以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。
これらの図に示すように、蓄電装置1は、複数の単位モジュール11、12及び13を有するモジュール群10と、モジュール群10の外方に配置される外装体である第一外装体20及び第二外装体30とを備えている。なお、蓄電装置1は、1つの単位モジュールしか備えていない構成でもかまわない。また、蓄電装置1は、例えばX軸方向プラス側の端部に、モジュール群10の内方に冷却媒体(空気等)を流入させる冷却用のファンなどの冷却装置を備えている構成でもかまわない。
モジュール群10は、X軸方向に一列に並ぶ複数の単位モジュール11、12及び13を備えている。また、モジュール群10には、後述する正極外部端子400aのカバーである正極外部端子カバー10aと、後述する負極外部端子400bのカバーである負極外部端子カバー10bとが設けられている。具体的には、正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bは、単位モジュール11に設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子カバー10a内の正極外部端子400aと、負極外部端子カバー10b内の負極外部端子400bとを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。
単位モジュール11、12及び13は、1以上の蓄電素子を第三外装体14に収容した矩形状のモジュールであり、それぞれ同様の構成を有している。また、単位モジュール11、12及び13のうちの隣り合う単位モジュールの正極端子と負極端子とが電気的に接続されることで、単位モジュール11、12及び13内の全ての蓄電素子が直列に接続されている。この単位モジュール11、12及び13の詳細な構成についての説明は、後述する。
第一外装体20及び第二外装体30は、複数の単位モジュール11、12及び13を連結して固定し、また、複数の単位モジュール11、12及び13を外部からの衝撃等から保護するための部材であり、第一外装体20は下側の部材、第二外装体30は、上側の部材である。つまり、第一外装体20と第二外装体30とで単位モジュール11、12及び13を上下方向から挟み込むように固定することで、単位モジュール11、12及び13を連結し、また保護する。
具体的には、第一外装体20は、複数の単位モジュール11、12及び13の下方に配置され、複数の単位モジュール11、12及び13のそれぞれが有する第三外装体14が載置される平板状の部材であり、例えば金属など導電性の部材で形成されている。また、第二外装体30は、複数の単位モジュール11、12及び13の上方に配置され、複数の単位モジュール11、12及び13のそれぞれが有する第三外装体14上に載置される平板状の部材であり、例えば金属など導電性の部材で形成されている。
ここで、第二外装体30は、正極外部端子400a及び負極外部端子400bを外部からの衝撃等から保護するための端子保護部31及び32を有している。つまり、端子保護部31及び32は、正極外部端子400aと負極外部端子400bとの間に配置されるとともに、正極外部端子400a及び負極外部端子400bよりも蓄電装置1の外方(X軸方向マイナス側)へ突出して配置されている。言い換えれば、端子保護部31及び32の先端が、正極外部端子400a及び負極外部端子400bの先端よりも、蓄電装置1の外方側(X軸方向マイナス側)に配置されている。
具体的には、端子保護部31及び32は、正極外部端子カバー10aと負極外部端子カバー10bとの間に配置されるとともに、正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bよりも蓄電装置1の外方(X軸方向マイナス側)へ突出して配置されている。つまり、端子保護部31及び32の先端が、正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bの先端よりも、蓄電装置1の外方側(X軸方向マイナス側)に配置されている。
これにより、端子保護部31及び32は、正極外部端子カバー10a、負極外部端子カバー10b、正極外部端子400a及び負極外部端子400bを外部からの衝撃(例えば、正極外部端子400a及び負極外部端子400bに対しての、X軸方向プラス側への衝撃)等から保護する。
ここで、正極外部端子400a及び負極外部端子400bを外部の衝撃から保護する観点からは、端子保護部31及び32は、必ずしも正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bよりもX軸方向マイナス側へ突出して配置されている必要はないが、上記の構成となっているのが好ましい。
なお、第二外装体30、または第二外装体30の端子保護部31及び32は、モジュール群10が有する蓄電素子(後述の蓄電素子500)の外方に配置される外装体を構成する部材であって、正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bの外方に配置される導電性の部材であり、特許請求の範囲に記載の「第一導電部材」に包含される。
このような構成により、第一外装体20及び第二外装体30は、単位モジュール11、12及び13を強固に安定して固定し、また、外部からの衝撃等から安全に保護することができる。
次に、モジュール群10に含まれる単位モジュール11、12及び13の詳細な構成について、説明する。なお、単位モジュール11、12及び13はそれぞれ同様の構成を有するため、以下では単位モジュール11についての説明を行い、単位モジュール12及び13の構成の説明については省略する。
図3は、本発明の実施の形態に係る単位モジュール11を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
同図に示すように、単位モジュール11は、第三外装体本体100と内蓋600と蓋体800とからなる第三外装体14、及び、第三外装体14に収容される複数の蓄電素子500(同図では4つの蓄電素子500)と基板610とバスバー710とコネクタ720などを備えている。なお、第三外装体14内に収容される蓄電素子500は、複数でなくともよく、1つの蓄電素子500しか収容されていない構成でもかまわない。
第三外装体14は、蓄電素子500の外方に配置される、単位モジュール11の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。第三外装体14は、複数の蓄電素子500や基板610などを所定の位置に配置し、複数の蓄電素子500や基板610などを衝撃などから保護する。また、第三外装体14は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の樹脂などの絶縁性の材料により構成されており、蓄電素子500や基板610などが外部の金属部材などに接触することを回避する。
また、第三外装体14は、第三外装体本体100と内蓋600と蓋体800とを有している。第三外装体本体100は、第三外装体14の本体を構成する有底矩形筒状の部材である。第三外装体本体100の詳細な構成についての説明は、後述する。
内蓋600は、第三外装体14の内蓋を構成する扁平な矩形状の部材であり、複数の蓄電素子500の上方に配置される。ここで、内蓋600は、基板610を保持している。また、内蓋600は、第三外装体本体100の内方に嵌め込まれ、複数の蓄電素子500を上方から押さえ込むことで、複数の蓄電素子500を第三外装体本体100に固定する。このように、内蓋600は、基板610を保持し、さらに、蓄電素子500を第三外装体本体100に固定する役割も担っている。
蓋体800は、第三外装体14の蓋を構成する部材であり、第三外装体本体100の開口を塞ぐ扁平な矩形状の部材である。具体的には、第三外装体本体100内方に、複数の蓄電素子500、内蓋600、基板610等の順に配置され、第三外装体本体100の開口部が蓋体800で閉止される。
蓄電素子500は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子500は、第三外装体本体100内に収容される。なお、蓄電素子500は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子500の詳細な構成についての説明は、後述する。
基板610は、複数の蓄電素子500に電気的に接続される電気機器である。具体的には、基板610は、複数の蓄電素子500の状態を取得し、監視し、制御することのできる基板であり、配線(リード線)によって複数の蓄電素子500の正極端子または負極端子に接続されている。具体的には、基板610は、複数の蓄電素子500の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを監視するための制御基板である。基板610には、例えば、当該監視を行ったり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路(図示せず)が設けられている。
また、基板610は、内蓋600上に配置され、かつ、蓋体800に覆われるように配置されている。つまり、基板610は、内蓋600と蓋体800とで挟まれることで、内蓋600と蓋体800とに保護されるように配置されている。なお、基板610は、各単位モジュールに備えられていなくともよく、例えば単位モジュール11にのみ備えられている構成でもかまわない。
バスバー710は、内蓋600の上方に配置される部材である。バスバー710は、金属など導電性の部材であり、複数の蓄電素子500同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー710は、隣接する蓄電素子500において、一の蓄電素子500の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子500の負極端子または正極端子とを接続する。
コネクタ720は、外部の配線に接続されるコネクタであり、外部の配線と、複数の蓄電素子500のうちの少なくとも1つの蓄電素子500に接続される配線とを接続する。
また、第三外装体14には、上述の正極外部端子カバー10aを構成する正極端子カバー支持部200a及び正極端子カバー本体部300aと、正極外部端子400aと、導電部材410aとが設けられている。また同様に、第三外装体14には、上述の負極外部端子カバー10bを構成する負極端子カバー支持部200b及び負極端子カバー本体部300bと、負極外部端子400bと、導電部材410bとが設けられている。
正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bは、正極外部端子400a及び負極外部端子400bを覆うように、第三外装体14の第三外装体本体100に着脱可能に配置される矩形状の端子カバーである。正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bは、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の樹脂などの絶縁性の材料により構成されている。
具体的には、正極外部端子カバー10aの正極端子カバー支持部200aに正極外部端子400aが配置され、正極端子カバー支持部200aが、第三外装体14の第三外装体本体100に取り付けられることで、第三外装体本体100に固定される。そして、正極外部端子400aに導電部材410aが接続された後、正極端子カバー支持部200aに正極端子カバー本体部300aが取り付けられ固定されることで、正極外部端子カバー10aが構成される。
また、同様に、負極外部端子カバー10bの負極端子カバー支持部200bに負極外部端子400bが配置され、負極端子カバー支持部200bが、第三外装体14の第三外装体本体100に取り付けられることで、第三外装体本体100に固定される。そして、負極外部端子400bに導電部材410bが接続された後、負極端子カバー支持部200bに負極端子カバー本体部300bが取り付けられ固定されることで、負極外部端子カバー10bが構成される。
なお、正極外部端子カバー10aを構成する正極端子カバー支持部200a及び正極端子カバー本体部300aと、負極外部端子カバー10bを構成する負極端子カバー支持部200b及び負極端子カバー本体部300bの詳細な構成についての説明は、後述する。
正極外部端子400aは、蓄電装置1の正極側の端子(外部端子)であり、一部が正極外部端子カバー10a内に配置される。また、負極外部端子400bは、蓄電装置1の負極側の端子(外部端子)であり、一部が負極外部端子カバー10b内に配置される。つまり、正極外部端子400a及び負極外部端子400bは、蓄電装置1が外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための電極端子であり、アルミニウムやアルミニウム合金などの導電性の部材によって構成されている。
導電部材410a及び410bは、正極外部端子400a及び負極外部端子400bに接続されるバスバーであり、例えば銅または銅合金によって形成された導電性の長尺状の平板状部材である。この導電部材410a及び410bは、特許請求の範囲に記載の「第二導電部材」に相当する。なお、導電部材410a及び410bの材質は導電性のものであれば特に限定されず、また、形状も限定されず、正極外部端子400a及び負極外部端子400bに接続される配線などであってもかまわない。
次に、蓄電素子500の構成について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子500を内部を透視して示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子500は、容器510、正極端子530及び負極端子540を備え、容器510は、上壁である容器蓋部520を備えている。また、容器510内方には、電極体550、正極集電体560及び負極集電体570が配置されている。なお、容器510の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器510は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製の容器蓋部520とで構成されている。また、容器510は、電極体550等を内部に収容後、容器蓋部520と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、容器510の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼やアルミニウムなど溶接可能な金属であるのが好ましい。
ここで、蓄電素子500の容器510または容器蓋部520は、蓄電素子500の容器を構成する部材であって、正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bの外方に配置される導電性の部材であり、特許請求の範囲に記載の「第一導電部材」に包含される。つまり、この「第一導電部材」は、蓄電素子500の容器510及び蓄電素子500の外方に配置される外装体のうちの少なくとも一方を構成する部材であり、容器510、第一外装体20、第二外装体30などを構成する部材の全てを包含する概念である。
電極体550は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体550は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを断面が長円形状となるように巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体550は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子500に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子500の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器510に封入される電解液(非水電解質)としても、蓄電素子500の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
正極端子530は、正極集電体560を介して、電極体550の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子540は、負極集電体570を介して、電極体550の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器蓋部520に取り付けられている。つまり、正極端子530及び負極端子540は、電極体550に蓄えられている電気を蓄電素子500の外部空間に導出し、また、電極体550に電気を蓄えるために蓄電素子500の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
具体的には、蓄電装置1に備えられた複数の蓄電素子500のうち正極外部端子400a側に配置された蓄電素子500の正極端子530が正極外部端子400aと接続され、当該蓄電素子500の負極端子540は、隣接する蓄電素子500の正極端子530と接続される。また同様に、当該複数の蓄電素子500のうち負極外部端子400b側に配置された蓄電素子500の負極端子540が負極外部端子400bと接続され、当該蓄電素子500の正極端子530は、隣接する蓄電素子500の負極端子540と接続される。また、その他の蓄電素子500の正極端子530または負極端子540は、隣接する蓄電素子500の負極端子540または正極端子530と接続される。
正極集電体560は、電極体550の正極と容器510の側壁との間に配置され、正極端子530と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体560は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体570は、電極体550の負極と容器510の側壁との間に配置され、負極端子540と電極体550の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体570は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
次に、第三外装体本体100の構成について、詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る第三外装体本体100の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、第三外装体本体100は、ケース底面部110とケース側面部120とで構成され、上部に開口部が形成された有底矩形筒状の部材である。そして、この第三外装体本体100の上部の開口部から、複数の蓄電素子500が挿入され収容される。
ケース底面部110は、第三外装体本体100の底面部であり、矩形状かつ平板状の部位である。また、ケース側面部120は、ケース底面部110の四方を覆う4つの矩形状かつ平板状の側面部からなる四角筒形状の部位である。なお、蓄電素子500から発せられる熱を第三外装体本体100の外部へ放熱するために、ケース側面部120には、複数の矩形状の開口部が環状に形成されている。
また、ケース側面部120は、1つの側面部の上部に、正極端子カバー取付部121と負極端子カバー取付部122とを有しているとともに、正極端子用開口部121aと負極端子用開口部122aと内蓋取付用開口部123及び124とが形成されている。
正極端子カバー取付部121は、正極外部端子カバー10aの正極端子カバー支持部200aが取り付けられる平板状の部位である。具体的には、正極端子カバー支持部200aが正極端子カバー取付部121に嵌合することにより、正極端子カバー支持部200aが正極端子カバー取付部121に取り付けられる。また、正極端子カバー取付部121の上方には、正極外部端子400aが配置される矩形状の開口部(切り欠き)である正極端子用開口部121aが形成されている。
負極端子カバー取付部122は、負極外部端子カバー10bの負極端子カバー支持部200bが取り付けられる平板状の部位である。具体的には、負極端子カバー支持部200bが負極端子カバー取付部122に嵌合することにより、負極端子カバー支持部200bが負極端子カバー取付部122に取り付けられる。また、負極端子カバー取付部122の上方には、負極外部端子400bが配置される矩形状の開口部(切り欠き)である負極端子用開口部122aが形成されている。
なお、単位モジュール11のX軸方向マイナス側に他の単位モジュールを隣接して配置する場合には、正極端子用開口部121a及び負極端子用開口部122aには、バスバー710が配置されることになる。このため、正極端子用開口部121a及び負極端子用開口部122aは、バスバー710を配置することも可能な構成とするために、大き目の開口となっている。
内蓋取付用開口部123及び124は、第三外装体本体100に内蓋600を取り付けるための矩形状の開口部(貫通孔)である。つまり、内蓋取付用開口部123及び124の内方に内蓋600の突起部が挿入されることで、第三外装体本体100に内蓋600が取り付けられる。
次に、正極外部端子カバー10aを構成する正極端子カバー支持部200a及び正極端子カバー本体部300aと、負極外部端子カバー10bを構成する負極端子カバー支持部200b及び負極端子カバー本体部300bの構成について、詳細に説明する。
なお、正極端子カバー支持部200a及び負極端子カバー支持部200bは、同様(左右対称)の構成を有するため、以下では正極端子カバー支持部200aの構成について説明することとし、負極端子カバー支持部200bの構成の説明は省略する。また、正極端子カバー本体部300a及び負極端子カバー本体部300bは、同様の構成を有するため、以下では正極端子カバー本体部300aの構成について説明することとし、負極端子カバー本体部300bの構成の説明は省略する。
図6及び図7は、本発明の実施の形態に係る正極端子カバー支持部200aの構成を示す斜視図である。具体的には、図6は、正極端子カバー支持部200aをX軸方向マイナス側から見た場合の構成を示す斜視図であり、図7は、正極端子カバー支持部200aをX軸方向プラス側から見た場合の構成を示す斜視図である。
また、図8は、本発明の実施の形態に係る正極端子カバー本体部300aの構成を示す斜視図である。また、図9は、本発明の実施の形態に係る正極端子カバー支持部200aに正極端子カバー本体部300aが取り付けられる際の構成を示す斜視図である。
正極端子カバー支持部200aは、第三外装体14に固定されるとともに、正極端子カバー本体部300aが取り付けられる部材である。これらの図に示すように、正極端子カバー支持部200aは、支持部本体210と、壁部220とを有している。
支持部本体210は、正極端子カバー支持部200aの本体を構成する矩形状かつ平板状の部位である。支持部本体210は、第一支持部嵌合部211〜214と、第二支持部嵌合部215と、第三支持部嵌合部216とを有しており、第三支持部嵌合部216には、支持部開口部217が形成されている。
また、正極端子カバー本体部300aは、開口部が形成された有底矩形筒状の部材であり、矩形状かつ平板状の本体部前面部310と、4つの矩形状かつ平板状の側面部からなる本体部側面部320とを有している。本体部側面部320は、本体部嵌合部321及び322と、本体部開口形成部323とを有しており、本体部開口形成部323に隣接して本体部開口部324が形成されている。
ここで、本実施の形態では、本体部側面部320の4つの側面部のうち、本体部開口部324が形成されている側面部以外には、開口部は形成されていない。つまり、正極端子カバー本体部300aの本体部側面部320は、複数の側面部を有しており、当該複数の側面部は、開口部が形成されていない少なくとも1つの側面部を有している。
正極端子カバー支持部200aの第一支持部嵌合部211〜214は、正極端子カバー本体部300aと嵌合する二対の嵌合部である。また、正極端子カバー本体部300aの本体部嵌合部321及び322は、正極端子カバー支持部200aと嵌合する一対の嵌合部である。
具体的には、正極端子カバー支持部200aの第一支持部嵌合部211及び212は、正極端子カバー本体部300aの本体部嵌合部321及び322と嵌合可能な形状を有しており、第一支持部嵌合部213及び214についても、本体部嵌合部321及び322と嵌合可能な形状を有している。言い換えると、正極端子カバー本体部300aの本体部嵌合部321及び322は、正極端子カバー支持部200aの第一支持部嵌合部211及び212または第一支持部嵌合部213及び214と嵌合可能な形状を有している。
さらに具体的には、正極端子カバー支持部200aの第一支持部嵌合部211は、支持部本体210のZ軸方向プラス側の端部から、Z軸方向プラス側に向けて突出して配置された矩形状の部位であり、矩形状の開口部が形成されている。また、第一支持部嵌合部212は、支持部本体210のZ軸方向マイナス側の端部から、Z軸方向マイナス側に向けて突出して配置された矩形状の部位であり、矩形状の開口部が形成されている。つまり、第一支持部嵌合部211及び212は、正極端子カバー支持部200aのZ軸方向の両端部に配置された一対の嵌合部である。
また、第一支持部嵌合部213は、支持部本体210のY軸方向プラス側の端部から、Y軸方向プラス側に向けて突出して配置された矩形状の部位であり、矩形状の開口部が形成されている。また、第一支持部嵌合部214は、支持部本体210のY軸方向マイナス側の端部から、Y軸方向マイナス側に向けて突出して配置された矩形状の部位であり、矩形状の開口部が形成されている。つまり、第一支持部嵌合部213及び214は、正極端子カバー支持部200aのY軸方向の両端部に配置された一対の嵌合部である。
また、正極端子カバー本体部300aの本体部嵌合部321及び322は、本体部側面部320の両端部(図8では、Z軸方向の両端部)からX軸方向プラス側に向けて突出して配置された矩形状の部位である。つまり、本体部嵌合部321及び322は、正極端子カバー支持部200aに向けて突出した一対の突出状の部位である。
これらの構成により、第一支持部嵌合部211及び212の開口部に突出状の本体部嵌合部321及び322が挿入されて、嵌合する。または、第一支持部嵌合部213及び214の開口部に突出状の本体部嵌合部321及び322が挿入されて、嵌合する。
つまり、図9の(a)に示すように、本体部嵌合部321及び322が第一支持部嵌合部211及び212の開口部に挿入されて嵌合し、正極端子カバー本体部300aが正極端子カバー支持部200aに取り付けられることで、本体部開口部324がY軸方向プラス側に配置される。
また、図9の(b)に示すように、本体部嵌合部321及び322が第一支持部嵌合部213及び214の開口部に挿入されて嵌合し、正極端子カバー本体部300aが正極端子カバー支持部200aに取り付けられることで、本体部開口部324がZ軸方向マイナス側に配置される。また、本体部嵌合部321及び322が第一支持部嵌合部214及び213の開口部に挿入された場合には、本体部開口部324がZ軸方向プラス側に配置される。
このように、正極端子カバー支持部200aは、正極端子カバー本体部300aの一対の嵌合部と嵌合する一対の嵌合部を複数有している。そして、正極端子カバー本体部300aは、本体部開口部324が異なる位置に配置されるように、正極外部端子400aに対して回転可能に取り付けられる。
つまり、本実施の形態における回転可能に取り付けられるとは、正極端子カバー本体部300aを正極端子カバー支持部200aに対してスライドさせるなどにより回転させるのではなく、正極端子カバー支持部200aに対して、正極端子カバー本体部300aを取り外して、取り付け角度を変化させて取り付けることができる構成を指している。
なお、第一支持部嵌合部211〜214と本体部嵌合部321及び322とは、嵌合可能な構成であれば、配置位置や形状は特に限定されない。例えば、第一支持部嵌合部211〜214が突出状の部位であり、本体部嵌合部321及び322に開口部が形成されている構成などでもかまわない。
ただし、正極端子カバー本体部300aを正極端子カバー支持部200aから取り外し易くする観点から、本体部嵌合部321及び322は、正極端子カバー本体部300aの対向する面に配置されるのが好ましい。つまり、正極端子カバー本体部300aの隣接する面に一対の嵌合部を配置した場合には、正極端子カバー本体部300aをつまんでも当該嵌合部を変位させるのが困難である。これに対し、本実施の形態の構成においては、正極端子カバー本体部300aの対向する面同士を指で挟むことで、当該対向する面にある本体部嵌合部321及び322がそれぞれ変位し、例えば第一支持部嵌合部211及び212から抜けやすくなる。
ここで、本体部開口部324は、正極外部端子400aに接続される導電部材410aが挿通される矩形状の開口部である。つまり、本体部開口部324が異なる位置に配置されるように、正極端子カバー本体部300aが正極外部端子400aに対して回転可能に取り付けられることで、導電部材410aを正極外部端子400aに対して回転可能に接続することができる。
なお、正極外部端子400aに大電流を流すために本体部開口形成部323に大きな導電部材410aを挿通させる必要がある場合がある。この場合には、図8に示すように、本体部開口形成部323を切り取ることにより、本体部開口部324の面積を広げ、大きな導電部材410aを挿通することができる構成となっている。
つまり、本体部開口形成部323は、正極端子カバー本体部300aの本体部側面部320から分離可能に形成されており、分離することで本体部開口部324の大きさを広げることができる矩形状の部位である。
また、図7に示すように、正極端子カバー支持部200aの第二支持部嵌合部215及び第三支持部嵌合部216は、第三外装体14の第三外装体本体100と嵌合する突出状の嵌合部である。具体的には、第二支持部嵌合部215及び第三支持部嵌合部216は、支持部本体210の第三外装体本体100側(X軸方向プラス側)の面から、第三外装体本体100の方向に向けて突出した部位である。
第二支持部嵌合部215は、Y軸方向に並んで配置された3つの突出状の部位から構成されている。この3つの突出状の部位は、下方(Z軸方向マイナス側)に向けて突出の高さが低くなる形状を有している。なお、第二支持部嵌合部215を構成する突出状の部位の個数は、3つには限定されない。
第三支持部嵌合部216は、第二支持部嵌合部215の上方(Z軸方向プラス側)に配置され、内方に矩形状の支持部開口部217が形成された角筒形状の突出部である。つまり、第二支持部嵌合部215及び第三支持部嵌合部216は、上下方向(Z軸方向)に並んで配置されている。
この構成により、第二支持部嵌合部215と第三支持部嵌合部216との間に、第三外装体本体100の正極端子カバー取付部121が挿入されて、第二支持部嵌合部215及び第三支持部嵌合部216と正極端子カバー取付部121とが嵌合される。なお、第二支持部嵌合部215及び第三支持部嵌合部216は、正極端子カバー取付部121に固定可能な形状であれば、どのような形状であってもかまわない。
支持部開口部217は、正極外部端子400aが挿入されて配置される矩形状の開口部(貫通孔)である。この支持部開口部217に正極外部端子400aが挿入された状態で、正極端子カバー支持部200aが第三外装体本体100に取り付けられて、正極外部端子400aが第三外装体本体100の正極端子用開口部121aに配置される。
また、図6に示すように、壁部220は、支持部本体210から立ち上がるように突出して形成された壁状の部位である。具体的には、壁部220は、支持部本体210のY軸方向マイナス側寄りの箇所から、X軸方向マイナス側に向けて突出して形成された矩形状かつ平板状の部位である。
ここで、壁部220は、正極外部端子400aと第一導電部材との間に配置される部位である。本実施の形態では、壁部220は、正極外部端子400aと第二外装体30の端子保護部31との間に配置される。なお、壁部220は、正極外部端子400aと他の導電部材との間に配置されてもよい。また、壁部220は、壁部突出部221を有しており、壁部突出部221は、壁部突起部222を有している。
壁部突出部221は、壁部220から第一導電部材(本実施の形態では、第二外装体30の端子保護部31)に向けて突出する突出部である。具体的には、壁部突出部221は、壁部220のZ軸方向の中央部分において、X軸方向に延びるとともに、Y軸方向に突出した長尺状かつ矩形状の突出部である。また、壁部突出部221は、端子保護部31が配置される側(Y軸方向マイナス側)に突出し、正極外部端子400aが配置される側(Y軸方向プラス側)には凹んだ形状となっている。
このように、正極端子カバー支持部200aが壁部220に壁部突出部221を有していることで、正極外部端子400aが配置される側にスペースが生じる。このため、図10に示すように、導電部材410aに代えて、外径の大きい丸圧着端子420(例えば、60sqの丸圧着端子)を正極外部端子400aに取り付けることができる。図10は、本発明の実施の形態に係る正極端子カバー支持部200aに外径の大きい丸圧着端子420を配置した構成を示す平面図である。
壁部突起部222は、壁部突出部221の凹んでいる側に形成された長尺状の突起である。つまり、壁部突起部222は、壁部突出部221のY軸方向プラス側の面のZ軸方向の中央部分において、X軸方向に直線状に延びる長尺状の突出部である。
また、壁部突起部222は、先端部(X軸方向マイナス側の端部)に向けて突出の高さが低くなる形状を有している。これにより、正極端子カバー支持部200aに大きな正極外部端子400aを取り付ける場合でも、できるだけ正極外部端子400aが壁部突起部222に接触しにくいようにする(入口を広くすることで、正極外部端子400aを、正極端子カバー支持部200aに取り付け易くする)ことができ、かつ、補強としての機能を発揮することができる。また、同様に、外径の大きい丸圧着端子420についても、壁部突起部222に接触しにくいようにする(取り付け易くする)ことができる。
なお、壁部220、壁部突出部221及び壁部突起部222の配置位置や形状は、特に限定されない。例えば、壁部突出部221は、円弧形状に突出した形状などを有していてもよいし、壁部突起部222は、先端部に向けて突出の高さが高くなるような形状などを有していてもかまわない。
次に、第三外装体14に、正極端子カバー支持部200a及び正極外部端子400aと、負極端子カバー支持部200b及び負極外部端子400bとが取り付けられた状態での構成について、詳細に説明する。
図11及び図12は、本発明の実施の形態に係る第三外装体14に正極端子カバー支持部200a及び負極端子カバー支持部200bが取り付けられた状態での構成を示す斜視図である。具体的には、図11は、第三外装体14の第三外装体本体100に、正極端子カバー支持部200a及び正極外部端子400aと、負極端子カバー支持部200b及び負極外部端子400bとが取り付けられた状態での構成を示す斜視図である。また、図12は、蓄電装置1から、正極端子カバー本体部300a及び負極端子カバー本体部300bを取り外した状態での構成を示す斜視図である。
なお、第三外装体14の第三外装体本体100に正極端子カバー支持部200a及び正極外部端子400aが取り付けられた状態での構成と、第三外装体本体100に負極端子カバー支持部200b及び負極外部端子400bが取り付けられた状態での構成とは、同様(左右対称)の構成を有するため、以下では、正極側についての構成の説明を主に行い、負極側についての構成の説明は簡略化または省略する。
まず、図11に示すように、正極端子カバー支持部200aは、第三外装体14の第三外装体本体100に形成された開口部を塞ぐように配置される。具体的には、正極端子カバー支持部200aの支持部本体210は、第三外装体本体100に形成された内蓋取付用開口部123を塞ぐように配置される。なお、正極端子カバー支持部200aは、第三外装体本体100に形成された開口部の全部を塞ぐことには限定されず、当該開口部の一部のみを塞ぐように配置されてもかまわない。
また、図12に示すように、第二外装体30の端子保護部31及び32は、正極外部端子400a及び負極外部端子400bの保護の観点から、正極外部端子400aと負極外部端子400bとの間に配置される。さらに詳細に説明すると、正極外部端子400aと負極外部端子400bとを結ぶ直線上に、複数の端子保護部31及び32を設けることで、正極外部端子400aと負極外部端子400bとを結ぶ直線上の領域を、外部からの衝撃(X軸方向プラス側への衝撃)から保護することができる。
ここで、コネクタ720は、ユーザによる使い易さや基板610との接続のし易さなどの観点から、蓄電装置1の前面かつ上部の中央部分に配置されるのが好ましい。このため、第二外装体30の端子保護部31及び32は、コネクタ720の両側方に配置されることとなる。
これにより、第二外装体30の端子保護部31及び32は、正極外部端子400a及び負極外部端子400bと近い位置に配置されることとなる。このため、端子保護部31と正極外部端子400aとの間の絶縁性を向上させるために、正極外部端子400aと端子保護部31との間に、壁部220が配置される。負極側についても、同様である。
また、上述の通り、壁部220の壁部突出部221は、第二外装体30の端子保護部31に向けて突出している。
また、蓄電装置1の移動時に使用するために、蓄電装置1下部の第一外装体20には、取っ手21が配置されている。この取っ手21によって、正極外部端子400a及び負極外部端子400bなどにX軸方向プラス側への衝撃が加わった際に、端子保護部31及び32とで、当該衝撃を面で受け止める(3点で受け止める)ことができる。ここで、取っ手21の高さ(X軸方向マイナス側への突出高さ)は、端子保護部31及び32と同程度としている。なお、第一外装体20には、取っ手21に代えて単なる突起状の部位が配置されていてもよい。
ここで、同図では、導電部材410aは、正極端子カバー支持部200aからY軸方向プラス側に突出して配置されているが、正極端子カバー支持部200aからZ軸方向プラス側またはマイナス側に突出して配置されることにしてもよい。例えば、蓄電装置1を上下方向(Z軸方向)に複数並べる場合、導電部材410aが正極端子カバー支持部200aからZ軸方向プラス側またはマイナス側に突出して配置されるのが好ましい。
この場合でも、図9に示したように、正極端子カバー本体部300aを、本体部開口部324がZ軸方向プラス側またはマイナス側に配置されるように、正極端子カバー支持部200a及び正極外部端子400aに対して回転させて取り付けることができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、絶縁性の正極外部端子カバー10aと、第一導電部材(蓄電素子500の容器510、または外装体を構成する例えば第二外装体30)とを備えている。また、正極外部端子カバー10aは、正極外部端子400aに接続される導電部材410aが挿通される本体部開口部324が形成された正極端子カバー本体部300aを有している。また、正極端子カバー本体部300aは、本体部開口部324が異なる位置に配置されるように正極外部端子400aに対して回転可能に取り付けられる。
これにより、導電部材410aが挿通される本体部開口部324が形成された正極端子カバー本体部300aが、正極外部端子400aに対して回転可能に取り付けられるため、正極外部端子400aに接続される導電部材410aの配置の自由度を確保することができる。
また、正極外部端子カバー10aに複数の開口部を設ける必要がないため、正極外部端子カバー10a外方の第一導電部材と正極外部端子400aとの間の絶縁性が低下するのを抑制することができる。すなわち、本実施の形態では、正極外部端子カバー10aの側面には、導電部材410aが挿通される本体部開口部324以外には、開口部は設けられていない。
このように、蓄電装置1によれば、正極外部端子400aと接続される導電部材の配置の自由度を確保しつつ、正極外部端子カバー10a外方に配置されている他の導電部材と正極外部端子400aとの間の絶縁性の低下を抑制することができる。特に、蓄電素子500の容器510は金属製のケースであるため、蓄電素子500と正極外部端子400aとが短絡するのを防ぐことができる。
また、正極外部端子カバー10aに複数の開口部を設ける必要がないため、当該開口部から、金属や水滴などの異物が混入するのを防ぐことができ、また、ユーザが指を入れてしまう危険性を防止することができ、さらに、正極外部端子カバー10aの強度が低下するのを防ぐことができる。
また、正極外部端子カバー10aは、正極外部端子400aと第二外装体30の端子保護部31との間に壁部220を有しているため、正極外部端子400aと、正極外部端子カバー10a外方に配置されている導電部材との間の絶縁性の低下を、さらに抑制することができる。
また、正極外部端子400aと端子保護部31との間に本体部開口部324が配置された場合でも、壁部220によって、本体部開口部324を塞ぐことができる。このため、正極外部端子400aと接続される導電部材が、端子保護部31及び32の方へ向けて取り付けられるのを防ぐことができる。
また、正極外部端子カバー10aの壁部220は、壁部突出部221を有しているため、壁部突出部221によって壁部220の強度を向上させることができる。
また、正極外部端子カバー10aの壁部220の壁部突出部221は、第二外装体30の端子保護部31に向けて突出しているため、壁部220の端子保護部31とは反対側、つまり正極外部端子400aが配置されている側に、スペースを確保することができる。このため、正極外部端子400aに接続される導電部材の大きさが大きい場合でも、当該導電部材を配置するスペースを確保することができる。
また、正極外部端子カバー10aの壁部220の壁部突出部221は、凹んでいる側に、長尺状の壁部突起部222を有しているため、壁部突起部222によって壁部220の強度をさらに向上させることができる。
また、第二外装体30の端子保護部31及び32は、正極外部端子400a及び負極外部端子400bを衝突の衝撃から保護する等の目的で、正極外部端子400aと負極外部端子400bとの間に配置されている。このように端子保護部31及び32が配置されている場合でも、蓄電装置1によれば、端子保護部31及び32と、正極外部端子400a及び負極外部端子400bとの間の絶縁性の低下を抑制することができる。
また、端子保護部31及び32を、正極外部端子400a及び負極外部端子400bよりも蓄電装置1の外方へ突出して配置することで、正極外部端子400a及び負極外部端子400bを衝突の衝撃などから保護することができる。
また、正極外部端子カバー10aは、第三外装体14に固定された正極端子カバー支持部200aを有しており、正極端子カバー支持部200aに正極端子カバー本体部300aが取り付けられるため、正極端子カバー本体部300aを第三外装体14に対して固定することができる。
また、正極外部端子カバー10aの正極端子カバー支持部200aは、第三外装体14と嵌合する突出状の第二支持部嵌合部215及び第三支持部嵌合部216を有しているため、正極端子カバー支持部200aを第三外装体14にしっかりと固定することができる。特に、正極端子カバー支持部200aが第三外装体14にしっかりと固定されていない場合には、導電部材410aを正極外部端子400aに接続する際に、正極外部端子400aが動き、正極外部端子400aに接続されている蓄電素子500に影響を及ぼす等の不具合が生じる。このため、正極端子カバー支持部200aを外装体にしっかりと固定することができることで、導電部材410aを正極外部端子400aに接続する際などに正極外部端子400aが動くのを抑制し、蓄電素子500等への影響を軽減することができる。
また、正極端子カバー支持部200aは、第三外装体14に形成された開口部(例えば内蓋取付用開口部123)を塞ぐように配置されるため、当該開口部を挟んだ2つの導電部材の間の絶縁距離を長くすることができ、当該2つの導電部材の間に必要な絶縁距離を確保することができる。
また、正極端子カバー支持部200aは、正極端子カバー本体部300aの一対の嵌合部(本体部嵌合部321及び322)と嵌合する二対の嵌合部(第一支持部嵌合部211〜214)を有している。つまり、正極端子カバー本体部300aが一対の嵌合部を有するのに対し、正極端子カバー支持部200aが一対の嵌合部を複数有することで、正極端子カバー本体部300aを正極端子カバー支持部200aに対して回転可能に取り付けることができる。このため、正極端子カバー本体部300aの本体部開口部324が正極外部端子400aに対して異なる位置に配置されるように、正極端子カバー本体部300aを正極外部端子400aに対して回転可能に取り付けることができる。
なお、上記では、正極側についての効果を説明したが、負極側の効果についても、同様である。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、正極外部端子400a及び負極外部端子400bに正極外部端子カバー10a及び負極外部端子カバー10bが設けられており、外部の導電部材との間の絶縁性の低下を抑制することとした。しかし、蓄電素子500の正極端子530及び負極端子540の少なくとも一方に端子カバーが設けられており、外部の導電部材との間の絶縁性の低下を抑制することにしてもよい。この場合、蓄電素子500の容器510または容器蓋部520は、蓄電素子500の容器を構成する導電性の部材であり、特許請求の範囲に記載の「第一導電部材」に包含される。なお、当該第一導電部材として、金属製の排ガスダクト、または、端子カバーを取り付ける蓄電素子500には接続されていないバスバー(他の蓄電素子500同士を接続しているバスバー)なども考えられる。
また、上記実施の形態では、正極外部端子カバー10aと負極外部端子カバー10bとは、同様の構成を有することとした。しかし、上記実施の形態の構成を有するのは、正極外部端子カバー10aまたは負極外部端子カバー10bのいずれか一方であることにしてもかまわない。
また、上記実施の形態では、正極端子カバー支持部200aは、正極端子カバー本体部300aの一対の嵌合部と嵌合する二対の嵌合部を有していることとした。しかし、正極端子カバー支持部200aは、正極端子カバー本体部300aの一対の嵌合部と嵌合する三対以上の嵌合部を有していることにしてもよい。嵌合部の数が多いほど、正極端子カバー本体部300aを正極端子カバー支持部200aに対して取り付ける際の回転の自由度が向上し、正極外部端子400aに接続される導電部材410aの配置の自由度を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、正極端子カバー本体部300aは、正極端子カバー支持部200aと嵌合することで、正極端子カバー支持部200aに固定されることとした。しかし、正極端子カバー本体部300aは、正極端子カバー支持部200aに、ネジ止めなどによって固定されることにしてもかまわない。
また、上記実施の形態では、正極外部端子カバー10aは、第三外装体14と嵌合することで、第三外装体14に固定されることとした。しかし、正極外部端子カバー10aは、第三外装体14に、接着剤や熱溶着などによる接合やネジ止めなどによって固定されることにしてもかまわない。
また、上記実施の形態では、正極外部端子カバー10aは壁部220を有し、壁部220は壁部突出部221を有し、壁部突出部221は壁部突起部222を有していることとした。しかし、壁部突出部221は壁部突起部222を有していなくともよいし、壁部220は壁部突出部221を有していなくともよいし、正極外部端子カバー10aは壁部220を有していなくともよい。また、壁部220、壁部突出部221及び壁部突起部222の形状についても、上記実施の形態における形状には限定されない。
また、上記実施の形態では、正極端子カバー本体部300aは、正極端子カバー支持部200aと嵌合する2つの嵌合部(本体部嵌合部321及び322)を有していることとした。しかし、正極端子カバー本体部300aは、1つの嵌合部しか有しておらず、当該1つの嵌合部にて、正極端子カバー支持部200aと嵌合する構成でもかまわない。
また、上記実施の形態では、正極端子カバー本体部300aの形状(図8のX軸方向から見た形状)は、四角形状を有していることとしたが、当該形状は特に限定されず、多角形状や円形状であってもかまわない。
また、上記実施の形態では、正極端子カバー本体部300aの側面のうち、導電部材410aが挿通される本体部開口部324が形成されている側面以外には、開口部は形成されていないこととした。しかし、正極端子カバー本体部300aの側面のうち、開口部が形成されていない側面が少なくとも1つあればよく、正極端子カバー本体部300aの側面に複数の開口部が設けられていてもよい。この場合、当該複数の開口部のうちの一部の開口部に、導電部材410aが挿通されていればよい。これによっても、正極端子カバー本体部300aの全ての側面に開口部が形成されているのではないため、正極外部端子カバー10a外方に配置されている導電部材と正極外部端子400aとの間の絶縁性の低下を抑制することができる。
また、上記実施の形態では、正極端子カバー本体部300aの嵌合部を正極端子カバー支持部200aの嵌合部に嵌め込んで、正極端子カバー本体部300aを正極端子カバー支持部200aに取り付けることとした。しかし、正極端子カバー本体部300aは、本体部開口部324が異なる位置に配置されるように、正極端子カバー支持部200aに回転可能に取り付けられる構成であればよい。つまり、例えば、正極端子カバー支持部200aに対して正極端子カバー本体部300aをスライドさせて回転させることにより、本体部開口部324が異なる位置に配置されるような構成でもかまわない。