JP6230693B2 - マス・サイトメトリーのための試料分析 - Google Patents

マス・サイトメトリーのための試料分析 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2013年4月17日出願の米国仮特許出願第61/812,893号の利益を主張し、この出願における開示全体は、参照によって本出願に組み入れられる。
本発明は、マス・サイトメトリー(mass cytometry)による細胞分析のためのレーザーアブレーション用の装置及び方法に関する。
誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)と組み合わせるレーザーアブレーションは、元素タグで標識された生体試料(細胞、体内組織等)を画像化するために用いることができる。各レーザーパルスは、質量分析器によってさらに分析するためにイオン化するべく搬送される試料からアブレーション物質のプルームを生成する。次に、試料の各位置でレーザーパルスから取得された情報は、その分析内容に基づいて試料を画像化するために用いられる。しかし、この技術には、試料上の各レーザーアブレーションパルスから生成されるアブレーション物質の、各離散プルームを独自に分解する能力に限界がある。
一態様において、本発明は、パルスごとに試料のプルームを生成するためにレーザービームのパルスを試料に向けるステップと、パルスごとに各プルームを独自に捕捉するステップと、独自に捕捉されたプルームをICPに搬送するステップと、ICP内で独自に捕捉され、搬送されたプルームをイオン化して、マス・サイトメトリー分析のためにイオンを生成するステップとを含むレーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法を提供する。
関連する態様において、本発明は、試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、前記レーザーアブレーション源に収容されている試料にビームを向けるように方向づけられている表面からレーザービームを放出するレーザーと、誘導結合プラズマ(ICP)トーチと、前記レーザーアブレーション源を前記ICPトーチによって生成されるICPと結合させるよう構成されたインジェクターであって、前記レーザーアブレーション源内に位置付けられ、かつ前記レーザーアブレーションプルームが生成されると、前記レーザーアブレーションプルームを捕捉するよう構成されたインジェクター入口を有している、インジェクターと、前記インジェクター入口に結合されるガス入口であって、前記捕捉された前記アブレーションプルームを前記ICP内に搬送するために、前記ガス入口からのガスを前記インジェクター入口に通すよう構成されたガス入口と、を備えているレーザーアブレーション・マス・サイトメーターを提供する。
例示のために、限定されることなく、以降において、本発明の例示的な態様が開示される。
態様1.レーザーアブレーション・マス・サイトメーターを用いるレーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法であって、
a)パルスごとに試料のアブレーションプルームを生成するために、前記試料の複数の部位にレーザービームの前記パルスを向けるステップと、
b)各アブレーションプルームを独自に捕捉するステップと、
c)独自に捕捉された各アブレーションプルームを誘導結合プラズマ(ICP)に搬送するステップと、
d)前記ICP内に独自に捕捉され、搬送された前記アブレーションプルームをイオン化して、マス・サイトメトリー分析のためのイオンを生成するステップと、
を含む、レーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法。
態様2.前記レーザアブレーション・マス・サイトメーターは、
試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、
前記ICPを生成するためのICP源と、
前記ICPに前記アブレーションプルームを搬送するよう構成されたインジェクターであって、前記レーザーアブレーション源内に位置付けられると共に、前記アブレーションプルームを捕捉するように構成されたインジェクター入口を有している、インジェクターと、
前記インジェクター入口に結合されたガス入口であって、前記捕捉されたアブレーションプルームを前記ICPに搬送するために、前記ガス入口からのガスを前記インジェクター入口に通すよう構成されたガス入口と、
を備えている、態様1に記載の方法。
態様3.前記インジェクター入口は、前記アブレーションプルームが生成されると、前記アブレーションプルームの全部又は一部を捕捉するよう構成される、態様2に記載の方法。
態様4.前記アブレーションプルームは、基板上に配置された試料を含むターゲットに向けられるレーザーパルスによって生成される、態様1〜3のいずれか一つに記載の方法。
態様5.前記アブレーションプルームは、前記試料を含む透明ターゲットを経て向けられるレーザーパルスによって生成される、態様1〜3のいずれか一つに記載の方法。
態様6.前記透明ターゲットは、前記試料が載置される透明基板を含む、態様5に記載の方法。
態様7.前記インジェクター入口は、サンプリングコーンの形状を有し、前記コーンの狭い部分は前記インジェクター入口のアパーチャーである、態様2〜6のいずれか一つに記載の方法。
態様8.前記サンプリングコーンは、前記アブレーションプルームが生成される領域の近傍に位置する、態様7に記載の方法。
態様9.前記サンプリングコーンは、前記ターゲット面の表面から約100ミクロン離れて位置する、態様8に記載の方法。
態様10.前記アパーチャーの直径は、a)調整可能であり、b)前記アブレーションプルームが前記インジェクター内をインジェクター内に入るときに、前記アブレーションプルームに対する摂動を阻止する大きさ、及び/又は、c)前記アブレーションプルームの断面径にほぼ等しい、態様7〜9のいずれか一つに記載の方法。
態様11.前記アパーチャーの前記直径は約100ミクロンである、態様7に記載の方法。
態様12.前記プルームを、前記インジェクター入口を経て方向づけるのを助けるために、前記インジェクター入口と前記ターゲットとの間の領域内にガスフローを導入するステップをさらに含む、態様4〜11のいずれか一つに記載の方法。
態様13.前記ガスフローは前記ターゲットを横断し、かる少なくとも前記インジェクター入口に近接するインジェクター内腔の部分で、前記インジェクター内腔の中心線を横断する、態様12に記載の方法。
態様14.前記ターゲットは透明ターゲットである、態様12又は13に記載の方法。
態様15.前記ガスフローはアルゴンを含む、態様12〜14のいずれか一つに記載の方法。
態様16.前記プルームを前記ICPの方へ搬送するために前記インジェクター内に搬送ガスフローを導入するステップをさらに含む、態様12〜15のいずれか一つに記載の方法。
態様17.前記ガスフローは毎分約0.1リットルで、前記搬送ガスフローは毎分約0.9リットルである、態様16に記載の方法。
態様18.前記搬送ガスフローはアルゴンを含む、態様16又は17に記載の方法。
態様19.前記試料は基板上にあり、前記アブレーションプルームは、前記試料と同じ側から前記試料に向けられるレーザーパルスによって生成される、態様1〜4,7〜13,及び15〜18のいずれか一つに記載の方法。
態様20.前記ガス入口は、前記アブレーションプルームを前記インジェクター入口に向けるために、前記アブレーションプルームが形成されるゾーン近傍にパワーウォッシュガスのフローを向けるように構成される、態様2〜19に記載の方法。
態様21.前記ガス入口は、前記インジェクター入口の直径より小さいアパーチャーを有するノズルを含む、態様20に記載の方法。
態様22.前記レーザービームは、フェムト秒レーザーから出る、態様1〜21のいずれか一つに記載の方法。
態様23.前記アブレーションプルームは、透明基板及び前記試料を含む透明ターゲットを経て向けられるレーザーパルスによって生成される、態様1に記載の方法。
態様24.前記レーザーアブレーション・マス・サイトメーターは、試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーと、誘導結合プラズマ(ICP)トーチと、前記ICPトーチによって生成されるICPにアブレーションプルームを搬送するよう構成されたインジェクターとを備え、前記インジェクターは壁部及び内腔を含み、前記インジェクターの壁部の一部は前記透明の基板で構成され、前記インジェクターは、前記内腔内に流れるガスフローを導入するためのインジェクター入口を備え、前記透明基板は前記インジェクター入口と前記ICPトーチとの間に位置し、前記試料は前記透明基板の前記内腔側に取り付けられ、前記アブレーションプルームは、前記インジェクターの内腔を横切る方向に形成されると共に、前記インジェクターの内腔内で完全に形成され、かつ各アブレーションプルームは、前記ICPに向かって前記インジェクター内腔を経て流れるガスによって、独自に捕捉される、態様23に記載の方法。
態様25.前記ターゲットの位置は分析中、固定されている、態様24に記載の方法。
態様26.レーザービームのパルスを試料の複数の部位に向けるステップは、静止している試料を横切って関心のある部位にレーザービームを移動させるステップを含む、態様25に記載の方法。
態様27.前記レーザービームは、画像化のためにラスターパターン内で移動する、態様26に記載の方法。
態様28.前記ターゲットの前記位置は分析中、変更される、態様24に記載の方法。
態様29.分析中、前記レーザービームは静止したままであり、前記ターゲットは移動する、態様28に記載の方法。
態様30.前記ターゲットの前記位置は、分析中、固定されている、態様4〜29のいずれか1つに記載の方法。
態様31.分析中、前記レーザービームは静止したままであり、前記ターゲットは移動する、態様30に記載の方法。
態様32.前記ターゲットの前記位置は、分析中、移動する、態様4〜29のいずれか1つに記載の方法。
態様33.前記レーザビームパルスは、1ミクロンのアブレーションスポットを生成する、態様1〜32のいずれか1つに記載の方法。
態様34.前記アブレーションプルームの前記断面径は100ミクロンの規模である、態様1〜33のいずれか1つに記載の方法。
態様35.前記インジェクターは、約1mmの内径の管である、態様1〜34のいずれか1つに記載の方法。
態様36.各レーザーパルスによって形成される前記アブレーションプルームは、約1μm以下の大きさの試料粒子を含む、態様1〜35のいずれか1つに記載の方法。
態様37.前記アブレーションプルームが前記ICPに搬送されるときのアブレーションプルームの広がりは、前記インジェクターの内腔の内径以内に維持される、態様1〜36のいずれか1つに記載の方法。
態様38.試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、
前記レーザーアブレーション源に収容されている試料にビームを向けるように方向づけられている表面からレーザービームを放出するレーザーと、
誘導結合プラズマ(ICP)トーチと、
前記レーザーアブレーション源を前記ICPトーチによって生成されるICPと結合させるよう構成されたインジェクターであって、前記レーザーアブレーション源内に位置付けられ、かつ前記レーザーアブレーションプルームが生成されると、前記レーザーアブレーションプルームを捕捉するよう構成されたインジェクター入口を有している、インジェクターと、
前記インジェクター入口に結合されるガス入口であって、前記捕捉された前記アブレーションプルームを前記ICP内に搬送するために、前記ガス入口からのガスを前記インジェクター入口に通すよう構成されたガス入口と、
を備えているレーザーアブレーション・マス・サイトメーター。
態様39.前記レーザービームは、前記インジェクター入口の開口部の方へ、直接、方向付けられるように構成された、態様38に記載のサイトメーター。
態様40.前記レーザービームは、前記インジェクター入口近傍の前記内腔の少なくとも一部分にて、前記インジェクターの内腔と整列するよう構成された、態様39に記載のサイトメーター。
態様41.前記レーザービームの投影が、前記インジェクター入口近傍の内腔の少なくとも一部にて前記インジェクターの内腔の中心線を横切るよう構成された、態様39に記載のサイトメーター。
態様42.前記レーザーアブレーション源は、透明ターゲットを受容するよう構成される、態様38〜41のいずれか一つに記載のサイトメーター。
態様43.透明ターゲットをさらに備える、態様42に記載のサイトメーター。
態様44.前記透明ターゲットは、透明基板及び前記サンプルを含む、態様42又は43に記載のサイトメーター。
態様45.前記インジェクター入口のアパーチャーの直径は、前記インジェクターの内径より小さい、態様38〜44のいずれか一つに記載のサイトメーター。
態様46.前記インジェクター入口は、サンプリングコーンの形状を有する、態様38〜44のいずれか一つに記載のサイトメーター。
態様47.前記サンプリングコーンは、アブレーションプルームが生成されるゾーン近傍に位置する、態様46に記載のサイトメーター。
態様48.前記アパーチャーの直径は調整可能である、態様46に記載のサイトメーター。
態様49.透明ターゲットを備える、態様45〜48のいずれか一つに記載のサイトメーター。
態様50.前記インジェクター入口近傍の前記内腔の少なくとも一部にて、前記インジェクターの前記内腔の中心線を横切る方向にガスを向けるよう構成されたガスフロー入口をさらに備える、態様38〜49のいずれか一つに記載のサイトメーター。
態様51.前記インジェクター入口を経てアブレーションプルームを方向付けるのを助けるために、アパーチャーの方に透明ターゲットの表面を横切るようガスを向けるよう構成されたガスフロー入口をさらに備える、態様38〜50のいずれか一つに記載のサイトメーター。
態様52.前記インジェクター入口はサンプリングコーンの形状を有し、前記インジェクターの内腔にガスを向けるよう構成され、位置づけられる搬送ガスフロー入口をさらに備える、態様51に記載のサイトメーター。
態様53.前記インジェクター入口にアブレーションプルームを向けるよう構成されたパワーウォッシュガス入口を備える、態様38に記載のサイトメーター。
態様54.前記パワーウォッシュガス入口は、前記インジェクター入口のアパーチャーより小さいアパーチャーを有するノズルを備える、態様53に記載のサイトメーター。
態様55.試料からアブレーションプルームを生成するためのフェムト秒レーザーと、
誘導結合プラズマ(ICP)トーチと、
前記アブレーションプルームを前記ICPトーチによって生成されるICPに搬送するよう構成されたインジェクターと、を備え、
前記インジェクターは、壁部及び内腔を有し、前記インジェクターの壁部の一部は透明基板から成り、前記透明基板は前記試料を受容するよう構成され、前記インジェクターは前記内腔にガスを導入するためのインジェクター入口を備え、前記透明基板は、前記インジェクター入口と前記ICPトーチとの間に位置する、レーザーアブレーション・マス・サイトメーター。
態様56.前記透明基板は前記インジェクターの壁部の他の部分に対して可動である、態様55に記載のサイトメーター。
態様57.前記透明基板は、前記インジェクターの壁の他の部分に対してラスターパターンで移動可能である、態様56に記載のサイトメーター。
態様58.a)レーザー照射を生成することのできるレーザーと、
b)分析される試料を保持する透明基板、又は透明基板を受けるよう構成されたステージを有するレーザーアブレーションセルと、
c)アブレーションプルームをICPに搬送するためのインジェクターであって、インジェクター開口部を有しているインジェクターと、を備え、
前記a)、b)及びc)は、前記レーザー照射が前記ステージ又は前記基板の片側で発生し、前記インジェクター開口部は反対側にあるよう構成される、レーザーアブレーションシステム。
態様59.前記レーザー照射は、光学窓を経て前記アブレーションセルに入る、態様58に記載のシステム。
態様60.前記インジェクターの開口部は、前記基板の領域のアブレーショによって、前記レーザー照射が放出される表面の下フローでアブレーションプルームが形成されるように構成される、態様59に記載のシステム。
態様61.前記表面はレンズ又はミラーである、態様60に記載のシステム。
態様62.前記インジェクター開口部は、前記基板のある部位のアブレーショによって、前記インジェクター内にアブレーションプルームの少なくとも一部が形成されるように構成される、態様61に記載のシステム。
態様63.(a)前記インジェクター内に搬送フローを生成するための搬送ガス源と、(b)前記アブレーションセル内に捕捉フローを生成するための捕捉ガス源、又は、前記(a)及び(b)のいずれも備える、態様58〜62のいずれか一つに記載のシステム。
態様64.前記ステージはx−y、又はx−y−z方向に移動する、態様58〜63のいずれか一つに記載のシステム。
態様65.前記透明基板上に生体試料を備える、態様58〜63のいずれか一つに記載のシステム。
態様66.前記レーザービームは、前記アパーチャーを通過する、態様7〜11のいずれか一つに記載の方法。
態様67.前記アブレーションプルームは、前記レーザービームが出る表面の方へ拡大する、態様66に記載の方法。
態様68.試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、レーザービームを放射するレーザーであって、前記ビームは、対物レンズを経て前記レーザーアブレーション源に収容された試料を通過するレーザーと、誘導結合プラズマ(ICP)トーチと、前記レーザーアブレーション源を前記ICPトーチによって生成されるICPに結合するよう構成されたインジェクターと、を備え、前記インジェクターは前記対物レンズの開口部を通過し、前記インジェクターは前記レーザーアブレーション源内に位置するインジェクター入口を備え、前記インジェクター入口は、前記アブレーションプルームが生成されると前記アブレーションプルームを捕捉するよう構成された、レーザーアブレーション・誘導結合プラズマ質量分析システム。
態様69.前記レーザービームは、ミラーから前記対物レンズに反射される、態様68に記載のシステム。
態様70.前記インジェクターは前記ミラーにおける開口部を通過する、態様69に記載のシステム。
態様71.前記アブレーション源は、捕捉ガスフロー用の入口を備える、態様68〜70のいずれか一つに記載のシステム。
態様72.前記アブレーション源は、ターゲットを受容するよう構成されたステージを備える、態様68〜71のいずれか一つに記載のシステム。
態様73.態様1〜37のいずれか1つに記載の方法による用途のために構成されたレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析システム。
当業者は、以下に説明された図面は例示の目的に過ぎないことを理解するであろう。図面は、いずれにおいても出願人の教示の範囲を限定することを意図するものではない。
レーザーアブレーション・マス・サイトメーターの概略図である。 インジェクター内にプルームを搬送するよう構成されたアパーチャーを通る、レーザーアブレーションプルームのサンプリングを示している図1のレーザーアブレーション源の実施形態の線図である。 インジェクター内に直接、サンプリングされたプルームを入れる、図2に似た代替構成を示す図である。 インジェクター内でのレーザーアブレーションプルームの生成及びサンプリングを示している、図1のレーザーアブレーション源のさらなる実施形態の線図である。 インジェクター内でのレーザーアブレーションプルームの生成及びサンプリングを示している、図1のレーザーアブレーション源のさらなる実施形態の線図である。 図2に似ているも、インジェクター内にプルームを搬送するよう向けるために、生成プルームに垂直に向けられる「パワーウォッシュ」フローを示している代替構成を示す図である。 検討中の試料が上側からのレーザー光によって照射される実施形態を示す図である。 捕捉フロー及びプルーム物質を含むシースフローのコア部分がインジェクターに入る間に、シースフローの一部が犠牲フローとして廃棄される実施形態を示す図である。 対物レンズを通過するプルームがインジェクター内にサンプリングされる配置を示す図である。 対物レンズ及びミラーを通過するプルームがインジェクター内にサンプリングされる配置を示す図である。
本教示で、様々な構成要素に関して用いられる「1つの("a")」又は「1つの("an")」という表現は、文脈が明らかに異なる方法であることを示していない限り、「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」を包含する
本発明は、誘導結合プラズマ質量分析法(LA−ICP−MS)を併用するレーザーアブレーションに関する。LA−ICP−MSは、生体物質内の内在性要素を測定するために、最近では、元素タグが付された抗体の検出によって画像化するためのものであると見なされている。例えば、本明細書において参照によって組み込まれる、2012年に公開されたAntonov, A.及びBandura, D.によるUS特許公開第2012/0061561号明細書、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、2005年発行の「Analytical biochemistry 2005」の346.2:225- 233に掲載されたHutchinsonらによる「Imaging and spatial distribution of β-amyloid peptide and metal ions in Alzheimer's plaques by laser ablation- inductively coupled plasma-mass spectrometry」、2007年発行の「Journal of Analytical Atomic Spectrometry」の22.7:736-744に掲載されたBeckerらによる「Laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry (LA-ICP- MS) in elemental imaging of biological tissues and in proteomics.」、2003年発行の「Analytical Biochemistry」の318:30-38に掲載されたBinetらによる「Detection and characterization of zinc- and cadmium-binding proteins in Escherichia coli by gel electrophoresis and laser ablation-inductively coupled plasma-mass spectrometry」、2002年発行の「Journal of Analytical Atomic Spectrometry」の17:892-96;に掲載されたQuinnらによる「Simultaneous determination of proteins using an element- tagged immunoassay coupled with ICP-MS detection」、2005年発行の「Microchemical Journal 」の81:163-69に掲載されたSharmaらによる「Sesbania drummondii cell cultures: ICP-MS determination of the accumulation of Pb and Cu」、2011年発行の「Anal. Chem.」の83:8177-8183に掲載されたGiesenらによる「Multiplexed immunohistochemical detection of tumor markers in breast cancer tissue using laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry」を参照。
本発明は、パルスごとに試料のプルームを生成するためにレーザービームのパルスが試料に向けられる、レーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析方法であって、パルスごとに各プルームを独自に捕捉するステップと、独自に捕捉された前記プルームをICPに搬送するステップと、ICP内に独自に捕捉され、かつ搬送されたプルームをイオン化して、マス・サイトメトリー分析のためにイオンを生成するステップとを含む方法、及びその方法を実施するための装置を提供する。様々な実施形態において、レーザーアブレーション・マス・サイトメーターは、試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、レーザーアブレーション源をマス・サイトメーターのICPに結合させるよう構成されたインジェクターとを備えることができる。いくつかの実施形態において、インジェクターは、レーザーアブレーション源内に位置する入口を有することができ、この入口は、アブレーションプルームが生成されると、そのアブレーションプルームを捕捉するよう構成することができる。捕捉された、アブレーションプルームをICP内に搬送するために、レーザーアブレーション源とインジェクター入口との間にガスを通すためにインジェクター入口にガス入口を結合させることができる。
一態様において、本発明は、(i)レーザーアブレーション源と、(ii)レーザーアブレーション源をICP源によって生成されるICPに結合するよう構成されたインジェクターと、(iii)質量分析器と、を備えるレーザーアブレーション・マス・サイトメーターを提供する。
「アブレーションセル」とも称されるレーザーアブレーション源は、アブレーション中の試料を収容する。典型的には、アブレーションセルは、レーザーエネルギーを試料に衝突させるようレーザー透過窓を有する。アブレーションセルは分析される試料を保持するステージを随意に有する。いくつかの実施形態では、ステージはx−y又はx−y−z次元に可動である。図面及び明細書の例において、レーザーアブレーション源は、オープン配置として示されることもある。しかし、このような構成は例示のためのみになされ、周囲の環境からの汚染又は浸透を防ぐためにある種の適切な囲いがあることが理解されるだろう。例えば、ガス入口及び/又は光学ポートとともに構成されるチャンバーを、レーザーアブレーション源の周りに配置して、ICP質量分析のためのアブレーションプルームを捕捉して搬送するのに適切な閉鎖環境を提供することができる。ガス入口及び光学ポートは、レーザービーム、試料、プルーム拡張、及びインジェクターの方向が、本明細書で開示された方法及び装置に適するように配置される。アブレーションセルは、(設計された出口及びポートを除いては)一般に気密であると理解されるであろう。
本発明によるレーザーアブレーションに用いられるレーザーは、一般に、フェムト秒パルスレーザー、深UVパルスレーザー、及びアブレーション物質内に高吸収であるよう選択された波長を有するパルスレーザー(「波長選択レーザー」)の3つのカテゴリーに分類される。深UV及び特定の波長のレーザーは、ナノ秒又はピコ秒パルスで動作しやすい。各クラスのレーザーは欠点及び利点を有し、特定の用途に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態において、レーザーは、10Hz〜10000Hzのパルス率で動作するよう構成されるフェムト秒パルスレーザーである。フェムト秒レーザーは公知である(例えば、2012年に発行のJ. Anal. At. Spectrom27:1405-1412に掲載されたJhanisらによる「Rapid bulk analysis using femtosecond laser ablation inductively coupled plasma time-of-flight mass spectrometry」を参照)。
フェムト秒レーザーは、有効な出力密度のレーザーアブレーションの必須条件のみを有する、ほとんど全ての物質のレーザーアブレーションを可能とする。これは、ビームが例えば直径1マイクロメーターで密に集束し、存続期間が短い(時間内に集束する)と、比較的低いパルスエネルギーでも達成することができる。共通に用いられる物質のほとんどが深いUV光子を吸収するため、深UVレーザーも大部分の物質を剥ぎ取ることができる。波長選択レーザーアブレーションは、基板物質内での吸収を目的とする特定のレーザー波長を有するレーザーを活用することができる。波長特定レーザーは、基板物質のスペクトルがより制限されても、レーザー及び光学系の費用及び簡略さが利点である。適するレーザーは、例えば、ソリッドステート(例としてNd:YAGレーザー)、エキシマレーザー、ファイバレーザー、及びOPOレーザーのような異なる動作原理を有する。
フェムト秒レーザー光の有用な性質は、出力密度の閾値に達したところにのみ吸収されることである。そのため、集束しているフェムト秒レーザー光は、吸収されることも、何の損傷ももたらすこともなく物質の薄い部分を通過し、しかも、ちょうど焦点となっている表面で同一物質を剥ぎ取ることができる。試料の層が剥ぎ取られると、焦点は次第に物質の内側に移動することができる。ナノ秒レーザーパルスは、基板に部分的に吸収されることもあるが、焦点でのエネルギー密度が最高となって以降(アブレーションに十分である限り)、なおもアブレーションをもたらすことができる。
レーザーパルスは、アパーチャーを用いて形作られ、(必要であれば)ビームホモジナイザーを用いて均質化され、10μmより小さい所望のスポットサイズを生成するために、例えば、対物レンズを用いて集束する。スポットサイズの例は、0.10〜3μm(例えば約0.3μm)、1〜5μm(例えば約3μm)、1〜10μm(例えば約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、又は約5μm)、10μm未満、及び5μm未満の範囲の直径(又は他の形状における同等の大きさのアブレーション領域)を含む。特定の実施形態において、レーザーシステムは、例えば100nmから1μmといった約1μmの試料領域を剥ぎ取るために十分に集束したレーザーパルスで動作するよう構成される。このような小規模のアブレーションは、プルームのサイズを同様に小さく保つことを確実にする非常に少量のプルーム物質を生成する。小さいプルームであるほど、アブレーションセル又はガス導管の壁に触れることなく、捕捉フローの中ほどに留まりやすい。1マイクロメートル規模のアブレーションは、剥離表面と、プルーム拡散が遅くなって周囲のガスが多くなる領域との間の距離が非常に短いことも意味する。この距離は、数マイクロメーターから数百マイクロメーターの範囲とすることができる。本発明のいくつかの変形において、捕捉フローは、プルームが拡散を停止するところに存在する。そのため、例示のため、限定されることなく、いくつかの追加された図面は、剥離表面と、捕捉フローを有する領域との間の距離を約100マイクロメートルとして示す。
1マイクロメートル(又はより短い)規模でのアブレーションが、ある用途(例えば、画像化)には有利であるが、本発明の方法及び装置は、直径約5〜約35ミクロン、例えば、5〜15ミクロン、10〜20ミクロン、15〜25ミクロン、20〜30ミクロン、及び25〜35ミクロンといった5〜35ミクロン径の範囲のアブレーションスポットのような、より大きいアブレーションスポットが生成される場合にも有用である。大きいアブレーションスポットが生成される、いくつかの用途において、ブルーム物質の一部のみが捕捉される。
いくつかの実施形態において、レーザーはレーザーアブレーション源の外側に位置し、レーザービーム(レーザーエネルギー)は、例えば光学窓を経てレーザーアブレーション源に入る。ここで用いられるように、レーザービームは、表面(例えば、レーザーレンズ又はミラー)から放射されると述べることができ、表面は、特定の位置又は位置のパターンにビームを向けるように方向づけることができる。本発明の記載を容易にするために、向けられたビームは、特定の方向となるように考慮され、ビームの方向は、ビームと、(例えば、ビームが不透明表面に入射した場合の)実際のビームの延長と一直線にある想像線を基準とすることができる。文脈から明らかなように、レーザービームの方向又は位置の基準は、レーザーの使用中に、電源が入っていないレーザー源のビームが生成する方向及び位置を基準とすることがある。
本発明で使用される質量分析器は、操作者の必要性および特定の用途に基づいて選択することができる。質量分析の例示的な類型は、ICP・マス・スペクトロメーターに基づく四重極、飛行時間、磁気セクタ、高分解能、及び単一又は多重の収集器を含む。典型的には、マス・スペクトロメーターの飛行時間は、速いレーザーアブレーションICP装置から予想される搬送期間での速い搬送イベントを記録するために用いられる。
アブレーションプルームの粒子が、ICP源又はICPトーチ内に維持されているプラズマ(誘導結合プラズマ、ICP)に入ると、イオンが生成される。
マス・サイトメーターは、生体試料の分析又は画像化に用いることができ、生体試料は透明基板上にある。画像化の実施形態において、一般に、レーザーは、パルスの連続トレーンを用いて、又は「関心スポット」又は「アブレーションの位置又はゾーン」といわれる試料の異なる位置に向けられるパルスのバースト内で動作する。パルスは、二次元画像化のためのラスターのような、設定されたパターン内のスポットに向けられる。代わりに、異なる場所の多数の、(例えば、個別の細胞に相当する)個別スポットが剥ぎ取られてもよい。いくつかの実施形態において、レーザーは、同一のピクセル(すなわち、ターゲット上の同じ場所)から生じるプルームを生成するパルスのバーストを放射する。バースト内で個別のパルスによって生成されるアブレーションプルームは、1つのプルームに融合し、他のピクセルから生成されたプルームとは区別されるように機器内で進むと予想される。個別のピクセルを区別するために、バースト(ちょうど1パルス又は100パルスであるインターロゲーションパルス)間の持続時間は、個別のピクセルからの(検出器での)イオンシグナルの時間拡散によって決まる所定の限度以上に維持される。
以下に記載するように、本発明の1つの特徴は、分離した各試料プルームが独自に分析されるような処理において、アブレーションプルームがプルーム形成の位置からICPに搬送されることである。プルームは、導管又はインジェクター管(「インジェクター」)の少なくとも一部を通って形成ゾーンからICPへ搬送される。導管は、例えば、プルームを搬送するための内腔(例えば、円状、長方形状、又は他の断面の穴)を生成するよう適切な物質に穴を空けることによって形成することができる。インジェクター管は、0.2mm〜3mmの範囲の内径を有することがある。いくつかの実施形態では、注入導管は、例えば、微少流体装置を用いて、又は微少流体装置内に組み込まれて小さい直径を有することがある。いくつかの実施形態では、インジェクターの内径はインジェクターの長さで変わる。例えば、インジェクターは端部でテーパ状とすることができる。インジェクターは、1センチメートル〜100センチメートルの範囲の長さを有することがある。いくつかの実施形態では、長さは、僅か10センチメートル(例えば1〜10センチメートル)、僅か5センチメートル(例えば、1〜5センチメートル)、又は僅か3センチメートル(例えば、0.1〜3センチメートル)である。インジェクターは、限定されることなく、金属(例えば、鉄)、石英、ガラス、サファイア、又は他の物質製とすることができる。いくつかの実施形態では、インジェクターの内腔は、アブレーション源からICPまでの全距離、又はほぼ全距離に沿って真っ直ぐである。いくつかの実施形態では、インジェクターの内腔は、全距離で真っ直ぐではなく、方向を変える。例えば、導管は徐々に90°曲がることができる。この構成によって、プルームは、最初にインジェクター入口の軸が真っ直ぐに向かっている間、垂面内で移動し、(従来の冷却を利用するために共通して水平に方向づけられている)ICPトーチに近づくにつれて水平に移動することができる。いくつかの実施形態において、インジェクターは、プルームが入る又は形成されるアパーチャーから少なくとも0.1センチメートル、少なくとも0.5センチメートル、又は少なくとも1センチメートルの距離で真っ直ぐである。
ここで用いられるように、インジェクターの内腔の「中心線」は、内腔の中心及び外側に延在する想像線、随意には対称軸に続く線であり、方向についての有用な基準である。例えば、レーザービーム、プルーム拡散方向、及び中心線は互いに一例に並ぶことができる。他の例では、プルーム拡散方向は、中心線を横断(例えば、直交)することができる。
本教示によれば、分離した各試料プルームは質量分析器によって独自に分析することができる。一態様において、装置は、アブレーションセル(アブレーション源)及びインジェクター内でのプルームの拡散が、ICP源及び質量分析器内で生じる拡散より小さいように構成することができる。一態様においては、ICP及び質量分析器の傍のイオン検出器へのプルームの累積搬送時間内である期間に、各アブレーションプルームをICPに搬送することによって独自に分析される。このことは、搬送(すなわち、アブレーションの位置からプラズマへのアブレーションプルームの搬送)期間中のプルームの広がりと、イオン搬送(すなわち、プラズマから質量分析器への搬送)期間中の広がりとの割合が1以下となるような搬送構成のもとで、ガスのフローを通る各試料プルームを捕捉することによって達成することができる。
一般に、分析検出のためにICPイオン源が効率的に蒸発し、イオン化することのできる試料の粒子サイズの制限は、約10μm以下である。1マイクロメーター規模でのレーザーアブレーションによって生成される粒子は、1マイクロメーターより小さく、IPCイオン源によく合う。(Fluidigim Canada Inc.社のCyTOF(登録商標)器を用いて行えるような)別々の粒子の分析のために、これらの粒子がイオン化され、分析的に検出される典型的な割合は、粒子が蒸発し、イオン化する間のプラズマ内における試料の搬送時間の累積的な広がり又は拡散と、ICPと質量分析器の傍の検出器との間のイオンの搬送時間の広がり又は拡散との関数とすることができる。一般に、拡散又は広がりの累積時間は、約200μsの存続期間とすることができる。その結果、空間的に分離している10μm以下の粒子であれば、別々の各粒子を分析することは、各粒子を約200μsの時間内にICPに搬送することによって達成される。いくつかの実施形態において、粒子は200μsより短い間、又は150μsより短い間にICPに搬送される。したがって、レーザーアブレーションによって生体試料の画像化を達成することのできる試料導入システムにおいて、レーザーシステムは、例えば、フェムト秒パルスレーザーのような、約1μmの試料領域を剥ぎ取るよう十分に集束したレーザーパルスで動作するよう構成することができる。この構成で、各レーザーパルスによって形成された、アブレーションプルームは、典型的には約1μm以下の大きさの試料微粒子を含むことができる。本明細書で記載されたような一定の条件のもとで、これらの微粒子は、必要とされる搬送期間に合うよう捕捉され、搬送され、その結果、別々の各プルームは、ICPによって効率的に蒸発し、イオン化される。
さらに、二次元の画像化のために試料表面を横切ってラスタライズするような場合、連続する一連のパルスを有するレーザーを動作させる間の、各プルームの独自性、及び連続する各プルーム間の空間的分離は、プルームの形成ゾーンとICPイオン源における蒸発し、イオン化地点との間で維持することができる。例えば、プルームが、図1に示されるインジェクター管のような導管を通って運ばれると、プルーム内の粒子は、ICPのプラズマに入る前に、半径方向に外側に広がって、拡散する。プルーム内で生成された粒子の広がりは、それが形成され、ICPへの搬送中に発達するときの拡散係数、搬送フローの流量プロファイル、及び粒子密度の分布による。例えば、フェムト秒レーザーアブレーションの1μmのスポットサイズは、搬送中にさらに広がる前に、約100μm以下の初期断面径を有するプルームを生成することができる。また、プルームの広がりの度合いは、剥離粒子の大きさの関数ともすることができ、大きい粒子であるほど拡散広がりは小さくなりやすいが、インジェクター管の内壁に接するために潜在的損失に至る大きい運動量を伴いやすい。そのため、プルームの広がりを最小化する、及び/又は広がりの度合いによって困難な結果に至る前に蒸発し、イオン化するのに十分な時間内に、ICPにプルームを搬送するのが望ましい。
したがって、様々な実施形態において、広がりがインジェクター管の内径以内に維持されるように、1μmの試料スポットを剥ぎ取り、プルームを効率的に搬送するためのレーザーの使用は、本明細書及び付随する図面で記載されている例示的な配置によって達成することができる。
所定のレーザーアブレーションシステム及び所定の試料であれば、アブレーションプルームはレーザーアブレーション後に、「サンプリング体積」といわれる特徴的な体積になるまで拡散する。サンプリング体積を最小化し、サンプリング体積とは別に、プルームを運ぶガスフローの流量を高めるようにシステムを構成することが望ましい。小さいサンプリング体積と速いガスのフローとを組み合わせることによって、インジェクター内に搬送するプルームの拡散時間は短くなる。サンプリング体積は、任意の大きさのプルーム拡散速度が、周囲のガス媒体における音速より十分に(10倍まで)低くなる瞬間の、プルームのエンベロープによって記載することができる。制限されることなく、例示的なサンプリング体積は10−6mm〜10mmの範囲とすることができる。サンプリング体積は、0.001mm〜1mmの範囲であることもある。捕捉フローがある場合、捕捉フローは、サンプリング体積の少なくとも一部に流れ込み、プルームの少なくとも一部を搬送フローによって移送するインジェクター内に運ぶ。サンプリング体積に入るときの捕捉フローの速度は十分である(例えば、1m/s、10m/s、100m/s、又は500m/sより速い)ことが望ましい。いくつかの実施形態において、サンプリング体積に入るときの捕捉フローの速度は、インジェクター内への(例えば、インジェクターのアパーチャーを通る)捕捉フローの速度を測定することによって見積もることができる。いくつかの実施形態において、測定されたこの速度は1m/s、10m/s、100m/s、又は500m/sより速い。本発明との対比では、プルームは急速に取り除かれなかった場合、拡大し、拡散し続け、不要にアブレーションセル全体を満たす。
一態様において、本発明は、レーザービームをターゲットに向けるレーザーアブレーション構成を提供する。一実施形態において、ターゲットは、基板、及び基板に配置される試料を備える。一実施形態において、基板は透明であり、ターゲットは透明ターゲットである。
一態様において、本発明は、(図2において、ただし図2に限定されることなく、以下に論じられるように)「ターゲットを経た」アブレーションのためのレーザーアブレーション構成を提供する。本構成において、レーザービームのパルスは、透明ターゲットを通って向けられ、試料プルーム(「アブレーションプルーム」又は「プルーム」)はインジェクター内へのビームの下フローで形成される。図3〜5も参照。ターゲットを経た照射は、プルームの直線経路から光学素子(窓、対物レンズ等)を除去することによって拡大する搬送時間を最適化するという利点がある。一態様において、本発明は、(a)レーザー照射を生成することのできるレーザーと、(b)透明ターゲットを導入することができるレーザーアブレーションセル(又はレーザーアブレーション源)と、アブレーションプルームが通ることのできる開口部を有するインジェクターとを備え、レーザー照射が透明ターゲットの片側の表面から発生し、インジェクターの開口部は反対側にある、レーザーアブレーションシステムを備える。本システムに備えることのできる他の特徴は、例を含む本開示を通して記載される。
図1において、レーザー・アブレーション・マス・サイトメーターは、石英、又は他の一般的に適切な材料で製造されると共に、ICPトーチとも称される誘導結合プラズマ(ICP)源内への試料送出用に取り付けられた管のようなインジェクターに接続することができるレーザーアブレーション源を備える。ICPトーチのプラズマは、質量分析器が受け取ることのできるイオンを形成するために、試料を蒸発させ、イオン化することができる。
図2による様々な実施形態において、対象試料は、透明ターゲットに適合するようにフォーマットされた試料を用いることによってレーザーアブレーション用に構成することができる。試料は透明基板上に配置するか、透明基板内に組み入れるか、又は透明ターゲットとして形成することができる。適切なレーザー透明基板は、ガラス、プラスチック、石英、及び他の物質を含むことができる。一般に、基板は、ほぼ平面又は平坦である。いくつかの実施形態において、基板は曲がっている。ある実施形態において、基板は、0.1mm〜3mmの厚さである。いくつかの実施形態において、基板はエンコードされる(例えば、本明細書で参照により組み込まれるAntonov, A. 及び Bandura, D.による 2012年に発行された米国特許公開2012/0061561号明細書を参照)。この構成では、レーザービームのパルスは、透明ターゲットを経て方向付けられ、試料プルーム(「アブレーションプルーム」又は「プルーム」)が、ビーム下流のインジェクター内に形成される。
インジェクター又はインジェクター管は、図2に例示されるような小さな開口部又はアパーチャーを有するサンプリングコーンとして形成される入口のような、アブレーションプルームを捕捉するよう構成された入口を有することができる。この構成において、サンプリングコーンは、プルームが形成される領域又はゾーンの近傍に位置付けることができる。例えば、サンプリングコーンの開口部は、透明ターゲットから約100μm離れるように、透明ターゲットから10μm〜1000μmのところに位置付けることができる。その結果、アブレーションプルームは、コーンの拡大領域内に少なくとも部分的に生成され、形成される。いくつかの実施形態において、アパーチャーの直径及び/又は(角度を含む)間隔の大きさは、様々な条件のもとで最適化できるように調整可能である。例えば、100μm規模の断面径を有するプルームの場合、アパーチャー径は、プルームが通過するときのプルームへの摂動を防ぐのに十分な空間距離を有する約100μm程度の大きさにすることができる。
インジェクターは、このような構成では、プルームの動きを促すと共に、その後の各プルームの空間的独自性をレーザーパルスの関数として保つように、アブレーションプルームを受け取るためにサンプリングコーンの下流に継続する。したがって、各プルームを独自に捕捉するために、サンプリングコーンのアパーチャーを経るプルームを方向付けるのを助けるようにガスフロー(捕捉フロー)を導入することができ、また、独自に捕捉された各プルームをICPの方へ搬送するためにインジェクターに追加のガスフロー(搬送フロー又はシースフロー)を導入することができる。搬送又はシースフローの他の機能は、プルーム内に生成される粒子がインジェクターの壁に接触するのを防ぐことである。ガスは、例えば、限定されないが、アルゴン、キセノン、ヘリウム、窒素、又はこれらの混合物とすることができる。いくつかの実施形態において、ガスはアルゴンである。捕捉フローガス及び搬送フローガスは同一でも異なってもよい。
本発明に適するガス流量の選択又は決定は、本開示によって導かれるこの分野における当業者の能力の範囲内である。インジェクターを通る総流量は、典型的には、ICPイオン化源の要件によって決まる。レーザーアブレーション機構は、これらの要件に合うフローを提供する必要がある。例えば、図2及び様々な構成を例示する他の図において、インジェクター管は概して、毎分約1リットル(毎分0.1リットルの捕捉フロー+毎分0.9リットルの搬送フロー)の累積ガス流量に関連して、1mmの内径として説明してきた。より小さい、又はより大きい径のインジェクターは、それぞれに応じて選択されるガス流量とともに、同様の結果をもたらすことが想定される様々な構造に適用される。各別個のアブレーションプルームの独自性を維持するために、インジェクター管内の非乱流ガス動力学を維持するための条件が所望される。
本明細書に記載されるように、構成要素を特定の構成とすれば(例えば、ガスの入口位置、アパーチャー、インジェクターの諸特性、及び他の要素を特定の構成とすれば)、捕捉フロー及び搬送フローのガス流量は、ICPと質量分析器によるプルームの検出との間の、プルームの累積通過時間内の時間枠内に各アブレーションプルームをICPに搬送するように選択される。これは、搬送時間中のプルームの広がりとイオン通過期間中のイオンの広がりとの割合が1以下となるような搬送構成のもとで、ガスフローを介して各試料プルームを捕捉することによって達成することができる。すなわち、移行シグナルの時間的広がり(または時間拡散)が重要である。(Fluidgem Canada Inc.社のCyTOH(登録商標)ICP−TOF機器のような)ICP−MS装置は、シグナルの固有の広がりによって特徴付けられる。レーザーアブレーションの場合、単一のプルームを注入する動作は、ICP−MS自体における時間拡散と比較して速くても速くなくてもよい。プラズマに至る前のプルームの拡散はアブレーションセル及びプルーム送出チャネル(インジェクター)の設計に依存する。レーザーアブレーションセル及びその試料送出システム(インジェクター)は、元のアブレーションプルームを、残りの機器による固有の広がりよりも拡散させないのが望ましい。この条件は、アブレーションプルームによって生成される検出シグナルのスパイクが、選定機器にとって(経時的に)できるだけシャープになるようにする。プルームの拡散がICP−MSでの拡散よりはるかに長い場合、単一パルスからのレーザーアブレーションの事象が検出器におけるよりも遥かに広くなる。しかし、レーザーアブレーション部分での拡散が、機器での拡散より小さい場合、全体の拡散は機器での拡散に左右される。そのため、較正ビーズを用いて機器での拡散を測定し、単一のレーザーパルスから全体の拡散を測定し、そして、これら2つの数値を比較する。レーザーアブレーションからの拡散が、機器からの拡散より小さい場合、全体の拡散は、機器の拡散の2倍より小さくなる。
機器の特徴的な時間的広がりは、例えば、ラベルを付されたセル又は較正ビーズを用いて実験的に計測することができる。単一のビーズがマス・サイトメーター(例えば、CyTOF(登録商標)ICP−TOF機器)に入る都度、ビーズはプラズマ内で蒸発し、イオン化され、そして、そのシグナルが検出器に到達するまで質量分析器を通過する。過渡事象は、(単一事象からの時間拡散を表す)過渡シグナルの幅、及びICP源から開始し、検出器で終了する拡散の値といったような特定のビーズについての情報を記録するために検出されて用いられる。
いくつかの実施形態において、本装置は、試料と質量分析器のイオン検出器との間に画定される経路に対し10〜1000マイクロ秒の時間拡散を許容するように構成される。
典型的な捕捉流量は、0.1〜1Lpmの範囲である。最適な捕捉流量は実験的に決めることができるが、通常、その範囲の最も低い値(例えば、0.1Lpm)である。典型的な搬送流量は、0.1〜1Lpmである。最適な搬送流量は実験的に決めることができるが、通常、その範囲の最も高い値(例えば、0.9Lpm)である。いくつかの実施形態において、捕捉流量は、搬送流量より低い。例えば、捕捉流量がほぼ1Lpmである場合には、搬送流量は0とする場合もある。搬送流量は、0.4〜1Lpm(例えば、0.4,0.6,0.8,または1Lpm)であることが多い。
例示のために図2に示す構成において、サンプリングコーンを通るプルームを捕捉するために供給されるガスの流量は毎分約0.1リットルとすることができ、一方、毎分約0.9リットルの搬送フローが1mm内径のインジェクター管を通過することができる。ガスフロー、及びその導入方向は、各プルームが独自性を維持するよう、各アブレーションプルームを効率的に捕捉及び搬送するために最適化される。
図3による様々な実施形態では、図2のサンプリングコーンを省いて、インジェクターの開放をアパーチャーの位置に配置することができる。この構成では、各アブレーションプルームを独自に捕捉し、インジェクター内に直接搬送できるように、毎分約1リットルの累積流量の供給ガスを導入することができる。いくつかの実施形態において、透明ターゲットの表面とインジェクター入口との間の距離は、約200μm未満、約100μm未満、又は約50μm未満といったように500μm以下とする。図3の構成では、別個の捕捉フロー及び搬送フローがない。その代わり、単一のガスフローがアパーチャーを経てプルームを案内し、独自に捕捉したプルームをICPの方へ搬送する。この配置では、ガスフローは毎分0.2リットル〜毎分2リットルの範囲であることが多い。
様々な実施形態において、アブレーションプルームは、図4及び5に示されるようにインジェクター管内を横断する方向に、直接形成することができる。図2につき説明したのと同様な構成の透明ターゲットを用いて、各アブレーションプルームはガスフロー(毎分約1リットル)によって捕捉され、ICPの方へ下流に引き込まれる。図4で例示される透明ターゲットは、インジェクター管に対して固定の位置にあるため、各アブレーションスポットの位置は、スキャン能力を提供するように変更することができる。例えば、入射するレーザービームアブレーションは、より高い画像化能力を提供するために、静止試料を横切って関心のある様々な点に移動させることができ、又は、ラスターパターンで移動させることができる。一般に、ラスター動作においては、パルス化レーザーは、アブレーションの位置が設定パターンに従って変化するので、継続的に動作する。代わりに、様々な実施形態において、レーザービームは静止したままとし、一方、ターゲットは、図5に例示されるように、異なるアブレーションスポットを提供するために動くよう構成することができる。
図6による様々な実施形態において、レーザービームは、試料と同じ側からターゲット上に入射するように方向付けることができる。本例において、試料は基板上に配置され、レーザービームの各パルスは、入射レーザーの方向に広がるアブレーションプルームを生成することができる。レーザー光は、基板にほぼ直交してもよいし、他の角度に向けられてもよく、アブレーションスポットは引き延ばされることになる(例えば、円形ではなく楕円形になる)。レーザー光の角度に対する制約は、その光自体が円錐状に集束することである。1マイクロメートルの大きさにビームも集束させるには、円錐角をかなり広くする必要がある(これは高開口数で動作するよう表現されることがある)。このことは、レーザービームの大きな傾動が、狭いスポットにレーザーを集束させる能力に影響することもあることを意味する。
図6は、「パワーウォッシュ」の使用を例示する。ガスの「パワーウォッシュ」フローは、プルームが形成されるゾーンの近傍(例えば、100μm離れた距離のところ)に向けることができる。「パワーウォッシュ」からのガスフローはアブレーションプルームをインジェクター管の入口端の方へ押し進め、又はプルームを向け直して、各プルームが形成され又は生成される際に、プルームを効率的に捕捉することができる。上記の例に従って説明したのと同様の構成を用いて、インジェクター管には、プルームを捕捉し、ICPに向けて搬送するために、(本例示では毎分約0.9リットルの)ガスフローを供給することができる。様々な実施形態において、例えば、「パワーウォッシュ」フローは、各後続するアブレーションプルームをインジェクター管内に向け直すのに適切なガスジェットを作るための狭いノズル(例えば、直径100μm)を経て送出される(毎分約0.1リットルの)ガスフローを用いて達成することができる。パワーウォッシュガスフローの源(例えば、ノズル)は、プルームに向かうパワーウォッシュガスフローの入口であるため、「ガス入口」という。代わりに、パワーウォッシュガスフローの源は、「ポート」と称することもできる。例えば、「パワーウォッシュ」フローのガスは、レーザーアブレーションスポット(プルームの形成ゾーン)から50μm〜200μmの距離のノズルから出現する。この文脈で用いられるような「ノズル」とは、任意の特定の構造のことではなく、パワーウォッシュガスが出る出口のことをいうのは明らかである。図6に例示されるように、パワーウォッシュノズルの直径は、インジェクターの内径(又は等価断面寸法)より小さい。例えば、ノズルの直径は、インジェクターの直径の10%〜50%とすることができる。いくつかの実施形態において、パワーウォッシュフローは、プルームをインジェクターの円錐状の入口に向ける。
図7は、調査中の試料がレーザー光によって上側から照射される実施形態を示している。レーザー光は、体物レンズにより集束され、そして、光学窓を通過し、最終的に円錐状の導管を通って密閉されたアブレーションチャンバーに入る。導管がコーン状であることによって、チャンバーを出る捕捉ガス用の導管を提供しながらレーザー光をターゲットに通すことができる。捕捉ガスは、アブレーションプルームの内容物を担持しそして、シースフローと併合する。ガスチャネルの大きさ及び流量を選定することによって、捕捉フローがシースフローによって囲まれ、アブレーションプルームからのプラグをインジェクターの流入軸の近傍に留まらせることができる。このようにプルームを位置付けることによって、拡散時間を減らしつつプルームの搬送を最速にする。
図8は、図7の構成と同様の構成を示し、強力なシースフローを用いて、そのフローの中央におけるプルーム材料のフローを囲むことができることを例示している。図8は、シースフローの一部が、犠牲フローとして廃棄されると共に、捕捉フロー及びプルーム物質を含んでいるシースフローの核心部が、このフローをICP内に供給する短い導管に入ることを例示している。
図8に例示される犠牲フローを利用する技術は、上述した他の構成に適用することができる。このような実施形態では、インジェクターは内径が異なる2つの部分を有すると見なすことができる。犠牲フローの構成の主な利点は、捕捉フロー及びプルーム物質が、ガスフローの速度特性がほぼ一定、すなわち、捕捉されたプルームの異なる部分が同じような速度で進む、導管の中心近傍に留まることである。
図9は、試料上部をレーザービームで照射する、他の実施形態を示す。ここで、プルームは、ターゲットの法線の周りに配置されたサンプリング導管内にサンプリングされる。プルーム物質は、シースフローとしても作用する捕捉フローによって囲まれる。図9で、プルームを捕捉するガスの動特性は、ターゲットを経る照射が用いられる図3の動特性に似ている。図9のレーザー光も(ガス導管のように)ターゲットの垂直に位置するため、対物レンズ及び光学窓はガス導管用の開口部を有する。対物レンズを通った後、導管は、光学経路から離れて試料を取り出し、その試料をICPイオン源内に移動させるために曲げられる。
図10は、レーザーアブレーション及びプルームのサンプリングが、図9に示される実施形態に似ている配置をしている。しかし、さらに下流でガス導管を曲げないように、代わりにレーザー光がミラーを使って曲げられる。ここで、光学窓、対物レンズ、及びミラーの全ては、捕捉ガス及びプルーム物質を搬送するガス導管を通すための開口部を有する。
本教示は様々な実施形態と併せて説明されるが、本教示はそれらの実施形態に限定されることを意図していない。反対に、本教示は、当業者によって理解されるであろう様々な代替、修正及び均等物を含む。例えば、図面で例示される様々な例において、インジェクター管は一般に、毎分約1リットル(毎分0.1+0.9リットル)のガス流量に合わせて、内径1mmであると説明してきた。対応して選択されるガス流量とともに、より小さい、又はより大きい直径のインジェクターを様々な形状に適用して、同様の結果をもたらすことが期待される。しかし、分離した各アブレーションプルームが独自性を保つためにインジェクター管内で非乱流、又はほぼ非乱フローのガス動特性を維持する条件が望まれる。
さらに、高いレーザーパルス速度のいくつかの例では、1つ以上のアブレーションプルームを、上述したように、累積通過時間の広がり内で、独自に捕捉し、ICPへ搬送することができるる。例えば、繰り返し周波数10kHzで、パルスレーザーは、200μs後に続けてイオン化のためにICPに搬送される、2つのアブレーションプルームを生成することができる。2つの別々のプルームから生成されたイオンは、単一の個別なイオンパケットとして質量分析器で分析することができる。その結果、レーザーが同じアブレーションスポットに留まっている間、又は連続するスポット痕跡にわたってのレーザーの移動流量が繰返し周波数より低い間に、アブレーションプルーム及びそれに続くイオンは、同じアブレーションスポットで累積的な質量分析を提供したり、それぞれに痕跡に沿った平均質量分布を提供したりできる。数MHz程度のレーザー繰り返し周波数が用いられ、多数のレーザーパルスの平均を表すシグナルとなることに注意すべきである。レーザーは、別々のサンプリング位置(又はピクセル)の間のデータフロー内でのギャップを提供するために、バースト中に放射することができる。
本発明の方法及び装置は任意の様々なタイプの試料、例えば、生体試料とともに用いることができるのは理解されるであろう。一のアプローチにおいて、試料は、組織切片、細胞単層、細胞標品等のような細胞物質である。試料は、厚さ100マイクロメーターまでに薄く区切られた組織切片、ミリメータほどの厚さの組織試料、又は区切られていない組織試料である。一例において、組織の薄い部分(例えば、部分に組み込まれたパラフィン)を用いることができる。例示において、いくつかの組織切片は、10ナノメートルから10マイクロメートルの厚さを有する。いくつかの例において、試料は、一群の細胞、又は一群の細胞から選択された1つ以上の細胞である。例えば、参照によって本明細書に組み込まれた、2012年に発行されたAntonov, A.及びBandura, D.による米国特許出願公開第2012/0061561号明細書を参照。
いくつかの実施形態において、生体試料は、参照によって本明細書に組み込まれた米国特許出願公開第2010/0144056号明細書に記載されている例のように、元素タグによってタグ付けされている。関心のある細胞、たんぱく質、細胞物質は1つ又は複数の異なる金属複合抗体でタグ付けすることができる。
前述の発明は、明確性及び理解のために、多少詳しく説明されてきたが、添付の請求項の発明の真の範囲から逸脱することなく、形状及び細部の様々な変形が、本開示にいったん精通した当業者によってなされることができると評価されるだろう。そのため、本発明は、上述されたとおりの構成要素、詳細な方法、又は構造に限定されるべきではない。必要な場合、又は処理自体に固有である場合を除いて、図面を含む本開示に記載されている方法又は処理のステップ又は段階についての特定の順序は意図されても、意味されてもいない。多くの場合において、処理のステップの順序は、記載された方法の目的、効果、又は内容を変えずに、変えることができる。本明細書で引用されている任意の特許公開公報及び特許公報は、参照によって本明細書に組み込まれるべく、具体的に、かつ個別に示唆された。特許公開公報及び特許公報(特許、公開された特許出願、及び公開されていない特許出願)の引用は、これらの任意の文献が適切な従来技術であると認めることを意図したものではないし、これらの内容又は日付に関するいかなる承認を構成するものでもない。

Claims (19)

  1. レーザーアブレーション・マス・サイトメーターを用いるレーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法であって、
    パルスごとに試料のアブレーションプルームを生成するために、前記試料の複数の部位にレーザービームの前記パルスを向けるステップと、
    各アブレーションプルームを独自に捕捉するステップと、
    独自に捕捉された各アブレーションプルームを誘導結合プラズマ(ICP)に搬送するステップと、
    前記ICP内に独自に捕捉され、搬送された前記アブレーションプルームをイオン化して、マス・サイトメトリー分析のためのイオンを生成するステップと、を含み、
    前記レーザーアブレーション・マス・サイトメーターは、前記ICPに前記アブレーションプルームを搬送するよう構成されたインジェクターであって、レーザーアブレーション源内に位置付けられると共に、前記アブレーションプルームを捕捉するように構成されたインジェクター入口を有している、インジェクターを備え、
    前記インジェクター入口は、サンプリングコーンを形成し、該サンプリングコーンの狭い部分は前記インジェクター入口のアパーチャーであり、該サンプリングコーンは、前記アブレーションプルームが生成される領域に隣接して位置し、
    前記方法は、
    前記アブレーションプルームを、前記インジェクターの前記サンプリングコーンの中にもたらすための捕捉ガスフローを導入するステップと、
    前記アブレーションプルームを前記サンプリングコーンから前記ICPの方へ搬送するために前記インジェクター内に、前記捕捉ガスフローから分離した搬送ガスフローを導入するステップと、
    をさらに含む、レーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法。
  2. 前記レーザーアブレーション・マス・サイトメーターは、
    前記試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、
    前記ICPを生成するためのICP源と、
    前記インジェクター入口に結合されたガス入口であって、前記捕捉されたアブレーションプルームを前記ICPに搬送するために、前記ガス入口からのガスを前記インジェクター入口に通すよう構成されたガス入口と、
    をさらに備えている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アブレーションプルームを、前記インジェクター入口を経て方向付けるのを助けるために、前記インジェクター入口と前記アブレーションプルームが生成される領域との間の領域内にガスフローを導入するステップをさらに含み、
    前記ガスフローは前記アブレーションプルームが生成される領域を横断し、かつ前記インジェクター入口に近接する前記インジェクターの内腔の中心線を横断する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記アブレーションプルームが前記ICPに搬送されるときのアブレーションプルームの広がりは、前記インジェクターの内腔の内径以内に維持される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記アパーチャーの直径は、調整可能であり、前記アブレーションプルームが前記インジェクター内に入るときに、前記アブレーションプルームに対する摂動を阻止する大きさであるか、前記アブレーションプルームの断面径に等しいか、もしくは前記断面径より大きい、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アブレーションプルームは、前記試料と前記試料が配置される透明基板とを含むターゲット向けられるレーザーパルスによって生成され、請求項1に記載の方法。
  7. 前記レーザービームは、フェムト秒レーザーから出る、請求項1に記載の方法。
  8. 前記試料の位置は分析中、変更され、分析中、前記レーザービームは静止したままである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記試料の位置は、分析中、固定されている、請求項1に記載の方法。
  10. 前記レーザービームのパルスは、1ミクロン以下のアブレーションスポットを生成する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記サンプリングコーンの外側の表面の円周は前記アパーチャーに向かって減少する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記インジェクターは、プルーム物質を囲むシースフローの一部が、前記プルーム物質が前記ICP内に導入される前に廃棄される、犠牲フローの一部をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. レーザーアブレーション・マス・サイトメーターを用いるレーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法であって、
    パルスごとに試料のアブレーションプルームを生成するために、前記試料の複数の部位にレーザービームの前記パルスを向けるステップと、
    各アブレーションプルームを独自に捕捉するステップと、
    独自に捕捉された各アブレーションプルームを誘導結合プラズマ(ICP)に搬送するステップと、
    前記ICP内に独自に捕捉され、搬送された前記アブレーションプルームをイオン化して、マス・サイトメトリー分析のためのイオンを生成するステップと、を含み、
    前記レーザーアブレーション・マス・サイトメーターは、
    前記試料からアブレーションプルームを生成するためのレーザーアブレーション源と、
    前記ICPを生成するためのICP源と、
    前記ICPに前記アブレーションプルームを搬送するよう構成されたインジェクターであって、前記レーザーアブレーション源内に位置付けられると共に、前記アブレーションプルームを捕捉するように構成されたインジェクター入口を有している、インジェクターと、
    前記インジェクター入口に結合されたガス入口であって、前記捕捉されたアブレーションプルームを前記ICPに搬送するために、前記ガス入口からのガスを前記インジェクター入口に通すよう構成されたガス入口と、
    を備え、
    前記方法は、前記アブレーションプルームを、前記インジェクター入口を経て方向付けるのを助けるために、前記インジェクター入口と前記アブレーションプルームが生成される領域との間の領域内にガスフローを導入するステップをさらに含み、
    前記ガスフローは前記アブレーションプルームが生成される領域を横断し、かつ前記インジェクター入口に近接する前記インジェクターの内腔の中心線を横断し、
    前記方法は、前記アブレーションプルームを前記ICPの方へ搬送するために前記インジェクター内に搬送ガスフローを導入するステップを含み、
    前記ガスフローは毎分約0.1リットルで、前記搬送ガスフローは毎分約0.9リットルである、レーザーアブレーション・マス・サイトメトリー分析の方法。
  14. レーザー照射を生成するよう構成されたレーザーと、
    分析すべき試料を保持する透明基板、又は透明基板を受けるよう構成されたステージを有するレーザーアブレーションセルと、
    アブレーションプルームをICPに搬送するためのインジェクターであって、前記インジェクターはサンプリングコーンを含み、該サンプリングコーンはインジェクター開口部を形成する、該サンプリングコーンの狭い部分を有しているインジェクターと、
    前記インジェクター内に搬送フローを生成するための搬送ガス源と、
    前記アブレーションセル内に捕捉フローを生成するための捕捉ガス源と、
    を備える、レーザーアブレーションシステム。
  15. 前記インジェクター開口部は、前記基板のある部位のアブレーションによって、前記レーザー照射が放出される表面の下流でアブレーションプルームが形成されるように構成される、請求項14に記載のレーザーアブレーションシステム。
  16. 前記表面はレンズ又はミラーである、請求項15に記載のレーザーアブレーションシステム。
  17. 前記サンプリングコーンの外側の表面の円周は前記インジェクター開口部に向かって減少する、請求項14に記載のレーザーアブレーションシステム。
  18. 前記インジェクターは、プルーム物質を囲むシースフローの一部が、前記プルーム物質が前記ICP内に導入される前に廃棄される、犠牲フローの一部をさらに含む、請求項14に記載のレーザーアブレーションシステム。
  19. 前記レーザー、前記レーザーアブレーションセル、及び前記インジェクターは、前記レーザー照射が前記ステージ又は前記基板の片側で発生し、前記インジェクター開口部は反対側にあるよう構成される、請求項14に記載のレーザーアブレーションシステム。
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