JP6223708B2 - 精製トリテルペンアルコールの製造方法 - Google Patents
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しかしながら、トリテルペンアルコールを食品用途に使用する場合、有機溶媒の使用を低減することが望ましい。また、再結晶による精製は、溶媒置換操作に手間がかかるだけでなく、得られる結晶の取扱性に難があり、トリテルペンアルコール含量が低下する場合もある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、精製トリテルペンアルコールの新たな製造方法を提供しようとするものである。
(1)トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%以下である原料オリザノールを、当該原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率が80%以上となるようにアルカリ加水分解する工程、
(2)工程(1)で得られたアルカリ加水分解物を水洗し、トリテルペンアルコールを得る工程、
を含む精製トリテルペンアルコールの製造方法を提供するものである。
(1)トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%以下である原料オリザノールを、当該原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率が80%以上となるようにアルカリ加水分解する工程、
(2)工程(1)で得られたアルカリ加水分解物を水洗し、トリテルペンアルコールを得る工程、を含む。
オリザノールは、米糠油、トウモロコシ油、その他の穀類の糠油中に存在する物質で、トリテルペンアルコールのフェルラ酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)エステルとトリテルペンアルコール以外の植物ステロールのフェルラ酸エステルの総称である。
本発明の方法においては、アルカリ加水分解の原料として、トリアシルグリセロールと脂肪酸(塩)の合計含有量が15質量%(以下、単に%とする)以下であるオリザノールを用いる。
原料として用いるオリザノール(原料オリザノール)中のトリアシルグリセロールと脂肪酸(塩)の合計含有量は、加水分解後のトリテルペンアルコールの濾過分離を良好にする観点から、更に12%以下、更に9%以下、更に6%以下、更に3%以下、更に2%以下が好ましい。
また、トリアシルグリセロールと脂肪酸(塩)の合計含有量が15質量%超であるオリザノールに、有機溶媒を接触させる処理を行うことで、オリザノール中のトリアシルグリセロールと脂肪酸(塩)を低減させることもできる。
ここで用いられる有機溶媒としてはヘプタンやヘキサン等の炭化水素類やエタノール等の低級アルコールが挙げられる。
具体的な接触方法としては、トリアシルグリセロールと脂肪酸(塩)の合計含有量が15質量%超であるオリザノールに上記有機溶媒を3質量倍以上添加し、攪拌、濾別後、乾燥する方法が挙げられる。
トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は、上記と同様の観点から、82%以上が好ましく、更に84%以上、更に90%以上、更に95%以上が好ましい。なお、トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は、後記実施例に記載のとおり次式(1)により求められる。
トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率[%]=[(アルカリ加水分解後のトリテルペンアルコール遊離体のモル数−アルカリ加水分解前のトリテルペンアルコール遊離体のモル数)/原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルのモル数]×100 (1)
反応温度は、トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルを十分に加水分解するという観点より、110℃以上が好ましく、更に120℃以上、更に140℃以上、更に150℃以上が好ましい。また、反応温度は、得られたトリテルペンアルコールの分解を抑制する観点より、240℃以下が好ましく、更に200℃以下、更に180℃以下が好ましい。
これらの条件を採用することにより、原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルを十分に加水分解することができる。また、本条件により、植物ステロールのフェルラ酸エステルも十分に加水分解することができる。
水洗方法としては、アルカリ加水分解物の濾過中に水で掛け洗いをする連続式やアルカリ加水分解物と水を混合・攪拌し濾別するバッチ式が挙げられる。水としては、例えば、水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水が例示される。
水として酸性水溶液を使用する場合の酸性水溶液のpH(25℃)は1〜6が好ましく、更に4〜6が好ましい。
水洗は1回でも複数回でもよく、例えば2回、3回繰り返してもよい。
酸は上記と同様の公知の酸を使用できる。なかでも、フェルラ酸アルカリ塩との反応を回避する観点から、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸等の弱酸を用いるのが好ましく、更にクエン酸が好ましい。
酸の添加量は、加水分解に使用したアルカリに対して、0.7倍当量以上が好ましく、更に0.8倍当量以上、更に0.9倍当量以上が好ましい。
乾燥の方法は、公知の方法を適用できる。乾燥温度は、乾燥時間短縮の観点から、20℃以上、更に30℃以上、更に40℃以上、更に50℃以上が好ましい。乾燥温度の上限は、トリテルペンアルコールの融点以下が好ましく、更に120℃以下、更に100℃以下が好ましい。また、乾燥時間は、水分を十分に除去する観点から3時間以上、更に6時間以上、更に12時間以上が好ましい。
トリテルペンアルコール遊離体には、例えば、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール、シクロブラノール、シクロアルタノール、シクロサドール、シクロラウデノール、ブチロスペリモール、パルケオール等が含まれる。
植物ステロール遊離体には、例えば、β−シトステロール、カンペステロール、α−シトステロール、スチグマステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、ブラシカステロール、フコステロール、イソフコステロール、スピナステロール、アベナステロール等が含まれる。
(1)トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%以下である原料オリザノールを、当該原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率が80%以上となるようにアルカリ加水分解する工程、
(2)工程(1)で得られたアルカリ加水分解物を水洗し、トリテルペンアルコールを得る工程、
を含む精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<3>原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である<1>又は<2>に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<4>原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率が、好ましくは82%以上、より好ましくは84%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<5>アルカリが、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア及びアミン類から選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはアルカリ金属の水酸化物であり、より好ましくは水酸化カリウムである<1>〜<4>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<6>アルカリの濃度が、好ましくは0.1mol/dm3以上、より好ましくは0.5mol/dm3以上、より好ましくは1mol/dm3以上、更に好ましくは1.5mol/dm3以上、更に好ましくは2mol/dm3以上であり、また、好ましくは5mol/dm3以下、より好ましくは3mol/dm3以下である<1>〜<5>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<7>工程(1)のアルカリ加水分解をアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて行う<1>〜<6>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<8>工程(1)のアルカリ加水分解の反応温度が、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、また、好ましくは240℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下である<1>〜<7>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<9>工程(1)のアルカリ加水分解の反応時間が、好ましくは1分〜180分、より好ましくは3分〜150分、更に好ましくは5分〜120分である<1>〜<8>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<10>水洗に使用する水の量が、アルカリ加水分解物に対し、好ましくは5質量倍以上、より好ましくは10質量倍以上である<1>〜<9>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<11>水の温度が、好ましくはトリテルペンアルコールの融点以下、より好ましくは90℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは50℃以下であり、また、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは15℃以上である<1>〜<10>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<12>更に、アルカリ加水分解後、使用されずに残存したアルカリを酸で中和する工程を含む、<1>〜<11>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<13>中和に用いる酸が、好ましくは塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸及びクエン酸から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはリン酸、クエン酸及びアスコルビン酸から選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくはクエン酸である<12>に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<14>水洗後、トリテルペンアルコールを乾燥する工程を含む<1>〜<13>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<15>精製トリテルペンアルコール中、トリテルペンアルコール遊離体の含有量が好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である<1>〜<14>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<16>更に、トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%超であるオリザノールに有機溶媒を接触させる処理を行い、トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%以下である原料オリザノールを得る工程を含む、<1>〜<15>のいずれか1に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
<17>有機溶媒が、好ましくは低級アルコール、より好ましくはエタノールである<16>に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
(1)トリテルペンアルコール遊離体及び植物ステロール遊離体
固相抽出カラムにより、油とトリテルペンアルコール遊離体画分と植物ステロール遊離体画分を分離した。分離したトリテルペンアルコール遊離体画分と植物ステロール遊離体画分をそれぞれ約25mgとり、クロロホルムで10mLにメスアップした。これをGCに1μL注入し分析した。GC分析の条件は下記のとおりである。
固相抽出カラム:Sep−Pak syika 5g
カラム:キャピラリーGCカラム DB−1(J&W)、30mx0.25mm、膜厚
0.25μm
キャリアガス:He、2.30mL/min
インジェクター:Split(40:1)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃で1.5分間保持、15℃/分で250℃まで昇温、5℃/分
で320℃まで昇温、3分間保持
オリザノールとして0.2〜0.8mg/10mlとなるように、サンプルを酢酸エチルでメスアップし、完全に溶解・混合を確認後、HPLCを使用して分析した。
カラム:Inersil ODS−3(Φ4.6×250μm)
メソッド:波長325nm、分析時間60分、カラム温度40℃、流量1.2ml/min
原料オリザノールの質量からオリザノールと各遊離体の質量を引き、残りをトリアシルグリセロール及び脂肪酸(塩)の合計量とした。
原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は、次式(1)により算出した。
トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率[%]=[(アルカリ加水分解後のトリテルペンアルコール遊離体のモル数−アルカリ加水分解前のトリテルペンアルコール遊離体のモル数)/原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルのモル数]×100 (1)
乾燥後の精製トリテルペンアルコールの形態をパネル5名が下記の評価基準で評価し、その平均値を評点とした。
(形態の評価基準)
4:粒子径の小さい粉末で、さらさらしている
3:さらさらした粉末だが、若干だまがある
2:若干粘りのある粉末で、だまがある
1:粘りのあるかたまりで、だまが非常に多く大きい
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、150℃にて30分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は99.5%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を64g添加し、pH7まで中和した。
中和後、常温の蒸留水500gを用いて濾過しながら掛け洗いにより1回水洗し、精製トリテルペンアルコールを得た。
次いで、精製トリテルペンアルコールを50℃で15時間減圧乾燥し、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(オリザ油化(株)製)を3gとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、実施例1と同じ条件で加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は97.2%であった。次いで、実施例1と同じ条件で中和、水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(築野食品工業(株)製)を3.16gとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、実施例1と同じ条件で加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は100%であった。次いで、実施例1と同じ条件で中和、水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(築野食品工業(株)製)を3.39gとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、実施例1と同じ条件で加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は100%であった。次いで、実施例1と同じ条件で中和、水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、140℃にて30分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は85.2%であった。次いで、実施例1と同じ条件で中和、水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、1mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、170℃にて10分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は84.9%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を32g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、1mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、150℃にて60分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は92.5%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を32g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
γ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、0.5mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、180℃にて30分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は81.1%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を16g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、0.5mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、210℃にて5分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は100%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を16g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)を3gとり、3mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、120℃にて60分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は81%であった。その後、10%クエン酸水溶液を96g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(築野食品工業(株)製)を3.16gとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、実施例1と同じ条件で加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は99.4%であった。次いで、中和を行わずに、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粉末状の精製トリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(築野食品工業(株)製)3.61gをとり、2mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、150℃にて30分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は100%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を64g添加し、pH7まで中和した。中和後、500gの蒸留水を用いて実施例1と同じ条件で水洗したが粘度の高いかたまりとなり、濾過をすることができなかった。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)3gをとり、1mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、150℃にて30分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は57.8%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を32g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粘度の高い固形状のトリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)3gをとり、0.5mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、180℃にて5分間加水分解を行った。トリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は31.5%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を16g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粘度の高い固形状のトリテルペンアルコールを得た。
表1に示す組成のγ−オリザノール(和光純薬工業(株)製)3gをとり、0.5mol/dm3水酸化カリウム水溶液50gを加え、150℃にて120分間加水分解を行った。Tトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率は49.9%であった。次いで、10%クエン酸水溶液を16g添加し、pH7まで中和した。中和後、実施例1と同じ条件で水洗及び乾燥を行い、粘度の高い固形状のトリテルペンアルコールを得た。
Claims (7)
- 原料オリザノールを有機溶媒の非存在下でアルカリ加水分解して精製トリテルペンアルコールを製造する方法であって、
(1)トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%以下である原料オリザノールを、当該原料オリザノール中のトリテルペンアルコールフェルラ酸エステルの分解率が80%以上となるように有機溶媒の非存在下でアルカリ加水分解する工程、
(2)工程(1)で得られたアルカリ加水分解物を水洗し、トリテルペンアルコールを得る工程、
を含む精製トリテルペンアルコールの製造方法。 - 工程(1)のアルカリ加水分解をアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて行う、請求項1記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
- 更に、アルカリ加水分解後、使用されずに残存したアルカリを酸で中和する工程を含む、請求項1又は2記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
- 中和にクエン酸を用いる、請求項3記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
- 精製トリテルペンアルコール中、トリテルペンアルコール遊離体の含有量が50質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
- 更に、トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%超であるオリザノールに有機溶媒を接触させる処理を行い、トリアシルグリセロール、脂肪酸及び脂肪酸塩の合計の含有量が15質量%以下である原料オリザノールを得る工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
- 工程(1)の反応温度が120℃以上200℃以下である、請求項1〜6のいずれか1項記載の精製トリテルペンアルコールの製造方法。
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