JP6221614B2 - Mosトランジスタを利用した高抵抗回路 - Google Patents

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Description

本発明は、MOSトランジスタを利用した高抵抗回路に関する。
加速度などの外力の変化を容量値の変化により検出するMEMSセンサーが提案されている(非特許文献1など)。こうしたMEMSセンサーにより得られる容量値の変化を信号として取り出すために、容量値の変化を電圧値の変化に変換して出力する、いわゆるCV変換回路が使用されている。
CV変換回路は、図2に示すように、MEMSセンサーの備える可変容量素子CDP、CDNの各々が接続される非反転および反転入力端子を備える差動入力端子と、反転および非反転出力端子を備える差動出力端子を有する、いわゆる全差動アンプを備えている。全差動アンプの非反転入力端子と反転出力端子、および反転入力端子と非反転出力端子との各々の間は、フィードバック容量素子Cfp、Cfnが接続されている。可変容量素子CDP、CDNとフィードバック容量素子Cfp、Cfnとの容量比により設定されるゲインで差動出力端子から差動出力電圧信号VOP、VONとして出力される。これにより、MEMSセンサーに備えられる可変容量素子CDP、CDNの容量値の変化を差動出力電圧信号VOP、VONの電圧値の変化として取り出す構成である。
ここで、CV変換回路には、全差動アンプの差動入力端子と差動出力端子との間にフィードバック抵抗素子が接続されている。全差動アンプの差動入力端子における仮想接地電位を所定電位にバイアスするためである。フィードバック抵抗素子が接続されることにより、差動入力端子に差動出力電圧信号VOP、VONに応じた電圧値がバイアスされ、仮想接地の電圧値が確定する。この場合、フィードバック抵抗素子は、フィードバック容量素子Cfp、Cfnと共にフィードバック回路を構成する。このフィードバック回路はハイパスフィルタの特性を有しており、カットオフ周波数以下の帯域で位相遅れが生ずる特性を有している。したがって、フィードバック抵抗素子の抵抗値を大きくして、MEMSセンサーから出力される検出信号の帯域より低い周波数がカットオフ周波数となるようにする必要がある。カットオフ周波数が高いと、入出力信号間の応答におけるゲイン低下と位相ずれを生じてしまう。これにより、差動出力電圧信号VOP、VONにおいて信号が減衰し、位相がずれるなどの影響が生じ、本来のCV変換動作を奏することができなくなってしまう恐れがあるからである。フィードバック抵抗素子を充分に高い抵抗値とするために、PMOSトランジスタMP1p、MP1nが用いられている。
ミッコ・サウコスキ(Mikko Saukoski)、"システム アンド サーキット デザイン フォー ア キャパシティブ メムス ジャイロスコープ(System and Circuit Design for a Capacitive MEMS Gyroscope)"、p.155−160、[online]、2008/4/18、ヘルシンキ工科大学(Helsinki University of Technology)、[平成25年9月4日検索]、インターネット<URL:http://lib.tkk.fi/Diss/2008/isbn9789512292974/>
上記非特許文献1では、PMOSトランジスタMP1p、MP1nで接続される、全差動アンプの非反転入力端子と反転出力端子との間、および反転入力端子と非反転出力端子との間は、何れの端子が高電圧で何れの端子が低電圧となるかは一意に定まることはない。すなわち、非反転入力端子に比して反転出力端子が高電圧であれば、反転入力端子に比して非反転出力端子が低電圧であり、非反転入力端子に比して反転出力端子が低電圧であれば、反転入力端子に比して非反転出力端子が高電圧である。したがって、全差動アンプの差動入力端子に接続されているPMOSトランジスタMP1p、MP1nのソース端子と、全差動アンプの差動出力端子に接続されているPMOSトランジスタMP1p、MP1nのドレイン端子とは、何れもが高電圧となる場合がある。図2の構成では、高電圧となる端子の違いによりPMOSトランジスタMP1p、MP1nの抵抗値が異なる。図2では、PMOSトランジスタMP1p、MP1nのバルクがソース端子に接続されており、ソース端子が差動入力端子に接続されている。この接続では、差動出力端子側が低電圧(差動入力端子側が高電圧)で差動入力端子からPMOSトランジスタMP1p、MP1nに向かって電流が流れる場合より、逆の電圧関係である差動出力端子側が高電圧(差動入力端子側が低電圧)でPMOSトランジスタMP1p、MP1nから差動入力端子に向かって電流が流れる場合の方が、同じ電流値で比較した場合に抵抗値が小さくなり電流値の増加に応じた抵抗値の低下も急である。
また、PMOSトランジスタMP1p、MP1nのバルクを差動出力電圧信号や電源電圧に接続する場合には、差動入力端子側が高電圧(差動出力端子側が低電圧)で差動入力端子からPMOSトランジスタMP1p、MP1nのソース端子に向かって電流が流れる場合に、ソース端子に流れ込んだ電流はバルクを介して流れてしまいドレイン端子には流れない。PMOSトランジスタMP1p、MP1nのソース・ドレイン端子間に電流を流すことができずフィードバック抵抗として機能しない。このため、フィードバック抵抗素子として全差動アンプの差動入力端子の仮想接地電位をバイアスすることができない。
上記非特許文献1に記載のPMOSトランジスタMP1p、MP1nでは、バルクに印加される電圧値、および全差動アンプの差動入力端子と差動出力端子との各端子間の電圧値の大小関係により抵抗値が大きく異なってしまい、CV変換回路として安定した動作をすることができず問題である。
本願に開示される技術は上記の課題に鑑み提案されたものであって、端子間の電圧差に拘わらず安定した抵抗値を有する抵抗素子を付与するMOSトランジスタを利用した抵抗回路を提供することを目的とする。
本願に開示される技術に係る抵抗回路は、第1端子と第2端子との間に抵抗素子として接続される抵抗回路である。第1乃至第5MOSトランジスタ、および第1電流源を備えて構成される。第1および第2MOSトランジスタは、バルクに接続されるソース端子が互いに接続され、ドレイン端子が第1および第2端子の各々に接続される。第3MOSトランジスタは、ドレイン端子およびゲート端子が、第1および第2MOSトランジスタのゲート端子に接続され、ソース端子がバルクに接続される。第4MOSトランジスタは、ドレイン端子およびゲート端子が、第3MOSトランジスタのソース端子に接続される。第5MOSトランジスタは、ゲート端子が、第1および第2MOSトランジスタのソース端子に接続され、ソース端子が、第4MOSトランジスタのソース端子に接続される。第1電流源は、第3MOSトランジスタのドレイン端子に接続される。
本願に開示される技術に係る抵抗回路では、第1および第2MOSトランジスタが第1および第2端子間の抵抗素子として機能する。ソース端子が共通に接続され、第1および第2MOSトランジスタの各々のドレイン端子が、第1および第2端子の各々に接続されている。第1および第2MOSトランジスタがNMOSトランジスタであれば、第1および第2端子のうち高電圧となる側の端子に接続されている第1および第2MOSトランジスタのうち一方のトランジスタが抵抗素子として機能する。この時、第1および第2MOSトランジスタの他方のトランジスタは、ソース端子に接続されているバルク(P型半導体)とドレイン端子(N型半導体)との間に形成されているPN接合(ダイオード)を介して電流が流れる。このため、ソース端子からドレイン端子に抜ける電流はダイオードを順方向バイアスする電流となり、このトランジスタは抵抗素子としては機能しない。第1および第2MOSトランジスタがPMOSトランジスタであれば、第1および第2端子のうち低電圧値側の端子に接続されている第1および第2MOSトランジスタのうち一方のトランジスタが抵抗素子として機能する。この時、第1および第2MOSトランジスタの他方のトランジスタは、ソース端子に接続されているバルク(N型半導体)とドレイン端子(P型半導体)との間に形成されているPN接合(ダイオード)を介して電流が流れる。このため、ソース端子からドレイン端子に抜ける電流はダイオードを順方向バイアスする電流となり、このトランジスタは抵抗素子としては機能しない。第1および第2端子のの間で何れが高い電圧値となる場合であっても、第1および第2MOSトランジスタのうち何れか一方のトランジスタが抵抗素子として機能する。第1および第2端子の間の何れの方向の電圧差に対しても端子間に抵抗値を付与することができる。
また、第4および第5MOSトランジスタは差動対を構成している。このため、第4および第5MOSトランジスタの各々に同等の電流が流れるものとすれば、両トランジスタのゲート端子に印加される電圧は略同電位であるとすることができる。これにより、第1および第2MOSトランジスタのソース端子の電圧と第3MOSトランジスタのソース端子の電圧とを同電位とすることができる。第4および第5MOSトランジスタで構成される差動対は、第1および第2MOSトランジスタのソース端子の電圧を第3MOSトランジスタのソース端子の電圧とするフィードバック回路を構成する。
第1および第2MOSトランジスタのソース端子の電圧と第3MOSトランジスタのソース端子の電圧とが同電圧であることに加えて、第1および第2MOSトランジスタ、および第3MOSトランジスタのゲート端子は共通に結線されているので各ゲート端子は同電位である。したがって、第1および第2MOSトランジスタのゲート・ソース端子間の電圧は第3MOSトランジスタのゲート・ソース端子間の電圧と同電圧となる。このゲート・ソース端子間の電圧は、ドレイン端子とゲート端子とが接続された飽和領域で動作する第3MOSトランジスタにおいて、ドレイン端子に接続される第1電流源が供給する電流により決定される。第1電流源が供給する電流を制限してやれば、制限された電流値に応じた電圧が第3MOSトランジスタのゲート・ソース端子間に印加され、その電圧が第1および第2MOSトランジスタのゲート・ソース端子間の電圧となる。第1および第2MOSトランジスタには、ゲート・ソース端子間の電圧に加えて、ゲート幅(W)とゲート長(L)との比(W/L)に比例して決定されるβ値に応じた電流が流れるので、第1電流源から制限された電流を供給すること、および第1および第2MOSトランジスタのβ値を選択することで、第1および第2MOSトランジスタに流れる電流を制限してドレイン・ソース端子の抵抗値を大きな値に設定することができる。具体的には、第1電流源が供給する電流を制限し、第1および第2MOSトランジスタのゲート長(L)を長くすることにより高抵抗を得ることができる。
また、本願に開示の抵抗回路において、第1および第2MOSトランジスタは、チャネル長およびチャネル幅がトランジスタ間で同じであるとして構成してもよい。これにより、第1MOSトランジスタと第2MOSトランジスタとで、MOSトランジスタ特性におけるβ値を同等とすることができる。これにより、第2端子に比して第1端子が高電圧である場合に抵抗素子として機能する第1MOSトランジスタによる抵抗値と、その逆の第1端子に比して第2端子が高電圧である場合に抵抗素子として機能する第2MOSトランジスタによる抵抗値とが、同等の抵抗値となる。第1端子と第2端子とで電圧差の方向が何れあっても、端子間を同等の抵抗値で結線することができる。
また、本願に開示の抵抗回路において、第1および第2MOSトランジスタは、第3MOSトランジスタに比してチャネル長が長いとして構成してもよい。これにより、第1および第2MOSトランジスタは、第3MOSトランジスタより小さなβ値を有する特性とすることができ、大きな抵抗値とすることができる。
また、本願に開示の抵抗回路において、第4および第5MOSトランジスタは、チャネル長およびチャネル幅が同じであるとして構成してもよい。これにより、第4および第5MOSトランジスタにより構成される差動対において、両トランジスタのゲート端子の電圧を精度よく一致させることができる。第1および第2MOSトランジスタの導通状態と第3MOSトランジスタの導通状態とを精度よく一致させることができ、第1および第2端子間の抵抗値を精度よく調整することができる。
また、本願に開示の抵抗回路において、第4および第5MOSトランジスタのソース端子に接続される第2電流源を備え、第2電流源は第1電流源に比して電流値が2倍であるとして構成してもよい。これにより、第4および第5MOSトランジスタにより構成される差動対において、第4MOSトランジスタに流れる電流と第5MOSトランジスタに流れる電流とを一致させることができ、両トランジスタのゲート端子の電圧を精度よく一致させることができる。第1および第2MOSトランジスタの導通状態と第3MOSトランジスタの導通状態とを精度よく一致させることができ、第1および第2端子間の抵抗値を精度よく調整することができる。
本願に開示される技術に係る抵抗素子によれば、第1および第2端子間で、何れの端子が高電圧であるかに拘わらず、端子間の抵抗値を高抵抗値に維持することができる。
実施形態のMOSトランジスタを利用した抵抗回路の一例を示す回路図である。 背景技術のMOSトランジスタを利用した抵抗回路の一例を使用したCV変換回路である。
図1は、実施形態に係る抵抗回路1である。NMOSトランジスタを利用するものである。第1端子INと第2端子OUT間とを高抵抗で接続する。ここで、第1端子IN、第2端子OUTは、例えば、背景技術におけるCV変換回路(図2)の差動入力端子INP、INN、および差動出力端子VON、VOPに対応する。すなわち抵抗回路1は、PMOSトランジスタMP1p、MP1nを代替する抵抗回路である。
第1端子INと第2端子OUTとの間には、ドレイン端子が第1端子INに接続されるNMOSトランジスタM1と、ドレイン端子が第2端子OUTに接続されるNMOSトランジスタM2とが直列に接続されている。NMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2とは、共にソース端子が接点Mで接続されている。また、チャネル長(L1、L2)は同一長(L1=L2=L)であり、チャネル幅(W1、W2)も同一長である。
NMOSトランジスタM3は、ドレイン端子が電流源IS1を介して電源電圧AVDDに接続されている。電流源IS1からは定電流I1がNMOSトランジスタM3のドレイン端子に供給されている。NMOSトランジスタM3のドレイン端子は、自身のゲート端子、およびNMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2のゲート端子に接続されている。また、NMOSトランジスタM3のソース端子は、NMOSトランジスタM3のバルクに接続されている。NMOSトランジスタM3のチャネル長(L3)は、NMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2のチャネル長(L1=L2=L)より短い(L3<L)。
NMOSトランジスタM4とNMOSトランジスタM5とは、同一長のチャネル長(L4=L5)およびチャネル幅(W)を有し、ソース端子が共に接点n2に接続されている。NMOSトランジスタM4、M5は、飽和領域で動作し差動対を構成している。NMOSトランジスタM4のドレイン端子は、NMOSトランジスタM3のソース端子に接続されている。また、自身のゲート端子にも接続されている。NMOSトランジスタM5のドレイン端子は電源電圧AVDDに接続されている。NMOSトランジスタM5のゲート端子は接点Mに接続されている。NMOSトランジスタM4およびNMOSトランジスタM5のソース端子が接続されている接点n2と接地電位との間には、電流源IS2が接続されている。電流源IS2には、接点n2からの定電流I2が流れ込む。定電流I2は定電流I1の2倍の電流値を有している。
ここで、NMOSトランジスタM3のチャネル長(L3)を、NMOSトランジスタM4、5のチャネル長(L4=L5)と同一長にしてやれば(L3=L4=L5)、NMOSトランジスタM3〜M5をシリコンチップ上にレイアウトする際、専有面積を抑制した効率のよいレイアウトとすることができる。また、NMOSトランジスタM1、M2のチャネル長(L1=L2=L)とNMOSトランジスタM3のチャネル長(L3)との関係(L3<L)において、NMOSトランジスタM3のチャネル長(L3)に対してNMOSトランジスタM1、M2のチャネル長(L1=L2=L)が長いほど、第1端子INと第2端子OUTとの間を高抵抗とすることができる。
次に、抵抗回路1の動作について説明する。電流源IS1から供給される定電流I1は、NMOSトランジスタM3、M4を通り電流源IS2に流れ込む。ここで、電流源IS2の定電流I2は定電流I1の2倍の電流値を有する。このため、差動対の一方のNMOSトランジスタM4から定電流I1が流れ込んだ電流源IS2には、更に差動対の他方のNMOSトランジスタM5から定電流I1が流れ込む。すなわち、差動対を構成するNMOSトランジスタM4、M5には、共に定電流I1が流れる。差動対を構成するNMOSトランジスタM4、M5ではソース端子は接点n2に接続されており共通なので、両トランジスタに流れる電流が共に定電流I1であれば、お互いのゲート端子の電圧は同電圧になる。これにより、NMOSトランジスタM4のドレイン端子とNMOSトランジスタM3のソース端子との接点n1の電圧Vn1(NMOSトランジスタM4のゲート電圧と同じ)と、NMOSトランジスタM1、M2のソース端子間が接続されている接点Mの電圧VM(NMOSトランジスタM5のゲート電圧と同じ)とは、同電圧となる(Vn1=VM)。NMOSトランジスタM4、M5、および電流源IS2により、NMOSトランジスタM1、M2のソース端子間が接続されている接点Mの電圧VMをNMOSトランジスタM4のドレイン端子とNMOSトランジスタM3のソース端子との接点n1の電圧Vn1に一致させるフィードバック回路を構成している。
これにより、NMOSトランジスタM1、M2、およびM3のゲート・ソース端子間の電圧は同電圧となる。ここで、この電圧は、ドレイン・ゲート端子が接続され飽和領域で動作するNMOSトランジスタM3のドレイン端子から流れ込む定電流I1に応じて、NMOSトランジスタM3の特性により決定する電圧である。すなわち、飽和領域で動作するNMOSトランジスタM3のゲート・ソース端子間電圧(VGS(3))とドレイン電流(IDS(3)=I1)との関係式は下記の式(I)のとおりである。
IDS(3)=I1=(β3/2)・(VGS(3)‐VTH)・・・(I)
式(I)から、ゲート・ソース端子間電圧(VGS(3))を導き出すと、
VGS(3)=VTH+√(2I1/β3)・・・(II)
である。一方、NMOSトランジスタM1は線形領域で動作するので、ゲート・ソース端子間電圧(VGS(1))とドレイン電流(IDS(1))との関係式は下記の式(III)のとおりである。尚、NMOSトランジスタM2についても特性は同様であるので、NMOSトランジスタM1により代表するものとする。
IDS(1)=β1・(VGS(1)−VTH)・VDS(1)・・・(III)
式(III)から、ゲート・ソース端子間電圧(VGS(1))を導き出すと、
VGS(1)=VTH+IDS(1)/(β1・VDS(1))・・・(IV)
ここで、VGS(1)=VGS(3)であることから、式(II)、式(IV)より、
√(2I1/β3)=IDS(1)/(β1・VDS(1))、
R(1)=VDS(1)/IDS(1)
=1/(β1・√(2I1/β3)・・・(V)
との関係が求まる。
ここで、I1は電流源IS1が供給する電流、β1、β3は、各々、NMOSトランジスタM1、M3のβ値である。ここで、β値は、NMOSトランジスタを構成する半導体デバイス上のキャリアの移動度やMOSトランジスタのゲート容量などに基づいた特性値に(W/L)(ここで、Lはゲート長、Wはゲート幅)を乗じた値である。前者の特性値は半導体プロセスにおいて固定であるので、回路設計上で調整できるのは(W/L)である。したがって、電流源IS1の定電流I1を小さな値とし、NMOSトランジスタM1〜M3のゲート長(L1、L2、L3)を大きな値とすることにより、抵抗値R(1)を大きくすることができる。ここで、電流源IS1の定電流I1とNMOSトランジスタM3のβ値(β3)は平方根の中にあるので、特に、NMOSトランジスタM1、M2のチャネル長(L1、L2)を大きくしてβ値(β1など)を小さくすることが高抵抗値を得るためには有効である。
NMOSトランジスタM1、M2のチャネル長(L1、L2)を大きくするためには、NMOSトランジスタM1、M2のチャネル長(L1、L2)自身を長くすることのほか、NMOSトランジスタM1、M2を一対として、複数の対を直列接続することが有効である。この場合、NMOSトランジスタM3〜M5の構成も対毎に備えて、各対のNMOSトランジスタM1、M2をバイアスする。
ここで、NMOSトランジスタM1〜M5は、第1〜第5MOSトランジスタの一例であり、電流源IS1、IS2は、各々、第1、第2電流源の一例である。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る抵抗回路1は、第1端子INと第2端子OUTとの間に、NMOSトランジスタM1、M2を、互いのソース端子を接点Mで接続して、各々のドレイン端子は第1端子INと第2端子OUTとに接続して抵抗素子を構成する。これにより、第1および第2端子IN、OUTのうち高電圧となる側の端子に接続されているNMOSトランジスタ(M1あるいはM2の何れか一方)が抵抗素子として機能する。この時、NMOSトランジスタM1あるいはM2の何れか他方は、ソース端子に接続されているバルク(P型半導体)とドレイン端子(N型半導体)との間に形成されているPN接合(ダイオード)を介して電流が流れ、抵抗素子としては機能しない。第1および第2端子IN、OUTの何れの端子が高い電圧値の端子であっても、NMOSトランジスタM1、M2のうちの何れか一方のトランジスタが抵抗素子として機能し、第1および第2端子IN,OUTの間に抵抗値を付与することができる。
また、NMOSトランジスタM4、M5は、同一チャネル長(L)、チャネル幅(W)を有して差動対を構成している。また、NMOSトランジスタM4、M5のソース端子が接続されている接点n2に接続されている電流源IS2の定電流I2は、NMOSトランジスタM4のドレイン端子側に接続されている電流源IS1の定電流I1の2倍の電流値を有している。このため、NMOSトランジスタM5にも同等の定電流I1が流れることとなる。これにより、両トランジスタのゲート端子に印加される電圧は同電位となり(Vn1=VM)、その結果、NMOSトランジスタM1、M2のソース端子の電圧(VM)とNMOSトランジスタM3のソース端子の電圧(Vn1)とを同電位とすることができる。NMOSトランジスタM4、M5と電流源IS2とで、フィードバック回路を構成している。
また、NMOSトランジスタM1、M2、およびNMOSトランジスタM3のゲート端子は共通に結線されており、ソース端子に加えて、ゲート端子に印加される電圧も同電位である。したがって、NMOSトランジスタM1、M2のゲート・ソース端子間の電圧はNMOSトランジスタM3のゲート・ソース端子間の電圧と同電位となる。このゲート・ソース端子間の電圧は、ドレイン端子とゲート端子とが接続された飽和領域で動作するNMOSトランジスタM3において、ドレイン端子に接続される電流源IS1が供給する定電流I1により決定される。定電流I1を制限してやれば、制限された定電流I1に応じた電圧がNMOSトランジスタM3のゲート・ソース端子間に印加され、その電圧が、NMOSトランジスタM1、M2のゲート・ソース端子間の電圧となる。また、NMOSトランジスタM1、M2には、ゲート長(L)とゲート幅(W)との比(W/L)に比例して決定されるβ値に応じた電流が流れるので、電流源IS1が供給する定電流I1、およびNMOSトランジスタM1、M2のβ値を選択してやれば、NMOSトランジスタM1、M2に流れる電流を制御して第1および第2端子IN、OUT間の抗値を大きな値に設定することができる。具体的には、電流源IS1が供給する定電流I1を制限しNMOSトランジスタM1、M2のゲート長(L1、L2)を長くすることにより、高抵抗を得ることができる。尚、NMOSトランジスタM1、M2の抵抗値は、式(V)で表わされる抵抗値となる。
また、抵抗回路1において、NMOSトランジスタM1、M2は、チャネル長(L1、L2)およびチャネル幅(W1、W2)がトランジスタ間で同じであるとすることが好ましい。これにより、NMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2とで、MOSトランジスタ特性におけるβ値を同等とすることができる。これにより、第2端子OUTに比して第1端子INが高電圧である場合に抵抗素子として機能するNMOSトランジスタM1による抵抗値と、その逆の第1端子INに比して第2端子OUTが高電圧である場合に抵抗素子として機能するNMOSトランジスタM2による抵抗値とが、同等の抵抗値となる。第1端子INと第2端子OUTとで電圧の高低が何れあっても、端子間を同等の抵抗値で結線することができる。
また、抵抗回路1において、NMOSトランジスタM1、M2は、NMOSトランジスタM3に比してチャネル長が長い(L3<L1=L2=L)。これにより、NMOSトランジスタM1、M2は、NMOSトランジスタM3より小さなβ値を有する特性とすることができ、大きな抵抗値を持たせることができる。
また、抵抗回路1において、NMOSトランジスタM4、M5は、チャネル長およびチャネル幅が同じである。これにより、オフセット電圧の小さな差動対を構成することができる。両トランジスタのゲート端子の電圧を精度よく一致させることができる(Vn1=VM)。NMOSトランジスタM1、M2の導通状態とNMOSトランジスタM3の導通状態とを精度よく一致させることができ、第1および第2端子IN、OUT間の抵抗値を精度よく調整することができる。
また、抵抗回路1において、NMOSトランジスタM4、M5のソース端子が繋がれている接点n2に接続される電流源IS2の定電流I2は、電流源IS1の定電流I1の2倍の電流値を有している。これにより、差動対を構成するNMOSトランジスタM4とNMOSトランジスタM5とで、流れる電流を一致させることができる。両トランジスタのゲート端子の電圧を精度よく一致させることができる(Vn1=VM)。NMOSトランジスタM1、M2の導通状態とNMOSトランジスタM3の導通状態とを精度よく一致させることができ、第1および第2端子IN、OUT間の抵抗値を精度よく調整することができる。
実施形態の抵抗回路1は、第1、第2端子IN、OUTの電圧の高低に拘わらず、高抵抗を端子間に接続することができるものである。したがって、第1、第2端子IN、OUTの間で、電圧値の高低が適宜逆転する場合にも使用することができる。例えば、全差動アンプのフィードバック抵抗として使用することができる。静電容量値の変化を出力する加速度センサーなどの容量変化による検出値を電圧値に変換するCV変換回路において、全差動アンプの差動入出力端子間を接続するフィードバック抵抗に使用して好都合である。
抵抗素子としてNMOSトランジスタM1、M2の線形動作領域を利用して抵抗素子とするので、第1、第2端子IN、OUT間の広い電圧差の範囲において、抵抗値の直線性に優れた高抵抗を実現することができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、実施形態の抵抗回路1は、NMOSトランジスタで構成する場合を例示して説明したが本願はこれに限定されるものではない。PMOSトランジスタによっても同じ構成の抵抗回路を構成することができる。
また、実施形態では、NMOSトランジスタM1、M2のソース端子間が接続されている接点Mの電圧VMとNMOSトランジスタM4のドレイン端子とNMOSトランジスタM3のソース端子との接点n1の電圧Vn1とを同電圧とするために、NMOSトランジスタM4、M5、および電流源IS2で構成される差動対による場合を説明した。しかしながら本願はこれに限定されるものではない。電圧VMを電圧Vn1にフィードバックするフィードバック特性を有する回路であり、NMOSトランジスタM3に定電流I1を流す構成を含めば、回路構成は実施形態の構成に限定されるものではない。
1 抵抗回路
AVDD 電源電圧
I1、I2 定電流
IN 第1端子
IS1、IS2 電流源
M1〜M5 NMOSトランジスタ
OUT 第2端子

Claims (5)

  1. 第1端子と第2端子との間に抵抗素子として接続される抵抗回路であって、
    バルクに接続されるソース端子が互いに接続され、ドレイン端子が前記第1および第2端子の各々に接続される第1および第2MOSトランジスタと、
    ドレイン端子およびゲート端子が、前記第1および第2MOSトランジスタのゲート端子に接続され、ソース端子がバルクに接続される第3MOSトランジスタと、
    ドレイン端子およびゲート端子が、前記第3MOSトランジスタのソース端子に接続される第4MOSトランジスタと、
    ゲート端子が、前記第1および第2MOSトランジスタのソース端子に接続され、ソース端子が、前記第4MOSトランジスタのソース端子に接続される第5MOSトランジスタと、
    前記第3MOSトランジスタのドレイン端子に接続される第1電流源とを備えることを特徴とする抵抗回路。
  2. 前記第1および第2MOSトランジスタは、チャネル長およびチャネル幅が同じであることを特徴とする請求項1に記載の抵抗回路。
  3. 前記第1および第2MOSトランジスタは、前記第3MOSトランジスタに比してチャネル長が長いことを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗回路。
  4. 前記第4および第5MOSトランジスタは、チャネル長およびチャネル幅が同じであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の抵抗回路。
  5. 前記第4および第5MOSトランジスタのソース端子に接続される第2電流源を備え、
    前記第2電流源は前記第1電流源に比して電流値が2倍であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の抵抗回路。
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