JP6229555B2 - 錠剤 - Google Patents
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Description
[1].(A)アセチルサリチル酸と、(B)水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル及びアルミニウムグリシネートから選ばれる1種以上を含む制酸剤とを含有する薬物層を有する錠剤であって、(A)成分及び(B)成分の合計含量が錠剤中55質量%以上であり、上記薬物層において、(B)/(A)で表される(A)成分と(B)成分との質量比が0.05〜0.40であり、上記薬物層中に実質的にマグネシウムを含有しないことを特徴とする錠剤。
[2].(B)/(A)で表される(A)成分と(B)成分との質量比が0.05〜0.33である[1]記載の錠剤。
[3].(A)成分が、造粒物である[1]又は[2]記載の錠剤。
[4].造粒物が、乾式造粒、流動層造粒、溶融造粒及び攪拌造粒から選ばれる造粒法で得られたものである[3]記載の錠剤。
[5].薬物層が、さらに(C)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム及び結晶セルロースから選ばれる崩壊剤を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の錠剤。
[6].1錠あたりの錠剤重量が、450mg以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の錠剤。
[7].薬物層からなる単層錠である[1]〜[6]のいずれかに記載の錠剤。
(A)アセチルサリチル酸
アセチルサリチル酸は解熱鎮痛成分である。錠剤中の配合量は、解熱鎮痛発揮の点から、250mg以上が好ましく、服用性や製造時の打錠障害軽減の点から、400mg以下が好ましい。また、300〜390mgがより好ましく、330〜380mgがさらに好ましい。
無機塩としてアルミニウムのみを含む制酸剤を用いることで、アセチルサリチル酸の安定性への影響を抑えることができる。このような制酸剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムグリシネートが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。錠剤中の配合量は、制酸効果や製造時の打錠障害軽減の点から、10mg以上が好ましく、上限は120mg以下とすることができる。また、服用性や製造時の打錠障害軽減の点から、100mg以下が好ましい。また、15〜100mgがより好ましく、25〜100mgがさらに好ましく、30〜75mgが特に好ましい。
(A)、(B)成分を混合機(ボーレコンテナミキサー:コトブキ技研工業社製)で20分間混合し、得られた混合物を、打錠機(菊水製作所製:リブラ)を用いて打錠した。錠剤径はφ9.0mmとし、錠剤の引っ張り強度は200N/cm2となるように打錠圧を調整した。
(A)〜(C)成分を混合機(ボーレコンテナミキサー:コトブキ技研工業社製)で20分間混合し、得られた混合物を、打錠機(菊水製作所製:リブラ)を用いて打錠した。錠剤径はφ9.0mmとし、錠剤の引っ張り強度は200N/cm2となるように打錠圧を調整した。
予め(A)成分を乳糖造粒物と圧縮造粒機(ローラーコンパクター:ターボ工業社製)にて、ロール圧力7.0MPa、粉体供給スクリュー回転速度3.0rpmの条件でローラー圧縮した。ローラー圧縮により得られたフレークを解砕し、振動篩い((株)ダルトン製)で整粒し、乾式造粒顆粒を得た。
得られた乾式造粒顆粒と(B)成分を混合機(ボーレコンテナミキサー:コトブキ技研工業社製)で20分間混合し、打錠用顆粒とした。
この打錠用顆粒を、打錠機(菊水製作所製:リブラ)を用いて打錠した。錠剤径はφ9.0mmとし、錠剤の引っ張り強度は200N/cm2となるように打錠圧を調整した。
予め(A)及び(C)成分を圧縮造粒機(ローラーコンパクター:ターボ工業社製)にて、ロール圧力7.0MPa、粉体供給スクリュー回転速度3.0rpmの条件でローラー圧縮した。ローラー圧縮により得られたフレークを解砕し、振動篩い((株)ダルトン製)で整粒し、乾式造粒顆粒を得た。
得られた乾式造粒顆粒と(B)成分を混合機(ボーレコンテナミキサー:コトブキ技研工業社製)で20分間混合し、打錠用顆粒とした。
この打錠用顆粒を、打錠機(菊水製作所製:リブラ)を用いて打錠した。錠剤径はφ9.0mmとし、錠剤の引っ張り強度は200N/cm2となるように打錠圧を調整した。
比較例1〜10、12は実施例1に準じて調製し、比較例11は実施例12に準じて調製した。
<アセチルサリチル酸安定性>
得られた錠剤を40℃・6ヶ月保存した。製造直後及び40℃・6ヶ月保存品のアセチルサリチル酸を定量し、下記式により残存率%を算出した。結果を得られた残存率(%)から下記判定基準に基づき示す。
アセチルサリチル酸残存率(%)=[保存後のアセチルサリチル酸含量/製造直後のアセチルサリチル酸含量]×100
[判定基準]
◎:残存率96%以上100%
○:残存率90%以上96%未満
△:残存率85%以上90%未満
×:残存率85%未満
20〜50歳代の女性8名で試験した。
1日1回2錠を各自のタイミングにて水(200mL以下)と一緒に服用した。
服用性(錠剤の喉の通りやすさ)を下記評点で評価した。結果を、8名の評点平均点から下記判定基準に基づき示す。
[評点]
7:非常に良い
6:かなり良い
5:やや良い
4:どちらともいえない
3:やや悪い
2:かなり悪い
1:非常に悪い
[判定基準]
◎:6点以上7点
○:5点以上6点未満
△:3点以上5点未満
×:3点未満
各打錠用顆粒3,000gを、(A)アセチルサリチル酸が330mg/錠となるように、ロータリー打錠機にて打錠した後の盤、杵の状態を観察した。条件は、臼杵9.0mm、2段R杵(R1:3.6mm、R2:10.5mm)の12本立て、回転数は30rpmにて打錠した。下記判定基準に基づき示す。
[判定基準]
◎:粉の付着が全く見られず、打錠障害を生じない:割れたり欠けたりした錠剤がない。
○:粉の付着がほとんど見られず、打錠障害を生じない:割れたり欠けたりした錠剤がない。
△:粉の付着がやや見られ、打錠障害が生じる:12錠に1錠以上、6錠以下の頻度で、打錠障害により割れたり欠けたりした錠剤が発生する。
×:粉の付着が見られ、打錠障害が生じる:12錠に7錠以上の錠剤が、打錠障害により割れたり欠けたりした錠剤である。
アセチルサリチル酸:「RHODINE(登録商標)3220」日局(ローディアジャパン株式会社)
乾燥水酸化アルミニウムゲル:「乾燥水酸化アルミニウムゲルS100」日局(協和化学工業株式会社)
アルミニウムグリシネート:「グリシナール」局外規(協和化学工業株式会社)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:「LH−31」日局(信越化学工業株式会社)
カルメロース(カルボキシメチルセルロース):「NS−300」日局(玉徳薬品株式会社)
合成ヒドロタルサイト:「アルカマック(登録商標)SN」局外規(協和化学工業株式会社)
酸化マグネシウム:「酸化マグネシウムNK」日局(富田製薬株式会社)
乳糖造粒物:「乳糖G」薬添規(フロイント工業株式会社)
コーンスターチ:「SPECIAL STARCH」日局(松谷化学工業株式会社)
アスピリン・スターチ・ミクスチャー「RHODINE(登録商標)2312」ローディアジャパン株式会社
Claims (7)
- (A)アセチルサリチル酸と、(B)水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル及びアルミニウムグリシネートから選ばれる1種以上を含む制酸剤とを含有する薬物層を有する錠剤であって、(A)成分及び(B)成分の合計含量が錠剤中55質量%以上であり、上記薬物層において、(B)/(A)で表される(A)成分と(B)成分との質量比が0.05〜0.40であり、上記薬物層中に実質的にマグネシウムを含有しないことを特徴とする錠剤。
- (B)/(A)で表される(A)成分と(B)成分との質量比が0.05〜0.33である請求項1記載の錠剤。
- (A)成分が、造粒物である請求項1又は2記載の錠剤。
- 造粒物が、乾式造粒、流動層造粒、溶融造粒及び攪拌造粒から選ばれる造粒法で得られたものである請求項3記載の錠剤。
- 薬物層が、さらに(C)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム及び結晶セルロースから選ばれる崩壊剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の錠剤。
- 1錠あたりの錠剤重量が、450mg以下である請求項1〜5のいずれか1項記載の錠剤。
- 薬物層からなる単層錠である請求項1〜6のいずれか1項記載の錠剤。
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