JP6226452B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、車両の操舵のための運転者のステアリング(ハンドル)操作をアクチュエータによりアシストするパワーステアリング装置に関する。
従来、例えば、特許文献1、特許文献2などに記載されているように、トラック、バスなどの車両(自動車)において、運転者の操作に応じて車両の操舵輪を操舵する機構の途中に、油圧アクチュエータ或いは電動モータなどの出力を作用させることで、車両の操舵に必要な操舵力をアシスト(補助)し、運転者の操作負担(重たいステアリング操作)を軽減するようにしたパワーステアリング装置が種々提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2006−312411号公報 特開2007−320333号公報
ところで、車両走行中に道路のわだちや横風などの外乱があると、特に、高速走行時には直進性等の走行安定性が損なわれるおそれがある。その結果、運転者は直進性等の走行安定性を保つために、修正ステアリング操作を繰り返す必要があり、特に、比較的長時間の走行が行われることの多いトラックやバスにおいては、運転者の疲労が進行してしまうといったおそれがある。
また、運転者のステアリング操作と、実際に車両の操舵輪が操舵されるまでの間には遊び(ハンドルを回しても、その操作が操舵輪の操舵量として伝達されない領域)が存在するため、上述したような修正ステアリング操作には、熟練が要求されるといった実情がある。
すなわち、外乱による走行安定性の乱れを収束させる方向に及び適切なタイミングで、運転者は修正ステアリング操作を行う必要があるが、前記遊びにより、修正ステアリング操作が思うように操舵輪の操舵として伝達されない場合や、タイミングがずれてしまって乱れを助長してしまうようなタイミングで修正ステアリング操作が操舵輪の操舵として伝達されてしまう場合があり、特に、車両が大きくステアリング機構における操舵力の伝達距離も長くなる(すなわち、比較的大きな遊びが存在する)トラックやバスなどにおいては、運転者には高い熟練が要求されるといった実情がある。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、運転者へのステアリング操作負担を軽減することができ、以って疲労が少なく高い熟練を運転者に要求することのないパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係るパワーステアリング装置は、
車両の操舵のための運転者のステアリングホイール操作に応じて回転されるスタブシャフトと、
該スタブシャフトと同軸的に設けられるウォームシャフトと、
前記スタブシャフトと、前記ウォームシャフトと、を回転連結するトーションバーと、
を備え、
トーションバーのねじれに応じて、スタブシャフト側に設けられる油圧制御バルブと、該油圧制御バルブに対応して設けられると共にウォームシャフト側に設けられるスリーブと、の間において発生される回転方向における相対的な位置ずれに基づいて、前記油圧制御バルブにより所定圧の作動油を制御することにより、車両の操舵をパワーアシストするようにしたパワーステアリング装置であって、
前記スリーブと、前記ウォームシャフトと、を別体に構成し、前記スリーブの前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれを制御可能に構成したものにおいて、
ウォームシャフトと、スリーブと、の間に、一定以上の相対回転が生じることを防止するための凹凸係合部を設けたことを特徴とする。
このため、本発明に係るパワーステアリング装置は、
車両の操舵のための運転者のステアリングホイール操作に応じて回転されるスタブシャフトと、
該スタブシャフトと同軸的に設けられるウォームシャフトと、
前記スタブシャフトと、前記ウォームシャフトと、を回転連結するトーションバーと、
を備え、
トーションバーのねじれに応じて、スタブシャフト側に設けられる油圧制御バルブと、該油圧制御バルブに対応して設けられると共にウォームシャフト側に設けられるスリーブと、の間において発生される回転方向における相対的な位置ずれに基づいて、前記油圧制御バルブにより所定圧の作動油を制御することにより、車両の操舵をパワーアシストするようにしたパワーステアリング装置であって、
前記スリーブと、前記ウォームシャフトと、を別体に構成し、前記スリーブの前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれを制御可能に構成したものにおいて、
前記スリーブの前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれの制御を電動モータを利用して行うと共に、
前記電動モータの出力回転軸にピニオンギヤが取り付けられ、該ピニオンギヤにより前記スリーブを回転させることで、前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれを制御する一方、
前記電動モータと、前記ピニオンギヤと、の間に、電磁クラッチを介装し、
ウォームシャフトと、スリーブと、の間に、一定以上の相対回転が生じることを防止するための凹凸係合部を設けた
ことを特徴とする。
本発明によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、運転者へのステアリング操作負担を軽減することができ、以って疲労が少なく高い熟練を運転者に要求することのないパワーステアリング装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るパワーステアリング装置を含むステアリング機構を説明するための概略全体構成図である。 同上実施の形態に係るパワーステアリング装置をスタブシャフト、ウォームシャフトに沿って切断した断面図である。 同上実施の形態に係るパワーステアリング装置におけるスプールバルブ(油圧制御バルブ)による所定圧の作動油の供給制御を説明する説明図である。 同上実施の形態に係るパワーステアリング装置における電動モータによるスリーブの回転駆動を行わせる構成を抜き出して示す拡大図である。 同上実施の形態に係るパワーステアリング装置におけるウォームシャフトとスリーブとの関係を軸方向から見た図である。 同上実施の形態に係るパワーステアリング装置における修正操舵制御(電動モータによるスリーブの回転方向における相対変位制御)を説明するためのフローチャートである。 同上実施の形態に係るパワーステアリング装置における電動モータとピニオンギヤとの間に配設される電磁クラッチの一構成例を示す断面図である。
以下に、本発明の一実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
本実施の形態に係るパワーステアリング装置100は、図1に示すように、運転者により操舵のために操作されるステアリングホイール(ハンドル)1に回転連結されたスタブシャフト10に連結されて運転者の操作が入力されるように構成されていると共に、この運転者の操作がパワーステアリング装置100においてパワーアシストされてセンタシャフト20に取り付けられたピットマンアーム(揺動アーム)200に出力され、該ピットマンアーム(揺動アーム)200の動きが、ドラッグリンク210、更には、図示しないナックルアーム等を介して操舵輪(図示せず)に伝達されて、車両の操舵輪が操舵されるように構成されている。
パワーステアリング装置100は、図2に示すように、センタシャフト20の外周に取り付けられている(固定されている)ピニオンギヤ21と、該ピニオンギヤ21に噛合するラックギヤ30と、を含んで構成され、ラックギヤ30は、図2中左右方向に摺動自在にシリンダ50に嵌挿されるピストン40と一体的に構成されている。
ピストン40の内側にはウォームシャフト60がボールナット係合等を介して係合されており、ウォームシャフト60の図2左端にはスリーブ70が取り付けられている(固定されている)。
また、スリーブ70の内周側に配設されているスプールバルブ(油圧制御バルブ)80は、スタブシャフト10側に取り付けられており、スタブシャフト10と一体的に、かつ、スリーブ70(ウォームシャフト60)に対して相対に、回転可能に構成されている。
更に、スタブシャフト10の図2右側には、トーションバー11が平行ピン等を介して一体回転可能に取り付けられている一方で、このトーションバー11は、ウォームシャフト60の内周側を挿通され、トーションバー11の図2右端付近においてウォームシャフト60に平行ピン等を介して一体回転可能に結合されている。
このような構成のパワーステアリング装置100を備えたステアリング機構においては、運転者がステアリングホイール1を回転操作すると、ステアリングホイール1と回転連結されているスタブシャフト10が回転され、該スタブシャフト10に連結されているトーションバー11を介して、ウォームシャフト60が回転される。このとき、ウォームシャフト60側が回転抵抗となるため、トーションバー11がねじれ、その結果、トーションバー11側と略一体のスプールバルブ80が、ウォームシャフト60側と略一体のスリーブ70に対して相対回転して、両者の相対的な回転方向位置(回転角度位置)がずれることになる。
このように、スプールバルブ80が、スリーブ70に対して相対回転されることにより、シリンダ室50A(50B)への油路面積、或いは油路が切り替えられることになり、これにより、ピストン40を押す力(油圧)の大きさ、或いはピストン40を押す力(油圧)の向きが変更(制御)されるようになっている。
そして、ピストン40を押す力は、運転者のステアリングホイール1を回転操作する力をアシストしつつ、センタシャフト20に取り付けられたピットマンアーム(揺動アーム)200、ドラッグリンク210、ナックルアーム等を介して操舵輪(図示せず)に伝達され、これにより、運転者のステアリング操作負担(重たいハンドル操作)を軽減しつつ車両の操舵輪を操舵することができるようになっている。
なお、車両が直進走行をしているとき(操舵が行われていないとき)は、トーションバー11にねじれが発生していないため、ウォームシャフト60(スリーブ70)と、スタブシャフト10(スプールバルブ80)と、の間には相対的な回転方向における位置ずれは発生しない。
このため、図3に示すように、スプールバルブ80は、スリーブ70の中間位置にあり、オイルポンプ300から供給される高圧の作動油は、すきまを通ってリザーバータンク400へ戻され、シリンダ室50A(50B)の圧力は上昇されないため、互いに平衡を保っているため、ピストン40(ボールナット)は作動しないようになっている。
これに対して右(R)方向(或いは左(L)方向)への操舵時は、トーションバー11にねじれが発生するため、スプールバルブ80が、スリーブ70に対して、回転方向における相対的な位置ずれ(相対変位)が発生する。このため、シリンダ室50A(或いは50B)へ接続される出力ポートR(或いはL)と、オイルポンプ300から供給される高圧の作動油の入力ポートINと、が連通することになり、オイルポンプ300から供給される高圧の作動油は、シリンダ室50A(或いは50B)へと送られ、シリンダ室50A(或いは50B)の圧力が上昇し、ピストン40を挟んで対向するシリンダ室50B(或いは50A)の圧力との平衡が崩れ、ピストン40(ボールナット)は、図3において上方(或いは下方)に作動され、これにより、運転者のステアリングホイール1を回転操作する力をアシストしつつ、ピットマンアーム(揺動アーム)200、ドラッグリンク210、ナックルアーム等を介して操舵輪(図示せず)を動作させ、運転者のステアリング操作負担(重たいハンドル操作)を軽減しつつ車両の操舵輪を操舵することになる。
ここで、走行中に道路のわだちや横風などの外乱があると、特に、高速走行時には直進性等の走行安定性が損なわれるおそれがあり、その結果、運転者は直進性等の走行安定性を保つために、修正ステアリング操作を繰り返す必要があり、特に、比較的長時間の走行が行われることの多いトラックやバスにおいては、運転者の疲労が進行してしまうといったおそれがある。
また、運転者のステアリング操作と、実際に車両の操舵輪が操舵されるまでの間には遊び(ハンドルを回しても、その操作が操舵輪の操舵量として伝達されない領域)が存在するため、上述したような修正ステアリング操作には、熟練が要求されるといった実情がある。
すなわち、外乱による走行安定性の乱れを収束させる方向に及び適切なタイミングで、運転者は修正ステアリング操作を行う必要があるが、前記遊びにより、修正ステアリング操作が思うように操舵輪の操舵として伝達されない場合や、タイミングがずれてしまって乱れを助長してしまうようなタイミングで修正ステアリング操作が操舵輪の操舵として伝達されてしまう場合があり、特に、車両サイズが大きくステアリング機構における操舵力の伝達距離も長くなる(すなわち、比較的大きな遊びやロッドの伸縮等が存在する)トラックやバスなどにおいては、運転者には高い熟練が要求されるといった実情がある。
このようなことから、本実施の形態に係るパワーステアリング装置100では、運転者へのステアリング操作負担を軽減することができ、以って疲労が少なく高い熟練を運転者に要求することのないパワーステアリング装置を提供するために、以下のような構成を採用している。
すなわち、本実施の形態に係るパワーステアリング装置100では、運転者のステアリングホイール1の操作とは独立に(切り離して、或いは別ルートで)、ウォームシャフト60と、スリーブ70と、の間において、回転方向における相対的な位置ずれ(相対変位)を発生させることができる構成とした。
詳細には、図3、図4、図5に示すように、スリーブ70をウォームシャフト60に対する回転方向における相対的な位置ずれ(相対変位)を発生させることができるように、スリーブ70とウォームシャフト60とを別体で構成すると共に、その相対的な位置ずれ(相対変位)を制御することができるように、スリーブ70をウォームシャフト60の回転中心廻りに位置固定及び相対回転駆動することができる電動モータ90を備えて構成した。
なお、電動モータ90は、ハウジング側に略一体的に固定されている。電動モータ90の出力回転軸にはピニオンギヤ91が取り付けられている一方で、このピニオンギヤ91は、スリーブ70の外周に設けられている外周ギヤ71に噛合されていて、電動モータ90を回転駆動することで、ピニオンギヤ91、外周ギヤ71を介して、スリーブ70をウォームシャフト60の回転中心廻りに相対回転させることができるようになっている。
そして、図示しない電子制御ユニット(ECU)では、車両の走行状態に関連する情報(車両走行情報)(例えば、車速、ステアリングホイール操舵角、操舵輪の実際の操舵量(操舵角)、車両のヨーレート、横Gなど)や車線偏差情報等に基づいて、例えば外乱等による走行安定性の乱れを収束させるために必要な電動モータ90の駆動量(回転量)を演算等により取得し、その駆動量(回転量)が得られるように電動モータ90を駆動することで、運転者のステアリングホイール1の操作とは独立に(切り離して、或いは別ルートで)、ピットマンアーム(揺動アーム)200、ドラッグリンク210、ナックルアーム等を介して操舵輪(図示せず)を操舵することができるようになっている。
なお、車線偏差情報は、車両の走行車線からの偏差量(逸脱量)を検知して、車両が走行車線から逸脱しないように制御するために利用される情報である。
上記のような構成を備えた本実施の形態に係るパワーステアリング装置100によれば、外乱等による走行安定性の乱れを収束させる方向に及び適切なタイミングで、従来、運転者が行っていた修正ステアリング操作を、電子制御ユニット(ECU)が、車両の走行状態に関連する情報(車両走行情報)や車線偏差情報等に基づいて電動モータ90を自動的に駆動することで、運転者のステアリングホイール1の操作とは独立に(切り離して、或いは別ルートで)、スリーブ70をウォームシャフト60に対して回転方向における相対的な位置ずれ(相対変位)を発生させ、以って実際に修正操舵を行わせるように構成したので、運転者に高度な熟練を要求することなく、外乱等があっても車両に高い走行安定性を実現させることができる。
具体的には、電子制御ユニット(ECU)では、例えば、図6に示すようなフローチャートを実行して、従来運転者が行っていた修正ステアリング操作の代わりに(運転者のステアリングホイール操作から独立して)、外乱等による走行安定性の乱れを収束させるための修正操舵制御を実行する。
すなわち、
ステップ(図では、Sと記す。以下、同様。)1では、CCDカメラ等により白線認識処理を実行し、走行車線に沿って描かれている白線からの車両の偏差(横偏差)を取得する。
S2では、白線からの車両の偏差(横偏差)に基づいて、所定以上のズレ(横偏差)が発生しているか否かを判断し、YESの場合(ズレが大きい場合)にはS3へ進み、NOの場合(ズレが小さい場合)にはS1へ戻る。
S3では、車両の走行状態に関連する情報(車両走行情報)(例えば、ステアリングホイール操舵角、操舵輪の実際の操舵量(操舵角)、これらの変化など)を取得する。
S4では、S3で取得した情報(例えば、ステアリングホイール操舵角、操舵輪の実際の操舵量(操舵角)、これらの変化など)が、運転者(ドライバー)のステアリングホイール操作に起因するものであるか否かを判断する。
YESの場合には、例えば、運転者によるステアリングホイール操舵角の変化と、操舵輪の実際の操舵量(操舵角)の変化と、が対応しており、運転者の意思に基づくステアリング操作が行われている状態であるとして、運転者の操作とは別ルートで行うパワーステアリング装置100による修正操舵を行うことなく、S1へ戻る。
この一方で、NOの場合には、運転者によるステアリングホイール操舵角の変化が小さいにも係わらず、操舵輪の実際の操舵量の変化が比較的大きいような場合には、運転者の意思に基づくステアリング操作はなく、外乱などの操舵輪側からの逆入力があると判断して、運転者の操作とは別ルートで行うパワーステアリング装置100による修正操舵を行うべく、S5へ進む。
S5では、車両の走行状態に関連する情報(車両走行情報)(例えば、車速、ヨーレート、横G、これらの変化など)を取得する。
S6では、これらが所定の閾値以上であるか否かを判断する。所定の閾値以上の場合には、比較的大きな逆入力であり、運転者の操作とは別ルートで行うパワーステアリング装置100による修正操舵を行うと走行安定性を却って損なってしまうおそれがあるとして、S1へ戻る。
所定の閾値より小さい場合には、比較的走行状態は安定しているため、運転者の操作とは別ルートで行うパワーステアリング装置100による修正操舵を行うことを許可して、S7へ進む。
S7では、白線からの車両の偏差(横偏差)を無くすように、電動モータ90を駆動制御する。すなわち、外乱等による走行安定性の乱れを収束させるように、従来、運転者が行っていた修正ステアリング操作の代わりに、電子制御ユニット(ECU)が電動モータ90を駆動制御することで、運転者のステアリングホイール1の操作とは独立に(切り離して、或いは別ルートで)、スリーブ70をウォームシャフト60に対して回転方向における相対的な位置ずれ(相対変位)を発生させて、操舵輪を実際に操舵して修正操舵を行う。
なお、S7以外においては、電動モータ90の駆動は行われず(電動モータ90やピニオンギヤ91延いてはスリーブ70はウォームシャフトに対して所定の回転角度位置に固定されている)、電動モータ90によるスリーブ70のウォームシャフト60に対する回転方向における相対的な位置ずれ(相対変位)は発生されることがないため、従来同様の運転者のステアリングホイール1の操作による操舵がなされる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、外乱等による走行安定性の乱れの発生などを電子制御ユニット(ECU)が自動的に判断し、運転者に代わって、電子制御ユニット(ECU)が、このような外乱等の走行安定性の乱れを収束させるように電動モータ90を駆動して自動的に修正操舵を行うようにしたので、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、運転者へのステアリング操作負担を軽減することができ、以って疲労が少なく高い熟練を運転者に要求することのないパワーステアリング装置を提供することができる。
また、本実施の形態では、電子制御ユニット(ECU)が、車両の走行状態に関連する情報(車両走行情報)や車線偏差情報等に基づいて電動モータ90を自動的に駆動することで、運転者のステアリングホイール1の操作とは独立に(切り離して、或いは別ルートで)、操舵を行せることができるため、例えば、運転者のステアリング操作量(操舵量)に対して操舵輪の実際の操舵量が多くなるように制御する切り増し制御や、運転者の切り過ぎを戻して操舵輪の実際の操舵量(舵角)が少なくなるように制御する切り戻し制御などを行うことも可能である。言い換えると、ステアリング操作量に応じて実際の操舵輪の操舵量を可変とする所謂可変ギヤレシオ機能を実現することが可能である。
なお、本実施の形態は、パワーステアリング装置100のハウジング内に配設された電動モータ90によりピニオンギヤ91を回転駆動して、これと噛合する外周ギヤ71を介して、スリーブ70をウォームシャフト60の回転中心廻りに相対回転(相対変位)を発生させる構成とし、小さい出力の電動モータ90でスリーブ70延いてはスプールバルブ80(油圧制御バルブ)を制御することができると共に、既存の油圧システムをそのまま流用することができ、以ってコストを低く抑えることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、運転者へのステアリング操作負担を軽減することができ、以って疲労が少なく高い熟練を運転者に要求することのないパワーステアリング装置を提供することができる。
ところで、図5等に示したように、スリーブ70は、ウォームシャフト60の外周に相対回転可能に摺動自在に配設されているが、一定以上の相対回転が生じてしまうことを防止するように、ウォームシャフト60と、スリーブ70と、の間に、凹凸係合部(ストッパ部)Xを設けることができる。かかる凹凸係合部(ストッパ部)Xにより、例えば何らかの原因で一定以上、スリーブ70がウォームシャフト60に対して相対変位してしまうといったおそれを回避することができる。
更に、電動モータ90の出力回転軸と、ピニオンギヤ91と、の間に、図7に示すような電磁クラッチ92を介装することができる。
例えば、電磁コイル92Aに直流電流を通電すると電磁場が発生して、アーマチェアディスク92Cを電磁的に摩擦パッド92B付きの駆動ドライブハブ92Eに引き付け、電動モータ90の出力軸のトルクを、ピニオンギヤ91側に伝達する状態とする。
この一方で、電磁コイル92Aへの通電を停止すると(電源を切ると)電磁場が消滅して、バネディスク92Dが、アーマチェアディスク92Cを駆動ドライブハブ92Eから離れるように作用して、電動モータ90の出力軸と、ピニオンギヤ91側と、は切り離される。
なお、このように、電磁コイル92Aへの通電を停止した(電源を切った)ときに、電動モータ90の出力軸と、ピニオンギヤ91側と、を切り離す構成としたので、何らかのトラブルにより通電停止や電源オフされた際に、電動モータ90の出力軸と、ピニオンギヤ91側と、が切り離されるため、フェイルセーフ機能が担保され、より安全なシステムを提供することに貢献することができる。
このよう電磁クラッチ92を備えることで、例えば電動モータ90に固着や暴走などの故障等が生じてしまった場合には、電子制御ユニット(ECU)は、制御目標値(操舵量の指令値)と、操舵輪が実際に操舵された実際の操舵量(操舵角)と、の間の偏差に基づいて異常を判断し、電子制御ユニット(ECU)では、異常があると判断した場合には、電磁クラッチ92をオフ(電動モータ90の出力回転軸と、ピニオンギヤ91と、の間の回転連結を切断)することで電動モータ90によるスリーブ70の回転駆動を停止させて、電動モータ90による異常操舵を停止させることで、異常運転が行われることを回避することができ、以って安全性を高く維持することができる。
なお、電動モータ90としては、ブラシレスステッピングモータを採用することができる。ブラシレスであることから、非接触であり、耐久性、信頼性に優れると共に、ステッピングモータであるため位置(回転角度)制御を高精度に行えるため、ブラシレスステッピングモータは、本実施の形態に係るパワーステアリング装置100の電動モータ90として好適であるが、コスト等を考慮してブラシ付きの一般的な電動モータを採用することも可能である。
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
1 ステアリングホイール(ハンドル)
10 スタブシャフト
11 トーションバー
20 センタシャフト
21 ピニオンギヤ
30 ラックギヤ
40 ピストン
50 シリンダ
50A シリンダ室
50B シリンダ室
60 ウォームシャフト
70 スリーブ
71 外周ギヤ
80 スプールバルブ
90 電動モータ
91 ピニオンギヤ
92 電磁クラッチ
100 パワーステアリング装置
200 ピットマンアーム(揺動アーム)
210 ドラッグリンク

Claims (2)

  1. 車両の操舵のための運転者のステアリングホイール操作に応じて回転されるスタブシャフトと、
    該スタブシャフトと同軸的に設けられるウォームシャフトと、
    前記スタブシャフトと、前記ウォームシャフトと、を回転連結するトーションバーと、
    を備え、
    トーションバーのねじれに応じて、スタブシャフト側に設けられる油圧制御バルブと、該油圧制御バルブに対応して設けられると共にウォームシャフト側に設けられるスリーブと、の間において発生される回転方向における相対的な位置ずれに基づいて、前記油圧制御バルブにより所定圧の作動油を制御することにより、車両の操舵をパワーアシストするようにしたパワーステアリング装置であって、
    前記スリーブと、前記ウォームシャフトと、を別体に構成し、前記スリーブの前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれを制御可能に構成したものにおいて、
    ウォームシャフトと、スリーブと、の間に、一定以上の相対回転が生じることを防止するための凹凸係合部を設けた
    ことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 車両の操舵のための運転者のステアリングホイール操作に応じて回転されるスタブシャフトと、
    該スタブシャフトと同軸的に設けられるウォームシャフトと、
    前記スタブシャフトと、前記ウォームシャフトと、を回転連結するトーションバーと、
    を備え、
    トーションバーのねじれに応じて、スタブシャフト側に設けられる油圧制御バルブと、該油圧制御バルブに対応して設けられると共にウォームシャフト側に設けられるスリーブと、の間において発生される回転方向における相対的な位置ずれに基づいて、前記油圧制御バルブにより所定圧の作動油を制御することにより、車両の操舵をパワーアシストするようにしたパワーステアリング装置であって、
    前記スリーブと、前記ウォームシャフトと、を別体に構成し、前記スリーブの前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれを制御可能に構成したものにおいて、
    前記スリーブの前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれの制御を電動モータを利用して行うと共に、
    前記電動モータの出力回転軸にピニオンギヤが取り付けられ、該ピニオンギヤにより前記スリーブを回転させることで、前記ウォームシャフトに対する回転方向における相対的な位置ずれを制御する一方、
    前記電動モータと、前記ピニオンギヤと、の間に、電磁クラッチを介装し、
    ウォームシャフトと、スリーブと、の間に、一定以上の相対回転が生じることを防止するための凹凸係合部を設けた
    ことを特徴とするパワーステアリング装置。
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