JP6224717B2 - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム装置に用いる収差補正法に関する。
荷電粒子ビームを用いた走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)等の電子顕微鏡や電子線描画装置(EB)、集束イオンビーム装置(FIB)においては、色収差や球面収差等によるビームボケが、その分解能や加工精度の限界となっている。従来の収差補正技術は複雑な多極子系が用いられ、一部に市販もされているが、やはり高価で特に色収差と球面収差の同時補正には、非常に高度の設計と困難な調整が必要とされている。
特開2009−54581号公報には、平行電流線を用いて軸上の磁場を完全にキャンセルする、低コストで制御性の優れた多極子場の形成法が開示されている。
特開2009−54581号公報
回転対称な電子レンズは設計・製法や調整法が簡便で、電子顕微鏡等の電子光学装置に古くから用いられている。一方で回転対称の電子レンズは凸レンズ作用しかなく、収差が有限であることが証明されている。そのため、従来の収差補正法はビーム軸上に直線状に複数の回転対称ではない多極子系を配置して、複雑な収束・発散場を形成し補正していた。すなわち、荷電粒子ビーム光学では多極子系を用いてビーム偏向に加えて、ラインフォーカスや非点補正作用、すなわち局所的には発散場が可能であり電気的に制御できる。従来技術はこの特徴から、軌道のZ軸方向にXY平面で交互にラインフォーカスさせ、一方向で集束作用させると共に他方向で発散作用をさせ、複雑な工程で収差補正を実現していた。
一般に、これらの多極子系は軸を基準に回転方向に等分割された磁極あるいは電極を用いて構成される。その数は4〜12極と多く、精度も必要で電源も含めて高価であり、特に色・球面収差補正は厳密な軌道調整が必要で困難であった。
特許文献1によっても、多極子場の構成と軌道調整の複雑さは基本的に解消されていない。すなわち従来技術と同じく、あくまでビーム軸は直線として補正コイルを直列に配置して、限定された領域と方位に補正場を多数段に配置する。そのため、これらの構成に加えて、収差打ち消しの帳尻合わせに複雑なビーム軌道となっていた。
一方で、立体観察や結晶方位観察等の応用に、低収差でビーム傾斜可能な多機能の電子顕微鏡が必要とされている。
このような課題と市場ニーズに同時に応えるために、傾斜ビームにおいて色・球面収差を抑制できる収差補正方法を考案した。
多極子や平行電流線等により局所凹レンズ場を形成し、通常の回転対称レンズや偏向器、非点補正器によりビーム軸を局所凹レンズ場に合わせ込み、他の回転対称な凸レンズ場の発生する収差と逆作用させて収差を補正する。これにより、光学でのダブレットやトリプレット構成と同じ原理で簡易な構成で収差補正ができる。
すなわち、本発明の荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子源と、荷電粒子源から発生された荷電粒子ビームが通される回転対称のレンズ系と、光軸の回りにN回対称電磁界(Nは2以上の自然数)を発生する電磁界発生ユニットと、電磁界発生ユニットの入射側に配置され荷電粒子ビームを偏向する入射偏向器とを有し、入射偏向器により、レンズ系を通った荷電粒子ビームを偏向してN回対称電磁界の離軸領域に形成された局所的な発散場に入射させ、レンズ系に起因する荷電粒子ビームの収差を補正するものである。光軸はレンズ系の回転対称軸に一致し、荷電粒子源は光軸上に配置される。
N回対称電磁界の離軸領域の局所的な発散場は、荷電粒子ビームが通過する空間の外側に光軸の回りに角度分割数Nで配置されたN本の平行電流線、磁界型多極子あるいは静電型多極子によって形成することができる。
平行電流線によって離軸領域に局所的な発散場を形成する場合には、レンズ系の回転対称軸に垂直な平面でみて回転対称軸の位置を中心とし、中心から平行電流線までの距離をRとするとき、荷電粒子ビームを、中心を除き中心から半径(R/3)の範囲に入射させるのがよい。
また、平行電流線によって離軸領域に局所的な発散場を形成する場合には、トロイダル巻コイルの内側部分を平行電流線として機能させ、トロイダル巻コイルの内側部分を磁場シールドの内側に配置し、トロイダル巻コイルの残りの部分を前記磁場シールドの外側に配置するのが好適である。
電磁界発生ユニットは2回対称電磁界と4回対称電磁界を互いの局所的な発散場が重なるように発生し、荷電粒子ビームを重なった局所的な発散場に入射させるようにしてもよい。
その一態様として、光軸の回りに角度分割数2で配置された2回対称電磁界発生用の2本の平行電流線と光軸の回りに角度分割数4で配置された4回対称電磁界発生用の4本の平行電流線を荷電粒子ビームが通過する空間の外側に備え、2回対称電磁界発生用の平行電流線に流す電流の大きさを制御することで荷電粒子ビームの色収差を補正し、4回対称電磁界発生用の平行電流線に流す電流の大きさを制御することで荷電粒子ビームの開口収差を補正するようにしてもよい。
光軸の回りに互いに45度ずらして配置した2組の角度分割数2の平行電流線を備える非点補正器を電磁界発生ユニットへの入射側及び出射側に設置してもよい。
レンズ系は電磁界発生ユニットへの入射側に配置された第1のレンズと電磁界発生ユニットへの出射側に配置された第2のレンズを含むこととしてもよい。
第1のレンズ及び第2のレンズは静電レンズとしてもよい。
また、電磁界発生ユニットの入射側と出射側にそれぞれ非点補正器を配置し、2つの非点補正器を連動して制御するようにしてもよい。
電磁界発生ユニットの出射側に出射偏向器を備えてもよい。
入射偏向器及び出射偏向器と静電レンズにより電磁界発生ユニットの略中点において荷電粒子ビームを光軸に平行としつつ、入射角度及び出射角度がほぼ対称となるように制御してもよい。
また、本発明による荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子源と、荷電粒子源から発生された荷電粒子ビームが通される回転対称のレンズ系と、光軸の回りに局所的回転磁場を発生する補正コイルユニットと、補正コイルユニットの入射側に配置され荷電粒子ビームを偏向する入射偏向器とを有し、入射偏向器により、レンズ系を通った荷電粒子ビームを偏向して補正コイルユニットにより形成された局所的回転磁場に入射させ、レンズ系に起因する荷電粒子ビームの収差を補正するものである。
補正コイルユニットは、光軸から放射状に配置された2組のトロイダル巻コイルを備え、トロイダル巻コイルは上辺と下辺が光軸に平行で光軸から遠い下辺の長さが光軸に近い上辺の長さより長い台形状であり、上辺と下辺によって構成される平行電流線によって2組のトロイダル巻コイルによって挟まれた空間に局所的回転磁場を発生するようにしてもよい。
台形状のトロイダル巻コイルの上辺と下辺を結ぶ辺に近接して、当該辺を流れる電流によって発生する磁場を相殺するための逆電流コイルを配置してもよい。
本発明により、従来の複雑性を回避しつつ、多機能な荷電粒子光学系が実現できる。具体的に以下の効果が期待できる。
一つには、低コストで構成要素も少ない収差補正器が実現可能となる。局所発散場の形成には、多極子や平行電流系を用いる。特に平行電流系は磁気飽和やヒステリシスがなくリニアで巻数と配置で加減算が可能な場が構築できる。また解析が容易で光学レンズ式に組み合わせ設計や調整が可能となる。更に、コイルは真空外に出せてメンテナンスがしやすく、電流接続により電源も節約できて低コスト化が可能である。
また、付加的な効果であるビーム離軸調整により、結果的に無収差のビーム傾斜系が実現される。本発明を走査型顕微鏡(SEM)や透過型顕微鏡(TEM)に応用すると、それぞれ表面及び内部のステレオ観察や、結晶方位等の高速・高分解能の観察が可能となる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
多極子による磁場の説明図。 平行電流線による磁場と作用の説明図。 一対の平行電流線によって発生される磁場強度を示す濃淡図。 領域を格子状に分割した各格子点における磁場の強度と向きを示す図。 中心からの距離と磁場強度の関係を示す図。 局所的な発散場として利用可能な領域を示した図。 トリプレットレンズによる収差補正の説明図。 本発明の収差補正概念を示す模式図。 平行電流線による磁場強度分布の計算例を示す図。 ダブレット構成による収差補正概念図。 ダブレット構成による収差補正概念図。 電気的トリプレット構成によって収差を補正する荷電粒子ビーム装置の実施例を示す模式図。 減速型静電レンズを備えて収差補正を行う荷電粒子ビーム装置の実施例を示す模式図。 トロイダルコイルの偏向作用の説明図。 トロイダルコイルの発散作用の説明図。 トロイダルコイルの収束作用の説明図。 他の凹レンズ場形成法を利用した荷電粒子ビーム装置を示す模式図。 トロイダル一様発散場の調整パラメータ説明図。 1つのトロイダルコイルを示す概略側面図。 静電レンズを用いたビーム傾斜光学系への適用例を示す摸式図。 磁場レンズを用いたビーム傾斜光学系への適用例を示す摸式図。 透過型電子顕微鏡への適用及び傾斜軌道図。
荷電粒子ビーム装置と光学装置の大きな差はその開き角(開口数)であり、荷電粒子ビームの場合は収差が大きい故に10mradのオーダーであり、光学レンズと比べて非常に小さい。この特性から回転対称レンズに非点作用を加えて、局所的な発散場の方向にラインフォーカスさせビームを局在化させることが可能である。すなわち本発明では多極子で軸外に局所的に発散場を形成しつつ、回転対称レンズに偏向器及び非点補正器を組み合わせてビーム軌道を軸外の局所発散場に合わせ込み、ビーム傾斜と同時に収差補正を実現する。
具体的に磁界型8極子を用いれば、4極子の非点補正場でもある収束・発散磁場B1と3次磁場B3が発生できる。また静電型8極子でも同様の作用を発生できる。更にこれらの多極子の代わりに、平行電流線を用いることで、低コストでヒステリシスがない制御性の高い補正器が実現できる。
ここで、荷電粒子光学系の光軸をZ軸とするXYZ座標系(右手系)のXY面内に原点を中心にして半径Rの円を設定し、その円周をn等分するn個の位置にZ方向に延びるn本の平行電流線を配置する。n本の平行電流線には同じ大きさの電流を同じ向きに流す。この光軸の回りに角度分割数nで配置されたn本の平行電流線からなる補正コイルを、以下では半径Rの「N=n系補正コイル」という。
図1は多極子による2回対称磁場の説明図、図2は半径RのN=2系補正コイルが発生する2回対称磁場と作用の説明図である。図2に示す補正コイルは、荷電粒子ビームが通過する空間の外側でXY座標上の位置(−R,0)及び(R,0)に配置され、紙面に垂直に裏面から表面に向かうZ軸に平行に延びる2本の平行電流線2a,2bによって構成される。図の例では、2本の平行電流線2a,2bに同じ大きさの電流を紙面表から裏に向かって流す。
図1に示すように多極子1では正負交互に反転した対称場で軸上場を打ち消すが、図2に示すように一対の平行電流線2a,2bでは磁場の回転を用いて自動的に軸上磁場がキャンセルされる。その結果、図2の例では、軸からX軸方向に凸レンズ場、Y軸方向に凹レンズ場が局所的に発生している。但し、荷電粒子は正電荷を有し、Z軸方向に飛行するものとする。
更に、図2に示したように、一対の平行電流線2a,2bからなる半径RのN=2系第1補正コイルに加えて、もう一対の平行電流線2c,2dからなる半径RのN=2系第2補正コイルを第1補正コイルに対して原点の回りに45度回転した位置に設ければ、所望の方位に非点補正作用を発生することができ、低コストで任意方向の非点補正が可能となることが分かる。すなわち、一般的に図1に示した多極子では斜め方向の非点作用を破線で示す45度回転した4極子で発生しているが、補正コイル方式では、互いに45度回転した位置に配置したN=2系第1補正コイル2a,2bに流す電流とN=2系第2補正コイル2c,2dに流す電流を独立に制御することで同等の機能が実現できる。
ここで、凹レンズ場として利用可能な空間範囲は、発散作用量の離軸依存性と直交する集束作用量により決定される。すなわち理想的凹レンズであれば離軸依存性は直線的であり、いわゆる非球面に相当する補正場の場合は3次式となる。また、集束作用は、凹レンズ作用方向にビームを離軸させれば離軸量に応じて相対的に小さくできる。したがって具体的な実施例において所望の離軸量は計算できるが後述のように、おおよそ、ビームの透過範囲は中心軸上の点(0,0)を中心とする半径(R/3)以内の範囲(すなわち、点(0,0)を中心とする差し渡しが一対の平行電流線間の距離の1/3以内の範囲)であって、中心軸上の点(0,0)を除く範囲とすればよい。点(0,0)を中心とする半径(R/3)以内の範囲では、中心(0,0)からの距離が離れるに従って磁場強度が直線的に変化するとみなせるため、この領域内であれば各点における磁場強度に基づいてビームの偏向量を計算することにより、局所的な凹レンズ場として利用可能となる。より好ましくは、中心軸上の点(0,0)を中心とする半径(R/3)以内の範囲のうち、一対の平行電流線を結ぶ軸(図2のX軸)に対して垂直な方向の軸(図2のY軸)上又はその近傍にビームを通すのがよい。この軸上又はその近傍においては、ビーム自体を回転させる方向の磁場が発生しない、又は極めて小さいためである。なお、ビーム自体の回転作用も考慮するならばこの軸上以外の領域も点(0,0)を中心とする半径(R/3)以内の範囲であれば利用可能である。また、ここでは図2に示す向きに電流を流した場合の例で説明したが、図2とは逆向きにそれぞれの平行電流線に電流を流した場合には、ビームに働く力は図2に示した矢印とは逆向きになるため、一対の平行電流線を結ぶ軸(図2のX軸)上及びその近傍が凹レンズとして利用可能な領域となる。ここで「近傍」とはビームの大きさや偏向量の誤差を許容する量であり、ビーム自体を回転させる方向の磁場が実質ゼロとみなせる範囲を意味する。
また、前述のとおり、点(0,0)を中心とする半径(R/3)以内の範囲であれば、中心(0,0)からの離軸量にしたがって磁場は直線的に強くなるため、必要な収差補正量に応じて離軸量を決めればよい。例えばビームを大きく変形させたい場合は点(0,0)から大きく離軸させ、少量の変形で良い場合には点(0,0)に近い領域を使えば良い。
以下に、局所的な発散場として利用可能な領域を、点(0,0)を中心とする半径(R/3)以内の範囲とした理由を示す。図3は、互いに10mmだけ離して配置した一対の平行電流線2a,2bによって発生される磁場を解析し、磁場強度を濃淡で表した図である。この場合、R=5mmである。図4は、領域を格子状に分割した各格子点における磁場の強度と向きを矢印で表示した図である。矢印の長さが磁場の強度を表し、矢印の向きが磁場の方向を表している。図3及び図4は、図3に示すように一対の平行電流線2a,2bを結ぶ直線の中点である点(0,0)を中心とした縦横6mmの領域の磁場分布を示している。Z軸方向に伸びるコイルの長さは40mmとした。一対の平行電流線を結ぶ直線の中点、すなわち点(0,0)付近では磁場が弱く、平行電流線2a,2bに近い領域では磁場強度が強いことが見て取れる。
図5は、点(0,0)からの距離と磁場強度の関係を示した図である。図には点(0,0)を通るX軸上での磁場強度とY軸上での磁場強度を、X方向、Y方向として示した。図5から分かるように、磁場強度は中心点(0,0)から(R/3)程度の距離までは直線的に変化するが、それ以降では直線性を失う。磁場強度が直線的に変化する範囲がビームの偏向作用をコントロールできる範囲であり、磁場の直線性が保たれるのは点(0,0)を中心とする半径(R/3)の範囲であるので、収差補正に使用できる領域は点(0,0)を中心とする半径(R/3)の範囲とする。
図6は、局所的な発散場として利用可能な領域を示した図である。上記のように、収差補正のための局所的な発散場として利用可能な領域は、図6にハッチングで示した領域、すなわち点(0,0)を除き、点(0,0)を中心とする半径(R/3)の範囲である。その中でも特に有効なのは、図に黒い太線で示したY軸上及びその近傍の領域である。Y軸を離れた領域も発散場として作用するのでビーム形状を変更させることができるが、同時に回転作用も入るので、制御を考えるとY軸上及びその近傍の領域が最適である。黒い太線で示したY軸上及びその近傍の領域のどこにビームを通すかは、必要な収差補正量に応じて選択すればよい。中心(0,0)から離れて外側に行くほど磁場が強くなるので、ビーム形状を大きく変化させることが可能になる。
なお、平行電流線2a,2bに流す電流の向きを逆にすると、図2で説明した力の向きが逆になるので、X軸方向が局所的な発散場として利用できる。つまり、局所的な発散場として利用できる領域(方向)は、平行電流線に流す電流の向きによって変わる。ただし、いずれの場合であってもハッチングで示した領域を越えると、磁場の直線性が保たれなくなるので収差補正のための利用が難しくなる。
光学レンズでは、凹凸組合せレンズであるダブレットやトリプレットを用いたりレンズ面の非球面化により、レンズ媒質固有の色分散や諸収差を補正している。図7は、光学的収差補正で用いられる凹レンズを2枚の凸レンズで挟んだトリプレットレンズを示す模式図である。ここでは、中央の凹レンズの色分散が凸レンズと逆になることを利用して色収差を補正し、幾何収差の補正については非球面レンズが用いられる。
図7のトリプレットに対して、図8は本発明の収差補正概念を示す模式図である。図8の右図はYZ平面における図であり、左図はXZ平面における図である。図8の右図に示すようにY軸方向では多極子を中央に凹レンズとして配し、入射側及び出射側に回転対称レンズを配置する。ここでY軸方向の凹レンズ作用すなわち発散作用は離軸量(y座標値)に比例して強くなる。その一方で、図8の左図に示すX軸方向には、軸上(x=0)に相当する弱い集束場が発生し、凸レンズ作用を示す。発散場が強く集束場が弱い範囲が広い場合は、ビーム軌道を図8の左図に点線で示す直線とし、その範囲が狭い場合は例えば非点補正でビーム軌道をラインクロスして凸レンズ収差を抑制すればよい。
ここで発散場の回転方向の範囲が狭く歪が大きい場合は、入出射側に非点補正器を配置して、回転方向にビームをラインフォーカスさせ復元することで、径方向にのみ凹レンズ作用を受けるようにできる。回転方向の収差は、前後の回転対称レンズと非点補正による軌道交差の対称性でキャンセルできる。すなわち回転対称性は回転方向の収差抑制に有効であり、補正要素を減らせる。以下に補正原理を、解析が容易な平行電流線からなる補正コイル場により説明する。
回転対称系の磁場Brは、軸上磁場Bzの微分により、下記の通りテイラー展開される。以下では磁場を例に示すが、電場も同様に展開できる。
Br=(1/2)Bz’r−(1/16)Bz’’r3+(1/384)Bz’’’r4+…
例えば磁場Brが非線形となる第3項以後、特に離軸量r3に比例した第3項は3次球面収差として問題となる。以下に、平行電流線を用いた補正コイルの組み合わせで、色分散補正に必要な1次場と開口収差補正に必要な3次の場が形成できることを示す。
まず、半径RのN=2系補正コイルの軸近傍の平行電流I1方向の磁界B2wとその間隙方向の磁界B2sの計算式は、ビーム通過位置の原点からの距離、すなわち軌道径をrとするとそれぞれ、次のようになる。
2w(r)=μ0(I1/π)r/(R2−r2
2s(r)=μ0(I1/π)r/(R2+r2
ここで、r≪Rの場合の1次磁場B1
1=μ0(I1/π)r/R2
となり、その偏向感度α1は加速電圧V、質量m、電荷量eにより、
α1=B1/(2mV/e)0.5=μ0(I1/π)r/R2/(2mV/e)0.5
となる。ここで偏向量ysは、コイル長2l、偏向長Lにより次式で計算できる。
s=2lLα1
また、N=2系補正コイルでは、上記のB1に加えて以下のB3も存在する。
3=μ0(I1/π)r3/R4
したがって、N=2系補正コイルにおいて、1次磁場と3次磁場の比は以下となる。
3/B1=r2/R2
半径Rはコイルの平行電流の原点からの距離であり、コイルの配置によってきまるパラメータであり、収差補正器を光学系に配置した時点で固定されるものである。したがって、N=2系補正コイルで、r≪Rの近似が成り立つ範囲においては、ビーム通過位置の原点からの距離rを調整するだけで、1次磁場と3次磁場の比を簡単に制御することが可能である。例えば、ビームが上記のように点(0,0)を中心とする半径(R/3)の範囲を通過する(すなわちr<(R/3))ようにすれば、3次磁場は1次磁場に比べて十分小さいとみなすことができるので、1次磁場を考慮するだけでビームの収差を簡単に制御することができる。
次に、半径RのN=4系補正コイルを用いる場合を考える。N=2系に新たに追加した2つのコイルに平行電流I3を流し、その他の2つのコイルにI1+I3の平行電流を流す場合、I3を調整することで1次磁場B1を消すことができる。このとき発生する最低次の項である3次磁場B3はr≪Rの場合、
3=μ0(2I3/π)r3/R4
となり、その偏向感度α3は、次のようになる。
α3=B3/(2mV/e)0.5=μ0(2I3/π)r3/R4/(2mV/e)0.5
これらの場は、電流の向きで収束・発散場を制御できるので、平行電流線数N=4の系でI1とI3を調整し、I1とI3が作るそれぞれの磁場を加算すれば相応した1次磁場B1及び3次磁場B3を独立に制御できることは明らかである。
磁場の厳密な計算例を改めて図9に示す。図9は、半径RのN=2系補正コイル及びN=4系補正コイルに対し、対向する平行電流線を結ぶ方向(コイル線方向)と、隣接する平行電流線間の角度を2分する方向(コイル間方向)の磁場強度の計算結果である。図9では半径R=10mmとし、磁場強度の軸からの距離r依存を示し、コイル線方向とコイル間方向の磁場強度は近軸領域での一致度を見るため反転して表示している。
実際にrが小さい近軸領域(r=0〜2mm)では、N=2系は直線近似でき、N=4系は3次式で近似できる。またコイル線方向にはコイル単独場に斬近的に収束している。以上のように、一般に電磁多極子においては電磁場解析が必要であるのに対して、N=n系補正コイルでは図2で述べた凹凸レンズ作用の解析的評価が可能である。
更に詳細には図9から、N=2系補正コイルのコイル線方向の磁場B2wとコイル間方向の磁場B2sで高次項が異なっている。これは平行電流の回転打ち消し場と通常の対称分割された多極子場とが異なる点であるが、平行電流線との方向により高次場の斬増・斬減特性を有している。一般に収差補正の対象となる回転対称系では、軸外ほど高次場が斬増傾向にある。特にB2wは電流I1単線場に斬近的に高次場が増加する特性がある。N=2系補正コイルで軌道調整により高次場の強度を選択すれば、極めて低コストで収差を抑制することも可能である。
図10及び図11に、以上の平行電流線を用いた補正コイルと回転対称レンズとからなるダブレット系による収差補正の原理と計算例を示す。図10及び図11では、焦点距離f、結像距離bの凸レンズの前段の距離Lに、長さ2lのN=2系補正コイル(電流I1)及びN=4系補正コイル(電流I3)を配置して、それぞれ模式的に直線(三角形)と曲線で示した1次及び3次の凹レンズ磁場B1,B3を発生させた。ビーム軌道は、離軸量rで軸に平行に入射させた。
まず色収差は、図10により以下の通り補正する。N=2系補正コイルの発散作用α1による偏向距離xL
L=2lLα1
より、その色収差dxLは発散レンズの向きに注意して、
dxL=−2lLα1(dV/2V)
となる。回転対称レンズの色収差係数Ccから色収差量dxc
dxc=Cc(dV/V)(r+xL)/b
となる。結像距離bでの色収差の補正条件dxL+dxc=0から
lLα1+Cc(r+2lLα1)/b=0
より、コイル電流I1はk=μ0/π(2m/e)0.5として、
1=−Cc20.5/(2Cc+b)lLk
となる。ここで
c/(2Cc+b)=1/{2+(b/Cc)}
であり、b/Ccは比例関係でほぼ定数となる。従って電流I1も、後段レンズが決まれば軌道条件に依存せず定数値となることが分かる。これはレンズ色消しが、任意の物点及び像点とその集束軌道に依存しないことに対応する。
同様に図11において、N=4系補正コイルの発散作用α3による開口収差dxL3は、
dxL3=2lLα3
であり、α3を微小量として、回転対称レンズの開口収差係数Csからその開口収差量dxsは、次のようになる。
dxs=Cs{(r+xL)/b}3
開口収差の補正条件dxL3+dxs=0から
2lLα3+Cs{(r+xL)/b}3=0
を解けば、補正電流I3
3=Cs(V0.52+2lLkI13/4lLkVb32
で計算できる。
以上により、所望の色収差補正の電流I1及び開口収差補正の電流I3が確定することが証明できた。
これらの場は独立要素としてベクトル加算が可能であり、N=4系補正コイルの励起電流の合成によりN=2系補正コイルも構成できる。また更なる高次場の発生は、例えばN=6系補正コイルで5次の収束・発散場が形成できる。ここで3次以上の高次項は、高次開口収差の補正や図9で述べたN=2系補正コイルに付随する高次成分の調整にも使える。以上は簡便な見積であるが、厳密な解析計算ができる点は設計や調整上の大きなメリットとなる。
具体的に図11では、ビームの離軸方向は電流I1の方向に一致させ、それと直交方向に電流I3用にコイル(平行電流線)を配置する。すなわち、離軸方向のコイルにI1+I3、その垂直方向のコイル2本にI3を流せばよい。これによりコイルは4系統、電源も2系統で済む。
ここで、図8に示すトリプレット系の場合には、回転対称レンズが補正コイルに対して対称に配置されているため、補正コイルの作用量を2倍、すなわち電流I1,I3を上記計算値の2倍にすればよい。
以上の議論は、N回対称電磁界を発生する磁界型多極子あるいは静電型多極子の場合には一般的に解析的に解けず電磁界数値計算が必要であるが、同様に適用ができる。すなわち、ビームを図10、図11にならって計算した電磁界分布から発散作用の方向に離軸した領域に入射させればよい。
図12は、電気的トリプレット構成によって収差を補正する荷電粒子ビーム装置の実施例を示す断面模式図である。図12に示した実施例では、回転対称レンズとして、低コストで省スペース化が図れ、磁界レンズと異なり軌道回転作用がないため制御性も高い静電レンズを用いた例を示した。更に図12では、電子源径の縮小のための光学系とビーム開き角を決定する絞り13に加えて、試料15の観察のための検出系14を具備している。特に絞り13は、可動化するか多数開口を配置して偏向器で選択することで軌道調整が容易となる。また以下では電子ビームで説明するが、イオンビームでも同様である。
電子源3からの電子ビーム7は、静電レンズ4により、発散場B1,B3を形成するN=2系とN=4系からなる補正コイル2を中心に、対称軌道がとられる。入射偏向器8はビーム7を離軸させ、出射偏向器11により試料15への出射角が調整される。入射非点補正器9は、補正コイル2の中心にビーム7を図12中央の矢印で示す発散方向にラインフォーカスさせる。ここで補正コイル2の中心面に対称な配置は不要な収差をキャンセルするのに有効である。
本構成において収差補正の手順は、例えば以下のように実施する。
(1)電子源3からの電子ビーム7を入射静電レンズ4、出射静電レンズ6を同時に同量励起して試料15に結像する。その結像条件は、補正コイル2に走査信号を加えて2次元画像やライン走査波形で確認する。
(2)入射非点補正器9と出射非点補正器10を同時に同量励起して、再び試料15の信号の最良結像点を探す。すなわち対称性から最良結像点は光学系中央でラインフォーカスする。
(3)補正コイル2を励起して、試料15の走査画像に所望の非点作用が発生することを確認する。例えば出射静電レンズ6で焦点位置をずらしてその感度から、いわゆる非点較差で確認できる。
(4)更に入射偏向器8と出射偏向器11により、所望のビーム軌道に偏向する。ここで入射偏向器8と出射偏向器11の作用がバランスして、試料15の像が動かないことを確認する。
(5)補正コイル2、入射偏向器8と出射偏向器11、入射非点補正器9と出射非点補正器10を微調整して、収差すなわち試料15の結像ボケを最小化する。例えば、色収差は加速電圧を変化させ、開口収差は絞りを開いて結像を確認すればよい。
最後の微調整の段階で厳密には、入射静電レンズ4及び入射非点補正器9による色収差が後段の軌道設定に影響し、完全な対称系では収差が顕在化する可能性がある。その場合も、入射非点補正器9で補正コイル2のラインフォーカス位置を前後に調整すれば、図8に示す補正コイル本来の非点作用のバランスでキャンセルできる。
図12に示した実施例で、補正コイル2は真空容器12外に設置でき、真空に悪影響を及ぼさない。また、コイル群は、真空容器12の外部で機械的に回転・上下移動が可能な構造としてもよい。構造的にコイル巻線法はトロイダル巻となり、ビーム側に近い電流線が偏向作用を発生する。このとき外側の巻線影響は、磁場シールド16を外側の巻線の内側かつ内側巻線の外側に配置すれば、対称性を維持しつつノイズも含めて抑制できる。すなわち、図12に略示するように、平行電流線として機能するトロイダル巻コイルの内側部分磁場シールド16の内側に配置し、トロイダル巻コイルの残りの部分を磁場シールド16の外側に配置する。また補正コイル2の発散作用の感度を高めるため、減速電極5を配置する。これにより色分散を少ないコイル電流で励起できる。
図12の構成は、入射静電レンズ4、出射静電レンズ6を接地し、減速電極5をレンズ電極とみなせば、単極静電レンズ(アインツェルレンズ)となっている。実際の減速型アインツェルレンズに本発明を適用した荷電粒子ビーム装置の実施例を図13に示す。構成的には図13の荷電粒子ビーム装置は図12の荷電粒子ビーム装置と類似であるが、構成がより単純で更にコストが削減できる。すなわち、図13に示した装置では電子源3より発したビーム7を入射偏向器8により離軸させ、入射非点補正器9で補正コイル2内のビーム7の発散集束作用を調整する、補正コイル2の発散場により色分散が抑制され、残存する非点収差は出射非点補正器10で修正され試料15に照射される。ここで入射偏向器8により軌道を実線と点線で示す通り、上下(2方向)反転すると試料15に対して立体視が可能となる。
図13の減速型アインツェルレンズは、減速により自動的に中央でビーム7の軌道が外側に膨らみレンズ中央で軸に平行軌道となる。これは一般に減速型静電レンズの収差が大きい原因であるが、本構成に用いれば補正コイル2の感度が高まることになる。このレンズ中央で静電集束作用と磁場発散作用がバランスするとビームは直進する。ここでエネルギーが増加すると、荷電粒子の速度に比例する磁場作用で偏向感度が高くなる。これは通常の回転対称レンズの色分散とは逆であり、結果的に色収差が補正できる。いわゆるウィーンフィルターを用いた色収差補正と類似の効果である。
図14〜16に、トロイダル巻コイルの諸特性を模式的に示した。電流Iの方向により図14のビーム偏向器や、図15に示すビーム発散作用、図16に示すビーム収束作用を得ることができる。すなわち、図14に示すように、対向するコイル41,42のビームに近接する側に流れる電流の向きを互いに逆向きにすると、ビーム偏向作用が得られる。また、図15あるいは図16に示すように、対向するコイル41,42のビームに近接する側に流れる電流の向きを同じにすると、発散作用あるいは集束作用が得られる。発散作用が得られるか集束作用が得られるかは、ビーム進行方向に対する電流の向きとビームを構成する荷電粒子の電荷極性に依存する。偏向作用は補正軌道の形成に加えて、微小2次元像を得るための走査偏向器としても使える。これらは静電レンズに重畳できて、図12、図13のビーム軌道制御が可能となる。他の電磁多極子により同様の作用も可能であるが、磁極型はヒステリシス、静電型は真空内の高精度配置で高価になる。
図17は、他の局所的凹レンズ場形成法を利用した荷電粒子ビーム装置を示す模式図である。図17の装置では電子源3から放射したビーム7の軌道を、やはり入射偏向器8と出射偏向器11及び入射静電レンズ4、出射静電レンズ6で形成する。ここで照射レンズ17は、有限の電子源径を最終結像点で影響しないように事前に縮小する。補正コイル50は、2つのトロイダルコイル51,52を交差角度θで電子光学系の光軸に対して放射状に配置した構成を有する。図17に示すように、2組の補正コイル50を原点対称に配置して、入射偏向器8により軌道を実線と点線で示す通り、上下(2方向)反転すると、試料の立体視が可能となる。
図18は、図17に示した補正コイル50とビーム7の関係を軸方向から見た概略図であり、トロイダル一様発散場の調整パラメータ説明図である。図19は、図18に示した補正コイル50を構成する1つのトロイダルコイル51を示す概略側面図である。
図17に示した荷電粒子ビーム装置の光学系において、図18に示す通りビーム7を補正コイル50の外側、すなわち2つのトロイダルコイル51,52の間を通すことで、凹レンズ作用を発生する。図19に示すように、上辺と下辺が光学系中心軸に平行な台形状の外形を有し、中心軸に近い側の上辺の長さがL1、中心軸から遠い側の下辺の長さがL2であるコイル51に電流を流すと、コイル51を貫く回転状の磁場Brが発生する。このとき、L1<L2とすればレンズ作用が外側軌道程強くなるようにすることができる。上記台形状のトロイダルコイル51,52の光軸に平行に延びる上辺及び下辺が平行電流線を構成し、電流を流す方向によって発散作用あるいは集束作用が発生する。図19で反時計方向に電流を流せば紙面上の電子ビームに対して発散レンズとなる。ここでθが狭いと強い場が形成できるが、磁場の均一性が下がるためやはり相反関係にある。これらの補正コイル50の磁場分布の対称性に配慮して、ビーム7の透過範囲はその中間角度とすることで均一な発散作用を受ける。
図18に示す通り、トロイダル補正コイル50にはその中央付近ではほぼ円弧状の回転磁場Brが形成される。そのため、より広い均一発散場が形成され、電子ビーム7は円形断面で示す領域を一様の作用を受けつつ透過できる。ここで図18のコイル交差角度θや、図19に示すコイル有効長L1,L2に加えて、外側に補助コイル18を配置して、離軸量rに対して線形1次場とビーム断面Δr内に3次場を形成する。これらの場を高精度に形成するためには磁界数値計算が必要であるが、簡略化すれば中心軸から見こんだコイル線長に依存する。従ってL1,L2の位置する座標R1,R2の1次+3次関数として長さを決めればよい。コイルが長大化する場合は補助コイル18を配置する。また補正コイル51,52の上辺と下辺を結ぶ辺を流れる電流によって発生する磁場がビーム7に直接に影響するが、補正コイル51,52の上下電流線に沿って補助的に逆電流コイル19を設けることでキャンセルが可能である。逆電流コイル19への給電は、補正コイル51,52と全く同じ電流を流すため、補正コイル51,52に近接して配線し、回路的に逆向きに直列に接続すればよい。
図20は、全静電レンズ系を採用した荷電粒子ビーム装置のビーム傾斜光学系への適用例を示す模式図である。電子源3より発したビーム7は、電極部の一部を回転方向に多極子分割して電圧印加を可能として偏向機能を付与した照射偏向レンズ20と入射静電レンズ4により離軸され、N=2系とN=4系からなる補正コイル2の発散場へ入射する。更に出射側に多極子分割した対物偏向レンズ21を配置して、走査像を得ることができる。本構成に示す全静電多極子でN=2系の補正コイルの代わりに静電型4極子で発散場を作れば、磁場で比電荷に応じて分離する同位体原子のある集束イオンビーム装置で支配的な色分散の抑制ができる。
同様に図21は、磁界レンズで構成した光学系を有する荷電粒子ビーム装置のビーム傾斜光学系への適用例を示す模式図である。電子源3より発したビーム7は、傾斜偏向器22を具備した照射磁界レンズ23と入射磁界レンズ24により、N=2系とN=4系からなる補正コイル2への補正軌道を形成し、対物磁界レンズ25で振り戻す。ここで補正コイル2による凹レンズ作用で、ビーム7の内側と外側軌道で虚像位置がai,aoと移動して、対物磁界レンズ25の凸レンズ作用による収差を打ち消すことができる。また走査像は補正コイル2に走査信号を重畳して得られる。
図20及び図21に示した荷電粒子ビーム装置の調整・制御は、図12の荷電粒子ビーム装置で説明した手順による。例えば図21の入射磁界レンズ24と対物磁界レンズ25が入射静電レンズ4、出射静電レンズ6に対応する。すなわち一旦軸上に結像して、補正コイル2で離軸させつつ発散作用を加える。これらを一定の関係式で連動制御することも可能である。
ここで、図20と図21に示した荷電粒子ビーム装置の構成の必然的な結果として、ビームが傾斜できる。例えば入射偏向器22の出力極性を切り替えれば、軌道が回転対称軸に対して反転し、視差による試料のステレオ画像の取得が可能となる。
図22は、本発明を透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型透過電子顕微鏡(STEM)に適用した例を示す図である。ビーム7の軸軌道を実線で、軸外軌道すなわち結像関係図を点線で表す。まずSTEMへの適用であるが、電子源3より発したビーム7は、入射偏向器22と照射磁界レンズ23により上段の補正コイル2aに入射され、STEMモードでの収差補正を行い、照射・対物レンズ26により試料15の走査像を得る。ここでビーム傾斜角度を操作するための偏向を補正コイル2aに加えれば、微小な結晶方位等のコントラスト観察が可能となる。
次にTEMモードでは、図22で照射対物レンズ26の集束作用と制限絞り13により下段補正コイル2bへの入射軌道が調整される。その結果、下段の補正コイル2bの凹レンズ作用により照射対物レンズ26や第一投射レンズ27及び第二投射レンズ28の凸レンズ作用と逆作用して、投影面(CCD)30上に無収差で試料像が投影される。この場合には、暗視野観察となるが、明視野観察には、STEM用のコイル補正器2aでビーム7を傾斜させればよい。具体的な軌道の例を図22に実線で示す。ここで入射偏向器22によりビーム7が平行に離軸され、前段の補正コイル2aで照射系の収差が補正されて照射対物レンズ26で試料15に斜め照射される。試料15を透過したビーム7は再び照射対物レンズ26の強磁界で平行軌道となり後段の補正コイル2bで収差が補正され、振り戻し偏向器29で投影面(CCD)30に垂直にビーム7の軸が戻される。TEMは試料が微小であり、機械的な回転ステージを有しており、ビーム傾斜は観察機能として有意である。
図22に示した装置の調整・制御は、最終的に照射対物レンズ26の作用により後段の補正コイル2bから離軸する。そのため照射偏向器によりこのレンズ作用を考慮して離軸量を決め、補正コイル電流を設定する。これらを一定の関係式で連動制御することも可能である。
TEMで色・開口(球面)収差が補正できることは、エネルギーロスの大きい厚い試料での高分解能観察を可能とし、コントラスト伝達関数(CTF)を大幅に改善する。高加速化では、補正コイル2の場合は特に微弱場で高次の補正感度が問題となる。例えば3次補正感度はそのコイル径の4乗に比例するため小径化か、減速電極、あるいは極低温冷却により抵抗値を下げるか、超電導コイルを設ければよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1:多極子、2:補正コイル、3:電子源、4:入射静電レンズ、5:減速電極、6:出射静電レンズ、7:ビーム、8:入射偏向器、9:入射非点補正器、10:出射非点補正器、11:出射偏向器、12:真空容器、13:制限絞り、14:検出器、15:試料(結像面)、16:磁場シールド、17:照射レンズ、18:補助コイル、19:逆電流コイル、20:照射偏向レンズ、21:対物偏向レンズ、22:傾斜偏向器、23:照射磁界レンズ、24:入射磁界レンズ、25:対物磁界レンズ、26:照射対物レンズ、27:第一投射レンズ、28:第二投射レンズ、29:対物制限絞り、30:制限絞り投影面(CCD)、31:振り戻し偏向器

Claims (12)

  1. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から発生された荷電粒子ビームが通される回転対称のレンズ系と、
    光軸の回りに回対称電磁界を発生する電磁界発生ユニットと、
    前記電磁界発生ユニットの入射側に配置され前記荷電粒子ビームを偏向する入射偏向器とを有し、
    前記入射偏向器により、前記レンズ系を通った前記荷電粒子ビームを偏向して前記回対称電磁界の離軸領域に形成された局所的な発散場に入射させ、前記レンズ系に起因する前記荷電粒子ビームの収差を補正し、
    前記電磁界発生ユニットは、前記荷電粒子ビームが通過する空間の外側に光軸の回りに角度分割数2で配置され、同じ方向に電流が流れる2本の平行電流線を備え、
    前記レンズ系の回転対称軸に垂直な平面内において前記平行電流線を結ぶ軸に対して垂直な方向の軸上又はその近傍に前記荷電粒子ビームを偏向する
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  2. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記レンズ系の回転対称軸に垂直な平面でみて前記回転対称軸の位置を中心とし、前記中心から前記平行電流線までの距離をRとするとき、前記荷電粒子ビームを、前記中心を除き前記中心から半径(R/3)の範囲に入射させることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記磁界発生ユニットは磁界型多極子あるいは静電型多極子であることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記磁界発生ユニットは2回対称電磁界と4回対称電磁界を互いの前記局所的な発散場が重なるように発生し、前記荷電粒子ビームを前記重なった局所的な発散場に入射させることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  5. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、光軸の回りに角度分割数2で配置された前記2回対称電磁界発生用の2本の平行電流線と光軸の回りに角度分割数4で配置された前記4回対称電磁界発生用の4本の平行電流線を前記荷電粒子ビームが通過する空間の外側に備え、前記2回対称磁界発生用の平行電流線に流す電流の大きさを制御することで前記荷電粒子ビームの色収差を補正し、前記4回対称磁界発生用の平行電流線に流す電流の大きさを制御することで前記荷電粒子ビームの開口収差を補正することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置において、光軸の回りに互いに45度ずらして配置した2組の角度分割数2の平行電流線を備える非点補正器が前記電磁界発生ユニットへの入射側及び出射側に設置されていることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  7. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記レンズ系は前記磁界発生ユニットへの入射側に配置された第1のレンズと前記磁界発生ユニットへの出射側に配置された第2のレンズとを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  8. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズは静電レンズであることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  9. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記磁界発生ユニットの入射側に配置された第1の非点補正器と、前記磁界発生ユニットの出射側に配置された第2の非点補正器とを備え、前記第1の非点補正器と前記第2の非点補正器を連動して制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  10. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記磁界発生ユニットの出射側に配置された出射偏向器を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  11. 請求項10に記載の荷電粒子ビーム装置において、前記入射偏向器及び前記出射偏向器と前記静電レンズにより前記磁界発生ユニットの略中点において前記荷電粒子ビームを光軸に平行としつつ、入射角度及び出射角度がほぼ対称となるように制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  12. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から発生された荷電粒子ビームが通される回転対称のレンズ系と、
    光軸の回りにN回対称電磁界(Nは2以上の自然数)を発生する電磁界発生ユニットと、
    前記電磁界発生ユニットの入射側に配置され前記荷電粒子ビームを偏向する入射偏向器とを有し、
    前記入射偏向器により、前記レンズ系を通った前記荷電粒子ビームを偏向して前記N回対称電磁界の離軸領域に形成された局所的な発散場に入射させ、前記レンズ系に起因する前記荷電粒子ビームの収差を補正し、
    前記電磁界発生ユニットは、前記荷電粒子ビームが通過する空間の外側に光軸の回りに角度分割数Nで配置されたN本の平行電流線を備え、
    トロイダル巻コイルの内側部分を前記平行電流線として機能させ、前記トロイダル巻コイルの内側部分を磁場シールドの内側に配置し、前記トロイダル巻コイルの残りの部分を前記磁場シールドの外側に配置した
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
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