JP6228376B2 - 食品添加物、酢酸カルシウム粉末及びその製造方法 - Google Patents

食品添加物、酢酸カルシウム粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、食品添加物、酢酸カルシウム粉末及びその製造方法に関する。
近年、生活習慣病が大きな社会問題として取り上げられており、代表的な生活習慣病である糖尿病、脳卒中、心臓病、高脂血症などの発症に対して、肥満は大きな危険因子であるとされている。肥満を防止するには、体脂肪の合成及び蓄積を抑制することが重要であり、酢酸カルシウムは、食品及び医薬品の体脂肪合成抑制剤として注目を浴びている(例えば、特許文献1参照)。
上記に関連する技術として、カルシウム塩、炭酸ナトリウム、クエン酸、タンパク質、単糖類もしくは少糖類を含有するレトルト用食肉加工品の品質改良剤が提案されており、カルシウム塩類は食品の改良剤の一原料として利用されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、酢酸カルシウムの製造方法として、生石灰と酢酸水溶液とを混合してペースト状物を生成し、このペースト状物を電気乾燥器により110℃で乾燥させて酢酸カルシウム粉末を得る技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、食品添加物用途の酢酸カルシウムの製造方法として、酢酸水溶液に炭酸カルシウムを加えて酢酸カルシウム溶液を調製し、更に硫酸処理することにより、高酸性の酢酸カルシウム粉末を得る方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2005−336143号公報 特許第4763315号公報 特開平9−249612号公報 米国特許第6572908号明細書
しかしながら、上記従来の技術のうち、生石灰と酢酸水溶液とを混合して単に乾燥させて製造される酢酸カルシウムでは、発塵しやすいために酢酸臭が強いばかりか、流動性にも劣る。また、酢酸カルシウム溶液を硫酸処理する方法で得られる酢酸カルシウム粉末は、高酸性なために酢酸特有の刺激臭が強く、得られる粉末の流動性も低い。
酢酸カルシウム粉末を食品添加などの用途に使用する場合、添加剤として使用される酢酸カルシウムについては、それ自体が低臭気でかつ流動性をそなえており、被添加物に固有の臭い、外観、触感(例えば食感)などを損なわないことが求められる。このような観点から、上記のように従来より提供されている酢酸カルシウム粉末については、酢酸特有の強い刺激臭と流動性に関して更なる改善の必要性があることが判明した。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、下記課題を達成することを目的とする。
本発明の課題は、発塵性が低く低臭気であり、流動性に優れた食品添加物並びに酢酸カルシウム粉末及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、酢酸カルシウムの酢酸特有の強い刺激臭の原因が発塵性にあることを見出し、粉末の発塵性を抑制するには、流動層内に液滴状にして供給し乾燥させながら造粒することが有効であり、粒子の流動性を損なうこともないとの知見を得、係る知見に基づいて達成されたものである。
上記の課題を達成するための具体的な手段は、以下の通りである。
<1> 平均粒子径が100μm〜200μmであり、10質量%水溶液としたときのpH(25℃)が6.0〜8.5であり、酢酸濃度(C)が20ppm以下であり、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度が(C+0.2)ppm以上である酢酸カルシウム粉末を含有する食品添加物である。
<2> 平均粒子径が100μm〜200μmであり、10質量%水溶液としたときのpH(25℃)が6.0〜8.5であり、酢酸濃度(C)が20ppm以下であり、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度が(C+0.2)ppm以上である酢酸カルシウム粉末である。
<3> 篩通過速度が20分以下である前記<2>の酢酸カルシウム粉末である。
本発明によれば、発塵性が低く低臭気であり、流動性に優れた食品添加物並びに酢酸カルシウム粉末及びその製造方法が提供される。
連続スプレー流動造粒乾燥装置の構成例を示す概略断面図である。
以下、本発明の食品添加物について詳細に説明すると共に、この説明を通じて、本発明の酢酸カルシウム粉末及びその製造方法についても詳述することとする。
本発明の食品添加物は、平均粒子径が100μm〜200μmであり、10質量%水溶液としたときのpHが6.0〜8.5であり、酢酸濃度(C)が20ppm以下であり、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度が(C+0.2)ppm以上である酢酸カルシウム粉末を含有する。本発明の食品添加物は、必要に応じて、更に、他の成分を用いて構成されてもよい。
従来から酢酸カルシウムは種々の分野で使用されているが、これまでに提案又は提供されている酢酸カルシウムの粉末は、発塵しやすく、従って酢酸特有の強い刺激臭がある。酢酸カルシウム粉末を食品分野や医薬品分野に適用しようとする場合、酢酸特有の強い刺激は、食品や医薬品に対する印象や風味を損なう。また、粉末で取り扱う際に、貯蔵装置内でブロッキングやケーキング、ブリッジなどを起こして装置からの取出しが不能になることがないように、安定的な流動性を保持していることが望まれる。
このような事情に鑑みて、本発明においては、粒子状の酢酸カルシウムとして、平均粒子径が100μm〜200μmであり、10質量%水溶液としたときのpHが6.0〜8.5であり、酢酸濃度(C)が20ppm以下であり、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度が(C+0.2)ppm以上である酢酸カルシウム粉末が用いられる。この酢酸カルシウム粉末は、C≦20ppmでかつ45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときには酢酸濃度の上昇がみられるものであるので、酢酸臭の弱いものである。換言すれば、この酢酸カルシウム粉末は、発塵が少ないものである。C≦20ppmであることから酢酸臭が小さいことをしめしており、かつ45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度の上昇が0.2以上であることは、内部の方が酢酸濃度が高いが発塵が少ないことを示している。
発塵が少ない理由については、必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。
≦20ppmでかつ45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度の上昇が0.2以上であるように、本発明の酢酸カルシウム粉末は、微粉体のまわりに液が吸着して造粒する課程で内部が単一の又は複数層の表層部で覆われた層状の構造を有し、酢酸カルシウムが本来有する臭気が内部に閉じ込められた形態となっている。つまり、例えば内部と乾燥状態が異なる密な構造が表層部に形成されていて、容易に崩れたり削られるのが抑えられているものと考えられる。したがって、造粒時の粒子状態が保たれているときには臭気は低いが、所定の粒子に壊されると発塵と共に、内部の酢酸臭が発散し、酢酸濃度が上昇することになる。
本発明の食品添加物に含まれる酢酸カルシウム粉末(本発明の酢酸カルシウム粉末;以下同様)は、粒子状の酢酸カルシウムの集合物であり、具体的には、複数の一次粒子が集合した二次粒子が集まった粉状物である。
本発明の酢酸カルシウム粉末の平均粒子径は、酢酸カルシウムの二次粒子の平均粒子径(平均二次粒径)のことであり、本発明では、100μm〜200μmの範囲とする。
平均粒子径が100μm以上であると、流動性指数の点で有利である。平均粒子径が200μm以下であると、発塵性が抑えられる点で有利である。
中でも、平均粒子径としては、100μm〜170μmの範囲が好ましい。
本発明における平均粒子径は、粉体粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300II(日機装(株)製)を使用して測定される粒径である。
本発明の酢酸カルシウム粉末は、10質量%水溶液としたときのpH(25℃)が6.0〜8.5である。pHが低過ぎる範囲では酢酸臭が大きくなりやすい傾向があるため、pHが6.0以上であることは、本発明の効果が効果的に奏されるpHを示している。また、逆にpHが高くなり過ぎると、一般的に酢酸臭が生じ難い傾向があるため、pHが8.5以下であることは、酢酸臭が発現しやすいpH範囲を定めている。
pH(25℃)としては、6.0〜8.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは6.5〜8.0の範囲である。
pHは、純水100mlに被測定試料10gを投入して10質量%水溶液を調製し、pHメーターHM−30R(東亜ディーケーケー社製)を用いて、25℃で測定される値である。
本発明の酢酸カルシウム粉末の酢酸濃度(C)は、20ppm以下である。造粒して製造された酢酸カルシウム粉末、すなわち粉砕等で破壊されていない状態において、酢酸濃度が低いことを示している。すなわち、Cが低いほど、後述するように45μm〜55μmの平均粒子径に粉砕したときの酢酸濃度との差が大きくなり、従来から知られている酢酸カルシウムとより明確に区別される。
としては、10ppm以下が好ましく、より好ましくは5ppm以下である。
本発明の酢酸カルシウム粉末は、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度(C)が、「(酢酸カルシウム粉末の酢酸濃度C+0.2)ppm」以上である。Cが(C+0.2)ppm以上であることは、酢酸臭が内部に閉じ込められていることを示す。上記のように、本発明の酢酸カルシウム粉末の酢酸濃度は20ppmと低いが、表層部が破壊されて微粉化されたときには、粉末粒子の内部から酢酸臭が放出される構造を有している。
としては、(C+0.2)ppm以上(C+10)ppm以下が好ましく、より好ましくは(C+0.2)ppm以上(C+5)ppm以下である。
粉砕後の微粉末の平均粒径は、粉体粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300II(日機装(株)製)を使用して測定される粒径である。
本発明の酢酸カルシウム粉末は、400kg/m〜900kg/mであるものが好ましく、500kg/m〜800kg/mであるものがより好ましい。
粉末を平均粒径45〜55μmの微粉末に粉砕する方法としては、ティファール社製のスティックミキサー(商品名:クリック&ミックス)等を用いた方法が挙げられる。具体的には、スティックミキサー(ティファール社製)にアイスクラッシャーアタッチメントを取り付け、例えば5分間の高速撹拌を行なった後、磨り潰しながら200メッシュ(目開き75ミクロン)を全量通過させるまで粉砕することにより得られる。
酢酸カルシウム粉末の酢酸濃度は、以下の方法により測定されるものである。
酢酸濃度は、200mL三角フラスコに酢酸カルシウム粉末の試料10gを入れ、シリコンゴム栓にて密閉し、静置乾燥機にて200mL三角フラスコを80℃で10分間加熱する。加熱後、25℃(室温)で5分間放冷する。放冷後、シリコンゴム栓を外し、酢酸検知管(検知管式気体測定器、株式会社ガステック社製)の先端を200mL三角フラスコの空間中心部に挿し入れ、気体中の酢酸濃度を測定することにより測定される。
酢酸カルシウム粉末の篩通過速度としては、20分以下が好ましく、より好ましくは5分以下である。
篩通過速度とは、所定量の酢酸カルシウム粉末を所定の篩を用いて所定の振動強度で篩ったとき、粉末の全てを篩切るのに要する所要時間(分)で表される。具体的には、パウダテスタPT−S(ホソカワミクロン製)を用い、内径75mmの20メッシュ(目開き850ミクロン)篩に21mm×21mm角の穴をあけたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートをセットして有効篩面積を4.41cmとした篩で、粉末530gを振動強度4で篩ったときに篩切るまでに計測される所要時間である。
〜酢酸カルシウム粉体の製造方法〜
本発明の酢酸カルシウム粉末は、既述のような平均粒子径、pH、酢酸濃度C、及び平均粒径45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度Cを満足し得る方法であれば、常法により製造することが可能であるが、好ましくは、以下に示す本発明の酢酸カルシウム粉末の製造方法により製造される。
本発明の酢酸カルシウム粉末の製造方法は、酢酸カルシウムの水溶液又はスラリーを調製する工程(以下、「調液工程」ともいう。)と、噴霧流動層乾燥機を用いて、流動雰囲気中に水溶液又は前記スラリーを噴出して、180℃以下の温度で乾燥させることにより酢酸カルシウム粉末を造粒する工程(以下、「造粒工程」ともいう。)と、を設けて構成されている。本発明の酢酸カルシウムの製造方法は、必要に応じて、更に、他の工程を設けて構成されてもよい。
−調液工程−
本発明における調液工程では、酢酸カルシウムの水溶液又はスラリーを調製する。酢酸カルシウムの水溶液又はスラリーの調製は、特に制限なく任意の方法を選択して行なうことができる。
水溶液又はスラリーは、例えば、上市されている市販のカルシウム又は必要に応じて製造した酢酸カルシウムを用意し、これを所望の濃度になるように水等の水性溶媒に溶解又は分散させることで調製することができる。
酢酸カルシウムを製造して使用する場合、酢酸カルシウムは常法により製造したものを用いることができる。
水性媒体としては、蒸留水やイオン交換水等の水、及び該水とアルコール等の水溶性有機溶剤との混合溶媒などを使用することができる。
−造粒工程−
本発明における造粒工程では、噴霧流動層乾燥機を用いて、流動雰囲気中に、前記調液工程で調製した水溶液又はスラリーを噴出し、180℃以下の温度で乾燥させることにより酢酸カルシウム粉末を造粒する。この工程において、酢酸カルシウムの水溶解液又はスラリーの造粒物が得られる。
噴霧流動層乾燥機は、水溶液やスラリーを流動雰囲気中に液滴状にして噴出し、液中の溶媒を飛ばしながら粒子形成し、互いに衝突又は液滴と接触させながら肥大させる等により、造粒することができる。このような造粒が可能な噴霧流動層乾燥機の例としては、株式会社大川原製作所製の連続スプレー流動造粒乾燥装置(商品名:スプリュード)などを好適に用いることができる。例えばこの連続スプレー流動造粒乾燥装置は、図1に示すように、水溶液やスラリーを流動雰囲気が形成された流動層の底部から(反重力方向に向けて)噴出し、液中の溶媒を飛ばしながら造粒し、自重で落下した粒子を回収するボトムスプレー型に構成されたものが好ましい。これにより、液中の溶媒を飛ばしながら形成された粒子が互いに衝突し、該粒子の周りに液がさらに吸着して造粒され、内部が単一の又は複数の層で覆われた層状の構造を有する球形又は略球形の重質な粒子とすることができる。
本工程で使用する装置としては、流動雰囲気中において造粒乾燥させる場合に、流動層内に乾燥風を下方(重力方向)から導入してその導入方向から水溶液又はスラリーを噴霧等して液滴を上方に吹き上げる吹き上げ方式で造粒し、造粒物が吹き上げる気圧より重くなって造粒物の自重によって落下した造粒物を回収する装置であることが好ましい。
造粒乾燥に用いる装置は、乾燥風として熱風を流動層内に導入するものが好ましい。
造粒乾燥時の処理条件としては、熱風の吹き込み温度は180℃以下とする。180℃以下の比較的低温の熱風で造粒乾燥させることで、所望サイズの造粒物が得られやすい。
熱風の温度としては、150℃〜180℃が好ましく、より好ましくは170℃〜180℃の範囲である。
熱風の風速としては、0.8m/sec〜1.2m/secが好ましく、より好ましくは、0.8m/sec〜1.0m/secである。風速は、0.8m/sec以上であると、良好な流動層の形成、および単位時間当たりに交換させうる熱量供給の点で有利であり、1.2m/sec以下であると、微細粒子が装置内に落下しやすくなり所望サイズの造粒物が得られる点で有利である。
本工程で得られる造粒物の平均粒径は、そのまま酢酸カルシウム粉末の平均粒子径とすることができ、既述の通り、100μm〜200μmであることが好ましい。
噴霧流動層乾燥機(例えば連続スプレー流動造粒乾燥装置)を用いて製造される造粒物(酢酸カルシウム粉末)の粒径制御は、流動層内の滞留量を調整する方法、あるいは噴霧ノズル位置を調整する方法、等により行なうことができる。例えば、水溶液又はスラリーを流動層内に供給した後に流動層内に滞留する液の滞留量を増加させることで、粒子を大きく成長させることができる。また、水溶液等を流動層内に噴霧等する吐出口(例えばノズル)の設置位置は、流動層の下方(重力方向)であることで、粒径の大きな粒子に成長させることができる。
流動層造粒・コーティング法、及び装置に関して説明する。
装置は、通気板、ディストリビューター、もしくは目皿板とよばれる粉粒体を保持する隔壁を主には粉体層の底部に備える容器内に、通気板をへて導入される流動化空気により流動化された粉流体に対して、原液体、結合材、バインダなどとも呼ばれる原料液体を噴霧供給し、造粒・コーティングする技術である。粉体容器の空気出口には、例えばバグフィルタ、サイクロンなどに代表される捕集もしくは集塵機構が設置され、容器内からの粉流体が意図せずに排出されることを防ぐことができる。さらに、造粒・コーティング中の粉粒体に対して、攪拌・転動作用を与えるために、攪拌羽や回転円盤に代表される攪拌・混合・転動機構を供える装置も一般的である。
水溶液又はスラリーの流動層への導入には、スプレーノズルなどの噴出装置や吐出装置を使用することができる。
スプレーノズルは、装置に設けられた流動層における底部、側部、天部などに取り付けることができ、流動層に向けて噴出(例えば噴霧)することができる。噴出するにあたっては、必ずしも粉粒体の流動層の中心部に向けて噴霧等するのみならず、種々の方法を適用して噴霧すればよい。
流動層の側部から噴出するサイドスプレーが有効な装置としては、一般的な流動層式造粒、コーティング装置のほか、例えば、株式会社パウレック製のマルチプレックスや、SFP、フロイント産業株式会社製のグラニュレックスやスパイラフロー、岡田精工株式会社製のスピラコータ、ホソカワミクロン株式会社製のアグロマスターなどが挙げられる。
流動層の底部から噴出するボトムスプレーが有効な装置としては、例えば、一般的なワースター式コーティング装置、ホソカワミクロン株式会社製のアグロマスターAGM−SD、株式会社大川原製作所製のスプリュードなどが挙げられる。
上記のほか、本発明の酢酸カルシウム粉末が流動性に優れるものであるため、流動層の天部から噴出するトップスプレー(流動化空気が流れる向きと逆向きのベクトル方向に水溶液等を噴霧するスプレー)にも、詰まり防止効果の点で有効である。トップスプレーは、二相流の形成方法が、ベンチュリー方式、エジェクター方式、リングノズル方式、渦流方式のいずれの装置にも使用可能であり、その他の流動層式コーティング装置にも用いることができる。
以下、本発明の酢酸カルシウム粉末の好ましい用途、使用方法、使用条件等について詳述する。以下に示す用途では、本発明の酢酸カルシウムを使用することでより好適に実施することができる。
酢酸カルシウムは、食品添加物、補助食品(サプリメント)、医薬品、融雪剤(凍結防止剤)、潤滑油などに広範に使用されており、その概要についてはGuangzhou CCM Chemical Co., Ltd.(Guangzhou, P. R. China)発行のProduction and Market of Calcium Acetate in China, The first edition, March 2009並びにBusiness Analytical Center(England)発行のCalcium Acetate (CAS 62-54-4) Market Research Report 2011に記載されている。
酢酸カルシウムはJECFA(Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives)において食品添加物としての安全性が確認され、また米国においては安全と認識されるGRAS(Generally Recognized As Safe)物質に指定されており、日持ち向上剤(静菌剤)、pH調整剤、食感改良剤、凝固剤、増粘剤、カルシウム補強剤(サプリメント)として国際的に汎用されている。本発明の酢酸カルシウムはサプリメントを含むこれらの食品添加物として特に好ましく使用できる。
日持ち向上剤(静菌剤)、食感改良剤などの目的で酢酸カルシウムが適用される食品としては、ポテトサラダ、マカロニサラダ、野菜サラダ、ハンバーグ、肉団子、シュウマイ、餃子、卵焼き、から揚げ、フライ食品、天ぷら、グラタン、パスタ料理、和え物、煮物、炒め物、焼き魚などの惣菜類、蒲鉾、竹輪、揚げ蒲、つみれ、すり身などの水産練り製品、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの畜肉製品、水羊羹、餡、大福餅、団子、カスタードクリーム、プリン、ケーキ、チョコレート、カステラなどの和洋菓子類、食パン、菓子パン、蒸しパンなどのパン類、クッキー、煎餅などの焼き菓子類、ゼリーなどの冷菓、生麺、ゆで麺、パスタなどの麺類、キャンディー、チューインガム、ポテトチップスなどの菓子類、米飯、かやくご飯、炊き込みご飯、ピラフなどの米飯調理食品、醤油、味噌、食酢、味醂、ソース、焼肉のたれ、マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料、ジャム類、牛乳、ヨーグルト、コンデンスミルク、粉ミルク、バター、アイスクリームなどの乳製品、豆腐、納豆、豆乳などの大豆加工品、果実飲料、炭酸飲料、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、スポーツドリンク、ドリンクヨーグルト、食酢飲料などのソフトドリンク類、即席中華麺、即席スープ、即席味噌汁、即席カレールー、レトルト食品、冷凍食品などの便利食品、その他、スーパーやコンビニエンスストアーで販売されている各種の弁当、おにぎり、寿司、稲荷寿司、漬物、カット野菜、カット果物などをあげることができる。
酢酸カルシウムは酢酸とカルシウムの双方に由来する優れた静菌性と、2価イオンであるカルシウムの結合性に由来する蛋白質やセルロースの組織強化性により、食品の日持ち向上剤(賞味期限を延長する効果)として非常に好ましく使用できる。酢酸カルシウムは程度の差はあるものの、食品の変敗や食中毒の原因になる各種の菌、黴、酵母などに広く静菌力(増殖抑止力)を持つ。具体的には、枯草菌、黄色ブドウ球菌、乳酸菌(Lactobacillus属、Bifidobacterium属、Enterococcus属、Lactococcus属等)のようなグラム陽性細菌、各種の病原性大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌、カンピロバクターのようなグラム陰性細菌、各種の黴(アスペルギルス、ペニシリウム、ユーロチウムなど)、酵母(Rhodotorula属、Saccharomyces rosei属、Brettanomyces intermedius属など)であり、特に低温耐性が強いため冷蔵庫内でも増殖し、近年、食中毒の発生が増加しているリステリア菌に対し、また、重篤な食中毒を起こすサルモネラ菌に対し、高い静菌性を示す特長がある。
また、静菌性と同時に組織強化性を持つために、生野菜、特にカット野菜やカット果物の鮮度保持、すなわち日持ち向上にも効果が高い。具体的には、スーパーやコンビニエンスストアーで販売されているカットされたレタス、キャベツ、キュウリ、大根、トマト、リンゴ、メロン、バナナなどの野菜や果物の経時的な萎れやカット部分の変色(褐変)を抑制し、全体的な色調、形状、食感(パリパリ感、シャキシャキ感など)についても、経時的な劣化を減少させる効果を持つ。また、ほうれん草、水菜、かいわれ大根、もやし、豆苗、ブロッコリー、トマトなどの生野菜、いちご、ぶどう、ブルーベリーなどの果物の日持ち向上にも効果が大きい。
これらの日持ち向上剤として酢酸カルシウムを使用する場合、酢酸カルシウムを単独で使用できることは勿論であるが、目的に応じて各種の成分を混合させた製剤の形態をとることもできる。酢酸カルシウムと混合される成分を一般的に述べると、酢酸カルシウム以外の日持ち向上剤、保存剤、防黴剤、pH調整剤、調味料、酸味料、嚥下性改良剤、結着剤、酸化防止剤、酸味、苦味、渋味、えぐ味などのマスキング剤や味質調整剤、旨み強化剤、栄養補強剤、食感改良剤などである。
酢酸カルシウムならびに酢酸カルシウムを含有する製剤は粉体でも液体でも、また錠剤の形態でもよい。酢酸カルシウムは水溶性の高いカルシウム塩であるため、液体としての使用が特に容易である。
酢酸カルシウムと好ましく併用される日持ち向上剤としては、酢酸ナトリウム、グリシン、グリセリン脂肪酸エステル、糖アルコール、ε-ポリリジン、トレハロース、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、チアミンラルリル硫酸塩などの化学的合成物、イチジク葉抽出物、茶抽出物、孟宗竹抽出物、リゾチーム、プロタミン、キトサン、ナタマイシンなどの天然添加物をあげることができるが、好ましくはグリシン、グリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、プロタミン、キトサンとの併用であり、特に好ましくはグリシンとグリセリン脂肪酸エステルとの併用であり、最も好ましくはグリシンとの併用である。このような日持ち向上剤との併用により、静菌性を著しく向上させることができる。酢酸カルシウムとグリシンとの好ましい混合比は、質量比で1:0.5〜1:1である。
酢酸カルシウムと併用される日持ち向上剤は、一種に限定されるものではなく、二種以上を併用することが好ましい場合もある。
また、静菌性を高めるため、酢酸カルシウムと保存料を併用することもできる。このような保存料としては安息香酸、プロピオン酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、デヒドロ酢酸などの化学的合成物と、ε―ポリリジン、ナイシンなどの天然添加物があげられるが、好ましくソルビン酸、ε―ポリリジン、ナイシンとの併用である。これらの保存料に加えて、さらに酢酸カルシウム以外の一種以上の日持ち向上剤を使用してもよい。このような酢酸カルシウム、保存料、酢酸カルシウム以外の日持ち向上剤の併用は、個々の抗菌スペクトルを比較し、補完できるようにすることで適切な組み合わせを見出すことができる。
このような組み合わせは対象とする食品の種類によっても異なるが、例えばハム、ソーセージ、ハンバーグ、肉団子のような畜肉加工食品に対しては、酢酸カルシウムとソルビン酸カリウムの併用、あるいは酢酸カルシウム、グリシン、ソルビン酸カリウムの併用が特に好ましい。
このような保存料、日持ち向上剤の使用については、食品微生物制御の化学(松田敏生著、「食品微生物制御の化学」参照)に詳述されており、そこに記載の情報は酢酸カルシウムとの併用を考えるのに有用である。
酢酸カルシウムと併用できる防黴剤としては、イマザリル、オルトフェニルフェノール、チアベンダゾール、ジフェニルをあげることができる。酢酸カルシウムとこれらの防黴剤との併用は、対象とする食品等や目的に応じて任意に設定できる。
酢酸カルシウムは、pH調整剤や酸味料とともに使用してもよい。pH調整剤や酸味料の具体例としては、酢酸、クエン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フィチン酸、グルコン酸などの有機酸、リン酸などの無機酸、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
酢酸カルシウムの静菌性は、pHが低いほど強化されるため、これらのpH調整剤や酸味料との併用により食品のpHを適切な領域に調整することで、より効果的な日持ち向上性を得ることができる。
酢酸カルシウムと併用が好ましいpH調整剤、酸味料としては、酢酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、フィチン酸及びこれのナトリウム塩、カリウム塩を挙げることができる。
酢酸カルシウムと特に好ましいpH調整剤、酸味料の選択にあたっては、食品用の酸味料及びカルシウム剤を含有する酸性調味料(特開平9−65851号公報)、トレハロース、アジピン酸、pH調整剤、カルシウム塩を含有する食品用日持ち向上剤(特開2010−22270号公報に記載のカルシウム塩)を酢酸カルシウムに置き換えることで、開示されている情報をほぼそのまま適用することができる。
酢酸カルシウム又は酢酸カルシウムを含有する製剤とともに、又は、該製剤に含有させて使用することができる調味料としては、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウムなどのアミノ酸系調味料、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウムなどの核酸系調味料、ビーフエキス、チキンエキスなどの畜産系エキス、鰹節エキスなどの水産系エキス、ビール酵母エキス、パン酵母エキスなどの酵母系エキス、野菜系エキス、アミノ酸系調味料、アラニン、シーズニングオイルなどであり、その詳細は食品添加物総覧2010(食品化学新聞社「食品添加物総覧2010」参照)に記載されている。
また嚥下性改良剤としては、一般にゲル化剤、増粘剤が使用され、具体的にはでん粉、デキストリン、還元デキストリン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、寒天、大豆多糖類、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、タラガム、CMC、HPC、MC、HPMCなどのセルロース誘導体、カゼインナトリウム、微結晶セルロース、小麦グルテンなどをあげることができる。
結着剤は、食品の保水性を高め、形状を保って食感を改良するための材料であり、一般に「つなぎ」と呼ばれている。酢酸カルシウムとともに使用される結着剤としては、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのリン酸塩やカゼインナトリウムを挙げることができる。
また 酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、エリソルビン酸ナトリウム、ビタミンC(L−アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、没食子酸プロピル、ローズマリー抽出物などが挙げられる。これらの中で、エリソルビン酸ナトリウムとビタミンCは、酢酸カルシウムとの併用でカットフルーツの鮮度を保持するのに特に有効な組み合わせである。
酢酸カルシウムとともに使用されるマスキング剤、味質調整剤としては、グリシン、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸系調味料、クエン酸などの酸味料、食塩、塩化カリウム、高甘味度甘味料、低甘味度甘味料、カフェイン、ナリンジン、ゲンチアナ抽出物、イソアリファー苦味酸などがあげられるが、酢酸カルシウムの酸味、カルシウム特有の苦味を軽減するには、グリシン、グルタミン酸ナトリウム、高甘味度及び低甘味度の甘味料が有効であり、特にグリシン、及び、ステビア、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖、糖アルコール甘味料が好ましい。
また、栄養強化剤としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンK、ヘスペリジンなどのビタミン類、炭酸カルシウム、卵殻カルシウム、貝殻カルシウムなどのカルシウム含有物、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物、ヘム鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄などの鉄化合物などがあげられる。以上のうち、カルシウム含有物については、主たるカルシウム供給は酢酸カルシウムで可能なため、補足的な役割として使用される。
その他、糖類やアミノ酸系の旨み強化剤、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなどの凝固剤、亜硝酸ナトリウムなどの着色剤、亜硫酸ナトリウムなどの漂白剤、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、植物レシチンなどの乳化剤など、種々の成分が目的に応じて酢酸カルシウムとともに使用できる。
酢酸カルシウムを単独もしくは酢酸カルシウムを含む製剤として畜肉製品(ハム、ソーセージ)に適用し、日持ち向上効果を得るための具体的な方法としては、肉類の整形後の塩漬工程において使用される塩漬剤溶液中に酢酸カルシウム又は酢酸カルシウム含有製剤を添加し、ピックルインジェクタ法で肉の内部に注入するか、肉を該塩漬剤溶液中浸漬する湿塩漬法で行なうのが一般的である。複数の塩漬工程がある場合は、前後どちらで実施してもよいし、また両方で実施してもよい。塩漬工程後に加熱殺菌工程がある場合は、加熱殺菌後、包装前の冷却工程で、酢酸カルシウム単独もしくは酢酸カルシウム含有製剤の溶液をインジェクションや噴霧することもできる。畜肉製品への酢酸カルシウムとの併用の例として、アスコルビン酸類、乳酸類、マンナンゲル、増粘剤、油脂、油脂を凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩で乳化した水中油滴乳化物、糖類、コラーゲンケーシング、が好ましい例として挙げることができる。
酢酸カルシウム又は酢酸カルシウムを含有する製剤を、生野菜又は加工野菜に適用する方法としては、生野菜又はボイル処理などをした加工野菜を、酢酸カルシウム又は酢酸カルシウムを含有する製剤に1〜10分間浸漬し、その後に水洗又は水洗せずに包装するか、生野菜の場合には事前に次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬して殺菌し、その後に水洗して酢酸カルシウム含有溶液に浸漬するのが一般的である。酢酸カルシウムとの併用の例として、グリセリン中鎖脂肪酸エステル、高親水性界面活性剤、リゾチーム、が好ましい例として挙げることができる。
酢酸カルシウムは2価イオン(カルシウム)の結着性に由来する蛋白質やセルロースの組織強化効果を持つため、生野菜の経時的な萎れの防止、タマネギ、ジャガイモ、カボチャ、ニンジンなどの野菜の煮崩れ防止、フライドポテトに用いるジャガイモ、オニオンリングに用いるタマネギ、ハンバーグや肉団子に用いるひき肉に添加して歯ごたえを強化することや、さらにはソーセージなどの畜肉製品に添加して調理時の形崩れ等を防止するのに有効であり、同時に静菌性を付与することができる。さらには栄養素としてのカルシウムの強化も果たすことができる。
酢酸カルシウムまたは酢酸カルシウムを含有する製剤の各種食品への添加方法には特に制限はないが、日持ち向上剤、pH調整剤、保存料、調味料などを添加している工程に添加することができる。例えば食パン用途では小麦粉、イーストフード、水を混合する中種混練工程や生地混練工程、ハンバーグ用途では肉類やタマネギ、調味料との混合・攪拌工程、蒲鉾用途では擂潰工程、ヨーグルト用途では予め原料配合ミックス中に添加しておくか、或いはその混合・加温・溶解工程に添加することができる。
酢酸カルシウムの食品への適用において食感改良効果を得る好ましい方法を具体的に以下に挙げる。例えば、カットしたニンジン、ダイコン、ゴボウなどの直根類をブランチング処理せずに凍結し、凍結した直根類を酢酸カルシウム溶液中で解凍する直根類を軟化防止する方法、野菜類を加熱または凍結処理する前に食塩水、糖液、糖アルコール液のいずれかに含浸させ、次いで酢酸カルシウム水溶液に含浸する野菜類の軟化防止方法、酢酸カルシウム、アスコルビン酸イオンを含有する水溶液にカットフルーツを浸漬するフレッシュフルーツ及びフルーツ製品を保存する方法、ソーセージの構成材料を酢酸カルシウム含有溶液に浸漬して調理時の形崩れを防止する方法、レトルト処理後も食肉加工食品の弾力性、柔らかさ、繊維感を維持するために、予め、肉類を炭酸ナトリウム、クエン酸、タンパク質、単糖類もしくは少糖類、並びに酢酸カルシウムを含有する食肉加工品の品質を改善する方法、ポテトストリップをブランチング処理した後、酢酸カルシウムと酸化防止剤を含有する溶液に浸漬し、その後に植物油で揚げることにより、変色のないフレンチフライドポテトを製造する方法により、フライドポテトに限定せず、タマネギ、ニンジン、ゴボウ、ダイコンなどの他の野菜の変色防止する方法、等である。
また、酢酸カルシウムのパンへの適用として、黴防止およびロープ菌の抑止に有効であり、酢酸カルシウムをパン生地に練り込む、あるいはベーキング後のパン表面に酢酸カルシウム溶液を噴霧して黴防止およびロープ菌を抑止する方法、等が挙げられる。
果物の冷凍食品への酢酸カルシウムの適用として、イチゴ、りんご、梨、洋梨、桃などの果実を果実の糖度の1〜2倍の糖度のペクチンエステラーゼ含有水溶液と酢酸カルシウムを併用して凍結させることにより、解凍後にも生の新鮮な食感を保持させることができる。
豆腐用凝固剤としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウムなどの無機塩系凝固剤が主に用いられているが、これらの無機凝固剤を酢酸カルシウムで代替することも可能である。
酢酸カルシウムのカルシウム補強剤として、各種スポーツドリンク、食酢飲料、カルシウム強化した各種健康食品飲料に適用できる。酢酸カルシウムは乳酸カルシウムに比べて水溶性が高いこと、かつ、分子中のカルシウム含量が高いことから、製造の容易性とコストの両面において明確な優位を持っている。酢酸カルシウムは、易吸収性カルシウム組成物、骨強度増強作用を有する経口摂取用組成物、栄養性カルシウム源が補給された低酸性飲料への適用が有効である。
酢酸は、近年、ヒトの体内への脂肪吸収の抑止、血糖値の増加抑止、血圧降下作用など、種々の健康に良い効果が明らかになっている。酢酸カルシウムは、食酢の主成分が酢酸であるが故に、食酢本来の風味を損なわずにカルシウム強化を図れるものとして、食酢飲料には特に好ましいカルシウム源である。酢酸カルシウムは、非重合体カテキンとの併用やペットボトル入りのお茶のカルシウム強化方法として有効である。
カルシウム補強剤としての酢酸カルシウムは液体の飲料に限定されるものではなく、粉体で水に溶解して飲用するスポーツドリンクや粉末ジュースには、水溶性が高い故に最適のカルシウム源である。カルシウム補強の目的での食品への適用として、酢酸カルシウムとトランスグルタミナーゼを添加したソーセージ原料練り肉が好ましい例として挙げることができる。このほか、カルシウム強化パン、カルシウム強化ゼリー、病人や高齢者向けのカルシウム強化米飯への酢酸カルシウムの適用も有効である。また、酢酸カルシウムは薬用および食品添加用として、粉体あるいは錠剤の形態でカルシウム補強のサプリメントに適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[酢酸カルシウム粉末の作製]
−酢酸カルシウム水溶液の調製−
酢酸カルシウム(米山化学工業社製、酢酸カルシウム1水和物、純度:100%)を純水に加え、撹拌装置を用いて混合することにより溶解し、pHを調整することにより、下記表1に記載の酢酸カルシウム水溶液を調製した。
−造粒−
次いで、調製した酢酸カルシウム水溶液(酢酸Ca水溶液)を、連続スプレー流動造粒乾燥装置(商品名:スプリュード(SGD−1型)、大川原製作所社製)を用いて下記の造粒条件下、流動雰囲気中に噴出して造粒し、下記の表2に示す平均二次粒子径、pH、及び酢酸濃度を有する酢酸カルシウム粉末A〜G(造粒粉A〜G)を製造した。
なお、pHは、pHメーターHM−30R(東亜ディーケーケー社製)を用いて25℃に温調しながら測定した。
<造粒条件>
・酢酸カルシウム水溶液のpH、酢酸カルシウム濃度:下記表1に記載
・熱風の吹き込み温度:150℃〜180℃
・風速:0.8m/sec〜1.2m/sec
・槽内温度:80℃〜100℃
・ノズル噴霧量:7〜11kg/hr
酢酸カルシウム粉末の造粒に際して、造粒粉の平均二次粒径は、上記の造粒条件のうち、風速、ノズル噴出量等を変化させて、流動層内における滞留量、滞留時間を調節することによって制御した。
また、比較用の酢酸カルシウム粉末として、下記の粉末H〜Kを用意した。
・粉末H:特開平9−249612号公報の実施例に記載の酢酸カルシウム
・粉末I:CALCIUM ACETATE FCC Agglomerate(商品名;MACCO ORGANIQUES INC.製)
・粉末J:Calcium Acetate Granular(商品名;Penglai Marine Bio-Tech Co., Ltd製)
・粉末K:米国特許第6572908号明細書の実施例に記載の酢酸カルシウム
−測定・評価−
上記で製造した造粒粉A〜G、及び粉末H〜Kについて、下記の測定、評価を行なった。測定及び評価の結果は、下記表2に示す。
(1)酢酸カルシウムの造粒粉のpH測定
純水100mlに目的とする造粒粉10gを投入して10質量%水溶液を調製し、pHメーターHM−30R(東亜ディーケーケー社製)を用いて25℃に温調しながらpH測定を行なった。
(2)酢酸カルシウムの造粒粉の平均二次粒径及び粉砕物の平均粒径の測定
造粒粉A〜G、及び粉末H〜Kの各々について、粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300II(日機装(株)製)を使用して測定した。
(3)酢酸カルシウムの造粒粉及び粉砕物の酢酸濃度の測定
造粒粉A〜G及び粉末H〜K、又はこれらを下記方法で粉砕した粉砕物を順次用い、各10gを200mL三角フラスコに入れてシリコンゴム栓にて密閉し、静置乾燥機にて200mL三角フラスコを80℃で10分間加熱した。加熱後、25℃室温にて5分間、放冷した。放冷後、シリコンゴム栓を外し、酢酸検知管(検知管式気体測定器;株式会社ガステック社製)の先端を200mL三角フラスコの空間中心部に挿し入れ、気体中の酢酸濃度を測定した。
また、粉砕物は、造粒粉A〜G及び粉末H〜Kの各々に対し、スティックミキサー(ティファール社製)にアイスクラッシャーアタッチメントを取り付けて5分間高速撹拌を行なった後、磨り潰しながら200メッシュ(目開き75ミクロン)を全量が通過するまで粉砕させることで得た。
(4)発塵性
試料粉体として造粒粉A〜G、粉末H〜Kの各々0.25gを、パウダテスタPT−Sの分散度測定ユニット(ホソカワミクロン社製)の試料台に置き、試料落下用のシャッターを開けたと同時にパーティクルカウンターの吸引スイッチをオンし、2.83L/minで1分間吸引して測定した。測定は、ウォッチグラスが格納されているボックス上部にある吸引用ノズルからホースでパーティクルカウンターKR−11A型(リオン製)に繋ぎ、1L(リットル)中の0.5μm粒子の数をカウントすることにより行なった。
分散度測定ユニットは、一定量の粉体を一定の高さから落下させ、下に置いたウォッチグラスに残る量より分散度を測定するユニットである(落下高さ620mm)。
発塵性は、0.5μm粒子の数が20千個/L未満であることが望ましく、0.5μm粒子の数が50千個/Lを超えると発塵の程度は極めて悪いといえる。
(5)流動性(流動性指数)
造粒粉A〜G、及び粉末H〜Kの各々に対して、パウダテスタPT−Sの分散度測定ユニット(ホソカワミクロン社製)を用い、一般に知られたR.L.Carrの流動性指数の測定方法に準じて流動性指数を測定し、流動性指数の数値を指標として流動性を評価した。ここで、流動性指数は、下記のa)安息角、b)圧縮度、c)スパチュラ角、d)均一度の4項目に関する測定を行なうことにより算出し、その合計値を流動性指数とした。
流動性は、流動性指数が92以上であることが望ましく、流動性指数が80未満であると流動性の程度は極めて悪いといえる。
−a)安息角の測定−
目開き1000μmのJISに準拠した小型篩(内径75mm)とロートとを振動台に取りつけ、これを振動(振動強度4)させて試料を投入した。このとき、篩によって分散した試料は、ロートから安息角測定用テーブル上に充填される。このテーブル上に堆積して形成される粉体層の山の角度として安息角を測定した。
−b)圧縮度の測定−
ゆるみ見掛比重と固め見掛比重との2種の物性値から圧縮度を測定した。
目開き1000μmの篩とシュートを振動台に乗せ、容積100mlのカップをその下にセットした。試料を篩の上に投入して、篩の振動(振動強度4)で試料を分散させながらカップに充填し、これを秤量して見掛比重を算出した。この見掛比重をゆるみ見掛比重とした。
予め粉体を充填したカップを一定の高さ(1.8cm)のストロークで所定の回数(180回)タッピングさせ、カップに粉体を密に充填させ、このときの見掛比重を固め見掛比重とした。
C[%]=100(P/A)/P
〔C:圧縮度、P:ゆるみ見掛比重、A:固め見掛比重〕
−c)スパチュラ角の測定−
幅22mm×長さ110mmの金属製のスパチュラを上下に昇降する受け皿のすぐ上に水平にセットし、その上に目開き1000μmの篩を通過させた粉体を堆積させた。ここで、粉体を十分に堆積させた後、受け皿を静かに下げたときのスパチュラ上に堆積した粉体の側面の角度を「A」とした。次に、スパチュラを支持するアーム上に重錐落下による衝撃を一回加えて再び測定した角度を「B」とした。
上記AとBの平均値((A+B)/2)としてスパチュラ角を測定した。
−d)均一度の測定−
試料粉体の粒子径を、粉体粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300II(日機装(株)製)を用いて測定し、試料粉体の累積粒度分布の60%粒径(D2とする)を、累積粒度分布の10%粒径(D1とする)で除した値を求めた。そして、得られたD1及びD2を用い、下記式から均一度を測定した。
K=D2/D1
(6)篩通過速度
パウダテスタPT−S(ホソカワミクロン製)を用い、内径75mmの20メッシュ(目開き850ミクロン)篩に21mm×21mm角の穴をあけたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートをセットして有効篩面積を4.41cmとした篩で、造粒粉A〜G、粉末H〜Kの各々の530gを振動強度4で篩い、篩切るまでの所要時間を計測した。この計測値を篩通過速度とした。
表2に示すように、所定の平均二次粒径を有し、かつpH及び酢酸濃度Cが所定の範囲にある本発明の粉末B〜Dでは、発塵性及び流動性がともに改善されている。
これに対して、純水に溶解して10質量%水溶液としたときのpHが6未満の比較用の粉末Aでは、特に流動性に劣っていた。また逆に、純水に溶解して10質量%水溶液としたときのpHが8.5を超える比較用の粉末Eでは、造粒粉及び粉砕物の酢酸濃度は0.0ppmであるが、発塵性は悪化しており、酢酸臭は改善すべきレベルであった。すなわち、酢酸臭を改善するには、造粒粉の酢酸濃度が粉砕物よりも小さくなる関係にすること、及び発塵性を小さくすることが有効であることが判明した。造粒粉の平均粒子径が100μmを下回る比較用の粉末Fでは、流動性に著しく劣っていた。逆に、平均粒子径が200μmを超える比較用の粉末Gでは、発塵性に劣っていた。
さらに、所定の平均二次粒径を有さず、pH及び酢酸濃度C、並びにC+0.2ppm所定の範囲を満たさない比較用の粉末H〜Kでは、発塵性及び流動性の両方を満足することは困難であった。

Claims (3)

  1. 平均粒子径が100μm〜200μmであり、10質量%水溶液としたときのpH(25℃)が6.0〜8.5であり、酢酸濃度(C)が20ppm以下であり、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度が(C+0.2)ppm以上である酢酸カルシウム粉末を含有する食品添加物。
  2. 平均粒子径が100μm〜200μmであり、10質量%水溶液としたときのpH(25℃)が6.0〜8.5であり、酢酸濃度(C)が20ppm以下であり、平均粒径が45μm〜55μmの微粉末に粉砕したときの酢酸濃度が(C+0.2)ppm以上である酢酸カルシウム粉末。
  3. 篩通過速度が20分以下である請求項2の酢酸カルシウム粉末。
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