JP6286864B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は透明プラスチックフィルムからなる基材上の少なくとも片面に、ガスバリア層を積層したガスバリア性フィルムであって、透明プラスチックフィルムのリタデーションが3000nm〜30000nmであることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。特にフレキシブルディスプレイ用の基板として用いた場合、透明性に優れるとともに、水蒸気バリア性に優れ、かつサングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性の低下を改善する。
本発明は、ガスバリア性フィルムに関するものである。特に、透明性、水蒸気バリア性に優れ、サングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性を要求されるガスバリア性フィルムに関する。
透明プラスチックフィルムからなる基材上に、透明で、かつガスバリア性を有する薄膜を積層したガスバリア性フィルムは、食品包装用途を中心に広く使用されている。
一方、液晶ディスプレイ、有機ELなどの表示ディスプレイが近年、急速に普及してきた結果、軽量化、割れない、フレキシブルという観点からガラス基材を透明プラスチックフィルムで代替したいという要望が強くなっている。
しかしながらガラス基材を透明プラスチックフィルムに置き換えた場合、水分が透明プラスチックフィルムを透過するため、デバイスが劣化してしまう。このため、ガスバリア層を有する透明プラスチックフィルムが必要となるが、従来の食品包装用途に用いられるガスバリア性フィルムでは、水分の遮断性が不十分であり、デバイスの劣化を抑制することは困難であった。
このような表示ディスプレイ、太陽電池などのエネルギーデバイスに使用することを目的として、高分子フィルムの少なくとも片面に硬化樹脂層と金属酸化物層を設けた水蒸気透過度が0.1g/m/day未満のガスバリア性フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、液晶ディスプレイをサングラス等の偏光フィルタを介して視認する機会が増加している。一般的に流通している市販の汎用的なフィルムをガスバリア性支持体フィルムとして液晶ディスプレイ内に組み込んだ場合、サングラスを介して液晶ディスプレイの画面を観察すると強い干渉色が現れることがあった。
特開2006−281505号公報
すなわち、本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、透明性、水蒸気バリア性に優れ、かつサングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性の低下を改善することを目的としたガスバリア性フィルムを提供することにある
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができたガスバリア性フィルムとは、以下の構成よりなる。
項1. 透明プラスチックフィルムからなる基材上の少なくとも片面に、ガスバリア層を積層したガスバリアフィルムであって、透明プラスチックフィルムのリタデーションが3000nm〜30000nmであることを特徴とするガスバリア性フィルム。
項2.ガスバリア層が無機薄膜層からなり、無機薄膜層の膜厚が10〜200nmであることを特徴とする項1記載のガスバリア性フィルム。
項3.無機薄膜層がAlを含有することを特徴とする項1または2記載のガスバリア性フィルム。
項4.前記無機薄膜層が反応性スパッタリング法によるインピーダンス制御法により形成されたことを特徴とする項2又は3に記載のガスバリア性フィルム。
本発明はガスバリア性フィルムに関するものである。特に液晶ディスプレイ、有機ELなどのフレキシブルディスプレイ用の基板として用いた場合、透明性、水蒸気バリア性に優れ、偏光フィルタを介して視認した場合に生じる虹斑に代表される画質の低下が軽減され、液晶ディスプレイ等の画層表示装置の視認性が改善される。尚、本書において、「虹斑」とは、「色斑」、「色ずれ」及び「干渉色」を含む概念である。
本発明のガスバリアフィルムの説明図である。
本発明のガスバリア性フィルムは、透明プラスチックフィルムからなる基材上の少なくとも片面に、ガスバリア層を積層したガスバリア性フィルムであって、透明プラスチックフィルムのリタデーションが3000nm〜30000nmであることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
以下、各層別に詳細に説明する。
(透明プラスチックフィルムからなる基材)
本発明に用いる透明プラスチックフィルム基材は、高リタデーション配向フィルムであることが好ましい。
<配向フィルムのリタデーション>
高リタデーション配向フィルムのリタデーションは、虹斑を低減するという観点から、3000nm以上30000nm以下であることが好ましい。高リタデーション配向フィルムのリタデーションの下限値は、好ましくは4500nm以上、好ましくは6000nm以上、好ましくは8000nm以上、好ましくは10000nm以上である。一方、高リタデーション配向フィルムのリタデーションの上限は、それ以上のリタデーションを有する配向フィルムを用いたとしても更なる視認性の改善効果は実質的に得られず、またリタデーションの高さに応じては配向フィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型化への要請に反し兼ねないという観点から、30000nmと設定されるが、更に高い値とすることもできる。画像表示装置が2枚以上の高リタデーション配向フィルムを有する場合、それらのリタデーションは同一であっても異なっていても良い。
虹斑をより効果的に抑制するという観点から、高リタデーション配向フィルムは、そのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が、好ましくは0.2以上であり、好ましくは0.5以上、好ましくは0.6以上である。厚さ方向リタデーションは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz及び△Nyzにそれぞれフィルム厚みdを掛けて得られるリタデーションの平均値を意味する。Re/Rthが大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、画面への虹斑の発生をより効果的に抑制することができる。尚、本書において、単に「リタデーション」と記載する場合は、面内リタデーションを意味する。
Re/Rthの最大値は2.0(即ち、完全な1軸対称性フィルム)であるが、完全な1軸対称性フィルムに近づくにつれて配向方向と直交する方向の機械的強度が低下する傾向がある。よって、ポリエステルフィルムのRe/Rthの上限は、好ましくは1.2以下、好ましくは1.0以下である。上記比率が1.0以下であっても、画像表示装置に求められる視野角特性(左右180度、上下120度程度)を満足することが可能である。
配向フィルムのリタデーションは、公知の手法に従って測定することができる。具体的には、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、商業的に入手可能な自動複屈折測定装置(例えば、KOBRA−21ADH:王子計測機器株式会社製)を用いて求めることもできる。
高リタデーション配向フィルムを液晶ディスプレイ等の画層表示装置内に組み込んで用いる場合、高リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(高リタデーション配向フィルムと偏光子とが同一平面状にあると仮定する)は、特に制限されないが、虹斑を低減するという観点から、45度に近いことが好ましい。例えば、前記角度は、好ましくは45度±25度以下、好ましくは45度±20度以下である。特に、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルムを介して斜め方向から観察する場合における虹斑の低減、低リタデーション配向フィルムの角度依存性をより小さくする観点から、前記角度は好ましくは45度±15度以下、好ましくは45度±10度以下、好ましくは45度±5度以下、好ましくは45度±3度以下、45度±2度以下、45度±1度以下、45度である。尚、本書において、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。即ち、前記「45度±15度以下」とは、45度を中心に上下15度の範囲の変動を許容することを意味する。
上記のような条件を満たすように高リタデーション配向フィルムを配置することは、例えば、切断された高リタデーション配向フィルムをその配向主軸が偏光子と特定の角度になるように配置する方法や、高リタデーション配向フィルムを斜め延伸することで偏光子と特定角度になるように配置する方法により行うことができる。
高リタデーション配向フィルムは、公知の手法を適宜選択して製造することができる。例えば、高リタデーション配向フィルムは、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、シクロオレフィン樹脂、液晶性ポリマー樹脂、及びセルロース系樹脂に液晶化合物を添加した樹脂から成る群より選択される一種以上を用いて製造することができる。従って、高リタデーション配向フィルムは、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、シクロオレフィンフィルム、液晶性フィルム、セルロース系樹脂に液晶化合物
が添加されたフィルムであり得る。
高リタデーション配向フィルムの好ましい原料樹脂は、ポリカーボネート、ポリエステル又はシンジオタクチックポリスチレンである。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルは固有複屈折が大きく、フィルムの厚みが薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られるので好ましい。特に、ポリエチレンナフタレートは、ポリエステルの中でも固有複屈折率が大きいことから、リタデーションを特に高くしたい場合や、リタデーションを高く保ちながらフィルム厚みを薄くしたい場合に好適である。ポリエステル樹脂を代表例として、より具体的な高リタデーション配向フィルムの製造方法を後
述する。
<高リタデーション配向フィルムの製造方法>
以下に、ポリエステルフィルムを例に、高リタデーション配向フィルムの製造方法を説明する。ポリエステルフィルムは、任意のジカルボン酸とジオールとを縮合させて得ることができる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等を挙げることができる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。
ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。ポリエステルフィルムを構成する具体的なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートであり、好ましくはポリエチレンテレフタレートである。ポリエステル樹脂は他の共重合成分を含んでも良く、機械強度の点からは共重合成分の割合は3モル%以下が好ましく、好ましくは2モル%以下、更に好ましくは1.5モル%以下である。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れる。また、これらの樹脂は、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。
ポリエステルフィルムは、一般的な製造方法に従って得ることができる。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施すことにより配向ポリエステルフィルムが挙げられる。ポリエステルフィルムは、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであっても良い。上記高リタデーション配向フィルムは斜め45度に延伸されたものであってもよい。
ポリエステルフィルムを得るための製造条件は、公知の手法に従って適宜設定することが出来る。例えば、縦延伸温度及び横延伸温度は、通常80〜130℃であり、好ましくは90〜120℃である。縦延伸倍率は、通常1.0〜3.5倍であり、好ましくは1.0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は、通常2.5〜6.0倍であり、好ましくは3.0〜5.5倍である。
リタデーションを特定範囲に制御することは、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを適宜設定することにより行うことができる。例えば、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくなる。逆に、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。また、延伸温度が高いほど、トータル延伸倍率が低いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が低いフィルムが得やすくなる。逆に、延伸温度が低いほど、トータル延伸倍率が高いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が高いフィルムが得られる。更に、熱処理温度は、通常140〜240℃が好ましく、好ましくは180〜240℃である。
ポリエステルフィルムにおけるリタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑が小さいことが好ましい。リタデーション差をつけるために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑の値が高くなる場合がある。縦厚み斑の値は延伸倍率のある特定の範囲で非常に高くなる領域があるため、そのような範囲を外すように製膜条件を設定することが望ましい。
配向ポリエステルフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。フィルムの厚み斑は、任意の手段で測定することができる。例えば、フィルムの流れ方向に連続したテープ状サンプル(長さ3m)を採取し、市販される測定器(例えば、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ ミリトロン1240)を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定し、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出することができる。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材の厚みは、15〜300μmであることが好ましく、より好ましくは20〜200μmであり、さらにより好ましくは20〜120μmであり、特に好ましくは25〜100μmである。
15μmを下回る厚みのフィルムでも、原理的には3000nm以上のリタデーションを得ることが可能である。しかし、その場合にはフィルムの力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。一方、厚みが300μmを越えると、ディスプレイの厚みが厚くなりすぎるため、適さない。
本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施してもよい。
また、本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材には、ガスバリア層との密着性向上、耐薬品性の付与、オリゴマーなどの低分子量物の析出防止、フィルムの平滑化を目的として、硬化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層を1層以上設けてもよい。
前記の硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射などのエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に限定されなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とする硬化型樹脂が好ましい。
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどから合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。必要に応じて、これらの多官能性の樹脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メチルメタクリレート、スチレンなどを加えて共重合させることができる。
また、ガスバリア層と硬化物層との付着力を向上するために、硬化物層を更に表面処理することが有効である。具体的な方法としては、グロー放電又はコロナ放電を照射する放電処理法を用いて、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基を増加させる方法、酸又はアルカリで処理する化学薬品処理法を用いて、アミノ基、水酸基、カルボニル基などの極性基を増加させる方法、などが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂は、通常、光重合開始剤を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に限定なく使用することができ、このような光重合開始剤としては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、ベンゾフェノン類などを挙げることができる。光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜5質量部とすることが好ましい。
塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することができる。例えば、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤の合計量が占める割合は、通常は20〜80質量%である。また、この塗布液には、必要に応じて、その他の公知の添加剤、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などのレベリング剤などを添加してもよい。
本発明において、調製された塗布液は透明プラスチックフィルムからなる基材上にコーティングされる。コーティング法には特に限定されなく、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法などの従来から知られている方法を使用することができる。
また、硬化物層の厚みは0.1〜15μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜8μmである。硬化物層の厚みが0.1μm未満の場合には、十分に架橋した構造が形成されにくくなるため、耐薬品性が低下しやすくなり、オリゴマーなどの低分子量による密着性の低下もおこりやすくなる。一方、硬化物層の厚みが15μmを超える場合には、生産性が低下する傾向がある。
(ガスバリア層)
本発明で用いるガスバリア層としては、SiO、Alなどの透明金属酸化物及びSiO−Al等の複合金属酸化物、SiN、AlN等の金属窒化物、SiON、AlON等の金属酸窒化物よりなる無機薄膜層が挙げられる。これらの中で透明性に優れるという観点から金属酸化物が好ましい。また、PVAなどに扁平粒子を添加した有機物によるガスバリア層も用いることが可能であるが、湿度などの環境に対するガスバリア性の安定性の観点から無機薄膜層を用いることが好ましい。
無機薄膜層の膜厚は、10〜200nmの範囲が好ましく、好ましくは20〜180nm、さらに好ましくは30〜160nmである。膜厚が厚くなると水蒸気バリア性は良好になるが100nmを超えて積層させる場合、生産性が低下する。そのため、最も好ましくは30〜100nmの範囲である。一方、無機薄膜層の膜厚が200nmよりも厚い場合、無機薄膜層の応力が大きくなり、薄い透明プラスチック基材上に設けた場合、クラックが発生しやすくなり、水蒸気バリア性が低下してしまう。また、無機薄膜層の膜厚が10nm未満の場合、連続した薄膜になりにくく、良好なガスバリア性が得られにくくなる。
本発明における無機薄膜層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができるが、膜厚のバラツキを低減するという観点からスパッタリング法が好ましい。一般的にスパッタリングで形成する場合は反応性DC又はACスパッタリング法が用いられるが、成膜速度を向上するためにDC又はAC電源の電圧値を一定に保つように反応性ガス流量を制御するインピーダンス制御又は特定元素のプラズマ中での発光強度を一定に保つように反応性ガス流量を制御するプラズマエミッション法が好ましい。インピーダンス制御法は、設備的に大掛かりにならず、プロセス安定性に優れるため、特に好ましい。
インピーダンス制御において、Arなどの不活性ガスのみを流した場合の金属モードの放電電圧を100%とし、O、Nなどの反応性ガスを流し、酸化物または窒化物モードの放電電圧を0%とした時、20〜80%の値に制御することが好ましく、特に好ましくは30〜70%である。20%よりも低い場合、成膜速度の向上の効果が小さく、生産性が劣る。一方、80%を越える場合、フィルム幅方向での膜厚の分布が生じやすくなり、好ましくない。
この時、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用したりしてもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
また、無機薄膜層を成膜する際の水分圧としては、2×10−3Pa以下が好ましく、さらに好ましくは5×10−4Pa以下である。水分圧が2×10−3Paを超える場合、無機薄膜層中に水素が取り込まれ、ネットワーク(例えば、M−O−)の成長が停止する。このため、無機薄膜層の連続性が乏しくなり、ガスバリア性が低下してしまう。
さらに、優れたガスバリア性をもった無機薄膜層を安定的に得るために、成膜装置内に光学特性(透過率、カラー)測定装置を設けることが好ましい。光学特性の測定により無機薄膜層の膜厚,酸化度が確認できる。また、膜厚測定のために蛍光X線を用いてインラインで測定することも有効である。
本願発明のガスバリア性フィルムの水蒸気透過率は1.0g/m/day未満が好ましい。好ましくは0.5g/m/day未満、さらに好ましくは0.3g/m/day未満である。1.0g/m/day以上であるとデバイスを長期使用中にデバイス中に徐々に水分が入り込み、デバイスの劣化が起こりやすく好ましくない。
(液晶ディスプレイ等の画像表示装置)
本発明のガスバリア性フィルムは、画像表示装置内の基材フィルムとして好適に用いることができる。 画像表示装置は、典型的に、視認側から視認側偏光板、画像表示セル(液晶セル)、光源側偏光板、バックライト光源を順に有する。本発明のガスバリア性フィルム、画像表示装置内の任意の場所に配置することが可能であるが、視認側偏光板のより視認側に配置することが好ましい。
画像表示セルが有機ELを用いる場合、画像表示装置における偏光板は必須ではない。しかし、有機発光層の厚みが10nm程度と極めて薄いために、外光が金属電極で反射して再び視認側へ出射され、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える場合がある。このような外光の鏡面反射を遮蔽するために、有機ELセルの視認側に、偏光板及び1/4波長板を設けることが好ましい。
(バックライト光源)
また、画像表示装置は、虹斑を抑制するという観点から、連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源として有することが好ましい。連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源の方式及び構造は特に制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。「連続的で幅広い発光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、400〜830nm、又は360〜830nmであり得る。
連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには、蛍光体方式のもの(即ち、化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子)及び有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。連続的で幅広い発光スペクトルを有し、且つ、発光効率にも優れているという観点から、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、ガスバリア性フィルムの性能は、下記の方法により測定した。
(1)全光線透過率
JIS−K7136に準拠し、日本電色工業(株)製、NDH−1001DPを用いて、全光線透過率を測定した。
(2)カラーb値
JIS−K7105に準拠し、色差計(日本電色工業製、ZE−2000)を用いて、標準の光C/2でカラーb値を測定した。
(3)無機薄膜層の膜厚
無機薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、電子顕微鏡用エポキシ樹脂に包埋した。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した試料片の短辺に平行な断面薄切片を作製した。次いで、この切片の薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行って得られた写真から膜厚を求めた。
(4)水蒸気透過率
JIS K7129 B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(AQUATRAN MOCOM社製)を用い、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。ガスバリア性フィルムへの調湿は、無機薄膜層側から透明プラスチック側に水蒸気が透過する方向とした。
(5)虹斑の評価
下記構成のガスバリア性フィルムを備えた画像表示装置を常法に従って作製した。偏光サングラス(偏光フィルム)を掛けて、首を左右に傾けて画像の視認性の変化を観察した。
<評価基準>
○: 虹斑は観察されず、視認性が良好であった。
×: 虹斑が生じ、視認性が不良であった。
<画像表示装置の構成>
・バックライト光源:白色LED
・画像表示セル:液晶セル
・偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の偏光子保護フィルムとしてTACフィルムが使用された偏光板。
・後述の実施例、比較例で得られたガスバリア性フィルム:なお、透明プラスチックフィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が45度となるように、偏光板より視認側に配置した。
(6)リタデーションの評価
リタデーション(Re)は、次の通り測定した。即ち、二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向主軸方向を求め、配向主軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)として求めた。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
また、リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)、(△Nyz×d)の平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
(製造例1−透明プラスチックフィルム1)
固有粘度0.62dl/gのPET樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機に供給し、285℃で溶解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように、下記接着性改質塗布液を塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
この塗布層を形成した未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約100μmの一軸配向の透明プラスチックフィルム1を得た。リタデーション値は10200nmであった。Rthは、13233nm、Re/Rth比は0.771であった。
(接着性改質塗布液の調製)
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、接着性改質塗布液を得た。
(製造例2−透明プラスチックフィルム2)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約80μmとする以外は、透明プラスチックフィルム1と同様にして一軸配向の透明プラスチックフィルム2を得た。リタデーション値は8300nmであった
(製造例3−透明プラスチックフィルム3)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約50μmとする以外は、透明プラスチックフィルム1と同様にして一軸配向の透明プラスチックフィルム3を得た。リタデーション値は5200nmであった。Rthは6600nm、Re/Rth比は0.788であった。
(製造例4−透明プラスチックフィルム4)
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に2.0倍延伸した後、透明プラスチックフィルム1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸した以外は透明プラスチックフィルム1と同様にして、フィルム厚み約50μmの二軸配向の透明プラスチックフィルム4を得た。リタデーション値は3200nmであった。Rthは7340nm、Re/Rth比は0.436であった。
(製造例5−透明プラスチックフィルムA)
固有粘度0.62dl/gのPET樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機に供給し、285℃で溶解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
上記未延伸フィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.6倍延伸して一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
次いで、リバースロール法によりこの一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように、上記接着性改質塗布液を塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
一軸延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に3.8倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約60μmの透明プラスチックフィルムAを得た。リタデーション値は1400nmであった。
(実施例1)
透明プラスチックフィルム(透明プラスチックフィルム1)の片面に、硬化物層を積層させた。
硬化物層は、光重合開始剤含有紫外線硬化型アクリル系樹脂(大日精化工業社製、セイカビームEXF−01J)100質量部に、溶剤としてトルエン/MEK(80/20:質量比)の混合溶媒を、固形分濃度が50質量%になるように加え、撹拌して均一に溶解し塗調製した塗布液を、マイヤーバーを用いて塗布し膜厚が5μmになるようにした。
調製した塗布液を塗布し、80℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm)し、塗膜を硬化させた。
次に、無機薄膜層を成膜するために、上記の硬化物層を積層した透明プラスチックフィルムの真空暴露を行った。真空チャンバーで巻き返し処理を行い、このときの圧力は2×10−2Paであり、暴露時間は60分とした。また、センターロールの温度は40℃とした。
その後、硬化物層を積層した透明プラスチックフィルムの硬化物層上に、酸化アルミニウムからなる無機薄膜層を成膜した。このときスパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−4Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl(テクノファイン社製)を用い、3W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとOガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚40nmの無機薄膜層を堆積させた。
(実施例2)
無機薄膜層の膜厚を20nmとする以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例3)
無機薄膜層の膜厚を10nmとする以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例4)
無機薄膜層の膜厚を100nmとする以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例5)
無機薄膜層の膜厚を150nmとする以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例6)
無機薄膜層の膜厚を200nmとする以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例7)
無機薄膜層をAl−SiOに変更する以外は、実施例1記載と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。Al−SiOの成膜は、スパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−4Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl−Si(組成比Al:Si=5:5、高純度化学製)を用い、3W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとO2ガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚40nmの無機薄膜層を成膜した。
(実施例8)
透明プラスチックフィルム1を透明プラスチックフィルム2に代えた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例9)
透明プラスチックフィルム1を透明プラスチックフィルム3に代えた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例10)
透明プラスチックフィルム1を透明プラスチックフィルム4に代えた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例11)
無機薄膜層を窒化アルミニウムに変更する以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作製した。窒化アルミニウムの成膜は、スパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−4Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl(テクノファイン社製)を用い、2W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとNガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚40nmの無機薄膜層を成膜した。
(実施例12)
無機薄膜層をジルコニア−シリコン複合酸化物(ZrO−SiO)からなる薄膜を成膜した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてZrSi(三井金属製)に用いて、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、2W/cmのDC電力を印加し、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとNガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚40nmの無機薄膜層を堆積させた。
(比較例1)
透明プラスチックフィルム1を透明プラスチックフィルムAとした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを作成した。
表1の結果より、本願発明の範囲を満足する実施例1〜12記載のガスバリア性フィルムは、透明性、水蒸気バリア性、サングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性に優れていた。
一方、本願発明の範囲を満足しない比較例1に記載のガスバリア性フィルムはサングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性が不十分であった。
本発明のガスバリア性フィルムは、透明性、水蒸気バリア性に優れ、かつサングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性に優れるため、液晶dレイスプレイ、有機ELなどのフレキシブルディスプレイ用の基板として特に好適である。
1:透明プラスチックフィルム
2:硬化物層
3:無機薄膜層
10:ガスバリア性フィルム

Claims (3)

  1. 視認側から視認側偏光板、画像表示セル、光源側偏光板、及びバックライト光源を順に有する画像表示装置であって、
    前記視認側偏光板の視認側にガスバリア性フィルムが配置されており、
    前記ガスバリア性フィルムは、透明プラスチックフィルムからなる基材上の少なくとも片面にガスバリア層が積層されており、
    前記透明プラスチックフィルムは、面内リタデーションが3000nm〜30000nmであり、面内リタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が0.2以上である、画像表示装置
  2. 前記ガスバリア層が無機薄膜層からなり、無機薄膜層の膜厚が10〜200nmであることを特徴とする、請求項1記載の画像表示装置
  3. 前記無機薄膜層がAlを含有することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置
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