JP6226646B2 - 原子炉圧力容器の除染方法及びその除染システム - Google Patents

原子炉圧力容器の除染方法及びその除染システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、原子炉圧力容器内部に生成した放射能を含む酸化皮膜や堆積物を除去する除染技術に関する。
原子炉圧力容器内部の化学除染は、炉内構造物取替工事における作業員の立ち入りや原子炉解体時の被ばく低減対策として実施される。
この化学除染は、数百立方メートルに及ぶ大規模な系統容量を必要とし、さらに除染効果を高めて短時間で実施する必要がある。
また、化学除染においては除染液が、汚染面である酸化皮膜や堆積物を溶解する。そして、溶解した放射能、金属イオンがイオン交換樹脂まで運ばれて捕集される。このため、除染液の線流速が大きいほど効率よく除染が進行する。
このため、従来から、原子炉圧力容器内部の化学除染には、膨大な循環流量を確保でき、大きな線流速を得ることができる再循環ポンプを稼動させ、除染液を強制循環させて除染を行う方法が採用されてきた(例えば、特許文献1〜4)。
特開平10−48394号公報 特開平11−14796号公報 特開2000−65989号公報 特開2008−304353号公報
しかしながら、再循環ポンプを用いた除染方法は、ポンプのメカニカルシール部に供給する冷却水の炉内流入による原子炉水位の経時的上昇や炉内条件に合わせて循環流量を調整する必要があり、運転制御が煩雑であるいう課題があった。
また、再循環ポンプが運転できる状態にない場合、炉内の汚染度合いに比べて再循環系配管の汚染が少ない場合等、再循環ポンプを運転せずに仮設ポンプのみで炉内の除染を行わなければならない場合がある。
このとき、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプでは、十分な線流速が得られず、高い除染効果を得ることができないという課題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、再循環ポンプを運転せずに、仮設ポンプのみの運転によって高い除染効果を実現する原子炉圧力容器の除染技術を提供することを目的とする。
本実施形態の原子炉圧力容器の除染方法は、第一供給ラインから流入させた除染液を原子炉圧力容器内の上方から前記原子炉圧力容器の内壁面方向に噴出させて、この内壁及びシュラウドの外側を除染する第一除染ステップと、前記原子炉圧力容器の内壁と前記シュラウドの外側との間に溜まる前記除染液を前記原子炉圧力容器から流出させ、仮設ポンプを用いて循環させる第一循環ステップと、前記第一供給ラインと第二供給ラインとを切り替えるステップと、前記第二供給ラインから流入させた前記除染液を前記シュラウドの上方から前記シュラウドの内側に噴出させて前記シュラウドの内側を除染する第二除染ステップと、前記シュラウドの内側に溜まる前記除染液を前記原子炉圧力容器から流出させ、前記仮設ポンプを用いて循環させる第二循環ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、再循環ポンプを運転せずに、仮設ポンプのみの運転によって高い除染効果を実現する原子炉圧力容器の除染技術が提供される。
本実施形態に係る原子炉圧力容器除染システムの系統図。 本実施形態におけるシュラウドの外側を除染する方法を示す説明図。 本実施形態に適用されるスプレイリングの取り付け構成を示す図。 本実施形態におけるシュラウドの内側を除染する方法を示す説明図。 本実施形態に係る原子炉圧力容器の除染フローを示す図。 本実施形態に係る原子炉圧力容器の除染フローの変形例を示す図。 原子炉圧力容器底部のCRDハウジングへのバブリング方法を示す概略図。
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る原子炉圧力容器除染システム10(以下、除染システム10とする)の系統図を示している。
なお、本実施形態は、炉心シュラウドの外側と内側とが隔離されている原子炉に適用される。これにより、原子炉圧力容器11とシュラウド12との間に形成された円筒状の空間(以下、アニュラス部とする)に流入させた除染液を溜めることが可能となる。このタイプの原子炉として、自然循環型沸騰水型原子炉やジェットポンプを有さないタイプの沸騰水型原子炉が例示される。
除染システム10は、発電所内に設けた仮設ポンプ21により除染液を循環させて、原子炉圧力容器11内部に生成した放射能を含む酸化皮膜や堆積物を化学除染するものである。
除染液は、薬注タンク32で調製されて、薬注ポンプ33の駆動により薬注ライン止め弁34を介して仮設循環ライン24に供給される。そして、原子炉圧力容器11を経由し、仮設循環ライン24を流通して循環する。
なお、除染液は、仮設循環ライン24に設けられたヒータ22により所定の温度に加熱され、循環中の温度が高温に維持される。
除染液に溶解した金属及び放射能は、カチオン樹脂塔入口弁37、カチオン樹脂塔出口弁39を一定時間開状態として(このとき、仮設循環ライン止め弁23は調整開状態)、カチオン樹脂塔35に通水され捕集される。
除染システム10では、シュラウド12の外側領域と内側領域とを別々に除染を行う。このため、除染液の流入側で、仮設循環ライン24を第一供給ライン26及び第二供給ライン27の2つに分ける。
そして、シュラウド外側領域の除染時には、第一供給ライン26を介して除染液を原子炉圧力容器11に流入させる。一方、シュラウド内側領域の除染時には、第二供給ライン27から流入させる。2つのラインの切り替えは、第一供給ライン止め弁28及び第二供給ライン止め弁29の開閉により実施する。
シュラウド外側領域の除染時には、第一供給ライン止め弁28を開状態とし、第二供給ライン止め弁29を閉状態とする。一方、シュラウド内側領域の除染時には、第一供給ライン止め弁28を閉状態とし、第二供給ライン止め弁29を開状態とする。
このように構成した除染システム10において、本実施形態に係る原子炉圧力容器11の除染方法は、第一供給ライン26から流入させた除染液を原子炉圧力容器11内の上方から原子炉圧力容器11の内壁面方向に噴出させて、この内壁及びシュラウド12の外側を除染する第一除染ステップと、原子炉圧力容器11の内壁とシュラウド12の外側との間に溜まる除染液を原子炉圧力容器11から流出させ、仮設ポンプを用いて循環させる第一循環ステップと、を含む。
さらに、第一供給ライン26と第二供給ライン27とを切り替えるステップと、第二供給ライン27から流入させた除染液をシュラウド12の上方からシュラウド12の内側に噴出させてシュラウド12の内側を除染する第二除染ステップと、シュラウド12の内側に溜まる除染液を原子炉圧力容器11から流出させ、仮設ポンプ21を用いて循環させる第二循環ステップと、を含む。なお、第一除染ステップ及び第二除染ステップはいずれを先に実行しても良い。
以上のように、シュラウド12の外側領域と内側領域とを分けて除染を実施し、それぞれの除染ステップで除染液を循環させる。つまり、シュラウド12を含む原子炉圧力容器11の全体を除染液に浸漬し、除染液を循環させて除染させるわけではない。
これにより、除染に必要な除染液の流量を低減することができ、十分な線流速が得ることができる。したがって、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプ21のみの運転であっても高い除染効果を実現することが可能となる。
シュラウド12の外側領域及び内側領域を除染する方法についてそれぞれ具体的に説明する。
まず、図2を用いてシュラウド12の外側領域を除染する方法について説明する。図2は、図1に示した除染システム10の原子炉圧力容器11部分を拡大して、除染時における除染液の流れを示した説明図である。
シュラウド外側領域の除染時において、再循環水出口ノズル14が、原子炉圧力容器11と仮設循環ライン24との取り合いとなる。このため、シュラウド外側引き抜きライン止め弁19を開状態にして、除染液を仮設循環ライン24に流通させる。このとき、シュラウド内側引き抜きライン止め弁20は閉状態とする。
なお、再循環水出口ノズル14には再循環配管が接続されているが、この接続を切り離して、仮設循環ライン24のみを接続する構成としても良い。
第一供給ライン26は、原子炉圧力容器ヘッド(RPVヘッド)18に設けられたノズルを介して原子炉圧力容器11内に挿入されている。そして、原子炉圧力容器11内で接続されたスプレイリング30に除染液を供給する。
スプレイリング30は、原子炉圧力容器11内の上部に設けられ、供給された除染液を原子炉圧力容器11の内壁に噴出するものである。スプレイリング30は、断面円形のリング形状を有して、除染液を原子炉圧力容器11の内壁面方向に噴出する。
噴出された除染液は、原子炉圧力容器11の内壁に到達、液膜を形成し、壁面を流下していく。これにより、原子炉圧力容器11の内壁全体が除染される。
スプレイリング30の具体的な固定方法について説明する。
スプレイリング30は、ヘッダ吊天秤45を介してRPVヘッド18に固定して設置する。スプレイリング30をRPVヘッド18に固定することで、高い位置から除染液を安定的に噴出することができる。
また、除染時は、除染液の温度が100℃近くなるため、原子炉圧力容器11に蓋をして内部を閉止する必要がある。
原子炉圧力容器11とRPVヘッド18は、それぞれ容器と蓋の関係にある。このため、スプレイリング30をRPVヘッド18側に固定することで、除染用に仮設の蓋を製作するより、原子炉圧力容器11本体とのフランジ面の密着性が良く、安定して内部を閉止することができる。
さらに、RPVヘッド18を使用することで、設備の有効利用が可能となるとともに仮設の蓋を製作する手間を省くことができる。
図3は、スプレイリング30の取り付け構成を示している。
ヘッダ吊天秤45は、RPVヘッド18の内側に備えられたドライヤホールドダウンブラケット46を利用して固定する。そして、スプレイリング30は、ヘッダ吊天秤45に固定される。
このように、ドライヤホールドダウンブラケット46を利用して、ヘッダ吊天秤45を介してスプレイリング30をRPVヘッド18に固定する。
図2に戻って説明を続ける。
蒸気乾燥器、気水分離器(図示省略)を取り出した場合、シュラウド12より上方では原子炉圧力容器11の内壁が除染対象となる。
スプレイリング30を用いて原子炉圧力容器11の上部から除染液を流下させて内壁を除染することにより、内壁全体を除染液に浸漬して除染する場合と比較して、除染時の水位を下げることができる。さらに、除染に必要な除染液の液量を大幅に低減することが可能となる。
なお、除染液の液膜が原子炉圧力容器11の内壁を流下する過程で薄くなる場合や蒸発した場合、除染効果が低下する。このため、スプレイリング30は、除染液の液膜厚が維持されるように除染液の噴出を行う。例えば、原子炉圧力容器11の内径5.5m、流下距離8mの場合、200m/h程度の噴出流量により液膜の維持をすることができる。
そして、原子炉圧力容器11の内壁を流下する除染液は、アニュラス部に溜められていく。これにより、シュラウド12の外側(外壁)は、アニュラス部の除染液に浸漬されて除染される。
アニュラス部に溜められた除染液は、再循環水出口ノズル14から流出され、仮設循環ライン24を介して、再び第一供給ライン26に戻される。このような、除染液の循環により、シュラウド12の外側領域が除染される。
シュラウド外側領域の除染時には、シュラウド12の内側領域には除染液が満たされず、除染液の循環はアニュラス部のみとなる。これにより、除染に必要な除染液の循環流量を低減することができ、十分な線流速が得ることができる。
したがって、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプ21(図1)のみの運転であっても高い除染効果を実現することが可能となる。
なお、シュラウド外側領域の除染時に、スプレイリング30から噴出された除染液の一部やアニュラス部に溜められた除染液の一部が、シュラウド12の内側に流入する場合がある。この流入した除染液は、原子炉圧力容器11の底部に滞留することになる。
この場合、シュラウド外側領域に続けてシュラウド内側領域を除染するならば、除染液として利用できるため、特に対応する必要はない。一方、続けて除染しないときは、原子炉圧力容器(RPV)ボトムドレンライン止め弁43を閉止して原子炉圧力容器(RPV)ボトムドレンライン17から排水弁44を経由して系統外に排出する必要がある。
続けて、図4を用いてシュラウド12の内側領域を除染する方法について説明する。図4は、シュラウド内側領域の除染時における除染液の流れを示した説明図である。
シュラウド内側領域の除染時において、原子炉圧力容器11と仮設循環ライン24との取り合いは、再循環水入口ノズル13、インコアモニタ(ICM)ハウジング15、炉心差圧計ノズル16及び原子炉圧力容器11の底部から出ているRPVボトムドレンライン17となる。また、必要に応じて、原子炉圧力容器11底部の制御棒駆動機構(CRD)ハウジング(図示省略)の一部からも取り合う構成しても良い。
このため、シュラウド内側引き抜きライン止め弁20を開状態にして、除染液を仮設循環ライン24に流通させる。このとき、シュラウド外側引き抜きライン止め弁19は閉状態とする。
ICMハウジング15はモニターを外して、フレンジ部で仮設循環ライン24に接続され、炉心差圧計ノズル16及びRPVボトムドレンライン17は、炉外で切断し、フランジを溶接して仮設循環ライン24に接続される。
再循環水入口ノズル13(通常、3箇所)には再循環配管が接続されているが、この接続を切り離して、仮設循環ライン24のみを接続する構成としても良い。
なお、前述において、再循環水出口ノズル14を再循環配管から切り離す構成を示した。再循環水入口ノズル13及び再循環水出口ノズル14を再循環配管から切り離すことで、仮設循環系統と再循環系統とは分離されることとなる。
これにより、原子炉圧力容器11の除染中に、原子炉格納容器内の保全作業を並行して実施することができる。
まず、第一供給ライン26から第二供給ライン27への切り替えを行う。
第二供給ライン27は、RPVヘッド18に設けられたノズルを介して原子炉圧力容器11内に挿入されており、原子炉圧力容器11内で接続されたスプレイノズル31に除染液を供給する。
スプレイノズル31は、シュラウド12の上方からシュラウド12の内側に除染液を噴出するものである。これにより、内部の構造物を含むシュラウド12の内側全体が除染される。
なお、スプレイノズル31は、シュラウド12の内側全体に除染液を噴出できれば良く、形状、構造等は問わない。固定方法については、第二供給ライン27で支持する構成、シュラウド12のフランジ部に保持される構成等が考えられる。
そして、シュラウド12の内側に溜まった除染水は、再循環水入口ノズル13等から流出され、仮設循環ライン24を介して、再び第二供給ライン27に戻される。このような、除染液の循環により、シュラウド12の内側領域が除染される。
シュラウド内側領域の除染時には、シュラウド12の外側には除染液が満たされず、除染液の循環はシュラウド12の内側のみとなる。これにより、除染に必要な除染液の流量を低減することができ、十分な線流速を得ることができる。したがって、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプ21のみの運転であっても高い除染効果を実現することが可能となる。
以上のように、シュラウド12の外側領域と内側領域とを別々に除染して、それぞれの除染ステップで除染液を循環させることで、再循環ポンプに比べて流量が少ない仮設ポンプ21のみの運転であっても高い除染効果を実現することが可能となる。
具体的には、通常、原子炉圧力容器11内部の除染には200〜300mの系統容量が必要であるのに対して、本実施形態を用いることにより40〜70mに削減することが可能となる。
このため、仮設ポンプ21について、大型なものは不要となり、400MWe級沸騰水型原子炉ならば60m/h程度の仮設ポンプ21が2台程度で十分な除染効果が得られる。
また、仮設ポンプ21のみの運転で高い除染効果を得ることができるため、再循環ポンプの運転が不要となり、再循環ポンプの運転時に必要であった運転制御、それに伴う運転員の作業負荷がなくなり、運転上のリスクが低減される。
次に、本実施形態に適用する多重ステップ化学除染法について説明する。
多重ステップ化学除染法は、除染液に酸化剤を注入する酸化工程と還元剤を注入する還元工程を交互に繰り返して除染を行う方法である。放射能を内包した鉄主体の外層とクロム主体の内層から成る酸化皮膜に対し、酸化工程及び還元工程を繰り返し行うことにより、酸化皮膜はほぼ溶解除去し、高い除染率が得られる。
図5は、本実施形態で適用する化学除染の除染フローを示す図である(適宜、図1参照)。ここでは、シュラウド12の外側領域、内側領域の順に除染する流れについて説明し、酸化剤にオゾン、還元剤にシュウ酸を用いる場合について説明する。
まず、仮設循環系統への水張りを行い、仮設ポンプ21及びヒータ22による循環昇温後、薬注タンク32で調製したシュウ酸溶液を薬注ポンプ33にて仮設循環ライン24に注入する(S10〜S12)。
そして、第一供給ライン26から除染液(シュウ酸溶液)を原子炉圧力容器11内に流入させて、シュラウド外側の除染を行う、これが還元工程となる(第1サイクル除染:S13)。
このとき、カチオン樹脂塔入口弁37、カチオン樹脂塔出口弁39を一定時間開とし、除染により溶解した金属及び放射能をカチオン樹脂塔35に通水捕集する。
そして、放射能の溶解がおさまったら除染剤分解装置25を起動して、シュウ酸を分解する(S14)。
次いで、オゾン発生装置41を起動し、オゾン注入弁42を開にすることでオゾンを仮設循環ライン24に注入する(S15)。なお、薬注タンク32で調製したオゾン水を薬注ポンプ33にて仮設循環ライン24に注入する構成としてもよい。
そして、第一供給ライン26から除染液(オゾン水)を原子炉圧力容器11に流入させる、これが酸化工程となる(第2サイクル酸化:S16)。
酸化工程終了後、再び還元工程へ移行する。なお、オゾンは自己分解するため特に分解工程を必要としない。
第1サイクル除染と同様に、第一供給ライン26から除染液(シュウ酸溶液)を原子炉圧力容器11に流入させて(S17)、シュラウド外側領域の除染を行う(第2サイクル除染:S18)。
そして、放射能の溶解がおさまったら除染剤分解装置25を起動して、シュウ酸を分解する(S19)。
除染の進行とともに線量率の低減が図れるが、必要に応じてさらに酸化工程及び還元工程を繰り返し実施する。最終的には、シュウ酸を分解後に最終浄化を行う。
最終浄化は、混床樹脂塔入口弁38、混床樹脂塔出口弁40を開状態として、混床樹脂塔36に通水することで系統水の浄化を行う(S20)。
続いて、第一供給ライン26から第二供給ライン27に切り替えて、第二供給ライン27に水を移送させる(S21、S22)。
そして、シュラウド外側領域の除染時と同様の方法で、シュラウド内側領域の除染を行う(S23〜S32)。
このように、シュラウド外側領域及びシュラウド内側領域の除染時において、酸化工程と還元工程とを交互に繰り返すことにより高い除染率を得えることができる。
なお、図5では、シュラウド12の外側領域を先に除染する構成を示したが、シュラウド12の内側領域を先に除染する構成としてもよい。
図6は、図5に示した除染フローの変形例を示す図である(適宜、図1参照)。図5と同一のステップには同一の符号を付して、重複する動作については説明を省略する。
この構成は、酸化工程または還元工程の際に、第一供給ライン26と第二供給ライン27との切り替えることを特徴とする。
例えば、シュラウド内側領域での酸化工程の際に(S28)、第二供給ライン27から第一供給ライン26に切り替えて(S21)、連続してシュラウド外側領域で酸化工程を行う(S16)。
このように、同一工程中にシュラウド12の外側と内側とを切り替えて除染液を使い回すことにより、薬液の変更回数を減らすことが可能となり、除染液廃棄物の発生量を低減することができる。
図7は、原子炉圧力容器11の底部に気体を注入する方法の一例を示したものであり、原子炉圧力容器11の底部に設けられた制御棒駆動機構(CRD)ハウジング47へのバブリング方法を示している。
原子炉圧力容器11の底部には、CRDハウジング47があり、制御棒駆動ピストン48が装備されている。
CRDハウジング47は、CRDが組み込み状態にあるため、除染液の滞留部となりやすい。この部分に対して、水圧制御ユニット(HCU)49側から発電所内の空気ヘッダ58を用いて空気等の気体を注入してバブリングを行う。
具体的な方法について説明する。
まず、制御棒挿入・引抜配管の残留水は、除染開始前の炉内水抜き時に合わせてHCU側の弁操作にて排水する。
その後、制御棒引抜側ベント弁53、制御棒引抜側HCU隔離弁55、制御棒挿入側ベント弁54及び制御棒挿入側HCU隔離弁56を全閉とする。
次に、制御棒引抜側ベント弁53の先にある接続継手部57に空気注入ホース59を接続して、空気ヘッダ58から空気を加圧状態にする。
そして、除染実施時に、制御棒引抜側ベント弁53を適宜開操作し、空気を制御棒引抜用水配管51に注入する。
CRD内に注入された空気は、制御棒挿入用水配管52側の制御棒挿入側ベント弁54及び制御棒挿入側HCU隔離弁56が全閉であることから逃げ場を失って、CRD内メタルタッチ部から漏れ出して炉心へ向かって上昇する。この空気注入を連続して行うことで、CRD内に滞留した除染液がバブリングされる。なお、符号50は制御棒駆動水ポンプである。
これにより、滞留する除染液の撹拌、置換が促進されCRD構造物も含めて除染させるため、高い除染効果が得られる。
以上述べた原子炉圧力容器の除染方法によれば、シュラウドの外側領域と内側領域とを別々に除染することにより、再循環ポンプを運転せずに、仮設ポンプのみの運転においても高い除染効果を実現することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、本実施形態は、シュラウドの内側と外側とが隔離されていない原子炉であっても、除染動作前に連通部分を塞ぐことにより、シュラウドの内側と外側とを隔離することで適用可能となる。
10…原子炉圧力容器除染システム、11…原子炉圧力容器、12…シュラウド、13…再循環水入口ノズル、14…再循環水出口ノズル、15…インコアモニタ(ICM)ハウジング、16…炉心差圧計ノズル、17…原子力圧力容器(RPV)ボトムドレンライン、18…原子炉圧力容器(RPV)ヘッド、19…シュラウド外側引き抜きライン止め弁、20…シュラウド内側引き抜きライン止め弁、21…仮設ポンプ、22…ヒータ、23…仮設循環ライン止め弁、24…仮設循環ライン、25…除染剤分解装置、26…第一供給ライン、27…第二供給ライン、28…第一供給ライン止め弁、29…第二供給ライン止め弁、30…スプレイリング、31…スプレイノズル、32…薬注タンク、33…薬注ポンプ、34…薬注ライン止め弁、35…カチオン樹脂塔、36…混床樹脂塔、37…カチオン樹脂塔入口弁、38…混床樹脂塔入口弁、39…カチオン樹脂塔出口弁、40…混床樹脂塔出口弁、41…オゾン発生装置、42…オゾン注入弁、43…原子力圧力容器(RPV)ボトムドレンライン止め弁、44…排水弁、45…ヘッダ吊天秤、46…ドライヤホールドダウンブラケット、47…制御棒駆動機構(CRD)ハウジング、48…制御棒駆動ピストン、49…水圧制御ユニット(HCU)、50…制御棒駆動水ポンプ、51…制御棒引抜用水配管、52…制御棒挿入用水配管、53…制御棒引抜側ベント弁、54…制御棒挿入側ベント弁、55…制御棒引抜側HCU隔離弁、56…制御棒挿入側HCU隔離弁、57…接続継手部、58…空気ヘッダ、59…空気注入ホース。

Claims (9)

  1. 第一供給ラインから流入させた除染液を原子炉圧力容器内の上方から前記原子炉圧力容器の内壁面方向に噴出させて、この内壁及びシュラウドの外側を除染する第一除染ステップと、
    前記原子炉圧力容器の内壁と前記シュラウドの外側との間に溜まる前記除染液を前記原子炉圧力容器から流出させ、仮設ポンプを用いて循環させる第一循環ステップと、
    前記第一供給ラインと第二供給ラインとを切り替えるステップと、
    前記第二供給ラインから流入させた前記除染液を前記シュラウドの上方から前記シュラウドの内側に噴出させて前記シュラウドの内側を除染する第二除染ステップと、
    前記シュラウドの内側に溜まる前記除染液を前記原子炉圧力容器から流出させ、前記仮設ポンプを用いて循環させる第二循環ステップと、
    を含むことを特徴とする原子炉圧力容器の除染方法。
  2. 前記原子炉圧力容器の再循環水入口ノズル及び再循環水出口ノズルにおいて、再循環系配管を切り離し、前記仮設ポンプによって前記除染液が循環する仮設循環ラインを接続したことを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  3. 前記第一除染ステップは、
    前記原子炉圧力容器内の上部に設けられ、前記除染液を前記原子炉圧力容器の内壁に噴出するスプレイリングにより前記除染液が噴出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  4. 前記スプレイリングは、原子炉圧力容器ヘッドに固定して設けられたことを特徴とする請求項に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  5. 前記第一除染ステップ及び前記第二除染ステップは、
    前記除染液に酸化剤を注入する酸化工程と還元剤を注入する還元工程とを交互に繰り返すことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  6. 前記酸化工程または前記還元工程の際に、前記第一供給ラインと前記第二供給ラインとの切り替えを行うことを特徴とする請求項に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  7. 前記原子炉圧力容器の底部に気体を注入して、滞留する前記除染液をバブリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  8. 前記シュラウドの内側と外側とが連通する原子炉圧力容器の除染方法であって、前記除染前に当該連通部分を塞ぐステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の除染方法。
  9. 原子炉圧力容器内の上方に設けられ、第一供給ラインから流入させた染液を前記原子炉圧力容器の内壁面方向に噴出するスプレイリングと、
    前記原子炉圧力容器から流出させた前記除染液を循環させる仮設ポンプと、
    前記第一供給ラインと第二供給ラインとを切り替えて、前記第二供給ラインから流入させた前記除染液をシュラウドの上方から前記シュラウドの内側に噴出するスプレイノズルと、を備えたことを特徴とする原子炉圧力容器の除染システム。
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