JP5602789B2 - 車両の後輪トー角制御装置 - Google Patents

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本発明は、電動アクチュエータを駆動制御して後輪を転舵する車両の後輪操舵装置に係り、電動アクチュエータへの過大な電力供給を抑制する技術に関する。
近年、車両の回頭性や操縦安定性を向上させるために、後輪のトー角を可変制御する後輪操舵装置を備えた4輪操舵車両が開発されている。後輪操舵装置としては、後輪を支持するサスペンションにおけるラテラルリンクあるいはトレーリングリンクの車体との連結部に電動アクチュエータを左右後輪にそれぞれ設け、これら電動アクチュエータを駆動制御することによって左右の後輪のトー角を個別に可変制御できるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1)。
電動アクチュエータとしては、電動モータと送りねじ機構などとを用いたものが用いられることがある。このような電動アクチュエータは、実トー角センサにより検出した後輪の実トー角と設定した目標トー角との偏差に基づいて電動モータをPWM方式で駆動制御することで後輪を目標トー角に転舵する。
このような4輪操舵車両では、後輪操舵装置の故障によって運転者の期待しない舵角調整が実施されると運転フィールが悪化することになる。そこで、後輪駆動用の電動モータに温度を検出する過熱センサを設け、過熱センサが電動モータの過熱を検出した場合、後輪操舵制御を中止するとともに、後輪を中立位置に戻す方向に電動モータを駆動するようにした発明が提案されている(特許文献2)。
特開平9−30438号公報 特開平8−207809号公報
ところで、4輪操舵車両では、実トー角センサの出力が故障により一定値で固定したり、電動アクチュエータに電力を供給しているにもかかわらず、後輪トー角が変化しない状態になったりすることがある。しかしながら、特許文献2の発明では、このような場合に電動モータが過熱した後に後輪操舵制御を中止することはできても、電動モータが過熱するまでの間は、過大な電流を流し続けることになる。
本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解消するべく案出されたものであり、実トー角センサの出力が故障により一定値で固定した場合や、電動アクチュエータに電力を供給しているにもかかわらず後輪トー角が変化しない場合に、電動モータの過熱を予防するとともに、過大な電力供給を抑制することのできる後輪操舵装置を提供することをその目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、左右の後輪(5)にそれぞれ設けられ、後輪トー角を変化させる電動アクチュエータ(11)と、後輪の目標トー角(δrtgt)を設定する目標トー角設定手段(51)と、後輪の実トー角(δract)を検出する実トー角検出手段(17)と、前記目標トー角と前記実トー角との偏差(Δδr)に基づいて前記電動アクチュエータをPWM方式で駆動制御する制御手段(52)とを備えた後輪操舵装置(10)であって、実トー角速度(dδr/dt)を検出する実トー角速度検出手段(17・70)を更に備え、前記制御手段(52)が、前記実トー角速度に応じてPWM制御におけるデューティー比(D)の上限を規定する構成とする。
この構成によれば、制御手段が、実トー角速度に応じてPWM制御のデューティー比を上限値で規制するため、実トー角センサの出力が一定値で固定した場合や、電動アクチュエータに電力を供給しているにもかかわらず後輪トー角が変化しない場合に、過大な電力が供給されることを抑制できる。また、電動アクチュエータが作動していないにもかかわらず過大な電力が供給されると、発生する磁束により電動アクチュエータの永久磁石が減磁されることがあるが、デューティー比の上限が規定されるため、永久減磁も防ぐことができる。
また、本発明の一側面によれば、前記制御手段(52)が、前記デューティー比(D)の上限を、前記実トー角速度が増加するにつれて大きくなるように設定する構成とすることができる。
この構成によれば、実トー角速度が比較的大きな場合にはデューティー比の制限を抑制し、実トー角速度が比較的小さな場合にはデューティー比の制限を促進するため、過大な電力供給を効果的に抑制することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記実トー角速度検出手段は、前記実トー角検出手段(17)が検出した実トー角を演算することにより前記実トー角速度を検出する構成とすることができる。
電動アクチュエータをPI制御またはPID制御する場合、実トー角センサが故障し、後輪が実トー角を発生させているにもかかわらずセンサ値として0が出力される場合、デューティー比が増加してしまい、大電力が消費されることになるが、このような構成とすることにより、実トー角センサの検出値に基づいて検出されるために実トー角速度も0となり、デューティー比の制限を促進するため、過大な電力供給を効果的に抑制することができる。さらに、このような場合に大きなデューティー比がそのまま出力された場合には、電動アクチュエータが高速作動して後輪の転舵速度が高くなるが、デューティー比が制限されることで、電動アクチュエータの作動速度を一定以下に抑えることができる。
このように本発明によれば、実トー角センサの出力が故障により一定値で固定した場合や、電動アクチュエータに電力を供給しているにもかかわらず後輪トー角が変化しない場合に、電動モータの過熱を予防するとともに、過大な電力供給を抑制することのできる後輪操舵装置を提供することができる。
実施形態に係る後輪トー角可変車両の概略構成図 図1に示す左側後輪トー角機構の斜視図 図2に示す電動アクチュエータの縦断面図 実施形態に係る後輪トー角制御装置の概略構成を示すブロック図 図4中のデューティー比補正部の詳細ブロック図
以下、本発明を適用した後輪トー角可変車両(以下、自動車Vと記す。)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。説明にあたり、車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤや電動アクチュエータ等については、それぞれ数字の符号に左右を示す添字LまたはRを付して、例えば、後輪5L(左)、後輪5R(右)と記し、左右を特定しない場合あるいは総称する場合には、後輪5などと記す。
図1に示すように、自動車Vの車体1には、タイヤ2L,2Rが装着された前輪3L,3Rと、タイヤ4L,4Rが装着された後輪5L,5Rとが設置されており、これら前輪3L,3Rおよび後輪5L,5Rが、左右のフロントサスペンション6L,6Rおよびリヤサスペンション7L,7Rによってそれぞれ車体1に懸架されている。
自動車Vには、ステアリングホイール8の操舵により、ラックアンドピニオン機構を介して左右の前輪3L,3Rを直接転舵する前輪操舵装置9と、左右のリヤサスペンション7L,7Rに対して設けられた左右の電動アクチュエータ11L,11Rを作動させることにより、後輪5のトー角δrを個別に変化させる一対の後輪操舵装置10L,10Rとが設置されている。
また自動車Vには、各種システムを統括制御するECU(Electronic Control Unit)12の他、車速センサ13や、前輪舵角センサ14、前後加速度センサ15、横加速度センサ16が適所に設置されるとともに、左右の後輪トー角センサ17L、17Rが各電動アクチュエータ11に設置されている。各センサ13〜17の検出信号は、ECU12に入力されて車両の各種制御に供される。なお、前輪舵角センサ14はステアリングホイール8の操舵量を検出しており、その検出値から前輪3の操舵角δfが算出される。各後輪トー角センサ17は、対応する電動アクチュエータ11の作動量を検出しており、その検出値から各後輪5の実トー角δractが算出される。
ECU12は一種のコンピュータであり、演算を実行するプロセッサ(CPU)、各種データを一時記憶する記憶領域およびプロセッサによる演算の作業領域を提供するランダム・アクセス・メモリ(RAM)、プロセッサが実行するプログラムおよび演算に使用する各種のデータが予め格納されている読み出し専用メモリ(ROM)、およびプロセッサによる演算の結果およびエンジン系統の各部から得られたデータのうち保存しておくものを格納する書き換え可能な不揮発性メモリの他、各種ドライバや周辺回路、入出力インタフェース等を備えている。
これらECU12と、各センサ13〜17や電動アクチュエータ11等とは、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して互いに接続されており、ECU12は、各センサ13〜17の検出結果に基づいて電動アクチュエータ11L,11Rをパルス幅変調(Pulse Width Modulation、以下、PWMと記す)方式でフィードバック制御する制御手段を構成している。
次に、図2を参照して左側の後輪操舵装置10の構成を説明する。なお、リヤサスペンション7や後輪操舵装置10は左側と右側とが対称となっているため、後輪操舵装置10および電動アクチュエータ11(図3)の説明にあたっては、表記が煩雑になることを避けるため、添字を付さずにナックル21、DCモータ38等と記す。
図2に示すように、リヤサスペンション7は、ダブルウィッシュボーン形式が採用されており、ナックル21を車体1に上下動可能に連結するアッパアーム22およびロアアーム23、ナックル21と車体1とを連結するダンパ24、ダンパ24の上部外周に巻装されたスプリング25等から構成されている。後輪5は、ナックル21によって回転自在に支持されており、ナックル21とともに上下等に変位する。
アッパアーム22およびロアアーム23は、基端がそれぞれラバーブッシュ26,27を介して車体1に連結され、先端がそれぞれボールジョイント28,29を介してナックル21の上部と下部とに連結されている。電動アクチュエータ11は、基端が車体側ラバーブッシュ30を介して車体1に連結され、先端がナックル側ラバーブッシュ31を介してナックル21の後部に連結されている。ダンパ24は、上端がラバーブッシュ(図示せず)を介して車体1に連結され、下端がラバーブッシュ32を介してナックル21の上部に連結されている。
このように構成されたリヤサスペンション7では、電動アクチュエータ11Lが伸長駆動されると、ナックル21の後部が車幅方向外側に回動することにより、後輪5Lが車両進行方向に対して内向き(トーイン側)に転舵し、電動アクチュエータ11Lが収縮駆動されると、ナックル21の後部が車幅方向内側に回動することにより、後輪5Lが車両進行方向に対して外向き(トーアウト側)に転舵する。
次に、図3を参照して、電動アクチュエータ11の構造を説明する。同図に示すように、電動アクチュエータ11は、車体側ラバーブッシュ30を支持する第1ハウジング35a、及び複数のボルト36で第1ハウジング35aに締結された第2ハウジング35bからなるハウジング35と、第2ハウジング35bに伸縮自在に支持され、ナックル側ラバーブッシュ31を支持する出力ロッド37とを備えている。第1ハウジング35aの内部には、ECU12によりPWM制御されるブラシ付きのDCモータ38が収容され、ボルト39で第1ハウジング35aに締結されている。第2ハウジング35bの内部には遊星歯車式の減速機40と、弾性を有するカップリング41と、台形ねじを用いた送りねじ機構42とが収容されている。DCモータ38が駆動されると、その出力軸38aの回転が減速機40によって減速され、送りねじ機構42によって直線運動に変換されて出力ロッド37が直線駆動される。
第2ハウジング35bの外周面に設けられた後輪トー角センサ17は、出力ロッド37の外周面に取り付けられたボルト45によって出力ロッド37に固着されたマグネット46と、センサハウジング47内に収容された差動変圧器48とから構成されている。差動変圧器48は、出力ロッド37の直線駆動方向と平行に延在するようにマグネット46に近接して配置され、両端が第2ハウジング35bに固着されている。差動変圧器48には、図示しない1次コイルと、1次コイルの軸方向両端に近接する同一巻き数の2つの2次コイルとが巻装されており、マグネット46が1次コイルの長手方向に移動した際に生じる差動電圧を検出することにより、各電動アクチュエータ11のストローク量を検出し、その検出結果がECU12に入力して後輪5の実トー角δractとしてDCモータ38のフィードバック制御に供される。
このように構成された自動車Vによれば、左右の電動アクチュエータ11L,11Rを同時に対称的に変位させることにより、両後輪5L,5Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる他、左右の電動アクチュエータ11L,11Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、両後輪5L,5Rを左右に転舵することも可能である。具体的には、ECU12は、自動車Vの回頭性や操縦安定性を高めるべく、各種センサによって把握される車両の運動状態に基づき、加速時には後輪5をトーアウトに、減速時には後輪5をトーインに変化させ、所定の車速よりも高速での旋回走行時には後輪5を前輪3と同相に、所定の車速よりも低速での旋回走行時には後輪5を前輪3と逆相にトー変化(転舵)させる。
次に、図4を参照してECU12の機能について説明する。なお、図4では、電動アクチュエータ11等について左右を区別することなく示しているが、実際にはECU12は左右の電動アクチュエータ11のそれぞれについて同様の機能部を有し、同様の制御を行う。
ECU12は、図示しない入力インタフェースを介して入力された車速vや前輪3の操舵角δf、前後加速度Gx、横加速度Gyなどに基づいて目標後輪トー角δrtgtを設定する目標後輪トー角設定部51と、後輪トー角センサ17によって検出された後輪5の実トー角δractと目標後輪トー角δrtgtとに基づいて電動アクチュエータ11を駆動制御するPID制御部52とを備えている。
PID制御部52は、デューティー比設定部53と、デューティー比補正部54とを備えている。デューティー比設定部53は、後輪トー角センサ17によって検出された後輪5の実トー角δractと目標後輪トー角δrtgtとの偏差Δδr、その積分値および微分値に基づいてPWM制御におけるデューティー比D(%)を設定する。デューティー比補正部54は、所定の条件に応じて、デューティー比設定部53が設定したデューティー比Dの上限を規定するように補正する。そしてPID制御部52は、デューティー比補正部54が出力するデューティー比Dに基づいて供給電力を制御して電動アクチュエータ11を駆動する。
図5を参照して、デューティー比補正部54について詳細に説明する。まず、車速センサ13で検出した車速vが、制限デューティー比設定回路61に入力する。制限デューティー比設定回路61は、車速別制限デューティー比マップを参照することなどにより、車速vに応じたデューティー比Dの最大値(以下、制限デューティー比Dmaxと称する。)を設定する。なお、制限デューティー比Dmaxは、例えば、駆動負荷が小さく急激なトー角変化が車両挙動を不安定にする高車速ほど小さくなるように設定することができる。制限デューティー比設定回路61で設定された制限デューティー比Dmaxは、減算器62に減算値として入力するとともに、加算器66に加算値として入力する。
減算器62は、100から制限デューティー比Dmaxを減じた値、すなわち車速vに応じたデューティー比Dの制限量である車速別制限量Dlimを算出し、これを乗算器64に入力させる。乗算器64は、入力した車速別制限量Dlimに対し、メモリ63に記憶された出力デューティーパラメータC1を乗じることで、後述する制限緩和デューティー比Daを算出するための係数Kを算出し、この係数Kを乗算器65に入力させる。
一方、後輪トー角センサ17が検出した実トー角δractが微分器70に入力している。微分器70は、実トー角δractを時間微分することで後輪トー角速度dδr/dtを求め、後輪トー角速度dδr/dtを乗算器65に入力させる。なお、ここでは後輪トー角速度dδr/dtは、伸縮方向にかかわらずに正の値(絶対値)として出力される。
乗算器65は、乗算器64が算出した係数Kを後輪トー角速度dδr/dtに乗じることで、デューティー比Dの制限を緩和するための値(以下、制限緩和デューティー比Daと称する。)を算出し、これを加算器66に入力させる。ここで、制限緩和デューティー比Daは、後輪トー角速度dδr/dtが増加するにつれて大きくなる(ここでは後輪トー角速度dδr/dtに比例して大きくなる)ように設定される。
加算器66は、制限デューティー比設定回路61から入力した制限デューティー比Dmaxに、乗算器65から入力した制限緩和デューティー比Daを加算することで、制限デューティー比Dmaxを補正する。つまり、加算器66は、後輪トー角速度dδr/dtが増加するにつれて大きくなる制限緩和デューティー比Daを加算することで、車速vに応じて設定された制限デューティー比Dmaxを、後輪トー角速度dδr/dtが増加するにつれて大きくなる値に補正する。本明細書および図5では、加算器66による補正後の制限デューティー比Dmaxを、補正前の制限デューティー比Dmaxと区別するために、ダッシュを付して「Dmax’」と表記するものとする。
加算器66で補正された制限デューティー比Dmax’は、制限回路67に入力し、制限回路67にてその上限を100に規定される。ここでは、入力した制限デューティー比Dmax’が100を超える場合に、上限値の100に変更される。制限回路67から出力された制限デューティー比Dmax’は、低値選択回路68に入力する。
他方、デューティー比設定部53(図4参照)にて設定されたデューティー比Dが、絶対値回路71および符号回路72に入力する。絶対値回路71は、入力したデューティー比Dの絶対値を出力して低値選択回路68に入力させる。符号回路72は、入力したデューティー比Dの正負に応じた符号値(+1または−1)を出力し、乗算器69に入力させる。なお、符号回路72は、入力したデューティー比Dが正の値の場合には+1を出力し、入力したデューティー比Dが負の値の場合には−1を出力する。
低値選択回路68は、入力した制限デューティー比Dmax’とデューティー比Dの絶対値とを比較し、より低い値をデューティー比Dとして選択して出力し、乗算器69に入力させる。乗算器69は、入力したデューティー比Dに符号値を乗算し、最終的な目標値としてデューティー比Dを出力する。
これにより、デューティー比補正部54は、デューティー比設定部53が設定したデューティー比Dの上限を、実トー角速度dδr/dtが増加するにつれて大きくなるように設定した値で規定する。
このように、デューティー比補正部54が実トー角速度dδr/dtに応じてPWM制御におけるデューティー比Dを上限値(制限デューティー比Dmax’)で規制するため、例えば、後輪5が轍にはまったり、後輪5の外側に障害物があったりして、電力を供給しているにもかかわらず後輪5のトー角が変化しない場合や、故障により後輪トー角センサ17の出力が故障により一定値で固定した場合に、電動アクチュエータ11に過大な電力が供給されることや、DCモータ38の過度な発熱が抑制される。
また、電動アクチュエータ11が作動していないにもかかわらず過大な電力が供給されると、発生する磁束により電動アクチュエータ11の永久磁石が減磁されることがあるが、デューティー比Dの上限が規定されるため、永久減磁も抑制される。
本実施形態では、デューティー比補正部54がデューティー比Dの上限を、実トー角速度dδr/dtが増加するにつれて大きくなるように設定しているため、実トー角速度dδr/dtが比較的大きな場合にはデューティー比Dの車速別制限が軽減され、実トー角速度dδr/dtが比較的小さな場合にはデューティー比Dの車速別制限が許容される。これにより、過大な電力供給が効果的に抑制される。
また、本実施形態では、後輪トー角センサ17が検出した後輪トー角δractを微分器70で微分した値を実トー角速度dδr/dtとして用いるため、後輪トー角センサ17の故障により、デューティー比設定部53が大きなデューティー比Dを設定した場合であっても、デューティー比Dの制限が許容されるため、過大な電力供給が効果的に抑制される。さらに、このような場合に大きなデューティー比Dがそのまま出力された場合には、電動アクチュエータ11が高速作動して後輪5が急激に転舵することになるが、デューティー比Dが制限されることで、電動アクチュエータ11の作動速度を一定以下に抑えることが可能になる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、電動アクチュエータ11として直動式のものを用いているが、他の形式のものを用いてもよい。また、上記実施形態では、デューティー比補正部54が、後輪トー角速度dδr/dtが小さいほど制限緩和デューティー比Daを小さくして車速別制限量Dlimの許容度合いを大きくすることにより、デューティー比Dの上限を実トー角速度dδr/dtが増加するにつれて大きくなるように規定しているが、車速vにかかわりなくデューティー比Dの上限を規定することも可能である。さらに、上記実施形態では、フィードバック制御に用いる後輪トー角センサ17の検出結果を演算して実トー角速度dδr/dtを求めているが、実トー角速度センサを別途設けてもよい。これら変更の他、各装置の具体的構成や配置など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した本発明に係るの各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜取捨選択することが可能である。
5 後輪
10 後輪操舵装置
11 電動アクチュエータ
12 ECU
17 後輪トー角センサ(実トー角検出手段・実トー角速度検出手段)
51 目標後輪トー角設定部
52 PID制御部(制御手段)
53 デューティー比設定部
54 デューティー比補正部
V 自動車
δract 実トー角
δrtgt 目標後輪トー角
Δδr 偏差
D デューティー比

Claims (3)

  1. 左右の後輪にそれぞれ設けられ、後輪トー角を変化させる電動アクチュエータと、
    後輪の目標トー角を設定する目標トー角設定手段と、
    後輪の実トー角を検出する実トー角検出手段と、
    前記目標トー角と前記実トー角との偏差に基づいて前記電動アクチュエータをPWM方式で駆動制御する制御手段と
    を備えた後輪操舵装置であって、
    実トー角速度を検出する実トー角速度検出手段を更に備え、
    前記制御手段が、前記実トー角速度に応じてPWM制御におけるデューティー比の上限を規定することを特徴とする車両の後輪操舵装置。
  2. 前記制御手段が、前記デューティー比の上限を、前記実トー角速度が増加するにつれて大きくなるように設定することを特徴とする、請求項1に記載の車両の後輪操舵装置。
  3. 前記実トー角速度検出手段は、前記実トー角検出手段が検出した実トー角を演算することにより前記実トー角速度を検出することを特徴とする、請求項2に記載の車両の後輪操舵装置。
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