JP6220169B2 - シート状耐火材とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状耐火材とその製造方法に関する。
建築材料の分野においては、従来から耐火性が重要な性能の一つである。例えば、鉄骨造においては、耐火性能基準を満たすために、構造部材をなす梁、柱の鉄骨の表面を耐火性に優れた材料で被覆する方法が実施されている。
鉄骨表面を被覆する材料としては、従来はロックウール又は繊維混入ケイ酸カルシウム板が使われることが多かったが、近年、ゴム又は樹脂からなるシート状耐火材が、優れた施工性および安定した耐火性能品質から、採用されることが多くなってきている。
シート状耐火材としては、例えば、特許文献1に記されるように、粘着性を有するゴム組成物、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物及び金属炭酸塩を含む樹脂組成物を用いたものがある。また、例えば、特許文献2に記されるように、樹脂成分、無機系膨張剤及びホウ酸を含む組成物を用いたものがある。
特開2000−34365号公報 特開2001−348487号公報
シート状耐火材を鉄骨の被覆に用いる場合、輻射熱反射による耐熱性向上、及び加熱膨張後の形状保持のために、その片面又は両面に、ガラスクロス付アルミニウムはくを貼付していることが多い。しかしながら、シート状耐火材に、ガラスクロスと熱膨張性耐火組成物シートとを組み合わせて用いる場合、加熱時にガラスクロスが脆弱化し、加熱膨張後の形状保持力を低下させ、アルミニウムはくが破れて耐火性能が悪化してしまうことがあることが、我々の試験で明らかになった。また、ガラスクロスの表面保護材として使用されることが多いエポキシ樹脂をガラスクロスにコーティングしても、高温による脆弱化に対して必ずしも十分には有効でないことが、我々の試験で明らかになった。
本発明は、熱膨張性耐火組成物シートとガラスクロスとを組み合わせて用いるシート状耐火材において、高温でガラスクロスが脆弱化してしまう問題点を改善することができるシート状耐火材を提供することを目的とする。
本発明は、アルミニウムはくと、ガラスクロスと、層状ケイ酸塩を含む膜と、熱膨張性耐火組成物シートとをこの順に備えるシート状耐火材を提供する。
上記熱膨張性耐火組成物シートは、熱膨張性黒鉛を含むことが好ましい。
また、本発明は、層状ケイ酸塩を含むスラリーを乾燥させて上記層状ケイ酸塩を含む膜を作製する工程を備えるシート状耐火材の製造方法を提供する。
本発明によれば、熱膨張性耐火組成物シートとガラスクロスとを組み合わせて用いるシート状耐火材において、高温でのガラスクロスの脆弱化を抑制することができるため、耐熱性を高く保つことができ、耐火性能を安定的に維持することができる。
本発明の一実施形態であるシート状耐火材を梁に用いた耐火構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態であるシート状耐火材を梁に用いた耐火構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態であるシート状耐火材を梁に用いた耐火構造を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態のシート状耐火材は、アルミニウムはく、ガラスクロス、層状ケイ酸塩を含む膜、熱膨張性耐火組成物シートの順、または、アルミニウムはく、ガラスクロス、層状ケイ酸塩を含む膜、熱膨張性耐火組成物シート、層状ケイ酸塩を含む膜、ガラスクロス、アルミニウムはくの順に積層される。
アルミニウムはくは、特に限定されないが、例えば、JIS H4160に規定されるアルミニウム及びアルミニウム合金はく、JIS H4170に規定される高純度アルミニウムはくが使用できる。厚さは、6μmから200μmであることが好ましい。耐食性を高めるため表面にコーティングがされているものも使用できる。アルミニウムはくは、輻射熱を反射し、シート状耐火材の耐火性を高める働きをする。
ガラスクロスは、特に限定されないが、例えば、JIS R3414に記されるものが使用できる。ガラスクロスは、高温でアルミニウムはくが破れてしまうのを防ぐ働きをする。ガラスクロスの目付は20〜500g/cmが好ましく、50〜200g/cmがより好ましい。また、ガラスクロスの厚さは、0.05〜1.5mmが好ましく、0.08〜0.3mmがより好ましい。
アルミニウムはくとガラスクロスの間はシート状耐火材製作時に接着剤等で接着する必要があるが、ガラスクロス付アルミニウムはく等の、あらかじめ接着剤等でアルミニウムはくとガラスクロスを接着させたものを用いてもよい。
層状ケイ酸塩を含む膜は、主成分として層状ケイ酸塩を含む。層状ケイ酸塩を含む膜は、当該膜の質量を基準として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上の層状ケイ酸塩を含む。層状ケイ酸塩を含む膜は、例えば、層状ケイ酸塩を含むスラリーを乾燥させることによって得ることができる。層状ケイ酸塩を含む膜は、高温でガラスクロスの腐食を防ぐ役割をする。特に、熱膨張性耐火組成物シートに形状保持剤としてホウ素化合物を用いた場合に、ホウ素化合物によるガラスクロスの腐食を防ぐのに効果的である。ホウ素化合物が高温でガラスクロスを腐食するメカニズムは明らかではないが、本発明者らは、おそらく、ホウ素化合物が高温で酸化ホウ素の液体となり、ガラスクロス表面と反応し、ガラスクロス表面を改質してしまうことによるものと考えている。係る作用はホウ素化合物の場合に特に顕著であるが、形状保持剤がリン化合物である場合も、同様の傾向があると考えられる。
層状ケイ酸塩は、いわゆる粘土鉱物のことであるが、特に制限はなく、例えば、バーミキュライト、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、タルク、雲母、モンモリロナイト、緑泥石、カオリナイト、パリゴルスカイト等を用いることができる。これらの中でも、厚みの非常に薄い層状の粒子が得られやすく膜を作製しやすいことから、バーミキュライトが好ましい。
バーミキュライトはひる石とも呼ばれるケイ酸塩化合物である。バーミキュライトは、膜状にするために、化学的剥離バーミキュライト(Chemically Exfoliated Vermiculite、略してCEV)を含むスラリーを乾燥させて得られたものを用いることが好ましい。
バーミキュライトは加熱することにより結晶内の層間が剥離することが知られているが、化学的剥離バーミキュライトとは、熱的に剥離したバーミキュライトとは異なるものとして知られており、鉱物であるバーミキュライトに化学的処理をして水中で膨潤することにより形成される。化学的剥離バーミキュライトの製法としては、例えば、バーミキュライト鉱石を飽和塩化ナトリウム水溶液で処理し、その後、バーミキュライト内のマグネシウムイオンをナトリウムイオンと置換した後、さらに、n−ブチルアンモニウムクロライドで処理してナトリウムイオンをn−ブチルアンモニウムイオンに置換する。これを水で洗浄すると膨潤し、それに高いせん断をかけて層状に剥離したバーミキュライト粒子のスラリーを製造する。化学的剥離バーミキュライトの例としては、スペシャリティー・バーミキュライト社の商品名MicroLite HTS、MicroLite903等が挙げられる。
層状ケイ酸塩を含む膜を作製するためのスラリーとしては、層状ケイ酸塩のスラリー単独でもよいし、それに添加物を加えたスラリーでもよい。層状ケイ酸塩を含むスラリーは、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%の層状ケイ酸塩を含む。添加物としては、密着性を高めるための樹脂エマルジョン、塗布性を高めるための粘度調整剤等があげられる。これらは、高温でのガラスクロスの腐食を防ぐという効果を阻害しない範囲で、任意の割合で添加できる。
上記スラリーを、ガラスクロス、又はガラスクロスに対向する熱膨張性耐火組成物シートに塗布する。塗布する方法としては、公知のいずれの方法を用いてもよく、ヘラ塗り、刷毛塗り、ローラー塗り、吹き付け、浸漬、静電塗装、電着塗装、ロールコーター、フローコーター等が使用できる。
塗布量としては、層状ケイ酸塩分の乾燥重量で、1〜50g/mとするのが好ましく、5〜30g/mとするのがより好ましい。1g/mよりも少ないと、高温でガラスクロスの腐食を防ぐ効果が得られず、アルミニウムはくが破れやすくなるため、耐火性能に劣る。また、50g/mより多くしても、得られる効果に差は得られず、不経済である。また、塗布されたスラリーを乾燥させて膜にする方法としては、既知のいずれの方法を用いてもよく、自然乾燥、熱風循環乾燥、赤外線乾燥等が使用できる。
熱膨張性耐火組成物シートは通常、例えば、結合剤、加熱膨張剤、形状保持剤、充填剤等を含む熱膨張性耐火組成物をシート状に成形することによって得られる。
結合剤は、ゴム系樹脂又は熱可塑性樹脂を用いることができる。ゴム系樹脂及び熱可塑性樹脂は、特に制限されず、公知のものをそのまま用いることができる。ゴム系樹脂及び熱可塑性樹脂は、熱膨張性耐火組成物を混練及び成形する際のバインダーとして主に機能する。
加熱膨張剤は、公知のものをそのまま使用することができる。例えば、メラミン等のメラミン系化合物、尿素、チオ尿素、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N−ジニトロソ−N,N−ジメチルテレフタルアミド等のN−ニトロソ化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のスルホンヒドラジド化合物、塩素化パラフィン、又はこれらの誘導体、熱膨張性黒鉛、ひる石、真珠岩、黒曜石等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、二種以上併用してもよい。これらの中でも、取り扱い及び入手の容易性から、メラミン等のメラミン系化合物又は熱膨張性黒鉛が好ましく、熱膨張性黒鉛がより好ましい。また、加熱時の膨張体積は、1gあたり100cm(cc)以上であることが好ましい。
加熱膨張剤は、加熱時に膨張することにより、本実施形態のシート状耐火材の難燃性能を高めるとともに、断熱層を形成し、火源からの距離をかせぐことで、被覆される構造部材(柱又は梁)表面の温度上昇を抑制することが可能となる。
形状保持剤としては、例えば、リン化合物、ホウ素化合物等を用いることができる。リン化合物としては、ポリリン酸アンモニウム、赤リン、リン酸金属塩、リン酸エステル等を用いることができる。ホウ素化合物としては、ホウ酸、四ホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸亜鉛、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム等、又はこれらの水和物を用いることができる。これらの中でも、形状保持の効果が高く、さらに、資源枯渇の問題もなく価格も安価なホウ素化合物を用いることが好ましい。その中でもホウ酸、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、又はこれらの水和物が好ましい。形状保持剤は、高温で加熱膨張剤による膨張が生じた後の形状を保持する機能を持つ。熱膨張性耐火組成物シートは、当該シートの質量を基準として、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%の形状保持剤を含む。
充填剤は必ずしも必要ではないが、必要に応じ加えることができ、公知の任意の粉体を用いることができる。これらは、本実施形態のシート状耐火材が加熱され膨張した際に、骨材として残り、形状保持剤の働きを補助し、保形性を高める働きを補う。
上記の成分を公知の混練装置を用いて混練することによって、熱膨張性耐火組成物を得ることができる。混練装置としては、例えば、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等が使用できる。
上記混練装置により得られる熱膨張性耐火組成物を、公知の成形装置を用いてシート状に成形することにより、熱膨張性耐火組成物シートを得ることができる。成形装置としては、プレス、押出機、カレンダー成形、ロール成形等が使用できる。
熱膨張性耐火組成物シートの厚さは、0.5mmから10mmが好ましく、より好ましくは1mmから5mmである。熱膨張性耐火組成物シートの厚さが0.5mm未満であると柱、梁等の構造部材に十分な耐火性能を与えにくくなる傾向にあり、10mmより厚いと耐火材として高コストになる傾向にある。
上記のようにして得られた熱膨張性耐火組成物シートの片面又は両面に、層状ケイ酸塩を含む膜を介してアルミニウムはく及びガラスクロスを貼り付ける。この場合、まず層状ケイ酸塩を含む膜をガラスクロスに付けてから、アルミニウムはく、ガラスクロス及び層状ケイ酸塩を含む膜を熱膨張性耐火組成物シートに貼合してもよいし、又は、まず層状ケイ酸塩を含む膜を熱膨張性耐火組成物シートに付けてから、アルミニウムはく及びガラスクロスをそれに対し貼合してもよい。貼合方法としては、接着剤を用いる方法、タッカー等の機械的固定方法、圧力により密着させる方法等のいずれでもよい。
本実施形態のシート状耐火材は、加熱された際に主に厚み方向に膨張する。加熱時の膨張倍率は、加熱前の厚みに対し3〜30倍であることが好ましく、より好ましくは5〜20倍であり、さらに好ましくは7〜15倍である。加熱時の膨張倍率が3倍未満であると、構造部材に十分な耐火性能を与えにくくなる傾向にあり、30倍より高いと構造部材への被覆を維持しにくくなる傾向にある。
本実施形態のシート状耐火材は、建物の構造部材(柱又は梁)に用いることによって、優れた耐火構造となる。以下、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるシート状耐火材を梁に用いた耐火構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、耐火構造20aは、構造部材である梁として設けられた鉄骨1aの外側をシート状耐火材10aが被覆しており、シート状耐火材10aの両端部分は、鉄骨1aの上部側に配置された下地2に固定部材3によって固定される。
固定部材3は、金属製の留め具、例えば鉄製のタッカー、ピン、ビス等を用いることが好ましい。固定部材3は、シート状耐火材10a及び下地2の厚み方向に貫通することによって、シート状耐火材10aを固定する。
このように、耐火構造20aは、シート状耐火材10aが鉄骨1aの外表面を被覆することにより、耐火性能に優れた耐火構造となる。すなわち、火災等により加熱されると、シート状耐火材10aが膨張し、耐火断熱層を形成する。この耐火断熱層は、本実施形態の熱膨張性耐火組成物の保形性が高いため容易に崩落しない強固なものであり、鉄骨に熱が伝わることを抑制する。
図2は、本発明の一実施形態であるシート状耐火材を梁に用いた耐火構造を模式的に示す断面図である。図2に示すように、耐火構造20bは、構造部材である梁として設けられた鉄骨1aの外側をシート状耐火材10aが被覆している。シート状耐火材10aの両端部分は、鉄骨1aの上部側に配置された下地2に対して、固定部材4及び固定部材5を介して固定される。
固定部材4は、金属製の留め具、例えば鉄製のピン、ビス等を用いることが好ましく、固定部材5は、金属製の留め具、例えば鉄製のキャップ等を用いることが好ましい。固定部材4は、一方が下地2に接着剤等で固定され、他方がシート状耐火材10aの厚み方向に貫通し、固定部材5によって固定される。
耐火構造20bも、耐火構造20aと同様に耐火性能に優れる。
図3は、本発明の一実施形態であるシート状耐火材を柱に用いた耐火構造を模式的に示す断面図である。図3に示すように、耐火構造30は、鉄骨1bの外側表面を石膏ボード6で被覆し、石膏ボード6の外側表面をシート状耐火材10bが被覆するように配置されている。ここで、シート状耐火材10bは、鉄骨1bを被覆する石膏ボード6の中央部分において固定部材3で固定されるとともに(固定部分C)、シート状耐火材10bの両端部分を重ねるようにして、固定部材3で固定される(固定部分D)。
このように、耐火構造30は、鉄骨1bをシート状耐火材10bが被覆することにより、火災等により加熱されると、シート状耐火材10bに含まれる熱膨張性耐火組成物が膨張し、耐火断熱層を形成する。ここで、本実施形態の熱膨張性耐火組成物は保形性が高いため、容易に崩落しない強固な耐火断熱層となり、鉄骨へ熱が伝わりにくく、耐火性能に優れた耐火構造となる。
以上、本実施形態のシート状耐火材を用いることにより、作業環境の悪化、施工性の悪化、現場施工による品質管理の難しさといった問題点を解消することができ、耐火性能に優れたシート状耐火材を提供できる。
なお、上述した実施形態は本発明に係るシート状耐火材の実施形態を説明したものであり、本発明に係るシート状耐火材は本実施形態に記載したものに限定されるものではない。
例えば、本実施形態のシート状耐火材は、構造部材だけでなく、通常時に開放させ火災時に閉鎖させたい軒天井の換気スリットとして使用したり、工場生産された耐火性能のある外壁/屋根材相互の目地材、防火ドア・サッシ・シャッター等の目地材として使用することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
原料としては、以下に示すものを用いた。
(ゴム系樹脂)
ブチルゴム:再生品DT999
(ホウ素化合物)
ホウ酸:早川商事社、OptiborTP
(加熱膨張剤)
熱膨張性黒鉛:鈴裕化学社、GREP−EG、膨張倍率180cm/g(cc/g)
(ゴム軟化剤)
プロセスオイル:出光興産社、PA90
(ガラスクロス付アルミニウムはく)
前田硝子社、ALGC−O−20−R−1000、アルミニウムはく0.02mm厚、ガラスクロス目付86g/m、0.11mm厚
(バーミキュライトスラリー)
Speciality Vermiculite社、MicroLite HTS、固形分15wt%
ゴム系樹脂24.9wt%、ホウ素化合物53.1wt%、加熱膨張剤10.0wt%、ゴム軟化剤12.0wt%で配合した原料を、3リットル加圧ニーダーに投入して、混練し、混練物を得た。
一方、ガラスクロス付アルミニウムはくの、ガラスクロス側に、乾燥状態で6g/mに相当する量のバーミキュライトスラリーを刷毛で塗布した後、80℃で6分間乾燥させ、ガラスクロス上にバーミキュライトの膜を作製した。
プレス機を用いて混練物を厚さ約1.7mmの熱膨張性耐火組成物シートにするとともに、ガラスクロス付アルミニウムはくのガラスクロス側が熱膨張性耐火組成物シート側に来るように配置して、熱膨張性耐火組成物シートとガラスクロス付アルミニウムはくをプレス機を用いて押圧することによって貼合し、片面にガラスクロス付アルミニウムはくの配置されたシート状耐火材を得た。
このシート状耐火材を、100mm×100mmの大きさに切り出し、コーンカロリーメーターを用いてガラスクロス付アルミニウムはくのない側の面を加熱した。輻射熱は50kW/mとし、加熱時間は30分間とした。加熱後に、シート状耐火材の膨張倍率を測定した。シート状耐火材の膨張倍率は、加熱試験後のシート状耐火材の厚さを加熱試験前のシート状耐火材の厚さで除すことにより算出した。これにより、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、約15倍の厚さに膨張した。
加熱試験後の試験体からガラスクロス部を取り出し、引張試験を行った。引張試験は幅25mm、荷重部長さ50mm、ヘッドスピード1mm/minで行った。ガラスクロスの縦方向及び横方向それぞれ2回ずつ最大荷重を測定し、それらの平均を引張強度とした。
<実施例2>
ガラスクロス付アルミニウムはくに塗布するバーミキュライトスラリーの量を、乾燥状態で13g/mに相当する量としたこと以外は、実施例1と同様とした。
<比較例1>
ガラスクロス付アルミニウムはくにバーミキュライトスラリーを塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様とした。
Figure 0006220169
表1に示すように、バーミキュライトの膜をガラスクロス上に作製した実施例1、2のシート状耐火材は、加熱後にもガラスクロスが強度を維持していた。一方、バーミキュライトの膜のない比較例1のシート状耐火材は、ガラスクロスの強度が著しく低下していた。
<実施例3>
原料としては、以下に示すものを用いた。
(ゴム系樹脂)
ブチルゴム:再生品DT999
(ホウ素化合物)
ホウ酸:関東化学社、試薬
(加熱膨張剤)
熱膨張性黒鉛:鈴裕化学社、GREP−EG、膨張倍率180cm/g(cc/g)
(ゴム軟化剤)
プロセスオイル:出光興産社、PA90
(ガラスクロス付アルミニウムはく)
前田硝子社、ALGC−O−20−R−1000、アルミニウムはく0.02mm厚、ガラスクロス目付86g/m、0.11mm厚
(バーミキュライトスラリー)
Speciality Vermiculite社、MicroLite HTS、固形分15wt%
表2に示す配合の原料を、150ミリリットル加圧ニーダーに投入して、混練し、混練物を得た。
一方、ガラスクロス付アルミニウムはくの、ガラスクロス側に、表2に示す量のバーミキュライトスラリーを刷毛で塗布した後、80℃で6分間乾燥させ、ガラスクロス上にバーミキュライトの膜を作製した。
プレス機を用いて混練物を厚さ約2.2mmの熱膨張性耐火組成物シートにするとともに、ガラスクロス付アルミニウムはくのガラスクロス側が熱膨張性耐火組成物シート側に来るように配置して、熱膨張性耐火組成物シートとガラスクロス付アルミニウムはくをプレス機を用いて押圧することにより貼合し、片面にガラスクロス付アルミニウムはくの配置されたシート状耐火材を得た。
このシート状耐火材を、100mm×100mmの大きさに切り出し、コーンカロリーメーターを用いてガラスクロス付アルミニウムはくのない側の面を加熱した。輻射熱は50kW/mとし、加熱時間は30分間とした。これにより、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、13倍の厚さに膨張した。
加熱試験後の試験体からガラスクロス部を取り出し、引張試験を行った。引張試験は幅25mm、荷重部長さ50mm、ヘッドスピード1mm/minで行った。ガラスクロスの縦方向、横方向それぞれ2回ずつ最大荷重を測定し、それらの平均を引張強度とした。加熱後の引張強度の測定結果を表2に示す。加熱後にもガラスクロスが強度を維持していた。
Figure 0006220169
<実施例4>
ホウ素化合物として、ホウ酸の代わりに酸化ホウ素(関東化学社、試薬)を用いること以外は、実施例3と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、8倍の厚さに膨張した。表2に示すように加熱後にもガラスクロスが強度を維持していた。
<実施例5>
ホウ素化合物として、ホウ酸の代わりに五ホウ酸アンモニウム八水和物(米山化学工業社、(NHO・5B・8HO)を用いること以外は、実施例3と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、10倍の厚さに膨張した。表2に示すように加熱後にもガラスクロスが強度を維持していた。
<実施例6>
ガラスクロス付アルミニウムはくに塗布するバーミキュライトスラリーの量を、乾燥状態で26g/mに相当する量としたこと以外は、実施例3と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、12倍の厚さに膨張した。表2に示すように加熱後にもガラスクロスが強度を維持していた。
<比較例2>
ガラスクロス付アルミニウムはくに、バーミキュライトスラリーを塗布しなかったこと以外は、実施例3と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、12倍の厚さに膨張した。表2に示すようにガラスクロスの強度が著しく低下していた。
<比較例3>
ガラスクロス付アルミニウムはくに、バーミキュライトスラリーを塗布しなかったこと以外は、実施例4と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、8倍の厚さに膨張した。表2に示すようにガラスクロスの強度が著しく低下していた。
<比較例4>
ガラスクロス付アルミニウムはくに、バーミキュライトスラリーを塗布しなかったこと以外は、実施例5と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、10倍の厚さに膨張した。表2に示すようにガラスクロスの強度が著しく低下していた。
<比較例5>
ガラスクロス付アルミニウムはくにバーミキュライトスラリーを塗布する代わりに、エポキシ樹脂(セメダイン社、EP20)を20g/m塗布したこと以外は、実施例3と同様とした。加熱により、シート状耐火材は、一時的には炎を上げて燃えつつ、13倍の厚さに膨張した。ガラスクロスの強度が著しく低下していた。
1a、1b・・・鉄骨、2・・・下地、3、4、5・・・固定部材、6・・・石膏ボード、10a、10b・・・シート状耐火材。20a、20b・・・梁用耐火構造、30・・・柱用耐火構造。

Claims (3)

  1. アルミニウムはくと、ガラスクロスと、層状ケイ酸塩を含む膜と、熱膨張性耐火組成物シートとをこの順に備え
    前記層状ケイ酸塩を含む膜における層状ケイ酸塩の含有量が、1〜50g/m であり、かつ該膜の質量を基準として80質量%以上である、シート状耐火材。
  2. 前記熱膨張性耐火組成物シートが熱膨張性黒鉛を含む、請求項1に記載のシート状耐火材。
  3. 層状ケイ酸塩を含むスラリーを乾燥させて前記層状ケイ酸塩を含む膜を作製する工程を備える、請求項1又は2に記載のシート状耐火材の製造方法。
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