JP6222207B2 - 曲面形状タッチパネルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3次元曲面形状の入力操作面を有する曲面形状タッチパネルの製造方法に関し、更に詳しくは、検出電極が配線されたセンサー成形体とその表面を覆う保護成形体とを真空成形により形成して積層させる曲面形状タッチパネルの製造方法に関する。
入力操作体が接近することによる検出電極の静電容量の変化から入力操作位置を検出する静電容量式タッチパネルは、2次元の入力操作位置を検出するために検出電極を表面と背面に形成した絶縁性のセンサーシートと、その表面側の検出電極を保護するためにセンサーシート上に積層される絶縁性の保護シートを備え、保護シートの表面を入力操作面として、入力操作面への入力操作位置を検出している。一般に、この静電容量式タッチパネルの内方(背面側)に液晶表示装置などの表示装置が配置され、操作者は入力操作面に表れる表示装置のアイコンなどの表示を見ながら対応する位置を入力操作する。従って、センサーシートと保護シートは、表示装置の表示を目視可能なように透明体で形成されている。
静電容量式タッチパネルは、表示装置の表示を見ながら、検出電極に非接触で高精度に入力操作位置を検出できることから、携帯電話機、家電機器、車載用のカーナビゲーションシステムなどの入力装置として広く用いられて、その種々の用途から入力操作面を平面に限らず、曲面形状とした静電容量式タッチパネル100も知られている(特許文献1)。
この静電容量式タッチパネル100は、図5に示すように、2次元の入力操作位置を検出する為のX電極層102とY電極層103が表面と背面に分けて印刷形成された絶縁性のセンサーシート101と、センサーシート101の表面と背面に形成される緩衝層104、105と、表面側の緩衝層104を更に覆う保護シート106とが積層して構成され、保護シート106の表面の入力操作面Tを外方に向かって球冠の湾曲面とするように、積層する全体が周囲の平坦面を残して湾曲している。
静電容量式タッチパネル100を構成する上述の各部は、図中上方からその下方に配置される液晶表示装置の表示を目視できるように全て透明材料で形成され、そのうちセンサーシート101と保護シート106は、後述する湾曲成形加工するため、熱可塑性樹脂である透明合成樹脂で形成されている。
この静電容量式タッチパネル100の製造方法は、始めにセンサーシート101の表面と背面に透明導電性インクからなるX電極層102とY電極層103をパターン印刷し、それぞれその上に重ねて緩衝層104、105をスクリーン印刷する。続いて、表裏面に電極層102、103と緩衝層104、105が印刷形成されたセンサーシート101の四隅を真空成形する金型上に水平にクランプして、球冠に湾曲形成する。
真空成形は、センサーシート101の熱変形温度を超える成形温度で加熱したセンサーシート101を、同様の成形温度に加熱した金型の成形面に沿って押しつけ、センサーシート101と成形面の隙間を真空吸引して成形面に密着させる。この成形中に、センサーシート101は、熱変形温度を超える成形温度で加熱軟化した状態となっているので、引き延ばされながら成形面の球冠に沿った形状に成形される。その後、センサートート101を金型から離型したのち常温まで冷却し、電極層102、103と緩衝層104、105を含む全体が球冠に湾曲形成されたセンサーシート101を得る。
センサーシート101を金型の成形面の球冠に沿った形状に引き延ばす際に、センサーシート101の表裏面に印刷形成された電極層102、103も同時に引き延ばされ、伸長率が高い球冠の周囲では電極層102、103の一部が断線する恐れがある。特許文献1の静電容量式タッチパネル100では、同時に湾曲される緩衝層104、105内の特に引き延ばされる周囲に多数の導電性粒子107を分散させておき、断線部分を導電性粒子107を介して導通させているが、一般には、真腔成形後にセンサーシート101の表裏面に露出する電極層102、103の断線を部分メッキなどの方法で補修している。従って、少なくともX電極層102を覆う保護シート106は、センサーシート101とともに真腔成形によって湾曲形成することはできず、別に湾曲形成した後に、センサーシート101上に積層しなければならない。
静電容量式タッチパネル100では、湾曲形成されたセンサーシート101を保護シート106を射出成形する金型内に配置し、緩衝層104と金型の間に加熱溶融する保護シート106となる透明合成樹脂を流して、射出成形により緩衝層104の表面に一体成形する。これにより、保護シート106の表面の入力操作面Tが外方に向かって球冠の湾曲面となった静電容量式タッチパネル100が製造される。
上述の真空成形は、選択可能な材料の制約が少なく、高い歩留まりで原材料から三次元曲面形状の成形品を製造でき、射出成形金型内に表裏面が露出することがないので、表裏面への加飾が可能で、更に、任意の三次元曲面形状のタッチパネルの製造に好適である。従って、一般に、保護シート106も、センサーシート101を成形する金型より成形面の曲率半径の長い別の金型を用いて真空成形で形成するが、この場合には、真空成形でそれぞれ湾曲形成した外径の異なる2種類のセンサーシート101と保護シート106を重ねて組み立てることとなる。
特開2014−96061号公報
特許文献1に記載の静電容量式タッチパネル100の製造方法は、三次元曲面形状に成形したセンサーシート101を射出成形金型内に配置し、その表面と金型の間に溶融する成形樹脂を充填するので、センサーシート101の表面に電極層102や加飾層が形成されていると、熱変形したり流動圧を受けて損傷する恐れがある。
また、成形方法が全く異なる真空成形と射出成形の成形工程が必要となり、製造設備が大型化し、製造工程も複雑化する。
一方、同一の真空成形工程でセンサーシート101と保護シート106を曲面形状に成形する場合であっても、センサーシート101に比べて保護シート106の曲率半径が大きいので、成形面の曲率半径が異なる2種類の金型を用いる必要がある。
また、真空成形では、シートや金型の加熱位置によって成形する部分に加熱温度のむらがあり、加熱軟化したシートを均一に金型の成形面に真空吸引できないので、設計値通りに高精度に曲面形状の成形品を形成できず、センサーシート101と保護シート106を2種類の金型を用いて別に成形して重ねた場合に両者間のギャップにむらが生じる。その結果、保護シート106の表面の入力操作面Tから電極層102、103までの距離が場所によって異なるので、入力操作面T上の入力操作位置の検出精度が悪化し、更に、センサーシート101と保護シート106間のギャップにむらによってモアレ縞(光の干渉縞)が発生し、美感を損なう恐れもある。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、表面に透明電極が印刷されたセンサー成形体と、その表面側を覆う保護成形体とを、同一の金型を用いて湾曲形状に真空成形する曲面形状タッチパネルの製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法は、表面に透明電極が印刷された第1透明合成樹脂から形成される透明センサーシートを、第1透明合成樹脂の熱変形温度以上の成形温度に加熱し、加熱軟化したシートを凸曲面を有する金型を用いて真空成形し、離型後に常温に冷却して3次元曲面を有するセンサー成形体とする第1工程と、第2透明合成樹脂から形成される透明保護シートを、第2透明合成樹脂の熱変形温度以上の成形温度に加熱し、加熱軟化したシートを凸曲面を有する金型を用いて真空成形し、離型後に常温に冷却して3次元曲面を有する保護成形体とする第2工程と、センサー成形体の表面側に保護成形体を積層させて相互を固定する第3工程とを備えた曲面形状タッチパネルの製造方法において、
透明センサーシートの厚さをt、真空成形に用いる金型の凸曲面の曲率半径をr、真空成形による第1透明合成樹脂の成形収縮率をα1、真空成形による第2透明合成樹脂の成形収縮率をα2として、
第1透明合成樹脂と第2透明合成樹脂とを、
(r+t)・α1≧t+r・α2・・・(1)式
を満たす2種以上の透明合成樹脂から選択し、
第1工程と第2工程で凸曲面の曲率半径がrの共通する金型を用いて、センサー成形体と保護成形体を真空成形することを特徴とする。
第1工程で、透明センサーシートは、第1透明合成樹脂の熱変形温度以上の成形温度に加熱されるので、加熱軟化し、金型の曲率半径rの凸曲面に真空吸引されることにより引き延ばされ、表面側が曲率半径r+tで湾曲形成される。離型後に常温に冷却したセンサー成形体は、成形収縮率α1で収縮するので、その表面側は、曲率半径(r+t)−(r+t)・α1で湾曲する。
第2工程で、透明保護シートは、第2透明合成樹脂の熱変形温度以上の成形温度に加熱されるので、加熱軟化し、金型の曲率半径rの凸曲面に真空吸引されることにより引き延ばされ、金型に沿った裏面側が曲率半径rで湾曲形成される。離型後に常温に冷却した保護成形体は、成形収縮率α2で収縮し、その裏面側は、センサー成形体の表面側の曲率半径(r+t)−(r+t)・α1以上の長い曲率半径r−r・α2で湾曲するので、第3工程で、センサー成形体の表面側に保護成形体を積層させて相互を固定できる。
請求項2に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法は、第3工程は、センサー成形体と保護成形体との間の微小ギャップδに透明接着剤を介在させて相互を固定する工程であり、第1透明合成樹脂と第2透明合成樹脂とを、
(r+t)・α1=t+δ+r・α2・・・(2)式
を満たす2種以上の透明合成樹脂から選択することを特徴とする。
ことを特徴とする。
センサー成形体の表面側は、曲率半径(r+t)−(r+t)・α1で湾曲し、保護成形体の背面側は、曲率半径r−r・α2で湾曲するので、(2)式からその間に透明接着剤を介在させる微小ギャップδが形成される。
請求項3に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法は、センサー成形体と保護成形体の三次元曲面は球冠であり、第1工程と第2工程で共通して用いる前記金型の凸曲面は、半径rの球冠であることを特徴とする。
球冠のタッチパネルが製造され、その表面の入力操作面Tは球面となる。
請求項4に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法は、第1透明合成樹脂は、ポリカーボネートであり、第2透明合成樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂であることを特徴とする。
ポリカーボネートとポリメタクリル酸メチル樹脂は、共に透明な熱可塑性樹脂であり、ポリカーボネートの真空成形による成形収縮率α1がポリメタクリル酸メチル樹脂の真空成形による成形収縮率α2より大きいので、真空成形するの同一金型で湾曲形成するポリカーボネートのセンサー成形体の曲率半径は、ポリメタクリル酸メチル樹脂の保護成形体の曲率半径より短くなり、センサー成形体の表面側に保護成形体を積層させることができる。
請求項1の発明によれば、2種類の透明合成樹脂の真空成形による成形収縮率の差を利用して、曲面形状の曲率半径の異なるセンサー成形体と保護成形体を共通する金型を用いて成形できる。
また、センサー成形体と保護成形体を同一の金型を用いて同条件で真空成形するので、個々の成形精度は低いが、相互間のギャップδを含む相対形状は高精度に成形され、3次元曲面とした入力操作面Tへの入力操作位置を高精度に検出できる。
請求項2の発明によれば、センサー成形体と保護成形体を固定する透明接着剤の厚みを微小ギャップδで一定とすることができるので、3次元曲面とした入力操作面Tとセンサー成形体に形成される透明電極との距離にむらがなく、入力操作面Tへの入力操作位置を高精度に検出できる。
請求項3の発明によれば、下方が筐体内に収容された球体を転がすトラックボールを操作するような感覚で入力操作を行うことができる。
真空成形によって球冠の直径が数10cmの大型のタッチパネルを製造できるので、下方から入力操作面Tへ地球の地図などを投影して地球儀を模したタッチパネルとすることができる。
請求項4の発明によれば、ポリカーボネートからなるセンサー成形体とセンサー成形体の表面側を微小ギャップδを隔てて覆うポリメタクリル酸メチル樹脂からなる保護成形体を、
(r+t)・α1=t+δ+r・α2・・・(2)式
を満たす曲率半径rの共通の金型を用いて湾曲形成できる。
本願発明の一実施の形態に係る曲面形状タッチパネルの製造方法により製造した曲面形状タッチパネル1の使用状態を示す斜視図である。 曲面形状タッチパネル1の縦断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 真空成形程中のシート40、50と金型20を示し、(a)は、シート40、50と金型20を加熱している状態を、(b)は、金型20の成形面20aとシート40、50間を真空吸引している状態を、(c)は、金型20の成形面20aにシート40、50を密着した状態を、それぞれ示す縦断面図である。 従来の曲面形状タッチパネル100を示する縦断面図である。
本発明の一実施の形態に係る曲面形状タッチパネルの製造方法により製造する曲面形状タッチパネル1は、図1、図2示すように、直径約300mmの半球面に沿って湾曲形成された静電容量式タッチパネル(以下、単にタッチパネルという)1であり、全体が透明体で形成されていることから、例えば、図1に示すように、筐体2上に配置して、筐体2内に設置された投影機3からタッチパネル1の裏面に向けて地球の地図模様を投影し、筐体2内に下半球部分が収容された地球儀に模している。
タッチパネル1の半球面となった表面は、静電容量方式で入力操作体である指の入力操作位置を検出する入力操作面Tとなっていて、タッチパネル1が検出する入力操作位置やその移動軌跡によって、投影機3が投影する映像を変化させる。例えば、入力操作面Tに沿って指を左側になぞると、投影機3がタッチパネル1へ投影する地図模様が同方向に移動し、操作者は、あたかも地球儀を左側へ回転させたような操作感が得られる。
入力操作面Tへの入力操作位置を検出する為に、半球に湾曲形成したセンサー成形体4の表裏面に、透明な導電性インクからなる複数のX電極線と複数のY電極線(図示せず)が印刷形成されている。複数のX電極線は、センサー成形体4の表面に等ピッチで配線され、複数のY電極線は、センサー成形体4の裏面に等ピッチで、それぞれX電極線の配線方向と直交する方向に配線されている。
タッチパネル1の図示しない入力操作位置検出回路は、複数のX電極線に順次駆動制御信号を出力すると共に駆動制御信号を出力したX電極線に交差するY電極線に表れる駆動制御信号のレベルを監視し、入力操作体が接近することにより、静電容量が変化し駆動制御信号のレベルが変化するY電極線と、その時に駆動制御信号を出力したX電極線の配線位置から、入力操作位置を検出する。
また、センサー成形体4の表面に形成される複数のX電極線に直接異物や入力操作体が接触して破損しないように、X電極線が配線されたセンサー成形体4の表面側は、半球に湾曲形成した保護成形体5で覆われている。
以下、このように構成されるタッチパネル1の製造方法について、センサー成形体4を製造する第1工程、保護成形体5を製造する第2工程、センサー成形体4の表面側に保護成形体5を積層した状態で固定する第3工程に分けて説明する。
(センサー成形体4を製造する第1工程)
センサー成形体4は、厚さtが0.3mmの透明な熱可塑性樹脂からなるセンサーシート40を、図4に示す成形面20aが半球面となった金型20を用いた真空成形によって半球に湾曲形成される。この半球面となった成形面20aの半径rは、センサー成形体4を直径約300mmの半球面に湾曲形成するため、150mmとなっている。
センサーシート40を構成する熱可塑性樹脂は、透明な絶縁体であること、熱可塑性樹脂でその熱変形温度が真空成形の際の成形温度以下であること、成形温度から常温まで冷却した際の真空成形による成形収縮率α1が、後述する保護成形体5を形成する熱可塑性樹脂の成形温度から常温まで冷却した際の真空成形による成形収縮率α2より大きく、
(r+t)・α1≧t+r・α2・・・(1)式
の関係を満たすことが、センサーシート40を構成する熱可塑性樹脂の選択条件であり、ここでは、センサーシート40を構成する熱可塑性樹脂を、熱変形温度が約135℃、成形収縮率α1が6/1000となるポリカーボネートとしている。
センサーシート40を真空成形する前に、その表面と裏面に複数のX電極線と複数のY電極線を印刷配線しておく。センサーシート40は、真空成形の際に半球面に湾曲形成される内頂面から離れた周囲になるほど引き延ばされるので、センサーシート40に印刷する複数のX電極線と複数のY電極線は、引き延ばされたセンサー成形体4の表裏面で等ピッチに配線されるように、予め真空成形による伸張率を考慮した間隔で配線される。
センサーシート40の真空成形は、初めに図4(a)に示すように、表裏面にX電極線とY電極線が印刷配線されたセンサーシート40の4隅をクランプして金型20の半球面となった成形面20aの上方に水平に配置し、センサーシート40を構成するポリカーボネートの熱変形温度より高い170℃まで、センサーシート40と金型20を加熱する。
続いて、図4(b)に示すように、過熱した状態で、金型20を上昇させると共にセンサーシート40を4隅を引っ張りながら下降させ、センサーシート40が成形面20aの全体を覆うように押しつける。この際に、センサーシート40は、熱変形温度を超えているので、加熱軟化し、弾性限度を超える歪みで成形面20aに沿って引き延ばされる。その後、金型20の微小孔からセンサーシート40と成形面20aの隙間を真空吸引し、図4(c)に示すように、センサーシート40を引き延ばしながら半球面の成形面20に密着させる。この真空吸引の工程は、一種の絞り加工であり、センサーシート40の周縁部はとくに半球面に沿って大きく伸ばされる。
その後、金型20からセンサーシート40を離脱させて、常温(例えば20℃)に冷却されるまで放置し、半球形状の成型品であるセンサー成形体4を得る。センサー成形体4は、170℃の成形温度から常温の20℃に冷却される間に、ポリカーボネートの上記6/1000の成形収縮率α1で収縮する。その結果、成形面20aに沿って引き延ばされたセンサーシート40の外表面の曲率半径150.3mmは、6/1000の成形収縮率α1で収縮され、センサー成形体4の外表面の曲率半径r1は、約149.4mmとなる。
その後、センサー成形体4の表裏面に印刷形成されている複数のX電極線と複数のY電極線を部分メッキにより断線を補修した後、各電極線から引き出されるテール部と半円球の縁に沿ったリング片部4aを残してリング片部4aの周囲をトリミング加工し、センサー成形体4を得る。
(保護成形体5を製造する第2工程)
保護成形体5は、厚さtが3mmの透明な熱可塑性樹脂からなる保護シート50から、センサー成形体4の真空成形に用いた同一の金型20を用いて半球に湾曲形成される。保護成形体5は、センサー成形体4の表面側を等間隔で覆うものであるが、半球とする金型20の成形面20aの半径rは、センサー成形体4を成形した際の成形面20aと同一の150mmとなっている。
保護シート50を構成する熱可塑性樹脂は、透明な絶縁体であること、熱可塑性樹脂でその熱変形温度が真空成形の際の成形温度以下であること、成形温度から常温まで冷却した際の真空成形による成形収縮率α2が、センサー成形体4を形成する熱可塑性樹脂の真空成形による成形収縮率α1より小さく、
(r+t)・α1≧t+r・α2・・・(1)式
の関係を満たすことが、保護シート50を構成する熱可塑性樹脂の選択条件であり、ここでは、保護シート50を構成する熱可塑性樹脂を、熱変形温度が約90℃から105℃、成形収縮率α2が2/1000となるポリメタクリル酸メチル樹脂(Polymethyl methacrylate、以下、PMMAという)としている。
以下、保護シート50から保護成形体5を成形する真空成形の工程は、図4に示すセンサー成形体4の真空成形工程と同一であるので、図中のシートに、センサーシート40と保護シート50のいずれかであることを示す符号40、50を付して説明する。初めに図4(a)に示すように、保護シート50の4隅をクランプして金型20の半球面となった成形面20aの上方に水平に配置し、センサーシート40の成形温度と同一温度で、保護シート50を構成するPMMAの熱変形温度より高いの170℃まで、保護シート50と金型20を加熱する。
続いて、図4(b)に示すように、過熱した状態で、金型20を上昇させると共に保護シート50を4隅を引っ張りながら下降させ、保護シート50が成形面20aの全体を覆うように押しつける。この際に、保護シート50は、熱変形温度を超えているので、加熱軟化し、弾性限度を超える歪みで成形面20aに沿って引き延ばされる。その後、金型20の微小孔から保護シート50と成形面20aの隙間を真空吸引し、図4(c)に示すように、保護シート50の周縁部を半球面に沿って大きく伸ばしながら、保護シート50を半球面の成形面20に密着させる。
その後、金型20から保護シート50を離脱させて、常温(例えば20℃)に冷却されるまで放置し、半球形状の成型品である保護成形体5を得る。保護成形体5は、170℃の成形温度から常温の20℃に冷却される間に、PMMAの上記2/1000の成形収縮率α2で収縮する。その結果、成形面20aに沿って引き延ばされた保護シート50の内表面の曲率半径150mmは、2/1000の成形収縮率α2で収縮され、保護成形体5の内表面の曲率半径r2は、149.7mmとなる。
その後、半円球の縁に沿ったリング片部5aを残してリング片部5aの周囲をトリミング加工し、保護成形体5を得る。
(センサー成形体4の表面側に保護成形体5を積層した状態で固定する第3工程)
上述の通り、センサー成形体4と保護成形体5は、半球状に湾曲形成され、センサー成形体4の外表面の曲率半径は、上述の通り約149.4mm、保護成形体5の内表面の曲率半径は、149.7mmと、同一成形面20aの金型20を用いて同一条件で真空成形しながら、その間に約0.3mmの等間隔のギャップδを隔てて半球状に湾曲形成される。これは、真空成形によるポリカーボネートの成形収縮率α1とPMMAの成形収縮率α2との差によるものであり、一般に真空成形による熱可塑性樹脂は、その樹脂の熱変形温度の前後で、分子間の距離が長く変形しやすい軟化状態から凝固冷却して分子間の距離が短い固体に変化することによる密度変化が主要因であるが、その他、真空吸引による引っ張り応力の解除と塑性変化、成形温度から常温までの冷却温度差などの種々の要因で真空成形の前後で収縮し、収縮する成形収縮率αは、熱可塑性樹脂の材料毎に定まる。本発明では、湾曲面の外側に配置される保護成形体5を構成する熱可塑性樹脂の成形収縮率α2より大きい成形収縮率α1の熱可塑性樹脂でその内側に配置されるセンサー成形体4を形成することにより、同一の金型20を用いて2種以上の成形体4、5が積層する曲面形状タッチパネル1を形成することができる。
従って、図2に示すように、センサー成形体4のリング片部4a上に保護成形体5のリング片部5aを同心円上に重ねて、両者は一定のギャップδを隔てて同一中心O周りに積層され、リング片部4a、5a間を接着剤等を用いて固着することにより、半球状のセンサー成形体4の表面側に保護成形体5が積層された曲面形状タッチパネル1が製造される。尚、湾曲面に沿って形成されるセンサー成形体4と保護成形体5との間のギャップδは、等間隔に形成されるので、その間に透明接着剤を封入して両者を固着してもよい。
上述の実施の形態では、センサー成形体4と保護成形体5を構成する熱可塑性樹脂を、
(r+t)・α1≧t+r・α2・・・(1)式
を満たす成形収縮率αの熱可塑性樹脂から選択したが、
センサー成形体4と保護成形体5間を固着する接着剤を介在させる両者間のギャップδが定まっている場合に、
(r+t)・α1=t+δ+r・α2・・・(2)式
を満たす成形収縮率αの熱可塑性樹脂から、センサー成形体4と保護成形体5を構成する熱可塑性樹脂を選択することもできる。
また、上述の実施の形態では、センサー成形体4を保護成形体5より先に製造したが、第1工程と第2工程の工程順は逆順で、保護成形体5を先に製造してもよい。
更に、上述の曲面形状タッチパネル1は、半球等の球冠に限らず、一部が球面である曲面形状のタッチパネルにも適用でき、また、タッチパネル1の入力操作位置検出方式として、静電容量方式の他に、抵抗膜方式、電磁誘導方式、光学式、超音波式などの方式で入力操作位置を検出する曲面形状タッチパネルであっても本発明を適用できる。
真空成形で入力操作面を湾曲形成する曲面形状タッチパネルの製造方法に適している。
1 曲面形状タッチパネル
4 センサー成形体
5 保護成形体
20 金型
20a 成形面
40 センサーシート
50 保護シート

Claims (4)

  1. 表面に透明電極が印刷された第1透明合成樹脂から形成される透明センサーシートを、第1透明合成樹脂の熱変形温度以上の成形温度に加熱し、加熱軟化したシートを凸曲面を有する金型を用いて真空成形し、離型後に常温に冷却して3次元曲面を有するセンサー成形体とする第1工程と、
    第2透明合成樹脂から形成される透明保護シートを、第2透明合成樹脂の熱変形温度以上の成形温度に加熱し、加熱軟化したシートを凸曲面を有する金型を用いて真空成形し、離型後に常温に冷却して3次元曲面を有する保護成形体とする第2工程と、
    センサー成形体の表面側に保護成形体を積層させて相互を固定する第3工程とを備えた曲面形状タッチパネルの製造方法において、
    第1工程と第2工程で、凸曲面の曲率半径がrの共通する金型を用いてセンサー成形体と保護成形体を真空成形し、
    前記透明センサーシートの厚さをt、真空成形に用いる金型の凸曲面の曲率半径をr、真空成形による第1透明合成樹脂の成形収縮率をα1、真空成形による第2透明合成樹脂の成形収縮率をα2として、
    第1透明合成樹脂と第2透明合成樹脂とを、
    (r+t)・α1≧t+r・α2・・・(1)式
    を満たす2種以上の透明合成樹脂から選択し、
    第1工程と第2工程で凸曲面の曲率半径がrの共通する金型を用いて、センサー成形体と保護成形体を真空成形することを特徴とする曲面形状タッチパネルの製造方法。
  2. 第3工程は、センサー成形体と保護成形体との間の微小ギャップδに透明接着剤を介在させて相互を固定する工程であり、
    第1透明合成樹脂と第2透明合成樹脂とを、
    (r+t)・α1=t+δ+r・α2・・・(2)式
    を満たす2種以上の透明合成樹脂から選択することを特徴とする請求項1に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法。
  3. センサー成形体と保護成形体の三次元曲面は球冠であり、第1工程と第2工程で共通して用いる前記金型の凸曲面は、半径rの球冠であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法。
  4. 第1透明合成樹脂は、ポリカーボネートであり、第2透明合成樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の曲面形状タッチパネルの製造方法。
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