JP6233955B2 - 乾燥装置 - Google Patents
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そして、筒状体の内部に供給された被乾燥物(処理物)を複数の撹拌羽根で撹拌、乾燥させながら移送する。このとき、撹拌羽根を複数設けることで、被乾燥物との接触面積が増大して効率よく被乾燥物を乾燥させることができる。
特に、近年、コスト削減、品質安定の観点から、排出される被乾燥物の水分量を安定させることが求められており、さらに効率的に被乾燥物を乾燥させるとともに、被乾燥物の水分量のバラつきを低減できる乾燥装置が必要とされている。
すなわち、筒状体内の被乾燥物中の水分量が多い場合には、被乾燥物が筒状体内に長時間留まるようにし、乾燥時間を長くする。一方、筒状体内の被乾燥物中の水分量が少ない場合には、筒状体内の滞留時間を短くして乾燥時間を短くする。このようにすることで、水分量のバラツキが小さい被乾燥物を安定して排出することができる。
また、筒状体内の被乾燥物の水分量に応じて、仕切板が流路の堰止め高さを調整することで被乾燥物排出部から排出される被乾燥物の乾燥時間を変化させる。すなわち、流路中の被乾燥物は仕切板を乗り越えるようにして排出されるので、仕切板による堰止め高さを高くすると、被乾燥物が仕切板を乗り越えるために被乾燥物の乾燥時間が長くなる。一方、仕切板による流路の堰止め高さを低くすると、被乾燥物の乾燥時間が短くなる。このようにして、筒状体内の被乾燥物の乾燥時間を調整することができる。
ここで、熱媒体の熱エネルギー量とは、例えば熱媒体の温度、圧力、供給量等をパラメータとして表されるものであり、被乾燥物の成分や回転軸及び撹拌羽根の材質に応じて適宜パラメータの範囲を設定することができる。
この場合、堰止め高さを最大に設定しても開口部から被乾燥物を流通させ、仕切板に過負荷がかかることを防止できる。また、多量の被乾燥物が一度に出口に流通することを防止し、被乾燥物が出口に詰まることを防止することもできる。
この場合、筒状体内部の被乾燥物の温度を測定し、この温度から被乾燥物の水分量を導出し、被乾燥物の乾燥時間(滞留時間)を調整することができる。なお、被乾燥物中の水分量と被乾燥物の温度とが、被乾燥物の乾燥がある程度進んだ状態において相関性を有しているので、被乾燥物の温度を検出することで被乾燥物中の水分量を算出することが可能である。
この場合、筒状体の内部を流通し被乾燥物から生じる水蒸気を含んで外部へ排気される排気ガスの温度を測定し、この温度から被乾燥物の水分量を導出し、被乾燥物の乾燥時間(滞留時間)を調整することができる。なお、被乾燥物中の水分量と排気ガスの温度とが、相関性を有しているので、排気ガスの温度を検出することで被乾燥物中の水分量を算出することが可能である。
この場合、筒状体の内部に供給された被乾燥物の温度と、筒状体内部の内部を流通し被乾燥物から生じる水蒸気を含んで外部へ排気される排気ガスの温度とに基づいて、被乾燥物が筒状体の内部に滞留する時間、及び熱媒体の熱エネルギー量を制御する構成とされているので、滞留時間及び熱媒体のエネルギー量をより適正に制御することができ、さらに被乾燥物の水分量のバラつきを低減することが可能となる。
熱媒体が、蒸気、熱媒油、及び温水の中から選択される場合、温度、圧力、又は流量を比較的容易に設定することができるので、熱エネルギー量を容易に制御することが可能である。
本実施形態における乾燥装置1は、間接乾燥法を採用した乾燥装置であって、図1に示すように、中空の固定体2と、固定体2に対して回転自在に挿通された回転軸3と、この回転軸3の軸方向に連設された複数の撹拌羽根22と、固定体2内の被乾燥物中の水分量を検知する検知手段(第一温度センサ15A〜15C、第二温度センサ16)と、固定体2に設けられて固定体2内部の被乾燥物を排出する被乾燥物排出部4と、被乾燥物排出部4からの被乾燥物の滞留時間を調整する滞留時間調整手段5(図2参照)と、回転軸3に流入する熱媒体の熱エネルギー量を制御する熱エネルギー量調整手段6と、滞留時間調整手段5及び熱エネルギー量調整手段6を制御する制御盤(制御部)46と、を備えている。
筒状体13は、円筒形状であり、側壁11側の上面に被乾燥物を供給する被乾燥物導入口13Aが設けられており、側壁12側に筒状体13内を移送された被乾燥物を排出する被乾燥物排出部4が設けられている。ここで、被乾燥物導入口13Aは、側壁11よりも若干側壁12側に設けられている。また、被乾燥物は筒状体内を矢印W方向に移送される。
さらに、筒状体13の内部には、図2に示すように、筒状体13内部の被乾燥物の温度を検出する1又は複数の第一温度センサ(第一検知手段)15A〜15Cが設けられている。なお、第一温度センサ15Cは、筒状体13の被乾燥物排出部4近傍の内周面に設けられている。
ジャケット23は、蒸気導入口23Aから蒸気(熱媒体)が導入され、ジャケット23内を流通した蒸気が蒸気排出口23Bから排出されるようになっている。
また、筒状体13には、被乾燥物を加熱することで発生する水蒸気を排気する水分排気口13B及び筒状体13の内部に空気(キャリアガス)を導入する空気導入口13Cが設けられている。すなわち、被乾燥物から生じる水蒸気は、空気導入口13Cから導入されるキャリアガスによって水分排気口13Bへと運ばれ、筒状体13の外部へ排気される。本実施形態においては、水分排気口13Bの内周面の近傍には、筒状体13から排気される排気ガス(キャリアガス)の温度を検出する第二温度センサ(第二検知手段)16が設けられている。
この第二温度センサ16は、筒状体から排気される排気ガス(キャリアガス)の温度の検出結果を、後述する制御盤46に通知するように構成されている。
本実施形態においては、検知手段は、上述の第一温度センサ15A〜15C、及びこの第二温度センサ16によって構成されている。
回転軸3は、円筒形状を有し、その両端部が固定体2の側壁11、12を貫通して延在している。この回転軸3は、固定体2の外部において回転軸3内に熱媒体である蒸気S1を導入するための蒸気導入口3Aが設けられている。この蒸気S1は、回転軸3の内部を流通し、ドレンS2として排出される。
排出部32は、移行部31から移送された被乾燥物を被乾燥物排出口4Aから排出する。ここで、移行部31と排出部32との間には、移行部31と排出部32とを接続する流路の堰止め高さを調整する仕切板33が設けられている。
これら上部及び下部ラック検出センサ47A、47Bは、ポール収容部4B内の上端部または下端部においてラック42の先端部に設けられた検知板42Aの存在の有無をそれぞれ制御盤46に通知するように構成されている。
また、下部ラック検出センサ47Bは、仕切板33が流路を全開状態とするときに検知板42Aの存在を検出し、その旨を制御盤46に通知するように構成されている。
なお、この仕切板33の最大高さは、仕切板33の高さを検出する高さ検出センサを移行部31に設けることによって検出するようにし、この高さの検出結果によって、開閉調整機構34により仕切板の高さを制限するようにしても良い。
この熱エネルギー量調整手段6によって、蒸気S1の温度、圧力、及び流量を調整することによって蒸気S1の熱エネルギー量を制御する。
また、被乾燥物の温度及び排気ガス(キャリアガス)の温度に対する水分量の相関を記したデータベースがハードディスクドライブなどの記憶媒体(図示なし)に記憶されている。制御盤46は、入力された被乾燥物の原料の情報や第一温度センサ15C及び第二温度センサ16による被乾燥物の温度と排気ガス(キャリアガス)の温度との検出結果から、被乾燥物中の水分量を上述の記憶媒体から読み出すように構成されている。
まず、蒸気導入口3Aから熱媒体である蒸気S1を回転軸3内に導入する。これにより、複数の撹拌羽根22は、内部を流通する蒸気S1によって加熱される。また、ジャケット23にも熱媒体としての蒸気を蒸気導入口23Aから導入することによって筒状体13を加熱する。そして、回転軸3を回転させる。このとき、供給する被乾燥物の原料の情報や乾燥処理後の所望する水分量に相当する被乾燥物の温度を、制御盤46に入力する。
また、被乾燥物が下流に向かって移送される間に、水分排気口13Bの内周面の近傍に設けられた第二温度センサ16は、排気ガスの温度を検出し、この検出結果を制御盤46に通知する。
なお、筒状体13内部で被乾燥物がある程度乾燥された状態では、被乾燥物中の水分量と被乾燥物の温度との間に相関性を有しているので、被乾燥物の温度から被乾燥物中の水分量を導出することができる。
より具体的には、制御盤46が算出した被乾燥物中の水分量が所望の水分量よりも高いと判断した場合には、回転軸44が所定の回転数だけ回転するようにモータ45を駆動し、仕切板33をポール41に沿って上方向に移動させるととともに、蒸気S1の温度、圧力、及び流量を高く設定して蒸気S1の熱エネルギー量を大きく設定する。
なお、制御盤46は、上部ラック検出センサ47Aが検知板42Aの存在を検出したとき、回転軸44の回転中に流路が仕切板33によって閉状態となったと判断し、回転軸44の回転を停止させる。また、本実施形態では、この仕切板33の高さが、最大高さに設定されても、開口部49が形成されるようになっている。
このような堰止め高さの調整時においても、第一温度センサ15C及び第二温度センサ16は、筒状体13内部の被乾燥物の温度、及び排気ガスの温度を検出し、検出結果を制御盤46に通知する。
なお、この蒸気S1の温度、圧力、流量の調整時においても、第一温度センサ15C及び第二温度センサ16は、筒状体13内部の被乾燥物の温度、及び排気ガスの温度を検出し、検出結果を制御盤46に通知する。
なお、制御盤46は、上述と同様に、下部ラック検出センサ47Bが検知板42Aの存在を検出したとき、回転軸44の回転中に流路が仕切板33によって全開状態となったと判断し、回転軸44の回転を停止させる。
さらに、蒸気S1の温度、圧力、及び流量を低く設定すると、回転軸3及び撹拌羽根22の温度が低くなり、これら回転軸3及び撹拌羽根22及び筒状体13のジャケット23に接触する被乾燥物に接触する被乾燥物に与えられる熱が小さくなるので、被乾燥物中の水分の蒸発が少なくなり、被乾燥物の水分量が所望の水分量に近づく。
また、上記実施形態では、熱媒体として蒸気を用いたが、熱媒油や温水など他の熱媒体を用いてもよい。
また、上記実施形態では、回転軸及び撹拌羽根の内部を流入する熱媒体の熱エネルギー量を調整する場合について説明したが、ジャケットの内部を流れる熱エネルギー量も同時に調整する構成とされても良い。
また。本実施形態においては、第一温度センサは、3つ配置されている場合について説明したが、少なくとも一つ以上配置されていれば良い。
また、筒状体13の内周面に固定板14が設けられているが、固定板14を設けない構成としてもよい。
2 固定体
3 回転軸
4 被乾燥物排出部
5 滞留時間調整手段
6 熱エネルギー量調整手段
13 筒状体
15A、15B、15C 第一温度センサ(第一検知手段)
16 第二温度センサ(第二検知手段)
22 撹拌羽根
33 仕切板
34 開閉調整機構
46 制御盤(制御部)
Claims (6)
- 両端に側壁が設けられた筒状体を有する固定体と、前記固定体に回転自在に挿通される回転軸と、該回転軸の軸方向に連設された複数の撹拌羽根と、を備え、前記回転軸及び前記撹拌羽根には内部を流通する熱媒体が供給され、前記筒状体内に供給された被乾燥物を前記固定体に設けられた被乾燥物排出部に向けて前記回転軸の軸方向に移送しながら熱を与えて乾燥させる乾燥装置であって、
前記筒状体内の前記被乾燥物中の水分量を検知する検知手段と、
前記被乾燥物排出部に形成されて前記筒状体から移送された前記被乾燥物の流通を妨げる仕切板と、前記被乾燥物の水分量に応じて前記仕切板の堰止め高さを調整し、前記仕切板を乗り越えるように前記被乾燥物を流通させる開閉調整機構と、を有し前記被乾燥物の滞留時間を調整する滞留時間調整手段と、
前記熱媒体の熱エネルギー量を調整する熱エネルギー量調整手段と、
前記滞留時間調整手段及び前記熱エネルギー量調整手段を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記検知手段により検知される前記被乾燥物の水分量が設定値より高い場合は、前記仕切板の堰止め高さを高くするとともに熱エネルギー量を大きく設定し、
前記検知手段により検知される前記被乾燥物の水分量が設定値より低い場合は、前記仕切板の堰止め高さを低くするとともに熱エネルギー量を小さく設定して前記被乾燥物の水分量を調整することを特徴とする乾燥装置。 - 前記開閉調整機構は、前記仕切板の堰止め高さを最大に設定したときに、前記被乾燥物が前記仕切板を乗り越えて流通する開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
- 前記検知手段が、前記筒状体内部に供給された前記被乾燥物の温度を測定し、該温度に基づいて前記被乾燥物の水分量を導出することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
- 前記検知手段が、
前記筒状体の内部を流通し前記被乾燥物から生じる水蒸気を含んで外部へ排気される排気ガスの温度を測定し、該温度に基づいて前記被乾燥物の水分量を導出することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。 - 前記検知手段が、
前記筒状体内部に供給された前記被乾燥物の温度を測定する第一検知手段と、
前記筒状体の内部を流通し前記被乾燥物から生じる水蒸気を含んで外部へ排気される排気ガスの温度を測定する第二検知手段と、からなり、
前記第一検知手段によって測定される前記被乾燥物の温度と、前記第二検知手段によって測定される前記排気ガスの温度と、に基づいて前記被乾燥物の水分量を導出することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。 - 前記熱媒体は、蒸気、熱媒油、及び温水の中から選択されるいずれかであり、
前記熱媒体の温度、圧力、及び流量の少なくともいずれか一つを制御することによって前記熱エネルギー量を調整することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乾燥装置。
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