JP6229827B2 - 樹脂固定軌道およびその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄筋コンクリート造の基礎部上にレールを敷設して合成樹脂で固定した樹脂固定軌道およびその構築方法に関するものである。
市街地における路面電車等の軌道として、図13に示すように、鉄筋コンクリートスラブからなる基礎部1の上面1aに溝部2を形成し、この溝部2内に高さ調整用のシム材3aおよび振動吸収板3bを介してレール4を敷設した後に、溝部2内にセルフレベリング性を有するポリウレタン樹脂5を注入・硬化させることによりレール4を固定した樹脂固定軌道が知られている(下記特許文献1等)。
上記従来の樹脂固定軌道にあっては、レール4を犬くぎやボルトで固定する必要がなく、当該レール4がポリウレタン樹脂5によって溝部2の側面および底面から拘束されているために、応力集中が回避されることにより、安定的にレール4を保持しておくことができるとともに、レール4と溝部2との間に振動吸収板3bを介装しているために、車輌通過時には当該振動吸収板3bが収縮して振動を吸収することにより、円滑な走向を確保することができるという利点がある。
特許第3824948号公報
ところで、この種の樹脂固定軌道においては、上記固定軌道の軌道線形が曲線の場合には、溝部を曲線状に形成することが難しいことから、通常上記溝部を、上記曲線を近似した折線によって計画することが多い。一方、上記従来の樹脂固定軌道においては、基礎部1の上面1aに形成した溝部2内にレール4を敷設しているため、当該曲線部分においては、基礎部1を多数に分割して、溝部2が全体として上記曲線を近似するように設置する必要があり、上記基礎部1の設計や製作が煩雑化するとともに、所望の施工精度を確保するために、多大の手間を要するという問題点があった。
また、溝部2の上方から内部にレール4を敷設する構造であるために、溝部2の幅寸法を、レール4の底部の底幅よりも大きくする必要があり、溝部2内に充填すべきポリウレタン樹脂5の量が多くなって経済性に劣るとともに、その硬化に長時間を要する結果、急速施工が難しいという問題点もあった。
さらに、基礎部1の上面1aに形成した溝部2内にレール4を敷設しているために、鉄道踏切部等の車道との交差部分や併用軌道等において、基礎部1の上面1aに、さらに自動車走行時の摩耗防止用のアスファルトまたはコンクリート舗装を施工することができないという問題点があった。この結果、上述した車道との交差部等における基礎部1の摩耗が激しい箇所を修復するに際しては、レール4を含めた基礎部1の全体を撤去する必要があった。
さらに、基礎部1の溝部2内に、直接ポリウレタン樹脂5によってレール4の下部が埋設されているために、レール4の頭部が摩耗、損傷等した際に、レール4のみを交換しようとしても、溝部2内においてポリウレタン樹脂5を剥離あるいは切断することが極めて困難であるとともに、この際に基礎部1を傷めてしまうおそれもあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軌道線形が曲線の箇所においても設計および施工が容易になるとともに、基礎部の上面に摩耗防止用の舗装材を施工することができ、かつレール4の交換も容易に行うことが可能になる樹脂固定軌道およびその構築方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係る樹脂固定軌道は、鉄筋コンクリート造の基礎部と、この基礎部の上面に振動吸収板を介して敷設されたレールと、このレールを間に挟んで当該レールに沿って配設されて上記基礎部に固定された一対のブロックと、これらブロック間に充填されて上記レールを固定する合成樹脂と、上記ブロック間の外側において上記基礎部の上面から上記ブロックの上面レベルまで打設された舗装材とを備えてなり、かつ上記基礎部の上面の上記一対のブロックおよびレールの設置箇所には、溝部が形成されるとともに、上記一対のブロックは、上記溝部内に注入されたグラウトおよび上記ブロックと上記基礎部との間に埋設されたアンカーによって上記基礎部に固定されていることを特徴とするものである。
さらに、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記一対のブロックの対向する内壁には、上記レールの腹部側に向けて突出する凸部が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、上記凸部の下面には、伸縮可能なパッドが貼設されるとともに、上記凸部の下方に位置する上記ブロックの側面と上記合成樹脂との境界面における付着が防止されていることを特徴とするものである。なお、上記境界面における両者の付着を防止する構成としては、剥離剤や非接着性塗料の塗布あるいは剥離テープの貼着等を用いることができる。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の発明において、上記レールの頭部の車輪が走向しない側に、上記凸部の上面から上記ブロックの上面まで上記合成樹脂が充填されるとともに、当該合成樹脂と上記ブロックの凸部の上面との間には、伸縮自在な中パッドが介装され、かつ上記凸部の上面に充填された上記合成樹脂と、その下部に充填されている上記合成樹脂の上面とは、互いの付着が防止されていることを特徴とするものである。
次いで、請求項に記載の本発明に係る樹脂固定軌道の構築方法は、予め一対のブロックおよびレールの設置箇所に溝部が形成された鉄筋コンクリート造の基礎部を構築あるいは設置し、次いで上記溝部の底部に、複数本のアンカーを上記ブロックの敷設位置に沿って間隔をおいて設置し、上記溝部内に振動吸収板を介して上記レールを敷設した後に、上記レールを間に挟む上記一対のブロックを当該ブロックに穿設された孔部に上記アンカーを挿入しつつ上記レールに沿って配置し、次いで上記溝部内および上記孔部内にモルタルを充填することにより上記ブロックを上記基礎部に固定した後に、上記ブロック間に合成樹脂を注入して硬化させるとともに、上記ブロック間の外側において上記基礎部の上面に舗装材を上記ブロックの上面レベルまで施工することを特徴とするものである。
請求項1〜のいずれかに記載の樹脂固定軌道または請求項に記載の樹脂固定軌道の構築方法によれば、鉄筋コンクリート造の基礎部にレールおよびこのレールを間に挟む一対のブロックを配置しているために、軌道線形が曲線の箇所においても、基礎部に対するレールおよびブロックの位置のみを調整することによって対応することができ、よって製作および施工が容易になる。
加えて、ブロックを、レール敷設後に配置すれば、レールの設置高さに合わせて、適宜ブロックの高さ寸法を調整することができるために、上記曲線箇所における施工性の向上と併せて、全体としての施工精度も向上させることができる。
また、レール敷設後にブロックを配置することにより、レールとブロックとの間を最小の寸法に設定することができるために、レールを固定するための合成樹脂の量を最小限にすることができ、経済性に優れるとともに、硬化に要する時間も短縮することが可能になる。
さらに、基礎部にレールおよびブロックを配置しているために、上記ブロック間の外側に、上記基礎部の上面から上記ブロックの上面レベルまでアスファルトやコンクリート等の摩耗防止用の舗装材を打設することが可能になる。この結果、基礎部の長寿命化を図ることができ、保守費用の一層の低減化も達成することができる。
しかも、基礎部とブロックとの間の固定部分および当該ブロックと合成樹脂との間の接合部分をコンクリートカッター等によって切断することにより、基礎部から上記ブロックおよびレールのみを撤去することができるために、摩耗、損傷等における上記レール等の修繕や交換も極めて容易に実施することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、上記一対のブロックの対向する内壁に、レールの腹部側に向けて突出する凸部を形成しているために、レールに作用する水平方向の荷重に対する変位を小さくすることができるとともに、上記凸部によって、レールを挟むブロック間の空間の容積が小さくなるために、レールの固定に要するポリウレタン樹脂の量を削減することができる。
加えて、請求項に記載の発明によれば、上記凸部の下面に伸縮可能なパッドを貼設し、かつ上記凸部の下方に位置する上記ブロックの側面と上記合成樹脂とが、剥離剤等により互いに付着しない構成としているために、車輪走行時に、レールに鉛直荷重が作用した際に、上記パッドの伸長によってレールの降下を許容するとともに、当該レールの降下に伴って合成樹脂に局部的な引張応力が作用することを緩和させることができる。
さらに、請求項に記載の発明によれば、上記レールの頭部の車輪が走向しない側に、上記ブロックの上面まで上記合成樹脂を充填するとともに、当該合成樹脂と上記ブロックの凸部の上面との間に伸縮自在な中パッドを介装しているために、併用軌道において歩行者や道路通行車輌の走行をより円滑化させることができる。しかも、車輪通過時にレールに作用する水平方向の力に対してレールを支持して、その変位を低減化することができるとともに、その際のレールの降下を、中パッドの伸縮によって吸収することができる。
さらに、上記凸部の上面に充填した上記合成樹脂とその下部に充填した上記合成樹脂とが、互いに付着しない構成とすることにより、レールの頭部の溶接補修等における熱的影響によって中パッドの上部に充填した合成樹脂が損傷した場合にも、当該合成樹脂のみを撤去して容易に補修を行うことが可能になる。
本発明に係る樹脂固定軌道の第1実施形態を示す横断面図である。 図1の平面図である。 本発明に係る樹脂固定軌道の構築方法を説明するための図で、基礎部にアンカー筋を立設した状態を示す横断面図である。 図3の基礎部上にレールを敷設した状態を示す横断面図である。 図4の基礎部上にブロックを設置する状態を示す横断面図である。 図5のブロックを無収縮モルタルによって固定する状態を示す横断面図である。 図1の樹脂固定軌道のブロックおよびレール部分を改修する際の工程を説明するための図で、無収縮モルタルを切断する状態を示す横断面図である。 図7のブロックおよびレールを撤去する状態を示す横断面図である。 図8の基礎部上に新たなブロックおよびレールを備えたユニットを設置する状態を示す横断面図である。 本発明の樹脂固定軌道の第2実施形態を示す横断面図である。 本発明の樹脂固定軌道の第3実施形態を示す横断面図である。 本発明の樹脂固定軌道の第4の実施形態を示す横断面図である。 従来の樹脂固定軌道を示す横断面図である。
図1および図2は、本発明の樹脂固定軌道の第1実施形態を示すもので、図中符号10が鉄筋コンクリート造の基礎部である。
鉄筋コンクリート造の基礎部10は、敷設すべき樹脂固定軌道に沿って現場打ちコンクリートあるいはプレキャストコンクリートによってスラブ状に構築されたもので、その上面10aのレール11を敷設すべき位置には、所定幅の浅い溝部10bが形成されている。そして、この溝部10b内に後述する無収縮モルタル15が打設されるとともに、当該無収縮モルタル15の上面であって幅方向の中央部に、ゴムあるいはコルクからなる振動吸収板12を間に介してレール11が載置されている。
また、レール11を間に挟んだ両側に、各々断面方形状のブロック13がレール11に沿って連続的に配置されている。他方、予め基礎部10の溝部10b内のブロック13が配置される位置には、多数本のアンカー筋(アンカー)14がレール11の敷設方向に沿って配置されている。そして、各々のアンカー筋14は、その下部が基礎部10内に埋設されるとともに、先端部が溝部10bからブロック13の高さ寸法よりも幾分低い位置になるように立設されており、ブロック13の対応する位置に穿設された孔部13a内に緩く挿入されている。
そして、上記一対のブロック13は、溝部10b内および孔部13a内に注入・硬化された上記無収縮モルタル15によって、基礎部10に固定されている。また、レール11は、ブロック13間に充填・硬化されたポリウレタン樹脂(合成樹脂)16によって固定されている。さらに、ブロック13間の外側においては、基礎部10の上面10aからブロック13の上面レベルまで、アスファルトまたはコンクリート(舗装材)17による舗装が施工されている。
次に、図3〜図6に基づいて、本発明に係る樹脂固定軌道の構築方法を、図1および図2に示した樹脂固定軌道の施工に適用した場合の一実施形態について説明する。
先ず、図3に示すように、軌道の路盤となる鉄筋コンクリート造の基礎部10を所定位置に構築あるいは設置するとともに、その溝部10bの所定位置に、アンカー筋14を立設させておく。
次いで、図4に示すように、予め下面に振動吸収板12を接着固定したレール11を、溝部10bの中央部の所定位置に、当該溝部10bの底面との間に隙間を形成して浮かせた状態で設置する。次いで、図5に示すように、ブロック13の孔部13a内にアンカー筋14を緩く挿入しつつ、レール11を間に挟んだ所定位置にブロック13を設置する。この際に、レール11の設置高さに応じて、ブロック13の高さ調整を行う。
次いで、図6に示すように、溝部10bおよび孔部13aの内部に無収縮モルタル1を注入して硬化させることにより、振動吸収板12およびブロック13を基礎部10に一体的に固定する。このようにして振動吸収板12およびブロック13の固定が完了した後に、これらブロック13間の空間に、レール11の所定の高さまでポリウレタン樹脂(合成樹脂)16を充填して硬化させることにより、レール11を固定する。また、ブロック13間の外側においては、基礎部10の上面10aからブロック13の上面レベルまで、アスファルトまたはコンクリート(舗装材)17を施工することにより、図1および図2に示した樹脂固定軌道の構築が完了する。
次に、レール11の摩耗や損傷によって、レール11の固定部分を改修する場合の改修方法について説明すると、先ずブロック13の外側部分の舗装材(図示を略す。)を局部的に剥いだ後に、図7の左側に示すように、ブロック13の孔部13a内に円筒状のコンクリートコアドリルを挿入して、アンカー筋14の外周の切断線C1において、アンカー筋14と無収縮モルタル15との間を切断するとともに、同図の右側に示すように、コンクリートカッターによって溝部10bの縁部と無収縮モルタル15との目地部C2およびブロック13とポリウレタン樹脂16との目地部C3を切断する。
そして次に、図8に示すように、上記切断により分離されたブロック13を撤去した後に、ポリウレタン樹脂16によって覆われたレール11を撤去する。
次いで、ブロック13およびレール11を復旧するに際して、例えば急速な施工が要請されている場合には、図9に示すように、事前に工場等において一体的に組み立てておいたレール11、振動吸収板12、ブロック13およびポリウレタン樹脂16からなる軌道ユニット20を準備しておく。
そして、上記軌道ユニット20を、既存の基礎部10に立設されているアンカー筋14を用いて、基礎部10の溝部10b内に設置し、同様に溝部10b内およびブロック13の孔部13a内に無収縮モルタル15を注入して硬化させることにより固定する。次いで、ブロック13の外周部分の舗装材を補修することにより、上記改修作業が終了する。
このように、上記構成からなる樹脂固定軌道およびその構築方法によれば、基礎部10の上面10aにレール11およびこのレール11を間に挟む一対のブロック13を配置しているために、軌道線形が曲線の箇所においても、基礎部10に対するレール11およびブロック13の位置調整のみによって対応することができ、よって従来と比較して、基礎部10の製作やレール11等の施工を簡易化することができる。
しかも、レール11を敷設した後にブロック13を配置しているために、レール11の設置高さに合わせて、適宜ブロックの高さ寸法を無収縮モルタル15の厚さによって調整することができるとともに、無収縮モルタル15は荷重による収縮量が極めて小さいために経時的にブロック13の高さ位置が変化することが無く、よって施工精度も向上させることができる。
また、レール11の敷設後にブロック13を配置している結果、レール11とブロック13との間を最小の幅寸法に設定することができるために、レール11を固定するためのポリウレタン樹脂16の使用量を最小限にすることができ、経済性に優れるとともに、硬化に要する時間も短縮することができる。
さらに、基礎部10の上面10aにレール11およびブロック13を配置しているために、ブロック13間の外側に、基礎部10の上面10aからブロック13の上面レベルまでアスファルトやコンクリート等の摩耗防止用の舗装材17を打設することができる。この結果、基礎部10が軌道上を交差走向する自動車等によって摩耗・損傷を受けることを防止することができ、当該基礎部10の長寿命化を図ることができる。
加えて、図7に示したように、アンカー筋14の外周の切断線C1、溝部10bの縁部と無収縮モルタル15との目地部C2およびブロック13とポリウレタン樹脂16との目地部C3を切断することにより、容易にブロック13およびレール11等を撤去することができるために、摩耗、損傷等におけるレール11等の修繕や交換も極めて容易に実施することができる。
図10および図11は、それぞれ本発明の樹脂固定軌道の第2および第3実施形態を示すもので、図1および図2に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図10に示す樹脂固定軌道は、一対のブロック13の対向する内壁に、レール11の腹部側に向けて突出する凸部18を一体に形成したものである。
また、図11に示す樹脂固定軌道は、図10に示したブロック13の下面に、伸縮可能なパッド19を貼着するとともに、パッド19の下方に位置するブロック13の両側面とポリウレタン樹脂16との境界面F1に、剥離剤を塗布したり、あるいはテフロン(登録商標)テープを貼着したりして両者の付着を防止することにより、ブロック13の両側面に対して、ポリウレタン樹脂16を鉛直方向に変位可能に設けたものである。
上記第2および第3実施形態の樹脂固定軌道によれば、第1実施形態に示したものと同様に作用効果を得ることができることに加えて、ブロック13の対向する内壁に、レール11の腹部側に向けて突出する凸部18を設けているために、レール11に作用する水平方向の荷重に対する変位を小さくすることが可能になる。また、上記凸部18によって、レール11を挟むブロック13間の空間の容積が小さくなるために、レール11の固定に要するポリウレタン樹脂16の量を大幅に低減させることができるという効果も得られる。
ただし、図10に示す樹脂固定軌道においては、レール11に作用する鉛直荷重によって振動吸収板12が変形してレール11が降下しようとする際に、ブロック11に形成した凸部18によって上部が大きく塞がれたポリウレタン樹脂16に大きな応力が発生し、レール11の下方への変位が抑制されて見かけ上のバネ常数が大きくなってしまう。
これに対して、図11に示した樹脂固定軌道においては、ブロック13の下面とポリウレタン樹脂16との間に伸縮自在なパッド19を介装するとともに、ブロック13の両側面とポリウレタン樹脂16との境界面F1における付着を防止することにより、ブロック13の両側面に対してポリウレタン樹脂16を鉛直方向に変位可能に設けている。
このため、上記第3の実施形態に係る樹脂固定軌道によれば、レール11に鉛直荷重が作用した際に、上記パッド19の伸縮によってレール11の降下を許容することにより、当該レールの降下に伴ってポリウレタン樹脂16に局部的に作用する引張応力を緩和させることが可能になるといった効果も得られる。
次いで、図12は、上記第3の実施形態に示した樹脂固定軌道において、さらにレール走行時にレール11に作用する水平方向の力に対する変位を低減化させた本発明の第4の実施形態を示すものである。
すなわち、この樹脂固定軌道においては、図1に示したものと同様に、レール11頭部の車輪が走向しない側に、上記凸部18の上面からブロック13の上面までポリウレタン樹脂16aが充填されている。
ここで、上記ポリウレタン樹脂16aとブロック13の凸部18の上面との間には、伸縮自在な中パッド19aが介装されている。また、凸部18上面に充填されたポリウレタン樹脂16aと、その下部に充填されているポリウレタン樹脂16の上面との境界面F2には、同様に両者の付着を防止するための剥離剤やテフロン(登録商標)テープ等が貼着されている。
上記構成からなる第4の実施形態の樹脂固定軌道によれば、特に曲線区間において、路面電車等の車輪通過時にレール11に作用する水平方向の力に対して、レール11の頭部側面に充填したポリウレタン樹脂16aによって当該レール11を支持することにより、その変位を低減化することができる。また、併用軌道において歩行者や道路通行車輌の走行をより円滑化させることもできる。
この際に、ポリウレタン樹脂16aが下方のポリウレタン樹脂16と一体化されていると、凸部18上のポリウレタン樹脂16aがレール11の鉛直方向の変位を妨げるおそれがあるが、上記固定樹脂軌道においては、ポリウレタン樹脂16、16aの間に、伸縮自在な中パッド19aを介装しているために、レール11の降下時に中パッド19aが伸縮することにより、このような弊害を生じるおそれがない。
また、凸部18上面に充填されたポリウレタン樹脂16aと、その下部に充填されているポリウレタン樹脂16の上面との境界面F2に剥離剤やテフロン(登録商標)テープ等を貼着することにより、両者の付着を防止しているために、例えばレール11の頭部の溶接補修等における熱的影響によって中パッド19aの上部のポリウレタン樹脂16aが損傷した場合にも、容易にポリウレタン樹脂16aのみを撤去して補修することが可能になる。
なお、上部のポリウレタン樹脂16aと、その下部のポリウレタン樹脂16との付着を防止するためには、上述した境界面F2に剥離剤やテフロン(登録商標)テープ等を貼着する構成の他、例えば上記中パッド19a自体を凸部18の上面からレール11の側面まで延長させてポリウレタン樹脂16の上面に接着する構成も採用することができる。
10 基礎部
10a 上面
10b 溝部
11 レール
12 振動吸収板
13 ブロック
14 アンカー筋(アンカー)
15 無収縮モルタル
16、16a ポリウレタン樹脂(合成樹脂)
17 舗装材
18 凸部
19 パッド
19a 中パッド
、F 境界面

Claims (5)

  1. 鉄筋コンクリート造の基礎部と、この基礎部に振動吸収板を介して敷設されたレールと、このレールを間に挟んで当該レールに沿って配設されて上記基礎部に固定された一対のブロックと、これらブロック間に充填されて上記レールを固定する合成樹脂と、上記ブロック間の外側において上記基礎部の上面から上記ブロックの上面レベルまで打設された舗装材とを備えてなり、
    かつ上記基礎部の上面の上記一対のブロックおよびレールの設置箇所には、溝部が形成されるとともに、上記一対のブロックは、上記溝部内に注入されたグラウトおよび上記ブロックと上記基礎部との間に埋設されたアンカーによって上記基礎部に固定されていることを特徴とする樹脂固定軌道。
  2. 上記一対のブロックの対向する内壁には、上記レールの腹部側に向けて突出する凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂固定軌道。
  3. 上記凸部の下面には、伸縮可能なパッドが貼設されるとともに、上記凸部の下方に位置する上記ブロックの側面と上記合成樹脂との境界面における付着が防止されていることを特徴とする請求項に記載の樹脂固定軌道。
  4. 上記レールの頭部の車輪が走向しない側に、上記凸部の上面から上記ブロックの上面まで上記合成樹脂が充填されるとともに、当該合成樹脂と上記ブロックの凸部の上面との間には、伸縮自在な中パッドが介装され、かつ上記凸部の上面に充填された上記合成樹脂と、その下部に充填されている上記合成樹脂の上面とは、互いの付着が防止されていることを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂固定軌道。
  5. 予め一対のブロックおよびレールの設置箇所に溝部が形成された鉄筋コンクリート造の基礎部を構築あるいは設置し、次いで上記溝部の底部に、複数本のアンカーを上記ブロックの敷設位置に沿って間隔をおいて設置し、上記溝部内に振動吸収板を介して上記レールを敷設した後に、上記レールを間に挟む上記一対のブロックを当該ブロックに穿設された孔部に上記アンカーを挿入しつつ上記レールに沿って配置し、次いで上記溝部内および上記孔部内にモルタルを充填することにより上記ブロックを上記基礎部に固定した後に、上記ブロック間に合成樹脂を注入して硬化させるとともに、上記ブロック間の外側において上記基礎部の上面に舗装材を上記ブロックの上面レベルまで施工することを特徴とする樹脂固定軌道の構築方法
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