JP6221923B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤保護用として、オリゴマーおよび紫外線吸収剤の析出が少なく、遮光性およびガスバリア性を有する離型フィルムに関するものであり、例えば、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)に用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種粘着剤層保護用途に好適な離型フィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが、LCD用偏光板、位相差板製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用等、各種光学用途に使用されている。離型フィルム使用上の問題点として、高温下、離型層表面に基材由来のオリゴマーや添加物が析出し製造工程内において各種不具合を生じることが挙げられる。
例えば、LCD用偏光板の製造工程を一例に挙げると、当該製造工程は、粘着剤層を介して離型フィルムと偏光板が貼り合わされてロール状に巻き取られる工程を含んでいる。この場合、オリゴマーは粘着剤塗布後の乾燥工程を経て析出するものと考えられる。離型層表面に析出するオリゴマーは、貼り合わせている相手方粘着剤層表面へ転着し、オリゴマーが付着した粘着剤層付きの偏光板をガラス基板と貼り合わせてLCDを製造した場合、得られるLCDの輝度が低下する等の不具合を生じる場合がある。
近年、LCDの視認性向上を目的として表示画面の輝度をより高くする傾向があり、上記不具合が深刻な問題となってきている。
一方、離型フィルムと偏光板が張り合わされた状態で輸送等により高温多湿環境や紫外線に晒されることがあり、偏光板や粘着剤の劣化等の不具合を生じる場合がある。
特開平5−194768号公報 特開平9−323392号公報 特開昭52−32030号公報 特開2002−200701号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、良好な遮光性およびガスバリア性を有し、オリゴマーおよび紫外線吸収剤の析出量が極めて少ない離型フィルムを提供することが可能となり、例えば、LCD用偏光板、位相差板等の液晶構成部材製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種粘着剤層保護用途に好適な離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、蒸着層および離形層を順次積層した離型フィルムであり、積層ポリエステルフィルムの最外層以外のいずれかの層中に紫外線吸収剤を含有し、波長380nmにおける光線透過率が10.0%以下であることを特徴とする離型フィルムに存する。
本発明の離型フィルムによれば、オリゴマーおよび紫外線吸収剤の析出が少なく、特に380nm以下の波長領域における光線透過率および水蒸気透過率が小さいため、貼り合わせた粘着剤の長期保管性が良好である離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
本発明でいう離型フィルムを構成するポリエステルフィルムとは、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出されたシートを延伸したフィルムである。
上記のポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。
本発明におけるポリエステルフィルムには、取り扱いを容易にするために透明性を損なわない条件で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また粒子を添加する方法としては、原料とするポリエステル中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、2つの方法を併用してもよい。
用いる粒子の粒径は、通常0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜4.0μmである。平均粒径が5.0μmより大きいとフィルムのヘーズが大きくなり、フィルムの透明性が低下することがある。平均粒径が0.1μmより小さいと表面粗度が小さくなりすぎて、フィルムの取り扱いが困難になる場合がある。粒子含有量は、ポリエステルに対し、通常0.001〜30.0重量%であり、好ましくは0.01〜10.0重量%である。粒子含有量が多いとヘーズが大きくなり、フィルムの透明性が低下することがあり、粒子含有量が少ないとフィルムの取り扱いが困難になる場合がある。
ポリエステルに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混錬押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混錬押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明において、ポリエステルフィルムは3層以上の多層構成である必要がある。2層以下の構成の場合、ポリエステルフィルム中に含有させた紫外線吸収剤が容易に析出してしまう。
本発明では、ポリエステルフィルムが紫外線吸収剤を積層ポリエステルフィルムの最外層以外のいずれかの層に含有している必要がある。
ポリエステルフィルム中に含有される紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤および無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性およびポリエステルに含有させることができるとの観点から、本発明においては、有機系紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、例えば、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等、ベンゾフェノン系、例えば、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−オクトキベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2,2´ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメ
トキシベンゾフェノン等、ベンゾトリアゾール系、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´5´−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´5´−ジt−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等、天然物系、例えば、オリザノール、シアバター、バイカリン等、生体系、例えば、角質細胞、メラニン、ウロカニン酸等が挙げられる。これら有機系紫外線吸収剤を2種類以上併用して用いることができる。これらの中でも、ベンゾオキサジン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物は、ポリエステルフィルムとの相溶性が良く、配合量が比較的少ない量で3 8 0 n m の光線透過率を低減させることができるので好ましい。ベンゾオキサジン系化合物の例としては、2 , 2 − ( 1 , 4 −フェニレン) ビス[ 4 H − 3 , 1 − ベンゾオキサジン− 4 − オン] が挙げられる。
紫外線吸収剤をポリエステルフィルムに配合する方法として、紫外線吸収剤を押出機に直接添加する方法、あらかじめ紫外線吸収剤を練り込んだポリエステル樹脂を押出機に添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、2つの方法を併用してもよい。
紫外線吸収剤のポリエステルフィルムへの添加量は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.10〜3重量%である。紫外線吸収剤の添加量が0.01重量%未満では、紫外線を吸収する能力が劣る傾向があり、また、10重量%を超える場合には、ポリエステルフィルムの機械的強度が低下する傾向がある。
本発明の離型フィルムにおいては、波長380nmにおける光線透過率が10.0%以下、好ましくは5.0%以下である。波長380nmにおける光線透過率が10.0%を超える場合、紫外線から各種粘着剤を保護する観点から好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムにおいては、波長550nmにおける光線透過率が80.0%以上であることが好ましい。波長550nmにおける光線透過率が80.0%より小さくなると、離型フィルムとしての光線透過率が低下する傾向がある。
本発明では、必要に応じて他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、などが挙げられる。
本発明においては、公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移点以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化することが好ましい。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に80〜130℃で1.3〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で1.3〜6倍延伸を行い。150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが通常5〜250μm、好ましくは12〜188μmである。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
次に本発明における蒸着層の形成について説明する。蒸着層を構成する物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物、ダイヤモンドライクカーボン又はこれらの混合物等が挙げられる。
また、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム及びこれらの混合物は、高い防湿性が安定に維持できる点で好ましく、これらの中でも、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
蒸着層の形成方法としては、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)等の方法がいずれも含まれる。物理気相蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。原子層蒸着は、真空容器内に設置した基板上に、原料化合物の分子をモノレイヤーごとに表面へ吸着、反応による成膜、パージによる余剰分子の除去、のサイクルを繰り返し行うことによって、原子層を一層ずつ積み上げる手法である。
また、上記蒸着層は、蒸着層は単層のほか、多層であってもよく、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いてもよいし、各層ごとに異なる成膜法を用いてもよいが、いずれも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
また、蒸着層が多層の場合、各層は同じ物質からなっていても、異なる物質からなっていてもよい。
蒸着層の厚さは、高いガスバリア性およびオリゴマー封止性の発現の点から、10〜500nmであることが好ましく、30〜100nmがより好ましい、10nm未満の場合、蒸着膜が不連続に形成され、十分なガスバリア性が得られないことがあり、蒸着膜のない部分から析出物が発生してしまうこともある。また、500nmを上回る場合は容易に蒸着膜にクラックが入ってしまう恐れがある。
また、蒸着層を設けるポリエステルフィルムには、あらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
次に本発明における離型層の形成について説明する。本発明における離型フィルムを構成する離型層とは、離型性を有する層のことを指し、具体的にはアクリル系粘着テープと離型層との剥離力(F)が通常5〜500mN/cm、好ましくは10〜300mN/cmの範囲であるのが、本発明の用途上、好ましい。
また、本発明における離型フィルムを構成する離型層は、離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、GE東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコーニング(株)製SRX357、SRX211、SD7220、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452等が例示される。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来公知の装置、エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量は塗工性の面から、通常0.005〜1g/m2、好ましくは0.005〜0.5g/m2の範囲である。塗工量が0.005g/m2未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/m2を超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
本発明における離型フィルムに関して、離型層が設けられていない面には本発明の主旨を損なわない範囲において、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
<蒸着層の膜厚測定方法>
蒸着層の膜厚の測定は蛍光X線を用いて行った。この方法は、原子にX線を照射すると、その原子特有の蛍光X線を放射する現象を利用した方法で、放射される蛍光X線強度を測定することにより原子の数(量)を知ることができる。具体的には、フィルム上に厚みが既知の薄膜を複数点、形成し、それぞれについて放射される特定の蛍光X線強度を測定し、この情報より検量線を作成する。測定試料について同様に蛍光X線強度を測定し、検量線からその膜厚を求めた。
<光線透過率の測定方法>
分光光度計(株式会社日立ハイテクフィールディング製U-3310)により、スキャン速度を300nm/min、サンプリングピッチを1nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、380nmの波長での光線透過率を検出した。
<水蒸気透過率の測定方法>
JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法」の諸条件に準じ、下記手法で評価した。厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、パイレンP1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製のAD900とCAT−RT85とを10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成し、次いで、該接着剤層上に測定対象のフィルムとラミネートし水蒸気透過率測定用積層体を作成した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の水蒸気透過率用積層体を2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した(表には、7日目における水蒸気透過率の値を示す。)。
水蒸気透過率(g/m/24h)=(m/s)/t
(上記式中、mは試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)、sは透湿面積(m)、tは試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)をそれぞれ意味する)
<湿熱処理後における離型フィルムの剥離力上昇率(ΔF)測定方法>
あらかじめ試料フィルムを温度80℃相対湿度90%の雰囲気に2週間保持した。次に試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行って剥離力を求めた(F1)。さらに湿熱処理を行わない以外は同様にして剥離力(F2)を測定した。得られた各剥離力値を用いて、湿熱処理前後における剥離力の変化率(ΔF)を求めた後、下記判定基準により、判定を行った。
ΔF(%)=(湿熱処理後の剥離力(F1)―湿熱処理前の剥離力(F2))/湿熱処理前の剥離力(F1))×100
《判定基準》
○:ΔFが20%未満(実用可能なレベル)
△:ΔFが20%以上、50%未満(実用困難な場合があるレベル〉
×:ΔFが50%以上(実用困難なレベル)
<離型フィルム表面への析出物の評価方法>
得られた離型フィルムをギアーオーブン(エスペック社製 GHPS-222)で150℃30分間加熱後、離型層面を顕微鏡(キーエンス社製 VH-Z250R)にて300倍で観察した。次の3ランクに分けてオリゴマーおよび紫外線吸収剤の析出について評価した。
○:析出物を観察することができない
×:析出物が観察できる
○が本発明の効果が期待できるレベルである。×は実用上問題が発生しやすく好まし
くないレベルである。
得られた離型フィルムの離型層の上に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように、アプリケータを用いて塗工した後、その塗工膜を120℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル酸ブチルとアクリル酸とのモノマー基準の質量比が99:1の共重合体溶液(溶媒:トルエン、固形分濃度40質量%)100質量部に、ポリイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5質量%)1質量部を添加混合して得られたものであった。次いで、ガラス板に粘着剤面で貼り合せ、温度80℃相対湿度90%の雰囲気に500時間保持し耐久性試験を行った。耐久試験の後、離型フィルムを剥がし、目視にて浮きや剥がれの有無を観察し、浮きや剥がれを認められないものを○、浮きや剥がれを認められるものを×とした。
実施例1:
(ポリエステルチップの製造法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステル(A)を得た。得られたポリエステルチップの溶液粘度IVは、0.66であった。
(ポリエステルBの製造方法)
上記ポリエステル(A)を製造する際、平均粒径2μmの非晶質シリカを1000ppm添加し、ポリエステル(B)を作成した。
(ポリエスエルCの製造方法)
上記ポリエステル(A)を製造する際、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン]を10重量%濃度となるように添加してポリエステル(C)を作成した。
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステル(A)、(C)をそれぞれ89重量%、11重量%の割合で混合した混合原料をB層用の原料とし、ポリエステル(B)をA層用の原料とし、A層およびB層用原料をそれぞれ別個の溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.2倍延伸した。その後以下に示した塗布剤をX層側に塗布した後テンターに導き、さらにテンター内で予熱工程を経て90℃で横方向に4.0倍延伸、215℃で10秒間の熱処理を行い、厚さ25μmのポリエステルフィルムを得た。このフィルムの厚み構成は2μm/34μm/2μmであった。塗布層の厚みは0.08μmであった。
(塗布剤の組成:重量比)
a/b/c/d=47/20/30/3
ここで、aは、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21(モル比)のポリエステル分散体;bは、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリルニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤);cは、ヘキサメトキシメチルメラミン(メラミン系架橋剤);dは、粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体(無機粒子)である。
(蒸着層の形成)
真空蒸着装置を使用して2×10−3Paの真空下でSiOを抵抗加熱方式で蒸発させ、厚さ30nmのSiO薄膜を形成し、蒸着層を形成した。
(離型層の形成)
下記離型剤組成からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/m2になるようにリバースグラビアコート方式により塗設し、150℃、30秒間熱処理した後に離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):99重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈し、濃度2重量%の塗布液を作成した。
実施例2:
実施例1において、B層用の原料としてポリエステル(A)、(C)をそれぞれ91.5重量%、8.5重量%の割合で混合した原料を使用する以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
実施例3:
実施例1において、蒸着層の厚みを10nmとした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
実施例4:
実施例2において、蒸着層の厚みを10nmとした以外は実施例2と同様にして離型フィルムを得た。
比較例1:
実施例1において、B層用の原料としてポリエステル(A)、(C)をそれぞれ93重量%、7重量%の割合で混合した原料を使用し、蒸着層の厚みを5nmとした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
比較例2:
実施例1において、B層用の原料としてポリエステル(A)、(C)をそれぞれ91.5重量%、8.5重量%の割合で混合した原料を使用する以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
比較例3:
実施例1において、A層用の原料としてポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ80%、20%、0%の割合で混合した原料を使用し、B層用の原料としてポリエステル(A)を使用し、蒸着層の厚みを10nmとした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
Figure 0006221923
本発明のフィルムは、離型フィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、蒸着層および離形層を順次積層した離型フィルムであり、積層ポリエステルフィルムの最外層以外のいずれかの層中に紫外線吸収剤を含有し、波長380nmにおける光線透過率が10.0%以下であることを特徴とする離型フィルム。
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