JP3824948B2 - レールの据付方法および据付構造 - Google Patents
レールの据付方法および据付構造 Download PDFInfo
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- E01—CONSTRUCTION OF ROADS, RAILWAYS, OR BRIDGES
- E01B—PERMANENT WAY; PERMANENT-WAY TOOLS; MACHINES FOR MAKING RAILWAYS OF ALL KINDS
- E01B9/00—Fastening rails on sleepers, or the like
- E01B9/62—Rail fastenings incorporating resilient supports
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、犬くぎやボルトで固定する必要のないレールの据付方法および据付構造に係わり、特に走行レールに沿って脱線防止レールを敷設する場合に好適なレールの据付方法および据付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道の軌道を敷設する際に、当該軌道が所定の半径以内の曲線をなす区間においては、2本の走行レールのうちの曲率半径が小さい側(内軌側)の走行レールの軌道中心線の側(軌道内側)に沿って、当該走行レールの摩耗や脱輪を防ぐために、脱線防止レールを敷設することが義務付けられている。また、このような脱線防止レールは、上記曲線区画の他、特に必要と認められた橋梁、築堤あるいは踏切等の箇所においても敷設する必要がある。
【0003】
図19は、従来のこの種の脱線防止レールを敷設した区間におけるレールの据付構造を示すもので、図中符号1が一方の走行レールである。
この走行レール1は、枕木2上の軌道パッド3に載置されるとともに、下部フランジ1bを押える犬釘4やスクリュースパイキ7によって枕木2に固定されたものである。そして、この走行レール1に沿って、脱線防止レール5が敷設される場合は、その脱線防止レール5は、上面5aが走行レール1の上面1aよりも所定寸法高くなるように、枕木2に隣接して配置された高さ調整部材6上に載置され、同様に下部フランジ5bを押えるように締め込まれた犬釘4やスクリュースパイキ7によって枕木2に固定されている。
また、走行レール1と脱線防止レール5とは、所定間隔毎に互いのウエブ1c、5c間に挿通されたチョックボルト8や、スペーサ(図示を略す)とボルト、ナット等によって、一定間隔を保持するように一体化され、アスファルトコンクリート等の舗装面9上にレール頭部だけが出るように埋設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のレールの据付構造においては、車両通過時における重力による下方への沈み込み、レールに横方向の力(横圧)が作用してレールが内外に傾く小返り、軌道全体の振動等の破壊作用を受けるので、アスファルトコンクリートでは、レールとの接着性や弾力性に乏しく、亀裂をすぐ生じ、レール保持力がない。したがって、これら走行レール1や脱線防止レール5は、ともに下部フランジ1a、5aにおいて犬釘4やスクリュースパイキ7によって枕木2に固定されているのみの状態と実質的に同じである。
【0005】
さらに係る状態において、上記従来のレールの据付構造においては、車両通過時には、走行レール1と一体化された脱線防止レール5も車輪からの遠心力を受けることになる。
この結果、長期間にわたる使用によって、チョックボルト8やボルト等に伸びが生じたり、あるいはボルト、ナット間の緩みが生じて、徐々に脱線防止レール5に走行レール1から離れる方向に傾きが生じるという欠点があり、このためレールの点検およびチョックボルト8等の増し締めや交換といった定期的な保守管理作業に多くの手間を要するという問題点があった。
また、走行レール1および脱線防止レール5は、共に間欠的に配設された枕木2上に点で固定されているために、比較的大きな振動を発生し、特に舗装材がコンクリートの場合には、該コンクリートに騒音が反響してさらに騒がしいという問題点があった。さらに、長期間の使用によりレール1、5に偏摩耗が生じ易く、よってこれらレール1、5の使用寿命も短くなるという問題点もあった。
【0006】
本発明は、上記従来のレールの据付構造が有する課題を解決すべくなされたもので、長期間の使用によっても、脱線防止レールに傾きが生じることが無く、保守管理が容易になるとともに、走行レールや脱線防止レールの使用寿命の長期化も図ることができ、かつ乗り心地が良く安全性に優れ、犬くぎやスクリュースパイキで固定する必要のないレールの据付構造を効率よく形成するレールの据付方法およひそのレールの据付構造を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜3に記載の発明は、いずれも走行レールと脱線防止レールに係るレールの据付け方法であって、先ず請求項1に記載の本発明は、軌道の基礎部上面に、走行レールと、当該走行レールに所定間隔をおいて設けられる脱線防止レールとを収納するための凹部を形成するレール溝形成工程と、上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する振動吸収板の敷設工程と、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行・脱線防止レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、スペーサによって互いに間隔が保持された上記走行レールおよび脱線防止レールを置き位置決めをする走行・脱線防止レール設置工程と、上記走行レールおよび脱線防止レールが位置決めされた上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行・脱線防止レールの樹脂注入硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、軌道の基礎部上面に、走行レールと、当該走行レールより短く形成され、かつ当該走行レールに所定間隔をおいて並列に設けられる脱線防止レールとを、上記走行レールの接続端部が上記脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で収納するための凹部を形成する走行・脱線防止レールの溝形成工程と、上記走行レールと上記脱線防止レールとが並列する上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行・脱線防止レールの振動吸収板敷設工程と、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行・脱線防止レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、スペーサによって互いに間隔が保持された上記走行レールおよび脱線防止レールを、上記走行レールの接続端部が上記脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で置き、位置決めをする走行・脱線防止レール設置工程と、上記走行レールおよび上記脱線防止レールが位置決めされた状態で、当該走行レールと脱線防止レールとが並列する箇所の上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行・脱線防止レール並列部分の樹脂注入硬化工程と、軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板の敷設工程と、上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、上記接続走行レールを置き位置決めをする接続走行レール設置工程と、上記接続走行レールが位置決めされた上記凹部に、少なくとも上記走行レールとの接続端部を除いて、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程と、上記ポリウレタンで固定された上記走行レールおよび上記接続走行レールの上記接続端部同士を接続した後に、接続された上記接続端部のある箇所の上記凹部にセルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レール接続部分の樹脂注入硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、軌道の基礎部上面に、走行レールと、当該走行レールより短く形成され、かつ当該走行レールに所定間隔をおいて並列に設けられる脱線防止レールとを、上記走行レールの接続端部が上記脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で収納するための凹部を形成する走行・脱線防止レールの溝形成工程と、上記走行レールと上記脱線防止レールとが並列する上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行・脱線防止レールの振動吸収板敷設工程と、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行・脱線防止レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、スペーサによって互いに間隔が保持された上記走行レールおよび脱線防止レールを、当該走行レールの接続端部が当該脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で置く走行・脱線防止レール設置工程と、軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板敷設工程と、上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、上記接続走行レールを置く接続走行レール設置工程と、上記調整板上に置かれた上記走行レールと、上記調整板上に置かれた上記接続走行レールとの接続端部同士を接続する走行レールの接続工程と、上記走行レール、上記脱線防止レールおよび上記接続走行レールが位置決めされた状態で、上記走行レールと上記脱線防止レールとが並列する箇所の上記凹部と接続された上記接続端部がある箇所の上記凹部とに、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
次いで、請求項4〜6に記載の発明は、いずれも走行レールに係るレールの据付け方法であって、先ず請求項4に記載の発明は、軌道の基礎部上面に、走行レールを収納するための凹部を形成する走行レールの溝形成工程と、上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する振動吸収板の敷設工程と、上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に上記走行レールを置き位置決めをする走行レール設置工程と、上記走行レールが位置決めされた上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レールの樹脂注入硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、軌道の基礎部上面に、走行レールを収納するための凹部を形成する走行レールの溝形成工程と、上記走行レールの接続端部を除く当該走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行レールの振動吸収板敷設工程と、上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に上記走行レールを置き位置決めをする走行レール設置工程と、上記走行レールが位置決めされた状態で、少なくとも当該走行レールの上記接続端部を除く上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レールの樹脂注入硬化工程と、軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板敷設工程と、上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、上記接続走行レールを置き位置決めをする接続走行レール設置工程と、上記接続走行レールが位置決めされた上記凹部に、少なくとも上記走行レールとの接続端部を除いて、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程と、上記ポリウレタンで固定された上記走行レールおよび上記接続走行レールの上記接続端部同士を接続した後に、接続された上記接続端部のある箇所の上記凹部にセルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レール接続部分の樹脂注入硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項6に記載の発明は、軌道の基礎部上面に、走行レールを収納するための凹部を形成する走行レールの溝形成工程と、上記走行レールの接続端部を除く当該走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行レールの振動吸収板敷設工程と、上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に上記走行レールを置く走行レール設置工程と、軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板敷設工程と、上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、上記調整板上に、上記接続走行レールを置く接続走行レール設置工程と、上記調整板上に置かれた上記走行レールと、上記調整板上に置かれた上記接続走行レールとの接続端部同士を接続する走行レールの接続工程と、上記走行レールおよび上記接続走行レールが位置決めされた状態で、接続された上記接続端部を含めた上記走行レールがある箇所の上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
【0013】
なお、請求項2、3、5および6のいずれかに記載の発明においては、接続走行レールの接続端部とは、走行レールと接続される側の端部のみならず、当該端部に対して他端部となる接続端部も含む。
さらに、請求項7に記載の発明は、これら請求項2、3、5および6のいずれかに記載の発明において、上記走行レールと上記接続走行レールとの接続端部同士を溶接によって接続するとともに、溶接された上記接続端部のある箇所の上記凹部に上記ポリウレタンを注入する前に、当該凹部の底面の上記振動吸収板の未敷設箇所に接着剤を塗布して上記振動球種板を接着固定することを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記走行レールと上記脱線防止レールとを収納する上記凹部部分への上記ポリウレタンの注入は、まず上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間に上記ポリウレタンを注入して、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタンの表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じにした後に、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間にポリウレタンを注入して、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、走行レール頭部の下端部に位置するようにすることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項2〜7のいずれかに記載の発明において、上記走行レールのみを収納する上記凹部部分への上記ポリウレタンの注入は、まずレール軌道の外側に位置する上記凹部側壁と上記走行レールとの間に上記ポリウレタンを注入して、当該凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じにした後に、レール軌道の内側に位置する上記凹部側壁と上記走行レールとの間に上記ポリウレタンを注入して、当該凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、レール頭部の下端部に位置するようにすることを特徴とするものである。
【0016】
請求項10に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、上記ポリウレタンは、ポリイソシアネート プレポリマーと、アミンとの混合物にコルク粒を1〜10重量%含めたものであることを特徴とするものである。
【0017】
請求項11に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、上記ポリウレタンを凹部に注入する直前に、当該凹部に、プライマーとして溶剤に溶解させたポリイソシアネートを散布することを特徴とするものである。
具体的には、例えば塩化メチレン、二塩化メチレン等に溶解させた4,4’-ジフェニルメタン ジイソシアネート(20重量%)が好ましく使用できる。上記ポリウレタンを上記凹部に注入する直前とは、プライマーを散布した後には、他の工程を入れないで上記ポリウレタンを注入する工程を施す意味であり、時間的に数分を隔てないでポリウレタンを注入する意味ではない。通常、プライマーを塗布した後、1時間以内に上記ポリウレタンを注入すればよい。
【0018】
請求項12に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項1〜11のいずれかに記載の発明において、上記振動吸収板は、合成ゴムまたは天然ゴムであり、上記接着剤は硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項13に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項1〜12のいずれかに記載の発明において、上記調整板の高さ寸法の調整は、敷設された振動吸収板上面のレベルを測定し、当該測定値に基づいて、複数の調整板を積み重ねて当該測定値に対応した高さ寸法に調整することを特徴とするものである。
【0020】
請求項14に記載の本発明に係るレールの据付方法は、請求項1〜13のいずれかに記載の発明において、上記振動吸収板が、コルク粒を1〜20重量%含有し、上記調整板がコルク板であることを特徴とするものである。
【0021】
請求項15に記載の本発明に係るレールの据付構造は、走行レールと、当該レールに所定間隔をおいて設けられた脱線防止レールとの据付構造であって、軌道の基礎部上面に形成された凹部の底面に、接着剤層を介して接着固定された振動吸収板と、上記走行レールと脱線防止レールの敷設位置に沿って間隔をおいて、それぞれ振動吸収板上に設けられ、当該走行レールと脱線防止レールの各レベルを所定のレベルにする調整板と、上記調整板上に位置決めされ、スペーサによって互いの間隔が保持された上記走行レールと脱線防止レールと、これらが上記凹部に収納された状態で注入して硬化させたポリウレタン層とを備えたことを特徴とするものである。。
【0022】
請求項16に記載の本発明に係るレールの据付構造は、請求項15に記載のは発明において、上記ポリウレタン層の表面レベルは、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタン層の表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じであり、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間の上記ポリウレタン層の表面レベルは、走行レール頭部の下端部に位置することを特徴とするものである。
【0023】
請求項17に記載の本発明に係るレールの据付構造は、走行レールの据付構造であって、軌道の基礎部上面に形成された凹部の底面に、接着剤層を介して接着固定された振動吸収板と、上記走行レールの下面敷設位置に沿って間隔をおいて、それぞれ振動吸収板上に設けられ、上記走行レールのレベルを所定のレベルにする調整板と、上記調整板上に位置決めされ、スペーサによって互いの間隔が保持された上記走行レールと、これらが上記凹部に収納された状態で注入して硬化させたポリウレタン層とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
請求項18に記載の本発明に係るレールの据付構造は、請求項15〜17のいずれかに記載の発明において、上記ポリウレタンは、ポリイソシアネート プレポリマーと、アミンとの混合物にコルク粒を1〜10重量%含めたものであることを特徴とするものである。
【0025】
請求項19に記載の本発明に係るレールの据付構造は、請求項15〜18のいずれかに記載の発明において、上記振動吸収板は、合成ゴムまたは天然ゴムであり、上記接着剤は硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤であることを特徴とするものである。
【0026】
請求項20に記載の本発明に係るレールの据付構造は、請求項15〜19のいずれかに記載の発明において、上記振動吸収板は、コルク粒を1〜20重量%含有し、上記調整板は、複数のコルク板を積み重ねて所定の高さに調整したものであることを特徴とするものである。
【0027】
上記請求項1〜3に記載のレールの据付方法および請求項15のレールの据付構造においては、上記凹部の底面に振動吸収板を敷設するので、列車通過時に当該振動吸収板が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がよくなると共によく振動を吸収する。特に、上記振動吸収板の敷設に際しては、上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定するようにしたので、凹部の底面と振動吸収板との接合がなされ、ポリウレタンによる凹部側面からのレール拘束に加えて、凹部底面からのレール拘束がなされ、レールの温度収縮によって発生するレール軸力に対する拘束力が増して、レールの熱収縮によるレール分岐部等への応力集中が確実に回避され、これらの破損が防止されるという作用を奏する。
【0028】
また、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールと上記脱線防止レールのそれぞれの下面敷設位置に沿って、上記振動吸収板上に置くので、凹部底面の高さに不均一があっても、上記調整板により高い走行面の精度を確保することが可能になり、高さ調整の自由度が増大する。しかも、調整板を、各レールそれぞれの下面敷設位置に沿って、間隔をおいて置く(例えば1〜2m間隔で置く)ので、これら調整板によって上記走行レールと上記脱線防止レールのそれぞれの底部下面と振動吸収板との間に空間が形成され、後でポリウレタンを凹部に注入することにより該空間にポリウレタンの充填層が形成され、調整板が上記振動吸収板に固定されると共に上記走行レール自体および上記脱線防止レール自体も強固に固定される。
【0029】
したがって、上記調整板は単に上記振動吸収板上に置くだけでよく、施工が簡単であり、ボルト、ナット、犬釘、タイプレート等の締結金具や枕木を調整しながら実施していた従来の高さ調整と比べ、位置決めを1mm単位で正確かつ容易に実施できる。
しかも、凹部へポリウレタンを注入するに際し、セルフレベリング性を有するポリウレタンを使用しているために、別途上面を均すことなく水平面を得ることができ、よって総じて作業が容易である。
【0030】
加えて、得られたレールの据付構造は、スペーサによって互いの間隔が保持された走行レールと脱線防止レールとが、軌道の基礎部上面に形成された凹部内において、当該凹部の全長にわたってウエブおよび下部フランジの全面がそれぞれポリウレタンにより拘束されているために、長期間の使用によっても走行レールと脱線防止レールとの間隔保持に影響が無く、脱線防止レールに傾きが生じることがない。また、従来の枕木や犬釘を用いたレールの据付構造においては、レールが間欠的に点で支持されるために、比較的大きな振動が発生するとともにレールに偏摩耗が生じ易いのに対して、本発明においては、レールが凹部内に充填されたポリウレタンによって連続的に面で支持されるために、当該振動の発生を抑えることができ、かつレールの偏摩耗も生じる虞がない。
【0031】
さらに、走行レールおよび脱線防止レールを、基礎部上面に形成された凹部内において支持している結果、従来のように犬釘やスクリュースパイキ等の締結金具を使用する必要が無いために、これらレールの保守点検作業を大幅に軽減することが可能になるとともに、これらのレールとして種々の形状のものを使用することができる。
【0032】
また、上記凹部の底面に振動吸収板を敷設するので、列車通過時に当該振動吸収板が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がよくなると共に振動を吸収する。さらに、ポリウレタンで上記走行レールの下部フランジおよびウエブの全面が拘束されているために、この点からも相乗的に振動を吸収し、騒音も極めて少なく、走行レールや脱線防止レールの使用寿命の長期化も図ることができ、かつ乗り心地が良く安全性に優れている。
【0033】
特に、請求項2に記載の発明においては、上記走行レールの接続端部を残して上記ポリウレタンで固定し、この接続端部と、同様にポリウレタンで固定された接続走行レールの接続端部とを凹部内で接続するようにしたので、レール位置が固定されている結果接続が容易であり、かつ接続後のレール位置調整も不要になる。
【0034】
また、請求項3に記載の発明においては、上記調整板上に上記走行レールと脱線防止レールとが置かれた状態で、上記走行レールと接続走行レールとの接続端部同士を接続した後に、接続された当該接続端部を含めて上記走行レールを上記ポリウレタンで固定するようにしたので、ポリウレタンの注入を、当該接続端部と走行レール本体や脱線防止レール本体とに分ける必要がなく、一度に行うことができる。したがって、ポリウレタンの注入に係わる施工手順が錯交することがない。
【0035】
次いで、上記請求項4〜6に記載のレールの据付方法および請求項17のレールの据付構造においては、上記凹部の底面に振動吸収板を敷設するので、列車通過時に当該振動吸収板が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がよくなると共によく振動を吸収する。特に、上記振動吸収板の敷設に際しては、上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定するようにしたので、凹部の底面と振動吸収板との接合がなされ、ポリウレタンによる凹部側面からのレール拘束に加えて、凹部底面からのレール拘束がなされ、レールの温度収縮によって発生するレール軸力に対する拘束力が増して、レールの熱収縮によるレール分岐部等への応力集中が確実に回避され、これらの破損が防止されるという作用を奏する。
【0036】
また、上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの下面敷設位置に沿って、上記振動吸収板上に置くので、凹部底面の高さに不均一があっても、上記調整板により高い走行面の精度を確保することが可能になり、高さ調整の自由度が増大する。しかも、調整板を、走行レールの下面敷設位置に沿って、間隔をおいて置く(例えば1〜2m間隔で置く)ので、これら調整板によって上記走行レールの底部下面と振動吸収板との間に空間が形成され、後でポリウレタンを凹部に注入することにより該空間にポリウレタンの充填層が形成され、調整板が上記振動吸収板に固定されると共に上記走行レール自体も強固に固定される。
【0037】
したがって、上記調整板は単に上記振動吸収板上に置くだけでよく、施工が簡単であり、ボルト、ナット、犬釘、タイプレート等の締結金具や枕木を調整しながら実施していた従来の高さ調整と比べ、位置決めを1mm単位で正確かつ容易に実施できる。。
しかも、凹部へポリウレタンの注入においては、セルフレベリング性を有するポリウレタンを使用しているために、別途上面を均すことなく水平面を得ることができ、よって総じて作業が容易である。
【0038】
加えて、得られたレールの据付構造は、走行レールが、軌道の基礎部上面に形成された凹部内において、当該凹部の全長にわたってウエブおよび下部フランジの全面がポリウレタンにより拘束されているために、長期間の使用によっても走行レールの保持に影響がない。また、従来の枕木や犬釘を用いたレールの据付構造においては、レールが間欠的に点で支持されるために、比較的大きな振動が発生するとともにレールに偏摩耗が生じ易いのに対して、本発明においては、レールが凹部内に充填されたポリウレタンによって連続的に面で支持されるために、当該振動の発生を抑えることができ、かつレールの偏摩耗も生じる虞がない。
【0039】
さらに、走行レールを、基礎部上面に形成された凹部内において支持している結果、従来のように犬釘やスクリュースパイキ等の締結金具を使用する必要が無いために、これらレールの保守点検作業を大幅に軽減することが可能になるとともに、これらのレールとして種々の形状のものを使用することができる。
また、上記凹部の底面に振動吸収板を敷設するので、列車通過時に当該振動吸収板が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がよくなると共に振動を吸収する。さらに、ポリウレタンで上記走行レールの下部フランジおよびウエブの全面が拘束されているために、この点からも相乗的に振動を吸収し、騒音も極めて少なく、走行レールの使用寿命の長期化も図ることができ、かつ乗り心地が良く安全性に優れている。
【0040】
さらに、請求項5に記載の発明においては、上記走行レールの接続端部を残して上記ポリウレタンで固定し、この接続端部と、同様にポリウレタンで固定された接続走行レールの接続端部とを凹部内で接続するようにしたので、レール位置が固定されている結果接続が容易であり、かつ接続後のレール位置調整も不要である。
【0041】
また、請求項6に記載の発明においては、上記調整板上に上記走行レールが置かれた状態で、上記走行レールと接続走行レールとの接続端部同士を接続した後に、接続された当該接続端部を含めて上記走行レールを上記ポリウレタンで固定するようにしたので、ポリウレタンの注入を、当該接続端部と走行レール本体に分ける必要がなく、一度に行うことができる。したがって、ポリウレタンの注入に係わる施工手順が錯交することがない。
【0042】
なお、請求項1〜6の発明における上記各工程は、レール全体について一律に各工程を順次施す場合と、レールの長さ方向のそれぞれの箇所において、隣接する工程とは異なる工程が行われる場合とがある。したがって、上記各工程の時系列的な解釈は、特定なレール全体の工程の場合やそのレールの一部分箇所を据え付ける工程の場合もあるものとし、広義に解するものとする。
また、レールの長さは一般に規格寸法が25mであるが、これらを予め溶接接続して所要の長さにし、それを本発明の走行レールや脱線防止レールとして据付ればよく、上記走行レールや脱線防止レールの長さは、規定寸法に限定されず、任意である。
【0043】
さらに、請求項1〜6、15および17に記載の発明において、走行レールおよび脱線防止レールを収納する凹部、または走行レールを収納する凹部としては、例えば軌道の基礎部となる地盤に、鋼鈑や鋳物によって形成したコ字状部材を埋め込むことによって形成することも可能であるが、軌道を形成する2条の凹部が形成された一体型のコンクリートスラブを用いれば、より一層両走行レールの間隔を容易に調節して、高い精度で敷設することが可能になる。このようなコンクリートスラブは、型枠を用いた現場打ち施工によっても構築することができるが、予め工場で製作したプレキャストコンクリート使用することも可能である。この場合、請求項1〜3または15のいずれかに記載の据付構造を、コンクリートスラブの上面の一方の上記凹部に形成し、請求項4〜6または17のいずれかに記載の据付構造を、他方の凹部に形成するのが好ましい。
また、鋼構造物による橋梁等においては、凹部としては、例えば軌道の基礎部となる橋梁床板部に、鋼鈑や鋳物によって形成したコ字状鋼製溝を設けることによつて形成すればよい。
【0044】
さらに、請求項1〜3および15に記載の走行・脱線防止レールの調整板設置工程または据付構造においては、上記走行レール用の調整板と上記脱線防止レール用の調整板とをそれぞれ個別に用意して、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールのそれぞれの下面敷設位置に沿って、間隔をおいて各々の上記振動吸収板上に置いてもよい。また、上記走行レールと上記脱線防止レールとのレベル差は常に一定なので、上記走行レール用の調整板と上記脱線防止レール用の調整板とを一体に形成した調整板を用意して、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した一体型の調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの下面敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置くようにしてもよい。
【0045】
また、請求項3および請求項6に記載の上記調整板上に置かれた上記走行レールの上記接続端部と、上記凹部に設置され当該走行レールに接続される接続走行レールとを接続する走行レールの接続工程においては、接続走行レールが、既にその接続端部を除いてポリウレタンで固定されているのが好ましい。接続走行レールがポリウレタンで固定されていない場合は、上記振動吸収板の敷設工程と、調整板設置工程と、レール設置工程が完了して、少なくとも接続のための位置決めがなされていなければならない。
【0046】
また、請求項7に記載の本発明においては、走行レールと接続走行レールとの接続端部同士を、凹部内で溶接により接続するようにしたので、従来のレールの継ぎ目を無くし、振動の少ない良好な乗り心地を得ることができると共に、従来のレール継ぎ目部における衝撃の発生が無くなり、レールおよび軌道構造が延命される。
しかも、上記溶接接続された上記接続端部のある凹部に上記ポリウレタンを注入する前に、当該接続端部のある凹部底面の上記振動吸収板の未敷設箇所に、接着剤を塗布して上記振動吸収板を接着固定するので、他のポリウレタン固定箇所と類似構造となり、レール溶接部における構造上の特異性が除去でき、走行レールどこを取っても列車通過時に当該振動吸収板が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がさらによくなると共によく振動を吸収してレールの耐久性を向上する。
【0047】
さらに、請求項8および請求項16に記載の本発明においては、まず上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間に上記ポリウレタンを注入して、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタンの表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じにする。これにより、注入された上記ポリウレタンは、上記走行レールおよび上記脱線防止レールのそれぞれの底部下面と振動吸収板との間に上記調整板によって形成された空間を介して、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間にまで少々回り込む。この場合、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルは、ポリウレタンの粘性と硬化進行によって、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタンの表面レベルと同じレベルにまで上昇せず、かなり低い位置で停止状態になる。
かかる状態で、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間にポリウレタンを継ぎ足すので、それぞれのポリウレタンの表面レベルを、所定の位置にきちんと位置づけることができる。
【0048】
しかも、上記調整板によって上記走行レールと上記脱線防止レールのそれぞれの底部下面と振動吸収板との間に形成される空間を通過するポリウレタンのポリウレタンの流れが一方向側からとなるので、ポリウレタン内に空気が混入する虞もない。
加えて、得られたレールの据付構造は、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間の上記ポリウレタン層の表面レベルは、車輪のフランジウエイとして必要な深さを確実に確保できると共に、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタン層の表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じになるようにしたので、例えばコンクリートスラブ形成された凹部側壁の保護にもなる。
【0049】
また、請求項9に記載の本発明においては、まずレール軌道の外側に位置する上記凹部側壁と上記走行レールとの間に上記ポリウレタンを注入して、当該凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じにする。これにより、注入された上記ポリウレタンは、上記走行レールの底部下面と振動吸収板との間に上記調整板によって形成された空間を介して、上記走行レールの反対側にまで少々回り込む。この場合、反対側に位置するレール軌道の内側の上記凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルは、ポリウレタンの粘性と硬化進行によって、レール軌道の外側に位置する上記凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルと同じレベルにまで上昇せずに、かなり低い位置で停止状態になる。
かかる状態で、レール軌道の内側にある上記凹部側壁と上記走行レールとの間にポリウレタンを継ぎ足すので、それぞれのポリウレタンの表面レベルを、所定の位置にきちんと位置づけることができる。
【0050】
しかも、上記調整板によって上記走行レールの底部下面と振動吸収板との間に形成される空間を通過するポリウレタンの流れが一方向側からとなるので、ポリウレタン内に空気が混入する虞もない。
加えて、得られたレールの据付構造は、レール軌道の内側の上記凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルは、車輪のフランジウエイとして必要な深さを確実に確保できる。
【0051】
さらに、請求項10および請求項18に記載の本発明においては、上記ポリウレタンとしては、ポリイソシアネート プレポリマーと、これにアミンとを混合処理して最終製品を得るようにしたウレタンエラストマーであり、コルク粒を1〜10重量%含めたので、車両の走行中に発生する振動や騒音をより効果的に抑制することができて好適である。
【0052】
また、請求項11に記載の本発明においては、上記ポリウレタンを凹部に注入する前に散布するプライマーとして、溶剤に溶解させたポリイソシアネートを採用することにより、ポリウレタンの当該凹部内壁面、振動吸収板、調整板およびレールへの接着強度をよりよく増すことができる。
【0053】
さらに、請求項12および請求項19に記載の本発明においては、上記振動吸収板として、合成ゴムまたは天然ゴムを採用したので、ポリウレタンとのなじみもよく、車両の走行中に発生する振動や騒音をより効果的に抑制することができて好適である。
また、上記接着剤として硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤(epoxy resin adhesives)を採用したので、上記凹部底面に確実に接着させることが出来る。
【0054】
また、請求項13に記載の本発明においては、上記調整板は、複数の同じ厚さのまたは異なる厚さの調整板を積み重ねて、所定の高さに調整するようにするので、調整板の組み合わせで調整が可能であり、その都度調整板の厚さ加工をする必要がなく、レールの位置決めを従来に比して正確かつ容易に調整することができる。
【0055】
さらに、請求項14および請求項20に記載の本発明においては、上記振動吸収板にコルク粒を1〜20重量%含有させ、上記調整板をコルク板としたので、互いにほぼ同程度の弾性特性を有してなじみが良く、かつポリウレタンとのなじみも良く、また、調整板自体も、振動吸収性と吸音性とを併せ持ち、かつ加工性が容易で高さ調整が容易となる。
【0056】
【発明の実施の形態】
まず、第一実施形態として、本発明の請求項1および請求項15に関連する脱線防止レールが敷設されている側のレールの据付方法および据付構造について説明する。
図1および図2は、脱線防止レールが敷設されている側の一部分を示すもので、図中符号10が軌道の基礎部となるコンクリートスラブ、符号11が走行レール、符号12が脱線防止レールである。このコンクリートスラブ10は、走行レール11の軌道幅よりも幅広で、かつ少なくとも脱線防止レール12を敷設する区間において連続する板状に形成されており、その上面には一方の走行レール11および脱線防止レール12が収納される凹部13と、右方において他方の走行レールが収納される凹部33(図9参照)とが形成されている。
【0057】
この凹部13の底面には、合成ゴム板または天然ゴム板からなる振動吸収板14が、走行レール11および脱線防止レール12の敷設方向に連続して接着剤層22を介して接着固定されている。この振動吸収板14は、合成ゴム板または天然ゴム板のみでもよいが、軌道を走る列車荷重や乗り心地を考慮して、コルク粉等の充填剤の組成や厚さを変えて所定の弾性係数になったものが選定されるのが好ましい。コルク粒は、1〜20重量%の範囲で含有されるのが好ましい。
さらに、この振動吸収板14上には、敷設方向に間隔をおいてコルク板からなる高さ調整板15、16が載置されている。ここで、脱線防止レール12の下部に配設された調整板16は、脱線防止レール12の上面12aが、走行レール11の上面11aよりも所定寸法高くなるように、調整板15よりも厚肉に形成されている。そして、これら複数の調整板15、16上に、それぞれ上記走行レール11および脱線防止レール12が敷設されている。
【0058】
ここで、走行レール11および脱線防止レール12は、所定間隔をおいてウエブ11b、12b間にスペーサ17が介装されており、さらにウエブ11b、12bおよびスペーサ17を貫通するボルト18と、当該ボルト18に螺合されたナット19とによって、互いの間隔が保持された状態で一体化されている。また、走行レール11および脱線防止レール12の外側方には、それぞれ塩化ビニル製のパイプ20が付設されている。
【0059】
そして、上記凹部13内に、コルク粉末が1〜10重量%混入されるとともに、硬化剤が加えられたポリウレタン21が注入して硬化されることにより、走行レール11および脱線防止レール12が固定されている。この場合、上記ポリウレタン(ウレタン樹脂)として、例えば、ポリイソシアネート プレポリマーと、アミンとの混合物にコルク粒を1〜10重量%含めたものが好ましく使用でき、この混合物は所定の場所に注入して一定時間経過すると硬化するもので、車両の走行中に発生する振動や騒音をより効果的に抑制する。
【0060】
次に、図3〜図8に基づいて、以上の構成からなるレールの据付構造を得るための第一実施形態に係るレールの据付方法について説明する。
先ず、図3に示すように、上記コンクリートスラブ10の凹部13の底部に、接着剤22を塗布した後に、振動吸収板14を接着固定する。この接着剤22としては、硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤(epoxy resin adhesives)が好ましく使用できる。例えば、エポキシ基を2個以上含む液状のプレポリマーに硬化剤としてポリアミンなどを加えると常温で硬化し強い接着力を発揮するものであれば、硬化後もほとんど収縮せず、接着層の膜厚が大きくても亀裂が入らず接着力の低下しない特性を有し、凹部13底面と振動吸収板14とを確実に接着させることが出来るために好適である。
【0061】
なお、振動吸収板14の幅は、凹部13の底部の幅より小さく形成されている。これは、凹部13の底部に振動吸収板14を接着固定した状態で、振動吸収板14の両側に凹部13の底部が露出するようにするためであり、これによりポリウレタン21を注入して固化させる際に、ポリウレタン21が凹部13の底部の一部に接して、振動吸収板14を包み込み強固に固定すると共に、ポリウレタン21自身も凹部13の底部に接して全体的に強度を上げる。
【0062】
次いで、この振動吸収板14の上面から走行レール11および脱線防止レール12の上面11a、12aとなるべきレベルまでの高さ寸法を、レール11、12の敷設方向に適宜間隔をおいて測定して、図4に示すように、それぞれの測定箇所の高さ寸法に対応した厚さ寸法を有する上記調整板15、16を、振動吸収板14上に載置する。
すなわち、走行レール11および脱線防止レール12の各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板15、16を、走行レール11と脱線防止レール12のそれぞれの下面敷設位置に沿って、間隔をおいて各々の上記振動吸収板14上に置く。
【0063】
この調整板15、16の高さ寸法の調整は、複数の同じ厚さまたは異なる厚さの調整板、例えば厚さが1mm、2mm、3mmおよび5mmの調整板を複数用意しておき、これら調整板を組み合わせて、所定の高さに積み重ねる。これにより、その都度調整板の厚さ加工をする必要がなく、レールの位置決めを従来に比して正確かつ容易に調整することができる。また、調整板としては、振動吸収性と吸音性とを併せ持ち、かつポリウレタンと同程度の弾性特性を有してなじみが良く、加工性が容易なコルク板が好適である。
【0064】
また、走行レール11と脱線防止レール12とのレベル差は常に一定なので、走行レール11用の調整板15と脱線防止レール12用の調整板16とを一体に形成した調整板を用意して、走行レール11および脱線防止レール12の各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した一体型の調整板を、走行レール11および脱線防止レール12の下面敷設位置に沿って、間隔をおいて振動吸収板14上に置くようにしてもよい。
【0065】
また、これと並行して、走行レール11と脱線防止レール12とを上記スペーサ17およびボルト18、ナット19によって、互いの間隔が保持された状態に一体化する。レールの長さは一般に規格寸法が25mであるが、これらを予め溶接接続して所要の長さにした後、互いの間隔が保持された状態に一体化するとよい。一体化した走行レール11および脱線防止レール12の外側方に、塩化ビニル製のパイプ20を、スペーサ兼水平位置調節用リング23および適宜間隔をおいて巻回された針金やプラスチックバンド(図6参照)24によって付設しておく。
そして、図5に示すように、調整板15、16上に、これらパイプ20も一体化された走行レール11および脱線防止レール12を置く。
【0066】
次いで、図6に示すように、パイプ20に装着した水平位置調節用リング23と凹部13の側壁との間にコルク製のくさび部材25を打ちこんで、走行レール11および脱線防止レール12の水平方向の位置を調節する。そして、このようにして走行レール11および脱線防止レール12等の位置決めが完了した後に、針金やプラスチックバンド24を取り去る。
【0067】
次に、図7に示すように、凹部13内の全体に後工程で注入されるポリウレタン21との接着強度を増すためのプライマー26を散布する。このプライマー26としては、例えば塩化メチレン、二塩化メチレン等に、4,4´−ジフェニルメタン ジイソシアネートを20重量%程度溶解させたものが好ましく使用できる。
【0068】
次に、走行レール11と凹部13の側壁との間および脱線防止レール12と凹部13の側壁との間に、上記ポリウレタン21を注入する。走行レール11と凹部13の側壁との間および脱線防止レール12と凹部13の側壁との間のポリウレタン21の表面レベルが、コンクリートスラブ10の上面レベルと同じになるようにポリウレタン21を注入する。これにより、注入されたポリウレタン21は、走行レール11および脱線防止レール12のそれぞれの底部下面と振動吸収板14との間に調整板15、16によって形成された隙間を介して、走行レール11と脱線防止レール12との間にまで少々回り込む。この場合、走行レール11と脱線防止レール12との間のポリウレタン21の表面レベルは、ポリウレタン21の粘性と硬化進行によって、走行レール11と凹部13の側壁との間および脱線防止レール12と凹部13の側壁との間のポリウレタン21の表面レベルと同じレベルにまで上昇せずに、かなり低い位置で停止状態になる。
【0069】
かかる状態で、走行レール11と脱線防止レール12との間に、ポリウレタン21を継ぎ足し、その走行レール11と脱線防止レール12との間のポリウレタン21の表面レベルを、走行レール11の頭部の下端部に位置するようにする。
これにより、ポリウレタン21の各表面レベルを所定の位置にきちんと位置づけて、凹部13内にポリウレタン21を充填できるとともに、当該ポリウレタン21はセルフレベリング性を有するために、上面に滑らかな水平面が自然に形成される。
そして、一定時間経過して、上記ポリウレタン21が硬化することにより、図1および図2に示した、走行レール11および脱線防止レール12の据付構造が完了する。
【0070】
このような上記構成からなるレールの据付構造および据付方法によれば、スペーサ17によって互いの間隔が保持された走行レール11と脱線防止レール12とが、軌道の基礎部となるコンクリートスラブ10の上面に形成された凹部13内において、全長にわたってウエブ11b、12bおよび下部フランジ全面がポリウレタン21により拘束されているために、長期間の使用によっても脱線防止レール12に傾きが生じることがない。また、両レール11、12の全面がポリウレタン21により拘束されているために、従来の枕木や犬釘を用いたレールの据付構造のように、レールが間欠的な点で支持されている場合と比較して、振動の発生やレール11、12における偏摩耗の発生を大幅に低減化させることができる。
【0071】
さらに、走行レール11および脱線防止レール12を、コンクリートスラブ10の上面に形成された凹部13内において支持している結果、従来のように枕木や犬釘を使用する必要が無いために、これらレール11、12の保守点検作業を大幅に軽減することができるとともに、これらのレール11、12として種々の形状のものを使用することが可能になる。
【0072】
また、ポリウレタン21としてコルク粉末が混入されたポリウレタンを使用するとともに、凹部13の底部に振動吸収板となる振動吸収板14を敷設し、この振動吸収板14上に、さらにコルク製の調整板15、16を介して走行レール11と脱線防止レール12とを載置しているので、車両の走行中に発生する振動や騒音を効果的に抑制することができる。
【0073】
また、上記レールの据付方法によれば、凹部13の底面と走行レール11および脱線防止レール12の上面レベルとの高さを測定し、その測定値に対応した厚さ寸法を有する複数の調整板15、16を、それぞれ走行レール11と脱線防止レール12との下面位置に沿って載置しているので、凹部13底面の高さに不均一があっても、調整板15、16によってこれを吸収することにより、高い走行面の精度を確保することができる。
【0074】
加えて、複数の調整板15、16を、レール11、12の敷設方向に所定間隔(例えば1〜2m)をおいて載置している結果、調整板間に位置するレール11、12と振動吸収板14との間に空間が形成され、後でポリウレタン21を凹部13に注入することにより該空間にポリウレタン21の充填層が形成され、調整板15、16が振動吸収板14に固定されると共に走行レール11自体および脱線防止レール12自体も強固に固定される。したがって、調整板15、16は単に振動吸収板14上に置くだけでよく、施工が簡単であり、ボルト、ナット、犬釘、タイプレート等の締結金具や枕木を調整しながら実施していた従来の高さ調整と比べ、位置決めを1mm単位で正確かつ容易に実施できる。
【0075】
さらに、調整板間に位置するレール11、12と振動吸収板14との間の空間がポリウレタンの流路になるために、上述した走行レール11と凹部13の側壁との間および脱線防止レール12と凹部13の側壁との間に、まず上記ポリウレタン21を注入して、走行レール11と凹部13の側壁との間および脱線防止レール12と凹部13の側壁との間のポリウレタン21の表面レベルが、コンクリートスラブ10の上面レベルと同じになるようにした後に、走行レール11と脱線防止レール12との間に、ポリウレタン21を継ぎ足し、その走行レール11と脱線防止レール12との間のポリウレタン21の表面レベルが、走行レール11の頭部の下端部に位置するようにしたので、ポリウレタン21の各表面レベルを所定の位置にきちんと位置づけて、凹部13内にポリウレタン21を充填できる。加えて、調整板15、16によって走行レール11と脱線防止レール12のそれぞれ底部下面と振動吸収板14との間に形成される空間を通過するポリウレタンの流れが一方向側からとなるので、ポリウレタン内に空気が混入して大きな空隙が生ずる虞もない。
【0076】
また、上記ポリウレタン21は、セルフレベリング性を有しているために、別途コテ等を使用して上面を均すことなく、水平面を得ることができる。この結果、総じて作業が容易である。加えて、得られたレールの据付構造は、走行レール11と脱線防止レール12との間のポリウレタン層21の表面レベルが、車輪のフランジウエイとしての必要な深さを確保することができるとともに、走行レール11と凹部13側壁との間および脱線防止レール12と凹部13側壁との間のポリウレタン層21の表面レベルが、コンクリートスラブ10上面レベルと略同じになるようにしたので、凹部13の側壁の保護にもなる。
【0077】
さらに、振動吸収板14の敷設に際しては、凹部13の底面に接着剤22を塗布した後、振動吸収板14を置いて凹部13の底面に接着固定するようにしたので、凹部13の底面と振動吸収板14との接合がなされ、ポリウレタン21による凹部13側面からのレール拘束に加えて、凹部13底面からのレール拘束がなされ、走行レール11の温度収縮によって発生するレール軸力に対する拘束力が増して、レールの熱収縮によるレール分岐部等への応力集中が確実に回避され、これらの破損が防止されるという作用も奏する。
【0078】
さらに、走行レール11および脱線防止レール12と凹部13の側壁との間に、それぞれパイプ20を配設しているので、凹部13内に注入すべきポリウレタン21の容量を低減化させることができて経済性に優れるとともに、当該パイプ20内を、車両運行等に必要な電線や光ファイバ等の収納管として利用することもできる。
【0079】
次に、第二実施形態として、本発明の請求項4および請求項17に関連する上記コンクリートスラブ10の他方の走行レール11のみが収納される他方の凹部33(図9参照)におけるレールの据付方法および据付構造について説明する。
この凹部33の底面にも、合成ゴム板または天然ゴム板からなる振動吸収板14が走行レール11の敷設方向に連続して接着剤層22を介して接着固定されている。この振動吸収板14も、合成ゴム板または天然ゴム板のみでもよいが、軌道を走る列車荷重や乗り心地を考慮して、コルク粉等の充填剤の組成や厚さを変えて所定の弾性係数になったものが選定される。コルク粒は、1〜20重量%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0080】
さらに、この振動吸収板14上には、間隔をおいてコルク板からなる高さ調整板15が載置されている。そして、これら複数の調整板15上に、走行レール11が敷設されている。
ここで、走行レール11の外側方には、それぞれ塩化ビニル製のパイプ20が付設されている。そして、上記凹部33内に、前述の実施形態と同じポリウレタン21を注入して硬化することにより、走行レール11が固定されている。
【0081】
次に、図10〜図15に基づいて、以上の構成からなる走行レールの据付構造を得るための第二実施形態に係るレールの据付方法について説明する。
先ず、図10に示すように、上記コンクリートスラブ10の凹部33の底部に、接着剤22を塗布した後に、振動吸収板14を接着固定する。この接着剤22としては、前述の実施形態と同様に硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤が好ましく使用でき、凹部33底面と振動吸収板14とを確実に接着させることが出来る。なお、振動吸収板14の幅は、凹部33の底部の幅より小さく形成されている。これは前述と同様、凹部33の底部に振動吸収板14を接着固定した状態で、振動吸収板14の両側に凹部33の底部が露出するようにするためであり、これによりポリウレタン21を注入して固化させる際に、ポリウレタン21が凹部33の底部の一部に接して、振動吸収板14を包み込み強固に固定すると共に、ポリウレタン21自身も凹部33の底部に接して全体的に強度を上げる。
【0082】
次いで、この振動吸収板14の上面と走行レール11の上面11aとが所定のレベルになるまでの高さ寸法を、レール11の敷設方向に適宜間隔をおいて測定して、図11に示すように、それぞれの測定箇所の高さ寸法に対応した厚さ寸法を有する上記調整板15を、振動吸収板14上に載置する。この調整板15の高さ寸法の調整は、複数の同じ厚さまたは異なる厚さの調整板、例えば厚さが1mm、2mm、3mmおよび5mmの調整板を複数用意しておき、これら調整板を組み合わせて、所定の高さに積み重ねる。これにより、その都度調整板の厚さ加工をする必要がなく、レールの位置決めを従来に比して正確かつ容易に調整することができる。また、調整板としては、振動吸収性と吸音性とを併せ持ち、かつポリウレタンと同程度の弾性特性を有してなじみが良く、加工性が容易なコルク板が好適である。
【0083】
また、これと並行して、走行レール11を所要の長さにする。すなわち、レールの長さは一般に規格寸法が25mであるが、これらを予め溶接接続して所要の長さにした後、走行レール11両側に、塩化ビニル製のパイプ20を、スペーサ兼水平位置調節用リング23および適宜間隔をおいて巻回された針金やプラスチックバンド(図13参照)24によって付設しておく。そして、図12に示すように、調整板15上に、これらパイプ20が一体化された走行レール11を置く。
【0084】
次いで、図13に示すように、パイプ20に装着した水平位置調節用リング23と凹部33の側壁との間にコルク製のくさび部材25を打ちこんで、走行レール11の水平方向の位置を調節する。そして、このようにして走行レール11の位置決めが完了した後に、針金やプラスチックバンド24を取り去る。
次に、図14に示すように、凹部33内の全体に後工程で注入されるポリウレタン21との接着強度を増すための第一実施形態と同様のプライマー26を散布する。
【0085】
次に、図15に示すように凹部33のレール軌道の外側に位置する側壁33a(図において右側の側壁)と走行レール11との間に、上記ポリウレタン21を注入する。その凹部33の側壁33aと走行レール11の間のポリウレタン21の表面レベルが、コンクリートスラブ10の上面レベルと同じになるように、ポリウレタン21を注入する。これにより、注入されたポリウレタン21は、走行レール11の底部下面と振動吸収板14との間に調整板15によって形成された隙間を介して、走行レール11の反対側にまで少々回り込む。この場合、走行レール11の反対側に位置する、凹部33のレール軌道の内側の側壁33bと走行レール11との間のポリウレタン21の表面レベルは、ポリウレタン21の粘性と硬化進行によって、レール軌道の外側に位置する凹部33の側壁33a側のポリウレタン21の表面レベルと同じレベルにまで上昇せずに、かなり低い位置で停止状態になる。
【0086】
かかる状態で、レール軌道の内側に位置する凹部33の側壁33bと走行レール11との間に、ポリウレタン21を継ぎ足し、そのポリウレタン21の表面レベルを、走行レール11の頭部の下端部に位置するようにする。
これにより、ポリウレタン21の各表面レベルを所定の位置にきちんと位置づけて、凹部33内にポリウレタン21を充填できるとともに、当該ポリウレタン21はセルフレベリング性を有するために、上面に滑らかな水平面が自然に形成される。
【0087】
このような上記第二実施形態の構成からなるレールの据付構造および据付方法によれば、走行レール11が、軌道の基礎部となるコンクリートスラブ10の上面に形成された凹部33内において、全長にわたってウエブ11bおよび下部フランジ全面がポリウレタン21により拘束されているために、長期間の使用によっても走行レール11の保持に影響がない。また、従来の枕木や犬釘を用いたレールの据付構造においては、レールが間欠的な点で支持されていために、比較的大きな振動が発生すると共に、偏摩耗が生じ易いのに対して、この実施形態においては、走行レール11が凹部33内に充填されたポリウレタン21によって連続的に面で支持されるために、当該振動の発生を抑えることができ、かつレールの偏摩耗も生じる虞がない。
【0088】
さらに、走行レール11を、コンクリートスラブ10上面に形成された凹部33内において支持している結果、従来のように犬釘やスクリュースパイキ等の締結金具を使用する必要が無いために、これらレールの保守点検作業を大幅に軽減することが可能になるとともに、これらのレールとして種々の形状のものを使用することができる。
また、凹部33の底面に振動吸収板14を敷設するので、列車通過時に当該振動吸収板14が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がよくなると共に振動を吸収する。さらに、ポリウレタン21で走行レール11の下部フランジおよびウエブの全面が拘束されているために、この点からも相乗的に振動を吸収し、騒音も極めて少なく、走行レールの使用寿命の長期化も図ることができ、かつ乗り心地が良く安全性に優れている。
【0089】
また、走行レール11のレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板15を、走行レール11の下面敷設位置に沿って、振動吸収板14上に置くので、凹部33底面の高さに不均一があっても、調整板15により高い走行面の精度を確保することが可能になり、高さ調整の自由度が増大する。しかも、調整板15を、走行レールの下面敷設位置に沿って、所定間隔(例えば1〜2m)をおいて置くので、これら調整板15によって走行レール11の底部下面と振動吸収板14との間に空間が形成され、後でポリウレタン21を凹部に注入することにより該空間にポリウレタン21の充填層が形成され、調整板15が振動吸収板14に固定されると共に走行レール11自体も強固に固定される。したがって、調整板15は単に振動吸収板14上に置くだけでよく、施工が簡単であり、ボルト、ナット、犬釘、タイプレート等の締結金具や枕木を調整しながら実施していた従来の高さ調整と比べ、位置決めを1mm単位で正確かつ容易に実施できる。。
しかも、凹部へポリウレタンを注入するに際して、セルフレベリング性を有するポリウレタンを使用しているために、別途上面を均すことなく水平面を得ることができ、よって総じて作業が容易である。
【0090】
また、この第二実施形態においては、まずレール軌道の外側に位置する凹部33側壁33aと走行レール11との間にポリウレタン21を注入して、この凹部33の側壁33aと走行レール11との間のポリウレタン21の表面レベルが、コンクリートスラブ10上面レベルと同じにした後に、レール軌道の内側にある凹部33の側壁33bと走行レール11との間にポリウレタン21を継ぎ足すので、それぞれのポリウレタン21の表面レベルを、所定の位置にきちんと位置づけることができる。
【0091】
しかも、調整板15によって走行レール11の底部下面と振動吸収板14との間に形成される空間を通過するポリウレタン21の流れが一方向側からとなるので、ポリウレタン21内に空気が混入する虞もない。
加えて、得られたレールの据付構造は、レール軌道の内側の凹部33の側壁33bと走行レール11との間のポリウレタン21の表面レベルは、車輪のフランジウエイに必要な深さを確実に確保できる。
【0092】
さらに、振動吸収板14の敷設に際しては、凹部33の底面に接着剤22を塗布した後、振動吸収板14を置いて凹部33の底面に接着固定するようにしたので、凹部33の底面と振動吸収板14との接合がなされ、ポリウレタン21による凹部33側面からのレール拘束に加えて、凹部33底面からのレール拘束がなされ、走行レール11の温度収縮によって発生するレール軸力に対する拘束力が増して、走行レール11の熱収縮によるレール分岐部等への応力集中が確実に回避され、これらの破損が防止されるという作用も奏する。
【0093】
また、ポリウレタン21としてコルク粉末が混入されたポリウレタンを使用するとともに、凹部13の底部に振動吸収板となる振動吸収板14を敷設し、この振動吸収板14上に、さらにコルク製の調整板15を介して走行レール11を載置しているので、車両の走行中に発生する振動や騒音を効果的に抑制することができる。
さらに、走行レール11と凹部33の側壁との間に、それぞれパイプ20を配設しているので、凹部33内に注入すべきポリウレタン21の容量を低減化させることができて経済性に優れるとともに、当該パイプ20内を、車両運行等に必要な電線や光ファイバ等の収納管として利用することもできる。
【0094】
なお、軌道の基礎部として、第一実施形態の走行レール11と脱線防止レール12を支持するためのレール支持構造と第二実施形態の走行レール11を支持するためのレール支持構造とを形成する2条の凹部が形成された一体型のコンクリートスラブ10を用いると、両走行レール11の間隔や高さ精度を容易に調節することができる。
【0095】
以上の実施形態においては、本発明を、一方の走行レール11に沿って脱線防止レール12が必要とされる曲線区間に適用した場合について説明したが、以下に踏切や橋梁等に適用した第三実施形態を示す。なお、第一および第二実施形態と同一構成部分に付いては、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図16に示すように、この実施形態においては、コンクリートスラブ40に2条の凹部が形成され、それぞれの凹部に、前述の第一実施形態の走行レール11と脱線防止レール12を支持するためのレール支持構造が共に形成されている。ここで、走行レール11および脱線防止レール12等の配置は、軌道中心線を中心として左右対称となっており、軌道の内側に脱線防止レール12がそれぞれ設けられている。それぞれの走行レール11は、脱線防止レール12が沿っていない凹部区画を抜けた部分においては、従来の枕木2に犬釘やスクリュースパイキによって固定されている。本実施形態においても、前述の第一実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0096】
次に、図17および図18に基づいて、軌道の基礎部上面に設けた凹部内で走行レールを溶接してロングレール化を行うことができる、本発明に係るレールの据付方法の第四実施形態〜第七実施形態について説明する。
なお、以下の各実施形態は、もっぱら走行レール11と、これに接続される接続走行レールとの接続に係るものであり、走行レール11および脱線防止レール12自体の据付方法に関しては、第一および第二実施形態に示したものと同様であるために、以下同一符号を付してその説明を省略する。
【0097】
先ず、上記各実施形態によって得られたレールの据付け構造について説明すると、コンクリートスラブ(基礎部)50には、2条の凹部13、33が形成され、内軌側(図17において下側)の凹部13に、走行レール11と脱線防止レール12が敷設され、外軌側(図17において上側)の凹部33に、走行レール11が敷設されている。ここで、凹部13内においては、走行レール11の接続端部11eが脱線防止レール12の端部よりも敷設方向に突き出る状態で収納されている。
【0098】
そして、凹部13、33には、それぞれ走行レール11の接続端部11eの近傍位置に、溶接用凹部13e、33eが形成されている。これら溶接用凹部13e、33eは、レール溶接スペースを確保するために幅広に、かつより深く形成されたものである。ちなみに、これら溶接用凹部13e、33eの大きさとしては、走行レール11同士を溶接できるスペースがあればよく、例えば、深さ20〜30cm、幅35〜45cm程度で充分である。そして、各溶接用凹部13e、33e内において、敷設方向に隣接する走行レール11の接続端部11e同士が溶接されることにより、ロングレール化が図られている。
なお、図18のコンクリートスラブ50の中央には、窪みが形成され、その窪みにの下層に、砂、アスファルト等の路床材が設けられ、上層に舗装用敷石が設けられている。
【0099】
次に、内軌側の凹部13に形成されるレールの据付構造を得るための、本発明の請求項2に関連するレールの据付方法の第四実施形態について説明する。
先ず、コンクリートスラブ50に、上記凹部13および溶接用凹部13eを形成し、第一実施形態に示したものと同様に、一体化された走行レール11および脱線防止レール12を据付ける。この際に、走行レール11の両接続端部11eが脱線防止レール12の両接続端部より突出する状態で凹部13内に敷設し、上記接続端部11eを溶接用凹部13e内に位置させる。また、振動吸収板14は、上記凹部13における走行レール11と脱線防止レール12とが並列している部分の底面に接着固定するが、レール溶接スペースの溶接用凹部13eの近くまで敷設して差し支えない。なお、走行レール11の接続端部11eの両側部には、レール溶接接続の邪魔になるので、この時点では塩化ビニル製のパイプ20およびスペーサ兼水平位置調節用リング23を付設しておかない。
【0100】
次に、凹部13内において、コルク製のくさび部材25を打ち込むことにより走行レール11および脱線防止レール12を位置決めした後に、走行レール11と脱線防止レール12とが並列する凹部13部分、すなわち凹部13における走行レール11の脱線防止レール12が沿っていない接続端部11eに対応する部分(溶接用凹部13e近傍)を除く凹部13部分に、第一実施形態や第二実施形態と同様に、セルフレベリング性を有するポリウレタン21を注入して硬化させる。
【0101】
この際、このポリウレタン21の注入は、走行レール11末端から1〜2mの範囲は、溶接熱の影響を避けるために注入しない。これに対して、前述の振動吸収板14は、溶接される走行レール11と接触しておらず溶接熱が伝わらないので、溶接の火花が当たらなければ、レール溶接スペースの溶接用凹部13e近くまで敷設して差し支えない。すなわち、上述の接続端部11eに対応する部分(溶接用凹部13e近傍)の外延は、各素材に溶接の熱が伝わって当該素材に悪影響を及ぼす範囲によりそれぞれ決定される。
【0102】
また、走行レール11および脱線防止レール12の外側方にそれぞれ付設した塩化ビニル製のパイプ20、20の末端は、接続延長する場合には、ポリウレタン21に埋め込まれないように、パイプ20、20を貫通させた仕切壁をポリウレタン注入箇所の端部に設けてポリウレタン21を注入するのがよい。この仕切壁はポリウレタン21が硬化したあと除く。
また、接続延長しない場合には、パイプ20、20の端部を粘着テープ等により閉塞してから、ポリウレタン21を注入して埋め込むようにする。
【0103】
次に、ポリウレタン21で固定された走行レール11の接続端部11eと、当該走行レール11に接続される接続端部を除きポリウレタン21で固定された接続走行レールとを溶接接続する。すなわち、走行レール11に接続されるべき接続走行レールが、既にポリウレタン21で接続端部を除き凹部13内に固定されていれば、直ちに接続端部11e同士を溶接接続する。一方、走行レール11に接続されるべき接続走行レールが、未だポリウレタン21で固定されていなければ、その接続走行レールを第二実施形態と同様の手順によってポリウレタン21で接続端部を除き固定した後に、当該接続端部11e同士を溶接接続する。
【0104】
このようにして接続端部11e同士の溶接接続が完了した後に、先ず溶接用凹部13e近傍の未敷設箇所に振動吸収板14を接着固定して敷設する。なお、この振動吸収板14の敷設は、距離が短いので省略することもできる。また、接続端部11eのある溶接用凹部13e近傍において、走行レール11および脱線防止レール12の外側方にそれぞれ付設されポリウレタン21で固定されている塩化ビニル製のパイプ20、20の各末端と、接続走行レールの両外側にそれぞれ付設されポリウレタン21で固定されている塩化ビニル製のパイプ20、20の各末端とを、新たな塩化ビニル製のパイプ20、20を継ぎ足して連結する。さらに必要により、溶接接続された当該接続端部のある溶接用凹部13e近傍において、スペーサ兼水平位置調節用リング23を付設する。
【0105】
なお、走行レール11や脱線防止レール12の外側方にそれぞれ付設した塩化ビニル製のパイプ20の末端を、接続延長しない場合は、塩化ビニル製のパイプ20、20の継ぎ足し接続やスペーサ兼水平位置調節用リング23の付設を省略する。
そして次に、溶接用凹部13e近傍に、プライマーを散布した後、セルフレベリング性を有するポリウレタン21を注入して硬化させる。これにより、コンクリートスラブ50に設けた凹部13内で走行レール11を溶接し、ロングレール化行った走行レール11および脱線防止レール12の据付構造が完了する。
【0106】
かかる第四実施形態においても、前述の第一および第二実施形態と同様の作用効果が得れるとともに、さらに走行レール11の接続端部11eを残してポリウレタン21で固定し、この接続端部11eと、同様にポリウレタン21で固定された隣接する接続走行レールの接続端部とを凹部13内で溶接接続するようにしたので、レール位置が固定されている結果、溶接が容易であり、かつ溶接後のレール位置調整も不要であるという効果も得られる。しかも、走行レール11を凹部13内で溶接接続するようにしたので、従来のレールの継ぎ目を無くし、振動の少ない良好な乗り心地を得ることができると共に、従来のレール継ぎ目部における衝撃の発生が無くなり、レールおよび軌道構造が延命される。
【0107】
また、溶接接続された接続端部11eのある凹部13にポリウレタン21を注入する前に、接続端部11eのある凹部13底面の振動吸収板14の未敷設箇所に、接着剤を塗布して振動吸収板14を接着固定する場合は、他のポリウレタン21固定箇所と類似構造となり、レール溶接部における構造上の特異性が除去でき、走行レール11の全長にわたって列車通過時に振動吸収板14が収縮して走行レールが適切に沈むので、列車の乗り心地がさらによくなると共によく振動を吸収してレールの耐久性を向上する。
【0108】
次に、上記内軌側の凹部13に形成されるレールの据付構造を得るための他のレールの据付方法である第五実施形態(本発明の請求項3に関連する)について説明する。
本実施形態においても、上記第四実施形態と同様に、コンクリートスラブ50に凹部13および溶接凹部13eを形成し、底面の所定箇所に振動吸収板14を接着固定した後に、調整板15、16を載置し、これら調整板15、16上に、スペーサ17によって互いに間隔が保持された走行レール11および脱線防止レール12を置いて、コルク製のくさび部材25を打ち込み、位置決めをする。
【0109】
次に、本実施形態においては、走行レール11の接続端部11eと、凹部13に設置された接続走行レールとを溶接接続する。その際、接続走行レールが、既に第二実施形態の手順によって、当該走行レール11に接続される接続端部を除きポリウレタン21で固定されているのが好ましい。接続走行レールがポリウレタン21で固定されていない場合は、振動吸収板14の接着固定と、調整板15の設置と、調整板15への載置が完了して、少なくとも溶接のための位置決めがなされていなければならない。
【0110】
そして、接続端部11e同士の溶接接続が完了したら、溶接による熱歪み等により走行レール11や脱線防止レール12の位置が狂っている場合もあるので、パイプ20に装着した水平位置調節用リング23と凹部13の側壁との間にコルク製のくさび部材25を調整して、再度位置決めを行う。
次に、接続端部11eのある溶接用凹部13e近傍の底面の振動吸収板14の未敷設箇所に、同様に振動吸収板14を接着固定して敷設する。なお、この振動吸収板14の敷設は、距離が短いので省略することもできる。
【0111】
さらに、溶接接続された当該接続端部のある溶接用凹部13e近傍において、走行レール11および接続走行レールの外側方にそれぞれ付設された塩化ビニル製のパイプ20、20の各末端同士を、新たな塩化ビニル製のパイプ20、20を継ぎ足して連結する。さらに必要により、溶接接続された当該接続端部のある溶接用凹部13e近傍において、スペーサ兼水平位置調節用リング23を付設する。なお、上記塩化ビニル製のパイプ20の末端を接続延長しない場合は、第四実施形態と同様に、塩化ビニル製のパイプ20、20の継ぎ足し接続やスペーサ兼水平位置調節用リング23の付設を省略し、各パイプ20、20の端部を粘着テープ等により塞ぐ。
【0112】
このようにして走行レール11および脱線防止レール12が位置決めされた状態で、走行レール11と脱線防止レール12とが並列した部分と、溶接接続された接続端部11eとがある凹部13および溶接用凹部13eに、プライマーを散布した後、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる。
また、走行レール11に溶接接続された接続走行レールが、ポリウレタン21で固定されていない場合は、その接続走行レールの接続端部だけでなく、その全長に渡ってセルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させるようにするとよい。
【0113】
なお、走行レール11の図示されない他方の接続端部が未溶接の場合は、当該未溶接接続端部に対応する部分を除いた凹部13部分に対して、プライマー散布とポリウレタン注入とを行う。この場合、このポリウレタン21の注入は、走行レール11末端から1〜2mの範囲を、後工程でのレール接続溶接による溶接熱の影響を避けるために注入しないようにする。
これに対して、前述の振動吸収板14は、溶接される走行レール11と接触しておらず溶接熱が伝わらないので、溶接の火花が当たらなければ、レール溶接スペースの溶接用凹部13e近くまで敷設して差し支えない。
【0114】
また、上記未溶接接続端部の近傍における走行レール11および脱線防止レール12の外側方にそれぞれ付設した塩化ビニル製のパイプ20、20の末端は、接続延長する場合には、ポリウレタン21に埋め込まれないように、パイプ20、20を貫通させた仕切壁をポリウレタン注入箇所の端部に設けてポリウレタン21を注入するのがよい。この仕切壁はポリウレタン21が硬化したあと除く。また、接続延長しない場合には、パイプ20、20の端部を粘着テープ等により閉塞してから、ポリウレタン21を注入して埋め込むようにする。これにより、コンクリートスラブ50に設けた凹部13内で走行レール11を溶接し、ロングレール化行った走行レール11および脱線防止レール12の据付構造が完了する。
【0115】
以上の構成からなる第五実施形態も、第一および第二実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、このようなレールの据付方法によれば、調整板15、16上に走行レール11と脱線防止レール12とが置かれた状態で、走行レール11の接続端部11eを接続走行レールの接続端部と溶接した後に、溶接された接続端部11eを含めて走行レール11をポリウレタン21で固定するようにしたので、ポリウレタン21の注入を、接続端部11eと走行レール11本体や脱線防止レール12本体とに分ける必要がなく、一度に行うことができる。したがって、ポリウレタン21の注入に係わる施工手順が錯交することがない。しかも、レールを凹部13内で溶接接続するようにしたので、従来のレールの継ぎ目を無くし、振動の少ない良好な乗り心地を得ることができると共に、従来のレール継ぎ目部における衝撃の発生が無くなり、レールおよび軌道構造が延命される。
【0116】
次に、外軌側(図17において上側)の凹部33に形成される走行レールの据付構造を得るための、本発明のレールの据付方法の第六実施形態(本発明の請求項5に関連)について説明する。
先ず、コンクリートスラブ50に、走行レール11を収納可能な上記凹部33および溶接用凹部33eを形成し、第二実施形態と同様に、凹部33内にパイプ20が一体化された走行レール11を敷設し、各接続端部11eがそれぞれの溶接用凹部33eに位置するように配置する。この際に、振動吸収板14は、走行レール11の接続端部11eの近傍を除いた凹部33の底面に接着固定するが、レール溶接スペースの溶接用凹部33eの近くまで敷設して差し支えない。なお、走行レール11の接続端部11eの両側部には、レール溶接接続の邪魔になるので、この時点では塩化ビニル製のパイプ20およびスペーサ兼水平位置調節用リング23を付設しない。
【0117】
次いで、第二実施形態と同様に、パイプ20に装着した水平位置調節用リング23と凹部33の側壁との間にコルク製のくさび部材25を打ちこんで位置決めを行なった後に、走行レール11の接続端部11eを除く敷設位置部分に対応する凹部33部分に、すなわち凹部33における走行レール11の接続端部11eに対応する部分(溶接用凹部33e近傍)を除く敷設位置の凹部33部分に、セルフレベリング性を有するポリウレタン21を注入して硬化させる。
【0118】
この際、このポリウレタン21の注入は、走行レール11末端から1〜2mの範囲は、溶接熱の影響を避けるために注入しない。これに対して、前述の振動吸収板14は、溶接される走行レール11と接触しておらず溶接熱が伝わらないので、溶接の火花が当たらなければ、レール溶接スペースの溶接用凹部33e近くまで敷設して差し支えない。すなわち、上述の接続端部11eに対応する部分(溶接用凹部33e近傍)の外延は、各素材に溶接の熱が伝わって当該素材に悪影響を及ぼす範囲により、それぞれ決定される。
また、塩化ビニル製のパイプ20、20の末端処理は、第四実施形態に示した場合同様である。
【0119】
次に、ポリウレタン21で固定された走行レール11の接続端部11eと、接続端部を除きポリウレタン21で固定された接続走行レールとを溶接接続する。すなわち、走行レール11に接続されるべき接続走行レールが、既にポリウレタン21で接続端部を除き固定されていれば、直ちに接続端部11e同士を溶接接続する。一方、走行レール11に接続されるべき接続走行レールが、未だポリウレタン21で固定されていなければ、その接続走行レールをポリウレタン21で接続端部を除き固定した後に、当該接続端部同士を溶接接続する。
【0120】
そして、以降第四実施形態に示した場合と同様に、接続端部11eのある溶接用凹部33e近傍の未敷設箇所への振動吸収板14の敷設、塩化ビニル製のパイプ20の各末端同士の連結等を行ない、最終的に接続端部11eのある溶接用凹部33e近傍に、プライマーを散布してセルフレベリング性を有するポリウレタン21を注入して硬化させることにより、コンクリートスラブ50に設けた凹部33内で走行レール11を溶接し、ロングレール化行った走行レール11の据付構造が完了する。
したがって、本第六実施形態によれば、前述の第二実施形態および第四実施形態に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
【0121】
次いで、外軌側の凹部33に形成されるレールの据付構造を得るための他のレールの据付方法である第七実施形態(本発明の請求項6に関連する)について説明する。
本実施形態においても、上記第六実施形態と同様に、コンクリートスラブ50に凹部33および溶接凹部33eを形成し、底面の所定箇所に振動吸収板14を接着固定した後に、調整板15、16を載置し、これら調整板15、16上に、スペーサ17によって互いに間隔が保持された走行レール11を置いて、コルク製のくさび部材25を打ち込み、位置決めをする。
【0122】
次に、本実施形態においては、第五実施形態と同様にして、走行レール11の接続端部11eと、凹部33に設置された接続走行レールとを溶接接続する。その際、同様に接続走行レールは、接続端部を除きポリウレタン21で固定されているのが好ましいが、接続走行レールがポリウレタン21で固定されていない場合は、振動吸収板14の接着固定と、調整板15の設置と、調整板15への載置が完了して、少なくとも溶接のための位置決めがなされていなければならない。
【0123】
そして、接続端部同士の溶接接続が完了したたら、走行レール11の再度位置決めを行い、未敷設箇所に振動吸収板14を接着固定して敷設するとともに、塩化ビニル製のパイプ20の連結等を行ない、最終的に位置決めされた走行レール11と、溶接接続された接続端部11eとがある凹部33および溶接用凹部33eに、プライマーを散布した後、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させることにより、コンクリートスラブ50に設けた凹部33内で走行レール11を溶接し、ロングレール化行った走行レール11の据付構造が完了する。
したがって、本第七実施形態によれば、前述の第二実施形態および第五実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、走行レールと脱線防止レールとに係わるレールの据付方法およびレールの据付構造の本発明(請求項1〜3、15に関連する本発明)、並びに走行レールに係わるレールの据付方法およびレールの据付構造の本発明(請求項4〜6、17に関連する本発明)によれば、上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定するようにしたので、ポリウレタンによる凹部側面からのレール拘束に加えて、凹部底面からのレール拘束がなされ、レールの温度収縮によって発生するレール軸力に対する拘束力が増して、レールの熱収縮によるレール分岐部等への応力集中が確実に回避され、これらの破損が防止されるという作用を奏する。
【0125】
加えて、互いの間隔が保持された走行レールと脱線防止レールとが、凹部内においてポリウレタンにより全面が拘束された状態で固定されているために、長期間の使用によっても、走行レールと脱線防止レールとの間隔保持に影響が無く、脱線防止レールに傾きが生じることが無く、保守管理が容易になるとともに、走行レールや脱線防止レールの使用寿命の長期化も図ることができる。
また、振動吸収板、調整板およびポリウレタンの相乗的作用により、車両の走行中に発生する振動や騒音をより効果的に抑制することができ、乗り心地が良く安全性に優れ、犬くぎやスクリュースバイキ等の締結金具で固定する必要がなく、レールの保守点検作業を大幅に軽減することが可能になる。
【0126】
さらに、上記振動吸収板上に調整板置くので、凹部底面の高さに不均一があっても、その調整板置により高い走行面の精度を確保することが可能になり、高さ調整の自由度が増大する。しかも、凹部へポリウレタンの注入においては、セルフレベリング性を有するポリウレタンを使用しているために、別途上面を均すことなく水平面を得ることができ、よって総じて作業が容易で、効率よく簡単にレールの据付施工を行うことができる。
【0127】
また、レールを凹部内で溶接接続するようにした本発明(請求項2、3、5、6に関連する本発明)によれば、上記に加えて次の効果を奏する。すなわち、従来のレールの継ぎ目を無くし、振動の少ない良好な乗り心地を得ることができると共に、従来のレール継ぎ目部における衝撃の発生が無くなり、レールおよびレールおよび軌道構造を延命することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態のレールの据付構造を示す横断面図である。
【図2】図1の実施形態の調整板載置部における横断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態のレールの据付方法の一実施形態を示す図で、凹部の底部に振動吸収板を設置した状態を示す横断面図である。
【図4】図3の振動吸収板上に調整板を載置した状態を示す横断面図である。
【図5】図4の調整板上にレールを敷設した状態を示す横断面図である。
【図6】図5のレールの水平方向に位置調整の状態を示す横断面図である。
【図7】凹部内にプライマーを噴霧している状態を示す横断面図である。
【図8】凹部内にポリウレタンを注入している状態を示す横断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態のレールの据付構造を示す横断面図である。
【図10】本発明の第二実施形態のレールの据付方法の一実施形態を示す図で、凹部の底部に振動吸収板を設置した状態を示す横断面図である。
【図11】図10の振動吸収板上に調整板を載置した状態を示す横断面図である。
【図12】図11の調整板上に走行レールを敷設した状態を示す横断面図である。
【図13】図12のレールの水平方向に位置調整の状態を示す横断面図である。
【図14】凹部内にプライマーを噴霧している状態を示す横断面図である。
【図15】凹部内にポリウレタンを注入している状態を示す横断面図である。
【図16】本発明を踏切等に適用した第三実施形態を示す斜視概略図である。
【図17】本発明の第四〜第七実施形態によって得られたレールの据付構造を示す平面図である。
【図18】図17のA−A線視断面図である。
【図19】従来のレールの据付構造を示す横断面図である。
【符号の説明】
10、50 コンクリートスラブ(軌道の基礎部)
11 走行レール
11e 接続端部
12 脱線防止レール
13、33 凹部
13e、33e 溶接用凹部
14 振動吸収板
15、16 高さ調整板
17 スペーサ
18 ボルト
19 ナット
21 ポリウレタン
22 接着剤層
Claims (20)
- 軌道の基礎部上面に、走行レールと、当該走行レールに所定間隔をおいて設けられる脱線防止レールとを収納するための凹部を形成するレール溝形成工程と、
上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する振動吸収板の敷設工程と、
上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行・脱線防止レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、スペーサによって互いに間隔が保持された上記走行レールおよび脱線防止レールを置き位置決めをする走行・脱線防止レール設置工程と、
上記走行レールおよび脱線防止レールが位置決めされた上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行・脱線防止レールの樹脂注入硬化工程と、
を含むことを特徴とするレールの据付方法。 - 軌道の基礎部上面に、走行レールと、当該走行レールより短く形成され、かつ当該走行レールに所定間隔をおいて並列に設けられる脱線防止レールとを、上記走行レールの接続端部が上記脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で収納するための凹部を形成する走行・脱線防止レールの溝形成工程と、
上記走行レールと上記脱線防止レールとが並列する上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行・脱線防止レールの振動吸収板敷設工程と、
上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行・脱線防止レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、スペーサによって互いに間隔が保持された上記走行レールおよび脱線防止レールを、上記走行レールの接続端部が上記脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で置き、位置決めをする走行・脱線防止レール設置工程と、
上記走行レールおよび上記脱線防止レールが位置決めされた状態で、当該走行レールと脱線防止レールとが並列する箇所の上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行・脱線防止レール並列部分の樹脂注入硬化工程と、
軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、
上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板の敷設工程と、
上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、上記接続走行レールを置き位置決めをする接続走行レール設置工程と、
上記接続走行レールが位置決めされた上記凹部に、少なくとも上記走行レールとの接続端部を除いて、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程と、
上記ポリウレタンで固定された上記走行レールおよび上記接続走行レールの上記接続端部同士を接続した後に、接続された上記接続端部のある箇所の上記凹部にセルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レール接続部分の樹脂注入硬化工程と、
を含むことを特徴とするレールの据付方法。 - 軌道の基礎部上面に、走行レールと、当該走行レールより短く形成され、かつ当該走行レールに所定間隔をおいて並列に設けられる脱線防止レールとを、上記走行レールの接続端部が上記脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で収納するための凹部を形成する走行・脱線防止レールの溝形成工程と、
上記走行レールと上記脱線防止レールとが並列する上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行・脱線防止レールの振動吸収板敷設工程と、
上記走行レールおよび上記脱線防止レールの各レベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールおよび上記脱線防止レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行・脱線防止レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、スペーサによって互いに間隔が保持された上記走行レールおよび脱線防止レールを、当該走行レールの接続端部が当該脱線防止レールの端部よりも敷設方向に突き出る状態で置く走行・脱線防止レール設置工程と、
軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、
上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板敷設工程と、
上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、上記接続走行レールを置く接続走行レール設置工程と、
上記調整板上に置かれた上記走行レールと、上記調整板上に置かれた上記接続走行レールとの接続端部同士を接続する走行レールの接続工程と、
上記走行レール、上記脱線防止レールおよび上記接続走行レールが位置決めされた状態で、上記走行レールと上記脱線防止レールとが並列する箇所の上記凹部と接続された上記接続端部がある箇所の上記凹部とに、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程と、
を含むことを特徴とするレールの据付方法。 - 軌道の基礎部上面に、走行レールを収納するための凹部を形成する走行レールの溝形成工程と、
上記凹部の底面に接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する振動吸収板の敷設工程と、
上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に上記走行レールを置き位置決めをする走行レール設置工程と、上記走行レールが位置決めされた上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レールの樹脂注入硬化工程と、
を含むことを特徴とするレールの据付方法。 - 軌道の基礎部上面に、走行レールを収納するための凹部を形成する走行レールの溝形成工程と、
上記走行レールの接続端部を除く当該走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行レールの振動吸収板敷設工程と、
上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に上記走行レールを置き位置決めをする走行レール設置工程と、
上記走行レールが位置決めされた状態で、少なくとも当該走行レールの上記接続端部を除く上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レールの樹脂注入硬化工程と、
軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、
上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板敷設工程と、
上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、上記接続走行レールを置き位置決めをする接続走行レール設置工程と、
上記接続走行レールが位置決めされた上記凹部に、少なくとも上記走行レールとの接続端部を除いて、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程と、
上記ポリウレタンで固定された上記走行レールおよび上記接続走行レールの上記接続端部同士を接続した後に、接続された上記接続端部のある箇所の上記凹部にセルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる走行レール接続部分の樹脂注入硬化工程と、
を含むことを特徴とするレールの据付方法。 - 軌道の基礎部上面に、走行レールを収納するための凹部を形成する走行レールの溝形成工程と、
上記走行レールの接続端部を除く当該走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する走行レールの振動吸収板敷設工程と、
上記走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に上記走行レールを置く走行レール設置工程と、
軌道の基礎部上面に、上記走行レールの接続端部に接続される接続走行レールを収納するための凹部を形成する接続走行レール溝形成工程と、
上記接続走行レールの接続端部を除く、当該接続走行レール用の上記凹部の底面に、接着剤を塗布して振動吸収板を接着固定する接続走行レールの振動吸収板敷設工程と、
上記接続走行レールのレベルが所定のレベルとなるように、高さ寸法を調整した調整板を、上記接続走行レールの敷設位置に沿って、間隔をおいて上記振動吸収板上に置く接続走行レールの調整板設置工程と、
上記調整板上に、上記接続走行レールを置く接続走行レール設置工程と、
上記調整板上に置かれた上記走行レールと、上記調整板上に置かれた上記接続走行レールとの接続端部同士を接続する走行レールの接続工程と、
上記走行レールおよび上記接続走行レールが位置決めされた状態で、接続された上記接続端部を含めた上記走行レールがある箇所の上記凹部に、セルフレベリング性を有するポリウレタンを注入して硬化させる接続走行レールの樹脂注入硬化工程と、
を含むことを特徴とするレールの据付方法。 - 上記走行レールと上記接続走行レールとの接続端部同士を溶接によって接続するとともに、溶接された上記接続端部のある箇所の上記凹部に上記ポリウレタンを注入する前に、当該凹部の底面の上記振動吸収板の未敷設箇所に接着剤を塗布して上記振動球種板を接着固定することを特徴とする請求項2、3、5および6のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記走行レールと上記脱線防止レールとを収納する上記凹部部分への上記ポリウレタンの注入は、まず上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間に上記ポリウレタンを注入して、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタンの表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じにした後に、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間にポリウレタンを注入して、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、走行レール頭部の下端部に位置するようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記走行レールのみを収納する上記凹部部分への上記ポリウレタンの注入は、まずレール軌道の外側に位置する上記凹部側壁と上記走行レールとの間に上記ポリウレタンを注入して、当該凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じにした後に、レール軌道の内側に位置する上記凹部側壁と上記走行レールとの間に上記ポリウレタンを注入して、当該凹部側壁と上記走行レールとの間の上記ポリウレタンの表面レベルが、レール頭部の下端部に位置するようにすることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記ポリウレタンは、ポリイソシアネート プレポリマーと、アミンとの混合物にコルク粒を1〜10重量%含めたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記ポリウレタンを凹部に注入する直前に、当該凹部に、プライマーとして溶剤に溶解させたポリイソシアネートを散布することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記振動吸収板は、合成ゴムまたは天然ゴムであり、上記接着剤は硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記調整板の高さ寸法の調整は、敷設された振動吸収板上面のレベルを測定し、当該測定値に基づいて、複数の調整板を積み重ねて当該測定値に対応した高さ寸法に調整することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 上記振動吸収板が、コルク粒を1〜20重量%含有し、上記調整板がコルク板であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のレールの据付方法。
- 走行レールと、当該レールに所定間隔をおいて設けられた脱線防止レールとの据付構造であって、
軌道の基礎部上面に形成された凹部の底面に、接着剤層を介して接着固定された振動吸収板と、
上記走行レールと脱線防止レールの敷設位置に沿って間隔をおいて、それぞれ振動吸収板上に設けられ、当該走行レールと脱線防止レールの各レベルを所定のレベルにする調整板と、
上記調整板上に位置決めされ、スペーサによって互いの間隔が保持された上記走行レールと脱線防止レールと、
これらが上記凹部に収納された状態で注入して硬化させたポリウレタン層と
を備えたことを特徴とするレールの据付構造。 - 上記ポリウレタン層の表面レベルは、上記走行レールと上記凹部側壁との間および上記脱線防止レールと上記凹部側壁との間の上記ポリウレタン層の表面レベルが、上記軌道の基礎部上面レベルと略同じであり、上記走行レールと上記脱線防止レールとの間の上記ポリウレタン層の表面レベルは、走行レール頭部の下端部に位置することを特徴とする請求項15に記載のレールの据付け構造。
- 走行レールの据付構造であって、
軌道の基礎部上面に形成された凹部の底面に、接着剤層を介して接着固定された振動吸収板と、
上記走行レールの敷設位置に沿って間隔をおいて、それぞれ振動吸収板上に設けられ、上記走行レールのレベルを所定のレベルにする調整板と、
上記調整板上に位置決めされ、スペーサによって互いの間隔が保持された上記走行レールと、
これらが上記凹部に収納された状態で注入して硬化させたポリウレタン層と
を備えたことを特徴とするレールの据付構造。 - 上記ポリウレタンは、ポリイソシアネート プレポリマーと、アミンとの混合物にコルク粒を1〜10重量%含めたものであることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載のレールの据付構造。
- 上記振動吸収板は、合成ゴムまたは天然ゴムであり、上記接着剤は硬化剤が加えられたエポキシ樹脂接着剤であることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載のレールの据付構造。
- 上記振動吸収板は、コルク粒を1〜20重量%含有し、上記調整板は、複数のコルク板を積み重ねて所定の高さに調整したものであることを特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載のレールの据付構造。
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