JP6232946B2 - 平面アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、平面アンテナに関する。
近年、Radio Frequency IDentification(RFID)システムが広く利用されている。RFIDシステムには、代表的には、通信媒体としてUHF帯(900MHz帯)またはマイクロ波(2.45GHz)に相当する電磁波を利用するものと、相互誘導磁界を利用するものがある。このうち、UHF帯の電磁波を利用するRFIDシステムが、比較的通信可能な距離が長いので注目されている。
タグリーダが、UHF帯の電磁波を利用する無線ICタグと通信するために利用可能なアンテナとして、マイクロストリップラインをアンテナとして利用するマイクロストリップアンテナが提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。なお、無線ICタグを、以下では、説明の便宜上、RFIDタグと呼ぶ。
特開平4−287410号公報 特開2007−306438号公報
一方、棚にタグリーダのアンテナを組み込んで、その棚に置かれる物品に付されたRFIDタグとタグリーダとの間で通信することで、棚に置かれた物品を管理することが提案されている。
このような棚に組み込まれるアンテナは、シェルフアンテナと呼ばれる。シェルフアンテナは、そのシェルフアンテナが組み込まれた棚の何れの場所に置かれた物品のRFIDタグとも通信できるように、通信に利用される特定の周波数を持つ電波について、シェルフアンテナの表面近傍で、均一かつ強い電場を形成できることが好ましい。
そこで、本明細書は、アンテナの表面近傍において電場の均一性を向上でき、かつ電場の強度を強くすることが可能な平面アンテナを提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、平面アンテナが提供される。この平面アンテナは、誘電体により形成される基板と、基板の一方の面に形成され、一端が給電され、他端が開放端または接地される分布定数線路と、分布定数線路から放射または分布定数線路により受信される所定の設計波長を持つ電波に応じた、分布定数線路を流れる電流の定常波の節点の何れかの近傍における分布定数線路と電磁結合可能な範囲内でかつ基板のその一方の面に配置される、少なくとも一つの第1の共振器とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された平面アンテナは、そのアンテナの表面近傍において電場の均一性を向上でき、かつ電場の強度を強くすることができる。
第1の実施形態によるシェルフアンテナの斜視図である。 (a)は、図1においてAA'で示された線について矢印の方向から見たシェルフアンテナの側面断面図であり、(b)は、図1においてBB'で示された線について矢印の方向から見たシェルフアンテナの側面断面図である。 図1に示されたシェルフアンテナの平面図である。 第1の実施形態によるシェルフアンテナのアンテナ特性のシミュレーションに用いた各部の寸法を示す、シェルフアンテナの平面図である。 第1の実施形態によるシェルフアンテナのSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施形態に係るシェルフアンテナの表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施形態の変形例によるシェルフアンテナの平面図である。 図7に示した変形例によるシェルフアンテナのSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 図7に示した変形例によるシェルフアンテナの表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施形態のさらなる変形例によるシェルフアンテナの平面図である。 図10に示した変形例によるシェルフアンテナのSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 図10に示した変形例によるシェルフアンテナの表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態によるシェルフアンテナの平面図である。 第2の実施形態によるシェルフアンテナのアンテナ特性のシミュレーションに用いた各部の寸法を示す、シェルフアンテナの平面図である。 第2の実施形態によるシェルフアンテナのSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、ある時点におけるシェルフアンテナの表面近傍における電場の向きを示す図である。 第2の実施形態の変形例によるシェルフアンテナの平面図である。 図10に示した変形例によるシェルフアンテナのSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態のさらなる変形例によるシェルフアンテナの平面図である。 各実施形態のさらに他の変形例によるシェルフアンテナの平面図である。 第3の実施形態によるシェルフアンテナの平面図である。 第3の実施形態によるシェルフアンテナのアンテナ特性のシミュレーションに用いた各部の寸法を示す、シェルフアンテナの平面図である。 第3の実施形態によるシェルフアンテナのSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 第3の実施形態によるシェルフアンテナの表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。
以下、図を参照しつつ、様々な実施形態による、平面アンテナについて説明する。
この平面アンテナは、一端が給電点と接続され、他端が開放端となっているか、または接地電極と短絡される導線を含むマイクロストリップラインをマイクロストリップアンテナとして利用する。そのため、この平面アンテナでは、マイクロストリップアンテナを流れる電流が導線の他端で反射されることにより、その電流が定常波となる。そして定常波の節点(nodal point)では、流れる電流が極小となり、かつ、その周囲の電場の強度が極大となる。そこでこの平面アンテナでは、マイクロストリップラインを形成する導線と同一平面上における、その定常波の節点(nodal point)の何れかの近傍におけるマイクロストリップアンテナと電磁結合可能な範囲内に、少なくとも一つの共振器が配置される。これにより、この平面アンテナは、アンテナ表面の近傍における電場の均一性及び強度を向上させる。
以下に説明する各実施形態では、本明細書に開示される各平面アンテナは、シェルフアンテナとして形成される。しかし、本明細書に開示される各平面アンテナは、シェルフアンテナ以外の用途、例えば、RFIDタグとの通信に利用される様々な近接場(near-field)アンテナとして用いられてもよい。
図1は、第1の実施形態によるシェルフアンテナの斜視図であり、図2(a)は、図1においてAA'で示された線について矢印の方向から見たシェルフアンテナの側面断面図である。図2(b)は、図1においてBB'で示された線について矢印の方向から見たシェルフアンテナの側面断面図である。また図3は、図1に示されたシェルフアンテナの平面図である。
シェルフアンテナ1は、基板10と、基板10の下側の面に設けられた接地電極11と、基板10の上側の面に設けられた導体12と、導体12と同一平面に設けられた複数の共振器13−1〜13−4を有する。
基板10は、接地電極11、導体12及び共振器13−1〜13−4を支持する。基板10は、誘電体により形成され、これにより、接地電極11と、導体12及び共振器13−1〜13−4は互いに絶縁されている。例えば、基板10は、FR-4といったガラスエポキシ樹脂により形成される。あるいは、基板10は、層状に形成可能な他の誘電体により形成されてもよい。また、基板10の厚さは、シェルフアンテナ1の特性インピーダンスが所定の値、例えば、50Ωまたは75Ωとなるように決定される。
接地電極11、導体12及び共振器13−1〜13−4は、例えば、銅、金、銀、ニッケルといった金属またはこれらの合金若しくはその他の導電性を有する材料によって形成される。そして接地電極11、導体12及び共振器13−1〜13−4は、例えば、エッチングまたは接着によって基板10の下側の面及び上側の面に固定される。
接地電極11は、接地された平板状の導体であり、基板10の下側の面全体を覆うように設けられる。
導体12は、基板10の上側の面に設けられた線状の導体であり、基板10の長手方向と略平行に、かつ、基板10を短手方向に沿って略2等分する位置に配置されている。そして導体12の一端が給電点12aとなっており、シェルフアンテナ1を介して放射または受信される無線信号を処理する通信回路(図示せず)と接続される。一方、導体12の他端12bは開放端となっている。導体12、接地電極11及び基板10は、マイクロストリップアンテナとして機能する、分布定数線路の一例であるマイクロストリップラインを形成する。
導体12の端点12bが開放端となっているため、このマイクロストリップアンテナから放射される電波、あるいはこのマイクロストリップアンテナで受信される電波によって導体12を流れる電流は、定常波となる。そのため、導体12の端点12b、すなわち、マイクロストリップアンテナの開放端から、その電波の波長の1/2の整数倍に相当する距離だけ離れた位置に、その定常波の節点が形成される。なお、導体12は、誘電体である基板10の上側の面に配置されているので、基板10上での電波の波長は、空気中の波長と比較して、基板10の比誘電率に応じて短くなることに留意されたい。定常波の各節点では、電流が極小値となるとともに、その節点の周囲に相対的に強い電場が形成される。なお、以下では、便宜上、マイクロストリップアンテナから放射またはマイクロストリップアンテナで受信される電波の波長を設計波長と呼ぶ。また設計波長をλで表す。
共振器13−1〜13−4は、それぞれ、長手方向に沿って設計波長の1/2と略等しい長さを持ち、かつ、一周の長さが設計波長と略等しいループ状の導体で形成され、基板10の上側の面に設けられる。すなわち、導体12と共振器13−1〜13−4は、同一平面に設けられる。
上記のように、導体12に沿って、マイクロストリップアンテナの開放端12bから設計波長の1/2の整数倍に相当する距離だけ離れた位置において、導体12の周囲に相対的に強い電場が形成される。そこで各共振器13−1〜13−4は、導体12の開放端12bから、導体12に沿って、設計波長の1/2の略整数倍の距離の位置において、各共振器の一端が導体12と電磁結合する範囲内に位置するように配置される。これにより、各共振器13−1〜13−4は、設計波長を持つ電波に対して、その電波によって導体12を流れる電流の定常波の節近傍の電場によってマイクロストリップアンテナと電磁結合する。そのため、各共振器13−1〜13−4も、設計波長を持つ電波を放射または受信できる。さらに、共振器13−1〜13−4の長手方向は、導体12と直交するように配置される。そのため、共振器13−1〜13−4のそれぞれが、マイクロストリップアンテナによる電場と異なる方向に広がりを持つ電場を形成できる。その結果として、シェルフアンテナ1の表面近傍における電場は、マイクロストリップアンテナのみにより生じる電場よりも均一性及び強度が向上する。
ただし、導体12上の設計波長の1/2の間隔の位置同士では、マイクロストリップラインを流れる電流の位相が反転している。そのため、導体12の幅方向について同じ側に設計波長の1/2の間隔で二つの共振器を配置すると、その二つの共振器を流れる電流の位相が逆相、すなわち、流れる電流の向きが逆になる。その結果として、その二つの共振器により生じる電場が互いに打ち消しあってしまう。一方、導体12の幅方向について同じ側に設計波長の整数倍の間隔で二つの共振器を配置すると、その二つの共振器を流れる電流の位相は同相、すなわち、流れる電流の向きが同じとなる。同様に、設計波長の1/2の間隔で、導体12を挟むように二つの共振器を配置した場合も、その二つの共振器を流れる電流の向きが同じとなる。二つの共振器を流れる電流の向きが同じであれば、各共振器により生じる電場は互いに強め合う。そこで本実施形態では、各共振器は、導体12を挟んで交互に配置されている。また、隣接する二つの共振器は、それぞれ、その一端が導体12の隣接する二つの節点近傍における導体12と電磁結合可能な範囲内に位置するように配置される。したがって、隣接する二つの共振器についての導体12と電磁結合する側の端部間の間隔が設計波長の略1/2となる。具体的には、共振器13−1は、開放端12bから、設計波長のλ/2の距離だけ離れた位置の近傍に配置される。また共振器13−2は、共振器13−1と同じ側に、共振器13−1からλの距離だけ離れた位置の近傍に配置される。一方、共振器13−3、13−4は、それぞれ、共振器13−1、13−2とは導体12を挟んで反対側に、共振器13−1、13−2からλ/2の距離だけ離れた位置の近傍に配置される。すなわち、共振器13−3、13−4は、開放端12bから、λ、2λの距離だけ離れた位置の近傍に配置される。
さらに、各共振器13−1〜13−4は、ループ状に形成され、かつ、長手方向に沿って設計波長の略1/2の長さを持つ。シェルフアンテナ1が放射または受信する電波により各共振器を流れる電流は交流電流であるので、その交流電流の波長の1/2ごとに位相が反転する、すなわち、電流の向きが反転する。そのため、長手方向に沿って設計波長の略1/2の長さを持つループ形状に形成された共振器では、その共振器の長手方向に沿った二つの部分に流れる電流の向きは同一となる。そのため、その二つの部分のそれぞれにより生じる電場は互いに強め合うことができる。
以下、シェルフアンテナ1のアンテナ特性のシミュレーション結果について説明する。
図4は、シミュレーションに利用した各部の寸法を示すシェルフアンテナ1の平面図である。図5は、シェルフアンテナ1のSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。また図6は、シェルフアンテナ1の表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。このシミュレーションにおいて、基板10を形成する誘電体の比誘電率εrは4.0、誘電正接tanδは0.01である。また、接地電極11、導体12及び共振器13−1〜13−4の何れも、銅(導電率σ=5.8×107S/m)で形成される。
図4に示されるように、基板10は、導体12の長手方向に沿った長さが500mmであり、導体12の長手方向に直交する方向の長さが240mmである。また基板10の厚さは、3mmである。
さらに、導体12の幅は6mmであり、給電点12aから開放端12bまでの長さは417mmである。一方、各共振器13−1〜13−4を形成する導体の幅は3mmであり、長手方向に沿った2本の導体間の間隔は5mmである。さらに、各共振器の長手方向に沿った長さは85mm(ループの内側の長手方向に沿った間隔は79mm)である。そして、導体12の開放端12bから共振器13−1までの距離は84mmである。さらに、共振器13−1と共振器13−2の間隔及び共振器13−3と共振器13−4の間隔は171mmである。そして共振器13−4から給電点12aまでの距離は40mmである。
図5において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。そしてグラフ500は、有限積分法による電磁場のシミュレーションにより得られた、シェルフアンテナ1のS11パラメータの周波数特性を表す。グラフ500に示されるように、シェルフアンテナ1は、RFIDシステムで利用される900MHz帯域内の930MHz近傍において、S11パラメータが良好なアンテナ特性の目安とされる-10dB以下となっていることが分かる。
図6において、グラフ600は、シェルフアンテナ1の表面から上方に30cmの位置における、シェルフアンテナ1の表面に平行な面の電場の強度分布を表す。ただし、電波の周波数は930MHzであるとする。グラフ600において、濃度が濃いところほど、電場が強い。グラフ600に示されるように、電場は、導体12の長手方向に沿った方向だけでなく、導体12の長手方向と直交する方向にも、均一に広がっていることが分かる。
以上に説明してきたように、このシェルフアンテナでは、マイクロストリップアンテナの一端が開放端として形成されることでマイクロストリップアンテナを流れる電流が定常波となる。そして、定常波の節点の近傍において、マイクロストリップラインを形成する導体と同一平面上に1以上の共振器が配置されることで、マイクロストリップアンテナと共振器とが電磁結合する。そのため、このシェルフアンテナは、マイクロストリップアンテナと各共振器の両方から電波を放射したり、その両方で電波を受信できるので、シェルフアンテナの表面近傍における電場の均一性を向上できるとともに、その電場の強度を高くすることができる。さらに、このシェルフアンテナでは、共振器とマイクロストリップラインを形成する導体が同一平面上に配置されるので、基板を多層構造にする必要が無い。そのため、このシェルフアンテナは、製造コストを抑制できる。
なお、変形例によれば、導体12の給電点と反対側の端点12bは、例えば、基板10に形成されたビアを介して接地電極11と短絡されていてもよい。この場合には、端点12bは、マイクロストリップラインを流れる電流にとっての固定端となる。そのため、端点12bを固定端として、導体12を流れる電流の節点の位置が特定される。すなわち、端点12bから、導体12の長手方向に沿って(1/4+n/2)λ(nは0以上の整数であり、λは設計波長)の距離だけ離れた位置が節点となる。そして各共振器は、導体12の長手方向に沿って、端点12bから(1/4)λの位置から順に、隣接する共振器間の間隔がλ/2となるように、導体12を挟んで交互に配置される。
また他の変形例によれば、各共振器の形状は、ループ形状に限定されない。
図7は、この変形例によるシェルフアンテナ2の平面図である。シェルフアンテナ2は、上記の実施形態によるシェルフアンテナ1と比較して、共振器の形状のみが異なる。そこで以下では、共振器について説明する。
この変形例では、各共振器23−1〜23−4は、それぞれ、ヘアピン状に形成されたダイポールアンテナであり、図1に示された各共振器13−1〜13−4と比較して、導体12から離れている側の端部が開放されている点で異なる。ただし、この例でも、各共振器23−1〜23−4の長手方向の長さは設計波長の1/2に設定される。また、各共振器は、基板10の上側の面に導体12を挟んで交互に配置されている。また隣接する二つの共振器についての導体12と電磁結合する側の端部間の間隔が設計波長の1/2となるように、すなわち、隣接する二つの共振器は、それぞれ、その一端が導体12の隣接する二つの節点近傍における導体12と電磁結合可能な範囲内に位置するように配置される。
図8は、シェルフアンテナ2のSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。また図9は、シェルフアンテナ2の表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。なお、図8及び図9のシミュレーションにおいて、各部の寸法及び電気特性は、第1の実施形態についてのシミュレーションにおける各部の寸法及び電気特性と同じとした。
図8において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。そしてグラフ800は、有限積分法による電磁場のシミュレーションにより得られた、シェルフアンテナ2のS11パラメータの周波数特性を表す。グラフ800に示されるように、シェルフアンテナ2は、940MHz近傍において、S11パラメータがほぼ-10dBとなっていることが分かる。
図9において、グラフ900は、シェルフアンテナ2の表面から上方に30cmの位置における、シェルフアンテナ2の表面に平行な面の電場の強度分布を表す。ただし、電波の周波数は940MHzであるとする。グラフ900において、濃度が濃いところほど、電場が強い。グラフ900に示されるように、電場は、導体12の長手方向に沿った方向だけでなく、導体12の長手方向と直交する方向にも、均一に広がっていることが分かる。
また、共振器は、設計波長の半分の長さを持つダイポールアンテナであってもよい。
図10は、この変形例によるシェルフアンテナ3の平面図である。シェルフアンテナ3は、第1の実施形態によるシェルフアンテナ1と比較して、共振器の形状のみが異なる。そこで以下では、共振器について説明する。
この変形例では、各共振器33−1〜33−4は、それぞれ、直線状の導体により形成されたダイポールアンテナである。ただし、この例でも、各共振器33−1〜33−4の長手方向の長さは設計波長の1/2に設定される。また、各共振器は、基板10の上側の面に導体12を挟んで交互に配置されている。また隣接する二つの共振器についての導体12と電磁結合する側の端部間の間隔が設計波長の1/2となるように、すなわち、隣接する二つの共振器は、それぞれ、その一端が導体12の隣接する二つの節点近傍における導体12と電磁結合可能な範囲内に位置するように配置される。この変形例では、各共振器33−1〜33−4がマイクロストリップラインと電磁結合するために、各共振器とマイクロストリップラインを形成する導体12間の間隔は、第1の実施形態または上記の変形例による共振器と導体間の間隔よりも狭いことが好ましい。
図11は、シェルフアンテナ3のSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。また図12は、シェルフアンテナ3の表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。なお、図11及び図12のシミュレーションにおける、各部の寸法及び電気特性は、第1の実施形態についてのシミュレーションにおける各部の寸法及び電気特性と比較して、共振器の寸法及び配置のみが異なる。このシミュレーションでは、各共振器33−1〜33−4を形成する導体の幅は15mmとし、長手方向に沿った各共振器の長さは83.3mmである。さらに、共振器33−1と共振器33−2の間隔及び共振器33−3と共振器33−4の間隔を167mmとした。そして給電点12aから共振器33−2、33−4までの距離を、それぞれ、129、38mmとした。また、各共振器と導体12間の間隔を1.5mmとした。
図11において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。そしてグラフ1100は、有限積分法による電磁場のシミュレーションにより得られた、シェルフアンテナ3のS11パラメータの周波数特性を表す。グラフ1100に示されるように、シェルフアンテナ3は、930MHz近傍において、S11パラメータが-10dB以下となっていることが分かる。
図12において、グラフ1200は、シェルフアンテナ3の表面から上方に30cmの位置における、シェルフアンテナ3の表面に平行な面の電場の強度分布を表す。ただし、電波の周波数は940MHzであるとする。グラフ1200において、濃度が濃いところほど、電場が強い。グラフ1200に示されるように、電場は、導体12の長手方向に沿った方向だけでなく、導体12の長手方向と直交する方向にも、均一に広がっていることが分かる。
なお、上記の実施形態または変形例において、各共振器は、マイクロストリップラインを形成する導体12から離れるにつれて給電に近づくか、あるいは給電点から離れるように、傾けて配置されてもよい。あるいは、各共振器は曲線状、例えば、円弧状、あるいは、蛇行状に形成されてもよい。ただし、各共振器が曲線状に形成される場合でも、各共振器の長手方向に沿った長さは、設計波長の略1/2であることが好ましい。共振器の長手方向の長さが設計波長の1/2を超えると、共振器内で流れる電流の向きが異なる部分が存在することになるので、電流の向きが異なる部分から生じた電場同士が互いに打ち消しあって、電場を弱めてしまうためである。
次に、第2の実施形態によるシェルフアンテナについて説明する。第2の実施形態によるシェルフアンテナは、第1の実施形態によるシェルフアンテナと比較して、生じる電場が円偏波となるように共振器を配置した点で異なる。そこで以下では、共振器に関連する部分について説明する。第2の実施形態によるシェルフアンテナのその他の構成要素については、第1の実施形態によるシェルフアンテナの対応する構成要素の説明を参照されたい。
図13は、第2の実施形態によるシェルフアンテナの平面図である。
第2の実施形態によるシェルフアンテナ4においても、4個の共振器43−1〜43−4は、それぞれ、長手方向に沿って設計波長の略1/2の長さを持つループ状の導体で形成され、基板10の上側の面に設けられる。すなわち、各共振器43−1〜43−4と導体12は同一平面に配置される。ただし、第1の実施形態によるシェルフアンテナ1と異なり、シェルフアンテナ4では、共振器43−1及び43−2は、それぞれ、長手方向が導体12の長手方向と略平行となるように、すなわち、共振器43−3及び43−4と略直交するように配置される。さらに、共振器43−1及び43−2は、マイクロストリップラインを流れる電流の定常波の腹の部分、すなわち、マイクロストリップラインを流れる電流により生じる磁場が極大となる部分に近接するように配置される。そして共振器43−1及び43−2は、それぞれ、その一端が、共振器43−3及び43−4が配置された、マイクロストリップラインを流れる電流の定常波の節の近傍に配置される。共振器43−1及び43−2の長手方向の長さは設計波長λの略1/2であり、かつ、定常波の節点から隣接する腹までの距離はλ/4なので、共振器43−1及び43−2の中央付近がマイクロストリップラインを流れる電流の定常波の腹の部分に近接する。これにより、マイクロストリップラインを流れる電流またはその電流により生じる磁場によってマイクロストリップラインと共振器43−1及び43−2が電磁結合する。なお、共振器43−1及び43−2は、導体12と略平行に配置される。そのため、共振器43−1及び43−2と導体12の間隔は、共振器43−3及び43−4と導体12の間隔よりも広くても、共振器43−1及び43−2は、導体12と電磁結合できる。
なお、導体12と略平行に配置される共振器43−1及び43−2は、導体12を流れる電流の定常波の腹に近接していればよく、その共振器の一端の導体12の長手方向に沿った位置は、導体12と略直交に配置される何れの共振器の位置と異なっていてもよい。
また、共振器43−1及び43−2を流れる電流が同相となるように、共振器43−1の給電点12a側の端点と共振器43−2の給電点12a側の端点間の間隔はλとほぼ等しい。同様に、共振器43−3及び43−4を流れる電流が同相となるように、共振器43−3と共振器43−4間の間隔はλとほぼ等しい。
上記のように各共振器が配置されることにより、共振器43−1及び43−2は、導体12の長手方向と略平行な電場を生じさせ、一方、共振器43−3及び43−4は、導体12の長手方向と略直交する電場を生じさせる。また、定常波の節点における電流の位相は、その節点に隣接する腹における電流の位相に対してπ/4ずれる。そのため、共振器43−1及び43−2を流れる電流の位相と共振器43−3及び43−4を流れる電流の位相もπ/4ずれる。そして各共振器を流れる電流の位相は同期して変動するので、共振器43−1及び共振器43−3から生じる電場は、結果として円偏波となる。同様に、共振器43−2及び共振器43−4から生じる電場も円偏波となる。そのため、シェルフアンテナ4の表面近傍において、各共振器を流れる電流の位相の変化に応じて、導体12の長手方向に平行な方向の瞬時的な電場の成分の強度と導体12の長手方向と直交する方向の瞬時的な電場の成分の強度の組み合わせも変動する。その結果として、瞬時的な電場の向きも変動する。そのため、シェルフアンテナ4は、電場の向きによらずに電場の強さを均一化できる。
以下、第2の実施形態によるシェルフアンテナ4のアンテナ特性についてのシミュレーション結果について説明する。
図14は、第2の実施形態によるシェルフアンテナ4のアンテナ特性のシミュレーションに用いた各部の寸法を示す、シェルフアンテナ4の平面図である。図15は、シェルフアンテナ4のSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。また図16(a)〜図16(c)は、シェルフアンテナ4の表面近傍に形成される電場の向きの時間変化のシミュレーション結果を示す図である。なお、このシミュレーションにおける、各部の寸法及び電気特性は、第1のシミュレーションにおける各部の寸法及び電気特性と比較して、共振器43−1及び43−2の寸法及び配置と基板10の幅のみが異なる。このシミュレーションでは、基板10の幅は180mmである。また、共振器43−1及び43−2の長手方向の長さは87mmであり、共振器43−1と43−2間の間隔は95mmである。また、給電点12aから共振器43−1までの距離、及び、給電点12aから共振器43−2までの距離は、それぞれ、給電点12aから共振器43−3、43−4までの距離と等しい。さらに、共振器43−1及び43−2と導体12間の間隔は3mmであり、共振器43−3及び43−4と導体12間の間隔は2mmである。
図15において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。そしてグラフ1500は、有限積分法による電磁場のシミュレーションにより得られた、シェルフアンテナ4のS11パラメータの周波数特性を表す。グラフ1500に示されるように、シェルフアンテナ4は、930MHz近傍において、S11パラメータが-10dB以下となっていることが分かる。
図16(a)〜図16(c)において、各矢印1601〜1603は、それぞれ、マイクロストリップライン上のある点において、電流の位相が0〜2πまで変化する間の異なる時刻における、その矢印の位置における電場の向きを表す。図16(a)〜図16(c)に示されるように、シェルフアンテナ4上の各部において、電場の向きが、時間経過とともに変化することが分かる。
以上に説明してきたように、第2の実施形態によれば、シェルフアンテナは、その表面近傍において電場の向きによらずに電場の強さを均一化できる。シェルフアンテナが、他の通信装置、例えば、シェルフアンテナ上に載置される物品に付されたRFIDタグと通信する場合、シェルフアンテナに対して他の通信装置は様々な方向を向く可能性がある。しかし、この実施形態によれば、シェルフアンテナは、電場の方向によらずに電場の強度を均一化できる。そのため、シェルフアンテナは、他の通信装置のアンテナの向きによらず、他の通信装置と良好に通信できる。またこのシェルフアンテナでは、マイクロストリップラインを形成する導体の幅方向についての一方の側の共振器は、共振器の長手方向がその導体の長手方向と略平行になるように配置される。そのため、その導体の長手方向と直交する方向のサイズが第1の実施形態によるシェルフアンテナよりも小さくなる。そのため、シェルフアンテナ全体が小型化できる。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、導体12の給電点と反対側の端点12bは、例えば、基板10に形成されたビアを介して接地電極11と短絡されていてもよい。
また第2の実施形態においても、各共振器の形状は、ループ形状に限定されない。例えば、共振器は、設計波長の半分の長さを持つダイポールアンテナであってもよい。
図17は、この変形例によるシェルフアンテナ5の平面図である。シェルフアンテナ5は、上記の第2の実施形態によるシェルフアンテナ4と比較して、共振器の形状のみが異なる。そこで以下では、共振器について説明する。
この変形例では、各共振器53−1〜53−4は、それぞれ、直線状の導体により形成されたダイポールアンテナである。ただし、この例でも、各共振器53−1〜53−4の長手方向の長さは設計波長の略1/2に設定される。
図18は、シェルフアンテナ5のSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。なお、図18のシミュレーションにおける、各部の寸法及び電気特性は、第2の実施形態についてのシミュレーションにおける各部の寸法及び電気特性と比較して、共振器53−1及び53−2の配置のみが異なる。このシミュレーションでは、共振器53−1と53−2間の間隔は98.7mmである。また、導体12の開放端12bから共振器53−1までの距離は69.35mmであり、給電点12aから共振器53−2までの距離は82.35mmである。さらに、共振器53−1及び53−2と導体12間の間隔は3mmである。
図18において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。そしてグラフ1800は、有限積分法による電磁場のシミュレーションにより得られた、シェルフアンテナ5のS11パラメータの周波数特性を表す。グラフ1800に示されるように、シェルフアンテナ5は、930MHz〜950MHz近傍において、S11パラメータが-10dB以下となっていることが分かる。
図19は、第2の実施形態のさらに他の変形例によるシェルフアンテナ6の平面図である。シェルフアンテナ6は、図13に示されたシェルフアンテナ4と比較して、マイクロストリップラインを形成する線状の導体の形状及び共振器の配置が異なる。
この変形例では、基板10の下側面全体を覆うように設けられた接地電極(図示せず)とともにマイクロストリップラインを形成する導体22は、ジグザグに折り曲げられる。この例では、放射する電波が円偏波を形成する、導体22の長手方向と略平行に配置される共振器63と、導体22の長手方向と略直交して配置される共振器64との組が一つ配置されるごとに、導体22は直角に折り曲げられる。また、上記の第2の実施形態と同様に、各共振器64は、導体22を流れる電流の定常波の節点近傍において、電場によって導体22と電磁結合可能なように配置される。一方、各共振器63は、導体22を流れる電流の定常波の腹に近接して、その電流によって導体22と電磁結合可能なように配置される。隣接する二つの共振器64間の導体22に沿った距離は、設計波長と略等しい。ただし、導体22の同じ側に、設計波長だけ離して二つの共振器64を配置すると、その二つの共振器64を流れる、互いに直交する電流が同相となるため、電場が円偏波とならない。そこで、第2の実施形態と異なり、導体22の幅方向についての同一の側には、導体22の長手方向と略平行に配置される共振器63と、導体22の長手方向と略直交して配置される共振器64とが交互に配置される。
この変形例によるシェルフアンテナ6では、共振器間の間隔が第2の実施形態よりも短縮されるので、シェルフアンテナ6は、より強い電場を生じることができる。
図20は、上記の各実施形態のさらに他の変形例によるシェルフアンテナ7の平面図である。シェルフアンテナ7は、上記の各実施形態または変形例によるシェルフアンテナと比較して、マイクロストリップラインを形成する線状の導体の形状が異なる。この変形例では、基板10の下側の面を覆うように設けられた接地電極(図示せず)とともにマイクロストリップラインを形成する導体32は、給電点32aから他端へ向かう途中で分岐して、略平行な2本のマイクロストリップライン32c、32dとなる。各マイクロストリップライン32c、32dの端点は、上記の各実施形態または変形例と同様に、開放端となるか、または基板10の下側の面に設けられた接地電極と短絡される。そしてこの例でも、各マイクロストリップライン32c、32dに対して、そのマイクロストリップラインを流れる電流の節の近傍において、設計波長の略1/2の長さを持つ1以上の共振器73が配置される。そして各マイクロストリップライン32c、32dと各共振器73が電磁結合することにより、基板10の表面の電場の分布が均一化され、かつ、強められる。なお、各共振器73は、ループ状に形成された導体でもよく、あるいは、ダイポールアンテナであってもよい。この変形例では、共振器及びマイクロストリップラインが配置されている範囲が広くなるので、上記の実施形態または変形例よりも、電波の送受信が可能な範囲が広くなる。
なお、上記の実施形態または変形例において、マイクロストリップラインを形成する導体12及び各共振器の上に誘電体層を設けて、導体12及び各共振器を誘電体でサンドイッチしてもよい。これにより、各誘電体層の比誘電率に応じて、導体12及び各共振器における、電波の設計波長に相当する実際の長さが短くなるので、アンテナ全体がより小型化される。
さらに他の実施形態によれば、マイクロストリップラインの代わりに、他の形態の分布定数線路が用いられてもよい。
図21は、第3の実施形態によるシェルフアンテナの平面図である。このシェルフアンテナ8では、マイクロストリップラインの代わりに、分布定数線路としてレッヘル線が用いられる。シェルフアンテナ8では、誘電体で形成される基板10の一方の面上に、レッヘル線81と共振器83−1〜83−4が配置される。なお、この実施形態では、レッヘル線81自体が分布定数線路として機能するので、基板10の他方の面に接地電極は設けられなくてよい。そのため、基板10は、主として、レッヘル線81と共振器83−1〜83−4を支持するために利用される。
レッヘル線81は互いに平行な2本の導線81a及び81bを有する。そして導線81aを流れる電流の向きと導線81bを流れる電流の向きは逆である。そのため、導線81aと電磁結合するように、導線81aに近接して配置される共振器83−1と、導線81bと電磁結合するように、導線81bに近接して配置される共振器83−3とは、レッヘル線81の長手方向における同じ位置に配置されてもよい。同様に、共振器83−2と共振器83−4とは、レッヘル線81の長手方向における同じ位置に配置されてもよい。
また、レッヘル線81の給電点81cと反対側の端点81dは、レッヘル線81を流れる電流が定常波となるように、開放端とされるか、あるいは、接地される。そして各共振器83−1〜83−4は、レッヘル線81を流れる電流の定常波の節近傍における電磁結合可能な範囲内に各共振器の一端が位置するように配置される。すなわち、端点81dが開放端であれば、共振器83−1及び83−3は、端点81dから設計波長λの1/2の整数倍の位置の近傍に配置される。一方、端点81dが接地されていれば、すなわち、端点81dが固定端であれば、共振器83−1及び83−3は、端点81dからλ×(1/4+n/2)(nは、0以上の整数)の位置の近傍に配置される。さらに、各共振器83−1〜83−4を流れる電流が同相となるように、共振器83−1及び83−3と、共振器83−2及び83−4間の間隔は、λと略等しくなるように、各共振器は配置される。またこの実施形態においても、各共振器の長手方向の長さは、設計波長の略1/2であることが好ましい。
以下、シェルフアンテナ8のアンテナ特性のシミュレーション結果について説明する。
図22は、シミュレーションに利用した各部の寸法を示すシェルフアンテナ8の平面図である。図23は、シェルフアンテナ8のSパラメータの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。また図24は、シェルフアンテナ8の表面近傍に形成される電場のシミュレーション結果を示す図である。このシミュレーションにおいて、基板10を形成する誘電体の比誘電率εrは2.2、誘電正接tanδは0.00である。また、レッヘル線81及び共振器83−1〜83−4の何れも、銅(導電率σ=5.8×107S/m)で形成される。
図22に示されるように、基板10は、レッヘル線81の長手方向に沿った長さが800mmであり、レッヘル線81の長手方向に直交する方向の長さが400mmである。また基板10の厚さは、0.6mmである。
さらに、レッヘル線81の各導線81a、81bの幅は2mmであり、導線間の間隔は4mmである。給電点81cから開放端81dまでの長さは670mmである。一方、各共振器83−1〜83−4を形成する導体の幅は6mmである。さらに、各共振器の長手方向に沿った長さは140.8mmである。そして、開放端81dから共振器83−1、83−3までの距離は146mmである。さらに、共振器83−1と共振器83−2の間隔及び共振器83−3と共振器83−4の間隔は292mmである。そして共振器83−2、83−4から給電点81cまでの距離は220mmである。また、各共振器とレッヘル線81との間隔は0.2mmである。
図23において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。そしてグラフ2300は、有限積分法による電磁場のシミュレーションにより得られた、シェルフアンテナ8のS11パラメータの周波数特性を表す。グラフ2300に示されるように、シェルフアンテナ8は、920MHz近傍において、S11パラメータが良好なアンテナ特性の目安とされる-10dB以下となっていることが分かる。
図24において、グラフ2400は、シェルフアンテナ8の表面から上方に30cmの位置における、シェルフアンテナ1の表面に平行な面の電場の強度分布を表す。ただし、電波の周波数は920MHzであるとする。グラフ2400において、濃度が濃いところほど、電場が強い。グラフ2400に示されるように、電場は、レッヘル線81の長手方向に沿った方向だけでなく、レッヘル線81の長手方向と直交する方向にも、均一に広がっていることが分かる。
この実施形態によれば、基板の裏面に接地電極を設ける必要が無く、そのため、シェルフアンテナの特性インピーダンスを調節する際に、基板の厚さを考慮する必要が無い。そのため、この実施形態によれば、シェルフアンテナをより薄型化できる。
なお、上記の各実施形態または変形例において、共振器の数は例示された数に限定されず、1以上あればよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1〜8 シェルフアンテナ(平面アンテナ)
10 基板
11 接地電極
12、22、32 導体
12a、32a 給電点
32c、32d マイクロストリップライン
12b 開放端
81 レッヘル線
13−1〜13−4 共振器
23−1〜23−4 共振器
33−1〜33−4 共振器
43−1〜43−4 共振器
53−1〜53−4 共振器
63、64 共振器
73 共振器
83−1〜83−4 共振器

Claims (4)

  1. 誘電体により形成される基板と、
    前記基板の他方の面に配置される接地電極と、前記基板の一方の面に配置される線状の導体とを有するマイクロストリップラインであり、一端が給電され、他端が開放端または接地される分布定数線路と、
    前記分布定数線路から放射または前記分布定数線路により受信される所定の設計波長を持つ電波に応じた、前記分布定数線路を流れる電流の定常波の節点の何れかの近傍における前記分布定数線路と電磁結合可能な範囲内でかつ前記基板の前記一方の面に配置される、少なくとも一つの第1の共振器と、
    前記電流の定常波の腹の何れかの近傍における前記導体と電磁結合可能な範囲内でかつ前記基板の前記一方の面において、前記導体と平行に配置される、少なくとも一つの第2の共振器と、
    を有し、
    前記少なくとも一つの第1の共振器は、前記少なくとも一つの第2の共振器と直交するように配置される平面アンテナ。
  2. 前記少なくとも一つの第1の共振器は複数の第1の共振器を有し、前記複数の第1の共振器のそれぞれは、前記導体を挟んで交互に配置され、かつ、隣接する二つの第1の共振器のそれぞれが前記導体を流れる電流の隣接する二つの節点における電磁結合可能な範囲に配置される、請求項に記載の平面アンテナ。
  3. 前記複数の第1の共振器のそれぞれは、該第1の共振器の長手方向に沿って前記設計波長の1/2の長さを有する、請求項1または2に記載の平面アンテナ。
  4. 前記導体は、前記第1の共振器と前記第2の共振器の組が一つ配置される度に折り曲げられるように形成され、かつ、前記導体の長手方向に沿って、前記導体の同一の側に、前記第1の共振器と前記第2の共振器とが前記設計波長の間隔で交互に配置される、請求項に記載の平面アンテナ。
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