JP6221744B2 - ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、樹脂組成物、成形体、摺動性改良剤及び摺動部材 - Google Patents
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Description
wo:試料総量(g)、
R:グラフト共重合体製造時の仕込み原料中のポリオルガノシロキサン(B1)を含むゴムの分率(質量%)。
本発明のゴム含有グラフト共重合体(以下、「グラフト共重合体」と略す場合がある。)は、ポリオルガノシロキサン(B1)を含むゴムに1種以上のビニル単量体をグラフト重合した共重合体である。
ポリオルガノシロキサンを含むゴムとしては、ポリオルガノシロキサンゴム、又はポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する複合ゴムであることが好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、オルガノシロキサン単位を構成単位として含有する重合体である。ポリオルガノシロキサンゴムは、「オルガノシロキサン」及び「ビニル系重合性基含有シラン化合物」、または、必要に応じて使用される成分を含むオルガノシロキサン混合物を重合することにより得ることができる。必要に応じて使用される成分としては、シロキサン系架橋剤、及び末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマー等が挙げられる。
ビニル系重合性基含有シラン化合物はシロキサン系グラフト交叉剤として用いられる。ビニル系重合性基含有シラン化合物は、シロキシ基を有すると共にビニル単量体と共重合可能な官能基を有するものである。ビニル系重合性基含有シラン化合物を用いることによって、ビニル単量体と共重合可能な官能基を有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。このようなグラフト交叉剤を用いることにより、ポリオルガノシロキサンに対して、後述する複合ゴム用アルキル(メタ)アクリレート成分、又はビニル単量体をラジカル重合によってグラフトさせることができる。
ポリオルガノシロキサンゴムの製造方法としては特に制限はなく、例えば、以下の製造方法を採用できる。
本発明において、ポリオルガノシロキサンを含むゴムとして、ポリオルガノシロキサン(B1)及びポリアルキル(メタ)アクリレート(B2)を含有する複合ゴム(以下、「複合ゴム」と略す場合がある。)を用いることができる。複合ゴムは、前記ポリオルガノシロキサンと、以下のFOXの式で表されるガラス転移温度(Tg)が0℃以下のポリアルキル(メタ)アクリレートを含有するゴムである。
複合ゴムの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、微細懸濁重合法により製造することができるが、乳化重合法を用いることが好ましい。中でも、ポリオルガノシロキサンゴムのラテックス中に複合ゴム用(メタ)アクリレート成分を添加して、ゴム粒子に複合ゴム用(メタ)アクリレート成分を含浸させた後に、複合ゴム用(メタ)アクリレート成分を乳化重合して、複合ゴムのラテックスを得る方法が特に好ましい。
本発明のゴム含有グラフト共重合体は、ポリオルガノシロキサンを含むゴムの存在下で1種以上のビニル単量体をグラフト重合することによって、得ることができる。従って、本発明のグラフト共重合体において、グラフト部は1種以上のビニル単量体の重合体によって形成されている。ビニル単量体については後に説明するが、ビニル単量体として「多官能性ビニル単量体」を用いることができる。
第1の発明群の「第1の態様」のグラフト共重合体(GF1)のグラフト率は10質量%以下である。グラフト率が10質量%以下であれば、成形体の摺動性及び難燃性を向上させることができる。グラフト率は−20質量%以上であることが好ましい。グラフト率は、−20〜8質量%がより好ましく、−20〜5質量%がさらに好ましく、−5〜5質量%が特に好ましい。グラフト率がこの範囲内であることで、得られる成形体は高い耐衝撃性、摺動性、及び難燃性を示す。
wo:試料総量(g)、
R:グラフト共重合体製造時の仕込み原料中のポリオルガノシロキサン(B1)を含むゴムの分率(質量%)。
第1の発明群の「第2の態様」のグラフト共重合体(GF2)は、アセトン可溶分が5.0質量%以上30.0質量%以下である。アセトン可溶分は、5.0質量%以上20.0質量%以下であることがより好ましい。アセトン可溶分が5.0質量%以上30.0質量%以下であることで、グラフト共重合体(GF2)を熱可塑性樹脂に配合して得られる成形体は、摺動性、耐衝撃強度、及び難燃性が良好となる。このようなグラフト共重合体(GF2)を得るにはビニル系重合性基含有シラン化合物と多官能性ビニル単量体の量と種類を適切に選択する必要がある。具体的には、グラフト共重合体(GF)用の単量体原料100質量%中において、ビニル系重合性基含有シラン化合物の使用量を0.7〜9.8質量%とし、ポリオルガノシロキサン(B1)用の単量体原料100質量%中において、シロキサン系架橋剤の使用量を0〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%とし、及びグラフト共重合体(GF)用の単量体原料100質量%中において、多官能性ビニル単量体の使用量を0質量%を超え5質量%未満、好ましくは0.1質量%以上3質量%以下とすることで、アセトン可溶分が5.0質量%以上30.0質量%以下のグラフト共重合体を得ることができる。グラフト共重合体のアセトン可溶分の測定方法は、後述する。
グラフト部の重合方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサンを含むゴムのラテックス中にグラフト重合用の1種以上のビニル単量体を添加し、1段又は多段で重合する方法が挙げられる。多段で重合する場合は、ポリオルガノシロキサンゴム系ゴムのラテックス中に、グラフト重合用の1種以上のビニル単量体を分割して逐次添加し又は連続的に添加して、重合することが好ましい。このような重合方法は重合安定性が良好であり、且つ所望の粒子径及び粒子径分布を有するグラフト共重合体のラテックスを安定に得ることができる。
第1の発明群のグラフト共重合体は、熱可塑性樹脂(A)と混合して熱可塑性樹脂組成物として使用することができる。熱可塑性樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂(A)、グラフト共重合体(GF)、フッ素系樹脂(C)及び難燃剤(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物が好ましい。
熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、(メタ)アクリレート・スチレン共重合体(MS)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリル酸エステル・スチレン・アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル・エチレン・プロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)等のスチレン(St)系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル(Ac)系樹脂;ポリカーボネート系樹脂(PC系樹脂);ポリアミド(PA)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)等のPEs樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル((m−)PPE)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリスルフォン(PSO)樹脂、ポリアリレート(PAr)樹脂、ポリフェニレン(PPS)樹脂、熱可塑性ポリウレタン(PU)樹脂等のエンジニアリングプラスチックス;スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレン等の熱可塑性エラストマー(TPE);PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PVC/ABS等のPVC系樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA樹脂とTPEとのアロイ、PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ、PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ、ポリオレフィン系樹脂/TPEとPP/PE等とのオレフィン系樹脂同士のアロイ、PPE/HIPSとPPE/PBTとPPE/PA等とのPPE系樹脂同士のアロイ、PVC/PMMA等のPVC系樹脂とAc系樹脂とのアロイ等のポリマーアロイ;硬質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等のPVC系樹脂。
フッ素系樹脂(C)は、燃焼時の滴下防止を目的として用いることができる。フッ素系樹脂(C)としては公知のものを用いることができ、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば以下のものが挙げられる。「ポリフロンFA−500」(商品名、ダイキン工業(株)製)等のポリテトラフルオロエチレン;「BLENDEX B449」(商品名、ガラタケミカルズ社製)等のSAN変性ポリテトラフルオロエチレン;「メタブレンA−3000」、「メタブレンA−3750」、「メタブレンA−3800」(商品名、三菱レイヨン(株)製)等のアクリル変性ポリテトラフルオロエチレン。これらのフッ素系樹脂(C)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
難燃剤(D)としては、公知の難燃剤を用いることができ、例えば以下のものが挙げられる。ハロゲン化ビスフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマー、臭素化エポキシ化合物等のハロゲン系化合物と酸化アンチモン等の難燃助剤の組合せからなるハロゲン系難燃剤;有機塩系難燃剤;リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル型難燃剤等のリン系難燃剤;芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩等のスルホン酸系難燃剤;分岐型のフェニルシリコーン化合物、フェニルシリコーン系樹脂等のオルガノポリシロキサン等のシリコーン系難燃剤。
第1の発明群の熱可塑性樹脂組成物中には必要に応じて、酸化防止剤(E)を含有させることができる。酸化防止剤(E)は、成形体の製造時の樹脂の酸化分解を抑制することを目的とするだけでなく、成形体の難燃性を向上させることも目的とする成分である。酸化防止剤(E)は、通常の成形時に使用されるものであれば、特に限定されない。具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。トリス[N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]イソシアヌレート((株)ADEKA製、アデカスタブAO−20など)、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン(BASF社製、イルガノックス1010など)、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)(BASF社製、イルガノックス245など)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸オクタデシル(BASF社製、イルガノックス1076など)、ブチリデン−1,1−ビス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−フェニル((株)ADEKA製、アデカスタブAO−40など)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(吉冨ファインケミカル(株)製、ヨシノックス930など)などのフェノール系酸化防止剤;ビス(2,6,ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト((株)ADEKA製、アデカスタブPEP−36など)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト((株)ADEKA製、アデカスタブ2112など)、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト((株)ADEKA製、アデカスタブHP−10など)などのリン系酸化防止剤;ジラウリル3,3’−チオ−ジプロピオネート(吉冨ファインケミカル(株)製、ヨシノックスDLTP)、ジミリスチル3,3’−チオ−ジプロピオネート(吉冨ファインケミカル(株)製、ヨシノックスDMTP)などの硫黄系酸化防止剤等。
第1の発明群の熱可塑性樹脂組成物中には、更に必要に応じて、以下の成分を配合することができる。可塑剤、滑剤;離型剤(例えば、ペンタエリトリトールテトラステアレート等);成核剤、帯電防止剤、安定剤、充填材;強化材(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カオリン、タルク、CaCO3およびガラスフレーク);色素および顔料。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
第1の発明群の熱可塑性樹脂組成物の調製方法は特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂(A)、グラフト共重合体(GF)と、必要に応じてフッ素系樹脂(C)、難燃剤(D)、酸化防止剤(E)、各種添加剤とを、V型ブレンダーやヘンシェルミキサー等により混合分散させ、この混合物を押出機またはバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等の混練機等を用いて溶融混練することにより調製できる。これらの各成分の混合はバッチ的又は連続的に実施することができ、各成分の混合順序は特に限定されない。溶融混練物はペレットにして、各種の成形に用いることができる。
第1の発明群の熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形に用いられる成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法等が挙げられる。
第2の発明群の「摺動性改良剤(H)」は、前記グラフト共重合体(GS)の粉体からなる。このグラフト共重合体(GS)は、ポリオルガノシロキサン含有量が特定範囲内に限定されており、さらにグラフト共重合体(GS)のラテックスの質量平均粒子径が特定の範囲内に限定されているため、摺動性改良剤として最適化されている。そのため、摺動性を向上させる効果が大きく、発色性(顔料着色性)および成形外観、耐衝撃強度のバランスに優れる。グラフト共重合体(GS)の製造に使用されるポリオルガノシロキサンを含むゴムは、ポリオルガノシロキサンとポリアルキルアクリレートを含む複合ゴムであることが好ましい。
第2の発明群の摺動性改良剤(H)は、熱可塑性樹脂(K)と混合して摺動部材用熱可塑性樹脂組成物として用いることができる。
熱可塑性樹脂(K)としては、熱可塑性樹脂(A)と同様のものが挙げられる。
第2の発明群の摺動性改良剤を含む熱可塑性樹脂組成物は、上述した摺動性改良剤(H)と熱可塑性樹脂(K)を含有するものである。この熱可塑性樹脂組成物は、摺動性改良剤(H)の含有量が4〜16質量%であり、熱可塑性樹脂(K)の含有量が96〜84質量%であることが好ましい。摺動性改良剤(H)の含有量が4質量%以上であれば、摺動部材の摺動性向上効果が十分であり、16質量%以下であれは、摺動部材の発色性(顔料着色性)、成形外観が良好である。
第2の発明群の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されないが、溶融混合法を用いることが好ましい。また、必要に応じて少量の溶剤を使用してもよい。
第2の発明群の熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形に用いられる成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法等が挙げられる。
(1)グラフト率
実験的に求められるアセトン不溶分waと仕込み原料中のゴムの分率Rに基づいて、前記の式(1)によりグラフト率[%]を算出した。
質量w1のポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを180℃の熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥後の残渣の質量w2を測定し、下記式により固形分[%]を算出した。
「ポリオルガノシロキサンゴムのラテックス」または「グラフト共重合体のラテックス」を脱イオン水で濃度約3%に希釈したものを試料として、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用いてラテックスの質量平均粒子径Dw及び粒子径分布(Dw/Dn)を測定した。
カートリッジ:粒子分離用キャピラリー式カートリッジ(商品名;C−202)、
キャリア液:専用キャリア液(商品名;2XGR500)、
キャリア液の液性:ほぼ中性、
キャリア液の流速:1.4ml/分、
キャリア液の圧力:約4,000psi(2,600kPa)、
測定温度 :35℃、
試料使用量:0.1ml。
グラフト共重合体の粉体1gをアセトン50gに溶解させ、70℃で6時間還流及び抽出操作を行なって得られた分散液を、遠心分離装置((株)日立製作所製CRG SERIES(商品名))を用いて、4℃にて14,000rpmで30分間遠心分離させた。分離されたアセトン可溶分をデカンテーションにより取り除き、アセトン不溶分を得た。
以下の方法により、グラフト共重合体の体積平均粒子径を測定した。
グラフト共重合体のラテックスを脱イオン水で希釈し、レーザー回折散乱式粒度分布計(島津製 SALD−7100)を用い、体積平均におけるメジアン径を求めた。ラテックスの試料濃度は、装置に付属の散乱光強度モニターにおいて適正範囲となるよう適宜調整した。標準粒子径物質としては、粒子径既知の単分散ポリスチレンであって、粒子径が20〜800nmの範囲内の12種類の粒子を用いた。
JIS K 7111に準拠して、温度23℃、及び−30℃にて、試験片(長さ80.0mm、幅10.0mm、厚み4mm、Vノッチ付き)のシャルピー衝撃強度を測定した。
JIS K 7375に準拠して、日本電色工業(株)製HAZE Meter NDH4000を用いて、試験片(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)について、D65光源における全光線透過率を測定した。
JIS Z 8729(L*a*b* 表色系による物体色の表示方法)に準じて試験片(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)のL*を測定した。日本電色工業(株)製分光式色差計SE−2000を用いて、JISZ8722に準じた下記の測定条件にて三刺激値(XYZ)を測定した。次いでCIE色差式を用いてL*値を算出した。
装置:分光式色差計SE−2000(日本電色工業株式会社製、0−45°後分光方式)、
測定範囲:380〜780nm、
測定光源:C光(2°視野)。
1/16インチの試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.6mm)について、UL−94V試験を行った。
試験片(長さ100.0mm、幅50.0mm、厚み2mm)の平板を成形し、ゲート付近のフローマーク(成形体のゲート付近に縞状に見られる模様)や表面荒れの外観評価を目視観察し、以下の基準で評価した。
++:フローマークや表面荒れが見られない。
+ :フローマークや表面荒れがやや見られるが目立たない。
− :フローマークや表面荒れがやや目立つ。
−−:フローマークや表面荒れが目立つ。
試験片(長さ100.0mm、幅50.0mm、厚み2mm)の平板を成形し、図1に示す様に、A点(ゲート付近)とB点(中心部)の位置において、接触式表面粗さ計(東京精密工業(株)製サーフコム1400D)にて、1μmR、55°の円錐ダイヤモンド針(010−2528)を用いて、駆動速度0.3mm/秒で、平板の表面粗さを測定した。測定長は4mm、カットオフ波長は0.8mm、カットオフ種別はガウシアンとした。最小二乗直線により、抽出曲線の平均線の傾斜補正を行った後、JIS B0601−2001に準拠した方法で、算術平均粗さ(Ra)を測定し、成形体の表面の平滑性の指標とした。
試験片(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)の平板を成形し、ピンプレート型摩擦試験機(東洋精機製作所(株)製)を用いて、取り付け荷重W[N]:30N、移動距離:20mm、移動速度:2mm/s、測定温度:23℃において摩擦力F[N]を測定し、以下の式にて「動摩擦係数」を測定した。
試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.5mm)を成形し、1/4楕円法により23℃で評価用薬品を試験片に塗布して、48時間静置し、試験片上の割れやヒビの位置から「臨界歪み(%)」を次式により求めた。評価用薬品として、弱アルカリ洗剤である花王(株)製マイペットを用いた。
B:治具の短軸(4cm)、
t:試験片の厚み(0.15cm)、
X:クラックの端点と楕円中心までの長軸方向の距離[cm]。
試験片(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)を目視で観察し、以下の基準にて判定を行った。
○:黒色、
×:灰色。
[製造例1]ポリオルガノシロキサンゴムのラテックス(S−1)の製造:
テトラエトキシシラン(TEOS)2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)2部及び、オクタメチルシクロテトラシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製、製品名:TSF404)96部を混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。脱イオン水150部中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)1部を溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
TEOSを2部、DSMAを0.5部及び、環状オルガノシロキサン混合物(信越シリコーン(株)製、製品名:DMC、3〜6員環の環状オルガノシロキサンの混合物)を97.5部混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)及びドデシルベンゼンスルホン酸(DBSH)それぞれ0.68部を脱イオン水200部中に溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで2分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
TEOSを2部、DSMAを0.5部及び、TSF404を97.5部、混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。脱イオン水170部中にDBSNaを1部溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
乳化剤としてのアルケニルコハク酸ジカリウム6.0部、及び脱イオン水230部を、攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた容量2リットルのセパラブルフラスコ内に仕込み、窒素気流下に室温で30分間攪拌した。尚、前記アルケニルコハク酸ジカリウムは、予め、前記脱イオン水の一部に溶解させた状態で使用した。
テトラエトキシシラン(TEOS)2部、γ−メタクリロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)0.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、製品名:TSF−404)97.5部を混合して、シロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)1.0部を溶解した脱イオン水150部を添加し、ホモミキサーにて10000rpm で5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンエマルションを得た。
TEOSを2部、DSMAを0.5部及び環状オルガノシロキサン混合物(信越化学工業(株)製、製品名:DMC)を97.5部、混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。これにDBSNaを0.68部溶解した脱イオン水300部を添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで2分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。一方、冷却コンデンサーを備えた容量5リットルのセパラブルフラスコ内に、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSH)10部と脱イオン水90部とを注入し、水溶液を調製した。
製造例1において得たポリオルガノシロキサンゴムのラテックス(S−1)をポリマー換算で79.7部、容量5リットルのセパラブルフラスコ内に採取し、脱イオン水46部を添加し混合した。次いでこのセパラブルフラスコ内に、n−ブチルアクリレート(n−BA)10.0部、アリルメタクリレート(AMA)0.3部、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.04部の混合物を添加した。
実施例1において用いた各原料の種類及び量を表2に示す条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G−2、G−3、G’−1、G’−2,G’−3、及びG’−5)を製造し、更にその粉体を得た。得られた各グラフト共重合体のグラフト率及び体積平均粒子径を表2に示す。
製造例1において得たポリオルガノシロキサンゴムのラテックス(S−1)をポリマー換算で90部、容量5リットルのセパラブルフラスコ内に採取し、脱イオン水46部を添加混合した。次いでこのセパラブルフラスコ内に、AMAを0.5部、CHPを0.07部の混合物を添加した。このセパラブルフラスコ内に窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行い、液温を50℃まで昇温した。液温が50℃となった時点で、硫酸第一鉄(Fe)を0.001部、EDTAを0.003部、SFSを0.18部、脱イオン水4.2部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始した。アリルメタクリレート成分の重合を完結させるため、液温70℃の状態を1時間維持した。このようにして、第1段目のグラフト重合を行った。その後、MMAを9部、n−BAを0.5部、CHPを0.1部の混合液を1.0時間にわたって滴下し重合した。このようにして、第2段目のグラフト重合を行った。次いで、液温70℃の状態を1時間維持した後、25℃に冷却し、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G−4)のラテックスを得た。グラフト共重合体(G−4)のグラフト率及び体積平均粒子径を表2に示す。その後は、実施例1と同様にして、グラフト共重合体(G−4)の粉体を得た。
実施例4において用いた各原料の種類及び量を表2に示す条件に変更したこと以外は実施例4と同様にして、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G−5)を製造し、更にその粉体を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率及び体積平均粒子径を表2に示す。
実施例1において用いた各原料の種類及び量を表2に示す条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシロキサンとn−ブチルアクリレートとの複合ゴムのラテックスを得た。
実施例1、実施例3、実施例4、実施例5または比較例1〜5で得たグラフト共重合体(G−1、G−3、G−4、G−5、G’−1〜G’−5)の粉体、有機スルホン酸金属塩(DIC(株)製、商品名:メガファックF−114)、滴下防止剤として製造例3で得たポリテトラフルオロエチレン含有粉体J−1、及びポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名;ユーピロンS−2000F、粘度平均分子量22,000)さらにフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名:イルガノックス245)、リン系酸化防止剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブPEP36)を、表3または表4に記載の量で配合した。該配合物を、シリンダー内径30mmの二軸押出機(L/D=30)を用いてシリンダー温度280℃及びスクリュー回転数150rpmで溶融混合してポリカーボネート系樹脂組成物を得た。次いで、このポリカーボネート系樹脂組成物をペレットに賦形した。
実施例1、実施例2または比較例1で得たグラフト共重合体(G−1、G−2、G’−1)の粉体、芳香族リン酸エステル系難燃剤(大八化学工業(株)製、商品名:PX−200)、滴下防止剤としてポリテトラフルオロエチレン含有粉体J−2(三菱レイヨン(株)製、商品名:メタブレンA−3800)、及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンS−2000F)を表5に記載の量で配合した。これら以外は実施例6と同様にしてポリカーボネート系樹脂組成物及び各試験片を得た。評価結果を表5に示す。
グラフト共重合体(G−1)を1.0部配合した実施例6の樹脂組成物は、比較例6の樹脂組成物に比べ、難燃性、耐衝撃性及び全光線透過率に優れることが分かった。また、グラフト共重合体(G−1)を3.1部配合した実施例7の樹脂組成物は、比較例7の樹脂組成物に比べ、難燃性、耐衝撃性及び全光線透過率に優れることが分かった。グラフト共重合体(G−1)、(G−3)、(G−4)、または(G−5)を5.3部配合した実施例8〜11の樹脂組成物は、比較例8〜11の樹脂組成物に比べ、難燃性、耐衝撃性、全光線透過率及び外観のバランスに優れることが分かった。比較例8の樹脂組成物は、グラフト共重合体(G’−1)の体積平均粒子径が300nmより小さく、ポリオルガノシロキサン(B1)中のビニル系重合性基含有シラン化合物に由来する成分の含有量が1質量%より少ないため、難燃性、全光線透過率、及びゲート付近の外観が低位であった。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌装置を備えた容量5リットルのセパラブルフラスコ内に、製造例5で得られたポリオルガノシロキサンのラテックス(S−4)272.1部(ポリオルガノシロキサンとして80部)を投入した。更に、脱イオン水50部を添加混合した後、ブチルアクリレート(n−BA)10.0部、アリルメタクリレート(AMA)0.18部、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.04部の混合物を添加した。
実施例21で得られたグラフト共重合体(G−21)3部、PC樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ユーピロンS−2000F)97部、カーボンブラック(三菱化学(株)製、#960B)をハンドブレンドした。得られた樹脂組成物を後、30mmφ二軸押出機(L/D=30)を用いてシリンダー温度280℃及びスクリュー回転数150rpmで溶融混合してペレットに賦形した。
グラフト共重合体(G−21)及び、PC樹脂の使用量を変更したこと以外は実施例22と同様にして熱可塑性樹脂組成物、ペレット及び試験片を得た。各種評価結果を表7に示す。
表6に示す組成に変更したこと以外は実施例21と同様にして重合を行い、グラフト共重合体(G−25)を得た。このグラフト共重合体の評価結果を表6に示す。
グラフト共重合体(G−25)及びPC樹脂の使用量を表7に示す値にしたこと以外は実施例21と同様にして熱可塑性樹脂組成物、ペレット及び試験片を得た。各種評価結果を表7に示す。
グラフト重合を行う際の原料を、表6に示す組成にしたこと以外は実施例21と同様にしてグラフト重合を行い、グラフト共重合体(G’−21)を得た。このグラフト共重合体の評価結果を表6に示す。
グラフト共重合体(G’−21)及び、PC樹脂の使用量を表7に示す値にしたこと以外は実施例21と同様にして熱可塑性樹脂組成物、ペレット及び試験片を得た。各種評価結果を表7に示す。
グラフト重合を行う際の原料を、表6に示す組成にしたこと以外は実施例21と同様に重合を行い、グラフト共重合体(G’−24)を得た。このグラフト共重合体の評価結果を表6に示す。
グラフト共重合体(G’−24)及び、PC樹脂の使用量を表7に示す値にしたこと以外は実施例21と同様にして熱可塑性樹脂組成物、ペレット及び試験片を得た。各種評価結果を表7に示す。
実施例22〜24及び26〜29から明らかなように、本発明の摺動性改良剤を用いた熱可塑性樹脂組成物は、摺動性に優れており、さらに発色性、およびシャルピー衝撃強度、成形外観も良好な結果が得られた。
Claims (9)
- ポリオルガノシロキサン(B1)を含むゴムに1種以上のビニル単量体をグラフト重合したゴム含有グラフト共重合体であって、該ポリオルガノシロキサン(B1)中のビニル系重合性基含有シラン化合物に由来する成分の含有量が1〜10質量%であり、該ゴム含有グラフト共重合体の体積平均粒子径が300〜2000nmであり、該ゴム含有グラフト共重合体中の該ポリオルガノシロキサン(B1)の含有量が70〜85質量%であり、下記式(1)で求められるグラフト率が10質量%以下であり、かつ多官能性ビニル単量体に由来する成分の含有量が0.1〜1.5質量%である、ゴム含有グラフト共重合体(GF1)。
wo:試料総量(g)、
R:グラフト共重合体製造時の仕込み原料中のポリオルガノシロキサン(B1)を含むゴムの分率(質量%)。 - 前記ゴム含有グラフト共重合体が、ポリオルガノシロキサン(B1)及びポリアルキル(メタ)アクリレート(B2)を含む複合ゴムに1種以上のビニル単量体をグラフト重合したゴム含有グラフト共重合体であって、アセトン可溶分が5.0質量%以上30.0質量%以下である、請求項1に記載のゴム含有グラフト共重合体。
- 前記体積平均粒子径が400〜1000nmである請求項1または2に記載のゴム含有グラフト共重合体。
- 前記ポリオルガノシロキサン(B1)及び前記ポリアルキル(メタ)アクリレート(B2)の比「B1/B2」が「74/26〜99/1」質量%である請求項2に記載のゴム含有グラフト共重合体。
- 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、請求項1〜4から選ばれるいずれかの一項に記載のゴム含有グラフト共重合体を0.1〜12質量部、フッ素系樹脂(C)を0.01〜5質量部、及び、難燃剤(D)を0.01〜10質量部、含有する熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(A)が、カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合から選ばれる少なくとも一つの結合を有する熱可塑性樹脂である、請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート系樹脂である、請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記難燃剤(D)が、リン系難燃剤及び有機金属塩系難燃剤から選ばれる少なくとも一種の難燃剤を含む、請求項5〜7から選ばれるいずれかの一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項5〜8から選ばれるいずれかの一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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