JP6226646B2 - 原子炉圧力容器の除染方法及びその除染システム - Google Patents
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Description
また、化学除染においては除染液が、汚染面である酸化皮膜や堆積物を溶解する。そして、溶解した放射能、金属イオンがイオン交換樹脂まで運ばれて捕集される。このため、除染液の線流速が大きいほど効率よく除染が進行する。
このとき、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプでは、十分な線流速が得られず、高い除染効果を得ることができないという課題があった。
図1は、本実施形態に係る原子炉圧力容器除染システム10(以下、除染システム10とする)の系統図を示している。
なお、除染液は、仮設循環ライン24に設けられたヒータ22により所定の温度に加熱され、循環中の温度が高温に維持される。
これにより、除染に必要な除染液の流量を低減することができ、十分な線流速が得ることができる。したがって、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプ21のみの運転であっても高い除染効果を実現することが可能となる。
まず、図2を用いてシュラウド12の外側領域を除染する方法について説明する。図2は、図1に示した除染システム10の原子炉圧力容器11部分を拡大して、除染時における除染液の流れを示した説明図である。
噴出された除染液は、原子炉圧力容器11の内壁に到達、液膜を形成し、壁面を流下していく。これにより、原子炉圧力容器11の内壁全体が除染される。
スプレイリング30は、ヘッダ吊天秤45を介してRPVヘッド18に固定して設置する。スプレイリング30をRPVヘッド18に固定することで、高い位置から除染液を安定的に噴出することができる。
原子炉圧力容器11とRPVヘッド18は、それぞれ容器と蓋の関係にある。このため、スプレイリング30をRPVヘッド18側に固定することで、除染用に仮設の蓋を製作するより、原子炉圧力容器11本体とのフランジ面の密着性が良く、安定して内部を閉止することができる。
さらに、RPVヘッド18を使用することで、設備の有効利用が可能となるとともに仮設の蓋を製作する手間を省くことができる。
ヘッダ吊天秤45は、RPVヘッド18の内側に備えられたドライヤホールドダウンブラケット46を利用して固定する。そして、スプレイリング30は、ヘッダ吊天秤45に固定される。
このように、ドライヤホールドダウンブラケット46を利用して、ヘッダ吊天秤45を介してスプレイリング30をRPVヘッド18に固定する。
蒸気乾燥器、気水分離器(図示省略)を取り出した場合、シュラウド12より上方では原子炉圧力容器11の内壁が除染対象となる。
したがって、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプ21(図1)のみの運転であっても高い除染効果を実現することが可能となる。
これにより、原子炉圧力容器11の除染中に、原子炉格納容器内の保全作業を並行して実施することができる。
第二供給ライン27は、RPVヘッド18に設けられたノズルを介して原子炉圧力容器11内に挿入されており、原子炉圧力容器11内で接続されたスプレイノズル31に除染液を供給する。
このため、仮設ポンプ21について、大型なものは不要となり、400MWe級沸騰水型原子炉ならば60m3/h程度の仮設ポンプ21が2台程度で十分な除染効果が得られる。
多重ステップ化学除染法は、除染液に酸化剤を注入する酸化工程と還元剤を注入する還元工程を交互に繰り返して除染を行う方法である。放射能を内包した鉄主体の外層とクロム主体の内層から成る酸化皮膜に対し、酸化工程及び還元工程を繰り返し行うことにより、酸化皮膜はほぼ溶解除去し、高い除染率が得られる。
このとき、カチオン樹脂塔入口弁37、カチオン樹脂塔出口弁39を一定時間開とし、除染により溶解した金属及び放射能をカチオン樹脂塔35に通水捕集する。
そして、放射能の溶解がおさまったら除染剤分解装置25を起動して、シュウ酸を分解する(S19)。
最終浄化は、混床樹脂塔入口弁38、混床樹脂塔出口弁40を開状態として、混床樹脂塔36に通水することで系統水の浄化を行う(S20)。
そして、シュラウド外側領域の除染時と同様の方法で、シュラウド内側領域の除染を行う(S23〜S32)。
なお、図5では、シュラウド12の外側領域を先に除染する構成を示したが、シュラウド12の内側領域を先に除染する構成としてもよい。
例えば、シュラウド内側領域での酸化工程の際に(S28)、第二供給ライン27から第一供給ライン26に切り替えて(S21)、連続してシュラウド外側領域で酸化工程を行う(S16)。
CRDハウジング47は、CRDが組み込み状態にあるため、除染液の滞留部となりやすい。この部分に対して、水圧制御ユニット(HCU)49側から発電所内の空気ヘッダ58を用いて空気等の気体を注入してバブリングを行う。
まず、制御棒挿入・引抜配管の残留水は、除染開始前の炉内水抜き時に合わせてHCU側の弁操作にて排水する。
その後、制御棒引抜側ベント弁53、制御棒引抜側HCU隔離弁55、制御棒挿入側ベント弁54及び制御棒挿入側HCU隔離弁56を全閉とする。
そして、除染実施時に、制御棒引抜側ベント弁53を適宜開操作し、空気を制御棒引抜用水配管51に注入する。
また、本実施形態は、シュラウドの内側と外側とが隔離されていない原子炉であっても、除染動作前に連通部分を塞ぐことにより、シュラウドの内側と外側とを隔離することで適用可能となる。
Claims (9)
- 第一供給ラインから流入させた除染液を原子炉圧力容器内の上方から前記原子炉圧力容器の内壁面方向に噴出させて、この内壁及びシュラウドの外側を除染する第一除染ステップと、
前記原子炉圧力容器の内壁と前記シュラウドの外側との間に溜まる前記除染液を前記原子炉圧力容器から流出させ、仮設ポンプを用いて循環させる第一循環ステップと、
前記第一供給ラインと第二供給ラインとを切り替えるステップと、
前記第二供給ラインから流入させた前記除染液を前記シュラウドの上方から前記シュラウドの内側に噴出させて前記シュラウドの内側を除染する第二除染ステップと、
前記シュラウドの内側に溜まる前記除染液を前記原子炉圧力容器から流出させ、前記仮設ポンプを用いて循環させる第二循環ステップと、
を含むことを特徴とする原子炉圧力容器の除染方法。 - 前記原子炉圧力容器の再循環水入口ノズル及び再循環水出口ノズルにおいて、再循環系配管を切り離し、前記仮設ポンプによって前記除染液が循環する仮設循環ラインを接続したことを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
- 前記第一除染ステップは、
前記原子炉圧力容器内の上部に設けられ、前記除染液を前記原子炉圧力容器の内壁に噴出するスプレイリングにより前記除染液が噴出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉圧力容器の除染方法。 - 前記スプレイリングは、原子炉圧力容器ヘッドに固定して設けられたことを特徴とする請求項3に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
- 前記第一除染ステップ及び前記第二除染ステップは、
前記除染液に酸化剤を注入する酸化工程と還元剤を注入する還元工程とを交互に繰り返すことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の原子炉圧力容器の除染方法。 - 前記酸化工程または前記還元工程の際に、前記第一供給ラインと前記第二供給ラインとの切り替えを行うことを特徴とする請求項5に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
- 前記原子炉圧力容器の底部に気体を注入して、滞留する前記除染液をバブリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
- 前記シュラウドの内側と外側とが連通する原子炉圧力容器の除染方法であって、前記除染前に当該連通部分を塞ぐステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
- 原子炉圧力容器内の上方に設けられ、第一供給ラインから流入させた除染液を前記原子炉圧力容器の内壁面方向に噴出するスプレイリングと、
前記原子炉圧力容器から流出させた前記除染液を循環させる仮設ポンプと、
前記第一供給ラインと第二供給ラインとを切り替えて、前記第二供給ラインから流入させた前記除染液をシュラウドの上方から前記シュラウドの内側に噴出するスプレイノズルと、を備えたことを特徴とする原子炉圧力容器の除染システム。
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