JP6226517B2 - 反射型マスクの製造方法、および反射型マスクの製造装置 - Google Patents
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このEUVリソグラフィ法に用いられる反射型マスクの製造においては、基板の主面に反射層、キャッピング層(ストッパ層などとも称される)、吸収層を順次形成し、吸収層をドライエッチング処理することで、所望のパターンを有するパターン領域を形成している。そして、吸収層とキャッピング層と反射層とをドライエッチング処理することで、パターン領域を囲む遮光領域(遮光枠などとも称される)を形成している。
この場合、遮光領域を形成する際には、塩素を含むガスやフッ素を含むガスを用いたドライエッチング処理が行われている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、キャッピング層がルテニウム(Ru)を含む場合に、キャッピング層に対して塩素を含むガスやフッ素を含むガスを用いたドライエッチング処理を行うと、ルテニウムを含む残渣が発生するという問題がある。
基板の上に設けられた、モリブデン層とシリコン層とを交互に積層した反射層と、
前記反射層の最上層のシリコン層の上に設けられ、ルテニウムを含むキャッピング層と、
前記キャッピング層の上に設けられた吸収層と、
前記吸収層に設けられたパターン領域と、を備えた反射型マスクの製造方法であって、
前記吸収層と前記キャッピング層と前記反射層とに前記パターン領域を囲む遮光領域を形成する工程を備え、
前記遮光領域を形成する工程において、
前記吸収層及び前記キャッピング層が露出した表面に形成され、前記遮光領域をパターンニングされたレジストをマスクとして、
前記キャッピング層に対しては不活性ガスを用いた物理的なドライエッチング処理を施して前記キャッピング層を除去し、前記キャッピング層を除去することで露出した前記反射層に対しては塩素と酸素の混合ガスを用いた化学的なドライエッチング処理を施して前記反射層を除去する反射型マスクの製造方法が提供される。
(マスクブランクの製造)
図1は、マスクブランク200を例示するための模式断面図である。
まず、反射型マスク210の製造に用いるマスクブランク200を製造する。
図1に示すように、マスクブランク200に設けられた基板201の一方の主面には、反射層202、キャッピング層203、吸収層204がこの順で積層されるようにして形成されている。また、基板201の他方の主面には、導電層205が形成されている。
なお、反射層202、キャッピング層203、吸収層204は、直接接触して積層していなくてもよく、各々の間に他の機能を有する別の層が存在していてもよい。
キャッピング層203は、スパッタリング法などを用いて、反射層202の上にルテニウムからなる膜を成膜することで形成することができる。
図2は、キャッピング層203の構成を例示するための模式断面図である。
図2に示すように、反射層202の最上層であるシリコン層202aの上にルテニウムからなる膜を成膜すると、シリコン層202aと、ルテニウムからなる層203aとの間に、シリコンとルテニウムを含む混在層203bが形成される。
すなわち、キャッピング層203は、ルテニウムからなる層203aと、少なくともシリコンとルテニウムとを含む混在層203bと、から形成されている。
吸収体層204aは、露光光である極端紫外線を吸収する。吸収体層204aは、例えば、タンタルの窒化物(例えば、タンタルホウ素窒化物(TaBN)、窒化タンタル(TaN)など)やクロムの窒化物(例えば、窒化クロム(CrN)など)などを含むものとすることができる。
反射防止層204bは、波長250nm近傍の検査光に対する反射防止層(AR層)として機能する。反射防止層204bは、例えば、タンタルの酸化物(例えば、タンタルホウ素酸化物、酸化タンタル(TaO)など)やクロムの酸化物(例えば、酸化クロム(CrOx)など)などを含むものとすることができる。
例えば、マスクブランク200の製造においては、基板201の主面上に反射層202を形成する工程、反射層202の上にルテニウムを含むキャッピング層203を形成する工程、キャッピング層203の上に吸収層204を形成する工程などを設けるようにすることができる。
次に、この様にして製造されたマスクブランク200から反射型マスク210を製造する。
なお、ここでは、一例として、基板201が低熱膨張材料(LTEM)から形成され、反射層202がモリブデン層とシリコン層とを有し、キャッピング層203がルテニウムからなる層203aと、少なくともシリコンとルテニウムとを含む混在層203bと、を有し、吸収体層204aがタンタルホウ素窒化物から形成され、反射防止層204bがタンタルホウ素酸化物から形成されている場合を例示する。
まず、吸収層204にパターン領域216を形成する工程について例示をする。
図3(a)に示すように、吸収体層204aの表面にEBレジスト(電子線直接描画用のレジスト)211aを塗布する。そして、電子線描画装置を用いて所望のパターン(例えば、回路パターンなど)を描画し、ポスト・エクスポージャー・ベーク(PEB;Post Exposure Bake)、現像などを行うことで所望のレジストパターンを有するレジストマスク211形成する。
タンタルホウ素酸化物から形成された反射防止層204bのドライエッチング処理は、例えば、フッ素を含むガス(例えば、CF4、SF6、CHF3など)を用いたドライエッチング処理とすることができる。
タンタルホウ素窒化物から形成された吸収体層204aのドライエッチング処理は、例えば、塩素を含むガス(例えば、Cl2、BCl3など)を用いたドライエッチング処理とすることができる。
この場合、ドライアッシング処理とすることもできるし、薬液を用いたウェットアッシング処理とすることもできる。
ただし、酸素を含むガスを用いたドライアッシング処理を行うようにすると、ルテニウムを含むキャッピング層203にダメージが発生するおそれがある。
そのため、ドライアッシング処理によりレジストマスク211を除去する場合には、例えば、アンモニアガスなどのような酸素を含まないガスを用いたドライアッシング処理を行うようにすることが好ましい。
なお、レジストマスク211を除去した後、必要に応じて、欠陥検査や欠陥部の修正などを行うようにすることもできる。
以上のようにして、パターン領域216が形成される。
次に、吸収層204とキャッピング層203と反射層202とにパターン領域216を囲む遮光領域217を形成する工程について例示をする。
遮光領域217は、パターン領域216を囲むように形成される枠状の領域であり、パターンを転写する際に露光光が隣接する領域に漏れないようにするために形成される。
反射防止層204b、吸収体層204aのドライエッチング処理は、図3(b)において例示をしたものと同様とすることができる。
なお、パターン領域216の形成の際に遮光領域217の吸収体層204a、反射防止層204bを同時にドライエッチング処理することも可能である。
この様な場合、ルテニウムからなる層203aは、塩素を含むガスやフッ素を含むガスを用いたドライエッチング処理により除去することができる。
これは、シリコンのエッチングレートが、ルテニウムのエッチングレートよりも高いために、シリコンの部分が先に除去されてルテニウムの部分が残渣として残るためである。 なお、混在層203bがシリコンと酸化シリコンとルテニウムを含む場合も、エッチングレートの違いによりルテニウムの部分が残渣として残ることになる。
しかしながら、ルテニウムと酸素の化合物である二酸化ルテニウムは有毒であるため、酸素を含まないガスを用いてキャッピング層203のドライエッチング処理を行うことが好ましい。
そのため、遮光領域217を形成する工程において、不活性ガスからイオンを生成し、キャッピング層203に対してイオンによる物理的なドライエッチング処理を施すようにしている。
そのため、キャッピング層203がルテニウムを含む場合であっても、残渣の発生を抑制することができる。
またさらに、不活性ガスを用いてドライエッチング処理を行うようにすれば、毒性のある二酸化ルテニウムが生成されることもない。
この場合、ルテニウムやシリコンなどとの反応性が低いこと、形成されるイオンの質量が大きいことなどを考慮すると、不活性ガスとしてアルゴンガス、キセノンガスを用いることが好ましい。
またさらに、入手の容易さや経済性を考慮すると、不活性ガスとしてアルゴンガスを用いることが好ましい。
低い圧力においてドライエッチング処理を行うようにすれば、イオンとガスとの衝突が少なくなるので、領域212aに露出しているキャッピング層203に効率よくイオンを入射させることができる。そのため、キャッピング層203の除去効率を向上させることができる。
この場合、ドライエッチング処理における処理圧力は、例えば、1Pa程度とすることができる。
また、ドライエッチング処理における不活性ガスの流量は、例えば、100sccm程度とすることができる。
自己バイアス電圧を発生させてドライエッチング処理を行うようにすれば、生成されたイオンを加速して領域212aに露出しているキャッピング層203に衝撃させることができる。そのため、キャッピング層203の除去効率を向上させることができる。
自己バイアス電圧を発生させてドライエッチング処理を行う場合としては、例えば、後述する二周波プラズマエッチング装置などを用いてドライエッチング処理を行う場合を例示することができる。
自己バイアス電圧は、キャッピング層203の除去効率を向上させるように制御することができる。例えば、遮光領域217の形成において、パルス電圧をかけ、反射層202のエッチング時よりもキャッピング層203のエッチング時に電極部4の電位の振幅が大きくなるように制御し、イオンを引き寄せる力を強くすることができるようにする。
また、キャッピング層203のエッチング処理は、物理的なドライエッチング処理であるので、キャッピング層203とレジストマスク212とのエッチングの選択比がとれず、レジストマスク212をキャッピング層203と同様に除去しまう。そのため、キャッピング層203の除去が行われる領域(遮光領域217)に対応する電極部4の一部の領域を、他の領域と分割し、電位の制御を独立して行うようにすることもできる。その様にすれば、イオンの入射方向をキャッピング層203の除去が行われる領域(遮光領域217)に向かわせることができるので、レジストマスク212の厚さを維持しつつキャッピング層203を除去することができる。
この場合、塩素を含むガスやフッ素を含むガスの添加量を多くしすぎると、イオンによる物理的なドライエッチング処理の効果が低減するおそれがある。
そのため、塩素を含むガスやフッ素を含むガスの添加量は、総ガス流量の4vol%未満とすることが好ましい。
すなわち、総ガス流量における不活性ガスの量を96vol%以上とすることが好ましい。
図3(g)に示すように、モリブデン層とシリコン層とを有する反射層202をドライエッチング処理する。
ここで、反射層202のドライエッチング処理を行うとレジストマスク212も除去されることになる。そのため、レジストマスク212の再形成が必要となる場合がある。
この場合、レジストの塗布、パターンの描画、ポスト・エクスポージャー・ベーク、現像などを繰り返し行うようにすれば生産性が著しく低下することになる。
この場合、モリブデン、シリコン、レジストに対するそれぞれのエッチングレートを考慮してレジストの塗布厚みを設定すれば、レジストマスク212の再形成を行うことなく遮光領域217を形成することができる。
この場合、塩素を含むガスとしては、例えば、Cl2、CCl4、HClなどを例示することができる。
塩素と酸素とを含むガスを用いることは、酸化シリコン層に対する選択比が大きくなるガス条件である。そのため、酸化シリコン層のエッチングレートが非常に低くなり、酸化シリコン層が残渣となって残るおそれがある。
そして、フッ素を含むガスを添加する場合において、塩素を含むガスに対するフッ素を含むガスの添加量を調整することで、モリブデンとシリコンをほぼ同じエッチングレートで除去することができるようになる。
さらに、塩素と酸素とを含むガスを用いてドライエッチング処理した場合と比べて、酸化シリコン層のエッチングレートを10倍近く高くすることができる。そのため、酸化シリコン層が残渣とならないようなドライエッチング処理を行うことができる。
またさらに、キャッピング層203よりも厚みが厚い反射層202のドライエッチング処理においては、反射層202とレジストマスク212とのエッチングの選択比をとるために、化学的なドライエッチング処理を行う必要がある。つまり、キャッピング層203のドライエッチング処理の際に用いた不活性ガスの種類・流量は、反射層202のドライエッチング処理においては用いることができず切り替える必要がある。
この場合、キャッピング層203のドライエッチング処理の際に用いた不活性ガスの種類・流量を引き続き用いると、イオンによる物理的なドライエッチング処理が行われるため、レジストマスク212も反射層202と同様にエッチングされてしまうことになる。そのため、レジストマスク212が消耗し、レジストマスク212の再形成を行う必要が生じるおそれがある。
例えば、キャッピング層203に対しては、アルゴンと塩素の混合ガスを用いた物理的なドライエッチング処理を行い、反射層202に対しては処理ガスを切り替えて塩素と酸素の混合ガスを用いた化学的なドライエッチング処理を行うことができる。
この場合、前述したレジストマスク211の除去と同様に、例えば、アンモニアガスなどのような酸素を含まないガスを用いたドライアッシング処理を行うことができる。
以上のようにして、遮光領域217を形成することで、反射型マスク210が製造される。
図4は、第2の実施形態に係る反射型マスクの製造装置を例示するための模式断面図である。
図4に例示をする反射型マスクの製造装置は、二周波プラズマエッチング装置である。 図4に示すように、製造装置160には、処理容器161、処理容器161に設けられた搬入搬出口179を閉鎖するゲートバルブ177、処理容器161の内部に複数の処理ガスGを選択的に供給する供給部168、処理容器161の内部を排気する排気部169、供給部168を制御する制御部170などが設けられている。
処理ガスGは、供給部168から処理ガス導入口162を介して処理容器161の内部に供給される。処理ガスGが処理容器161の内部に供給される際には、供給部168に設けられた図示しない処理ガス調整部により処理ガスGの流量や圧力などが調整される。
処理空間163の下方には電極部4が設けられている。電極部4には高周波電源6bが整合器16を介して接続されている。また、処理容器161は接地されている。
製造装置160は、上部に誘導結合型電極を有し、下部に容量結合型電極を有する二周波プラズマエッチング装置である。すなわち、電極部4と処理容器161とが容量結合型電極を構成し、また、コイル20が誘導結合型電極を構成する。
高周波電源6cは、100KHz〜100MHz程度の周波数を有し、3KW程度の高周波電力をコイル20に印加するものとすることができる。
整合器16、16aには図示しないチューニング回路が内蔵されており、図示しないチューニング回路で反射波を制御することによりプラズマPを制御することができるようになっている。
電極部4は、周囲を絶縁リング5で覆われている。電極部4には被処理物Wが載置可能であり、被処理物Wを保持するための図示しない保持機構や、図示しない被処理物Wの受け渡し部などが内蔵されている。
次に、製造装置160の作用について例示をする。
この場合、一例として、被処理物Wをマスクブランク200とし、マスクブランク200にドライエッチング処理を施して反射型マスク210を製造する場合を例に挙げて説明する。
また、一例として、基板201が低熱膨張材料から形成され、反射層202がモリブデン層とシリコン層とを有し、キャッピング層203が、反射層202の上に設けられ少なくともシリコンとルテニウムとを含む混在層203bと、混在層203bの上に設けられルテニウムからなる層203aとを有し、吸収体層204aがタンタルホウ素窒化物から形成され、反射防止層204bがタンタルホウ素酸化物から形成されている場合を例示する。
ゲートバルブ177の扉173を、図示しないゲート開閉機構により開く。
図示しない搬送部により、搬入搬出口179からマスクブランク200を処理容器内に搬入する。マスクブランク200は電極部4上に載置され、電極部4に内蔵された図示しない保持機構により保持される。
図示しないゲート開閉機構によりゲートバルブ177の扉173を閉じる。
排気部169により処理容器161内を排気する。
この場合、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング処理を行うようにすることができる。
すなわち、まず、供給部168から処理ガス導入口162を介して処理空間163内にフッ素を含むガスが供給される。フッ素を含むガスは、例えば、CF4、CHF3、NF3などやこれらの混合ガスとすることができる。また、フッ素を含むガスの流量は60sccm程度とすることができる。
次に、高周波電源6cより100KHz〜100MHz程度の周波数を有する高周波電力がコイル20に印加される。また、高周波電源6bより100KHz〜100MHz程度の周波数を有する高周波電力が電極部4に印加される。なお、高周波電源6cと高周波電源6bとから印加される高周波電力の周波数が同じとなるようにすることが好ましい。例えば、高周波電源6cと高周波電源6bとから印加される高周波電力の周波数を13.56MHzとすることができる。
また、高周波電源6cは3KW程度の高周波電力を印加し、高周波電源6bは1KW程度の高周波電力を印加するものとすることができる。
また、残余のフッ素を含むガスや反応生成物、副生成物の多くは、排気口167から処理容器161外に排出される。
この場合、供給部168に設けられた図示しない切換部により、供給される処理ガスGの種類が切り替えられる。すなわち、供給部168から塩素を含むガスが供給され、塩素を含むガスを用いたドライエッチング処理が施される。塩素を含むガスとしては、例えば、Cl2、CCl4、HClなどやこれらの混合ガスとすることができる。塩素を含むガスの流量は180sccm程度とすることができる。
以上のようにして、パターン領域216の形成が行われる。
そして、ゲートバルブ177の扉173を図示しないゲート開閉機構により開く。
図示しない搬送部により、パターン領域216が形成されたマスクブランク200を搬出する。
処理容器161の外に搬出されたマスクブランク200は、残余のレジストマスク211の除去が行われ、必要に応じて、欠陥検査や欠陥部の修正などが行われる。
まず、処理容器161の外において、反射防止層204b、吸収体層204a及び露出したキャッピング層203の表面にレジストを塗布し、パターンの描画、ポスト・エクスポージャー・ベーク、現像などを行うことで所望のレジストパターンを有するレジストマスク212を形成する。
次に、前述したものと同様にして、マスクブランク200を処理容器内に搬入する。
そして、前述したものと同様にして、反射防止層204b、吸収体層204a、キャッピング層203、反射層202を順次ドライエッチング処理する。
この様にすれば、キャッピング層203がルテニウムを含む場合であっても、残渣の発生を抑制することができる。
また、吸収層204の側壁などに除去されたルテニウムなどが付着することを抑制するために、塩素を含むガスやフッ素を含むガスを添加することもできる。
例えば、アルゴンガスを用い、処理圧力を1Pa程度、アルゴンガスの流量を100sccm程度とすることができる。
また、塩素を含むガスやフッ素を含むガスを添加する場合には、塩素を含むガスやフッ素を含むガスの添加量を総ガス流量の4vol%未満とすることができる。
この場合、供給部168は、不活性ガスと、塩素を含むガスおよびフッ素を含むガスの少なくともいずれかと、を供給するとともに、総ガス流量における不活性ガスの量を96vol%以上とする。
また、例えば、吸収層204の総厚みが70nm程度、キャッピング層203の厚みが10nm程度、反射層202の総厚みが280nm程度、レジストマスク212の厚みが420nm以上であれば、酸素の添加量を総ガス流量の5vol%以上、30vol%以下とすることで、少なくともレジストマスク212の再形成の回数を大幅に低減させることができる。
この場合、総ガス流量におけるフッ素を含むガスであるCF4の添加量を、5vol%以上、40vol%以下にすることができる。
さらに、塩素と酸素とを含むガスを用いてドライエッチング処理した場合と比べて、酸化シリコン層のエッチングレートを10倍近く高くすることができる。そのため、酸化シリコン層が残渣とならないようなドライエッチング処理を行うことができる。
なお、搬入や搬出に関連する作用、プラズマPを発生させることに関連する作用などは、パターン領域216を形成する場合と同様であるため詳細な説明は省略する。
また、残余のレジストマスク212の除去も前述したレジストマスク211の除去と同様とすることができる。
図5は、第3の実施形態に係る反射型マスクの製造装置を例示するための模式レイアウト図である。
前述した製造装置160は、1つの処理容器161の内部で、反射層202、キャッピング層203、および吸収層204に対するドライエッチング処理を行うものであるが、本実施の形態に係る反射型マスクの製造装置100は、それぞれの層に対するドライエッチング処理を行うための処理容器を備えている。
ロードロック部110とトランスファー部120、トランスファー部120と第1の処理部140、トランスファー部120と第2の処理部150、トランスファー部120と第3の処理部180との間の壁面には搬入搬出口が形成されている。そして、各搬入搬出口を介してロードロック部110とトランスファー部120、トランスファー部120と第1の処理部140、トランスファー部120と第2の処理部150、トランスファー部120と第3の処理部180とがその内部空間を連通させるようにして接続されている。なお、ロードロック部110、トランスファー部120、第1の処理部140、第2の処理部150、第3の処理部180は、減圧雰囲気を維持することができるように気密構造となっている。
そして、トランスファー部120の内部に被処理物W(例えば、マスクブランク200)がある場合には、トランスファー排気部129は、トランスファー部120の内部を排気して、トランスファー部120の内部の酸素濃度を大気の酸素濃度よりも低くする。
そして、トランスファー部120の内部に被処理物W(例えば、マスクブランク200)がある場合には、不活性供給部128は、トランスファー部120の内部を不活性ガスでパージして、トランスファー部120の内部の酸素濃度を大気の酸素濃度よりも低くする。
なお、ロードロック部110は必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けるようにすればよい。
また、各搬入搬出口を気密に閉鎖するための図示しないゲートバルブが設けられている。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、マスクブランク200、反射型マスク210、製造装置160、製造装置100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (6)
- 基板の上に設けられた、モリブデン層とシリコン層とを交互に積層した反射層と、
前記反射層の最上層のシリコン層の上に設けられ、ルテニウムを含むキャッピング層と、
前記キャッピング層の上に設けられた吸収層と、
前記吸収層に設けられたパターン領域と、を備えた反射型マスクの製造方法であって、
前記吸収層と前記キャッピング層と前記反射層とに前記パターン領域を囲む遮光領域を形成する工程を備え、
前記遮光領域を形成する工程において、
前記吸収層及び前記キャッピング層が露出した表面に形成され、前記遮光領域をパターンニングされたレジストをマスクとして、
前記キャッピング層に対しては不活性ガスを用いた物理的なドライエッチング処理を施して前記キャッピング層を除去し、前記キャッピング層を除去することで露出した前記反射層に対しては塩素と酸素の混合ガスを用いた化学的なドライエッチング処理を施して前記反射層を除去する反射型マスクの製造方法。 - 前記反射型マスクは、前記反射層と、前記キャッピング層と、の間に、少なくともシリコンとルテニウムとを含む混在層をさらに備えている請求項1記載の反射型マスクの製造方法。
- 前記遮光領域を形成する工程において、前記物理的なドライエッチング処理を施す際に、前記不活性ガスに、塩素を含むガスおよびフッ素を含むガスの少なくともいずれかを添加する請求項1または2に記載の反射型マスクの製造方法。
- 基板の上に設けられた、モリブデン層とシリコン層とを交互に積層した反射層と、前記反射層の最上層のシリコン層の上に設けられルテニウムを含むキャッピング層と、前記キャッピング層の上に設けられた吸収層と、にパターン領域を囲む遮光領域を形成する反射型マスクの製造装置であって、
処理容器と、
前記処理容器の内部にガスを供給する供給部と、
前記処理容器の内部を排気する排気部と、
前記処理容器の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
を備え、
前記吸収層及び前記キャッピング層が露出した表面に形成され、前記遮光領域をパターンニングされたレジストをマスクとして、
前記キャッピング層に対して物理的なドライエッチング処理を施して前記キャッピング層を除去する際に、前記供給部は、不活性ガスを供給し、
前記キャッピング層を除去することで露出した前記反射層に対して化学的なドライエッチングを施して前記反射層を除去する際に、前記供給部は、塩素と酸素の混合ガスを供給する反射型マスクの製造装置。 - 前記キャッピング層は、前記反射層の上に設けられ少なくともシリコンとルテニウムとを含む混在層と、前記混在層の上に設けられルテニウムからなる層と、を有する請求項4記載の反射型マスクの製造装置。
- 前記供給部は、前記不活性ガスと、塩素を含むガスおよびフッ素を含むガスの少なくともいずれかと、を供給する請求項4または5に記載の反射型マスクの製造装置。
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