JP6226224B2 - 音源位置表示装置、音源位置表示方法およびプログラム - Google Patents

音源位置表示装置、音源位置表示方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ステレオ音場における音源の位置を一目瞭然にする音源位置表示装置、音源位置表示方法およびプログラムに関する。
ステレオ音場における音源の位置を可視化表示する技術が知られている。例えば特許文献1には、入力楽音信号から抽出される各周波数帯域毎の定位情報で定まる2次元平面(定位軸−周波数軸平面)において、各周波数帯域毎のレベル分布を、当該2次元平面の高さ方向となるレベル軸で3次元座標で表現し、そのレベル軸(高さ方向)を区別可能な態様で画面表示させることによってボーカルや楽器などの音源の存在領域を視認させる技術が開示されている。
特開2011−158674号公報
ところで、上記特許文献1に開示の技術では、2次元平面(定位軸−周波数軸平面)の高さ方向で各周波数帯域毎のレベル分布を表現するので、ボーカルや楽器単位の存在領域がグループ化した状態で画面表示される。この為、入力される音響信号に従って時系列に変化する各音源の位置を一目瞭然にすることが出来ないという問題が有る。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、時系列に変化する各音源の位置を一目瞭然にすることが出来る音源位置表示装置、音源位置表示方法およびプログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の音源位置表示装置は、少なくとも左右両チャンネルの成分を含む音響波形データからパワースペクトルを取得するパワー取得手段と、前記パワー取得手段により取得されたパワースペクトルから定位情報を取得する定位情報取得手段と、前記定位情報が示す複数の位置と複数の異なる表示色との対応関係を規定する規定手段と、前記定位情報取得手段により取得された定位情報と前記規定手段により規定される前記対応関係とに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する表示手段と、前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を調整する調整手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明の音源位置表示方法では、少なくとも左右両チャンネルの成分を含む音響波形データからパワースペクトルを取得し、取得したパワースペクトルから定位情報を取得し、前記定位情報が示す複数の位置と複数の異なる表示色との対応関係を規定し、取得した前記定位情報と規定した前記対応関係とに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示し、前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を調整することを特徴とする。
更に、本発明のプログラムでは、コンピュータに、少なくとも左右両チャンネルの成分を含む音響波形データからパワースペクトルを取得するパワー取得ステップと、前記パワー取得ステップで取得されたパワースペクトルから定位情報を取得する定位情報取得ステップと、前記定位情報が示す複数の位置と複数の異なる表示色との対応関係を規定する規定ステップと、前記定位情報取得ステップで取得された定位情報と前記規定手段ステップで規定される前記対応関係とに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する表示ステップと、前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を調整する調整ステップとを実行させることを特徴とする。
本発明では、時系列に変化する各音源の位置を一目瞭然にすることが出来る。
本発明の第1実施形態による音源位置表示装置100の全体構成を示すブロック図である。 RAM12のワークエリアWEの構成を示すメモリマップである。 色相テーブルCTの一例を示す図である。 色相テーブルCTの他の一例を示す図である。 色相テーブルCTの他の一例を示す図である。 メインルーチンの動作を示すフローチャートである。 分析処理の動作を示すフローチャートである。 表示処理の動作を示すフローチャートである。 色値算出処理の動作を示すフローチャートである。 色値算出処理の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態における音源位置表示の一例を示す図である。 第2実施形態におけるRAM12のワークエリアWEの構成を示すメモリマップである。 第2実施形態の色補正テーブルRTの一例を示す図である。 第2実施形態の色補正テーブルRTの他の一例を示す図である。 第2実施形態による表示処理の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態による色補正処理の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態における音源位置表示の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
A.構成
図1は、本発明の第1実施形態による音源位置表示装置100の全体構成を示すブロック図である。この図に示す音源位置表示装置100は、CPU10、ROM11、RAM12、入力手段13、表示手段14、音響出力手段15および音響入力手段16を備える。
CPU10は、入力手段13を介してユーザにより入力されるコマンドに応じて装置各部を制御する。ユーザにより入力されるコマンドの種類には、処理終了を指示する終了コマンド、再生機能の実行を指示する再生コマンド、音響入力機能の実行を指示する音響入力コマンド、演奏入力機能の実行を指示する演奏入力コマンド、本発明の要旨に係わる音源位置表示機能の実行を指示する音源位置表示コマンドがある。
再生機能とは、後述する音響入力機能により取り込んだ音響波形データや、後述する演奏入力機能により取り込んだ演奏データ(MIDIデータ)を、音響出力手段15から再生出力させる機能である。音響入力機能とは、音響入力手段14によって、ステレオ音場として収音したステレオ成分の音響信号をサンプリングし、これにより得られる音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)をRAM12の波形データエリアに保存する機能である。演奏入力機能とは、入力手段13を介して外部MIDI楽器から入力される演奏データ(MIDIデータ)を取り込んでRAM12の演奏データエリアに保存する機能である。
音源位置表示機能とは、音響入力機能によってRAM12に保存された音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)に周波数分析(高速フーリエ変換FFT)を施してパワースペクトル(LチャンネルおよびRチャンネル)を取得すると共に、LチャンネルおよびRチャンネルのパワースペクトルから定位情報panを取得し、取得した定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色を変化させ、それを時間軸(横軸)および周波数軸(縦軸)とした表示画面に表示する機能である。こうして、定位情報panに応じて表示色が変化するパワースペクトルを時系列順に画面表示することで時系列に変化する各音源の位置を一目瞭然にすることが可能になる。
ROM11には、上述した再生機能、音響入力機能、演奏入力機能および音源位置表示機能を具現する各種プログラム(後述するメインルーチン、分析処理、表示処理および色値算出処理を含む)が記憶される。RAM12は、音響入力機能によって取り込んだ音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)を保存する音響波形データや、演奏入力機能によって取り込んだ演奏データ(MIDIデータ)を保存するデータエリア(不図示)の他、CPU10の作業エリアとして各種レジスタ・フラグデータを一時記憶するワークエリアWEを備える。
ここで、図2を参照して、RAM12が備えるワークエリアWEに一時記憶される主要なレジスタデータ(変数)について説明する。図2は、主に音源位置表示機能を具現する際に使われるレジスタデータ(変数)である。レジスタdoData[n]には、1フレーム分のパワースペクトル値がストアされる。但し、レジスタdoData[n]の前半(0〜iFrame2−1)には、Rチャンネルのパワースペクトル値がストアされ、レジスタdoData[n]の後半(iFrame2〜iFrame2×2)には、Lチャンネルのパワースペクトル値がストアされる。
レジスタdには、モノラル化したパワースペクトル値がストアされる。レジスタdfrには、ポインタjに対応する周波数(後述する)がストアされる。レジスタiFrame2には、フレーム長さ(分析窓幅)の半分の長さがストアされる。レジスタdoFsには、音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)のサンプリング周波数がストアされる。レジスタtimenには、時間軸における表示幅(表示領域の幅)に相当するフレーム数がストアされる。レジスタiHeightには、表示領域の高さ(周波数を対数表示する縦軸の範囲)がストアされる。
レジスタwidthには、時間軸の表示幅(表示ピクセル数)がストアされる。レジスタres100centには、表示分解能に相当する半音分の表示ピクセル数がストアされる。レジスタpanには、左右両チャンネルのパワースペクトルの差分を、左右両チャンネルのパワースペクトルの和で乗算して得られる定位情報がストアされる。以下、レジスタpanの値を定位情報panと称す。定位情報panは、左端Leftで「−1.0」、中央Centerで「0.0」、右端Rightで「1.0」となる。
レジスタpan、peakPosShfitR、peakPosShiftL、brightness、brightnessOffsetは、色相テーブルCTの色相特性を設定する。色相テーブルCTとは、パワースペクトルをカラー表示する際の色(色相)を、定位情報panに応じて変換する。すなわち、定位情報panを読み出しアドレスとして、対応する色値(r(赤),g(緑),b(青))を読み出すデータテーブルである。
ここで、図3に図示する色相テーブルCTの一例を参照して、当該色相テーブルCTの色相特性を設定するレジスタpeakPosShfitR、peakPosShiftL、brightness、brightnessOffsetについて説明する。図3に図示する色相テーブルCTには、定位情報panに応じて色値(r,g,b)を決める色関数(R関数、G関数、B関数)が設けられる。なお、図3に図示する色値(r,g,b)は、「1」を最大値として正規化している。
図3に図示する一例の場合、R関数は中央(定位情報pan=0)の色値rを最大値「1」とする2つの直線から構成される。すなわち左端(定位関数pan=−1.0)においてレジスタbrightnessで指定される値(もしくはレジスタbrightnessOffsetで指定されるオフセット値)から中央(定位情報pan=0)の色値r「1」に至る傾きを有する第1の直線と、右端(定位情報pan=1.0)においてレジスタbrightnessで指定される値(もしくはレジスタbrightnessOffsetで指定されるオフセット値)から中央(定位情報pan=0)の色値r「1」に至る傾きを有する第2の直線とから構成される。
G関数は、レジスタpeakPosShfitRの値で指定される定位位置の色値gを最大値「1」とし、R関数と同じ傾きを有する第1および第2の直線から構成される。なお、G関数を構成する第1の直線は、色値g(最大値)「1」から「0」までの値域に対応する定義域(定位情報pan)を有する。一方、G関数を構成する第2の直線は、レジスタpeakPosShfitRの値で指定される定位位置から右端(定位情報pan=1.0)までの定義域に対応する値域を有する。
B関数は、レジスタpeakPosShfitLの値で指定される定位位置の色値bを最大値「1」とし、R関数と同じ傾きを有する第1および第2の直線から構成される。なお、B関数を構成する第1の直線は、レジスタpeakPosShfitLの値で指定される定位位置から左端(定位情報pan=−1.0)までの定義域に対応する値域を有する。一方、B関数を構成する第2の直線は、色値b(最大値)「1」から「0」までの値域に対応する定義域(定位情報pan)を有する。
さて、このような色相特性を有する色相テーブルCTにおいて、例えば入力する定位情報panの値が「0.5」の場合には、図3に図示する当該色相テーブルCTから色値(r1,g1,b1)が出力される。色相テーブルCTの色相特性は、分析対象となる音楽(音響信号)の種類に応じて調整する。具体的には、G関数およびB関数の最大値位置と第1および第2の直線の傾きを異ならせる。G関数およびB関数の最大値位置を変えることでパワースペクトルの表示色を異ならせ、これにより音源位置を浮かび上がらせるように表示することが可能になる。
G関数およびB関数における第1および第2の直線の傾きは、音源の広がりに合わせて調整する。第1および第2の直線の傾きを急峻にすると、ピアノなど広がり幅が大きい音源を捉えきれなくなり、一方、なだらかな傾きにすれば、トランペットなど広がり幅の狭い音源を捉え難くなる為、ある程度の広がり幅の音源を捉えつつ広がり幅の狭い音源も捕捉可能な傾きを経験的に見つけることになる。
例えば、図3に図示した色相テーブルCTよりも、RGB各関数を構成する第1および第2の直線の傾きを大きくした場合には、図4に図示する色相特性の色相テーブルCTとなる。さらに、図4に図示する色相テーブルCTにおいて、G関数の最大値を左端(定位情報pan=−1.0)、B関数の最大値を右端(定位情報pan=1.0)に設定した場合には、図5に図示する色相特性の色相テーブルCTとなる。
次に、再び図1を参照して実施形態の構成について説明を進める。図1において、入力手段13は、前述した各種コマンド(終了コマンド、再生コマンド、音響入力コマンド、演奏入力コマンドおよび音源位置表示コマンド)を入力する各種操作子や、演奏入力用の鍵盤およびMIDIインタフェース(不図示)を備える。
表示手段14は、CPU10から供給される表示制御信号に基づき、定位情報panに応じて表示色が変化するパワースペクトルを時系列順に画面表示する。なお、表示画面は、後述するように、横軸を時間軸、縦軸を対数周波数軸とする。時間軸の長さは分析対象とした音楽一曲分に相当し、対数周波数軸の範囲は、88鍵のピアノにおける半音分の周波数を分解能res100centとする為、都合88×分解能res100cent以上の表示領域となる。
音響出力手段15は、音源装置、D/A変換器、ノイズ除去用のフィルタ、アンプおよびステレオ再生用スピーカから構成される。この音響出力手段15が音響波形データを再生する場合には、CPU10の制御の下にRAM12のデータエリアから読み出される音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)をD/A変換器にてアナログ信号形式に変換した後、ノイズ除去用のフィルタおよびアンプを介してステレオ再生用スピーカから放音出力する。一方、音響出力手段15が演奏データを再生する場合には、CPU10の制御の下にRAM12のデータエリアから読み出される演奏データに基づき音源装置が楽音波形データを発生し、この楽音波形データをD/A変換器にてアナログ信号形式に変換した後、ノイズ除去用のフィルタおよびアンプを介してステレオ再生用スピーカから放音出力する。
音響入力手段16は、ステレオ録音用のマイク、アンプおよびA/D変換器から構成される。音響入力手段16は、CPU10の制御の下に、ステレオ音場として収音したステレオ成分の音響信号をサンプリングし、これにより得られる音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)をRAM12の波形データエリアに記憶する。
B.動作
次に、図6〜図11を参照して、上記構成による音源位置表示装置100のCPU10が実行するメインルーチン、分析処理、表示処理および色値算出処理の各動作を説明する。
(1)メインルーチンの動作
図6は、メインルーチンの動作を示すフローチャートである。音源位置表示装置100がパワーオン(電源投入)されると、CPU10は図6に図示するメインルーチンを実行し、ステップSA1に進み、装置各部を初期化する。続いて、ステップSA2〜SA6では、入力手段13を介してユーザ操作により入力されるコマンドの種類(終了コマンド、再生コマンド、音響入力コマンド、演奏入力コマンドおよび音源位置表示コマンド)を判別する。コマンド入力されなければ、ステップSA2〜SA6の各判断結果が何れも「NO」となり、コマンド入力待ちの状態で待機する。
そして、コマンド入力待ちの状態において、再生コマンドが入力された場合には、ステップSA3の判断結果が「YES」になり、ステップSA7に進み、後述のステップSA8(音響入力処理)にて取り込んだ音響波形データや、後述のステップSA9(演奏入力処理)にて取り込んだ演奏データ(MIDIデータ)を、音響出力手段15から再生出力する再生処理を実行した後、上記ステップSA2に処理を戻す。
音響入力コマンドが入力された場合には、ステップSA4の判断結果が「YES」になり、ステップSA8に進み、音響入力手段14を用い、ステレオ音場として収音したステレオ成分の音響信号をサンプリングし、これにより得られる音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)をRAM12の波形データエリアに保存する音響入力処理を実行した後、上記ステップSA2に処理を戻す。
演奏入力コマンドが入力された場合には、ステップSA5の判断結果が「YES」になり、ステップSA9に進み、入力手段13を介して外部MIDI楽器から入力される演奏データ(MIDIデータ)を取り込んでRAM12の演奏データエリアに保存する演奏入力処理を実行した後、上記ステップSA2に処理を戻す。
音源位置表示コマンドが入力された場合には、ステップSA6の判断結果が「YES」になり、ステップSA10に進み、音響入力処理(ステップSA6)においてRAM12に保存された音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)を読み出す。
次いで、ステップSA11では、読み出した音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)に周波数分析(高速フーリエ変換FFT)を施してパワースペクトル(LチャンネルおよびRチャンネル)を取得し、取得したLチャンネルおよびRチャンネルのパワースペクトルから定位情報panを取得する分析処理を実行する。
続いて、ステップSA12では、取得した定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色を変化させ、それを時間軸(横軸)および対数周波数軸(縦軸)とした表示画面に表示する表示処理を実行した後、上記ステップSA2に処理を戻す。そして、終了コマンドが入力されると、ステップSA2の判断結果が「YES」になり、本ルーチンを終了する。
(2)分析処理の動作
次に、図7を参照して分析処理の動作を説明する。上述したメインルーチンのステップSA11(図6参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は、図7に図示するステップSB1に進み、ポインタiをゼロリセットする。なお、ポインタiは、「0」の場合にLチャンネルの音響波形データを指定し、「1」の場合にRチャンネルの音響波形データを指定する。
続いて、ステップSB2では、ポインタiが「2」より小さいか否か、すなわち左右両チャンネルの音響波形データについて分析し終えたかどうかを判断する。ポインタiが「2」より小さく、左右両チャンネルの音響波形データについて分析し終えていなければ、判断結果は「YES」になり、ステップSB3に進み、ポインタjをゼロリセットする。
なお、ポインタjは、分析フレームの切り出し数(オーバーラップ数)を表す。本実施形態では、一つのチャンネルの音響波形データについて、2つのフレーム(j=0,1)で重複切り出しする態様としている。したがって、このステップSB4では、一つのチャンネルの音響波形データについて分析し終えたかどうかを判断する。
そして、ポインタiが「2」より小さく、、一つのチャンネルの音響波形データについて分析し終えていなければ、判断結果が「YES」になり、ステップSB5に進む。ステップSB5では、ポインタiで指定されるチャンネルの音響波形データに対し、ポインタj番目のフレームの切り出しを行い、続くステップSB6では、それに窓関数(例えばハニング窓関数)を乗算する。
次いで、ステップSB7では、ポインタj番目のフレームにより切り出されて窓関数が乗算された音響波形データに対してFFT(高速フーリエ変換)を施し、続くステップSB8では、FFTで得られた実数部と虚数部の二乗和平方根を算出してパワースペクトル値を取得する。そして、ステップSB9では、取得したパワースペクトル値をRAM12のレジスタdoDataにストアする。続いて、ステップSB10に進み、ポインタjをインクリメントして歩進させた後、上述のステップSB4に処理を戻す。
そして、歩進されたポインタjの値が「2」より小さい場合、すなわち一つのチャンネルの音響波形データについて分析し終えていなければ、上記ステップSB4の判断結果が「YES」となり、上述したステップSB5〜SB10を繰り返す。これにより、Lチャンネルの音響波形データについてパワースペクトル値を取得し終える。
さて、こうしてLチャンネルの音響波形データのパワースペクトル値を取得し終え、これに応じて歩進されたポインタjの値が「2」になったとする。そうすると、上記ステップSB4の判断結果が「NO」になり、ステップSB11に進み、ポインタiをインクリメントして歩進させた後、前述のステップSB2に処理を戻す。歩進されたポインタiの値が「2」より小さい場合、すなわち左右両チャンネルの音響波形データについて分析し終ていなければ、上記ステップSB2の判断結果が「YES」になり、ステップSB3に進み、ポインタjをゼロリセットする。
以後、Rチャンネルの音響波形データについて、2つのフレーム(j=0,1)で重複切り出しするパワースペクトル分析を行うべく、上記ステップSB4〜SB10の処理を繰り返し実行してRチャンネルの音響波形データから取得したパワースペクトル値をRAM12のレジスタdoDataにストアする。そして、上記ステップSB4〜SB10の処理を繰り返して歩進されたポインタjの値が「2」になると、上記ステップSB2の判断結果が「NO」になり、本処理を終える。
このように、分析処理では、RAM12から音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)を読み出して周波数分析(高速フーリエ変換FFT)を施し、FFTで得られた実数部と虚数部の二乗和平方根を算出してパワースペクトル値(LチャンネルおよびRチャンネル)を取得し、レジスタdoDataにストアするようになっている。なお、レジスタdoDataの前半にLチャンネルのパワースペクトル値が、後半にRチャンネルのパワースペクトル値がそれぞれ格納される。
(3)表示処理の動作
次に、図8を参照して表示処理の動作を説明する。図8は、表示処理の動作を示すフローチャートである。前述したメインルーチンのステップSA12(図6参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図7に図示するステップSC1に進み、カウンタiをゼロリセットする。なお、カウンタiは「0」から横軸の「表示領域幅timen」までのフレーム数を計数する。
続いて、ステップSC2では、フレーム数が横軸の「表示領域幅timen」より小さいか否か、すなわち表示領域幅timenまで表示し終えたかどうかを判断する。表示領域幅timenまで表示し終えていなければ、判断結果は「YES」となり、ステップSC3に進む。
ステップSC3では、カウンタjをゼロリセットする。なお、カウンタjは、「0」から縦軸の表示領域の高さiHeightまで累算する。次いで、ステップSC4では、カウンタjの値が表示領域の高さiHeightより小さいか否か、つまりカウンタiで指定されるフレーム(時間軸)において、縦軸の表示領域の高さiHeightまで表示し終えたかどうかを判断する。
縦軸の表示領域の高さiHeightまで表示し終えていなければ、上記ステップSC4の判断結果は「YES」になり、ステップSC5に進む。ステップSC5では、次式(1)に基づき縦軸の目盛りに相当するカウンタjの値を周波数に換算してレジスタdfrにストアする。
drf ← 440×2^((j/res100cent−69+21)/12)…(1)
なお、上記(1)式において、「2^」は2のべき乗を表し、res100centは半音当たりの表示ピクセル数を表す。j/res100centは、縦軸上の位置(カウンタjの値)をMIDIノートナンバに換算する。したがって、上記(1)式は、その換算されたMIDIノートナンバ(カウンタjの値)を周波数に換算する。
次に、ステップSC6では、次式(2)に従ってフレームを指定するインデックスindexを算出する。
index ← (iFrame2×dfr)/(doFs/2)…(2)
なお、上記(2)式において、iFrame2は1フレームの半分の長さ、dfrは上記ステップSC5で算出した縦軸上の位置(カウンタjの値)の周波数換算値、doFsはサンプリング周波数である。
続いて、ステップSC7では、次式(3)に従い、インデックスindexで指定されるフレームにおけるLチャンネルおよびRチャンネルの各パワースペクトルの平均値、つまりモノラル化したパワーdを算出する。
d ← (doDate[index]+
doDate[index+iFrame2])/2…(3)
次いで、ステップSC8では、次式(4)に基づき、LチャンネルのパワースペクトルとRチャンネルのパワースペクトルとの差分値を、LチャンネルおよびRチャンネルの各パワースペクトルの和(絶対値)で除算して定位情報panを算出する。
pan ← (doData[index]−doDate[index+iFrame2])/ABS(doData[index]+doDate[index+iFrame2])…(4)
そして、ステップSC9に進むと、次式(5)に従い、モノラル化したパワーdの対数値log(d)に応じた色値変換係数icolindexを算出する。
icolindex ← −iZoom+(icoln+iZoom)×log(d)/maxlog…(5)
なお、上記(5)式において、iZoomおよびicolnは色値変換定数である。
こうして、上記ステップSC8およびステップSC9において、定位情報panおよび色値変換係数icolindexが得られると、ステップSC10を介して色値算出処理を実行する。色値算出処理では、後述するように、色相テーブルCT(図3参照)を参照して定位情報panを色値(r,g,b)に変換してレジスタicol(r,g,b)にストアする。
次いで、ステップSC11では、上記ステップSC10で得られたレジスタicol(r,g,b)を、画面描画用のビットマップレジスタbitmap[i,j×width]にセットして画面表示する。なお、widthは縦軸の表示ピクセル数である。また、ステップSC11では、1オクターブ毎に目盛りとなる音程ガイドラインを描画する。
続いて、ステップSC12では、カウンタjをインクリメントして歩進させた後、前述のステップSC4に処理を戻す。以後、カウンタjの値が表示領域の高さiHeightを超えるまで上記ステップSC4〜SC12を繰り返すことによって、カウンタiで指定されるフレーム(時間軸)において、定位情報panに応じて表示色が変化するパワースペクトルを縦軸(対数周波数軸)に表示する。
そして、縦軸の表示領域の高さiHeightまで表示し終えると、上記ステップSC4の判断結果が「NO」になり、ステップSC13に進み、カウンタiをインクリメントして歩進させた後、前述のステップSC2に処理を戻す。以後、歩進されたカウンタiの値が横軸(時間軸)の「表示領域幅timen」に達するまで上記ステップSC3〜SC13を繰り返すことによって、定位情報panに応じて表示色が変化するパワースペクトルを、曲頭から曲末尾までの時系列順に画面表示する。そして、歩進されたカウンタiの値が横軸(時間軸)の「表示領域幅timen」を超えると、上記ステップSC2の判断結果が「NO」になり、本処理を終える。
(4)色値算出処理の動作
次に、図9を参照して色値算出処理の動作を説明する。図9は、色値処理の動作を示すフローチャートである。上述した表示処理のステップSC10(図8参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図9に図示するステップSD1に進み、前述の表示処理で算出した色値変換係数icolindexを、レジスタindexに置換する。以下、レジスタindexの値を色値変換係数indexと称する。
続いて、ステップSD2以降では、定位情報panの値に基づき色相テーブルCT(図3参照)の色値変換領域を判別し、判別した色値変換領域における色関数(R関数、G関数、B関数)に従って定位情報panを色値(r,g,b)に変換する。以下、色値変換領域が「pan≧0」の場合と、「pan<0」の場合とに分けて動作説明を進める。
a.色値変換領域がpan≧0の場合
色値変換領域がpan≧0であると、ステップSD2の判断結果が「YES」になり、ステップSD3に進み、次式(6)に基づき定位情報panをG関数に代入して色値gを算出する。
g ← ((1−(pan+peakPosShiftR))×brightness+brightnessOffset−brightness)×index/icoln…(6)
なお、上記(6)式において、色値変換係数index/色値変換定数icolnは色値幅を決める乗算係数である。
次いで、ステップSD4では、次式(7)に基づき定位情報panをR関数に代入して色値rを算出する。
r ← ((1−pan)×brightness+brightnessOffset)×index/icoln…(7)
続いて、ステップSD5では、定位情報panが「1−peakPosShiftL」以下であるか否かを判断する。定位情報panが「1−peakPosShiftL」以下であると、判断結果は「YES」になり、ステップSD6に進み、次式(8)に基づき定位情報panをB関数に代入して色値bを算出してステップSD8に進む。
b ← ((pan−peakPosShiftL−0)×brightness+brightnessOffset)×index/icoln…(8)
一方、定位情報panが「1−peakPosShiftL」より大きければ、上記ステップSD5の判断結果が「NO」になり、ステップSD7に進み、次式(9)に基づき定位情報panをB関数に代入して色値bを算出してステップSD8に進む。
b ← ((1−(pan−peakPosShiftL))×brightness+brightnessOffset)×index/icoln…(9)
そして、ステップSD8では、上記ステップSD2〜SD7において、定位情報panに応じて色相テーブルCT(図3参照)から得た色値(r,g,b)をレジスタicolにストアして本処理を終える。
b.色値変換領域がpan<0の場合
色値変換領域がpan<0であると、ステップSD2の判断結果が「NO」になり、図10に図示するステップSD9に進み、次式(10)に基づき定位情報panをB関数に代入して色値bを算出する。
b ← ((1+pan−peakPosShiftL)×brightness+brightnessOffset−brightness)×index/icoln…(10)
続いて、ステップSD11では、次式(11)に基づき定位情報panをR関数に代入して色値rを算出する。
r ← ((1+pan)×brightness+brightnessOffset)×index/icoln…(11)
次いで、ステップSD11では、定位情報panが「−1+peakPosShiftR」以上であるか否かを判断する。定位情報panが「−1+peakPosShiftR」以上であると、判断結果は「YES」になり、ステップSD12に進み、次式(12)に基づき定位情報panをG関数に代入して色値gを算出してステップSD8に進む。
g ← ((0−(pan+peakPosShiftR))×brightness+brightnessOffset)×index/icoln…(12)
一方、定位情報panが「−1+peakPosShiftR」より小さければ、上記ステップSD11の判断結果が「NO」になり、ステップSD13に進み、次式(13)に基づき定位情報panをG関数に代入して色値gを算出してステップSD8に進む。
g ← ((1+(pan+(1−peakPosShiftR)))×brightness+brightnessOffset)×index/icoln…(13)
そして、ステップSD8では、上記ステップSD9〜SD13において、定位情報panに応じて色相テーブルCT(図3参照)から得た色値(r,g,b)をレジスタicolにストアして本処理を終える。
以上説明したように、第1実施形態によれば、LチャンネルおよびRチャンネルの音響波形データに周波数分析(高速フーリエ変換FFT)を施して得たLチャンネルおよびRチャンネルのパワースペクトルから定位情報panを取得し、取得した定位情報panに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを曲頭から曲末尾までの時系列順に画面表示するので、例えば図11に図示する表示画面例のように、時系列に変化する各音源の位置を一目瞭然にすることが可能になる。
なお、図11はカラー表示出来ない為にモノクロ表示となっているが、実際には前述した色相テーブルCT(図3参照)に基づき定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色を異ならせている為、どの色(どの位置)で表示されるかで時系列に変化する各音源の位置が一目瞭然になる訳である。
なお、上述した第1実施形態では、RAM12の波形データエリアに保存しておいた音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)を処理対象としたが、これに限定されずステレオ音場として収音したステレオ成分の音響信号をサンプリングした音響波形データ(Lチャンネル、Rチャンネル)についてパワースペクトル分析および表示処理を施してリアルタイムに変化する音源位置を表示することも勿論可能である。
また、本実施形態では、色相テーブルCT(図3参照)に基づき定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色を異ならせているが、これに限らず、更に定位情報panを明度に変換するテーブルや、定位情報panを彩度に変換するテーブルを設け、これらを組み合わせて定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色、明度および彩度を異ならせることでより一層音源の位置を明確に表現する態様も可能である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態による音源位置表示装置100は、図1に図示した第1実施形態と同一の構成なので、その説明については省略する。第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、色補正テーブルRTを備えることにある。ここで、図12〜図14を参照して色補正テーブルRTの構成を説明する。
先ず、図12は、第2実施形態による音源位置表示装置100のRAM12が備えるワークエリアWEに一時記憶される主要なレジスタデータ(変数)の構成を示す図である。この図において、第1実施形態と相違する点は、色補正テーブルRTと、当該色補正テーブルRTの色補正特性を指定する値を保持するレジスタemphasizeLR、eLRCratio、trapezoidを具備することにある。
色補正テーブルRTとは、定位情報panを色値(r,g,b)の補正係数emphasizeに変換する。補正係数emphasizeは、前述の色相テーブルCTによって定位情報panに応じて変換された色値(r,g,b)に各々乗算される。
ここで、図13に図示する色補正テーブルRTの一例を参照して、当該色補正テーブルRTの色補正特性を指定する値を保持するレジスタemphasizeLR、eLRCratio、trapezoidについて説明する。色補正テーブルRTは、定位情報panを補正係数emphasizeに変換する台形の補正関数を備える。この台形の補正関数は、レジスタtrapezoidにストアされる上底の半値幅、レジスタemphasizeLRにストアされる上底中心位置およびレジスタeLRCratioにストアされる脚(斜辺)の傾きで指定される。
すなわち、台形の補正関数において、上底に含まれる範囲の定位情報panに対応して「1」の補正係数emphasizeを発生する。つまり上底に含まれる範囲の定位情報panについては色値補正が為されず、上底から下底に向かって右脚の傾きを有する直線(又は上底から下底に向かって左脚の傾きを有する直線)に対応する範囲の定位情報panでは色値をリニアに減衰させる補正係数emphasizeを発生する。なお、左脚(左斜辺)の傾きは、右脚の傾きと逆符号となる。
図13に図示した色補正テーブルRTは、右脚(右斜辺)の傾きを表すレジスタeLRCratioの値が「0」以下の一例である。右脚の傾きが「0」より大きい場合には、図14に図示するように、図13に図示した台形を上下反転した形の補正関数となる。具体的には、下底範囲に含まれる範囲の定位情報panについては「0」の補正係数emphasizeを発生する。つまり下底に含まれる範囲の定位情報panについては色値を「0」とする。下底から上底に向かって右脚の傾きを有する直線(又は下底から上底に向かって左脚の傾きを有する直線)に対応する範囲の定位情報panでは色値をリニアに増加させる補正係数emphasizeを発生する。
このような補正特性を備える色補正テーブルRTを用いることによって、特定の範囲に含まれる定位情報panに対応した色値を強調する為、その特定の範囲に位置するパワースペクトルの表示色が強調され、これにより音源位置を浮かび上がらせるように表示することが可能になる。
以下、こうした色補正テーブルCTを用いる第2実施形態の表示処理の動作について説明する。図15は、第2実施形態による表示処理の動作を示すフローチャートである。この図に示す第2実施形態の動作が、図8に図示した第1実施形態の表示処理と相違する点は、ステップSE10の色値算出処理の後に、ステップSE14の色補正処理を設けたことにある。第2実施形態の表示処理におけるステップSE1〜SE13は、前述した第1実施形態の表示処理におけるステップSC1〜SC13と同一であるので、その説明については省略する。
図16は、第2実施形態による色補正処理の動作を示すフローチャートである。図15に図示した第2実施形態による表示処理のステップSE14を介して色補正処理が実行されると、CPU10は、図16に図示するステップSF1に進み、定位情報panからレジスタemphasizeLRCにストアされる上底中心位置を減算した値が「0.0」以上であるか否かを判断する。以下、pan−emphasizeLRC≧0.0の場合と、pan−emphasizeLRC<0の場合とに分けて動作説明を進める。
a.pan−emphasizeLRC≧0.0の場合
この場合、上記ステップSF1の判断結果が「YES」になり、ステップSF2に進み、レジスタeLRCratioにストアされる脚(斜辺)の傾きが「0.0」以上であるか否かを判断する。脚(斜辺)の傾きが「0.0」以上であると、上記ステップSF2の判断結果は「YES」になり、ステップSF3に進む。ステップSF3では、次式(14)に基づき定位情報panを色補正テーブルRT(台形の補正関数)に代入して補正係数emphasizeを算出した後、ステップSF8に進む。
emphasize ← 1.0−eLRCratio×
(pan−trapezoid−emphasizeLRC)…(14)
一方、脚(斜辺)の傾きが「0.0」より小さいと、上記ステップSF2の判断結果が「NO」になり、ステップSF4に進む。ステップSF4では、次式(15)に基づき定位情報panを色補正テーブルRT(台形の補正関数)に代入して補正係数emphasizeを算出した後、ステップSF8に進む。
emphasize ← 0.0−eLRCratio×
(pan−trapezoid−emphasizeLRC)…(15)
b.pan−emphasizeLRC<0の場合
この場合、上記ステップSF1の判断結果が「NO」になり、ステップSF5に進み、レジスタeLRCratioにストアされる脚(斜辺)の傾きが「0.0」以上であるか否かを判断する。脚(斜辺)の傾きが「0.0」以上であると、上記ステップSF5の判断結果は「YES」になり、ステップSF6に進む。ステップSF6では、次式(16)に基づき定位情報panを色補正テーブルRT(台形の補正関数)に代入して補正係数emphasizeを算出した後、ステップSF8に進む。
emphasize ← 1.0−eLRCratio×
(emphasizeLRC−pan−trapezoid)…(16)
一方、脚(斜辺)の傾きが「0.0」より小さいと、上記ステップSF5の判断結果が「NO」になり、ステップSF7に進む。ステップSF7では、次式(17)に基づき定位情報panを色補正テーブルRT(台形の補正関数)に代入して補正係数emphasizeを算出した後、ステップSF8に進む。
emphasize ← 0.0−eLRCratio×
(emphasizeLRC−pan−trapezoid−)…(17)
そして、ステップSF8では、算出された補正係数emphasizeが「0.0」〜「1.0」の範囲内であれば、その算出された補正係数emphasizeをそのまま使うが、「0.0」より小さい場合には補正係数emphasizeを「0.0」に下限値設定し、一方、「1.0」より大きい場合には補正係数emphasizeを「1.0」に上限値設定する。次いで、ステップSF9では、前述した色値算出処理で得られた色値(r,g,b)にそれぞれ補正係数emphasizeを乗算して補正色値(r,g,b)を生成し、続くステップSF10では、生成された補正色値(r,g,b)をレジスタicolにストアして本処理を終える。
以上説明したように、第2実施形態によれば、LチャンネルおよびRチャンネルの音響波形データに周波数分析(高速フーリエ変換FFT)を施して得たLチャンネルおよびRチャンネルのパワースペクトルから定位情報panを取得し、取得した定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色を異ならせ、更に特定の範囲に含まれる定位情報panに対応した色値のパワースペクトルを強調しつつ曲頭から曲末尾までの時系列順に画面表示するので、例えば図17に図示する表示画面例のように、時系列に変化する各音源の位置を一目瞭然にすることが可能になる。
なお、図17はカラー表示出来ない為にモノクロ表示となっているが、実際には前述した色相テーブルCT(図3参照)に基づき定位情報panに応じてパワースペクトルの表示色を異ならせ、更に色補正テーブルRT(図13参照)に基づき特定の範囲に含まれる定位情報panに対応した色値のパワースペクトルを強調している為、どの色(どの位置)で表示されるかで時系列に変化する各音源の位置が一目瞭然になる訳である。
また、上述した第2実施形態では、色値算出処理で得られた色値(r,g,b)に対して一律に補正係数emphasizeを乗算して補正色値(r,g,b)を生成する態様としたが、これに限らず、例えば色値r、色値gおよび色値b毎の補正テーブルを設けておき、定位情報panに応じて各補正テーブルからそれぞれ得られる各色値毎の補正係数emphasizeを、対応する色値(r,g,b)に各々乗算して補正色値(r,g,b)を得ることも可能である。このようにした場合、特定の範囲に含まれる定位情報panに対応した特定色のパワースペクトルを強調表示したり抑制表示したりすることで所望の音源位置を明確に表現し得ることも可能になる。
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下では、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された各発明について付記する。
(付記)
[請求項1]
音響波形データからパワースペクトルを取得するパワー取得手段と、
前記パワー取得手段により取得されたパワースペクトルから定位情報を取得する定位情報取得手段と、
前記定位情報取得手段により取得された定位情報に応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する表示手段と
を具備することを特徴とする音源位置表示装置。
[請求項2]
前記表示手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報を色相に変換する色相変換手段を備え、当該色相変換手段により変換された色相で当該定位情報に対応するパワースペクトルを表示することを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
[請求項3]
前記色相変換手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報に応じた三原色値(r,g,b)を発生する色関数を備えることを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
[請求項4]
前記表示手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報を明度に変換する明度変換手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
[請求項5]
前記表示手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報を彩度に変換する彩度変換手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
[請求項6]
前記表示手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報に応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを時系列順に画面表示することを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
[請求項7]
前記表示手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報が、所定範囲に含まれる場合に、前記色相変換手段により変換された色相を補正する色補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
[請求項8]
前記色補正手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報が、特定の範囲に含まれる場合に、前記色相変換手段により変換された色相を強調することを特徴とする請求項7記載の音源位置表示装置。
[請求項9]
音響波形データからパワースペクトルを取得し、取得したパワースペクトルから定位情報を取得し、取得した定位情報に応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示することを特徴とする音源位置表示方法。
[請求項10]
コンピュータに、
音響波形データからパワースペクトルを取得するパワー取得ステップと、
前記パワー取得ステップで取得されたパワースペクトルから定位情報を取得する定位情報取得ステップと、
前記定位情報取得ステップで取得された定位情報に応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する表示ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 入力手段
14 表示手段
15 音響出力手段
16 音響入力手段
100 音源位置表示装置

Claims (12)

  1. 少なくとも左右両チャンネルの成分を含む音響波形データからパワースペクトルを取得するパワー取得手段と、
    前記パワー取得手段により取得されたパワースペクトルから定位情報を取得する定位情報取得手段と、
    前記定位情報が示す複数の位置と複数の異なる表示色との対応関係を規定する規定手段と、
    前記定位情報取得手段により取得された定位情報と前記規定手段により規定される前記対応関係とに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する表示手段と、
    前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を調整する調整手段と
    を具備することを特徴とする音源位置表示装置。
  2. 前記規定手段は、複数の異なる前記対応関係を規定し、
    前記調整手段は、前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を、前記規定手段により規定される複数の前記対応関係の中から選択することを特徴とする請求項1記載の音源位置表示装置。
  3. 前記調整手段は、前記音響波形データが、音源の広がりの幅が異なる複数の音楽の種類のいずれに対応するかに応じて前記対応関係を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の音源位置表示装置。
  4. 前記規定手段は、前記定位情報が示す位置と前記表示色の両方を数値化して、前記数値化された位置と表示色との対応関係を規定し、
    前記音楽の種類には、音源の広がりの幅が異なる複数の音楽の種類があり、
    前記調整手段は、音源の広がりの幅が第1の幅の音楽の種類である場合に、前記数値化された位置が第1の差を有する2つの位置にそれぞれ対応する前記数値化された2つの表示色の差が第2の差となる前記対応関係を選択し、音源の広がりの幅が前記第1の幅よりも広い第2の幅の音楽の種類である場合に、前記数値化された位置が前記第1の差を有する2つの位置にそれぞれ対応する前記数値化された2つの表示色の差が前記第2の差よりも小さい第3の差となる前記対応関係を選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音源位置表示装置。
  5. 前記規定手段は、前記定位情報が示す位置の変化に対する表示色の変化の大きさで前記対応関係として規定し、
    前記調整手段は、音源の広がりの幅が大きいほど前記定位情報が示す位置の変化に対する表示色の変化がより大きくなるように、前記対応関係を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音源位置表示装置。
  6. 前記規定手段は、前記定位情報に対応する表示色として、色相、明度、彩度のうちの少なくとも1つを規定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の音源位置表示装置。
  7. 前記規定手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報に応じた三原色値(r,g,b)を発生す色関数により前記対応関係を規定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の音源位置表示装置。
  8. 前記表示手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報に応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを時系列順に画面表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の音源位置表示装置。
  9. 前記調整手段は、更に、前記定位情報取得手段により取得された定位情報が、所定範囲に含まれる場合に、前記対応関係に応じて決定される表示色を補正することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の音源位置表示装置。
  10. 前記調整手段は、前記定位情報取得手段により取得された定位情報が、特定の範囲に含まれる場合に、前記対応関係に応じて決定される表示色を強調することを特徴とする請求項9記載の音源位置表示装置。
  11. 少なくとも左右両チャンネルの成分を含む音響波形データからパワースペクトルを取得し、
    取得したパワースペクトルから定位情報を取得し、
    前記定位情報が示す複数の位置と複数の異なる表示色との対応関係を規定し、
    取得した前記定位情報と規定した前記対応関係とに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示し、
    前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を調整する
    ことを特徴とする音源位置表示方法。
  12. コンピュータに、
    少なくとも左右両チャンネルの成分を含む音響波形データからパワースペクトルを取得するパワー取得ステップと、
    前記パワー取得ステップで取得されたパワースペクトルから定位情報を取得する定位情報取得ステップと、
    前記定位情報が示す複数の位置と複数の異なる表示色との対応関係を規定する規定ステップと、
    前記定位情報取得ステップで取得された定位情報と前記規定ステップで規定される前記対応関係とに応じて表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する表示ステップと、
    前記音響波形データに対応する音楽の種類に応じて、前記表示色を異ならせたパワースペクトルを表示する際に用いる前記対応関係を調整する調整ステップと
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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