。このとき、外側リング51及び最外側リング54の端部同士を接合することが好ましい。
また、上記実施形態では、ベローズ型管継手1が粒子加速器の真空ビームダクトを構築する加速管同士を連結するために用いられているが、その他の用途においても好適に用いることができる。
1 ベローズ型管継手
2 フランジ部材
3 ベローズ
4 編組体
5 口金
50 内側リング
51 外側リング
53 貫通孔

Claims (8)

  1. 複数の管を連結するためのベローズ型管継手であって、
    一対のフランジ部材と、
    前記一対のフランジ部材に両端が固定され、前記一対のフランジ部材を伸縮可能に連結する筒状かつ金属製のベローズと、
    前記ベローズの内周面を覆うように配置される筒状かつ金属製の編組体と、を備え、
    前記編組体は、内周面が前記一対のフランジ部材の内周面とほぼ段差がなく接続されるように、前記一対のフランジ部材に固定され
    前記編組体の両端部には、口金がそれぞれ取り付けられ、前記口金を介して前記編組体が前記一対のフランジ部材に固定されており、
    前記口金には多数の貫通孔が形成されており、前記貫通孔からごみを流し落とすことが可能である、ベローズ型管継手。
  2. 記口金は、前記編組体の内周面に取り付けられた筒状の内側リングを少なくとも備え、
    前記内側リングは、前記編組体の内部に向けて裾広がりとなるように、内周面の少なくとも一部がテーパ面とされている請求項1に記載のベローズ型管継手。
  3. 前記内側リングの前記編組体の内部に挿入された側の端部の厚みが5.0mm以下である請求項2に記載のベローズ型管継手。
  4. 前記内側リングの前記編組体の内部に挿入された側の端部の厚みが0.1mm以下である請求項3に記載のベローズ型管継手。
  5. 記口金は、前記編組体の内周面に取り付けられた筒状の内側リングを少なくとも備え、
    前記内側リングは、厚みが5.0mm以下である請求項1に記載のベローズ型管継手。
  6. 前記内側リングの厚みが0.1mm以下である請求項5に記載のベローズ型管継手。
  7. 記口金は、前記編組体の外周面に取り付けられた筒状の外側リングからなる請求項1に記載のベローズ型管継手。
  8. 粒子加速器の真空ビームダクトを構築する加速管同士の連結に用いられる請求項1〜のいずれかに記載のベローズ型管継手。
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