JP6219578B2 - 摺動シール及びそれを備えるシール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、第1部材が第2部材に対して回動自在である2つの部材間の環状隙間を密封するためのものであり、例えば圧延設備の軸受部に適用される摺動シール及びそれを備えるシール構造に関する。
従来のオイルシールの一例を、図6を参照して説明する。このオイルシール1は、軸部2が軸受部(図示せず)を介して回動自在にケーシング3に支持され、このケーシング3の内周面と、軸部2の外周面(摺動面2a)との間の環状隙間10を密封するためのものである。
このオイルシール1は、係着部4と、シールリップ5と、これら係着部4とシールリップ5とを互いに結合する金属製の支持部6と、ダストリップ7とを備えている。これら係着部4、シールリップ5、支持部6、及びダストリップ7は、それぞれ円環状に形成されており、係着部4、シールリップ5、及びダストリップ7は、それぞれゴム様弾性体製である。
係着部4は、図6に示すように、このオイルシール1をケーシング3の内周面である装着部8に取り付けるためのものであり、ケーシング3の内周面に密着して取り付けられている。
シールリップ5は、密封対象潤滑剤(例えばグリース)が大気側に漏れないように隙間10を密封するためのものであり、支持部6から密封対象潤滑剤側に向かって突出し、かつ、その先端部が軸部2の外周面(摺動面2a)に圧接している。そして、このシールリップ5には、その摺動面2aに円環状の引っ張りコイルバネ(締付け部材9)が装着され、この締付け部材9の弾性力によって、シールリップ5が軸部2の摺動面2aに押し付けられている。なお、密封対象潤滑剤側には、軸受部が設けられ、この軸受部は、密封対象潤滑剤によって潤滑される。
支持部6は、係着部4とシールリップ5とを互いに結合して、それぞれの位置関係を保持するためのものである。
ダストリップ7は、大気側のダストや水が密封対象潤滑剤側に進入しないように隙間10を密封するためのものであり、シールリップ5の基端部から大気側に向かって突出し、かつ、その先端部が軸部2の摺動面2aに圧接している。
この図6に示すオイルシール1によると、シールリップ5は、締付け部材9によって軸部2の摺動面2aに押し付けられていること、及び、密封対象潤滑剤側に充填されているグリースの圧力によって当該シールリップ5が軸部2の摺動面2aに押し付けられることによって、密封対象潤滑剤が大気側に漏れることを防止できる。
そして、このダストリップ7によると、当該ダストリップ7自体の弾性力によって軸部2の摺動面2aに押し付けられていること、及び、大気中のダストや水の圧力等によって、ダストリップ7を密封対象潤滑剤側に押し付ける方向の力が掛ると、ダストリップ7の先端部が軸部2の摺動面2aに押し付けられることによって、大気側のダストや水が密封対象潤滑剤側に進入することを防止できる。
また、この種のオイルシールの他の例として、実開平6−80954号公報に開示されているものがある(例えば、特許文献1参照。)
実開平6−80954号公報
しかし、図6に示す従来のオイルシール1では、当該オイルシール1が装着されたケーシング3を、軸部2に組み付けたときに、ダストリップ7が軸部2の外周面に押圧されて意図しない方向の密封対象潤滑剤側に変形(反転)してしまうことがある。また、ダストリップ7が、大気側のダストや水の圧力によって、意図しない方向の密封対象潤滑剤側に変形(反転)した状態になってしまうこともある。このように、ダストリップ7がそのように変形(反転)した状態で使用されると、大気側のダストや水がシールリップ5の背面の空間Kに入り込み、シールリップ5と軸部2の外周面との間の接触部を通って密封対象潤滑剤側に進入することがある。このようなことがあると、軸受部の故障の原因となることがある。
そして、ダストリップ7は、シールリップ5よりも大気側の位置に設けられ、密封対象潤滑剤側の空間に面していないので、ダストリップ7と軸部2の外周面との間は、潤滑剤によって潤滑され難く、この部分で発生する摩擦熱によってダストリップ7が劣化し易いと考えられる。よって、オイルシール1の寿命が短くなり、その結果、大気側からのダストが密封対象潤滑剤側に進入することがあり、適切な密封性能を長期間維持することができないという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、潤滑剤保持部が潤滑剤を確実に保持できて、シールリップ及び凸部と摺動面との間を継続して潤滑できるようにして、摺動シールによる適切な密封性能を長期間維持することができる摺動シール及びそれを備えるシール構造を提供することを目的としている。
本発明に係る摺動シールは、第1部材が第2部材に対して回動自在であり、この2つの部材間の環状隙間を密封するためのものであり、前記第2又は第1部材に設けられた環状の装着部に装着される摺動シールにおいて、円環状に形成され、前記装着部に装着されて取り付けられる係着部と、円環状に形成され、前記第1又は第2部材の摺動面に圧接して大気側のダストが密封対象潤滑剤側に進入することを防止するためのシールリップと、前記シールリップよりも密封対象潤滑剤側に設けられ、前記摺動シールが前記装着部に装着された状態で、径が前記摺動面の径と一致し又はそれに近い寸法となる円環状に形成された凸部と、前記シールリップと前記凸部との間に形成され、密封対象潤滑剤を保持するための潤滑剤保持部とを備えることを特徴とするものである。
この発明に係る摺動シールによると、係着部を装着部に装着することによって、摺動シールを第2又は第1部材に取り付けることができる。摺動シールを第2又は第1部材に取り付けた状態で、シールリップが第1又は第2部材の摺動面に圧接して大気側からのダストが密封対象潤滑剤側に進入することを防止できる。
そして、摺動シールを装着部に装着した状態で、凸部の径が摺動面の径と一致し又はそれに近い寸法となる円環状に形成されているので、凸部と摺動面との間の接触圧を零又はそれに近い大きさに設定することができる。これによって、密封対象潤滑剤は、例えば密封対象潤滑剤側の圧力に応じた流量で、凸部と摺動面との間を通ってシールリップと凸部との間に形成された潤滑剤保持部に移動することができ、この潤滑剤保持部によって保持される。よって、この潤滑剤によって、シールリップ及び凸部と摺動面との間を継続して潤滑することができる。
この発明に係る摺動シールにおいて、前記シールリップは、大気側に向かって延びる形状とするとよい。
このようにすると、シールリップにより、大気側のダストが密封対象潤滑剤側に進入することを防止することができる。そして、シールリップは、潤滑剤保持部内の密封対象潤滑剤を大気側に適切な流量で漏れるようにすることができるので、密封対象潤滑剤を潤滑剤保持部に移動させることができる。
この発明に係る摺動シールにおいて、前記凸部は、第1部材側に向かって突出し、当該円環状の凸部の中心線を通る断面形状が、前記係着部に向かうに従って幅が大きくなり、前記摺動面に向かう先端部が円弧状に形成されているものとするとよい。
このように、円環状の凸部の中心線を通る当該凸部の断面形状が、係着部に向かうに従ってその幅が大きくなっているので、この凸部が外力によって、例えば密封対象潤滑剤側又は大気側に変形することを効果的に防止することができる。これによって、潤滑剤保持部が潤滑剤を確実に保持できるようにして、シールリップ及び凸部と摺動面との間を継続して潤滑することができる。
そして、凸部の先端部を円弧状に形成すると、凸部の先端部を矩形とするよりも、凸部が上記のように変形したときの、凸部の摺動面に対する接触圧の変動や、その隙間の大きさの変動を小さくすることができる。これによって、密封対象潤滑剤が、凸部と摺動面との間を通ってシールリップと凸部との間に形成された潤滑剤保持部に移動する流量のばらつきを小さくすることができる。よって、潤滑剤を安定した流量で潤滑剤保持部に移動させることができ、シールリップと摺動面との間を安定して潤滑することができる。
この発明に係る摺動シールにおいて、前記シールリップは、ダストシール部材に設けられ、前記凸部は、前記ダストシール部材とは別の潤滑剤止め部材に設けられ、前記ダストシール部材及び前記潤滑剤止め部材は、互いに組み合わせて使用されるものとするとよい。
このように、ダストシール部材及び潤滑剤止め部材を互いに組み合わせるようにしても、摺動シールを製造することができる。
本発明に係るシール構造は、第1部材が第2部材に対して回動自在であり、この2つの部材間の環状隙間を密封するためのものであり、前記第2又は第1部材に設けられた環状の装着部と、この装着部に装着される摺動シールとを備えるシール構造において、前記摺動シールは、円環状に形成され、前記装着部に装着されて取り付けられる係着部と、円環状に形成され、前記第1又は第2部材の摺動面に圧接して大気側からのダストが密封対象潤滑剤側に進入することを防止するためのシールリップと、前記シールリップよりも密封対象潤滑剤側に設けられ、前記摺動シールが前記装着部に装着された状態で、径が前記摺動面の径と一致し又はそれに近い寸法となる円環状に形成された凸部と、前記シールリップと前記凸部との間に形成され、密封対象潤滑剤を保持するための潤滑剤保持部とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係るシール構造によると、本発明に係る摺動シールを備えており、この摺動シールは、上記と同様に作用する。
本発明に係る摺動シール及びシール構造によると、摺動シールを装着部に装着した状態で、凸部の径が摺動面の径と一致し又はそれに近い寸法となる円環状に形成されているので、摺動シールが装着された第2又は第1部材を、第1又は第2部材に組み付けたときに、当該凸部が摺動面に押圧されて意図しない方向に変形(反転)してしまうことがない。また、当該凸部が、密封対象潤滑剤側の圧力によって、意図しない方向に変形(反転)した状態になってしまうこともない。よって、凸部がそのように変形(反転)した状態で使用されることがないので、潤滑剤保持部が潤滑剤を確実に保持することができて、シールリップ及び凸部と摺動面との間を継続して潤滑することができる。
そして、潤滑剤保持部に保持された潤滑剤によって、シールリップ及び凸部と摺動面との間を継続して潤滑することができるので、この部分で発生する摩擦熱を低減してシールリップ及び凸部の摩擦熱による劣化を抑制することができる。よって、摺動シールの長寿命化を図ることができ、その結果、大気側からのダストが密封対象潤滑剤側に進入することを防止するための適切な密封性能を長期間維持することができる。しかも、密封対象潤滑剤が大気側に漏れることを適切に抑制することができる。
また、摺動シールの凸部と摺動面との間の接触圧を零又はそれに近い大きさに設定することができるので、当該凸部と摺動面との間の摺動摩擦抵抗を零又はそれに近い大きさにすることができる。これによって、凸部、及び摺動面を構成する第1又は第2部材の摩耗を低減してそれらの長寿命化を図ることができ、適切な密封性能を長期間維持することができる。しかも、回転に要する動力のトルク損失を軽減することができる。
この発明の第1実施形態に係る摺動シールを第2部材の装着凹部に装着した状態を示す断面図である。 同第1実施形態に係る摺動シールを圧延設備の軸受部に適用した例を示す部分縦断面図である。 同発明の第1〜第5実施形態に係る摺動シールの部分断面を示す図であり、(a)は、第1実施形態を示し、(b)は、第2実施形態を示し、(c)は、第3実施形態を示し、(d)は、第4実施形態を示し、(e)は、第5実施形態を示している。 同発明の他の実施形態に係る摺動シールの部分断面を示す図である。 図4に示す摺動シールを第2部材の装着凹部に装着した状態を示す断面図である。 従来のオイルシールの一例を示す断面図である。
以下、本発明に係る摺動シール及びそれを備えるシール構造の第1実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。この摺動シール11が使用されているシール構造12は、図1に示すように、例えば第1部材13が軸受部15(図2参照)を介して回動自在に第2部材14に支持され、この第1部材13と第2部材14との間に形成されている環状隙間16を摺動シール11で密封するものであり、例えば圧延設備17に適用することができるものである。そして、密封対象潤滑剤18は、例えばグリース等の潤滑剤である。
この図2に示す第1及び第2部材13、14を備えている圧延設備17の回転側の第1部材13は、ロールであり、図2に表れている部分は、ロール本体部13b及び軸部(スリーブ13dを含む)13cであり、ロールの一部を成している。そして、固定側の第2部材14は、ロールを軸受部15を介して回動自在に支持するケーシングである。このケーシングを構成するシール取付部の内周面に円環状の装着凹部(装着部)19が形成されている。この円環状の装着凹部19の断面形状は、矩形であり、この矩形断面の装着凹部19に摺動シール11が装着されている。なお、この実施形態では、圧延設備17のロール(第1部材13)が鉛直方向と平行する状態で設けられている竪型圧延設備17を例に挙げて説明する。
そして、図2に示すように、第1部材13と第2部材14との間に形成されている環状隙間16において、軸受部15を基準にして、ロール本体部13b側の環状隙間16には、ダストシール21が2つ設けられ、そして、軸部13cの端部側の環状隙間16には、本発明の摺動シール11が設けられている。これらダストシール21及び摺動シール11によって軸受部15を収容している空間22を密封している。
そして、軸受部15を収容している空間22には、グリース等の密封対象潤滑剤18が所定の圧力で供給されるようになっており充填されている。この密封対象潤滑剤18は、軸受部15を潤滑するためのものである。
ただし、この実施形態では、摺動シール11を圧延設備17の軸受部15のシール構造に適用したが、これ以外の第1部材13が第2部材14に対して回動自在である2つの部材間の環状隙間16の密封性確保のためにこの摺動シール11を使用することができる。
また、図1に示す摺動シール11は、第2部材14(ケーシング)の内周面に形成した装着凹部19に取り付けることができる孔用の摺動シールに適用した例を示している。
摺動シール11は、図1に示すように、係着部23と、シールリップ24と、支持部25と、凸部26と、潤滑剤保持部27とを備えている。これら係着部23、シールリップ24、支持部25、及び凸部26は、それぞれ円環状に形成されており、係着部23、シールリップ24、及び凸部26は、それぞれゴム様弾性体製である。そして、支持部25は、例えば金属製である。
係着部23は、図1に示すように、この摺動シール11を第2部材(ケーシング)14の内周面に形成された装着凹部19に取り付けるためのものであり、装着凹部19の円環状の底面19aに例えば圧接して取り付けられている。
シールリップ24は、大気側の気体、液体、及びダストが密封対象潤滑剤18側に進入しないように隙間16を密封するためのものであり、係着部23の密封対象潤滑剤18側の端部から大気側に向かって突出し、かつ、その先端部が軸部13cの外周面である摺動面13aに圧接している。
金属製の支持部25は、係着部23、シールリップ24、及び凸部26のそれぞれの位置関係を保持するためのものであり、摺動シール11の密封対象潤滑剤18側の側面に設けられている。この円環状に形成された支持部25は、その中心線20(図2参照)を通る断面形状がI字形状である。
凸部26は、軸受部15側の空間22に充填されている密封対象潤滑剤18が、所定以上の流量で大気側に漏れないように隙間16を封止するためのものであり、シールリップ24よりも密封対象潤滑剤18側に設けられている。そして、凸部26は、摺動シール11が装着凹部19に装着された状態で、その内径N1が第1部材13の摺動面13a(軸部13cの外周面)の外径N2と一致し又はそれに近い寸法となるように形成されている。
また、凸部26は、図1に示すように、第1部材13側に向かって突出し、当該円環状の凸部26の中心線20を通る断面形状が、係着部23(摺動シール11の外周面)に向かうに従って幅W1が大きくなる例えば逆三角形状であり、摺動面13aに向かう先端部26aが円弧状に形成されている。
ただし、当該円環状の凸部26の中心線20を通る断面形状を、上記以外の形状としてもよい。例えば凸部26の断面形状が略矩形、略逆台形、略半円形であるものとしてもよい。
潤滑剤保持部27は、図1に示すように、シールリップ24と凸部26との間に形成された凹部であり、密封対象潤滑剤18を保持するためのものである。この潤滑剤保持部27は、シールリップ24及び凸部26のそれぞれの内周面で形成されている。
次に、上記のように構成された摺動シール11及びそれを使用したシール構造12の作用について説明する。この摺動シール11によると、図1に示すように、係着部23を装着凹部19に装着することによって、摺動シール11を第2部材14に着脱自在に取り付けることができる。摺動シール11を第2部材14に取り付けた状態で、シールリップ24が第1部材13の摺動面13aに圧接して大気側からの気体、液体、及びダストが密封対象潤滑剤18側に進入することを防止できる。
そして、摺動シール11を装着凹部19に装着した状態で、凸部26の内径N1が摺動面13aの外径N2と一致し又はそれに近い寸法となる円環状に形成されているので、凸部26と摺動面13aとの間の接触圧を零又はそれに近い大きさに設定することができる。これによって、密封対象潤滑剤18は、例えば密封対象潤滑剤18側の圧力に応じた流量で、凸部26と摺動面13aとの間を通ってシールリップ24と凸部26との間に形成された潤滑剤保持部27に移動することができ、この潤滑剤保持部27によって保持される。よって、この潤滑剤18によって、シールリップ24及び凸部26と摺動面13aとの間を継続して潤滑することができる。
そして、上記のように、摺動シール11を装着凹部19に装着した状態で、凸部26の内径N1が摺動面13aの外径N2と一致し又はそれに近い寸法となる円環状に形成されているので、摺動シール11が装着された第2部材14を、第1部材13に組み付けたときに、当該凸部26が摺動面13aに押圧されて意図しない方向の密封対象潤滑剤18側又は大気側に変形(反転)してしまうことがない。また、当該凸部26が、密封対象潤滑剤18側の圧力によって、意図しない方向の大気側に変形(反転)した状態になってしまうこともない。よって、凸部26がそのように変形(反転)した状態で使用されることがないので、潤滑剤保持部27が潤滑剤を確実に保持することができて、シールリップ24及び凸部26と摺動面13aとの間を継続して潤滑することができる。
また、潤滑剤保持部27に保持された潤滑剤18によって、シールリップ24及び凸部26と摺動面13aとの間を継続して潤滑することができるので、この部分で発生する摩擦熱を低減してシールリップ24及び凸部26の摩擦熱による劣化を抑制することができる。よって、摺動シール11の長寿命化を図ることができ、その結果、大気側からの気体、液体、及びダストが密封対象潤滑剤18側に進入することを防止するための適切な密封性能を長期間維持することができる。しかも、密封対象潤滑剤18が大気側に漏れることを適切に抑制することができる。
更に、摺動シール11の凸部26と摺動面13aとの間の接触圧を零又はそれに近い大きさに設定することができるので、当該凸部26と摺動面13aとの間の摺動摩擦抵抗を零又はそれに近い大きさにすることができる。これによって、凸部26、及び摺動面13aを構成する第1部材13(スリーブ13d)の摩耗を低減してそれらの長寿命化を図ることができ、適切な密封性能を長期間維持することができる。しかも、回転に要する動力のトルク損失を軽減することができる。
そして、図1に示すように、シールリップ24は、大気側に向かって延びる形状であるので、このシールリップ24により、大気側の気体、液体、及びダストが密封対象潤滑剤18側に進入することを防止できる。そして、シールリップ24は、上記のように構成されているので、潤滑剤保持部27内の密封対象潤滑剤18を大気側に適切な流量で漏れるようにすることができるので、密封対象潤滑剤18を潤滑剤保持部27に移動させることができる。
また、図1に示すように、円環状の凸部26の中心線20(図2参照)を通る当該凸部26の断面形状は、係着部23に向かうに従ってその幅W1が大きくなっているので、この凸部26が外力によって、例えば密封対象潤滑剤18側又は大気側に変形することを効果的に防止することができる。これによって、潤滑剤保持部27が潤滑剤を確実に保持できるようにして、シールリップ24及び凸部26と摺動面13aとの間を継続して潤滑することができる。
そして、凸部26の先端部26aを円弧状に形成すると、凸部26の先端部26aを矩形とするよりも、凸部26が上記のように変形したときの、凸部26の摺動面13aに対する接触圧の変動や、その隙間の大きさの変動を小さくすることができる。これによって、密封対象潤滑剤18が、凸部26と摺動面13aとの間を通ってシールリップ24と凸部26との間に形成された潤滑剤保持部27に移動する流量のばらつきを小さくすることができる。よって、潤滑剤18を安定した流量で潤滑剤保持部27に移動させることができ、シールリップ24及び凸部26と摺動面13aとの間を安定して潤滑することができる。
次に、図3(a)〜図3(e)を参照して、本発明の第1〜第5実施形態に係る摺動シールを説明する。図3(a)は、第1実施形態の摺動シール11を示しており、図3(b)は、第2実施形態の摺動シール30を示している。
この図3(b)に示す第2実施形態と、図3(a)に示す第1実施形態とが相違するところは、図3(a)に示す第1実施形態では、円環状に形成された支持部25の断面形状がI字形状であるのに対して、図3(b)に示す第2実施形態では、円環状に形成された支持部31の断面形状をL字形状にしたところである。
この図3(b)に示す摺動シール30の支持部31は、摺動シール30の密封対象潤滑剤18側の側面に設けられている円環状部31aと、係着部23に設けられている短円筒部31bとを有している。
図3(c)は、第3実施形態の摺動シール34を示している。この図3(c)に示す第3実施形態の摺動シール34は、図3(b)に示す第2実施形態の摺動シール30において、シールリップ24の先端部の外周面に円環状の引っ張りコイルバネ(締付け部材35)を装着したものであり、この締付け部材35の弾性力によって、シールリップ24を第1部材13の摺動面13aに押し付けるようになっている。
図3(d)は、第4実施形態の摺動シール38を示している。この図3(d)に示す第4実施形態の摺動シール38は、図3(a)に示す第1実施形態の摺動シール11において、シールリップ24の先端部の外周面に円環状の引っ張りコイルバネ(締付け部材35)を装着したものである。この締付け部材35の弾性力によって、シールリップ24を第1部材13の摺動面13aに押し付けるようになっている。
図3(e)は、第5実施形態の摺動シール41を示している。この図3(e)に示す第5実施形態と、図3(b)に示す第2実施形態とが相違するところは、シールリップ24の厚みの寸法が、図3(e)に示す第5実施形態の方が、図3(b)に示す第2実施形態よりも大きくなっているところと、シールリップ24の長さの寸法が、図3(e)に示す第5実施形態の方が、図3(b)に示す第2実施形態よりも小さくなっているところである。
この図3(e)に示す摺動シール41によると、シールリップ24の厚み寸法を大きくし、かつ、長さを短くしてあるので、摺動シール41が装着された第2部材14を、第1部材13に組み付けたときに、当該シールリップ24が摺動面13aに押圧されて意図しない方向の密封対象潤滑剤18側に変形(反転)することを防止できる。
ただし、上記各実施形態では、例えば図1に示すように、凸部26は、その断面形状が、係着部23に向かうに従ってその幅W1が大きくなるように、例えば逆三角形状としたが、これに代えて、半円形状又は逆台形状としてもよい。
そして、上記各実施形態では、本発明に係る摺動シールを孔用に適用した例を挙げて説明したが、これに代えて、軸用に適用してもよい。例えば、図1に示す摺動シール11が装着されている第2部材14を回動自在の軸部とし、第1部材13を固定側のケーシングとしてもよい。要は、孔用の摺動シールでは、その内周面側にシールリップ24及び凸部26を設けてあり、軸用の摺動シールでは、その外周面側にシールリップ24及び凸部26を設けてある。
また、上記実施形態では、図2に示すように、圧延設備17の第1部材13(ロール)が鉛直方向と平行する状態で設けられている竪型圧延設備を例に挙げて説明したが、これに代えて、本発明をロールが水平方向と平行する状態で設けられている横型圧延設備に適用することができる。
更に、上記各実施形態では、例えば図1に示すように、摺動シール11は、一体物として形成したが、これに代えて、図4及び図5に示すように、ダストシール部材36と潤滑剤止め部材37とを互いに組み合わせて摺動シール11を完成してもよい。
つまり、シールリップ24は、ダストシール部材36に設けられ、凸部26は、ダストシール部材36とは別の潤滑剤止め部材37に設けられている。そして、これらダストシール部材36及び潤滑剤止め部材37には、それぞれ係着部23が設けられ、更に、ダストシール部材36及び潤滑剤止め部材37のそれぞれには、支持部25、38が設けられている。また、ダストシール部材36及び潤滑剤止め部材37は、それぞれ円環状部材である。
このように、ダストシール部材36及び潤滑剤止め部材37を互いに組み合わせるようにしても、摺動シール11を製造することができる。
これ以外は、上記各実施形態と同等の構成であり、同様の作用を奏するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
以上のように、本発明に係る摺動シール及びそれを備えるシール構造は、潤滑剤保持部が潤滑剤を確実に保持できて、シールリップ及び凸部と摺動面との間を継続して潤滑できるようにして、摺動シールによる適切な密封性能を長期間維持することができる優れた効果を有し、このような摺動シール及びそれを備えるシール構造に適用するのに適している。
11 摺動シール
12 シール構造
13 第1部材
13a 摺動面
13b ロール本体部
13c 軸部
13d スリーブ
14 第2部材
15 軸受部
16 隙間
17 圧延設備
18 密封対象潤滑剤
19 装着凹部(装着部)
19a 底面
20 中心線
21 ダストシール
22 空間
23 係着部
24 シールリップ
25 支持部
26 凸部
26a 先端部
27 潤滑剤保持部
30 摺動シール
31 支持部
31a 円環状部
31b 短円筒部
34、38、41 摺動シール
35 締付け部材
36 ダストシール部材
37 潤滑剤止め部材
38 支持部

Claims (4)

  1. 第1部材が第2部材に対して回動自在であり、この2つの部材間の環状隙間を密封するためのものであり、前記第2部材に設けられた環状の装着部に装着される摺動シールにおいて、
    円環状に形成され、前記装着部の密封対象潤滑剤側に設けられる支持部と、
    円環状に形成され、前記装着部に装着されて取り付けられる係着部と、
    円環状に形成され、前記第1部材の摺動面に圧接して大気側に向かって延びる形状でダストが前記密封対象潤滑剤側に進入することを防止するためのシールリップと、
    前記シールリップよりも前記密封対象潤滑剤側に設けられ、前記装着部に装着された状態で、径が前記摺動面の径と一致又はそれに近い寸法となる円環状に突出して形成された凸部と、
    前記シールリップと前記凸部との間に形成され、密封対象潤滑剤を保持するための潤滑剤保持部とを備え
    前記凸部は、円環状の前記支持部の内周部から前記第1部材の摺動面の方向に突出するように形成されていることを特徴とする摺動シール。
  2. 前記凸部は、前記第1部材側に向かって突出し、当該円環状の凸部の中心線を通る断面形状が、前記係着部に向かうに従って幅が大きくなり、前記摺動面に向かう先端部が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の摺動シール。
  3. 前記シールリップは、ダストシール部材に設けられ、
    前記凸部は、前記ダストシール部材とは別の潤滑剤止め部材に設けられ、
    前記ダストシール部材及び前記潤滑剤止め部材は、互いに組み合わせて使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動シール。
  4. 第1部材が第2部材に対して回動自在であり、この2つの部材間の環状隙間を密封するためのものであり、前記第2部材に設けられた環状の装着部と、この装着部に装着される摺動シールとを備えるシール構造において、
    前記摺動シールは、
    円環状に形成され、前記装着部の密封対象潤滑剤側に設けられる支持部と、
    円環状に形成され、前記装着部に装着されて取り付けられる係着部と、
    円環状に形成され、前記第1部材の摺動面に圧接して大気側に向かって延びる形状でダストが前記密封対象潤滑剤側に進入することを防止するためのシールリップと、
    前記シールリップよりも前記密封対象潤滑剤側に設けられ、前記装着部に装着された状態で、径が前記摺動面の径と一致又はそれに近い寸法となる円環状に突出して形成された凸部と、
    前記シールリップと前記凸部との間に形成され、密封対象潤滑剤を保持するための潤滑剤保持部とを備え
    前記凸部は、円環状の前記支持部の内周部から前記第1部材の摺動面の方向に突出するように形成されていることを特徴とするシール構造。
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