JP6226006B2 - 車両用ハブユニット - Google Patents
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Description
この車両用ハブユニットのフランジ部には、複数のボルト固定孔が形成され、このボルト固定孔に、ブレーキディスクやタイヤホイールを装着するためのハブボルトが挿通され、固定されている。
また、特許文献1に記載の車両用ハブユニットのように、ボルト固定孔よりも径方向外側におけるフランジ部の外側面が車両アウタ側へ突出している場合には、フランジ部の外周部付近における面圧が一層高くなるため、上記の問題がより深刻となる。また、フランジ部が複数の部分フランジからなる場合には、各フランジ部の径方向外端部において部分的に面圧が集中する。
前記フランジ部のボルト固定孔の周囲には、当該フランジ部の内側面から車両インナ側へ膨出する厚肉部が形成されており、
前記フランジ部の前記厚肉部より外周側の径方向外端部には、当該フランジ部と前記ブレーキディスクとの当接面に生じる面圧を低減させる面圧低減構造が備わっており、
前記面圧低減構造は、前記フランジ部の径方向外端部において、径方向外方に開放し且つ前記フランジ部の内側面に対し車両アウタ側に凹む形状の凹溝により構成されていることを特徴とする。
ボルト固定孔の周辺は、ハブボルトによってフランジ部とブレーキディスクとが連結される部分であり、両者の当接面における面圧が高くなる傾向にある。したがって、このボルト固定孔の周辺に面圧低減構造を設けることによって、効果的に面圧を低減させることができる。
図1は、本発明の参考例1に係る車両用ハブユニットの側面断面図である。
車両用ハブユニット10は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するものであり、円筒状のハブ軸11を有するハブホイール12と、ハブ軸11の車両インナ側の端部(図1において右側端部)にかしめ固定された内輪構成部材13と、ハブ軸11の径方向外方に配設された外輪部材14と、この外輪部材14の内周面の外輪軌道16a,16bと、ハブ軸11及び内輪構成部材13の外周面の内輪軌道17a,17bとの間に転動自在に配設された複数の転動体18とを備えている。ハブホイール12と内輪構成部材13とによって内輪部材19が構成されている。複数の転動体18は、保持器20によって周方向に所定の間隔で保持されている。また、外輪部材14とハブ軸11との間に形成される環状空間には、当該環状空間を軸方向両端から封止するシール部材21が設けられている。
内輪構成部材13は、ハブ軸11の小径部35の外周面に嵌め込まれた後、小径部35の端部がかしめられてかしめ部36が形成されることによって、段差部34とかしめ部36との間に固定されている。
本参考例1のフランジ部23は円盤状(環状)形成されている。そして、フランジ部23の外周側には、複数個(図示例では4個)のボルト固定孔25が周方向に等間隔をあけて形成されている。このフランジ部23におけるボルト固定孔25の周囲には、車両インナ側にやや膨出することによって厚肉に形成された厚肉部39が形成されている。
フランジ部23の外側面23aにおけるボルト固定孔25が形成された部分には、当該ボルト固定孔25よりも大径の円形状の溝部41が形成されている。この溝部41は、各ボルト固定孔25の周囲のみに形成されていてもよいし、全てのボルト固定孔25にわたるように円環状に形成されていてもよい。また、溝部41は省略することも可能である。
本実施の形態の車両用ハブユニット10は、フランジ部23が、周方向に複数(図示例では4個)の部分フランジ48から構成されている点で、上記参考例1とは異なっている。各部分フランジ48は、ハブホイール12の回転軸心Xを中心として径方向外方へ向けて放射状に突出している。また、各部分フランジ48の径方向外端部には、凹溝42が形成されている。この凹溝42は、ハブホイール12の回転軸心Xを中心とする仮想円αに沿って形成されており、ブレーキディスク26との接触面圧が特に高くなる各部分フランジ48の径方向外端部に対して部分的に形成されている。
その他の構成や作用効果は参考例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、本実施の形態においては、凹溝42の軸方向の幅wが大きく、フランジ部23の外周部(当接部45)における肉厚tが小さくなっているため、車両用ハブユニット10の軽量化にも寄与することができる。
本参考例2の車両用ハブユニット10は、参考例1および第1〜第2の実施の形態のようにフランジ部23の外周面23bには凹溝42が形成されておらず、その代わりに、フランジ部23の外側面23aにクラウニング面50が形成されている。このクラウニング面50は、ボルト固定孔25よりも径方向外側におけるフランジ部23の外側面23aに形成されている。クラウニング面50は、径方向外側ほどブレーキディスク26から離反するように傾斜する傾斜面に形成されている。本参考例2では、面圧がより高くなるフランジ部23の外周範囲dに対応してクラウニング面50が形成されている。このクラウニング面50は、平坦な面であってもよいし、凸状の曲面であってもよい。また、このクラウニング面50とブレーキディスク26との最大距離は、1mm以下(例えば、数μm〜数十μm)とすることができる。
例えば、図2示される例では、フランジ部23の外周面23bの全周に凹溝42が形成されているが、例えば、ボルト固定孔25の周辺(ボルト固定孔25の径方向外側領域)のみに凹溝42が形成されていてもよい。ボルト固定孔25の周辺は、厚肉部39の存在によってフランジ部23の剛性が高くなり、ハブボルト24及びホイールナット30の締結部でもあるために、フランジ部23とブレーキディスク26との接触面圧も高くなる傾向にある。そのため、ボルト固定孔25の周辺のみに凹溝42を形成するだけでも、十分に面圧の低減効果を得ることができる。
Claims (2)
- 回転部材としての内輪部材と、当該内輪部材の径方向外側に配置された固定部材としての外輪部材と、前記内輪部材と前記外輪部材との間に転動可能に設けられた転動体と、前記内輪部材の外周部から径方向外方に突出し、かつブレーキディスクを装着するためのハブボルトを固定するボルト固定孔が形成されたフランジ部と、を備えている車両用ハブユニットであって、
前記フランジ部のボルト固定孔の周囲には、当該フランジ部の内側面から車両インナ側へ膨出する厚肉部が形成されており、
前記フランジ部の前記厚肉部より外周側の径方向外端部には、当該フランジ部と前記ブレーキディスクとの当接面に生じる面圧を低減させる面圧低減構造が備わっており、
前記面圧低減構造は、前記フランジ部の径方向外端部において、径方向外方に開放し且つ前記フランジ部の内側面に対し車両アウタ側に凹む形状の凹溝により構成されていることを特徴とする車両用ハブユニット。 - 前記凹溝の軸方向の幅wが、前記フランジ部の外周部における肉厚tより大きい、請求項1に記載の車両用ハブユニット。
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