JP6223233B2 - 静電容量式検出装置及び静電容量式検出プログラム - Google Patents

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Description

この発明は、静電容量式のタッチパネルの制御技術に関する。
スマートフォンやタブレットPCが普及し、タッチパネルインタフェースとしてマルチタッチジェスチャ操作が一般的になっている。
静電容量方式のタッチパネルは、軽いタッチで反応し、かつ複数の指を検出することができる。また、静電容量方式のタッチパネルは、赤外方式や超音波方式のタッチパネルに比べて、環境に対する影響やパネルに付着した異物等による影響が少ない。そのため、静電容量方式のタッチパネルは、マルチタッチジェスチャ操作に適している。
しかし、静電容量方式のタッチパネルは、4インチ〜10インチ程度の小型、中型サイズが主流であり、大型化する上ではLCD(Liquid CrySal Display)ノイズの影響を受けやすいという課題がある。
特許文献1,2には、静電容量方式のタッチパネルにおいて、複数電極間の差分容量を検出することでLCDの駆動により同位相で発生するノイズをキャンセルし、大型サイズに対応することが記載されている。
静電容量方式のタッチパネルのもう1つの特徴として、ユーザの指の近接を検知する技術が知られている。特許文献3には、複数の電極を束ね検知電極の面積を大きくすることで感度を高め、接触と近接とを両方とも検知することが記載されている。
特表2011−510375号公報 特表2013−225302号公報 特開2008−153025号公報
大型のタッチパネルで近接検知を実現するためには、LCDノイズを抑える特許文献1,2に記載されたような差動型の静電容量方式と、特許文献3に記載されたような電極面積を大きくして静電容量を検知する方式とを併用する必要がある。しかし、大型のタッチパネルでは各電極の容量差が大きくなるため、複数の電極を束ねた場合、さらに偏りが生じ、差動型の静電容量方式の検出可能な範囲をオーバーしてしまう。
特許文献2には、検出可能な範囲をオーバーしてしまうことを解消する方法として、IC内部の可変移送キャパシタンスを接続することで、静電容量の不均衡を解消する方法が記載されている。しかし、電極を束ねて用いる場合、大きな偏りが生じるため、不均衡を解消することができない。また、外部のキャパシタンスを接続することで容量の不均衡を解消しようとした場合、接続する外部のキャパシタンスの個体差の影響を大きく受け、個体ばらつきが発生してしまう。
検出可能な範囲をオーバーしてしまうことを解消する別の方法として、差動型の静電容量方式におけるタッチ検出ICのAD変換の検出範囲を広げることで、得られる容量差を検知する方法がある。しかし、この方法では、検出できる容量の解像度が落ちるため、近接検知のようなfF(フェムトファラド)レベルの容量を計測することができなくなり、感度が低下してしまう。
この発明は、解像度を落とすことなく、検出可能な範囲をオーバーしてしまうような容量差を、検知可能な範囲に調整することを目的とする。
この発明に係る静電容量式検出装置は、
電極間の静電容量差を検出する容量差検出部と、
前記容量差検出部が検出した静電容量差に応じて、各電極について印加電極と非印加電極とのどちらにするかの電極設定を決定する静電容量差調整部と、
前記静電容量差調整部が決定した前記電極設定において、前記印加電極に決定された電極を接続し、前記非印加電極に決定された電極をフローティングした状態で、駆動信号を印加する駆動信号印加部と
を備えることを特徴とする。
この発明に係る静電容量式検出装置は、検出した静電容量差に応じて、各電極についての電極設定を決定し、印加電極に決定された電極を接続し、非印加電極に決定された電極をフローティングした状態で、駆動信号を印加する。これにより、適切な容量差を得ることができる。
実施の形態1に係る静電容量式検出装置100の構成図。 実施の形態1に係る静電容量式検出装置100の動作を示すフローチャート。 差動型の検出方式の説明図。 図3に示す構成と等価な回路を示す図。 sw2のみ接続せず、検出電極Sの隣接電極がフローティングにされた場合の静電容量を示す図。 図5に示す構成とした場合に形成される回路を示す図。 sw1のみ接続せず、検出電極Sの2つ隣の電極がフローティングにされた場合の静電容量を示す図。 図7に示す構成とした場合に形成される回路を示す図。 S107〜S108の処理における静電容量差の調整処理例を示すフローチャート。 RC負荷を計測するタイプの検出方式の説明図。 実施の形態2に係る静電容量式検出装置100の構成図。 実施の形態3に係る静電容量式検出装置100の構成図。 全電極に駆動信号が印加されたときに、指の近接又は接触があった場合の静電容量を示す図。 図13に示す構成とした場合に形成される回路を示す図。 検出電極の隣がフローティングにされ、指の近接/接触があった場合の静電容量を示す図。 図15に示す構成とした場合に形成される回路を示す図。 補正テーブル生成処理を示すフローチャート。 補正テーブルを示す図。 実施の形態4に係る静電容量式検出装置100の構成図。 電極設定と範囲設定と予備キャパシタンス設定との決定処理を示すフローチャート。 予め用意された設定パターンを示す図。 予め用意された設定パターンを示す図。 実施の形態4と実施の形態2とを組合せた場合における静電容量式検出装置100の構成図。 実施の形態5に係る静電容量式検出装置100の構成図。 電極設定の決定処理を示すフローチャート。 探索パターンの例を示す図。 新たに生成される探索パターンの例を示す図。 実施の形態1〜5に示した静電容量式検出装置100のハードウェア構成の例を示す図。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る静電容量式検出装置100の構成図である。
静電容量式検出装置100は、タッチパネル10、駆動信号印加部20、容量差検出部30、検出結果記憶部40、検出電極選択部50、静電容量差調整部60、電極接続部70を備える。
タッチパネル10には、複数の電極(ここでは、電極D0〜D6)が配置されている。駆動信号印加部20は、駆動信号を生成し、電極に印加する。容量差検出部30は、駆動信号の印加により電荷がチャージされ、これにより発生した電極間の電圧差を計測することで静電容量差を検出値として検出する。検出結果記憶部40は、容量差検出部30が検出した静電容量差を記憶する。検出電極選択部50は、容量差検出部30が静電容量差を検出する電極を選択する。静電容量差調整部60は、検出電極選択部50が選択した電極と容量差検出部30が検出した静電容量差とに基づき、各電極について、容量の偏りを無くすために駆動信号を流す印加電極と、フローティングにするフローティング電極(非印加電極)とのどちらに設定するかの電極設定を決定する。電極接続部70は、電極設定に従い、電極を駆動信号印加部20及び容量差検出部30に接続するか、もしくは接続せずフローティングにするかを制御する。
図2は、実施の形態1に係る静電容量式検出装置100の動作を示すフローチャートである。
検出電極選択部50は、静電容量差を検出する検出電極を選択する(S101)。静電容量差調整部60は、全ての電極を駆動信号印加部20に接続するように、電極接続部70に設定を行い、電極接続部70は、設定に従い、全ての電極を駆動信号印加部20に接続する(S102)。駆動信号印加部20は、接続された全ての電極に対し駆動信号を印加する(S103)。容量差検出部30は、検出電極間の静電容量差を検出し、検出結果記憶部40に検出した静電容量差を記憶する(S104)。
検出電極選択部50は、全ての検出電極に関して検出処理が完了したか否かを判定する(S105)。検出電極選択部50は、全ての検出電極に関して検出処理が完了した場合(S105でY)、処理をS106へ進め、そうでない場合(S105でN)、処理をS101へ戻して、完了していない検出電極を選択する。
検出電極選択部50は、検出結果記憶部40に記憶された静電容量差を参照して、静電容量差が検出範囲に含まれない電極を検出電極として選択する(S106)。
静電容量差調整部60は、検出結果記憶部40に記憶された静電容量差と、選択された検出電極とを用いて、駆動信号を印加する印加電極とフローティングにするフローティング電極との電極設定を決定し、電極接続部70は印加電極と駆動信号印加部20とを接続する(S107)。駆動信号印加部20は、接続された電極に対し駆動信号を印加する(S108)。このとき、フローティング電極に対して寄生容量が発生し、検出電極への電荷のチャージで発生する電位が上がる。これにより、オーバーレンジが解消する。
容量差検出部30は、検出電極間の静電容量差を検出し、検出結果記憶部40に結果を記録する(S109)。検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差が検出範囲内か否かを判定する(S110)。検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差が検出範囲内の場合(S110でY)、処理を終了し、そうでない場合(S110でN)、処理をS106へ戻して、新たな検出電極を選択する。
図3は、差動型の検出方式の説明図を示す。
まず、電極接続部70はsw1〜swNを全て接続し、駆動信号印加部20は駆動信号を印加する。次に、sw1〜swNを切り離し、swSとswRとを接続し検出電極Sと検出電極Rの電位差を比較器cmp1にて計測する。その後、swSとswRとを切り離し、swg1とswg2を接続し溜まった電荷の解放を行う。
図4は、図3に示す構成と等価な回路を示す図である。
図4では、まず、Cs及びCrが駆動信号印加部20に接続され、Cs及びCrに駆動信号が印加される。このとき、CsにはQs=CsV、CrにはQr=CrVの電荷が蓄積される。同時に、Gndと接続することでCに蓄積された電荷が解放される。
次に、Cs及びCrが駆動信号印加部20から切り離され、Cと接続される。ここで、蓄積された電荷Qs及びQrが維持され、Cs及びC、Cr及びCにそれぞれ電荷が分配される。このとき図3の(2)のようにCs+CとGND間にVs、Cr+CとGND間にVrの電位差が生じ、それぞれQs=(Cs+C)Vs、Qr=(Cr+C)Vrとなる。
よってVs=CsV/(Cs+C)、Vr=CrV/(Cr+C)となり、Vs−Vr=((Cs−Cr)CV)/((Cs+C)(Cr+C))(以下、式1と呼ぶ)により、検出電極SとR間の電位差を求めることができる。
S107〜S108の処理により検出される静電容量差が検出範囲内になる動作原理を説明する。
図3に示すように、sw1〜swNが全て接続された場合、寄生容量が発生しないため、電極Sの容量Csがそのまま検出される静電容量差に反映される。
図5は、sw2のみ接続せず、検出電極Sの隣接電極がフローティングにされた場合の静電容量を示す図である。図6は、図5に示す構成とした場合に形成される回路を示す図である。
図5に示すように、検出電極Sの隣接電極がフローティングにされた場合、フローティングにされた電極と検出電極Sとの間に寄生容量Cpnが発生する。さらに、フローティングにされた電極自体の容量Cnが発生する。そして、図6に示すような回路が形成される。
この回路図を基に寄生容量を含めた静電容量Cs’は、Cs’=Cs+(CpnCn)/(Cpn+Cn)となる。
図7は、sw1のみ接続せず、検出電極Sの2つ隣の電極がフローティングにされた場合の静電容量を示す図である。図8は、図7に示す構成とした場合に形成される回路を示す図である。
図7に示すように、検出電極Sの2つ隣の電極がフローティングにされた場合、フローティングにされた電極と、検出電極Sの隣接電極との間に寄生容量Cpmが発生し、隣接電極と検出電極Sとの間に寄生容量Cpsが発生する。また、フローティングされた電極と検出電極Sとの間に寄生容量Cpsmが発生する。さらに、フローティングにした電極自体の容量Cmが発生する。そして、図8に示すような回路が形成される。
この回路図を基に寄生容量を含めた静電容量Cs’’は、Cs’’=Cs+((CpsCpm)/(Cps+Cpm)+Cpsm))Cm/(Cm+(CpsCpm)/(Cps+Cpm)+Cpsm)となる。
ここで、式1より、Csが大きくなると、検出電極Sと検出電極Rとの電位差Vs−Vrは大きくなる。したがって、検出電極以外の電極を一部フローティングとすることで、Cs’>Cs,Cs’’>Csより、電位差が大きくなるように制御することができる。さらに、図5や図7のように検出電極とフローティングに設定する電極との距離を制御することで、電位差を微調整することができる。
図9は、上述した動作原理に基づいた、S107〜S108の処理における静電容量差の調整処理例を示すフローチャートである。
ここでは、検出電極Sと検出電極Rへの電荷チャージにより発生した電位差をV(Vs−Vr)とする。また、検出レンジを−R〜R(−R以上、R以下)とする。また、Cs’>Cs’’>Csが成り立つものとする。また、図5、図7に示すように検出電極周囲の電極設定パターンを切り替えるものとする。
静電容量差調整部60は、電圧差Vが−Rより小さい(V<−R)か否かを判定する(S201)。静電容量差調整部60は、電圧差Vが−Rより小さい場合(S201でY)、処理をS202へ進め、そうでない場合(S201でN)、処理をS205へ進める。
電圧差Vが−Rより小さい場合(S201でY)、静電容量差調整部60は検出電極Sの2つ隣の電極をフローティングに設定し、駆動信号印加部20は残りの電極に駆動信号を印加し、容量差検出部30は電圧差Vを測定する(S202)。静電容量差調整部60は、電圧差Vが−Rより小さい(V<−R)か否かを判定する(S203)。静電容量差調整部60は、電圧差Vが−Rより小さい場合(203でY)、処理をS204へ進め、そうでない場合(S203でN)、電圧差Vは検出範囲に入っているため、処理をS209へ進める。
電圧差Vが−Rより小さい場合(203でY)、静電容量差調整部60は検出電極Sの隣の電極をフローティングに設定し、駆動信号印加部20は残りの電極に対して駆動信号を印加し、容量差検出部30は電圧差Vを測定する(S204)。そして、静電容量差調整部60は、処理をS209へ進める。
一方、静電容量差調整部60は、電圧差VがRより大きい(V>R)か否かを判定する(S205)。静電容量差調整部60は、電圧差VがRより大きい場合(S205でY)、処理をS206へ進め、そうでない場合(S205でN)、電圧差Vは検出範囲に入っているため、処理をS209へ進める。
電圧差VがRより大きい場合(S205でY)、静電容量差調整部60は検出電極Rの2つ隣の電極をフローティングに設定し、駆動信号印加部20は残りの電極に駆動信号を印加し、容量差検出部30は電圧差Vを測定する(S206)。静電容量差調整部60は、電圧差VがRより大きい(V>R)か否かを判定する(S207)。静電容量差調整部60は、電圧差VがRより大きい場合(S207でY)、処理をS208へ進め、そうでない場合(S207でN)、電圧差Vは検出範囲に入っているため、処理をS209へ進める。
電圧差VがRより大きい場合(S207でY)、静電容量差調整部60は検出電極Rの隣の電極をフローティングに設定し、駆動信号印加部20は残りの電極に駆動信号を印加し、容量差検出部30は電圧差Vを測定する(S208)。そして、静電容量差調整部60は、処理をS209へ進める。
静電容量差調整部60は、容量差検出部30が最後に測定した電圧差Vを検出値として出力する(S209)。
以上のように、実施の形態1に係る静電容量式検出装置100は、検出電極S又は検出電極Rに対して寄生容量を発生させ、検出電極間の電位差を検出範囲内におさめることができる。また、検出ICのAD変換の特性による影響を受けにくいレベルへと電位差を微調整でき、SNRの改善が可能となる。
なお、図9に基づき説明した方法は一例であり、検出電極S及び検出電極Rの周りのフローティング設定は、図9に基づき説明した方法に限定されるものではない。つまり、検出電極S(あるいは検出電極R)の隣の電極M個に対して駆動信号を流し、さらにその隣の電極N個をフローティングする、あるいは、検出電極S(あるいは検出電極R)の隣の電極に対し、駆動信号を流す電極とフローティングにする電極を交互に設定するといった様々な組合せを用いてもよい。
また、上記説明では、駆動信号を検出電極に一定時間流し、その電位差を計測する例で説明した。しかし、上述した寄生容量を発生させることで検出値を調整する方法は、例えば、特許文献1に記載されているような分極(刺激P)の役割の電極に対して刺激信号を与えて、検出電極S、基準電極Rとの電位差を取る方式にも適用することができる。
また、上述した寄生容量を発生させることで検出値を調整する方法は、図10に示すようなRC負荷を計測するタイプの検出方式にも適用することができる。図10に示すように、検出電極Sに寄生容量を発生させることで電圧が発生するまでの時間が増えるため、一定時間後の電位差が小さくなる。これを利用することにより、RC負荷を計測するタイプの検出方式にも適用することができる。
実施の形態2.
実施形態1では、検出電極の位置と検出値とに応じて、周囲の電極をフローティングにして寄生容量を発生させ、これにより適切な検出値が得られるようにした。ここで、検出値は、検出ICや電極への配線、電極の大きさに大きく依存している。したがって、検出を行う度に、実施の形態1で説明した処理を行い、検出値を調整しなくても、一旦適切な検出値が得られる電極設定が分かってしまえば、以降はその電極設定により駆動信号を印加することにより、適切な検出値が得られる。
実施の形態2では、適切な検出値が得られた電極設定を記憶しておき、記憶した電極設定を利用して検出値を調整することについて説明する。
実施の形態2では、実施の形態1と同じ部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図11は、実施の形態2に係る静電容量式検出装置100の構成図である。
図11に示す静電容量式検出装置100は、図1に示す実施の形態1に係る静電容量式検出装置100が備える構成に加え、調整設定記憶部61を備える。
調整設定記憶部61は、適切な検出値が得られた場合における電極設定を記憶する。
実施の形態1で説明した方法により寄生容量を発生させ、検出電極間の電位差を調整する。調整設定記憶部61は、調整により適切な検出値が得られた場合に、静電容量差調整部60が決定した電極設定をROM等の記憶装置に記憶する。
以降、調整設定記憶部61が記憶した電極設定に従い、各電極を駆動信号印加部20に接続するかフローティングにするかを制御して、駆動信号を印加することにより、すぐに適切な検出値が得られる状態にすることができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、検出電極の位置と検出値とに応じて、周囲の電極をフローティングにして寄生容量を発生させ、これにより適切な検出値が得られるようにした。しかし、指(検出対象物の一例)の静電容量を検知する際、指に寄生容量が発生し、検出値が低下する。
実施の形態3では、指に発生する寄生容量を補正して、検出値が低下することを防止することについて説明する。
実施の形態3では、実施の形態1と同じ部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。なお、実施の形態3を実施の形態2と組み合わせることも可能である。
図12は、実施の形態3に係る静電容量式検出装置100の構成図である。
図12に示す静電容量式検出装置100は、図1に示す実施の形態1に係る静電容量式検出装置100が備える構成に加え、補正テーブル生成部80、補正テーブル記憶部81、検出値補正部82を備える。
補正テーブル生成部80は、指に発生する寄生容量を補正するための補正値を示す補正テーブルを生成する。補正テーブル記憶部81は、補正テーブル生成部80が生成した補正テーブルを記憶する。検出値補正部82は、補正テーブル記憶部81に記憶された補正テーブルの補正値を用いて、容量差検出部30が検出した検出値を補正する。
図13は、全電極に駆動信号が印加されたときに、指の近接又は接触があった場合の静電容量を示す図である。図14は、図13に示す構成とした場合に形成される回路を示す図である。
指と検出電極Sとの間との間に発生する容量をCfs、検出電極S自体の静電容量をCsとすると、指の近接又は接触があった場合には、図14の回路のように表すことができる。そして、全電極に駆動信号を流した場合の合成容量Caは、Ca=Cs+Cfsとなる。
図15は、検出電極の隣がフローティングにされ、指の近接/接触があった場合の静電容量を示す図である。図16は、図15に示す構成とした場合に形成される回路を示す図である。
フローティングにされた電極に対しても指との間に寄生容量が発生し、全ての電極に駆動信号が印加された場合に比べて、検出できる静電容量が減る。
指と検出電極Sとの間に発生する容量をCfs’、指とフローティングされた電極との間に発生する寄生容量をCpfs、フローティングされた電極と検出電極との間の寄生容量をCpn、フローティングされた電極自体の静電容量をCnとすると、図15の回路のように表すことができる。そして、検出電極の隣がフローティングにされた場合の合成容量Ca’は、Ca’=Cs+Cfs’+(Cpfs+Cn)・Cpn/(Cpfs+Cpn+Cn)となる。
指と検出電極Sとの間に容量Cfs’が発生し、指とフローティングされた電極との間に寄生容量Cpfsが発生するのに対して、フローティングされない場合には、指と検出電極Sとの間に容量Cfsが発生するので、Cfs=Cfs’+Cpfsと考えられる。
ここで、フローティング設定時の検出電極Sの静電容量をCs’とし、このときに、指とフローティングされた電極との間に寄生容量が発生していないと仮定すると、検出電極Sの静電容量はCs’+Cfsとなる。Cs’+Cfsと、Ca’との差Cs’+Cfs−Ca’>0であるため、検出電極の隣がフローティングにされた場合の合成容量Ca’は、元々得られる指の静電容量よりも小さい値であることが分かる。
全ての電極に対して駆動信号を印加した場合の電圧差ΔV0に対し、位置nに指を接触/近接した場合の電圧差ΔVnとすると、ΔV0−ΔVnは指と検出電極Sとの間との間に発生する寄生容量となる。
また、隣接する電極がフローティングされ、残りの電極に対して駆動信号を印加した場合の電圧差ΔVs0’に対し、位置nに指を接触/近接した場合の電圧差ΔVsn’とすると、ΔVs0’−ΔVsn’はΔV0−ΔVnよりも指とフローティングされた電極との間の寄生容量の分だけ減衰した値となる。
これにより、α(ΔV0−ΔVn−(ΔVs0’−ΔVsn’))が減衰した容量値の分と推測できる。ここでαは寄生容量の強度であり0≦α≦1の値を取る。
図17は、上述した検出原理に基づいた、補正テーブル生成処理を示すフローチャートである。
検出電極選択部50は、検出電極Sと検出電極Rの束ねる本数(結合本数)を1に設定し、以降では検出電極S及び検出電極Rを1つずつ選択して検出を行う(S301)。静電容量差調整部60は、全ての電極を駆動信号印加部20に接続するように、電極接続部70に設定を行い、電極接続部70は、設定に従い、全ての電極を駆動信号印加部20に接続する(S302)。
検出電極選択部50は、検出電極S及び検出電極Rを選択する(S303)。駆動信号印加部20は、接続された全ての電極に対し駆動信号を印加する(S304)。容量差検出部30は、一定時間経過後の検出電極Sと検出電極Rとの間の電位差を検出する(S305)。容量差検出部30は、検出電極Sと検出電極Rとの間の静電容量差を検出し、電極設定と紐付けして静電容量差を検出結果記憶部40に記憶する(S306)。
補正テーブル生成部80は、全電極に駆動信号を印加した場合(フローティングなしの場合)の静電容量差と、S305で検出した静電容量差との差を補正値として補正テーブル記憶部81の補正テーブルに記憶する(S307)。なお、後述するS310の処理実行前には、フローティングにする電極の設定を行っておらず、全電極に駆動信号を流す状態である。そのため、後述するS310の処理実行前には、S306で検出した静電容量差は、全電極に駆動信号を流した場合の静電容量差であり、補正値は計算されない。
検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差を検出したか否かを判定する(S308)。検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差を検出した場合(S308でY)、処理をS309へ進め、そうでない場合(S308でN)、処理をS303へ戻して、新たな検出電極S及び検出電極Rを選択する。
静電容量差調整部60は、全ての電極設定のパターンについて処理を行ったか否かを判定する(S309)。静電容量差調整部60は、処理を行った場合(S309でY)、処理をS311へ進め、そうでない場合(S309でN)、処理をS310へ進める。
静電容量差調整部60は、電極設定のパターンを変更し、電極接続部70は、電極設定パターンに従い、電極と駆動信号印加部20とを接続する(S310)。そして、静電容量差調整部60は、処理をS303へ戻す。
補正テーブル生成部80は、Wは各電極の横幅、nは任意の設定値として、指の位置をW/nだけ横にずらす(S311)。補正テーブル生成部80は、全ての電極について、n回指位置をずらして処理を行ったか否かを判定する(S312)。補正テーブル生成部80は、処理を行った場合(S312でY)、処理を終了し、そうでない場合(S312でN)、処理をS303へ戻す。
図18は、補正テーブルを示す図である。
補正テーブルは、電極設定毎に行が設けられ、指の位置毎に列が設けられる。
そして、ΔV0は、指なし(指を接触又は近接させていない状態)の場合、かつ、フローティング無しの検出値である。ΔVk(k=1,...,n)は指位置kに指を接触/近接した場合、かつ、フローティング無しの検出値である。
ΔVs0’は、指なしの場合、かつ、検出電極Sの隣接電極をフローティングした場合の検出値である。ΔVsk’(k=1,...,n)は、指位置kに指を接触/近接した場合、かつ、検出電極Sの隣接電極をフローティングした場合の検出値である。
ΔVs0’’は、指なしの場合、かつ、検出電極Sの2つ隣の電極をフローティングした場合の検出値である。ΔVsk’’(k=1,...,n)は、指位置kに指を接触/近接した場合、かつ、検出電極Sの2つ隣の電極をフローティングした場合の検出値である。
ΔVr0’は、指なしの場合、かつ、検出電極Rの隣接電極をフローティングした場合の検出値である。ΔVrk’(k=1,...,n)は、指位置kに指を接触/近接した場合、かつ、検出電極Rの隣接電極をフローティングした場合の検出値である。
ΔVr0’’は、指なしの場合、かつ、検出電極Rの2つ隣の電極をフローティングした場合の検出値である。ΔVrk’’(k=1,...,n)は、指位置kに指を接触/近接した場合、かつ、検出電極Rの2つ隣の電極をフローティングした場合の検出値である。
検出値補正部82は、補正テーブルに基づき、指の位置と電極設定とに応じて、容量差検出部30が検出した静電容量差を補正する。例えば、α(ΔV0−ΔVk−(ΔVs0’−ΔVsk’))で検出電極Sの隣接電極をフローティングしたときの補正ができる。同様に、α(ΔV0−ΔVk−(ΔVs0’’−ΔVsk’’))で検出電極Sの2つ隣の電極をフローティングしたときの補正ができる。同様に、α(ΔV0−ΔV、−(ΔVr0’−ΔVsk’))で検出電極Sの隣接電極をフローティングしたときの補正ができる。同様に、α(ΔV0−ΔVk−(ΔVr0’’−ΔVrk’’))で検出電極Sの2つ隣の電極をフローティングしたときの補正ができる。
以上のように、実施の形態3に係る静電容量式検出装置100は、パターン毎に、指に発生する寄生容量を予め補正テーブルとして用意しておき、実際の検出時に補正を行う。これにより、指に寄生容量が発生し、検出値が低下することを防止できる。
なお、上記説明では、電極の結合本数を1本にした場合について説明した。しかし、結合本数を2本以上とした場合にも同様に補正テーブルを生成することは可能であり、同様に補正を行うことが可能である。
また、結合本数1本の結果に基づき、結合本数が2本以上の場合の補正を行うことも可能である。但し、例えば、結合本数1本の結果に基づき、2本結合の検出値を補正する際は、Csが約2倍となり、Crが約2倍となるため、式1の計算によりVs−Vrが1/2倍程度になる。そこで、結合本数をNとすると、強度αを1/N倍にしておくことで、補正をより正確にすることができる。
実施の形態4.
実施形態1では、検出電極S及び検出電極Rに対して、残りの電極をフローティング、又は、駆動信号印加に設定することで電位差を調整した。しかし、フローティングにする電極を多く設定すると検出ノイズが増えてしまう。
実施の形態4では、外部のコンデンサを用いた調整や検出範囲を変えるといった調整を組み合わせることで、感度とノイズとのバランスを取ることについて説明する。
実施の形態4では、実施の形態1と同じ部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。なお、実施の形態4を実施の形態2,3と組み合わせることも可能である。
図19は、実施の形態4に係る静電容量式検出装置100の構成図である。
図19に示す静電容量式検出装置100は、図1に示す実施の形態1に係る静電容量式検出装置100が備える静電容量差調整部60が、電極決定部62、検出範囲決定部63、予備キャパシタンス決定部64を備える。また、図19に示す静電容量式検出装置100は、ノイズ検出部65、予備キャパシタンス接続部66を備える。
電極決定部62は、電極設定を決定する。検出範囲決定部63は、AD変換の解像度を示す範囲設定を決定する。予備キャパシタンス決定部64は、検出電極S及び検出電極Rに所定の容量のキャパシタンスを接続するか否かを示す予備キャパシタンス設定を決定する。ノイズ検出部65は、検出結果記憶部40が記憶した複数の検出値に基づきノイズを検出する。予備キャパシタンス接続部66は、予備キャパシタンス設定に従い、検出電極と所定の静電容量を持つコンデンサ等の予備キャパシタンスとを接続する。
図20は、電極設定と範囲設定と予備キャパシタンス設定との決定処理を示すフローチャートである。
なお、電極設定と範囲設定と予備キャパシタンス設定との設定パターンが予め用意されているものとする。ここでは、図21と図22とに示す設定パターンが用意されているものとする。図21は、検出電極S側の静電容量を増加させる場合の設定パターンであり、図22は、検出電極R側の静電容量を増加させる場合の設定パターンである。
検出電極選択部50は、検出電極S及び検出電極Rを選択する(S401)。静電容量差調整部60は、予め用意された設定パターンから1つの設定パターンを選択する(S402)。ここでは、図21の上から順に設定パターンが選択され、続いて図22の上から順に設定パターンが選択されるものとする。電極決定部62は、選択された設定パターンに従い電極設定を決定し、電極接続部70は、電極設定パターンに従い、電極と駆動信号印加部20とを接続する(S403)。検出範囲決定部63は、選択された設定パターンに従い範囲設定を決定し、容量差検出部30に設定する(S404)。予備キャパシタンス決定部64は、選択された設定パターンに従い予備キャパシタンス設定を決定し、予備キャパシタンス接続部66は予備キャパシタンス設定に従い予備キャパシタンスを接続する(S405)。
駆動信号印加部20は、駆動信号を印加し、容量差検出部30は、一定時間後の静電容量差を設定されたAD変換の範囲で検出して、検出値と検出に用いた各設定とを紐付けて検出結果記憶部40に記憶する(S406)。
静電容量差調整部60は、検出値が検出範囲内の値であるか否かを判定する(S407)。静電容量差調整部60は、検出値が検出範囲内の値である場合(S407でY)、処理をS408へ進め、そうでない場合(S407でN)、処理をS402へ戻す。
容量差検出部30は、現在の設定で、複数回検出を行い、検出値を検出結果記憶部40に記憶する(S408)。ノイズ検出部65は、S408で記憶された複数の検出値からノイズを検出して、検出結果記憶部40に記憶する(S409)。例えば、ノイズは、標準偏差σや平均値から最も離れた値を取ることで求める。
ノイズ検出部65は、ノイズが閾値内であるか否かを判定する(S410)。ノイズ検出部65は、ノイズが閾値内である場合(S410でY)、処理をS411へ進め、そうでない場合(S410でN)、処理をS402へ戻す。
検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差を検出したか否かを判定する(S411)。検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差を検出した場合(S411でY)、処理を終了し、そうでない場合(S411でN)、処理をS401へ戻す。
以上のように、実施の形態4に係る静電容量式検出装置100は、電極設定だけでなく、範囲設定や予備キャパシタンス設定を調整する。これにより、検出感度の低下を抑え、ノイズの大きさが小さくすることが可能となり、より安定した検出が可能となる。
なお、図21、図22では、設定パターンの優先順を電極設定>予備キャパシタンス設定>範囲設定になるようにした。これにより、各行の設定パターンで順次検出を行うことで、AD変換による検出解像度の低下をなるべく起こさずに、ノイズが許容できるレベルまで設定を調整することが可能である。
また、図23に示すように、実施の形態2と組合せ、調整後の設定パターンを調整設定記憶部61に記憶することにより、すぐに適切な検出値が得られる状態にすることができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、設定パターンを予め用意しておき、用意された順に各設定の探索を行った。しかし、フローティングにする電極と駆動信号を印加する電極のパターンは、並列する電極本数をN本、検出電極(束ね数)をM本とすると、2N−Mのパターンがあり、パターン数が膨大である。そのため、全てのパターンを順に試していくと、相当の処理時間が必要になる。また、妥当な探索順序を与えないと、検出の解像度が落ちてしまう。
実施の形態5では、設定パターンを予め用意することなく、妥当な探索を行うことについて説明する。
実施の形態5では、実施の形態4と同じ部分については説明を省略し、実施の形態4と異なる部分を中心に説明する。
図24は、実施の形態5に係る静電容量式検出装置100の構成図である。
図24に示す静電容量式検出装置100は、図19に示す実施の形態4に係る静電容量式検出装置100が備える構成に加え、設定探索部90、探索リスト記憶部93を備える。また、設定探索部90は、設定選択部91、パターン生成部92を備える。
設定探索部90は、現在の設定パターンと検出値とから、次の探索候補を決定する。探索リスト記憶部93は、設定パターンと検出値の評価値とを記憶する。
図25は、電極設定の決定処理を示すフローチャートである。ここでは、GA(遺伝的アルゴリズム)を用いて、設定パターンを決定する。なお、ここでは、電極設定についてのみ決定する処理を説明するが、範囲設定や予備キャパシタンス設定も同時に決定することも可能である。
検出電極選択部50は、検出電極S及び検出電極Rを選択する(S501)。パターン生成部92は、全ての電極設定のパターンのうちから、X個の電極設定のパターンをランダムに選び、探索パターン記憶部93に探索パターンとして記憶する(S502)。
設定選択部91は、探索パターンから1つのパターンを選択し、静電容量差調整部60は、選択されたパターンの電極設定に決定し、電極接続部70は、電極設定パターンに従い、電極と駆動信号印加部20とを接続する(S503)。駆動信号印加部20は、駆動信号を印加し、容量差検出部30は、一定時間後の静電容量差を検出して、検出値と検出に用いた設定とを紐付けて検出結果記憶部40に記憶する(S504)。
静電容量差調整部60は、検出値が検出範囲内の値であるか否かを判定する(S505)。静電容量差調整部60は、検出値が検出範囲内の値である場合(S505でY)、処理をS506へ進め、そうでない場合(S505でN)、処理をS510へ進める。
検出値が検出範囲内の値である場合、容量差検出部30は、現在の設定で、複数回検出を行い、検出値を検出結果記憶部40に記憶する(S506)。ノイズ検出部65は、S506で記憶された複数の検出値からノイズを検出して、検出結果記憶部40に記憶する(S507)。ノイズ検出部65は、ノイズの大きさや、検出値の推奨範囲からのずれ量から評価値を計算し、評価値と現在のパターンとを紐付けて探索パターン記憶部93に記憶する(S508)。ノイズ検出部65は、計算した評価値が、現在の探索パターンにおいて、これまでに計算した評価値の中で最も高い場合、その評価値を最高評価値として探索パターン記憶部93に記憶する(S509)。
一方、検出値が検出範囲内の値でない場合、ノイズ検出部65は、評価値を所定のパラメータaとして、現在のパターンと紐付けて探索パターン記憶部93に記憶する(S510)。
設定選択部91は、探索リストの全てのパターンについて処理を行ったか否かを判定する(S511)。設定選択部91は、全てのパターンについて処理を行った場合(S511でY)、処理をS512へ進め、そうでない場合(S511でN)、処理をS503へ戻す。
全てのパターンについて処理を行った場合、静電容量差調整部60は、今回の探索パターンにおける最高評価値と、過去の探索パターンにおける最高評価値との差が、閾値ε未満であるか否かを判定する(S512)。静電容量差調整部60は、差が閾値ε未満である場合(S512でY)、処理をS515へ進め、そうでない場合(S512でN)、処理をS513へ進める。
差が閾値ε未満でない場合、パターン生成部92は、探索パターン内の評価値に基づき、パターンをルーレット選択する(S513)。
パターン生成部92は、選択したパターンに対して一様交叉を行い、新たな探索パターンを生成する(S514)。そして、パターン生成部92は、処理をS503へ戻す。
一方、差が閾値ε未満である場合、検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差を検出したか否かを判定する(S515)。検出電極選択部50は、全ての検出電極間の静電容量差を検出した場合(S515でY)、処理を終了し、そうでない場合(S515でN)、処理をS501へ戻す。
図26は、探索パターンの例を示す図である。
図26では、電極4を検出電極Sとし、電極5を検出電極Rとし、それ以外の電極に対して、ランダムにP(印加電極)、F(非印加電極)と設定している。そして、図25の処理により、各パターンについて、評価値が計算される。
評価値は、平均検出値をsとし、推奨の検出値をrとすると、α−β|s−r|−γlog(3σ)で評価値を与えることができる。この式はノイズが小さく、かつ、検出値の推奨値に近いほど評価値が高くなるように設定されている。α、β、γは評価値の重み付けを決定するパラメータである。
S512のルーレット選択では、評価値に基づく確率により複数のパターンが選択される。ルーレット選択は、設定パターンkに対応する評価値をEとすると、設定パターンkを選ぶ確率pはp=E/Σi=1 で与えられる。
S513では、この確率により選択された複数のパターンに対して一様交叉が行われる。一様交叉は、選択した2つの設定パターンから、例えば図27に示すように各電極の設定値を取り出し、確率1/2で設定値を入れ替えることにより行われる。
このように高い評価値を与える設定値を次の探索に残しておくことによって、高い評価値を与える設定を進化させていくことが可能である。
以上のように、実施の形態5に係る静電容量式検出装置100は、GAを用いることにより、設定パターンを予め用意しなくても、検出感度の低下を抑え、ノイズの大きさが小さくする妥当なパターンの探索を行うことが可能である。
なお、上述した通り、上記説明では、電極設定についてのみ決定する処理を説明した。しかし、範囲設定や予備キャパシタンス設定も同時に決定することも可能である。この場合、範囲設定のパターンや予備キャパシタンス設定のパターンについても探索パターンに含めればよい。
また、上記説明では、GAを用いたアルゴリズムを説明したが、焼きなまし法や局所探索法等の最適化を行うためのアルゴリズムを用いてもよい。
図28は、実施の形態1〜5に示した静電容量式検出装置100のハードウェア構成の例を示す図である。
静電容量式検出装置100は、コンピュータである。静電容量式検出装置100の各要素をプログラムで実現することができる。
静電容量式検出装置100のハードウェア構成としては、バスに、演算装置901、外部記憶装置902、主記憶装置903、通信装置904、入出力装置905が接続されている。
演算装置901は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等である。外部記憶装置902は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ、ハードディスク装置等である。主記憶装置903は、例えばRAM(Random Access Memory)等である。通信装置904は、例えば通信ボード等である。入出力装置905は、例えばマウス、キーボード、ディスプレイ装置等である。
プログラムは、通常は外部記憶装置902に記憶されており、主記憶装置903にロードされた状態で、順次演算装置901に読み込まれ、実行される。
プログラムは、駆動信号印加部20、容量差検出部30、検出電極選択部50、静電容量差調整部60、電極決定部62、検出範囲決定部63、予備キャパシタンス決定部64、ノイズ検出部65、電極接続部70、補正テーブル生成部80、検出値補正部82、設定探索部90、設定選択部91、パターン生成部92として説明している機能を実現するプログラムである。
更に、外部記憶装置902にはオペレーティングシステム(OS)も記憶されており、OSの少なくとも一部が主記憶装置903にロードされ、演算装置901はOSを実行しながら、上記プログラムを実行する。
また、実施の形態1の説明において、検出結果記憶部40、調整設定記憶部61、補正テーブル記憶部81、探索リスト記憶部93が記憶すると説明した情報等が主記憶装置903にファイルとして記憶されている。
なお、図28の構成は、あくまでも静電容量式検出装置100のハードウェア構成の一例を示すものであり、静電容量式検出装置100のハードウェア構成は図28に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
10 タッチパネル、20 駆動信号印加部、30 容量差検出部、40 検出結果記憶部、50 検出電極選択部、60 静電容量差調整部、61 調整設定記憶部、62 電極決定部、63 検出範囲決定部、64 予備キャパシタンス決定部、65 ノイズ検出部、70 電極接続部、80 補正テーブル生成部、81 補正テーブル記憶部、82 検出値補正部、90 設定探索部、91 設定選択部、92 パターン生成部、100 静電容量式検出装置。

Claims (8)

  1. 電極間の静電容量差を検出する容量差検出部と、
    前記容量差検出部が検出した静電容量差に応じて、各電極について印加電極と非印加電極とのどちらに設定するかの電極設定を決定する静電容量差調整部と、
    前記静電容量差調整部が決定した前記電極設定において、前記印加電極に設定された電極を接続し、前記非印加電極に設定された電極をフローティングした状態で、駆動信号を印加する駆動信号印加部と
    を備えることを特徴とする静電容量式検出装置。
  2. 前記静電容量差調整部は、前記静電容量差の偏りの大きさと、偏りが発生している電極の位置とに応じて、前記電極設定を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式検出装置。
  3. 前記容量差検出部は、前記駆動信号印加部が駆動信号を印加した後に、前記電極間の静電容量差を再び検出し、
    前記静電容量式検出装置は、さらに、
    前記容量差検出部が検出した静電容量差が検出範囲内となった場合、前記電極設定を記憶する調整設定記憶部
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量式検出装置。
  4. 前記静電容量式検出装置は、さらに、
    検出対象の電極に検出対象物を近づけた場合の静電容量差と、いずれの電極にも検出対象物を近づけていない場合の静電容量差との容量差を用いて、基準となる前記電極設定における前記容量差と、検出対象物を検出する場合に用いる前記電極設定における前記容量差との差に基づき、検出対象物を検出する場合に前記容量差検出部が検出した静電容量差を補正する検出値補正部
    を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の静電容量式検出装置。
  5. 前記静電容量差調整部は、
    前記電極設定を決定する電極決定部と、
    前記各電極について、静電容量を有する予備キャパシタンスへ接続するか否かの予備キャパシタンス設定を決定する予備キャパシタンス決定部と、
    静電容量差の検出範囲を示す範囲設定を決定する検出範囲決定部と
    を備え、
    前記静電容量差調整部は、前記容量差検出部が検出する静電容量差のノイズが基準範囲内になるように、前記電極設定と前記予備キャパシタンス設定と前記範囲設定とを決定する
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の静電容量式検出装置。
  6. 前記静電容量差調整部は、前記電極設定、前記予備キャパシタンス設定、前記範囲設定の順に決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の静電容量式検出装置。
  7. 前記静電容量式検出装置は、さらに、
    前記電極設定と前記予備キャパシタンス設定と前記範囲設定との組合せのうち、一部の組合せを探索パターンとして、探索パターンに含まれる組合せについて、順に選択する設定選択部と、
    前記設定選択部が選択した組合せに設定した場合におけるノイズを検出するノイズ検出部と、
    前記ノイズ検出部が検出したノイズを用いて決定された確率に従い、前記探索パターンに含まれる組合せから1つ以上の組合せを選択して、選択した組合せにおける前記電極設定と前記予備キャパシタンス設定と前記範囲設定との少なくとも1つの設定を一部変更して、新たな探索パターンを生成するパターン生成部と
    を備え、
    前記設定選択部は、条件を満たすまで、前記パターン生成部が生成した新たな探索パターンに含まれる組合せについて、順に選択し、
    前記静電容量差調整部は、前記条件を満たした場合、前記ノイズ検出部が検出したノイズが小さい組合せに、前記電極設定と前記予備キャパシタンス設定と前記範囲設定とを決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の静電容量式検出装置。
  8. 電極間の静電容量差を検出する容量差検出処理と、
    前記容量差検出処理で検出した静電容量差に応じて、各電極について印加電極と非印加電極とのどちらにするかの電極設定を決定する静電容量差調整処理と、
    前記静電容量差調整処理で決定した前記電極設定において、前記印加電極に決定された電極を接続し、前記非印加電極に決定された電極をフローティングした状態で、駆動信号を印加する駆動信号印加処理と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする静電容量式検出プログラム。
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