本実施形態では、以下に詳述する通り、簡単な操作で授業を電子データとして準備することができ、かつ、準備した電子データを用いて授業を円滑かつ容易に進めることができる授業支援システムを開示する。
本実施形態の授業支援システムは、授業進行上のまとまった時間帯(セクション)ごとに、授業で使用するコンテンツ、表示先端末、コメントなどの情報をセクションフィールドに登録する。本実施形態では、セクションフィールドの追加、削除、並べ替、選択などの各種操作と、その他の授業計画作成操作および進行操作を簡単にすることで、教師が授業計画の作成と授業の進行とを手間をかけずにできるようにしている。
図1は、授業支援システムの全体構成図を示す。図2は、隣接する複数の教室8で電子コンテンツを用いた授業が行われる様子を示す。
教室8には、無線LANアクセスポイントやLANケーブルなどを用いて、校内ネットワーク7Aが敷設されている。校内ネットワーク7Aは、ゲートウェイサーバ(不図示)等を介してインターネット7Bにも接続されている。以下、校内ネットワーク7Aとインターネット7Bを特に区別しない場合、ネットワーク7と呼ぶ。
ネットワーク7には、教師端末1と、「他の端末」の一例である複数の生徒端末2と、セットトップボックス(図中、STB)4と、授業管理サーバ5と、コンテンツサーバ6が接続されている。教師端末1は、授業を行う教師が使用するコンピュータ端末である。生徒端末2は、生徒が使用するコンピュータ端末である。教師端末1および生徒端末2の構成は、後述する。
「他の端末」の一例であるテレビ装置3は、例えばセットトップボックス4を介して、ネットワーク7に接続されている。テレビ装置3には、教師端末1の画面や生徒端末2の画面などを表示することができる。
授業管理サーバ5は、各教室8での授業を管理するためのサーバであり、授業準備管理部51と、授業進行管理部52と、画面管理部53と、座席表管理部54と、データ管理部55と、管理用データベース(図中、DB)Tとを備える。
コンテンツサーバ6は、例えば、授業レジュメのデータ、授業レジュメで使用する電子書籍データ、静止画像データ、動画像データ、音楽データ、音声データ、図形データ等を記憶し、管理している。図1では、インターネット7Bにコンテンツサーバ6を配置する場合を示すが、これに限らず、校内ネットワーク7A上にコンテンツサーバ6を設ける構成でもよい。
図2に示すように、上下または左右で隣り合う教室8内で、それぞれ異なる科目の授業を行うこともできる。例えば、生徒端末2は各学年の各クラスごとにグループ化されており、端末を特定するタブレットIDと、生徒を特定する生徒IDと、生徒の属するクラスを特定するクラスIDとが対応付けられて管理されている。そして、各学年各クラスの時間割を特定する時間割IDとクラスIDおよび教師IDを対応付けて管理するため、隣接する教室8同士で授業が混信することはない。
図3を用いて授業管理サーバ5および端末1、2のハードウェア構成を説明する。ここでは、教師端末1を例に挙げて説明する。例えばタブレット端末等のように構成される教師端末1は、マイクロプロセッサ(図中、CPU)11と、メモリ12と、通信インターフェース(図中、I/F)部13と、ユーザインターフェース(図中、UI)部14とを備え、それら各回路11〜14は内部バス15を介して相互に接続されている。なお、教師端末1は、タブレット端末に限らず、例えば、ノートブック型コンピュータ端末、眼鏡型コンピュータ端末、腕時計型コンピュータ端末のように構成されてもよい。
マイクロプロセッサ11は、メモリ12に格納されているウェブブラウザ等のコンピュータプログラムを実行する。通信インターフェース部13は、ネットワーク7を介して授業管理サーバ5およびコンテンツサーバ6に接続することができる。
ユーザインターフェース部14は、教師が教師端末1に情報を入力したり操作したりするための情報入力部と、教師端末1から情報を出力するための情報出力部を備える。情報入力部としては、例えば、端末画面に表示されるソフトウェアキーボード、音声入力装置等を挙げることができる。情報出力部としては、ディスプレイ、音声出力装置等を挙げることができる。教師端末1にカメラ等のモーションセンサを設けて、教師の動作や教師端末1の移動を検出し、それら教師の動作、教師端末1の動きを用いて、教師端末1を操作する構成としてもよい。
教師は、教師端末1を操作して授業管理サーバ5にログインすることで、授業管理サーバ5の提供する各種機能51〜55を利用することができる。授業管理サーバ5の提供する授業準備管理部51、授業進行管理部52、画面管理部53、座席表管理部54、データ管理部55を利用するためのコンピュータプログラムは、教師端末1内に最初からインストールされていてもよいし、それら機能の利用に際して事前にインストールされる構成でもよい。
生徒端末2のハードウェアも教師端末1と同様に構成することができるため、生徒端末2のハードウェア構成は説明を省略する。なお、生徒端末2は、教師端末1と異なり、授業管理サーバ5の提供する機能を全て自由に利用できるわけではなく、授業の中で必要な範囲内で利用することができる。
授業管理サーバ5は、例えば、マイクロプロセッサ501、メモリ502、補助記憶装置503、通信インターフェース部504、入力装置505、出力装置506を備えており、それら各回路は内部バス507に接続されている。
メモリ502には、授業管理サーバ5の有する各機能51〜55を実現するためのコンピュータプログラムが補助記憶装置503から読み出されて格納され、そのコンピュータプログラムをマイクロプロセッサ501が実行する。メモリ502には、管理用データ(管理データベース)の全部または一部も格納される。オペレーティングシステム、各機能51〜55を実現するコンピュータプログラム、管理用データなどは、補助記憶装置503に格納しておき、必要に応じてメモリ502に読み出す。
通信インターフェース部504は、ネットワーク7を介して外部装置(教師端末1、
生徒端末2、セットトップボックス4を介してテレビ装置3、コンテンツサーバ6)と通信するためのものである。
入力装置505は、システム管理者が授業管理サーバ5に情報を入力したり設定したりするために使用する装置であり、例えばキーボード、ペンタブレット、音声入力装置、動作検出装置などである。出力装置506は、システム管理者が授業管理サーバ5から情報を取り出すために使用する装置であり、例えばディスプレイ、プリンタ、音声合成装置などである。なお、授業管理サーバ5は、一つの物理計算機として構成される必要はなく、複数の物理計算機を連携させて構成しもよい。または、物理計算機上に生成される仮想計算機に授業管理サーバ5を設ける構成でもよい。授業管理サーバ5は、教室単位、学年単位、学校単位、地域単位などの種々の単位で設けることができる。
図4および図5を用いて、授業管理サーバ5で管理するデータの例を説明する。図4は、各種管理データ間の関係を示す説明図である。コンテンツサーバ6で管理されるコンテンツ情報は、例えば、しおり管理テーブルT10と、提出物管理テーブルT11と、質問・回答管理テーブルT12と、使用コンテンツ管理テーブルT26とに、関連づけられている。
進捗位置を管理するためのしおり管理テーブルT10は、コンテンツ情報および教師管理テーブルT14に関連づけられている。生徒からの提出物を管理するための提出物管理テーブルT11は、コンテンツ情報と教師管理テーブルT14と生徒管理テーブルT17とに関連付けられている。質問と回答を管理するための質問・回答管理テーブルT12は、コンテンツ情報と教師管理テーブルT14と時間割管理テーブルT15と生徒管理テーブルT17に関連づけられている。
科目を管理するための科目管理テーブルT13は、時間割管理テーブルT15と座席表管理テーブルT18と中長期授業計画管理テーブルT21とに関連づけられている。教師を管理するための教師管理テーブルT14は、しおり管理テーブルT10と、提出物管理テーブルT11と質問・回答管理テーブルT12と時間割管理テーブルT15と中長期授業計画T21とに関連づけられている。
時間割を管理するための時間割管理テーブルT15は、質問・回答管理テーブルT12と科目管理テーブルT13と教師管理テーブルT14とクラス管理テーブルT16とレジュメ管理テーブルT23とに関連づけられている。
クラスを管理するためのクラス管理テーブルT16は、時間割管理テーブルT15と生徒管理テーブルT17とレジュメ管理テーブルT23とに関連づけられている。生徒を管理するための生徒管理テーブルT17は、提出物管理テーブルT11と質問・回答管理テーブルT12とクラス管理テーブルT16と座席表管理テーブルT18とマーク管理テーブルT20とに関連付けられている。
教室を管理するための教室管理テーブルT19は、座席表管理テーブルT18に関連づけられている。マークを管理するためのマーク管理テーブルT20は、生徒管理テーブルT17と授業進行管理テーブルT24とレジュメ管理テーブルT23とに関連づけられている。
以上の各管理テーブル(管理データ)T10〜T20は、主にクラスや生徒、教師などを管理するためのテーブルである。次に述べる管理テーブルT21〜T26は、授業を管理するためのテーブルである。
一学期または一年などの中長期の授業計画を管理するための中長期授業計画管理テーブルT21は、科目管理テーブルT13と教師管理テーブルT14と授業題目管理テーブルT22とに関連付けられている。授業題目を管理するための授業題目管理テーブルT22は、中長期授業計画管理テーブルT21とレジュメ管理テーブルT23とに関連付けられている。
「授業概要情報」としてのレジュメを管理するためのレジュメ管理テーブルT23は、授業題目管理テーブルT22と時間割管理テーブルT15とクラス管理テーブルT16と授業進行管理テーブルT24とマーク管理テーブルT20と授業フィールド管理テーブルT25とに関連付けられている。授業進行管理テーブルT24は、レジュメ管理テーブルT23とマーク管理テーブルT20とに関連付けられている。
「授業区画」としてのセクションフィールドを管理するための授業フィールド管理テーブルT25は、レジュメ管理テーブルT23と使用コンテンツ管理テーブルT26とに関連付けられている。授業で使用するコンテンツを管理するための使用コンテンツ管理テーブルT26は、授業フィールド管理テーブルT25とコンテンツ情報とに関連付けられている。なお、授業区画としてのセクションフィールドは、図4および図5に示すように、便宜上、授業フィールドと示すことがある。また、図4に示す管理テーブルT10〜T26以外の管理テーブルの例は、後述する。
図5は、図4に示す管理テーブルT10〜T26の構成例を示す。以下の説明では、識別情報または識別子をIDと表示する。
しおり管理テーブルT10は、例えば、教師を識別するための教師IDと、コンテンツ情報と、開始位置(しおり設定位置)とを対応付けて管理する。提出物管理テーブルT11は、例えば、それぞれの提出を識別するための提出IDと、提出した生徒を識別するための生徒IDと、提出を命じた教師の教師IDと、提出の日付と、コンテンツ情報と、結果およびメモを対応付けて管理する。
質問・回答管理テーブルT12は、質問を識別するための質問IDと、質問した生徒の生徒IDと、質問を受けた教師の教師IDと、質問の日付と、質問内容と、質問への回答と、コンテンツ情報とを対応付けて管理する。科目管理テーブルT13は、科目を識別するための科目IDと、科目情報とを対応付けて管理する。
教師管理テーブルT14は、教師IDと、教師情報と、使用する教師端末1を識別するための端末IDと、担任とを対応付けて管理する。時間割管理テーブルT15は、時間割を識別するための時間割IDと、その授業時間を担当する教師の教師IDと、その授業が行われるクラスのクラスIDと、その授業の科目を示す科目IDと、時間割名称とを対応付けて管理する。
クラス管理テーブルT16は、クラスを識別するクラスIDと、クラスについての情報と、メモを対応付けて管理する。生徒管理テーブルT17は、生徒を識別するための生徒IDと、その生徒の属するクラスのクラスIDと、その生徒についての情報と、その生徒の使用する生徒端末2を識別するための端末IDと、その生徒の画像と、メモとを対応付けて管理する。
座席表管理テーブルT18は、教室を識別する教室IDと、科目を識別する科目IDと、その教室で行われるその科目の授業における教室内の位置と、その位置に着席すべき生徒を特定する生徒IDとを対応付けて管理する。教室管理テーブルT19は、教室を識別するための教室IDと、教室名とを対応付けて管理する。
マーク管理テーブルT20は、マークを識別するためのマークIDと、そのマークの情報とを対応付けて管理する。マークとは、例えば教師が授業内容を後で振り返るために使用したり、授業や生徒について気づいた点を授業中にリアルタイムで記録するために使用するものである。マークには、例えば「理解できているか要確認」、「説明の仕方に工夫を要する」、「生徒の好奇心を強く刺激した」等の授業内容を示す簡易な図形または文字・記号を使用することができる。さらに、「活発に質問した」、「拒否反応を示した」等の生徒の反応を示す簡易な図形または文字・記号を使用することもできる。
中長期授業計画管理テーブルT21は、授業計画を識別するための授業計画IDと、その授業計画を作成した教師の教師IDと、科目IDと、期間と、中間試験等のマイルストーンと、メモとを対応付けて管理する。授業題目管理テーブルT22は、授業題目を識別する授業題目IDと、授業計画IDと、期間と、メモとを対応付けて管理する。レジュメ管理テーブルT23は、レジュメを識別するためのレジュメIDと、そのレジュメを使用する時間割を示す時間割IDと、そのレジュメを用いた授業を行うクラスを示すクラスIDと、授業時間と、メモと、そのレジュメに設定したマークを示すマークIDとを対応付けて管理する。
授業進行管理テーブルT24は、授業で使用するレジュメのレジュメIDと、進行状況と、その授業で設定したマークのマークIDとを対応付けて管理する。授業フィールド管理テーブルT25は、授業フィールド(セクションフィールド)を識別するための授業フィールドIDと、その授業フィールドの属するレジュメのレジュメIDと、授業での順番と、その授業フィールドに割り当てた時間と、メモとを対応付けて管理する。使用コンテンツ管理テーブルT26は、コンテンツを使用する授業フィールドの授業フィールドIDと、使用するコンテンツ情報と、コンテンツの開始位置と、コンテンツの終了位置と、コンテンツの動作方法とを対応付けて管理する。
なお、図5に示す項目の全てについて値が設定される必要はない。不要な項目には「−」や「N/A」などを設定してもよい。
図6は、その他の管理テーブルを示す。図6(a)は、ユーザ管理テーブルT30、業務連絡管理テーブルT31、端末管理テーブルT32を示す。ユーザとしての教師および生徒のユーザ認証情報を管理するユーザ管理テーブルT30は、ユーザIDと、ユーザパスワードと、教師なのか生徒なのかを示す種別とを対応付けて管理する。ユーザIDとパスワードによる認証に代えて、またはそれらと共に、いわゆる生体認証を行う構成としてもよい。
業務連絡管理テーブルT31は、業務連絡を識別する連絡IDと、連絡グループと、連絡期間とを対応付けて管理する。教師端末1(および/または生徒端末2)の画面には、連絡事項を表示することができるようになっている。連絡グループとしては、例えば、「全教師」、「特定科目の教師」、「特定学年の教師」、「担任になっている教師」、「特定のイベントに関連する教師」等がある。連絡グループに、「全校生徒」、「特定学年の生徒」、「特定クラスの生徒」等のように生徒のグループを含めてもよい。
教師端末1および生徒端末2を管理する端末管理テーブルT32は、端末情報と、教師IDまたは生徒IDのいずれかとを対応付けて管理する。
図6(b)は、共有コンテンツ管理テーブルT40と、コンテンツユーザ管理テーブルT41と、問合せ管理テーブルT42を示す。本実施例で作成した授業レジュメは、共有サーバに登録しておくことで、他校の教師が参考にしたり使用したりできる。
共有コンテンツ管理テーブルT40は、共有対象のコンテンツを識別するコンテンツIDと、コンテンツ情報と、優先度とを対応付けて管理する。コンテンツユーザ管理テーブルT41は、共有対象のコンテンツを利用するユーザを識別するユーザID(他校の教師など)と、ユーザパスワードと、優先度と、SNS(Social Networking Service)とを対応付けて管理する。コンテンツユーザは、各種SNSで使用しているユーザIDおよびパスワードを用いて、共有コンテンツ提供サービスにログインし、共有対象コンテンツを利用することができる。問合せ管理テーブルT42は、共有対象コンテンツに対する各地の教師からの問合せを管理するテーブルであり、問合せの日付、問合せしたユーザのユーザID、問合せ内容、問合せへの回答を対応付けて管理する。
なお、図4〜図6で述べた管理テーブルの構成は一例に過ぎず、本発明は、上述した構成例に限定されない。別々のテーブルとして示された複数の管理テーブルを一つにまとめたり、一つの管理テーブルを複数のテーブルに分けて対応付けたり、図示した項目の一部を除去したり、図示していない新たな項目を加えたりすることでもきる。
図7は、授業支援システムの全体の流れを示すフローチャートである。授業開始前に、教師は、教師端末1を用いて授業管理サーバ5にログインし、授業準備管理部51を用いて授業進行用のレジュメを作成し、作成したレジュメを保存する(S10)。
教師は、授業時間が到来すると、予め作成しておいたレジュメを用いながら、授業を進める(S20)。教師は、授業中に、教師端末1の画面をテレビ装置3や各生徒端末2に配信して表示させたり、各生徒端末2から教師端末1に集めた画面のうち任意の画面をテレビ装置3や各生徒端末2に配信して表示させたりできる(画面共有)。また、教師は、座席表を管理したり(座席表管理)、授業中に気づいた点などをマークとして記録に残すこともできる(マーク設定)。
授業を終えた後、教師は、レジュメを見直しながら授業内容を振り返り、気づいた点などをメモに残す。この際、教師は、授業中に設定したマークを手掛かりとして、より詳細なメモを残すことができる。例えば、教師は、レジュメ作成時に授業目的を「授業のねらい」として登録しておき、授業終了後にその「授業のねらい」を達成できたか振り返り、反省点、改善点として記録に残すことができる。なお、「授業のねらい」は、授業の冒頭で(例えば最初のセクションフィールドで)、テレビ装置3や生徒端末2に映し出して共有することもできる。
図8〜図11を用いて授業準備の様子を説明する。図8〜図10は、「授業概要画面」としての授業レジュメ画面G10を教師端末1を用いて作成する様子を示す。
図8(a)は、未だセクションフィールド(授業フィールド)を一つも設定していない授業レジュメ画面G10の状態を示し、図8(b)はセクションフィールドを一つ設定した状態を示す。授業レジュメ画面G10は、レジュメ表示領域G11と、操作領域G12と、連絡領域G13との3画面から構成することができる。
レジュメ表示領域G11には、レジュメの授業題目を表示する見出し部100と、授業時間の開始および終了をバーのように視覚的に示す開始時間101および終了時間102とが表示されている。通常の場合、授業時間には45分、90分等のように標準値が設定されるため、授業題目がわかればその授業に応じた開始時間101および終了時間102を表示領域G11に自動的に設定することができる。教師は、それが許されている場合、授業時間を手動で短縮したり延ばしたりすることもできる。
操作領域G12は、画面を操作するために使用する各種ボタン等を表示している領域である。操作領域G12には、例えば、セクションフィールドピン103、ゴミ箱104、戻るボタン105、進むボタン106、保存ボタン107等を配置できる。セクションフィールドピン103は、レジュメ表示領域G11にセクションフィールドを追加するために使用するボタンである。連絡領域G13には、所定の業務連絡が表示される。
図8(b)に示すように、教師が、セクションフィールドピン103を選択してレジュメ表示領域G11の任意の場所でドロップすると、新規セクションフィールドがレジュメ表示領域G11に表示される。セクションフィールドは、授業時間を区分けして管理するもので、進行順にレジュメ表示領域G11に配置される。セクションフィールドの端部(図8では右端)には、そのセクションフィールドの終了時間111がバーのように視覚化されて表示される。
ここでは、図中の左側から右側に向けて時間が進行するものとしており、教師が任意位置にセクションフィールドピン103を投下すると、それにより生成されるセクションフィールド110は、時間軸上の最も早い時点に合わせて表示される。後述する図9(a)に示すように、さらに他のセクションフィールドピン103をレジュメ表示領域G11に投下すると、先行して配置されたセクションフィールド110の隣に(時間軸上の隣に)、他のセクションフィールド114が表示される。
図8(b)に戻る。第1のセクションフィールド110は、そのセクションフィールド110のセクション名称(例えば「教科書音読」等)と、そのセクションフィールド110で使用するコンテンツデータを示すコンテンツ部112と、コンテンツ部112で指定するコンテンツデータの出力先端末(表示先端末、再生先端末)を示す出力先指定部113とが含まれる。
セクション名称は、授業時間の区分(セクション)で何を教えるか、生徒に何をさせるかを示す情報を示す。セクション名称は、予め登録された名称の中から選択する構成でもよいし、教師が自由に入力できる構成でもよい。
教師は、コンテンツ部112で、そのセクションフィールドで使用するコンテンツデータ(以下、コンテンツと略記する場合もある)を、再生位置または再生範囲等と一緒に登録する。一つのセクションフィールドには、同一種類のコンテンツ、または異なる種類のコンテンツを、複数登録することができる。
教師は、コンテンツサーバ6から所望のコンテンツを選択し、セクションフィールド110を指定して対応付ける。教師は、コンテンツ選択時に、そのコンテンツのどこから再生するか、またはどこからどこまで再生するか等を事前に指定できる。または、教師は、セクションフィールド内で使用する予定のコンテンツに対して、事前に一つまたは複数のしおりやチャプター等を設定することもできる。
このように本実施例では、コンテンツの再生位置等をセクションフィールド内で事前に設定できるため、教師は、コンテンツ全体のうち生徒に視聴させたい部分を直ちに再生して、円滑に授業を進めることができる。
なお、図8では、セクションフィールド110に一つのコンテンツだけが登録されている場合を示すが、同一のセクションフィールド内には、同一種類のまたは異なる種類の、複数のコンテンツを登録することができる。また、本実施例では、横長の画面G20に縦長のセクションフィールドを横方向に隣接する場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、縦長の画面G20に横長のセクションフィールドを縦方向に並べる構成でもよいし、または、横長の画面G20に横長のセクションフィールドを縦方向に並べたり、縦長の画面G20に縦長のセクションフィールドを横方向に並べたりする構成でもよい。セクションフィールドの配置方法は特に問わない。
教師は、出力先指定部113を用いて、セクションフィールド110に登録されたコンテンツデータの出力先となる端末を事前に指定することもできる。出力先指定部113では、教師端末1、生徒端末2、テレビ装置3のいずれか一つまたは複数を事前に指定しておくことができる。
出力先端末を指定可能な範囲は、再生対象のコンテンツの種類に応じて、または、ネットワーク7の負荷状況や授業管理サーバ5の負荷状況等に応じて、自動的に設定する構成としてもよい。例えば、データサイズの大きい動画像は、各生徒端末2での表示を行わず、テレビ装置3でのみ表示させるように、指定可能な範囲を限定してもよい。
図9(a)は、レジュメ表示領域G11に2つめのセクションフィールド114が登録された様子を示す。このセクションフィールド114も、セクション名と、コンテンツ部と、出力先指定部を含む。セクションフィールド114の終了時間は、セクション終了時間115として視覚化されて表示されている。
図9(b)は、レジュメ表示領域G11に3つめのセクションフィールド116が登録された様子を示す。上述の通り、セクションフィールドの追加された順番で授業が進行するように、セクションフィールドは授業の時間軸に沿って自動的に配置される。各セクションフィールド110、114、116の終了を示す右端には、セクション終了時間111、115、117が表示される。先行する他のセクションフィールドのセクション終了時間は、次のセクションフィールドの開始時間を示す。
図10は、授業レジュメが完成した様子を示す。授業レジュメ画面G10には、複数のセクションフィールド110、114、116、118を含む授業レジュメがその開始時間および終了時間と共に示されている。幾つかのセクションフィールド110、114には、コンテンツが予め登録されている。
他の幾つかのセクションフィールド116、118には、コンテンツデータが対応付けられていない。コンテンツデータの登録されていないセクションフィールド116、118では、コンテンツデータを用いずに授業が進められる。例えば、3つめのセクションフィールド116では、学習対象の小説の著者についての伝記がプリントアウトとして各生徒に配布され、各生徒は伝記を読んで自習する。また、4つのセクションフィールド118では、教師は、今日の授業のまとめと宿題について話す。
このように、本実施例の授業レジュメでは、コンテンツデータを使用するセクションフィールド110、114と、コンテンツデータを使用しないセクションフィールド116、118とが混在している。本実施例の授業レジュメは、教師が授業の進行を管理するためのものであり、授業中の時間の使い方を設定したものだからである。
さらに、本実施例では、或る授業の進行を管理するための授業レジュメ内に、次の授業のレジュメの少なくとも一部を表示させることができる。図10に示す例では、次の授業で使用するレジュメも少なくとも一部が既に作成されている場合を示す。授業終了時間102の時間軸上の隣には、次の授業用に作成されたセクションフィールド119が表示されている。画面をスクロールすることで、次の授業の全てのセクションフィールドを授業レジュメ画面G10に表示できる構成としてもよい。
図11は、授業準備支援処理のフローチャートである。授業準備管理部51は、教師端末1からの操作入力に従って、レジュメ表示領域G11にセクションフィールドを追加したり、セクションフィールドを削除したり、セクションフィールドの順番を入れ替えたりすることができる(S100)。
教師は、教師端末1から授業準備管理部51を介して、セクションフィールドにテキスト(メモ)を入力することができる(S101)。例えば、セクションフィールドには、セクション名、その授業の進め方に関するメモ(例えば「生徒一人ずつ全員に一文を音読させる」等)などを入力することができる。教師端末1から入力されたテキストデータは、授業準備管理部51によりセクションフィールドに対応付けられて記憶される。このようなメモ作成機能(S101)により、教師は、授業中にそのメモを適宜参照して、授業の要点や重要点などを解説したりすることができる。セクションフィールドに追加されるメモは、いわばカンニングペーパーのごとき役割を果たし、教師の授業を支援する。
教師は、教師端末1から授業準備管理部51を介して、セクションフィールドにコンテンツを一つまたは複数登録することができる(S102)。授業準備管理部51は、教師端末1から指定されたコンテンツ再生範囲を、セクションフィールドに登録されたコンテンツに対応付けて記憶する(S103)。授業準備管理部51は、教師端末1から指定されたコンテンツ出力先端末を、セクションフィールドに登録されたコンテンツに対応付けて記憶する(S104)。
なお、上述の通り、授業レジュメは、授業の進行を管理するためのものであるから、授業中に電子的コンテンツを使用しない時間帯がある場合、その時間帯に対応するセクションフィールドにコンテンツは登録されない。コンテンツを使用しないセクションフィールドでは、その時間帯で行う授業内容の名称(セクション名)、その時間帯で行う授業の概略メモのようなものが設定される。
さらに、授業準備管理部51は、レジュメ表示領域G11に追加されたセクションフィールドに対し、そのセクションフィールドの予定学習時間を設定する(S105)。そのセクションフィールドの開始時間(先行するセクションフィールドの終了時間)に予定学習時間を加えた値が、そのセクションフィールドの終了時間となる。予定学習時間は、教師が教師端末1を介して手動で指定することができる。
或るセクションフィールドについての予定学習時間は、過去に作成された授業レジュメを参考にして自動的にまたは手動で設定できる。例えば、過去の授業レジュメを記憶する授業記録データベースT50は、過去に作成された授業レジュメを記憶している。授業準備管理部51は、或るセクションフィールドの属性(科目、対象学年、コンテンツ種類等)に応じて授業記録データベースT50を検索し、近い属性を有するセクションフィールドの授業時間を参考値として取り出す。授業準備管理部51は、参考値の最大値、最小値、平均値などの統計値を算出し、それら統計値を教師端末1を介して教師に提案することもできる。
授業準備管理部51は、教師端末1からの操作入力に応じて、セクションフィールドにコンテンツを追加したり、コンテンツの再生順序を入れ替えたり、コンテンツを削除したりする(S106)。
授業準備管理部51は、授業レジュメの作成が完了したか判定し(S107)、授業レジュメの作成が完了していないと判定した場合(S107:NO)、ステップS100に戻って教師端末1からの入力を待つ。授業準備管理部51は、教師端末1で保存ボタン107が操作されたことを検出すると、授業レジュメの作成が終了したものと判定し(S107:YES)、作成された授業レジュメのデータを補助記憶装置503またはメモリ502のいずれかまたは両方に保存する(S108)。
図12〜図15を用いて授業の進行を管理する様子を説明する。図12〜図14は、授業進行管理画面G20の構成例を示す。授業の進行を管理する画面G20は、例えば、表示領域G21と、操作領域G22と、連絡領域G23と、進行管理領域G24とから構成されている。
表示領域G21には、進行管理領域G24で指定されたセクションフィールドで学ぶコンテンツ208が表示される。さらに、コンテンツ208の周辺の空き領域には、コンテンツに関する解説209、コンテンツメモ210、マーク211(図13で後述)等が表示される。表示された電子書籍や画像等のコンテンツには、ラインマーカーMなどで修飾することができる。
操作領域G22には、画面を操作したり画面に入力したりするために使用する各種ボタンやツールが表示されている。テレビ表示ボタン202は、教師端末1の表示領域G21に表示されている画面をテレビ装置3に表示させるためのボタンである。生徒端末表示ボタン203は、同じく表示領域G21に表示されている画面を生徒端末2に表示させるためのボタンである。入力ボタン204は、表示領域G21に表示されているコンテンツに対して、線やマーカーを引いたり、文字を書き加えたりするためのボタンである。ブックマークボタン205は、表示されているコンテンツにブックマークを設定したり、マークを設定したりするためのボタンである。ファイルブラウザボタン206は、授業管理サーバ5またはコンテンツサーバ6に保存されているファイルの中から所望のファイルを選択して表示させるためのボタンである。
本実施例では、コンテンツの進捗位置を示すブックマークを設定するためのボタンと、コンテンツにマークを設定するためのボタンとを共通のボタン205として示しているが、ブックマーク設定用のボタンとマーク設定用のボタンとは別々に設けてもよい。また、本実施例では、各生徒端末2の画面を取得して教師端末1に表示させるためのボタンを省略しているが、生徒端末2の画面を取得するためのボタンを操作領域G22に配置してもよい。さらに、生徒端末2の画面を取得するためのボタンは、一つまたは複数の生徒端末2を指定して画面を取得するための個別取得ボタンと、その授業を受けている全ての生徒の生徒端末2の画面をサムネイル画像一覧として取得するための一覧取得ボタンとに分けて設ける構成でもよい。
ブックマークボタン205の構成例を説明する。教師が、ブックマークボタン205を一度押すと、ボタン205の左にマークアイコン一覧が表示され、そのマークアイコン一覧の中からマークの種類を選ぶ。進捗点マークもマークアイコン一覧に一つだけ含まれている。次に教師は、コンテンツ上の設置希望場所をタップすると、指定したマークが指定した位置に半透明状態で置かれる。コンテンツ上に置かれたマークは、ドラッグ操作などで選択したり移動したり削除したりできる。マークには、進捗点を示すマークのほか、例えば注意、ひらめき、反省、検討などを表示するマークを含めることができる。
進行管理領域G24には、授業レジュメを構成する各セクションフィールドに対応するセクションタグ200が授業の進行順に表示されている。教師は、所望のセクションタグ200を2回連続してタップすることで、そのセクションタグに対応するセクションフィールドの授業を開始し、そのセクションフィールドに登録されているコンテンツを再生させることができる。また、教師は、例えばセクションタグ200を所定時間長く押し続けることで、セクションタグ200の順番を並び替えることもできる。セクションタグ200の順番が入れ替わると、それに応じてセクションフィールドの順序も変更される。
セクションタグ200には、例えば、進行上の順番を示す数字、セクション名、セクションフィールドに登録されているコンテンツの種類を示すアイコンなどを表示することができる。セクションタグの順番を入れ替えると、順番を示す数字も振り直される。
なお、進行管理領域G24の右隅には、授業を開始してからの経過時間を示すタイマ207が表示されている。
進行管理領域G24では、現在授業中のセクションフィールドに対応するセクションタグ200に、時間管理バー201が表示される。時間管理バー201は、授業時間の進行につれて画面内を左から右に移動する。上述の通り、本実施例では、画面の左側が時間軸上で古く、画面の右側が時間軸上で新しい。
図13は、コンテンツメモ210とマーク211とが授業進行管理画面G20に表示されている様子を示す。コンテンツメモ210は、例えば、コンテンツに関する備忘録的な情報を記録したデータである。例えば教師が所望のセクションタグ200を選択すると、そのセクションタグ200に対応するセクションフィールドに登録されているコンテンツについてのメモ210が表示領域G21に表示される。メモ210には、例えば、コンテンツ名称、そのコンテンツを使用した授業の方法、質問ポイント等を記憶させておくことができる。メモ210は、授業レジュメ画面G10のセクションフィールドにコンテンツを登録する際などに設定しておくことができる。
マーク211は、教師が授業中に気づいた点などをその場で速やかにコンテンツまたはセクションフィールドに設定するために使用する情報である。マーク211は、予め複数種類用意されており、例えばブックマークボタン205を押すと、登録済みのマークの一覧が表示されるようになっている。教師は、マーク一覧の中から所望のマーク211を一つまたは複数選択し、コンテンツの所望の位置に投下する。マーク211として、例えば、「生徒の反応が良い」ことを示すマーク、「生徒の反応が薄い」ことを示すマーク、「復習またはテストが必要である」ことを示すマーク、「授業方法に工夫を要する」ことを示すマーク等を挙げることができる。マーク211は、教師が独自に作成して授業管理サーバ5に登録できるようにしてもよい。
図14は、或るセクションフィールドについて予定授業時間を超過した場合の様子を示す画面例である。ここでは、一つ目のセクションフィールド「音読」について予定していたよりも時間がかかりすぎた場合を説明する。
時間管理バー201は、音読のセクションフィールドに対応するセクションタグ200上を左側から右側に移動する。セクションフィールドについての予定授業時間を超過した場合、すなわちセクションフィールドについて事前に設定されている終了時間と経過時間とが一致した場合でも、時間管理バー201は停止せず、予定の授業時間(例えば45分間、90分間など)が終了するまで移動し続ける。最終的な授業の進行管理は教師が主導権を持っている。
次のセクションフィールドに進む場合、教師は、次のセクションフィールドに対応するセクションタグ200を一回タップする。これにより、表示領域G21には次のセクションフィールドに登録されているコンテンツが表示される。これと同時に、時間管理バー201は、そのセクションフィールドに対応するセクションタグ200上を左側から右側に向けて移動を開始する。
図15は、授業の進行管理を支援する処理を示すフローチャートである。授業進行管理部52は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20を制御することで、教師による授業進行を支援する。
教師が授業進行管理画面G20のセクションタグ200のうち所望のタグ(通常の場合は一つ目のセクションタグ)を選択すると、選択したセクションタグ200に対応するセクションフィールドについての授業が開始される。これにより、そのセクションフィールドに登録されているコンテンツが、予め指定された端末において、予め指定された位置から再生される(S200)。
選択されたセクションフィールドでの授業が開始されると、セクションフィールドに対応するセクションタグ200上を左端から右端に向けて、時間管理バー201が移動を開始する(S201)。授業進行管理部52は、次のセクションフィールドのセクションタグ200が選択されたか判定する(S202)。教師は、現在選択中のセクションフィールドについての授業が早めに終わった場合、または、何らかの理由で予定よりも早く終了させたい場合に、タグ200を操作する。授業進行管理部52は、次のセクションフィールドのタグ200が選択されたことを検出すると(S202:YES)、ステップS200に戻り、その選択したタグ200に対応するセクションフィールドに設定されているコンテンツを再生する。なお、「次のセクションフィールド」とは、教師が次に授業を希望するセクションフィールドを意味し、授業レジュメ上で予定された順番とは異なる場合がある。
教師は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20を適宜参照しながら、授業を行う(S203)。なお、このステップS203は、理解のために示されたものであり、コンピュータにより実行されるステップではないので、点線で示す。
授業進行管理部52は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20のブックマークボタン205が操作されたことを検知すると、指定されたマークを指定されたコンテンツに設定する(S204)。コンテンツデータを有さないセクションフィールドにおいてマークボタン205が使用された場合、指定されたマークをそのセクションフィールドに設定する。
授業進行管理部52は、授業進行管理画面G20のテレビ表示ボタン202または生徒端末表示ボタン203が操作されたことを検知すると、画面の出力先を切り替えたり、画面構成を変更したりすることができる(S205)。または、後述の画面共有処理により、教師と生徒が共有する画面を変更することもできる。
授業進行管理部52は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20において、セクションタグ200の順番が変更されたことを検知すると、変更された順番でセクションフィールドを並べ替える(S206)。例えば、教師はセクションタグ200を所定時間以上継続して押し続けながらスライドさせることで、左右のセクションタグの順番を入れ替えることができる。
授業進行管理部52は、ステップS200で開始したセクションフィールドの授業時間が予定された時間に達したか判定する(S207)。授業進行管理部52は、セクションフィールドの授業時間が残っていると判定した場合(S207:NO)、ステップS201に戻る。
授業進行管理部52は、ステップS200で開始したセクションフィールドの授業時間が予定された時間に達したと判定すると(S207:YES)、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20において、次のセクションタグ200が選択されたか判定する(S208)。授業進行管理部52は、時間の進行上次に実行されるべきセクションフィールドに対応するセクションタグ200が選択されたと判定すると(S208:YES)、ステップS200に戻る。授業進行管理部52は、選択されたセクションフィールドにコンテンツが登録されている場合、そのコンテンツを指定された端末で指定された位置から再生する。
授業進行管理部52は、次に実行するセクションフィールドに対応するセクションタグ200が選択されていないと判定した場合(S208:NO)、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20において、予定された時間を超過している旨を教師に警告する(S209)。例えば、図14に示す画面G20では、教科書を音読するセクションフィールドについて予定時間を超過しているため、そのセクションフィールドに対応するセクションタグ200は、例えば赤く点滅したりする等して、教師に警告する。進行管理バー201は、その授業全体が終了するまで移動し続け、45分間や90分間のような所定の授業時間が終了すると停止する。つまり、進行管理バー201は、授業時間中に、授業進行管理画面G20を最も左側から最も右側に向けて移動し、最も右側に到達するとそこで停止する。
図16および図17を用いて画面共有方法の一例を説明する。図16は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20上に置いた指を所定方向に滑らせる(スワイプ)ことで、表示領域G21に表示された画面を複数の端末のうち所望の一つまたは複数の端末に配信して表示する様子を示す。
画面管理部53は、教師端末1の授業進行管理画面G20において上方向スワイプ操作213が検出されると、表示領域G21に表示されたコンテンツ画面をテレビ装置3に送信して表示される。これにより、教師端末1とテレビ装置3の両方で表示領域G21の画面が表示される。画面を共有している場合、共有中であることを示す警告212が授業進行管理画面G20に表示される。
画面管理部53は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20において左方向スワイプ操作214が検知されると、その授業を受けている全生徒の生徒端末2に、教師端末1の表示領域G21に表示されている画面を配信して表示させる。
画面管理部53は、教師端末1に表示される授業進行管理画面G20において右方向スワイプ操作215が検知されると、その授業を受けている全生徒の生徒端末2と、その教室に設置されているテレビ装置3の両方に、教師端末1の表示領域G21に表示されている画面を配信して表示させる。教師端末1が他の端末と画面を共有している間、教師端末1には画面共有中であることを知らせるための警告212が表示される。教師端末1だけでなく画面を共有している他の端末においても警告212を表示させてもよい。
なお、上記の上方向スワイプ操作213、左方向スワイプ操作214、右方向スワイプ操作215と、画面を共有する他端末との関係は例示であって、上記以外の組合せであってもよい。
図17は、画面共有の一例を示すフローチャートである。画面管理部53は、教師端末1に対する操作から各生徒端末2の画面一覧の取得が要求されたことを検知すると、その授業を受けている全生徒の生徒端末2の画面の一覧を取得して教師端末1に送信する(S220)。例えば、授業進行管理画面G20の操作領域G22に、各生徒端末2の画面一覧を取得するためのボタンを設けておけば、画面管理部53は、そのボタンが操作されたときに各生徒端末2の画面一覧を取得することができる。
教師端末1に表示される授業進行管理画面G20の表示領域G21には、画面管理部53から受信した各生徒端末2の画面一覧が例えばオーバーレイ方式で表示される。教師は、生徒端末2の画面一覧の中から、所望の画面を一つまたは複数選択することができる(S221)。
画面管理部53は、教師端末1の授業進行管理画面G20においてスワイプ操作が行われたか判定する(S222)。画面管理部53は、スワイプ操作が行われたことを検知すると(S222:YES)、そのスワイプの方向を検出する(S223)。
画面管理部53は、検出したスワイプ方向から、画面を共有する他端末(教師端末1以外の端末)を特定する(S224)。画面管理部53は、ステップS221で選択した生徒端末2から共有対象となる画面データを取得し(S225)、取得した画面データから共有用画面を合成する(S226)。画面管理部53は、ステップS224で特定した端末に、ステップS226で合成した共有用画面を送信して表示させる(S227)。
図18および図19を用いて、座席表管理部54の機能を説明する。図18および図19は、座席表管理部54が作成して教師端末1に提供する座席表管理画面G30の一例を示す。
座席表管理画面G30は、座席表示領域G31と、座席表示領域G31の周囲に配置された操作領域G32と、座席表示領域G31の下側に配置された連絡領域G33とを備えて構成されている。
座席表示領域G31は、各生徒の座席配置を視覚化して表示する。座席を象徴する図形要素(アイコン)には、例えば、その座席が割り当てられている生徒の氏名、出席番号、性別などの各生徒を識別するために必要な基本的情報が表示されている。
操作領域G32には、例えば、テレビ表示ボタン302、生徒端末表示ボタン303、入力ボタン304、ブックマークボタン305、ファイルブラウザボタン306、戻るボタン307、進むボタン308を備える。
テレビ表示ボタン302は、画面G30のうち教師の選択する部分をテレビ装置3に出力するためのボタンである。生徒端末表示ボタン303は、画面G30のうち教師の選択する部分を各生徒端末2に出力するためのボタンである。入力ボタン304は、座席表示領域G31に表示された座席配置上にメモやマーカーなどを書き込むためのボタンである。ブックマークボタン305は、座席配置を登録したり、登録済みの座席配置を呼び出したりするためのボタンである。座席配置表はテレビ装置3や生徒端末2で共有しないことが望ましい。個人情報が含まれるためである。但し、生徒の氏名と座席位置だけのように限定された情報をテレビ装置3や生徒端末2で共有可能な構成としてもよい。
または、ブックマークボタン305を操作することで、マーク一覧を表示し、座席表示領域G31に表示された座席配置上に、予め登録されているマークを一つまたは複数設定することもできる。座席配置に設定するマークとしては、例えば、「生徒の気分が落ち着くようだ」、「再考を要する」、「議論が活発になる」、「生徒の動線に改善の余地あり」などを象徴する図形または記号などを挙げることができる。放課後等に、教師は、座席配置に設定されたマークを見ることで、座席配置について検討することができる。
図19は、座席表管理画面G30上で生徒個人の詳細情報を表示する様子を示す。教師が座席表示領域G31上で所望の座席アイコンを選択すると、座席表管理部54は、選択された座席が割り当てられている生徒についての詳細情報を示す生徒詳細画面310を作成し、座席表示領域G31に表示する。
生徒詳細画面310は、例えば、その生徒の氏名、出席番号、生年月日などの基本的な生徒情報311と、その生徒のついてのメモ312と、その生徒について設定されているマーク313とを含む。
メモ312は、教師がソフトウェアキーボードまたは音声入力などで、その生徒に関する情報を入力するためのものである。マーク313は、予め登録されているマーク一覧の中から選択されるものである。マーク313としては、例えば、「病欠中」、「家庭訪問済み」、「皆勤中」、「クラブ活動」、「発言活発」などが挙げられる。
例えば教師は、出欠を取ったときに、気づいた点をマーク313として設定しておき、休み時間等に、設定済みマークに基づいてメモ312を作成することができる。
図20は、授業進行管理画面G20において、授業の進行度合を管理するための方法を幾つか示す説明図である。
図20(a)は、各セクションタグ200の幅寸法を、そのセクションタグが示すセクションフィールドの予定授業時間に対応させ、時間管理バー201を一定速度で移動させる方法を示す。これにより、教師は、各セクションフィールドに割り当てた時間と、その進み具合を直感的に把握できる。
図20(b)は、各セクションタグ200をほぼ等幅に設定し、時間管理バー201の速度をセクションフィールドに割り当てた時間に応じて変化させる方法である。従って、予定授業時間の長いセクションフィールドに対応するセクションタグにおいては、時間管理バー201は低速に移動し、予定授業時間の短いセクションフィールドに対応するセクションタグにおいては、時間管理バー201は高速に移動する。各セクションタグ200をほぼ等しい長さに設定するため、教師にとってセクションタグ200の視認性が高まり、使い勝手が向上する。図20(a)で述べた方法では、セクションフィールドの予定授業時間が短いのにもかかわらず、そのセクション名が長い場合に、狭いセクションタグ内に多くの文字が詰め込まれてしまい、視認性が低い。これに対し、図20(b)の方法によれば、視認性が高まり、使いやすくなる。
図20(c)は、現在選択中(現在授業中)のセクションフィールドに対応するセクションタグ200を他のセクションタグよりも大きく表示し、他の各セクションタグはほぼ等幅で等しい高さに形成する方法である。そして、時間管理バー201Aは、各セクションタグの下側に位置して、帯状に表示される。図20(d)に示すように、予定授業時間を越えた場合、時間管理バー201Bは色彩を変えたり点滅したりして、教師に警告を発する。
このように構成される本実施例では、1コマの授業をセクションフィールドに分けて進行順に配置し、各セクションフィールドに任意のコンテンツを登録できる授業レジュメを教師端末1の画面上で作成することができる。従って、教師は、授業の流れや授業で使用予定のコンテンツの概要等を直感的に把握しながら、授業レジュメを効率的に作成することができ、操作性がよく、使い勝手が高い。
本実施例では、セクションフィールドに個別のメモを設定できる。従って、授業進行に関する参考情報(「何時何分で動画を停止し、解説する」など)をセクションフィールド毎に細かく管理して、授業の質を高めることができ、使い勝手が向上する。
本実施例では、セクションフィールドにおいて、コンテンツの再生位置または再生範囲を事前に指定することができる。従って、教師は、編集用ソフトウェアなどを用いて、元のコンテンツから必要な部分だけを切り出したりする必要がなく、効率的に授業を準備でき、使い勝手が高い。
本実施例では、コンテンツの出力先端末をセクションフィールド内で事前に指定することができる。従って、教師は、授業進行管理画面G20において所望のセクションタグ200を指定するだけで、コンテンツを所望の端末に送信して再生することができ、操作性がよく、使い勝手が高い。
本実施例では、授業進行管理画面G20において、セクションフィールドに対応するセクションタグ200上を時間管理バー201が移動する。これにより、教師は、予定授業時間との差異を直感的に把握でき、授業時間のペースが適切か否か速やかに判断することができ、使い勝手が高い。
本実施例では、授業の進行が予定よりも遅れると警告を発するため、教師の注意を喚起することができ、使い勝手が高い。
本実施例では、授業の進行が予定よりも遅れた場合であっても、次のセクションフィールドに自動的に移行せずにその場に留まる。教師が自らの意思で次のセクションタグを選択すると、選択したセクションフィールドに関する授業が開始する。これにより、教師は授業の自由度を確保して、その場の判断で適切と考える授業を行うことができ、使い勝手が高い。
本実施例では、今回の授業レジュメの最後に、次回の授業レジュメの全部または一部を表示可能である。従って、教師は、例えば授業中の余り時間を利用して、次回の授業内容の概略を生徒に教えたり、次回に授業するはずのセクションフィールドのコンテンツを再生したりすることができ、使い勝手が高い。
本実施例では、生徒端末2の画面一覧を取得し、その中から共有対象画面を選択し、所定のスワイプ操作をすることで、所望の端末(または端末群)に共有対象画面を送って表示させることができる。従って、教師は、教師端末1上の簡単な操作で、画面を合成させて他端末と共有することができ、使い勝手が高い。
本実施例では、授業進行管理画面G20において、表示領域G21の外側にセクションタグ200を有する進行管理領域G24を配置する。セクションタグ200は、コンテンツの概要を表示したり、表示端末を選択したり、授業の進行状況を表示したり、セクションフィールドを並び替えたりするための複数の機能を備える。
このようにセクションタグは、比較的小型でありながら、セクションフィールドに関する必要最低限の情報を表示すると共に、授業の進行順序を制御することができる。セクションタグ200は、セクションフィールドの概要を表示し、セクションフィールドに登録されたコンテンツの動作を制御するための進行制御情報、または進行制御情報を有する図形的要素、と表現することができる。
図21を用いて第2実施例を説明する。第1実施例では、「他の端末」として生徒端末2およびテレビ装置3の両方を使用する場合を例に挙げて説明したが、図21に示すように「他の端末」としてテレビ装置3のみを使用する構成でもよい。または、「他の端末」として生徒端末2のみを使用する構成としてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
教師は、レジュメに授業の目的を設定しておき、授業開始時に(例えば最初のセクションフィールドの授業前に)、その授業目的をテレビ装置3や生徒端末2に表示することもできる。これにより、生徒たちは、授業目的を意識して授業に参加することができ、学習効果が高まる。
授業実施後の振り返りを行うための機能を設けてもよい。例えば、授業中にセクションフィールドや生徒情報等に設定したマークやメモを見返したり、授業後にセクションフィールドや生徒情報等に改めてマークやメモを追加したり、授業目的に修正を加えたり、生徒の反応についてメモを作成したりする機能(振り返り機能、または授業自己評価機能)を設ける。このような振り返り機能を用いて残された記録は、レジュメおよびレジュメで参照したコンテンツと共に授業記録として保存することができる。教師は、保存した授業記録を参照することで授業内容を改善することができる。また授業記録は、経験の乏しい教師の参考資料または指導用資料として役立たせることができる。
さらに、セクションフィールドの概要(タイトル、進行用メモ、設定コンテンツ名など)をリスト形式で一括管理して表示することができるセクションフィールド一括管理画面などを設けてもよい。
さらに、進行管理バー201の表示をオンオフするためのボタンを授業進行管理画面G20に設ける構成としてもよい。教師は、表示オフボタンを操作することで、進行管理バー201を画面G20から消すことができる。教師は、表示オンボタンを操作することで、いったん消した進行管理バー201を画面G20に再び表示することもできる。進行管理バー201は、もしも表示されていたら位置するはずであった位置に表示される。また、レジュメ作成時に、進行管理バー201を表示するか、それとも最初から表示しないようにするかを設定できるように構成してもよい。