JP6230523B2 - 軸の軸受部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、回転装置等の軸の軸受部構造に関する。
特許文献1に、トランスミッション(回転装置)に組み込まれた軸と、該軸を支持する軸受と、該軸受の軸方向移動を規制する軸受ナットと、該軸受ナットに隣接して配置されたカラーと、該カラーの外周に配置されたオイルシールと、を備えた軸の軸受部構造が開示されている。
前記カラーは、具体的には、軸受と軸受ナットとの間に配置され、軸受ナットは、カラーを介して軸受の軸方向位置を規制している。
特開2005−199890号公報(図1)
しかしながら、上記軸受部構造にあっては、トランスミッションの使用と共に、軸受ナットの締め付けが緩んで、軸受の軸方向の移動規制が的確に行えなくなることがある、という問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、軸を支持する軸受の軸方向の移動規制を長期に亘ってより確実に行うことをその課題としている。
本発明は、軸と、該軸を支持する軸受と、該軸受の軸方向移動を規制する軸受ナットと、該軸受ナットに隣接して配置されたカラーと、該カラーの外周に配置されたオイルシールと、を備えた軸の軸受部構造であって、前記軸は、前記軸受ナットが螺合される第1の雄ねじ部と、前記カラーが螺合される第2の雄ねじ部とを有し、前記カラーは、前記軸の前記第2の雄ねじ部に螺着されると共に、前記軸受ナットと軸方向に当接される構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明によれば、軸は、外周に軸受ナットの雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有し、カラーは、内周に該軸の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有する。そして、カラーを、軸に螺着し、軸受ナットに当接させている。これにより、オイルシールを配置するためのカラーを利用して、本来の軸受ナットに対し、いわゆるダブルナット構造を形成することができ、軸受ナットの緩み止めを行うことが可能となる。
本発明によれば、軸を支持する軸受の軸方向の移動規制を長期に亘ってより確実に行うことができる。
本発明の実施形態の一例に係る軸の軸受部構造を示す要部断面図 図1の実施形態において使用する締め付け治具の構造例を示す斜視図 本発明の他の実施形態の一例に係る軸の軸受部構造を示す要部断面図 図3の実施形態におけるカラーの3面図および部分平面図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
この実施形態は、本発明に係る軸の軸受部構造を、減速機等の回転装置の「出力軸の軸受部構造」に適用したものである。
この軸受部構造は、回転装置(全体は図示略)の出力軸10と、該出力軸10を支持する一対のテーパローラ軸受20、30と、該一対のテーパローラ軸受20、30のうち、負荷側のテーパローラ軸受30の軸方向移動を規制する軸受ナット40と、該軸受ナット40に隣接して配置されたカラー50と、該カラー50の外周に配置されたオイルシール60と、を備える。
出力軸10は、軸受ナット40が螺合される第1雄ねじ部(第1の雄ねじ部)16Aと、カラー50が螺合される第2雄ねじ部(第2の雄ねじ部)16Bと、を有する。カラー50は、出力軸10の第2雄ねじ部16Bに螺着されると共に、軸受ナット40と軸方向に当接している。なお、この実施形態では、第1雄ねじ部16Aと第2雄ねじ部16Bは、呼び径(外径)およびピッチが同一であり、出力軸10の外周に連続して形成されている。
以下、より具体的に説明する。
出力軸10は、外周に反負荷側段部14および負荷側段部15を備える。
出力軸10は、該反負荷側段部14および負荷側段部15を境として、軸径d11〜d13の異なる第1外周部11〜第3外周部13を備え、反負荷側から負荷側に向けて、順次軸径が小さくなっている(d11>d12>d13)。
最も大きな軸径d11を有する第1外周部11に、(出力軸10を支持する)前記一対のテーパローラ軸受20、30のうちの反負荷側のテーパローラ軸受20が配置されている。また、次に大きな軸径d12を有する第2外周部12に、(出力軸10を支持する)前記一対のテーパローラ軸受20、30のうち、負荷側のテーパローラ軸受(本実施形態における軸受)30が配置されている。また、一番小さな軸径d13を有する第3外周部13は、後述する入力歯車(相手部材)84が連結される連結部を構成している。
反負荷側のテーパローラ軸受20および負荷側のテーパローラ軸受30は、背面合わせの態様で出力軸10を支持している。
なお、以降、適宜、反負荷側のテーパローラ軸受20を反負荷側軸受20、負荷側のテーパローラ軸受30を負荷側軸受30と称す。また、「軸方向負荷側」、「軸方向反負荷側」は、それぞれ単に「負荷側」、「反負荷側」とのみ称す。
本実施形態では、負荷側軸受30の近傍の軸受部構造に本発明が適用されているため、負荷側軸受30の近傍の構造に着目して説明する。
負荷側軸受30は、出力軸10のラジアル荷重を支持すると共に、該出力軸10の反負荷側へのスラスト荷重を支持している。負荷側軸受30は、転動体31、外輪32、および内輪33を有している。
負荷側軸受30の外輪32の反負荷側端面32Aは、ケーシング70のケーシング本体71の突起部71Pの負荷側端面71Qに当接し、該外輪32の反負荷側への移動が規制されている。なお、ケーシング70の構成については後に触れる。
負荷側軸受30の内輪33の負荷側端面33Aには、負荷側軸受30(の内輪33)の軸方向移動を規制する軸受ナット40が当接している(後に詳述)。
出力軸10の第2外周部12の負荷側には、軸受ナット40が螺合する第1雄ねじ部16A、およびカラー50が螺合する第2雄ねじ部16Bが形成されている。具体的には、第2雄ねじ部16Bは、出力軸10の第2外周部12の始点である負荷側段部15から形成されている。第2雄ねじ部16Bは、同一の呼び径、同一のピッチを維持したまま第1雄ねじ部16Aに連続している。つまり、この実施形態では、第2雄ねじ部16Bと第1雄ねじ部16Aは、同一の加工工程で連続して形成されている。この結果、負荷側軸受30の内輪33の負荷側端面33Aの軸方向位置よりも、僅かに反負荷側の位置にまで、(合計で軸方向長さL16だけ)単一の雄ねじ部が形成されている。
一方、軸受ナット40には、内周の軸方向全長に亘って第1雄ねじ部16Aと螺合するナット雌ねじ部46が形成されている。これにより、軸受ナット40は、出力軸10の負荷側段部15から出力軸10の第1雄ねじ部16Aと螺合し、かつ、軸受ナット40の反負荷側端面44が負荷側軸受30の内輪33の負荷側端面33Aと当接するまで、反負荷側に進行可能である。
軸受ナット40の外周には、治具係合部41が形成されている。軸受ナット40の治具係合部41は、該軸受ナット40の外周の軸方向全長に亘って周方向に等間隔に複数(この例では4個)形成された溝部42を有している。なお、本実施形態の軸受ナット40の治具係合部41の基本的形状は、後述する実施形態におけるカラー90(図4参照)の治具係合部92と同一である。
該治具係合部41の溝部42にナット締め付け治具(軸受ナット40の締め付け治具)48が係合可能である。具体的には、本実施形態では、ナット締め付け治具として、図2に示されるようなナット締め付け治具48を用いるようにしている。
このナット締め付け治具48は、治具係合部41の外径d41とほぼ同一の内径を有する円弧状の軸包囲部48Aと、該軸包囲部48Aの端部から直線上に延在された取っ手部48Bと、を有している。軸包囲部48Aの反取っ手部側の端部には、軸受ナット40の治具係合部41に形成した溝部42と係合可能な突起48Cが設けられている。
ナット締め付け治具48の突起48Cを、軸受ナット40の治具係合部41の溝部42に係合させ、取っ手部48Bを握ってナット締め付け治具48を出力軸10の軸心C10回りに回転させることにより、軸受ナット40を回転させることができる。軸受ナット40は、ナット締め付け治具48の正回転によって反負荷側に進行、逆回転によって負荷側に退行する。つまり、ナット締め付け治具48を正回転させることによって軸受ナット40を負荷側軸受30の内輪33(の負荷側端面33A)に所定の圧接力で当接させることができ、負荷側軸受30に適正な予圧を付与することが可能である。
ここで、予圧とは、テーパローラ軸受である負荷側軸受30の転動体31を、外輪32と内輪33とで挟み込む圧接力を指している。予圧の適正・不適正は、負荷側軸受30の回転の円滑性に大きく影響するため、厳格に設定される必要がある。
なお、負荷側軸受30の内輪33の負荷側端面33Aは、外輪32の負荷側端面32Bおよび転動体31の負荷側端面31Bの最負荷側部よりも、さらに負荷側に位置している。そのため、軸受ナット40は、必ず負荷側軸受30の内輪33(の負荷側端面33A)とのみ当接し、転動体31や外輪32と当接することはない。
軸受ナット40に隣接してカラー50が配置されている。カラー50は、出力軸10の第2雄ねじ部16Bと螺合するカラー雌ねじ部56を有する。本実施形態では、カラー50は、軸受ナット40の負荷側に配置されている。つまり、カラー50と負荷側軸受30との間に軸受ナット40が配置される。なお、カラー50は、軸受ナット40に隣接して配置されていればよく、本実施形態のように、軸受ナット40の負荷側に配置される場合のほか、軸受ナット40の反負荷側(つまり、負荷側軸受30と軸受ナット40との間)に配置されていてもよい。
カラー50は、軸受ナット40に軸方向に当接している。この実施形態では、カラー50は、軸受ナット40の負荷側に隣接して配置されているため、カラー50の反負荷側端面58が、該軸受ナット40の負荷側端面47に当接している。
なお、ここでいう「カラーと軸受ナットの当接」には、この例のように、カラー50と軸受ナット40が直接接触する態様のほか、カラー50と軸受ナット40との間に、例えば、座金(ワッシャ)、あるいはスペーサ等の部材が介在され、座金やスペーサ等を介して間接的に当接する態様を含む。
この実施形態では、カラー50の負荷側端面57に、図示せぬカラー締め付け治具が係合可能な係合穴52が形成されている。係合穴52は、該カラー50の軸心C50(出力軸10の軸心C10と同じ)から半径R52の円周上において、等間隔に複数(この例では4個)形成されている。カラー50は、この係合穴52に係合するカラー締め付け治具(図示略)を利用して所定の強さで回転させることができる。
この実施形態においては、負荷側軸受30が支持している軸が、相手部材と連結される回転装置の出力軸であって、性質上、該相手部材が当該出力軸10の近傍に存在する構造を利用して、当該相手部材を、カラー50の負荷側端面57に当接させるようにしている。
より具体的に説明すると、この実施形態では、相手装置(全体は図示略)の入力歯車(相手部材)84が、キー83を介して出力軸10の第3外周部(相手部材が連結される連結部)13に周方向に連結されている。
この入力歯車84の負荷側端面(相手装置側端面)84Aには、プレート86が当接しており、プレート86はボルト88によって出力軸10の負荷側端面17に固定されている。
つまり、入力歯車84は、出力軸10に負荷側への移動ができない態様で連結されている。したがって、該入力歯車84の反負荷側端面84Bがカラー50の負荷側端面57に軸方向に当接することにより、カラー50の負荷側への移動を規制可能である。
この趣旨から、ここでの「相手部材がカラーと軸方向に当接する」とは、このような構成の入力歯車84(相手部材)がカラー50と直接当接する態様に限定されるものではなく、例えば、該相手部材とカラーとの間に、スペーサのような部材が介在され、該スペーサ等を介して間接的に当接する態様を含む。
この実施形態では、前述したように、出力軸10は、第2外周部12の軸径(第2雄ねじ部16Bの歯先円径)d12よりも入力歯車84が連結される第3外周部(相手部材が連結される連結部)13の軸径d13の方が小さい。また、カラー50は、第2雄ねじ部16Bから相手部材側にδ52だけ突出している。つまり、カラー50は、径方向から見たときに、第3外周部13と重なっており、ケーシング70のカバー体72の負荷側端面72Aおよびオイルシール60の負荷側端面60Aよりも、相手部材側に突出している。したがって、相手部材である入力歯車84は、カラー50の負荷側端面57にのみ良好に当接可能である。
また、この実施形態では、負荷側軸受30を支持するケーシング70は、該負荷側軸受30が配置されるケーシング本体71と、軸受ナット40およびカラー50の径方向外側を覆うカバー体72と、が別体で備えられている。
カバー体72は、ケーシング本体71の負荷側端面71Aと当接する当接部72Cと、該当接部72Cから反負荷側に突出してケーシング本体71とインロー嵌合するインロー部72Bと、当接部72Cから負荷側に突出してインロー部72Bの内周側と共に軸受ナット40およびカラー50の径方向外側を覆う収容部72Dと、を備える。
そして、軸受ナット40およびカラー50は、全部または少なくとも一部が、このカバー体72の収容部72Dの径方向内側に収容されている。この実施形態では、軸受ナット40の全体およびカラー50の大半の部分がカバー体72の収容部72Dの径方向内側に収容されている。
なお、オイルシール60は、カラー50のオイルシール配置部51と、カバー体72の収容部72Dとの間に配置されることで、ケーシング70内を封止している。
次に、本軸受部構造の作用を説明する。
本軸受部構造の各部材の組み付けは、ケーシング70のカバー体72を取り外した状態で行う。本実施形態では、負荷側軸受30が支持されるケーシング70が、負荷側軸受30が配置されるケーシング本体71と、該ケーシング本体71とは別体とされ、軸受ナット40およびカラー50の径方向外側を覆うカバー体72とで構成されている。
このため、当該軸受部構造における負荷側軸受30、軸受ナット40、およびカラー50の組み付けをケーシング本体71からカバー体72を外した状態で行うことができる。つまり、これらの組み付けが完了した段階でカバー体72を取り付け、その後にオイルシール60を取り付けることができるため、組み付けが容易であり、作業性が高い。
本軸受部構造の各部材の組み付けは、以下のようにして行われる。
出力軸10の反負荷側は、回転装置の例えば図示せぬ減速機構と共に、反負荷側軸受20を介してケーシング本体71に取り付けられる。
出力軸10の負荷側は、先ず、負荷側軸受30を出力軸10に外嵌した上で第2外周部12にまで挿入し、該負荷側軸受30の外輪32をケーシング本体71の突起部71Pに当接させる。
次いで、ナット雌ねじ部46を、出力軸10の第1雄ねじ部16Aに螺合させ、軸受ナット40を正回転させることによって該軸受ナット40を出力軸10の外周に沿って反負荷側に進行させる(この進行は、手回しでも可能である)。
軸受ナット40が負荷側軸受30の内輪33の負荷側端面33Aに当接した段階で、ナット締め付け治具48の軸包囲部48Aの先端に設けられた突起48Cを、軸受ナット40の治具係合部41の溝部42に係合させ、該ナット締め付け治具48の取っ手部48Bを持ってさらに正回転させる。これにより、軸受ナット40を、より強い圧接力で反負荷側に微進させることができ、負荷側軸受30の内輪33に、予圧P30を掛けることができる。
一方、カラー50は、カラー雌ねじ部56を第2雄ねじ部16Bと螺合させた上で、軸受ナット40に当接させ、さらにカラー締め付け治具を用いて正回転を続けることで、該カラー50を軸受ナット40に所定の押圧力で押し付けることができる。
なお、本構成例に係る軸受部構造では、軸受ナット40およびカラー50を、具体的にどのように締め付けるかについては、特に限定されない。ただ、本実施形態においては、軸受ナット40には、その押圧力にて、負荷側軸受30に与えるべき適正な予圧P30を発生させるという重要な役割が与えられている。換言するならば、このような予圧P30の付与という重要な役割が与えられているからこそ、軸受ナット40の緩みが問題となるとも言える。
そのため、特に、本実施形態のように、軸受ナット40が負荷側軸受30に予圧を掛けている構成とされているような場合には、いわゆるダブルナット構造の効果を発揮させるために、単に、軸受ナット40とカラー50との間に圧接力を発生させればよいということにはならない。つまり、これに加え、軸受ナット40の反負荷側端面(負荷側軸受30との当接面)44の出力軸10に対する軸方向位置が、最終的に、適正な予圧P30を負荷側軸受30に与え得る位置(適正予圧付与可能位置)となる必要がある。
この観点で、具体的には、例えば、以下のような締め付け手法が考えられる。
a)負荷側軸受30の内輪33を出力軸10に圧入した後、軸受ナット40を、適正予圧付与可能位置まで締め込んで、該負荷側軸受30の内輪33を適正位置まで押し込む。その後、カラー50を締め込んで、軸受ナット40と当接させる。次に、カラー50を止めた状態で軸受ナット40を逆回転させ、カラー50と軸受ナット40とでダブルナット状態を形成する。この軸受ナット40の逆回転は、軸受ナット40のナット雌ねじ部46と出力軸10の第1雄ねじ部16Aとの噛合のバックラッシの範囲で行われる。つまり、この軸受ナット40逆回転では、ナット雌ねじ部46と第1雄ねじ部16Aのバックラッシの形成態様が異なるようになるだけで、軸受ナット40および出力軸10の軸方向位置は不変であり、軸受ナット40の適正予圧付与可能位置はそのまま維持される。
b)軸受ナット40の締め込みを、適正予圧付与可能位置よりも若干手前で中止し、ここで軸受ナット40の回転を止め、カラー50を正転させる。すると、軸受ナット40は、(回転せずに)第1雄ねじ部16Aの歯面とナット雌ねじ部46の歯面とのバックラッシ(隙間)の間で、負荷側軸受30側に平行移動する。このため、この平行移動させたときの軸方向位置が、適正予圧付与可能位置となるようにカラー50の締め付け力を調整する。
このb)の手法では、軸受ナット40の平行移動が、第1雄ねじ部16Aの歯面とナット雌ねじ部46のバックラッシの範囲に納まっている限り、カラー50の締め込み力の管理にて、軸受ナット40の軸方向位置を適正予圧付与可能位置に位置決めすることができる。
a)、b)の手法は、一例であり、適宜、アレンジした上で、組み合わせて採用してもよい。
その後、カバー体72のOリング溝71CにOリング81を配置し、インロー部72Bを介して該カバー体72をケーシング本体71の負荷側端面71Aに当接させ、ボルト82によってカバー体72をケーシング本体71に固定する。最後に、オイルシール60を組み込んで回転装置側の基本的な組み立てが完了する。
一方、本実施形態では、さらに、相手装置の入力歯車(相手部材)84を、キー83を介して出力軸10に周方向に連結すると共に、プレート86を入力歯車84の負荷側端面84Aに当接させる。そして、このプレート86をボルト88によって出力軸10の負荷側端面17に固定し、この状態で入力歯車84の反負荷側端面84Bをカラー50の負荷側端面57に当接させる。
その結果、入力歯車84は、出力軸10に対する負荷側への移動が規制され、該入力歯車84がカラー50の負荷側端面57に当接することにより、カラー50の負荷側への移動が規制される。したがって、該カラー50が当接している軸受ナット40の緩みも、より確実に防止することができる。
また、本実施形態では、出力軸10は、第2雄ねじ部16Bの歯底円径d16Bよりも(相手部材が連結される)第3外周部(連結部)13の軸径d13の方が小さく、カラー50は、該出力軸10の第3外周部13の径方向外側まで、出力軸10の第2雄ねじ部16Bから軸方向相手部材側にδ52だけ突出している。そのため、軸受ナット40やカラー50と出力軸10との螺合が容易であり、また、入力歯車84は、カラー50の負荷側端面57に良好に当接することができる。
また、本実施形態では、オイルシール配置部51を確保するために、もともと存在するカラー50に、ナットとしての機能を持たせるようにしているため、(軸受ナット40に対して、いわゆるダブルナット構造用のナットを別途設ける構造と比較して)部品点数の削減および軸方向長さのコンパクト化が可能である。
別言するならば、本実施形態は、負荷側軸受30の軸方向の移動を規制する軸受ナットを1個余分に追加することでダブルナット構造を構成すると共に、追加した軸受ナットの外周面を研磨してオイルシール配置部を構成し、軸方向長さのコンパクト化を実現した構造、と捉えることもできる。
図3、図4に、上記実施形態の変形例を示す。
この実施形態においても、カラー90は、内周にカラー雌ねじ部96を有し、出力軸10は、外周に該カラー雌ねじ部96とを螺合する第2雄ねじ部16Bを有している。
そして、カラー90を出力軸10に螺着すると共に、カラー90を軸受ナット40に当接させている。
したがって、カラー90に第2の軸受ナットとしての機能を持たせることができ、この実施形態においても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
この実施形態では、カラー90は、外周の負荷側にオイルシール配置部91を有すると共に、該オイルシール配置部91の反負荷側に、治具係合部92を有している。図4にカラー90単体の3面図(正面図、右側面図、左側面図)および、部分平面図を示す。
このカラー90の治具係合部92の外径d92および形成されている溝部93の形状や深さは、軸受ナット40の治具係合部41の外径d41および溝部42の形状や深さと同一である。そのため、カラー90の治具係合部92には、軸受ナット40のナット締め付け治具48と同一の締め付け治具が係合可能である。
そのため、軸受ナット40の治具係合部41とカラー90の治具係合部92とで締め付け治具を使い分ける必要がなく、同一のナット締め付け治具48を両方の治具係合部41、92で使用することができ、作業性が向上する。また、ナット締め付け治具48の在庫管理も簡素化でき、結果として低コスト化が可能である。
なお、軸受ナット40の治具係合部41とカラー90の治具係合部92は、完全に同一でなくても同一の締め付け治具が係合できる場合がある。例えば、溝部42、93の形成数は、必ずしも同一なくても、溝部42、93の形状や深さが同一であれば、同一の締め付け治具が係合することができる。
また、カラー90のオイルシール配置部91と治具係合部92の軸方向の配置位置は、逆であってもよい(治具係合部92がオイルシール配置部91より負荷側に位置していてもよい)。
また、軸に形成する(軸受ナットが螺合される)第1の雄ねじ部と、(カラーが螺合される)第2の雄ねじ部は、上記実施形態においては、加工の容易性を考慮して、呼び径(外径)あるいはピッチ等を同一に設定していたが、第1の雄ねじ部と第2の雄ねじ部は、呼び径あるいはピッチ等が異なっていてもよい。例えば、上述したa)、b)の締め付け手法のように、バックラッシの範囲で軸受ナットやカラーを逆回転させたり締め増したりすることによってダブルナット状態を形成するような場合には、軸受ナットと第1の雄ねじ部とのピッチやバックラッシが、カラーと第2の雄ねじ部とのピッチやバックラッシと異なっていた方が、ダブルナット状態をより容易に形成できる場合がある。
なお、上記実施形態においては、「軸」として、回転装置の出力軸が例示されていたが、本発明の支持の対象となる「軸」は、出力軸に限定されるものではなく、例えば、特定の装置の入力軸や中間軸等の軸であってもよい。また、回転装置は、必ずしも減速機に限らない。例えば、増速機や、継手装置等であってもよい。
さらに、相手部材は、必ずしも相手機械の入力歯車に限らない。例えば、相手装置に動力を伝達するプーリや、相手機械軸を連結するためのカップリング等であってもよい。
また、上記実施形態では、反負荷側軸受20および負荷側軸受30に予圧を付与するように構成していたが、予圧は、必ずしも付与しなくてもよい。この場合、軸受ナットの締め込みによって内輪を、予圧の付与されない適正位置に押し込むことになる。
10…出力軸
13…第3外周部(連結部)
16A…第1雄ねじ部
16B…第2雄ねじ部
20…反負荷側軸受
30…負荷側軸受
40…軸受ナット
41…治具係合部
46…ナット雌ねじ部
48…ナット締め付け治具
50…カラー
51…オイルシール配置部
52…係合穴
56…カラー雌ねじ部
60…オイルシール
70…ケーシング
71…ケーシング本体
72…カバー体
84…入力歯車(相手部材)

Claims (5)

  1. 軸と、該軸を支持する軸受と、該軸受の軸方向移動を規制する軸受ナットと、該軸受ナットに隣接して配置されたカラーと、該カラーの外周に配置されたオイルシールと、を備えた軸の軸受部構造であって、
    前記軸は、前記軸受ナットが螺合される第1の雄ねじ部と、前記カラーが螺合される第2の雄ねじ部とを有し、
    前記カラーは、前記軸の前記第2の雄ねじ部に螺着されると共に、前記軸受ナットと軸方向に当接される
    ことを特徴とする軸の軸受部構造。
  2. 請求項1において、
    前記軸は、回転装置の出力軸であって、該出力軸に連結される相手部材が、前記カラーと軸方向に当接する
    ことを特徴とする軸の軸受部構造。
  3. 請求項2において、
    前記出力軸は、前記第2の雄ねじ部の歯底円径よりも前記相手部材が連結される連結部の軸径の方が小さく、
    前記カラーは、前記第2の雄ねじ部から前記相手部材側に突出し、径方向から見たときに、前記連結部と重なる
    ことを特徴とする軸の軸受部構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記カラーは、前記オイルシールの配置部と、前記軸受ナットの締め付け治具と同一の締め付け治具が係合する治具係合部と、を有する
    ことを特徴とする軸の軸受部構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記軸受を支持するケーシングは、該軸受が配置されるケーシング本体と、前記軸受ナットおよび前記カラーの全部または少なくとも一部の径方向外側を覆うカバー体と、を別体に備える
    ことを特徴とする軸の軸受部構造。
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