JP6230057B2 - 水熱反応装置 - Google Patents
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Description
水熱反応装置を用いた合成、結晶成長では、一般的には室温で水溶性の各種原料を混ぜ、撹拌させて均一化した後、そのゾルまたはゲルを出発原料として水熱反応を行っている。
下記特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)、以下PTFEと称する。)の内筒を備えたステンレス製オートクレーブにより水熱合成反応を行い、AFI型アルミノリン酸塩多孔性自立膜を生成することが記載されている。
下記特許文献2には、高耐圧シリンダに試料を投入し、フリーピストンにより仕切られた上部室に高圧ガスを送り、試料の加圧、加熱を行うことが記載されている。
下記特許文献3には、マイクロ波加熱による水熱反応を、透明シリンダ内部に収容した観察用ガラスチューブにより可視化することが記載されている。
そのため、例えば、水熱反応により得られる多孔質結晶のゼオライトの合成では、撹拌の有無を合成手順に記載することが通常行われる。
非特許文献1は、国際ゼオライト学会の監修の元に出版された、種々の骨格構造・化学組成のゼオライトに対するレシピ集であるが、これにも撹拌の有無についてそれぞれのゼオライトを合成する上で示されている。
また、下記非特許文献2では、後述する小型反応容器を用い、容器内に液体水銀を底部に入れ、更にその上部に反応溶液を導入の上、密閉・静置加熱の手法により、水銀と反応溶液の界面にIUPACにより命名される骨格構造がMFIであるゼオライトの自立膜が形成されることが示されている。
なお、図1以降の反応容器の機構を説明する各図面において、反応容器の密閉蓋と反応容器本体間に介在され、内部を密封する機構(ガスケット、Oリング、ボルト、クランプ等)等は省略している。
図2において、円筒状反応容器1aの内側には、PTFE製の内筒1bが設けられており、密閉蓋1cにより、反応容器1aが密閉状態に封止されるようになっている。この密閉蓋1cには、温度測定用の熱電対6を挿入するための鞘状のパイプ6a、ガス導入・排出用バルブ7、攪拌棒8、及び、圧力計9を介在させた安全弁10が取り付けられている。
しかし、このような加熱装置で、マントルヒーター5による加熱面が、反応容器1aの側周面及び底面に限られており、密閉蓋1cは加熱されないことから、反応溶液のうち、側周面及び底面に直接接する部分と、界面との温度差が著しく大きくなり、等方的かつ均一な加熱は不可能である。
なお、図1で説明した加熱オーブンを使用する場合にも、オーブン内で容器そのものを回転させて、反応溶液の温度のみならず組成の均一性を高めている方法も検討されている。
特に、上記した特許文献1や非特許文献2に示されているような、静置した反応容器内の反応溶液と水銀、もしくは空気との界面が合成過程に重要な役割を果たす膜材料の合成では、攪拌に伴う反応溶液の流動や界面の揺らぎは、生成物が例えば膜の場合、その品質に大きな影響を与える。
(1)密閉蓋1cには、上述のように、内部の温度を計測する熱電対6を挿入するための鞘状のパイプ6aや、内圧モニター用の圧力計9が配置され、これらが反応容器外の大気中に曝されているため、加熱が十分に行われない。
特に、密閉蓋1cの温度が、反応溶液の水分や他の揮発性成分の凝縮温度よりも低い場合、その界面から蒸発した水蒸気等が、密閉蓋1cの内面で凝縮、結露し、液滴が反応溶液の界面に不規則に滴下することにより、界面の揺らぎ、波立ちの原因となる。しかも、こうした液滴の滴下は、一時的ではあるが、滴下箇所の反応溶液の成分濃度が変化するため、安定した水熱反応の妨げともなる。
しかし、PTFE系の高分子は通常白色の不透明状態であり、反応過程を直接観察することはできない。そこで、内部観察できる反応容器として、ガラス製耐圧容器を使った水熱反応装置が既に市販され、その反応プロセスの進行に伴う内部の様子を観察することが可能となっている。
このようなガラス製耐圧容器を使った水熱反応装置の場合でも、前述のように攪拌に伴う反応溶液の流動や局所的な沸騰、さらには、不規則な凝縮液の滴下により反応溶液の微細な変化の可視化が困難になる。
また、前記反応溶液貯留容器を、前記水溶液の流通が可能な支持台を介して前記反応容器の底部に支持し、該支持台の内部に撹拌装置、更には前記密閉蓋を加熱するヒーターを設置すると、前記水溶液の温度をさらに均一化することができる。
さらに、前記水溶液に含有される成分のうち、少なくとも、揮発成分あるいは加熱に伴い不透明となる成分の一方の濃度を、前記反応溶液に含有される成分濃度と同等のものにすることで、加熱中の反応液の成分変化を効果的に抑止することができる。
しかも、板状部材と密閉蓋内面との間の空間の温度を安定化するとともに、密閉蓋内面に直接接触する蒸気を抑制することにより、密閉蓋への凝縮による結露発生が激減するだけでなく、反応溶液界面の上方空間の水蒸気が加熱され、水蒸気圧が高まるために、反応溶液の局所的な沸騰現象が緩和され、反応過程を鮮明に可視化することができる。
実施例1の構成を図3に示す。なお、図2を用いて説明した従来の水熱反応装置と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
水熱反応装置1の基本構成は、図2と同様であるが、可視化を行うためには、反応容器として、耐熱、耐圧に優れた強化ガラス製のものを使用しても何ら問題ない。
従来の水熱反応装置と比較して、特に相違する点は、密閉蓋1cに加熱装置を設けた点、溶液上方の反応容器内部空間に板状部材を設けた点、更にはガス導入・排出用バルブ7を介して、反応容器1aの内部空間に定常圧を印加するとともに、背圧弁、ガス放出管を介して、過剰圧力を放出できるようにした設定圧力印加装置を設けた点にある。
以下、詳細に実施例1について説明する。
例えば、特定の水熱反応に最適な、定常状態における反応容器1aの反応溶液温度、内部圧力が予め分かっていれば、マントルヒーター5、シリコンラバーヒーター13による加熱と並行して、圧力ボンベ19による印加圧力を減圧弁20により調整しておけばよい。
なお、目的とする温度に密閉蓋1cを昇温可能なものであれば、加熱手段はシリコンラバーヒーターに何ら制限されるものではない。また、断熱シート15もシート状形状であることに何ら制限されるものではない。また、圧力ボンベ19に換えて、可変容量式の圧縮ポンプなどを利用することもできる。
また、板受け17には様々な形態があり、例えば、PTFEで被覆されたリング状部材や、PTFE製の内筒1bの底部からピラーを立てるようにしたり、さらには、PTFE製の内筒1bの内周面に切削加工を施すことにより形成した凸部などが挙げられる。
しかも、反応溶液界面の上方空間が板状部材16により区画されているため、マントルヒーター5により効率よく加熱され、水溶液側面との温度差を低減することができ、図1に示した静置状態での合成環境に限りなく近づく。
もちろん、板受け17に載置されているだけであるので、下方から、反応溶液を加熱することで発生した蒸気は、板状部材16を押し上げて、その外縁と板受け17との間を通過することになるが、その量は、きわめて制限されたものとなる。このため、板状部材16の上面と密閉蓋1cの下面での凝縮、結露も劇的に低減される。仮に板状部材16の上面に結露が発生したとしても、最終的には、その液滴は、板状部材16の外縁や、熱電対6を挿入するための鞘状のパイプ6aを挿入するための開口部の隙間に到り、PTFE製の内筒1bで加熱されて気化され、あるいは、反応溶液に静かに流れ込むので、結露による凝縮液滴の落下による界面の揺らぎ、波立ち、反応溶液の局所的な成分濃度の変化を効果的に抑制することができる。
なお、板受け17を水平に形成したまま、板状部材16の一方に外縁に凸部を形成したり、さらに、上方に頂点を有する円錐形状とすることによっても、同様の効果を奏することができる。
なお、反応容器1aとしては、耐圧硝子工業(株)製ハイパーグラスターTEM-V1000N(内容積1リットル)を使用し、マントルヒーター5の代わりに、この硝子製反応容器外壁(側周壁及び底面)に一様に付けられた加熱用皮膜(酸化スズ被膜等)5aに通電することにより加熱を行った。
なお、反応容器1aを取り囲む防爆ケース28には、耐熱強化ガラス等により形成された観察用窓として、覗き窓28aが設けられている。
装置性能を見るための基準となる比較対象として、常温(約27℃)・常圧(0.1MPa)の条件下で、非撹拌環境にて純水の観察を行った。次に、本実施例、及び、板状部材16を取り外し、圧力ボンベ19、減圧弁20、背圧弁22による圧力調整を非作動とし、常温・常圧環境と同様にともに非撹拌環境として、両者における反応容器内の純水の状態を観察した。
ところが、シリコンラバーヒーター13により密閉蓋1cを加熱しない場合はもとより、たとえ加熱した場合でも、板状部材16及び圧力印加装置を具備していない場合は、図6(a)に示すように、180℃に水を加熱したとき、反応容器の底や側面から激しく水蒸気が沸騰して発生していることが分かる。
また、密閉蓋1cの下面で結露した水の落下が内壁面を伝ってくるものだけでなく、密閉蓋1cから直接落下する結露した水滴も生じた。これは沸騰により多量の水蒸気が上部空間に自ら放出されるためである。この現象は、シリコンラバーヒーター13の加熱を行わない場合、さらに顕在化する。これらの諸現象の発生に伴い、液面が激しく揺れている様子が認められた。更に、液面の様子を拡大した図6(b)に示されるように、水面を観察することも極めて困難であった。
この場合の反応容器内の水は、図7(a)から確認できるように、あたかも常温・常圧の場合である図5(a)のように静止しており、沸騰が完全に抑制されている。
Al2O3:P2O5:(C2H5)3N:H2O=1:1:3:225
この溶液を硫酸滴下により、pHを2.95に調製した。そして、この溶液を本願発明装置の反応容器に入れ、約3時間かけて溶液温度を室温から175℃まで昇温し、その温度にて20時間保持した。
なお、図8は175℃に達した直後の反応溶液を撮影したものである。先の実験結果と同様に、溶液が沸騰することなく、静置された状態にあることが分かる。加熱終了後、自然冷却により室温まで下げたのち、反応容器内の生成物を取り出した上、超純水による洗浄および40℃に加熱したオーブンによる乾燥を施した。
更にこの膜の結晶相を特定するため、図10に、平行ビーム法によるX線回折(XRD)データをリガク製Smart Labにより収集した結果を示す。このXRDパターンは特許文献1の実施例と同等のものであり、IUPAC表記でAFI型構造を持つAlPO4-5の結晶が自立膜を形成し、かつ002回折線がその他の回折線よりも相対的に強いことからc軸が膜に対して垂直方向に配向していることを示している。
以上のことから、本実施例による水熱反応装置も、オーブンに導入・静置する形式のオートクレーブと同様に機能することが確認された。
そのため、反応溶液の観察においては、通常の作動距離(焦点距離)の短い対物レンズを用いた顕微鏡システムを用いて水溶液内の局所領域を観察するのは難しい。
特に焦点深度が深いことは、高倍率観察では目的とする反応現象、例えば結晶析出過程を観察する上では有効である。なぜなら、図4に示すように、限られた視野の範囲内で結晶析出を確実に観察するためには、観察可能な反応溶液の体積領域を拡げ、焦点深度を深くすることが有利に働くからである。
局所領域の観察と併せて、反応溶液全体の変化に対して、図4のようにどの局所領域を観察しているかを確認するための低倍・定点観測型の観察システムによる反応溶液全体観察システムの併設も望ましい。目的に応じ、赤外光を用いた観察システム等、複数の観察システムもしくはそれらのうちから適切な一種を選択するのも好適である。
さらに、一定圧力制御、および安全性確保の観点から、圧力印加側の減圧弁20による制御のみならず、圧力値調整可能な背圧弁22を同じく、図3、4に示すように、密閉蓋の上部に装着することにより、任意の圧力値を安定的に得ることができる。
水熱反応では長時間(24時間以上)の運転を行うことが頻繁に行われるため、反応容器内に時間経過と共に変動することのない一定の圧力を印加することにより安全性をより高めることができる。もちろん万一圧力上昇が起きて、設定圧力以上になると、背圧弁22により、ガス放出管23から過剰圧力が放出され、反応容器内の圧力が設定圧上限で保たれるようしているので、2重の安全対策となる。
ただし、いずれの機器も、圧力導入は安全性確保の点から、圧力の精密な制御及び防爆構造の採用等、細心の注意を要する。
上記のように、実施例1では、所要の物質の合成、成長を実現するため、反応容器1a内の反応溶液を沸点以上に高めても、内部で発生する沸騰を効果的に抑止することができる。
しかし、種々な反応液、加熱条件を用いて実験を行ったところ、例えば、実施例1と同様のアルミニウム等が反応溶液に高濃度に含有されている場合等では、実施例1の装置構成では、より厚い自立膜を生成する場合など、所望の合成、成長が実現できないケースが確認された。
これは、反応溶液を沸点以上の所望の温度に加熱する場合、加熱工程中、反応溶液がゲル化を開始し、粘性が急激に高まることが原因と考えられる。
すなわち、加熱中、温度測定用の熱電対6aの検出値と比較して、反応容器1aの内壁部の実温度が過渡的に高くなるオーバーシュートが発生し、最悪の場合、反応容器1aの内壁部で局所的な沸騰や反応溶液の撹乱が発生するという不具合が生じてしまう。
図12は、実施例1の装置構成による水熱反応で沸騰が発生したケースを撮影したもので、aで示す矢印は、温度の不均一性に起因して、沸騰が発生した箇所、bで示す矢印は、沸騰により発生した気泡が上昇することにより発生した空洞部を示している。
こうした局所的な沸騰を抑制するため、圧力印加用のパイプ11から印加する外部のガス圧力を高めることが考えられるが、そのためには、反応容器1aを含め、装置全体の耐圧性能を強化しなければならず、特に大型の反応装置であるほど、耐圧性の強化は装置の製造コストを上げることにつながる。
水熱反応を行うための原材料である反応溶液29は、反応溶液貯留容器30に注入されている。なお、反応溶液貯留容器30は、反応溶液29と反応しない、化学的に安定な材質からなることが望ましい。
アルカリ性の溶液でも、PTFEの被膜は有効であり、安定な温度範囲は金属やガラスよりも狭いものの、ポリメチルペンテン(TPX(登録商標))などの合成樹脂・高分子材料も利用可能である。
ただし、実施例1とは異なり、反応溶液29自体は反応溶液貯留容器30の内部に充填されているため、必ずしも、容器蓋33の上面に板状部材16を載置する必要はない。
後述するように、反応溶液貯留容器30は、全面から均一に加熱されるため、その内部上面に結露が発生する可能性はきわめて低いが、こうした結露が万一にも反応溶液29に直接落下しないよう、板状部材16を反応溶液貯留容器30内部の反応溶液液面の上方に設置してもよい。
なお、本実施例では、撹拌機構はスターラーチップ33とマグネット34により構成されているが、目的は水溶液36を均一に撹拌し、その温度を均一化することであるため、密閉蓋1cに、撹拌棒挿入口を設け、その下部の回転翼によって水溶液36を撹拌してもよい。なお、反応溶液29の化学組成や水熱反応による得られる生成物、その形態・形状(生成結晶のサイズや,膜の場合にはその厚さ等)によっては、必ずしも撹拌機構を設ける必要はない。
また、本実施例でも、実施例1と同様に、マントルヒーター5(図3参照)に加え、シリコンラバーヒーター13を設けているが、反応溶液貯留容器30が、水溶液36により均一に加熱されるので、必ずしも、シリコンラバーヒーター13を設けなくてもよい。また、反応溶液29の成分によっては、反応容器1aの側周面及び底面の少なくとも一方にヒーターを設けるだけでよい場合もある。特に、反応容器1aの側周面のみとすれば、支持台31による伝熱の影響を低減することができる。
すなわち、加熱により反応溶液29の揮発性成分が気化すると、反応容器1aにおける水溶液36の液面の上方空間における揮発成分濃度が平衡するまで、反応溶液貯留容器30の上部空間から反応容器1aの上部空間へと揮発性成分の移動を生じる可能性がある。
したがって、水溶液36には、少なくとも反応溶液29中に含まれる揮発成分を同じ成分濃度で含有することが好ましい。
不透明成分が不揮発性であれば、それを除き、反応溶液29と組成、濃度が同一となるように水溶液36を調製する。これにより、反応溶液貯留容器30内部の観察を可能としながら反応溶液29の水熱反応時にその化学組成が変化することが、大きく抑制できる。
こうすることで、反応溶液29と水溶液36の化学組成を近づけ、かつ不透明成分を排除することができる。
場合によっては、水溶液36と反応溶液29を同一成分のものとしてもよい。
実施例1と同様に、アルミノリン酸塩多孔質結晶の一種であるAlPO4-5(IUPACによる構造表記はAFI)の合成を行った。
反応溶液貯留容器内の水溶液を構成する原料のモル比は、
Al2O3:P2O5:(C2H5)3N:H2O=1:1:4:225・・・・・(1)
とした。さらに、この溶液のpHを硫酸の添加により2.95に調整した。
一方、均一な温度を目的とする水溶液31のモル比は
P2O5:(C2H5)3N:H2O=1:4:225・・・・・・・・・・・・(2)
とした。
これらの反応溶液および加熱用水溶液を所定の容器にそれぞれ満たした後、図13に示すように、水熱反応装置1に設置した。
加熱は室温から175℃まで3時間かけて昇温し、175℃にて18時間以上保持した。なお、反応溶液および加熱用水溶液の沸騰を避ける為、まず室温にて0.3MPaの圧力を印加後、完全閉鎖系にしてガスの出入りがない状態にしてから昇温を行った。175℃での圧力は0.98MPaであった。
図14から分かるように、約3時間後に175℃に到達しているが、オーバーシュートは非常に少なく2℃未満である。この過昇温に由来して、加熱用水溶液に若干の沸騰が発生したものの、図15Bに示すように、反応溶液貯留容器の内部では、反応溶液の沸騰は皆無である。その結果、加熱3時間以降の図15C〜Dでは、反応溶液は水平方向ではほぼ同等の状態を維持し、自立膜の形成に伴い、垂直方向にのみ溶液の変化が顕著に表れている。
この生成物の結晶相を確認する為に、粉末X線回折データをCu-Kα線を用いた、マックサイエンス社製のMXP-3TZにより測定した。そのパターンを図17に示すが、この結果は、明瞭に得られた生成物が実施例1と同様にAFI構造をとっていることを示すものであり、他の不純物相を含まない単相であることが分かる。
1a ステンレス製の反応容器
1b PTFE製の内筒
1c 密閉蓋
4 熱電対
5 マントルヒーター
5a 加熱用被膜
6 温度測定用の熱電対
6a 熱電対用鞘
7 ガス導入・排出用バルブ
8 攪拌棒
9 圧力計
10 安全弁
11 パイプ(圧力印加用)
12 パイプ(圧力リリース用)
13 シリコンラバーヒーター
14 アルミ板
16 板状部材
17 板受け
19 圧力ボンベ
20 減圧弁
21 バルブ
22 背圧弁
23 ガス放出管
24a 高倍率レンズ
24b 低倍率レンズ
25 カメラ
26 カメラ位置調整機構
27 反応装置・観察システム共通架台
28 防爆ケース
28a 観察用窓
29 反応溶液
30 反応溶液貯留用容器
31 支持台
32 連通路
33 容器蓋
34 スターラーチップ
35 マグネット
36 水溶液
Claims (10)
- 反応容器と、該反応容器を密閉状態に封止する密閉蓋を備え、その内部空間を加熱することにより、高温高圧の熱水の存在下で、前記反応容器内の反応溶液を攪拌することなく水熱合成反応を行うための静置式水熱反応装置であって、
前記反応容器の側周面及び底面を加熱するヒーター、前記密閉蓋を加熱するヒーター、及び、前記反応容器内に設定圧力を印加する設定圧力印加装置を設けるとともに、前記反応容器の内筒内に充填された反応溶液の界面と前記密閉蓋の下面とにより形成される空間、あるいは前記反応容器の内部に設けた反応溶液貯留容器と前記密閉蓋の下面とにより形成される空間を区画するよう、前記反応容器の内周面に、化学的に不活性で、かつ前記反応容器の材料より熱伝達率の低い材料からなる板状部材を載置したことを特徴とする静置式水熱反応装置。 - 前記板状部材をその下面が水平面に対し傾斜するよう載置したことを特徴とする請求項1に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記反応容器の内周面に、化学的に不活性で、かつ前記反応容器の材料より熱伝達率の低い材料からなるリング状部材を嵌着し、該リング状部材に前記板状部材を載置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記反応容器は、化学的に不活性で、かつ、前記反応容器の材料より熱伝達率の低い材料からなる内筒を備えており、該内筒の内周面に前記板状部材を載置するための支持部を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記リング状部材あるいは、前記支持部が、水平面に対し傾斜していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記板状部材を、上方に頂点を有する略円錐形状としたことを特徴とする請求項1に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記設定圧力印加装置は、圧力源との間に介装された減圧弁と、前記反応容器内の圧力を設定圧力でリリースする背圧弁とからなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記反応溶液貯留容器の上面に、前記反応溶液貯留容器の内部と前記反応容器の内部を連通する連通路を備えた容器蓋を設けたことを特徴とする請求項1に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記反応溶液貯留容器を、前記反応溶液を加熱するための水溶液の流通が可能な支持台を介して前記反応容器の底部に支持し、該支持台の内部に撹拌装置を設置したことを特徴とする請求項1又は請求項8に記載された静置式水熱反応装置。
- 前記反応溶液に含有される成分を、不揮発成分あるいは透明成分に分類し、前記反応溶液貯留容器内の反応溶液を加熱するための水溶液に含有される成分のうち、少なくとも一方に分類される成分の濃度を、前記反応溶液に含有される、当該分類に属する成分の濃度と同等のものにしたことを特徴とする請求項1、請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載された静置式水熱反応装置。
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