JP2009234302A - 後輪転舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己保持するセルフロック機能を有する直線変位アクチュエータを用いられた後輪転舵装置において、後輪転舵制御を損ねることなく定常偏差状態下での無駄なエネルギ消費をなくすこと。
【解決手段】制御偏差が許容定常偏差の範囲内である場合には、フィードバック補償制御を禁止し、電断制御部106によってリニアアクチュエータ40L、40Rに対する通電を停止する電断を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等の車両に用いられる後輪転舵装置に関し、特に、車両の挙動に応じた後輪転舵(後輪トー角)制御をフィードバック補償式に行う後輪転舵装置に関する。
左右の後輪を支持する懸架装置のラテラルリンクあるいはトレーリングリンクの車体との連結部に、油圧シリンダ装置や電動式リニアアクチュエータなどの直線変位アクチュエータを設け、当該直線変位アクチュエータを伸縮駆動することにより、左右の後輪の転舵角(トー角)を個々に変化させる後輪転舵装置が知られている(例えば、特許文献1、2)。
このような後輪転舵装置では、車両の状態に応じて、例えば、加速時には後輪トーアウト状態に、制動時には後輪トーイン状態になるよう、後輪転舵角の制御目標値を設定し、設定された制御目標値と転舵角センサにより検出される転舵角(実舵角)との差である制御偏差を演算し、制御偏差が零に近づくように直線変位アクチュエータをフィードバック補償式に制御することが行われている。
直線変位アクチュエータには、電動モータと送りねじ機構との組み合わせによるものがあり、電動モータによって送りねじ機構が駆動されることにより、電動モータの回転量に応じて送りねじ機構が直線変位し、後輪の転舵を行うものがある。
この直線変位アクチュエータは、送りねじ機構のねじ作用により、電動モータに電流供給が行われない電断状態でも、その時の転舵状態を自己保持するセルフロック機能を発揮する。
特公平8−25482号公報 特開平9−30438号公報
フィードバック補償式制御が、PID制御で云うところのP(比例)制御によるものである場合には、定常状態で、実舵角が制御目標値に一致しない偏差、つまり定常偏差が残り、このことを回避できない。このような定常偏差がある状態では、実舵角(位置)である制御量が変化しないも拘らず、制御器は直線変位アクチュエータにエネルギを供給し続けることになる。例えば、直線変位アクチュエータが電動式のものである場合には、制御器は電動アクチュエータに電流を流し続けることになる。
このことに対し、電動モータと送りねじ機構との組み合わせによる直線変位アクチュエータのように、電動モータに電流を供給しない電断状態でも、その時の転舵状態を自己保持するセルフロック機能を有する直線変位アクチュエータでは、定常偏差状態下で、電動モータに電流を供給し続けることは、電力(エネルギ)の無駄な消費になる。
本発明が解決しようとする課題は、自己保持するセルフロック機能を有する直線変位アクチュエータを用いられた後輪転舵装置において、後輪転舵制御を損ねることなく定常偏差状態下での無駄なエネルギ消費をなくすことである。
本発明による後輪転舵装置は、車両の左右後輪を転舵制御する後輪転舵装置であって、前記各後輪を転舵駆動し、転舵状態を自己保持する転舵駆動手段と、前記各後輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、前記車両の状態を検出する車両状態検出手段と、前記車両状態検出手段によって検出された車両の状態に応じて後輪転舵角の制御目標値を設定する後輪転舵角制御目標値設定手段と、前記後輪転舵角制御目標値設定手段により設定された前記制御目標値と前記転舵角検出手段により検出された前記転舵角との差である制御偏差が零に近づくように前記転舵駆動手段をフィードバック補償式に制御するフィードバック制御手段と、前記制御偏差が設定された許容定常偏差の範囲内であるか否かを判別し、前記制御偏差が許容定常偏差の範囲外である場合には、前記フィードバック制御手段によるフィードバック補償制御を許可し、前記制御偏差が許容定常偏差の範囲内である場合には、前記フィードバック制御手段によるフィードバック補償制御を禁止し、前記転舵駆動手段に対するエネルギ供給を停止する停止制御を行う停止制御手段とを有する。
本発明による後輪転舵装置は、好ましくは、前記停止制御手段は、前記転舵角制御目標値設定手段により設定される前記制御目標値が変化した場合には、前記停止制御を取り止め、前記フィードバック制御手段によるフィードバック補償制御を許可する。
本発明による後輪転舵装置は、好ましくは、前記転舵駆動手段に作用する外力の原因になる状態変数を検出する外力関連状態検出手段を有し、前記停止制御手段は、前記外力関連状態検出手段により検出される前記状態変数に応じて前記許容定常偏差を設定する。
本発明による後輪転舵装置によれば、フィードバック補償式制御の制御偏差が許容定常偏差の範囲内であるか否かを監視し、制御偏差が許容定常偏差の範囲外である場合には、車両状態に応じた後輪転舵のためのフィードバック補償制御を行うが、制御偏差が許容定常偏差の範囲内になると、フィードバック補償制御を禁止し、転舵駆動手段に対するエネルギ供給を停止する。これにより、後輪転舵制御を損ねることなく定常偏差状態下での無駄なエネルギ消費がなくなり、後輪転舵制御の省エネルギ化が図られる。
以下に、本発明による後輪転舵装置の実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。
まず、本発明による後輪転舵装置が適用される四輪自動車を、図1を参照して説明する。
本実施形態の四輪自動車1は、左右の前輪4L、4Rと、左右の後輪6L、6Rとを有する。前輪4L、4Rは、各々、タイヤ3L、3Rを装着され、左右のフロントサスペンション7L、7Rによって車体2により懸架され、ナックル9L、9Rによって車体2に対して転向自在に取り付けられている。後輪6L、6は、各々、タイヤ5L、5Rを装着され、左右のリヤサスペンション8L、8Rによって車体2により懸架され、ナックル21L、21Rによって車体2に対して転向自在に取り付けられている。
四輪自動車1は、ステアリングホイール11の操舵によって左右の前輪4L、4Rを直接的に転舵操作する前輪操舵装置10を備えている。前輪操舵装置10は、ステアリングホイール11にステアリングシャフト12を介して一体的に回転可能に連結されたピニオン13と、ピニオン13に噛合する歯部を有して車幅向きに往復動可能に設けられたラック軸14とを有するラック・アンド・ピニオン機構を備えている。ラック軸14の両端はタイロッド15によって左右のナックル9L、9Rに連結されている。左右の前輪4L、4Rは、ステアリングホイール11の回転操作によってラック軸14が車幅向きに移動することにより、転舵(転向)される。
ステアリングシャフト12には前輪4L、4Rの実操舵角に相当するステアリングホイール11の操舵角を検出する操舵角センサ51が設けられている。以降、操舵角センサ51は、前輪実操舵角を示すセンサ信号を出力するものとする。
四輪自動車1は、一端を車体2に連結され、他端を左側の後輪6Lのナックル21Lに連結された左側のリニアアクチュエータ40Lと、一端を車体2に連結され、他端を右側の後輪6Rのナックル21Rに連結された右側のリニアアクチュエータ40Rとを有する。左右のリニアアクチュエータ40L、40Rは、電動式のものであり、リニア動作により伸縮し、左右の後輪6L、6Rの転舵角を個別に独立して変化させる。
左右のリニアアクチュエータ40L、40Rは、後輪操舵制御装置(ECU)100によって制御される。後輪操舵制御装置100は、マイクロコンピュータを含む電子制御式のものであり、操舵角センサ51より前輪実操舵角を示すセンサ信号を、四輪自動車1の車速を検出する車速センサ52より車速を示すセンサ信号を、車体2のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ53より車体2のヨーレイトを示すセンサ信号を、車体2に作用する横加速度を検出する横加速度センサ54より横加速度を示すセンサ信号を各々入力し、これらセンサ信号を用い、予め設定された後輪転舵制御則に従って、左右後輪の転舵角制御目標値を演算する。
後輪舵角制御装置100は、転舵角制御目標値をリニアアクチュエータ40L、40Rの制御目標ストローク量に換算し、リニアアクチュエータ40L、40Rに設けられているストロークセンサ55L、55Rよりリニアアクチュエータ40L、40Rの実ストローク量を示すセンサ信号を入力し、制御目標ストローク量と実ストローク量との差である制御偏差がゼロに近づくように、リニアアクチュエータ40L、40Rの各々に制御信号を出力する。
これにより、左右の後輪6L、6Rの転舵角(トー角)が目標後輪転舵角(後輪舵角制御目標値)になるようにフィードバック補償制御が行われる。
上述したように、本実施形態では、リニアアクチュエータ40L、40Rのストローク量をもって後輪転舵のフィードバック補償制御を行っている。リニアアクチュエータ40L、40Rのストローク量は、後輪6L、6Rの実転舵角と実質的に1対1の関係にあり、後輪6L、6Rの転舵角を代表する物理量を検出する転舵角検出手段として、リニアアクチュエータ40L、40Rのストローク量を検出するストロークセンサ55L、55Rが用いられている。
上述したように構成された四輪自動車1によれば、左右のリニアアクチュエータ40L、40Rを同時に相互に対称的に変位させることにより、左右両後輪6L、6Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる。この他、左右のリニアアクチュエータ40L、40Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、左右両後輪6L、6Rを左右に転舵することも可能である。例えば、四輪自動車1は、各種センサによって把握される車両の運動状態に基づき、加速時には後輪6L、6Rをトーアウトに、制動時には後輪6L、6Rをトーインに変化させ、また高速旋回走行時には後輪6L、6Rを前輪舵角と同相に、低速旋回走行時には後輪6L、6Rを前輪舵角と逆相にトー角制御(転舵)して、操縦性を高めるべく後輪トー角制御を行うこともできる。
次に、本実施形態の後輪転舵装置の具体的構成について、図2および図3を参照して説明する。左右のリヤサスペンション8L、8Rは、ダブルウィッシュボーン式のものである。左右のリヤサスペンション8L、8Rは、左右対称に配置された同一構造のものであるから、ここでは、左側リヤサスペンション8Lについて説明する。
リヤサスペンション8Lは、後輪6Lを回転自在に支持する前述のナックル21Lと、ナックル21Lを上下動可能に車体2に連結するアッパアーム22Lおよびロアアーム23Lと、後輪6Lの転舵角(トー角)を変化させるべくナックル21Lと車体2とに連結されたリニアアクチュエータ40Lと、後輪5の上下動を緩衝する懸架スプリング付きダンパ24L等で構成されている。
アッパアーム22Lおよびロアアーム23Lは、基端をそれぞれゴムブッシュジョイント25、26を介して車体2に連結され、先端をそれぞれボールジョイント27、28を介してナックル21Lの上部および下部に連結されている。リニアアクチュエータ40Lは、一端をゴムブッシュジョイント29を介して車体2に連結され、他端をゴムブッシュジョイント30を介してナックル21Lの後部に連結されている。懸架スプリング付きダンパ24Lは、上端を車体2に固定連結され、下端をゴムブッシュジョイント31を介してナックル21Lの上部に連結されている。
このような構成を採ることにより、リニアアクチュエータ40Lが伸長駆動されると、ナックル21Lの後部が車幅方向外側に回動することにより、後輪6Lは車両進行方向に対して内向き(トーイン側)に転向する。これに対し、リニアアクチュエータ40Lが収縮駆動されると、ナックル21Lの後部が車幅方向内側に回動することにより、後輪6Lは車両進行方向に対して外向き(トーアウト側)に転向する。
次に、図4を参照してリニアアクチュエータ40Lおよびストロークセンサ55Lについて説明する。
リニアアクチュエータ40Lは、車体2側のゴムブッシュジョイント29を取り付けられた第1ハウジング43aと、複数のボルト43cによって第1ハウジング43aに締結された第2ハウジング43bからなるハウジング43と、第2ハウジング43bに軸線方向(図4で見て左右方向)に摺動可能(伸縮自在)に嵌合し、ナックル21L側のゴムブッシュジョイント30を取り付けられた伸縮ロッド44とを備えている。
第1ハウジング43aの内部には駆動源であるDCモータ(電動モータ)45が収容されている。第2ハウジング43bの内部には、遊星歯車式の減速機46と、弾性カップリング47が収容されている。DCモータ45の出力軸47は、減速機46、弾性カップリング47を介して送りねじ機構49の雄ねじ部材49Aに駆動連結されている。伸縮ロッド44には送りねじ機構49のナット部材49Bが固定装着されている。ナット部材49Bは雄ねじ部材49Aとねじ係合し、雄ねじ部材49Aの回転によって軸線方向(図4で見て左右方向)に移動する。
これにより、DCモータ45が駆動されると、出力軸47の回転が減速機46によって減速されて雄ねじ部材49Aに伝達され、出力軸47の回転が送りねじ機構61によって直線運動に変換され、伸縮ロッド44が軸線方向に直線駆動される。
このように、リニアアクチュエータ40Lは、DCモータ45と送りねじ機構61との組み合わせによる直線変位アクチュエータで、DCモータ45に電流を供給しない電断状態でも、送りねじ機構61のねじ作用によって、その時の転舵状態を自己保持するセルフロック機能を有する直線変位アクチュエータである。
ストロークセンサ55Lは、第2ハウジング43bに取り付けられ差動変圧器56を収容したセンサハウジング57と、伸縮ロッド44にボルト58によって固定装着されたマグネット59とから構成されている。差動変圧器56は、伸縮ロッド44の直線駆動方向(軸線方向)と平行に延在してマグネット59に近接して配置され、マグネット59が軸線方向に移動した際に生じる差動電圧の変化により、伸縮ロッド44の伸縮ストロークを検出する差動トランス式の変位計測器である。
次に、図5を参照して後輪操舵制御装置100の詳細を説明する。後輪操舵制御装置100は、入力インタフェース101と、後輪転舵角制御目標値演算部102と、制御偏差演算部103と、比例制御部104と、モータ駆動回路105と、電断制御部106とを有する。
入力インタフェース101は、操舵角センサ51、車速センサ52、ヨーレイトセンサ53、横加速度センサ54、左右のストロークセンサ55L、55Rの各々よりセンサ信号を入力する。
後輪転舵角制御目標値演算部102は、入力したセンサ信号(操舵角、車速、ヨーレイト、横加速度)を応じて、予め設定された後輪舵角制御則に従って、左右の後輪6L、6Rの転舵角制御目標値を演算する。後輪転舵角制御目標値演算部102は、リニアアクチュエータ40L、40Rのストローク量(制御量)によるフィードバック補償制御のために、転舵角制御目標値を制御目標ストローク量(操作量)に変換し、制御偏差演算部103に渡す。
制御偏差演算部103は、左右のストロークセンサ55L、55Rによって検出された左右のリニアアクチュエータ40L、40Rの実ストローク量と左右の制御目標ストローク量との差演算により左右の後輪6L、6R毎の制御偏差を演算する。
比例制御部103は、制御偏差演算部103よりの左右のリニアアクチュエータ40L、40R毎の制御偏差を各々所定の比例ゲインによって比例動作指令量としてモータ駆動回路105に出力する。
このようにして、後輪転舵角制御目標値演算部102と制御偏差演算部103と比例制御部103とによってフィードバック制御手段が構成され、フィードバック補償制御が実行される。
モータ駆動回路105は、デュティ比制御により、左右の比例動作指令量に基づいて左右のリニアアクチュエータ40L、40RのDCモータ45に与える電流を生成し、DCモータ45に対する電流供給を行う。
電断制御部106は、転舵駆動手段であるリニアアクチュエータ40L、40Rに対するエネルギ供給、ここでは電力供給を停止する停止制御手段である。電断制御部106は、制御演算部103によって演算された制御偏差が、許容定常偏差演算部107によって演算設定された許容定常偏差の範囲内であるか否かを判別し、前記制御偏差が許容定常偏差の範囲外であるか、転舵角制御目標値設定部102によって演算された制御目標値が変化した場合には上述のフィードバック補償制御を許可し、これに対し、転舵角制御目標値設定部102によって演算された制御目標値が変化していない場合であって前記制御偏差が許容定常偏差の範囲内である場合には、フィードバック補償制御を禁止し、リニアアクチュエータ40L、40Rに対する電力(電流)供給を停止する電断を、モータ駆動回路105に指令する。
モータ駆動回路105は、電断制御部106より電断指令を入力すると、比例制御部103の出力に拘わらず、デュティ比をゼロとし、リニアアクチュエータ40L、40Rに対する通電を停止する。
これにより、後輪転舵制御を損ねることなく定常偏差状態下での無駄なエネルギ消費がなくなり、後輪転舵制御の省エネルギ化が図られる。
上述の電断は、左右のリニアアクチュエータ40L、40Rで個別に行われても、左右双方において電断条件が成立したときのみ、左右のリニアアクチュエータ40L、40に対して一斉に行われてもよい。
制御ゲインが一定である場合の許容定常偏差は、リニアアクチュエータ40L、40Rに作用する外力によって変化する。このことに対して、許容定常偏差演算部107は、リニアアクチュエータ40L、40Rに作用する外力の原因になる状態変数を検出する外力関連状態検出手段、本実施形態では、横加速度センサ54より検出される横加速度に応じて許容定常偏差を設定する。許容定常偏差は下式により表される。
Ess=K・αy
但し、Ess:許容定常偏差、αy:横加速度、K:定数である。
これにより、リニアアクチュエータ40L、40Rに作用する外力によって許容定常偏差がー変動しても、後輪転舵制御を損ねることなく定常偏差状態下での無駄なエネルギ消費がなくなり、後輪転舵制御の省エネルギ化が図られる。
次に、本実施形態による後輪転舵制御の処理ルーチンを、図6に示されているフローチャートを参照して説明する。当該処理ルーチンは、時間割り込みで、所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、各種センサよりセンサ信号を入力する(ステップS1)。
つぎに、入力したセンサ信号を用い、予め設定された後輪転舵制御則に従って、左右後輪6L、6Rの転舵角のフィードバック補償制御のための演算を行い、制御偏差Err、制御目標値δrを算出する(ステップS2)。制御偏差Err、制御目標値δrは、左右リニアアクチュエータ40L、40R毎に算出されるが、ここでは、説明の簡略化のために、その一方について説明する。
つぎに、制御目標値δrが変化したか否を判別する(ステップS3)。制御目標値δrの変化判別は、一回前の制御目標値δrと今回の制御目標値δrとに差があるか、あるいはその差が所定値以上であるかについて行われればよい。制御目標値δrが変化したと判別された場合には、フィードバック補償制御のための制御偏差Errに応じたデュティ比出力を行う(ステップS4)。
これに対し、制御目標値δrが変化していないと判別された場合には、横加速度センサ54より検出される横加速度に応じて許容定常偏差Essを演算し(ステップS5)、制御偏差Errが許容定常偏差Ess以下であるか否かを判別する(ステップS6)。制御偏差Err<許容定常偏差Essでない場合には、フィードバック補償制御のための制御偏差Errに応じたデュティ比出力を行う(ステップS4)。
これに対し、制御偏差Err<許容定常偏差Essである場合には、デュティ比がゼロの出力、つまり電断を行う(ステップS7)。
図7は、本実施形態による後輪転舵制御のタイムチャートを示している。このタイムタイムチャートでは、制御目標値δrと実舵角δrについて表記している。
時点T0で、実舵角δrが制御目標値δrに近づくフィードバック補償制御が行われ、時点T1で、制御目標値δr*が前回演算時と同じで、実舵角δrと制御目標値δrとの差、つまり制御偏差Errが許容定常偏差Ess以下になると、フィードバック補償制御が停止され、リニアアクチュエータ40L、40Rに対する通電を停止する電断が行われる。
この電断は、制御目標値δrが変化する時点T2まで行われる。時点T2で制御目標値δrが変化すると、実舵角δrが新しい制御目標値δrに近づくフィードバック補償制御が再開される。そして、時点T3で、制御目標値δrが前回演算時と同じで、実舵角δrと制御目標値δrとの差、つまり制御偏差Errが再び許容定常偏差Ess以下になると、フィードバック補償制御が停止され、リニアアクチュエータ40L、40Rに対する通電を停止する電断が行われる。
時点T4で、制御目標値δrが許容定常偏差Essより少ない値だけ変化しても、実舵角δrが新しい制御目標値δrに近づくフィードバック補償制御が再開される。そして、時点T5で、制御目標値δrが前回演算時と同じで、制御偏差Errが再び許容定常偏差Ess以下になると、フィードバック補償制御が停止され、リニアアクチュエータ40L、40Rに対する通電を停止する電断が行われる。これにより、電断によって制御偏差Errが大きくなることが回避される。
本発明による後輪転舵装置が適用される四輪自動車の一つの実施形態を示す全体構成図である。 本発明による後輪転舵装置を組み込まれた後輪サンペンション構成の一つの実施形態を示す斜視図である。 本発明による後輪転舵装置を組み込まれた後輪サンペンション構成の一つの実施形態を示す背面図である。 本発明による後輪転舵装置に組み込まれるリニアアクチュエータ及びストロークセンサの一つの実施形態を示す背面図である。 本発明による後輪転舵装置の制御系の一つの実施形態を示すブロック図である。 本実施形態による後輪転舵制御の処理ルーチンを示すフローチャートである。 本実施形態による後輪転舵制御のタイムチャートである。
符号の説明
4L、4R 前輪
6L、6R 後輪
40L、40R リニアアクチュエータ
51 操舵角センサ
52 車速センサ
53 ヨーレイトセンサ
54 横加速度センサ
55L、55R ストロークセンサ
100 後輪舵角制御装置
102 後輪転舵角制御目標値演算部
103 制御偏差演算部
104 比例制御部
105 モータ駆動回路
106 電断制御部
107 許容定常偏差演算部

Claims (3)

  1. 車両の左右後輪を転舵制御する後輪転舵装置であって、
    前記各後輪を転舵駆動し、転舵状態を自己保持する転舵駆動手段と、
    前記各後輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、
    前記車両の状態を検出する車両状態検出手段と、
    前記車両状態検出手段によって検出された車両の状態に応じて後輪転舵角の制御目標値を設定する後輪転舵角制御目標値設定手段と、
    前記後輪転舵角制御目標値設定手段により設定された前記制御目標値と前記転舵角検出手段により検出された前記転舵角との差である制御偏差が零に近づくように前記転舵駆動手段をフィードバック補償式に制御するフィードバック制御手段と、
    前記制御偏差が設定された許容定常偏差の範囲内であるか否かを判別し、前記制御偏差が許容定常偏差の範囲外である場合には、前記フィードバック制御手段によるフィードバック補償制御を許可し、前記制御偏差が許容定常偏差の範囲内である場合には、前記フィードバック制御手段によるフィードバック補償制御を禁止し、前記転舵駆動手段に対するエネルギ供給を停止する停止制御を行う停止制御手段と、
    を有する後輪転舵装置。
  2. 前記停止制御手段は、前記転舵角制御目標値設定手段により設定される前記制御目標値が変化した場合には、前記停止制御を取り止め、前記フィードバック制御手段によるフィードバック補償制御を許可する請求項1に記載の後輪転舵装置。
  3. 前記転舵駆動手段に作用する外力の原因になる状態変数を検出する外力関連状態検出手段を有し、
    前記停止制御手段は、前記外力関連状態検出手段により検出される前記状態変数に応じて前記許容定常偏差を設定する請求項1または2に記載の後輪転舵装置。
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