JP6222888B2 - 毛髪及び皮膚外用剤組成物、並びに非治療的な美容方法 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪及び皮膚外用剤組成物、並びに非治療的な美容方法に関する。
植物の代謝産物であるフラボノイド類は、色素や食品添加物として広く産業に用いられており、そのうちいくつかの成分は、美容効果や治療効果をもたらす事が知られている。
下記特許文献1には、光によるダメージから、髪ケラチンの機械的特性を保護するための薬剤類として、フラボノイド類を化粧品組成物において使用する発明が開示されている。
下記特許文献2には、男性型脱毛の予防剤として、特定のフラボノイド類を用いた組成物に関する発明が開示されている。
下記特許文献3には、活性酸素補足除去剤として、特定のフラボノイド類を用いた組成物に関する発明が開示されている。
特開平7−304636号公報 特開平1−96126号公報 特開平1−50877号公報
本発明者らは、有用なフラボノイド類について種々検討した結果、従来化粧品及び医薬品原料としては用いられてこなかった下記化1の構造を有するフラバノン類であるステルビン(7-O-methyleriodictyol)が優れた複数の効果を発揮することを見出し、本発明を完成した。
また、上記ステルビンを含有する組成物の適用部位や用途等を選択することで、当該組成物を好ましく利用できることを見出した。更に、当該組成物を適用した結果、装いを楽しむことができることを見出した。
よって、有用な毛髪及び皮膚外用剤組成物を提供すること、当該組成物の好ましい用途を提供すること、及び有用な非治療的な美容方法を提供することを、本発明が解決すべき課題とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、
下記化1に示す(A)成分を含有する毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
第1発明において示す化1がステルビン(7-O-methyleriodictyol)である。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物が、更に(B)浸透促進成分として溶剤、界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含有する第1発明に記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物が、更に(C)定着成分として増粘剤を含有することも好ましい。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物が、ヤーバサンタ抽出物を含有する第1発明又は第2発明に記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物の用途がインバス毛髪化粧料であり、前記(A)成分を0.001〜5質量%含有する第1発明〜第3発明のいずれかに記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物の用途が育毛・養毛剤であり、前記(A)成分を0.001〜5質量%含有する第1発明〜第3発明のいずれかに記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第6発明)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物の用途が頭皮用化粧料であり、前記(A)成分を0.001〜10質量%含有する第1発明〜第3発明のいずれかに記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第7発明)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物の用途が皮膚化粧料であり、前記(A)成分を0.001〜10質量%含有する第1発明又は第2発明に記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第8発明)
上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物の用途が抗老化剤であり、前記(A)成分を0.001〜10質量%含有する第1発明〜第3発明のいずれかに記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第9発明)
上記課題を解決するための本願第9発明の構成は、
前記毛髪及び皮膚外用剤組成物の用途が活性酸素除去剤であり、前記(A)成分を0.001〜10質量%含有する第1発明〜第3発明のいずれかに記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物である。
(第10発明)
上記課題を解決するための本願第10発明の構成は、
第1発明〜第9発明のいずれかに記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物を適用する非治療的な美容方法である。
(第1発明〜第3発明)
上記第1発明〜第3発明により、有用な毛髪及び皮膚外用剤組成物が提供される。当該組成物が含有する(A)成分であるステルビンは毛髪への優れた感触の付与、ケラチノサイトの増殖、疎毛部における発毛促進、毛を太くする、脱毛予防、皮膚の保護、皮膚の保水性の向上、皮膚を美しくする、皮膚におけるメラニン産生の抑制、活性酸素の除去、活性酸素による細胞死の抑制等の効果を示すと考えられる。当該組成物を適用する部位・時期・量等を適宜選択することで、これらの効果から所望する効果を得ることができると考えられる。
当該組成物が、更に(B)成分である浸透促進成分を含有する場合、より毛髪や皮膚に上記(A)成分が浸透しやすい毛髪及び皮膚外用剤組成物が提供される。これにより、組成物中の(A)成分の量を節約しても本発明の効果の維持/増進が期待できる。また、本発明の効果の早期発現が期待できる。
当該組成物が、更に(C)成分である定着成分を含有する場合、より使用しやすい毛髪及び皮膚外用剤組成物が提供される。垂れ落ち等を防止して、所望の部位にのみ当該組成物を適用することができる。また、所望の部位に当該組成物を留まらせることも可能であり、適用部位への持続的な(A)成分の供給が図られる。また、毛髪及び皮膚外用剤組成物の経時安定性の向上が図られる。
当該組成物が、更にヤーバサンタ抽出物を含有する場合、ステルビンの奏する効果と、ヤーバサンタ抽出物の奏する効果の相乗効果が得られると考えられる。
(第4発明〜第9発明)
上記第4発明〜第9発明により、上記組成物の好ましい用途が提供される。
(第10発明)
上記第10発明により、有用な非治療的な美容方法が提供される。上記組成物の適用部位・時期・量等を、使用者の要求に合わせて適宜選択することにより、個別の要望に応えることができる非治療的な美容方法が提供される。即ち、本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物を適用した結果、装いを楽しむことができる。
ステルビン及びルテオリンの使用によるHaCaT細胞増殖効果を示す。 ホソバヤーバサンタ葉抽出物の使用によるHaCaT細胞増殖効果を示す。 活性酸素による細胞死に対する、フラボノイド化合物の使用による細胞死抑制効果を示す。 活性酸素による細胞死に対する、ヤーバサンタ葉抽出物の使用による細胞死抑制効果を示す。 ステルビン塗布前後の、あご部の写真を示す。 ホソバヤーバサンタ葉抽出物の使用による毛周期の成長期誘導効果を示す。27日間塗布後のマウスの写真である。 ホソバヤーバサンタ葉抽出物の使用による毛周期の成長期誘導効果を示す。発毛率の経過を示すグラフである。 ステルビンが毛髪の官能評価を向上させることを示す。 植物抽出物の有するすべり感効果の検討結果を示す。 植物抽出物の有するつや効果の検討結果を示す。 ステルビンの使用による保水効果の向上を示す。 ステルビンの使用によるメラニン産生抑制効果を示す。 培養皮膚に対するステルビンの使用が細胞生存率に影響しない濃度範囲でメラニン産生抑制効果を示す。 ホソバヤーバサンタ葉抽出物の使用による、メラニン産生抑制効果を示す ステルビンの使用により、自然太陽光の照射による肌のL値の低下が抑制されたことを示す
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
<毛髪及び皮膚外用剤組成物>
〔(A)成分〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は(A)成分として前記化1に示すステルビンを含有する。当該(A)成分が活性成分として含有されることも好ましい。ステルビンは不斉炭素を有する化合物であるが、R体、S体いずれの立体異性体を用いても良いし、例えばラセミ体等の各立体異性体の混合物を用いても良い。また、当該(A)成分は、ステルビンそのものであっても良いし、薬学的に許容される塩や水和物等の形態であっても良い。薬学的に許容される塩や水和物等の形態である場合、(A)成分の含有量は、上記化1に示すステルビン量に換算して表す。(A)成分は合成可能であるし、植物等から得ることができるし、適宜市販品を用いても良い。また、毛髪及び皮膚外用剤組成物の製造に(A)成分を含有する植物抽出物を利用することもできる。以上の通り、本願は毛髪及び皮膚外用剤組成物を製造するための(A)成分の使用方法をも開示する。
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物の(A)成分の含有量は特に限定されない。当該組成物の使用者の所望する効果に合わせて(A)成分の含有量を適宜選択することが好ましい。より好ましくは、(A)成分の含有量は0.00005質量%〜10質量%であり、更に好ましくは0.0001質量%〜5質量%であり、特に好ましくは0.0001質量%〜1質量%である。
〔(B)浸透促進成分〕
浸透促進成分としては、溶剤、界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が好ましい。即ち、(A)成分の毛髪、皮膚への浸透を促進する役割を果たす溶剤、界面活性剤であることが好ましい。(B)成分は適宜市販品等を用いることができる。
溶剤としては、水、低級アルコール、脂肪酸、高級アルコール、芳香族アルコール、グリコール類、グリセリン類が好ましい。これらのうちいくつかは、後述する抽出溶媒ともなりうる。
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等から選ばれる1種以上が好ましい。
脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸等から選ばれる1種以上が好ましい。
高級アルコールとしては、例えば、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等から選ばれる1種以上が好ましい。
芳香族アルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等から選ばれる1種以上が好ましい。
多価アルコールであるグリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等から選ばれる1種以上が好ましい。
多価アルコールであるグリセリン類としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等から選ばれる1種以上が好ましい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤等から選ばれる1種以上が好ましい。
エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル等から選ばれる1種以上が好ましい。
エステル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、ホホバワックスPEG−80等から選ばれる1種以上が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等から選ばれる1種以上が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等から選ばれる1種以上が好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等から選ばれる1種以上が好ましい。
〔(C)定着成分〕
定着成分としては、増粘剤が好ましい。(C)成分は適宜市販品等を用いることができる。
増粘剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性及び両性高分子化合物が好ましく、例えばアラビアガム、カラギーナン、ガラクタン、グアーガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルキサンタンガム、デキストラン、ヒアルロン酸、カードラン、サクシノグルカン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、可溶性デンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等から成る半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等の合成高分子、ベントナイト、ラポナイト等の無機物系高分子等から選ばれる1種以上が好ましい。
カチオン性高分子化合物としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等のカチオン化セルロース、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体のカチオン化物等の四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドの単独重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体等のジアリル四級化アンモニウム塩重合物誘導体及びカチオン化グアーガム等から選ばれる1種以上が好ましい。両性高分子化合物としては、例えば、アクリル酸オクチルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体等から選ばれる1種以上が好ましい。
〔ヤーバサンタ抽出物〕
ヤーバサンタは、ハゼリソウ科(Hydrophyllaceae)、エリオディクティオン属(Eriodictyon)の植物:例えば、Eriodictyon angustifolium Nutt.(ホソバヤーバサンタ)、Eriodictyon
californicum(Hook.et Arn.)Torr.、Eriodictyon tomentosum Benth.、Eriodictyon altissimum P.V.Wells、Eriodictyon capitatum Eastw.、Eriodictyon crassifolium Benth.、Eriodictyon traskiae Eastw.、Eriodictyon trichocalyx A.Heller等を含む概念である。好ましくは、ホソバヤーバサンタである。
ヤーバサンタ抽出物とは、上記ヤーバサンタの花、果穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草等から溶媒抽出、超臨界流体抽出、水蒸気蒸留等の蒸留法、圧搾等の周知の方法により得られる抽出物をいう。当該抽出物は抽出により得られる物であれば良く、揮発性成分、不揮発性成分、乾固により構造が変化する成分を含んでよい。抽出物の調製に好ましい部位は葉である。ヤーバサンタ抽出物は適宜市販品を使用しても良い。
ヤーバサンタ抽出物は、季節変動がある場合は、フラボノイド産生が盛んな時期に採取したヤーバサンタの抽出物が好ましく、ステルビンを含むヤーバサンタの抽出物がより好ましい。
ヤーバサンタ抽出物が(A)成分であるステルビンを含有する場合、本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物が含有する(A)成分量にはヤーバサンタ抽出物が含有する(A)成分量が含まれる。
〔抽出溶媒〕
溶媒等を用いて上記抽出物を得る場合、抽出に用いる溶媒の種類は限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、酢酸エチル、アセトン、エーテル類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等を挙げることができ、これらの1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。上記した抽出溶媒のうち特に、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物には、上述の成分の他に、例えば、以下の成分も含有させることができる。
アミノ酸類:アミノ酸類としては、アミノ酸及びその塩が挙げられる。アミノ酸としては、グリシン、小麦アミノ酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、シスチン、メチオニン等が挙げられる。
油脂:油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
ロウ類:ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級脂肪酸:高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテル:アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類:エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン類:シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
炭化水素:炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
さらにソルビトール、マルトース等の糖類、パラベン、安息香酸ナトリウム等の防腐成分、EDTA−2Na等のキレート成分、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定成分、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整成分、上記したヤーバサンタではない植物又は生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収成分、美白成分、皮膚用柔軟化剤、殺菌剤、抗炎症成分、清涼剤、抗酸化成分、過酸化脂質除去成分、血行促進成分、毛包賦活成分、抗脂漏成分等を任意に選択して配合することができる。
更に、「医薬部外品原料規格2006」(薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
〔剤型〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物の剤型は限定されないが、例えば液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状、ミスト状等が好適である。これらの剤型は、周知の方法や常法に従って実現可能である。
〔適用〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は毛髪、皮膚に適用する。また、適用部位のマッサージを併用することも好ましい。本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物をヘアカラーやパーマ等の前処理剤、後処理剤として使用することも好ましい。適用は、手や塗布具等によってする塗布を始め、組成物を目的部位に付着させる行為が含まれる。適用の時期、間隔、量等については、所望する効果の程度などに基づき、好ましい手法が適宜決定される。
また、後述する各用途においても、公知の使用方法を適宜採用することができる。
〔インバス毛髪化粧料〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は、インバス毛髪化粧料として使用することも好ましい。当該インバス毛髪化粧料は、例えば、毛髪のしっとり感、すべり感、つや、太さ(ハリコシ)、指通り、コート感等の感触を向上させる等のために使用される。インバス毛髪化粧料はシャンプー、ヘアトリートメント、リンス、コンディショナー等を含む概念である。
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物をインバス毛髪化粧料として使用する場合、(A)成分の含有量は0.001〜5質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.02〜2質量%であることが更に好ましい。
また、適用量、適用方法としては、毎日1回〜週1回適量の使用が好ましく、ヘアカラー・パーマ処理後の処理毛髪への毎日1回〜週1回適量の使用は更に好ましい。
〔育毛・養毛剤〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は、育毛・養毛剤として使用することも好ましい。
毛周期について説明する。毛周期は毛乳頭における細胞分裂が停止している休止期、毛乳頭における細胞分裂が盛んな成長期、毛乳頭が萎縮し毛の成長が止まる後退期のサイクルで構成され、成長期はさらに成長期の開始、初期成長期、中期成長期、後期成長期に分けられる。
育毛・養毛とは、育毛、養毛、発毛促進、脱毛予防を含む概念である。より具体的な例として、毛を太くする、毛周期における成長期の早期誘導、成長期の延長、退行期の遅延等がある。生えて来た体毛への着色の有無は問わない。
体毛は任意の毛を意味する。体毛が、本発明における育毛・養毛の対象である。体毛は頭に生える毛髪、口髭や顎鬚を含むひげ、眉毛、睫毛、鼻毛、腕・脚・胸等の胴体に生える毛を好ましく例示することができ、毛髪、ひげ、眉毛、睫毛を更に好ましく例示することができ、毛髪、ひげを更に好ましく例示することができ、毛髪を特に好ましく例示することができる。
育毛・養毛剤の適用部位としては、頭、腕、脚などの体毛を有する部位が好ましく挙げられる。より好ましくは、頭皮及びあごを含む顔、首であり、特に好ましくは頭皮である。
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物を育毛・養毛剤として使用する場合、(A)成分の含有量は0.001〜5質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜2質量%であることが更に好ましい。
また、適用量、適用方法としては、1日1回〜2回、例示した適用部位もしくは脱毛が気になる部位に1ml程度の使用が好ましい。
〔皮膚化粧料〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は、皮膚化粧料として使用することも好ましい。当該皮膚化粧料は、例えば、皮膚を美しくする、保護する、皮膚にうるおいを与える、乾燥による小ジワを目立たなくする、紫外線(日焼け)によるシワや肌荒れを防ぐ等のために使用される。当該皮膚化粧料は、本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物が奏する効果を活用し、更に具体的な用途に使用することも好ましい。例えば、頭皮用化粧料、美白剤組成物、紫外線吸収剤組成物、保湿組成物、抗シワ剤組成物とすることも好ましい。
皮膚化粧料は、頭皮、顔、首、腕、手、脚、足等の外的環境によるストレスにさらされやすい部位に適用することが好ましい。
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物を皮膚化粧料として使用する場合、(A)成分の含有量は0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.02〜2質量%であることが更に好ましい。
また、適用量、適用方法としては、1日1〜2回適量の使用が好ましい。
〔抗老化剤〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は、抗老化剤として使用することも好ましい。当該抗老化剤は、例えば、毛髪や皮膚を若々しく保つ等のために使用される。
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物を抗老化剤として使用する場合、(A)成分の含有量は0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%であることがより好ましく、0.005〜2質量%であることが更に好ましい。
また、適用量、適用方法としては、1日1〜2回適量の使用が好ましい。
〔活性酸素除去剤〕
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物は、活性酸素除去剤として使用することも好ましい。例えば、紫外線等の環境刺激の低減、パーマ剤、酸化染毛剤、脱色剤、脱染剤等による毛髪処理の前処理等のために使用される。
本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物を活性酸素除去剤として使用する場合、(A)成分の含有量は0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.02〜2質量%であることが更に好ましい。
また、適用量、適用方法としては、1日1〜2回適量の使用が好ましい。
<非治療的な美容方法>
本発明の非治療的な美容方法においては、上記した本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物を所望の効果を得たい部位に適用する。当該適用は、手や塗布具等によってする塗布を始め、組成物を目的部位に付着させる行為が含まれる。適用の時期、間隔、量等については、所望する効果の程度などに基づき、好ましい手法が適宜決定される。適用部位をマッサージすることも好ましい。更に、例えば、皮膚における保水能力が向上する点や、活性酸素の影響を抑制する点に着目し、頭皮をケアしながらパーマ剤、酸化染毛剤、脱色剤、脱染剤等を用いて装いを楽しむことも可能である。即ち、本発明の毛髪及び皮膚外用剤組成物の適用前、適用中、適用後に剤型や使用方法等にあわせて適宜な処置を施しても良い。本発明の非治療的な美容方法により、装いを楽しむことができる。よって、当該方法は非治療的なものであり、いわゆる医療行為を含まない。
また、上記したインバス毛髪化粧料、育毛・養毛剤、皮膚化粧料、抗老化剤、及び活性酸素除去剤を、本発明の非治療的な美容方法に用いることも好ましい。それぞれの用途において装いを楽しむことができる。
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例及び比較例(コントロールとも称する。)によって限定されない。
〔ステルビンの調製〕
関東化学株式会社に依頼し、ナリンゲニンのラセミ混合物を出発物質としてステルビンを合成した。第1ステップとしてナリンゲニンにメトキシ基の導入を行って中間産物を得て、第2ステップとして当該中間産物に水酸基の導入を行ってステルビンを得た。
〔ステルビンの構造決定〕
上記〔ステルビンの調製〕で得られた化合物の構造決定には二次元NMR(日本電子株式会社製 JNM-ECX400P)、質量分析(日本ウォーターズ株式会社製 LCT-Premier
EX)、旋光度(日本分光工業株式会社製 DIP-360)の測定を用い、以下の結果を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ= 2.72 (dd, 1, J = 17.2Hz, J = 3.0Hz, H-3), 3.24 (dd, 1, J = 17.2Hz, J = 12.6Hz, H-3), 3.79 (s, 3, O-CH3), 5.43 (dd, 1, J = 12.4Hz, J = 3.0Hz, H-2), 6.08 (d, 1, J = 2.4Hz, H-8), 6.10 (d, 1, J = 2.4Hz, H-6), 6.75 (s, 2, H-5’ & H-6’), 6.89 (s, 1, H-2’) ppm, 13C NMR (400MHz, DMSO): δ= 42.11 (CH2, C-3), 55.86 (CH3, O-CH3), 78.63 (CH, C-2), 93.76 (CH, C-6), 94.56 (CH, C-8), 102.60 (C, C-4a), 114.36 (CH, C-2’), 115.31 (CH, C-5’), 117.97 (CH, C-6’), 129.26 (C, C-1’), 145.17 (C, C-3’), 145.73 (C, C-4’), 162.81 (C, C-9), 163.17 (C, C-5), 167.40 (C, C-7), 196.93 (C, C-4) ppm, m/z = 301.0730 [M―H], [α]20 D = ±0℃(標準溶液濃度C=3.31×10-3 M、アセトニトリル)。
さらに、本合成物の1H NMR (400MHz, CD3OD) の分析結果と文献(J. Agric. Food Chem. 2005, 53, 6061-6066)の1H NMR (400MHz, CD3OD) の分析結果より、合成物がステルビンであることを確認した。
以下の実施例では当該ステルビンを使用した。
(実施例1)
皮膚表面は表皮により覆われており、表皮を主に構成している細胞は表皮角化細胞(ケラチノサイト)と呼ばれる細胞である。表皮角化細胞は皮膚科学研究の材料として広く用いられていると同時に毛髪科学研究のモデルとしても広く使われている。これは毛髪が皮膚科学的にみると皮膚の付属器であり、皮膚の一部であるからである。
ステルビンを用いてHaCaT細胞の増殖効果を検討した。
ヒトケラチノサイトであるHaCaT細胞を30μMのステルビン又はルテオリンを含有する10%FBS含有DMEM培地で37℃、COインキュベーター内で3時間培養した(ステルビン又はルテオリンの暴露)。本試験ではルテオリンをフラボノイドの一例として使用した。コントロールはステルビン、ルテオリンを培地に溶かすために使用した0.1%(v/v)のDMSOのみ培地に添加した。その後、No serumのDMEM培地に当該HaCaT細胞を移して24時間培養した。その後、クリスタルバイオレットにより細胞を染色し、吸光度595nmにて細胞数を測定した。
試験結果をコントロールの細胞数に対する細胞増殖率で示す(図1)。各試験は3連行い、各試験結果は平均値にて示した。ルテオリン試験区の細胞増殖率は113%であり、ステルビン試験区の細胞増殖率は119%であった。ステルビンを暴露することで有意なHaCaT細胞の増殖が確認された。育毛・養毛効果が期待できる結果である。また、細胞数が増えると皮膚のターンオーバーが正常化すると考えられ、ステルビンは皮膚化粧料としての使用に有用であると考えられた。
次に、ステルビン、ルテオリンに換えてホソバヤーバサンタ葉抽出物を用いて試験した。以下の実施例において植物抽出物を用いる試験では、後述するC3Hマウスを用いた育毛試験を除いて株式会社コネクトより購入した各植物の葉又は全草を用いた。C3Hマウスを用いた育毛試験のみ、一丸ファルコス社から供給を受けたヤーバサンタ葉を用いた。
ホソバヤーバサンタ葉10.0gを無水エタノールに72時間浸漬し、濾過後エバポレーターを用いてエタノールを除去し、不定形固体状物質として1.94g(うち348mgがステルビンとHPLCにて確認)のホソバヤーバサンタ葉抽出物を得た。
当該ホソバヤーバサンタ葉抽出物を10μg/ml含有する10%FBS含有DMEM培地にてHaCaT細胞を3時間培養した。その他の処理は上記ステルビン、ルテオリンでの試験と同様とした。
試験結果をコントロールの細胞数に対する細胞増殖率で示す(図2)。ホソバヤーバサンタ葉抽出物試験区の細胞増殖率は123%であった。ホソバヤーバサンタ葉抽出物を暴露することで有意なHaCaT細胞の増殖が確認された。育毛・養毛効果が期待できる結果である。また、細胞数が増えると皮膚のターンオーバーが正常化すると考えられ、ステルビンは皮膚化粧料としての使用に有用であると考えられた。
(実施例2)
以下の試験には、フラボノイド類である7−O−メチルルテオリン(アナリティコン社製)、ルテオリン(LKT社製)、ステルビン、アピゲニン、ディオスメチン、ヘスペラチン、ホモエリオジクチオール、クリソエリオール、エリオディクチオール(以上SSX社製)を用いた。活性酸素による細胞死に対する、これらの化合物の効果を検討した。
HaCaT細胞を30μMの上記各化合物を含有する10%FBS含有DMEM培地で37℃、COインキュベーター内で2時間培養した(上記各化合物の暴露)。上記各化合物を培地に溶かすために使用したDMSOのみ添加した試験も行った。
その後、200μMのt−BOOH(t−ブチルヒドロペルオキシド、本試験における活性酸素種である。)を含有するNo serumのDMEM培地に当該HaCaT細胞を移して16時間培養した。上記DMSOのみ暴露した試験区については、t−BOOHを含有しないNo serumのDMEM培地による培養も行い、当該t−BOOHを暴露しない試験区をコントロールとした。
その後、クリスタルバイオレットにより細胞を染色し、595nmの吸光度を測定することにより細胞数を測定した。
試験結果をコントロールの細胞数に対する細胞生存率で示す(図3)。各試験は3連行い、各試験結果は平均値にて示した。DMSO試験区の細胞生存率は27.2%であり、アピゲニン試験区の細胞生存率は22.7%であり、ルテオリン試験区の細胞生存率は31.4%であり、ステルビン試験区の細胞生存率は71.0%であり、ディオスメチン試験区の細胞生存率は28.1%であり、ヘスペラチン試験区の細胞生存率は25.4%であり、ホモエリオジクチオール試験区の細胞生存率は29.2%であり、7−O−メチルルテオリン試験区の細胞生存率は29.4%であり、クリソエリオール試験区の細胞生存率は32.2%であり、エリオディクチオール試験区の細胞生存率は30.5%であった。HaCaT細胞に活性酸素を暴露する前にステルビンを暴露しておくと活性酸素による細胞死が有意に抑制された。活性酸素が原因の脱毛の予防につながる結果であると考えられた。
次に、上記各化合物に換えて実施例1と同様の方法で調製したホソバヤーバサンタ葉抽出物及びEriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.(別種のヤーバサンタ)葉抽出物を用いて試験した。
各ヤーバサンタ葉抽出物を10μg/ml含有する10%FBS含有DMEM培地にてHaCaT細胞を2時間培養した(各ヤーバサンタ葉抽出物の暴露)。その他の処理は上記各化合物での試験と同様とした。
試験結果をコントロールの細胞数に対する細胞増殖率で示す(図4)。DMSO試験区の細胞生存率は47.2%であり、ホソバヤーバサンタ葉抽出物試験区の細胞生存率は80.6%であり、Eriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.葉抽出物試験区の細胞生存率は58.4%であった。HaCaT細胞に活性酸素を暴露する前に各ヤーバサンタ葉抽出物を暴露しておくと活性酸素による細胞死が有意に抑制された。活性酸素が原因の脱毛の予防につながる結果であると考えられた。
次に、植物抽出エキスの分析を行った結果、実施例1に示す通りホソバヤーバサンタ葉に多くのステルビンを確認した。一方、実施例2で使用したEriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.葉抽出物はステルビンを含有しなかった。よって、ステルビンとヤーバサンタ葉抽出物を併用することで相乗効果が得られると考えられた。
(実施例3)
30代男性のひげの生えたあごの特定部位(約30cm)に0.125質量%ステルビン溶液(50%EtOH溶媒)0.25mlを、1日2回、3ヶ月間毎日塗布した。塗布開始前(図5左の写真)及び2ヶ月間塗布後(図5右の写真)の状態を写真撮影した。同一部位は、白毛を目印として特定した。ステルビンを塗布することで弱々しかった毛が太くなり、疎毛部に発毛が認められた。
次に、老化促進モデルマウス(senescence accelerated mouse:SAM P1)を用いてステルビンの効果を検討した。SAM P1は加齢に伴い被毛の光沢が消え、脱毛、眼周囲病変などを示すことから、老化病体モデル動物として広く研究に用いられているマウスである。
0.1質量%ステルビン溶液(50%EtOH溶媒)を、月曜日から金曜日まで毎日1回、1.5cm×3cmのSAM P1の毛刈り部位に0.2ml塗布する工程を60週間続けた。毛刈りはバリカンを使用し、被毛が生えてきた場合に限り、1週間に1回発毛部位の毛刈りを行った。コントロールは、溶媒である50%EtOHを使用した。発毛率(毛刈り面積に占める成長期毛の割合)は毎週1回目視にて確認した。ステルビン塗布及びコントロールの試験は各5匹行った。
試験の結果、ステルビン塗布試験区では50%以上の発毛率が5匹全てにおいて認められたが、コントロールでは50%以上の発毛率が認められたのは2匹のみであった。ステルビンが成長期誘導効果を奏すると考えられた。また、ステルビンが抗老化成分として有用であると考えられた。
次に、ステルビンに換えて一丸ファルコス社から提供を受けたホソバヤーバサンタ葉の抽出物を用いて試験した。10gのホソバヤーバサンタ葉を100mlの50%EtOHに室温で1週間浸漬・抽出・ろ過したものをホソバヤーバサンタ葉抽出物として試験に用いた。即ち、凍結乾燥はしていない。本試験では、50%EtOHを溶媒とし、0.1質量%、0.5質量%、1質量%、3質量%、10質量%のホソバヤーバサンタ葉抽出物溶液を使用した。各ホソバヤーバサンタ葉抽出物溶液にはステルビンがそれぞれ0.000825質量%、0.004125%、0.008250質量%、0.02475質量%、0.0825質量%含まれていた。また、本試験ではC3H HeNマウス(以下、C3Hマウスとも称する。)を使用した。C3Hマウスは特定周齢において均一で同調した毛周期を有しているため、毛周期が休止期にある時に除毛処理すると均一に毛周期を成長期に移行させることができる。また、これまでにヒトで発毛効果が実証されているサイクロスポリンA(シクロスポリン)ミノキシジル、ジアゾキサイド等の成分について、C3Hマウスでも同様に発毛効果が実証されているため育毛評価の対象として適している。
塗布開始前(7周齢)にC3Hマウスの背中を図6に示すように毛刈りし、上記各濃度の溶液0.2mlを1日1回、27日間毎日当該毛刈り部位に塗布した。塗布開始後毎日、目視評価にて毛刈り面積における発毛面積の割合(発毛率)を算出した。コントロールは溶媒である50%EtOHを使用した。各試験は6匹又は12匹行い、試験結果は平均値にて示す。
27日間塗布後の発毛率は、0.1質量%溶液試験区が36.0%、0.5質量%溶液試験区が51.7%、1質量%溶液試験区が56.8%、3質量%溶液試験区が57.5%、10質量%溶液試験区が57.5%、コントロールが35.7%であった。図6は各濃度試験区の代表的なマウス2匹についての27日間塗布後の写真であり、これら各試験区の発毛率の経過を図7に示す。ホソバヤーバサンタ葉抽出物は高い成長期誘導効果を有すると考えられた。
(実施例4)
同一Lotのビューラックス社製人毛毛束を使用し、パウダーブリーチ(ホーユー株式会社製ホーユーパウダーブリーチ)処理を1回行った(条件:5分間かけて塗布、開放状態で30℃、30分放置)。ステルビン又はナリンゲニン(LKT社製)が各0.125質量%になるように50%EtOHを溶媒として調製し、上記パウダーブリーチ処理をした毛髪を30分間、当該ステルビン溶液又はナリンゲニン溶液に浸した(各化合物を含まない50%EtOHのみの試験も行った。)。当該30分間の浸漬後、毛髪を水で洗い流し、ドライヤーで乾燥させ、同点ありの順位和法で専門の官能評価パネラー5人による官能評価を行った。当該順位和法では、与えられたサンプルの中で順位を付けて、サンプルごとに当該順位を足し合わせ、合計が少ない方が優れたサンプルと評価される。表8〜10における「順位」の欄は合計から算出した平均値を記載した。官能評価の対象はすべり感、太さ(ハリコシ)、コート感、つや、指通りとした。官能評価の結果を図8に示す。「未処理」試験はパウダーブリーチ処理のみで毛髪の浸漬はせず、水洗・乾燥は上記試験と同様に行った。
ステルビンを毛髪に処理することですべり感、太さ(ハリコシ)、コート感、つや、指通りなどの感触が良好となった。中でも、すべり感、つや、指通りが特に良好となった。
当該試験と同じステルビン配合量でシャンプーを調製することができ、当該シャンプーを使用して洗髪・ドライした結果、毛髪にしっとり感が得られた。
次に、植物抽出物を用いて、すべり感、つやの評価を行った。植物は上記したホソバヤーバサンタ(葉)の他、カミツレ(全草)、タイム(全草)、レモングラス(全草)を用いた。植物は全て株式会社コネクトより入手した。ホソバヤーバサンタ葉は実施例1と同一Lotの物を用いた。
当該各植物を10g用意し、50%EtOH液100mLに72時間浸漬して各植物の抽出液を得た。当該抽出液の使用時には植物体は除去した。本試験においては、当該抽出液の凍結乾燥はしていない。コントロールは、植物の葉を浸漬しない50%EtOH液とした。
同一Lotのビューラックス社製人毛毛束を使用し、ホーユー株式会社製のパウダーブリーチを用いてブリーチ1回処理を行った後、当該処理毛髪を上記各植物の抽出液又はコントロール液に2回浸漬し、水洗、ドライしたのち、すべり感・つやについて専用評価パネラーにより官能評価を行った。
すべり感の結果を図9に、つやの結果を図10に示す。ホソバヤーバサンタ葉の抽出液ではすべり感、つやの評価が良好であった。また、本試験で使用した毛束を摩擦感テスターKES−SE(カトーテック株式会社)を使用してすべり感の評価を行ったところ、官能評価と同様の結果を得ることが出来た。
ホソバヤーバサンタ葉抽出物はシャンプーに配合することができる。先に示した50%EtOH液100mLに72時間浸漬して得て、植物体は除去する手順で調製したホソバヤーバサンタ葉抽出物0.05〜10質量%配合シャンプーを使用して洗髪・ドライした結果、毛髪にしっとり感が得られた。
以上の通り、ステルビン、ホソバヤーバサンタ葉抽出物を利用して優れたインバス毛髪化粧料が得られると考えられる。
(実施例5)
ステルビンが0.125質量%になるように50%EtOHを溶媒として調製した。コントロールは、溶媒である50%EtOHとした。
各試験液の塗布前に腕の角質層の水分量をASA−MX(アサヒバイオメッド社製)にて測定した。各試験液を2分間当該測定部位に乗せ、その後当該試験液を拭きとった。拭きとりの1分後に、各試験液の塗布部位の角質層の水分量を測定した。各試験はN=8で行った。
結果を平均値にて図11に示す。腕の角質層の水分量が塗布前に比べて塗布後で何倍となったかで評価した。0.125質量%ステルビン溶液の塗布では2.90倍であり、コントロールでは2.40倍であった。ステルビンを塗布することで保水性が向上した。
(実施例6)
LabCyte Melano−Model(J−TEC社製)のメラノサイト含有ヒト3次元培養皮膚モデルを用いて試験した。当該培養皮膚モデルは大半がケラチノサイトで構成され、少数のメラノサイトを含む。試験はN=2とし、試験結果の数値記載は平均値とした。
試験方法は製品の取扱説明書に従った。0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%のステルビン又はステルビンを溶かすために使用したDMSOをキット付属の改良メラニン産生促進培地に溶解させ、角質層上に添加した。2週間後の培養カップの写真を図12に示す(0.01質量%の写真は省略)。図12上段は培養カップの写真であり、図12下段は培養皮膚の顕微鏡写真である。また、取扱説明書に従ってMTTアッセイにより生細胞数を測定した後、メラニン量の測定も行った(図13)。
図12左側の培養カップおよびその顕微鏡観察図はDMSOのみ添加(コントロール)した試験区の結果であり、図12真中の培養カップおよびその顕微鏡観察図は0.05質量%のステルビンを添加した試験区の結果であり、図12右側の培養カップは0.1質量%のステルビンを添加した試験区の結果である。
図13はDMSOのみ添加(コントロール)を100とした時の0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%ステルビン試験区のメラニン産生比率および生細胞数比率を示す。その結果、細胞生存率に影響を与えない濃度において、コントロールに対し0.05質量%ステルビン試験区では65.8%のメラニン産生量に、0.1%ステルビン試験区では39.5%のメラニン産生量に減少していた。0.01質量%ステルビンの試験区では、メラニン産生量は100.0%であったが生細胞率が100.6%に上昇し、細胞あたりのメラニン産生量は減少していると考えられた。
実施例1〜3の結果も考慮すると、その理由は必ずしも明らかではないが、ケラチノサイト単独や毛包がターゲットとなった場合は育毛・養毛効果が発揮され、3次元皮膚モデルのような大量のケラチノサイトに少量の表皮メラノサイトが存在している状況下ではメラニン産生を低下させると考えられた。
(実施例7)
LabCyte Melano−Model(J−TEC社製)のメラノサイト含有ヒト3次元培養皮膚モデルを用いて試験した。
ステルビンに換えて、実施例1と同様の方法で調製したホソバヤーバサンタ葉抽出物、Eriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.(別種のヤーバサンタ)葉抽出物を使用し、各抽出物の濃度は0.01質量%とした。その他の試験方法は実施例6に従った。
図14はDMSOのみ添加(コントロール)を100とした時ののホソバヤーバサンタ葉抽出物0.01質量%試験区及びEriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.葉抽出物0.01質量%試験区のメラニン産生比率および生細胞数比率を示す。その結果、細胞生存率に影響を与えない濃度において、コントロールに対しホソバヤーバサンタ葉抽出物0.01質量%試験区では34.3%のメラニン産生量に、Eriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.葉抽出物0.01質量%試験区では44.3%のメラニン産生量に減少していた。ホソバヤーバサンタ葉抽出物0.01質量%試験区では総細胞数が増加したのにも関わらずメラニン産生量が減少していた。ホソバヤーバサンタ葉抽出物はステルビンを含有していたが、Eriodictyon californicum(Hook.et Arn.)Torr.葉抽出物はステルビンを含有していないため、ステルビンとヤーバサンタ葉抽出物を併用することで相乗効果が得られると考えられた。
(実施例8)
ステルビンが1質量%になるようにワセリンにて調製した。コントロールはワセリンとした。肌の明度が同程度であった上腕部位2×2cmに1質量%ステルビン含有ワセリン、およびワセリンをそれぞれ0.1mlずつ塗布した。その後、自然太陽光下で5時間日焼けをし、塗布部位の明度比較を行った。写真撮影は自然太陽光下での紫外線照射(日焼け)終了8時間後に行った。Lab値はAbobe社のphotoshopを用いて測定した。ΔL、Δa、Δb、ΔEは以下に示す式で算出した。
ΔL=(ワセリン塗布被験部位のL値)−(ステルビン塗布被験部位のL値)
Δa=(ワセリン塗布被験部位のa値)−(ステルビン塗布被験部位のa値)
Δb=(ワセリン塗布被験部位のb値)−(ステルビン塗布被験部位のb値)
ΔE={(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
試験はN=2で実施した。試験の結果、1.0質量%ステルビン含有ワセリンを塗布した部位ではコントロールのワセリンを塗布した部位に比べ、日焼けが抑えられており、紫外線を防御する作用が認められた。塗布部におけるLab値の平均は1.0質量%ステルビン含有ワセリン塗布部がL=54、a=8、b=21、コントロールのワセリン塗布部がL=47、a=8、b=21であった。したがって、ΔL、Δa、Δb、ΔEはそれぞれ7、0、0、7となった。
美白には様々なアプローチが知られているが、シミ・そばかすの原因となるメラニンの生成は、主に紫外線により促される。ステルビン塗布により紫外線によるメラニンの生成自体を防ぐことができたことから、美白剤組成物・紫外線吸収剤組成物として有効であると考えられる。
本発明により、有用な毛髪及び皮膚外用剤組成物、当該組成物の好ましい用途、及び有用な非治療的な美容方法が提供される。

Claims (2)

  1. ステルビン(ヤーバサンタ抽出物としての含有を除く)又はホソバヤーバサンタ抽出物を含有し、以下(1)〜(3)のいずれか1以上であることを特徴とする毛髪及び皮膚外用剤組成物。
    (1)表皮ケラチノサイト増殖剤
    (2)ダメージ毛の感触向上剤
    (3)抗日焼け美白剤
  2. 請求項1に記載の毛髪及び皮膚外用剤組成物を適用することを特徴とする非治療的な美容方法。

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