以下、本発明に係るレジスタを、自動車の天井等に配設される丸型レジスタであるレジスタ1に具体化した実施形態(第1実施形態)に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るレジスタ1の構成について、図1〜図26を参照しつつ説明する。
尚、以下の説明においては、当該レジスタ1における送風方向下流側(即ち、車室C側)を前方とし、送風方向上流側(即ち、空調ダクトD側)を後方として説明する。又、当該レジスタ1の前方において、レジスタ1と正対した利用者の視点で、上下方向及び左右方向を定義する。
第1実施形態に係るレジスタ1は、自動車の天井等に配設される丸型レジスタとして構成されており、当該自動車車室内の乗員に対して、直接的に空調空気を吹き出す直接送風と、当該乗員に直接送風することなく、空調空気を吹き出す間接送風との2つの態様を取り得る。
そして、当該レジスタ1は、自動車の車室Cの天井等を構成する車室内装材Iに固定される円筒形状の固定フレーム10と、当該固定フレーム10の内側において、前後方向にスライド移動可能に配設された可動フレーム20と、前記可動フレーム20の開口部分において、回動可能に配設された複数の可動フィン30と、前記固定フレーム10に対する可動フレーム20の位置を保持する為の保持機構部40を有しており(図11参照)、これらの構成部材は、凡そ合成樹脂材料によって成形されている。
固定フレーム10は、合成樹脂等により円筒形状に形成されており、車室C側にあたる前方に形成された固定フランジ部11と、複数の吹出孔12と、操作用穴13と、固定側係止孔14と、バネ保持部15とを有している。当該固定フレーム10は、自動車の車室C内の天井部分を構成する車室内装材Iに形成された通気穴に対して、背面側を嵌め込むようにして固定され、自動車の外装材であるルーフパネルRと、車室内装材Iとの間に形成された空調ダクトDと、車室C内とを連通するように配設される(図11参照)。
固定フランジ部11は、固定フレーム10における車室C側(前方側)の開口縁において、当該固定フレーム10の外径側に突出するように形成されており、固定部位となる自動車の車室内装材Iに、固定フランジ部11を取り付け固定する機能を果たす。そして、固定フランジ部11には、複数の吹出孔12と、操作用穴13が形成されている。
複数の吹出孔12は、固定フランジ部11における内径側であって、円筒形状の固定フレーム10の開口部に沿って、周方向に分散するように形成されている(図3や図6等参照)。ここで、当該レジスタ1を配設する為に車室内装材Iに形成される通気口は、車室内装材Iが複数の吹出孔12を閉塞することがないように大きく開口されている為、空調ダクトDは、複数の吹出孔12を介して、車室Cと連通している。従って、空調空気は、固定フランジ部11に形成された各吹出孔12を介して、空調ダクトDから車室C内へ吹き出され得る。
操作用穴13は、固定フランジ部11における所定箇所に開口されており、解除操作部45を構成する解除操作部材46によって挿通されており、レジスタ1の前後方向に向かってスライド移動可能となっている。後述するように、解除操作部45は、当該レジスタ1を間接送風状態(例えば、図6、図9等参照)に変更する際に用いられ、解除操作部材46は、ユーザによって押圧操作される。
そして、固定側係止孔14は、筒状の固定フレーム10における周面において、2か所に穿設されており、各固定側係止孔14は、固定フレーム10の内部空間を介して、相互に対向するように配置されている。各固定側係止孔14は、後述する第1保持部50の第1係止部材51、第2保持部55の第2係止部材56と協働して、固定フレーム10に対する可動フレーム20の位置を、所定位置に保持する機能を果たす。
又、固定フレーム10の筒状部分には、バネ保持部15が相互に対向する2か所に形成されている。各バネ保持部15は、夫々、コイルバネ25を保持しており、当該コイルバネ25は、当該固定フレーム10の内側に配設された可動フレーム20を、レジスタ1の前方側(車室C側)に付勢している(図22、図26参照)。
可動フレーム20は、固定フレーム10と同様に、合成樹脂等により、固定フレーム10よりもやや小径の円筒形状に形成されており、車室C側にあたる前方に形成された可動フランジ部21と、可動側係止孔22とを有している。可動フレーム20は、固定フレーム10の内側において、レジスタ1の前後方向にスライド移動可能に配設されており、当該可動フレーム20の背面側に位置するコイルバネ25によって、前方側(車室C側)に付勢されている。
可動フランジ部21は、可動フレーム20における車室C側(前方側)の開口縁において、当該可動フレーム20の外径側に突出するように形成されている。可動フランジ部21は、固定フレーム10の外径側に位置する各吹出孔12の開口縁よりも更に外径側に突出するように形成されている。従って、固定フランジ部11の前面に対して、可動フランジ部21を密着させることで、各吹出孔12を閉塞することができる(図1、図6参照)。
尚、以下の説明において、固定フレーム10に対する可動フレーム20の位置を、固定フランジ部11前面に対し、可動フランジ部21を密着させ、各吹出孔12を閉塞した状態を「閉鎖状態」という。
又、図6等に示すように、固定フレーム10に対して可動フレーム20を前方側(車室C側)へ所定量スライド移動させた場合、可動フランジ部21は、一定間隔を隔てて、各吹出孔12の前方に位置する。この場合、各吹出孔12から吹き出された空調空気は、前方側に位置する可動フランジ部21によって遮られ、レジスタ1の外径側へと導かれる。これにより、各吹出孔12から吹き出された空調空気は、車室内装材I表面に沿って流れる為、車室C内の乗員に直接吹き出されることのない間接送風として吹き出される。
尚、以下の説明において、固定フレーム10に対して可動フレーム20を前方側(車室C側)に位置させて、固定フレーム10の各吹出孔12を開放した状態を「開放状態」という。つまり、当該レジスタ1は、開放状態とすることで、各吹出孔12から吹き出される空調空気を間接送風とすることができる。
そして、可動側係止孔22は、固定フレーム10と同様に、筒状の可動フレーム20における周面において、2か所に穿設されている(図21、図25参照)。各可動側係止孔22は、夫々、固定フレーム10に形成された固定側係止孔14に対応する位置に形成されており、可動フレーム20の内部空間を介して、相互に対向する。各可動側係止孔22は、後述する第1保持部50の第1係止部材51、第2保持部55の第2係止部材56と協働して、固定フレーム10に対する可動フレーム20の位置を、前記コイルバネ25の付勢力に抗して所定位置に保持する機能を果たす。
当該レジスタ1は、可動フレーム20における前方側開口部の内側に、複数枚(本実施形態では4枚)の可動フィン30を有している。4枚の可動フィン30は、円環状に形成されたリングフレーム32を介して、可動フレーム20に対して回動可能に配設されている。4枚の可動フィン30の両端には、夫々、支軸が形成されており、リングフレーム32の内側に形成された軸受部に取り付けられる。これにより、各可動フィン30は、リングフレーム32に対して、レジスタ1の通風方向と直角に交わる支軸を軸に回動可能に配設される。
又、図3〜図5等に示すように、各可動フィン30の背面側には、連結ロッド31が配設されており、連結ロッド31は、各可動フィン30の背面側に形成されたアームを介して、各可動フィン30を相互に連結している。従って、連結ロッド31は、支軸を軸とした一の可動フィン30の回動を、他の可動フィン30の回動に連動させることができる。
4枚の可動フィン30は、各可動フィン30の長手方向と平行に突設された支軸によって、可動フレーム20の開口部をほぼ開放した状態(図1〜図5参照)と、可動フレーム20の開口部をほぼ完全に閉鎖した状態(図6〜図10参照)との間において(即ち、約90度の角度範囲で)、リングフレーム32の内側に回動可能に軸支されている。従って、レジスタ1の空気吹出口として機能する可動フレーム20の開口部から吹き出される空調空気を、支軸を軸とした可動フィン30の回動量を調整することにより、任意の向きに調整することができる。又、図1〜図5のように、レジスタ1の開口部を閉鎖すれば、当該開口部から吹き出される空調空気を遮断し得る。
又、上述したように、4枚の可動フィン30が軸支されているリングフレーム32は、可動フレーム20に対して回動可能に配設されているので、リングフレーム32を回動させることによって、可動フレーム20の開口部から吹き出される空調空気の向きを、更に任意の向きに調整することができる。
そして、第1実施形態に係るレジスタ1は、空調ダクトD内に配置される背面側に、保持機構部40を有している。当該保持機構部40は、解除操作部45と、第1保持部50と、第2保持部55と、操作連動部材60とを有して構成されており、解除操作部45に対する操作によって、第1保持部50及び第2保持部55による固定フレーム10に対する可動フレーム20の保持を解除する機構である。
解除操作部45は、閉鎖状態にあるレジスタ1を開放状態にする為の解除操作が行われる操作部であり、可動フランジ部21によって閉鎖することなく、固定フランジ部11の各吹出孔12を開放して間接送風を行う際に用いられる。当該解除操作部45は、解除操作部材46を有しており、当該解除操作部材46は、固定フレーム10の固定フランジ部11に形成された操作用穴13を介して、レジスタ1の前後方向にスライド移動可能に取り付けられる。又、図13等に示すように、解除操作部材46は、その両側面に、夫々、長穴46Aを有している。当該長穴46Aは、解除操作部材46の長手方向(レジスタ1の前後方向に対応)に対して、その長手方向が傾斜するように形成されている。具体的には、解除操作部材46の長穴46Aは、解除操作部材46の背面側ほどレジスタ1の内径側に位置するように形成されている(図13等参照)。
第1保持部50は、固定フレーム10の操作用穴13近傍(即ち、解除操作部45近傍)に配設され、固定フレーム10の固定側係止孔14、可動フレーム20の可動側係止孔22を利用して、固定フレーム10と可動フレーム20の位置関係を閉鎖状態(図1等参照)に保持する。当該第1保持部50は、レジスタ1の径方向にスライド可能に配設された第1係止部材51と、当該第1係止部材51を収容しつつ第1係止部材51の動作をガイドするガイド部材52と、コイルスプリング53とを有している。
第1係止部材51は、固定フレーム10の固定側係止孔14、可動フレーム20の可動側係止孔22と係合することによって、固定フレーム10に対して、可動フレーム20を閉鎖状態で保持する部材である。当該第1係止部材51は、第1係止爪51Aと、シャフト51Bと、第1連結軸51Cとを有しており、第1保持部50において、解除操作部材46の操作に伴う移動に従って、レジスタ1の径方向にスライド移動する。
第1係止爪51Aは、第1係止部材51における前方側端部に形成されており、第1係止部材51のスライド移動に伴って、固定フレーム10の固定側係止孔14、可動フレーム20の可動側係止孔22の内側に進入可能に配設される(図15、図21等参照)。シャフト51Bは、第1係止爪51Aを貫通するように配設されており、解除操作部材46の移動に伴う第1係止部材51の動きをガイドする機能を果たす。当該シャフト51Bは、解除操作部材46の長穴46A及び後述するガイド部材52のガイド長穴52Cの内部を挿通するように配設される。第1連結軸51Cは、第1係止部材51における背面側端部に形成されており、後述する操作連動部材60の一端部が回動可能に連結される。
ガイド部材52は、固定フレーム10の操作用穴13近傍であって、筒状の固定フレーム10の外周面に固設されており、上述した解除操作部材46、第1係止部材51を内部に収容する。具体的には、ガイド部材52は、挿入口52Aと、スプリング取付部52Bと、ガイド長穴52Cとを有する略箱状に形成されており、筒状の固定フレーム10の外周面であって、固定側係止孔14の形成位置に対応して固設されている。
挿入口52Aには、解除操作部材46の背面側端部が挿入され、これにより、ガイド部材52の内部において、解除操作部材46が、レジスタ1の前後方向に向かって、スライド移動可能に収容される。スプリング取付部52Bは、解除操作部材46とガイド部材52の間において、コイルスプリング53を保持する部分である。従って、コイルスプリング53は、ガイド部材52に取り付けられた解除操作部材46を、レジスタ1の前方側(車室C側)に向かって付勢する。
ガイド長穴52Cは、ガイド部材52の両側面を夫々貫通して形成されており、その長手方向がレジスタ1の径方向に一致している。当該ガイド長穴52Cには、第1係止部材51に取り付けられたシャフト51Bが、解除操作部材46の長穴46Aと共に挿通される。第1保持部50においては、第1係止部材51のシャフト51Bと、解除操作部材46の長穴46Aと、ガイド部材52のガイド長穴52Cによって、解除操作部材46と第1係止部材51の動作を連動させている。
ここで、解除操作部45に対する操作に伴う第1保持部50の動作について、図15、図16等を参照しつつ詳細に説明する。まず、第1係止部材51の第1係止爪51Aが、固定フレーム10の固定側係止孔14、及び可動フレーム20の可動側係止孔22の両者を挿通し、固定フレーム10及び可動フレーム20を閉鎖状態としている場合について説明する。
上述したように、解除操作部材46は、ガイド部材52のスプリング取付部52Bに取り付けられたコイルスプリング53によって、レジスタ1の前方側(図15中、右方向)に付勢されている。図15に示すように、コイルスプリング53の付勢力によって、解除操作部材46自体がレジスタ1の前方側に位置する為、第1係止部材51のシャフト51Bは、解除操作部材46の長穴46Aにおける背面側端部に位置する。
そして、解除操作部材46の長穴46Aは、その長手方向がレジスタ1の背面側ほど径方向内側に位置するように形成されており、ガイド部材52のガイド長穴52Cは、その長手方向がレジスタ1の径方向に沿って形成されている。従って、第1係止部材51のシャフト51Bは、解除操作部材46の長穴46Aを背面側に移動する過程で、ガイド部材52のガイド長穴52Cにおける内径側端部に向かって移動する。シャフト51Bは、第1係止部材51に対して固定されているので、第1係止部材51は、第1保持部50において、レジスタ1の径方向内側に向かってスライド移動する(図15等参照)。
この結果、第1係止部材51の第1係止爪51Aは、レジスタ1の径方向内側にスライド移動することで、固定フレーム10の固定側係止孔14及び可動フレーム20の可動側係止孔22の内部に進入し得る(図21参照)。即ち、第1保持部50は、このように動作することで、固定フレーム10に対して可動フレーム20を密着させた閉鎖状態に保持し得る。
続いて、上述した閉鎖状態から開放状態に変更する際の第1保持部50の動作について説明する。第1実施形態に係るレジスタ1を開放状態にする場合、乗員は、解除操作部45の解除操作部材46を押圧操作して、コイルスプリング53の付勢力に抗して、レジスタ1の背面側にスライド移動させる。
この解除操作部材46の背面側へのスライド移動に伴って、第1係止部材51のシャフト51Bは、解除操作部材46の長穴46Aにおける前面側端部に位置する。上述したように、解除操作部材46の長穴46Aは、その長手方向がレジスタ1の背面側ほど径方向内側に位置するように形成されており、ガイド部材52のガイド長穴52Cは、その長手方向がレジスタ1の径方向に沿って形成されている為、第1係止部材51のシャフト51Bは、解除操作部材46の長穴46Aを前面側に移動する過程で、ガイド部材52のガイド長穴52Cにおける外径側端部に向かって移動する。シャフト51Bは、第1係止部材51に対して固定されているので、第1係止部材51は、第1保持部50において、レジスタ1の径方向外側に向かってスライド移動する(図16等参照)。
この結果、第1係止部材51の第1係止爪51Aは、レジスタ1の径方向外側にスライド移動することで、可動フレーム20の可動側係止孔22の内部から除去される(図25参照)。即ち、第1保持部50は、このように動作することで、固定フレーム10に対する可動フレーム20の保持を解除した開放状態にし得る。
続いて、第2保持部55は、上述したように、当該レジスタ1の開口部を介して、第1保持部50と対向する位置に配設されており、第1保持部50と同様に、固定フレーム10に対して、可動フレーム20を保持している。第2保持部55は、第2係止部材56と、ホルダ部材57と、付勢部材58によって構成されている。
第2係止部材56は、固定フレーム10の固定側係止孔14、可動フレーム20の可動側係止孔22に対して挿抜される第2係止爪56Aと、当該第2係止部材56を揺動させる為の揺動軸56Bと、後述する操作連動部材60の他端と連結する為の第2連結軸56Cとを有している。図18に示すように、第2係止部材56は、第2係止爪56Aが形成されている部分と、第2連結軸56Cが形成されている部分によって鈍角を為すように構成されており、当該鈍角の頂点部分に揺動軸56Bが形成されている。
第2係止爪56Aは、第2係止部材56における前方側端部に形成されており、第2係止部材56の揺動に伴って、固定フレーム10の固定側係止孔14、可動フレーム20の可動側係止孔22の内側に進入可能に配設される(図21、図25参照)。そして、揺動軸56Bは、第2係止部材56の鈍角部分に形成されており、当該第2係止部材56の本体部分に対して直交する方向に突出している。従って、第2係止部材56は、揺動軸56Bを軸として動作することで、一端部側の第2係止爪56A及び他端部側の第2連結軸56Cを径方向へ移動させ得る。第2連結軸56Cは、第2係止部材56における背面側端部に形成されており、後述する操作連動部材60の他端部が回動可能に連結される。
ホルダ部材57は、第1保持部50と対向する位置において、固定フレーム10の外周面に固設されており、第2係止部材56を揺動可能に保持する。ホルダ部材57は、第1保持部50に対向する固定側係止孔14の形成位置に対応して固設されている。ホルダ部材57は、一面が開放された略箱状に形成されており、開口縁に軸保持部57Aを有している。軸保持部57Aは、第2係止部材56の第2連結軸56Cを保持し、第2係止部材56を揺動可能に軸支する。
そして、付勢部材58は、図20、図21等に示すように、第2係止部材56の第2連結軸56C回りに配設されており、第2係止爪56Aがレジスタ1の内径側に移動するように付勢している。
このように構成された第2保持部55は、第2連結軸56Cの端部を動作させることにより、固定フレーム10に対する可動フレーム20の保持を行う。通常、第2保持部55においては、第2係止部材56に対して付勢部材58の付勢力が作用している為、第2係止部材56の第2係止爪56Aは、レジスタ1の内径側に向かって付勢されており、固定フレーム10の固定側係止孔14、可動フレーム20の可動側係止孔22を挿通可能な状態となる。従って、固定側係止孔14と可動側係止孔22の位置を合わせることで、第2保持部55は、固定フレーム10に対して、可動フレーム20を保持して、閉鎖状態を維持し得る。
そして、第2保持部55における保持を解除して、閉鎖状態から開放状態に変更する場合、第2係止部材56の背面側端部(第2連結軸56C側)を、付勢部材58の付勢力に抗して、レジスタ1の径方向内側に向かって移動させる。これにより、第2係止部材56は、第2連結軸56Cを軸として揺動し、第2係止部材56の第2係止爪56Aは、少なくとも、可動フレーム20の可動側係止孔22から抜け出ることになる。この結果、第2保持部55における可動フレーム20の保持は解除され、閉鎖状態から開放状態へと変更される。
そして、第1実施形態に係る保持機構部40を構成する操作連動部材60は、レジスタ1の背面側において、第1保持部50と第2保持部55の間に位置するレジスタ1の開口部をわたるように配設されるバー状の部材である。当該操作連動部材60は、一端部に第1連結孔60Aを有しており、他端部に第2連結孔60Bを有している。第1連結孔60Aは、第1係止部材51の第1連結軸51Cによって挿通され、操作連動部材60を第1係止部材51に対して回動自在に連結している。一方、第2連結孔60Bは、第2係止部材56の第2連結軸56Cによって挿通され、操作連動部材60を第2係止部材56に対して回動自在に連結している。これにより、操作連動部材60は、第1保持部50における第1係止部材51の動作と、第2保持部55における第2係止部材56の動作を連動させ得る。
第1実施形態に係るレジスタ1における保持機構部40全体の動作について、図面を参照しつつ説明する。先ず、図19〜図22等に示す閉鎖状態から、図23〜図26等に示す開放状態に変更する際の保持機構部40の動作について説明する。
上述したように、閉鎖状態から開放状態にする場合、乗員は、解除操作部45の解除操作部材46を押圧操作する。これにより、解除操作部材46がレジスタ1の背面側に向かってスライド移動するので、第1係止部材51は、解除操作部材46の長穴46A、第1係止部材51のシャフト51B、ガイド部材52のガイド長穴52Cの協働によって、レジスタ1の径方向外側に向かって移動する(図15、図16参照)。
第1係止部材51がレジスタ1の径方向外側へ移動することで、第1係止爪51Aが、可動フレーム20の可動側係止孔22内から抜け出すことになり、第1保持部50における可動フレーム20の保持が解除される。
この時、第1係止部材51がレジスタ1の径方向外側へ移動するのであるから、第2係止部材56の背面側端部は、第1係止部材51と連結されている操作連動部材60を介して、レジスタ1の径方向内側に向かって引っ張られる。これに伴って、第2係止部材56は、揺動軸56Bを中心として揺動し、第2係止爪56Aは、レジスタ1の径方向外側へ移動して、可動フレーム20の可動側係止孔22内から抜け出す(図25等参照)。
この結果、当該レジスタ1によれば、一の解除操作部45に対する操作を行うことで、第1保持部50及び第2保持部55における可動フレーム20の保持を解除することができる。そして、図22、図26に示すように、可動フレーム20は、固定フレーム10のバネ保持部15に配設されたコイルバネ25によって、レジスタ1の前方に向かって付勢されているので、当該レジスタ1は、第1保持部50及び第2保持部55における可動フレーム20の保持を解除することで、閉鎖状態から開放状態に変更し得る。
続いて、レジスタ1を開放状態から閉鎖状態に変更する場合の保持機構部40の動作について、図面を参照しつつ説明する。
上述したように、開放状態から閉鎖状態にする場合、乗員は、可動フレーム20を固定フレーム10に対して押し込むように移動させる。これにより、可動フレーム20は、レジスタ1の背面側に向かって移動するので、各可動フレーム20の可動側係止孔22は、夫々、固定フレーム10の固定側係止孔14に対応する位置(すぐ内径側)に位置する。
ここで、第1保持部50においては、解除操作部材46は、ガイド部材52のスプリング取付部52Bに取り付けられたコイルスプリング53によって、レジスタ1の前方側に付勢されている。上述したように、当該第1係止部材51は、解除操作部材46の長穴46A、第1係止部材51のシャフト51B、ガイド部材52のガイド長穴52Cの協働によって、解除操作部材46の動作に連動して動作する。即ち、第1保持部50において、コイルスプリング53の付勢力は、解除操作部材46を介して、第1係止部材51をレジスタ1の内径側へ移動するように付勢している。又、第2保持部55において、第2係止部材56は、付勢部材58によって、第2係止爪56Aがレジスタ1の内径側に移動するように付勢されている。
従って、第1係止爪51A、第2係止爪56Aは、固定側係止孔14、可動側係止孔22の位置を合わせることで、夫々、固定側係止孔14、可動側係止孔22の内部に進入することになり、レジスタ1は、第1保持部50及び第2保持部55における可動フレーム20の保持を実現し得る。この結果、当該レジスタ1によれば、可動フレーム20を固定フレーム10に向かって押圧操作することにより、第1保持部50、第2保持部55によって可動フレーム20を保持させることができ、レジスタ1を閉鎖状態とすることができる。
以上の構成を有する第1実施形態に係るレジスタ1によれば、複数の可動フィン30によって可動フレーム20の開口部を閉塞した状態で、可動フレーム20が固定フレーム10の前方側に位置する開放状態とすることで、空調ダクトDからの空調空気を、複数の吹出孔12から吹き出す状態にし得る。この場合、空調空気は、各吹出孔12から吹き出された後、可動フレーム20の可動フランジ部21によってガイドされ、車室内装材I表面に沿って流れる。即ち、当該レジスタ1は、上記のような状態に変更することで、空調空気を乗員に直接吹き付けることのない間接送風を実現し得る。
尚、レジスタ1によれば、複数の可動フィン30を回動させて、可動フレーム20の開口部を開放すれば、乗員に空調空気を直接的に吹き付ける直接送風を実現し得ることはもちろんである。この場合、固定フレーム10と可動フレーム20の位置関係を問題とするものではなく、開放状態、閉鎖状態の何れであってもよい。例えば、閉鎖状態であれば、開口部のみから空調空気を送風することになるため、集中的な直接送風(スポット風)を実現することができる。又、開放状態であれば、複数の吹出孔12からの送風と、開口部からの送風による空調空気の送風も可能である。
又、当該レジスタ1によれば、複数の可動フィン30を回動させて、可動フレーム20の開口部を閉塞し、且つ、固定フレーム10と可動フレーム20を閉鎖状態とすれば、当該レジスタ1からの空調空気の送風を停止することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係るレジスタ1は、固定フレーム10と、可動フレーム20と、複数の可動フィン30と、保持機構部40とを有している。固定フレーム10は、車室C側の開口縁に形成された固定フランジ部11に、複数の吹出孔12を有しており、可動フレーム20は、車室C側の開口縁に、可動フランジ部21を有している。従って、当該レジスタ1は、固定フレーム10に対して可動フレーム20を閉鎖状態とすることで、複数の吹出孔12を可動フランジ部21によって閉塞することができる。又、固定フレーム10に対して可動フレーム20を開放状態とすることで、可動フランジ部21によって、複数の吹出孔12からの空調空気を、車室Cの車室内装材Iに沿う方向へ案内することができる。即ち、当該レジスタ1によれば、固定フレーム10に対する可動フレーム20の位置を、閉鎖状態、開放状態の何れかに変更することで、乗員に直接送風する直接送風と、乗員に直接送風することのない間接送風とを切り替えることができる。
第1実施形態に係るレジスタ1において、保持機構部40は、解除操作部45と、第1保持部50と、第2保持部55と、操作連動部材60とを有しており、解除操作部45の操作によって、第1保持部50、第2保持部55による可動フレーム20の保持を解除して、可動フレーム20の位置を開放状態に切り替える。操作連動部材60は、解除操作部45に対して、前記解除操作が行われた場合に、第1保持部50による前記可動フレーム20の保持を解除することに連動して、前記第2保持部55による前記可動フレーム20の保持を解除する。これにより、当該レジスタ1によれば、解除操作部45に対する解除操作を行うだけで、直接送風と間接送風を切り替えることができ、乗員の利便性を高め得る。
又、第1実施形態に係るレジスタ1において、解除操作部45は、レジスタ1の前後方向にスライド移動可能に配設された解除操作部材46を有している。第1保持部50は、第1係止部材51と、ガイド部材52と、コイルスプリング53とを有しており、解除操作部材46の長穴46A、第1係止部材51のシャフト51B、ガイド部材52のガイド長穴52Cとの協働により、解除操作部材46のスライド移動に伴って、前記第1係止部材51をレジスタ1の外径側に向かって移動させる。そして、第2保持部55は、第2係止部材56と、ホルダ部材57と、付勢部材58を有している。操作連動部材60は、第1係止部材51の背面側端部に形成された第1連結軸51Cと、第2係止部材56の背面側端部に形成された第2連結軸56Cとの間を連結している。
従って、第1実施形態に係るレジスタ1によれば、解除操作部材46をスライド移動させると、これに連動して第1係止部材51がレジスタ1の径方向外側へスライド移動して、第1保持部50における可動フレーム20の保持が解除される。この第1係止部材51のスライド移動によって、第2係止部材56の端部が、操作連動部材60を介して、レジスタ1の径方向内側へ引っ張られることになり、第2係止部材56は、揺動軸56Bを中心に揺動して、第2保持部55における可動フレーム20の保持が解除される。当該レジスタ1によれば、解除操作部材46のスライド移動という簡単な操作で、レジスタ1の異なる位置に配設された第1保持部50、第2保持部55による可動フレーム20の保持を解除することができ、直接送風と間接送風を切り替えることができる。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる実施形態(第2実施形態)について、図27〜図37を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係るレジスタ100は、第1実施形態に係るレジスタ1と同様に、自動車の天井等に配設される丸型レジスタとして構成されており、車室C内の乗員に対して、直接的に空調空気を吹き出す直接送風と、当該乗員に直接送風することなく、空調空気を吹き出す間接送風との2つの態様を取り得る。
図27等に示すように、第2実施形態に係るレジスタ100は、第1実施形態に係るレジスタ1と同様に、固定フレーム110と、可動フレーム120と、複数枚の可動フィン130と、保持機構部140とを有しており、第1解除操作部150と、第2解除操作部155を有する点や、保持機構部140の構成を除いて、略同一の基本的構成を有している。
第2実施形態に係るレジスタ100の固定フレーム110は、上述した第1実施形態における固定フレーム10と、ほぼ同様に合成樹脂等により円筒形状に形成されており、固定フランジ部111と、複数の吹出孔112と、第1操作用穴113Aと、第2操作用穴113Bと、固定側係止孔114と、バネ保持部115と、スライド溝116とを有している。当該固定フレーム110は、第1実施形態と同様に、自動車の車室C内の天井部分を構成する車室内装材Iに形成された通気穴に対して、背面側を嵌め込むようにして固定され、自動車の外装材であるルーフパネルRと、車室内装材Iとの間に形成された空調ダクトDと、車室C内とを連通するように配設される(図11参照)。
固定フランジ部111は、固定フレーム110における車室C側(前方側)の開口縁において、当該固定フレーム110の外径側に突出するように形成されており、固定部位となる自動車の車室内装材Iに、固定フランジ部111を取り付け固定する機能を果たす。
複数の吹出孔112は、固定フランジ部111における内径側であって、円筒形状の固定フレーム110の開口部に沿って、周方向に分散するように形成されている(図30、図33等参照)。各吹出孔112は、第1実施形態における吹出孔12と同様に、空調ダクトDと車室Cの間を連通しているので、空調ダクトDの空調空気は、各吹出孔112を介して、車室C内へ吹き出され得る。
第1操作用穴113Aは、固定フランジ部111における所定箇所に開口されており、第1解除操作部150を構成する第1操作部材151によって挿通されている。第1操作用穴113Aは、第1操作部材151を、レジスタ100の前後方向に向かってスライド移動可能に保持している。そして、第2操作用穴113Bは、固定フランジ部111において、固定フランジ部111の開口部を介して、第1操作用穴113Aに対して対向する位置に穿設されており、第2解除操作部155を構成する第2操作部材156によって挿通されている。従って、第2操作用穴113Bは、第2操作部材156を、レジスタ100の前後方向にスライド移動可能に保持している。
そして、第2実施形態においても、筒状の固定フレーム110における周面の2か所には、固定側係止孔114が、それぞれ穿設されている。固定側係止孔114は、第1操作用穴113Aの近傍、第2操作用穴113Bの近傍に形成されており、固定フレーム110の内部空間を介して、相互に対向するように配置されている。第2実施形態においても、各固定側係止孔114は、後述する第1保持部160の第1係止部材161、第2保持部165の第2係止部材166と協働して、固定フレーム110に対する可動フレーム120の位置を、所定位置に保持する機能を果たす。
又、固定フレーム110の筒状部分には、バネ保持部115が相互に対向する2か所に形成されている。各バネ保持部115は、夫々、コイルバネ125を保持しており、当該コイルバネ125は、当該固定フレーム110の内側に配設された可動フレーム120を、レジスタ100の前方側(車室C側)に付勢している(図36、図37参照)。
そして、固定フレーム110の背面側開口縁には、複数のスライド溝116が形成されている。各スライド溝116は、レジスタ1の背面側が開放され、レジスタ1の前後方向に沿って伸びる溝状に形成されており、後述する可動フレーム120のガイド爪部123と協働して、固定フレーム110に対して、可動フレーム120を所定の範囲内でレジスタ1の前後方向にスライド移動可能に保持する機能を果たす。
第2実施形態に係る可動フレーム120は、第1実施形態と同様に、合成樹脂等によって、固定フレーム110と同様に、合成樹脂等により、固定フレーム10よりもやや小径の円筒形状に形成されており、車室C側にあたる前方に形成された可動フランジ部121と、可動側係止孔122と、ガイド爪部123を有している。第2実施形態に係るレジスタ100においても、可動フレーム120は、固定フレーム110の内側において、レジスタ100の前後方向にスライド移動可能に配設されており、当該可動フレーム120の背面側に位置するコイルバネ125によって、車室C側に付勢されている(図36、図37参照)。
そして、可動フランジ部121は、可動フレーム120の車室C側開口縁において、可動フレーム120の外径側に突出するように形成されている。可動フランジ部121は、各吹出孔112の外径側開口縁よりも更に外径側に突出形成されており、図27、図36等に示すように、固定フランジ部111に密着させた閉鎖状態とすることで、各吹出孔112を閉塞可能に構成されている。
又、図30、図37等に示すように、固定フレーム110に対して可動フレーム120を前方側(車室C側)へ所定量スライド移動させた場合、可動フランジ部121は、一定間隔を隔てて、各吹出孔112の前方に位置する。この場合、各吹出孔112から吹き出された空調空気は、前方側に位置する可動フランジ部121によって遮られ、レジスタ100の外径側へと導かれる。これにより、第2実施形態においても、レジスタ100は、固定フレーム110、可動フレーム120の位置関係を開放状態とすることで、間接送風を実現し得る。
可動側係止孔122は、筒状の可動フレーム120における周面において、固定フレーム110の固定側係止孔114に対応する位置に形成されており、2か所に穿設されている(図34参照)。各可動側係止孔122は、可動フレーム120の内部空間を介して、相互に対向しており、後述する第1保持部160の第1係止部材161、第2保持部165の第2係止部材166と協働して、固定フレーム110に対する可動フレーム120の位置を、前記コイルバネ125の付勢力に抗して閉鎖状態に保持する機能を果たす。
そして、ガイド爪部123は、筒状の可動フレーム120における周面において、外径側に突出形成されており、固定フレーム110に形成された各スライド溝116に相当する位置に形成されている。固定フレーム110に対して可動フレーム120を取り付けた場合、各ガイド爪部123は、固定フレーム110の各スライド溝116内に配置され、固定フレーム110に対する可動フレーム120のスライド移動をガイドする機能を果たす。
第2実施形態に係る複数の可動フィン130は、可動フレーム120の前方側開口部の内側に、リングフレーム132を介して、回動可能に配設されている。又、各可動フィン130は、リングフレーム132に対して、レジスタ100の通風方向と直角に交わる支軸を軸に回動可能に配設される。そして、図31に示すように、複数の可動フィン130は、その背面側に形成されたアームを介して、連結ロッド131に連結されている。従って、連結ロッド131は、支軸を軸とした一の可動フィン130の回動を、他の可動フィン130の回動に連動させることができる。
そして、レジスタ100は、各可動フィン130を、支軸を軸として回動させることで、可動フレーム120の開口部をほぼ完全に閉鎖した状態(図27、図28等参照)と、可動フレーム120の開口部をほぼ開放した状態(図30、図31等参照)とに切り替えることができる。又、当該レジスタ100は、支軸を軸として可動フィン130の回動量を調整することにより、可動フレーム120の開口部から吹き出される空調空気の風向きを、任意の向きに調整することができる。
又、上述したように、4枚の可動フィン130が軸支されているリングフレーム132は、可動フレーム120に対して回動可能に配設されているので、リングフレーム132を回動させることによって、可動フレーム120の開口部から吹き出される空調空気の向きを、更に任意の向きに調整することができる。
そして、第2実施形態に係る保持機構部140は、空調ダクトD内に配置されるレジスタ100の背面側に配設されており、図35等に示すように、第1解除操作部150と、第2解除操作部155と、第1保持部160と、第2保持部165と、操作連動部材175とを有して構成されている。当該保持機構部140は、第1解除操作部150若しくは第2解除操作部155に対する操作によって、第1保持部160及び第2保持部165による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除する機構である。
第1解除操作部150は、閉鎖状態にあるレジスタ100を開放状態にするための解除操作が行われる解除操作部の一つであり、固定フランジ部111の各吹出孔112から間接送風を行う際に用いられる。第1解除操作部150は、固定フレーム110の固定フランジ部111における所定位置に配設されており、略シャフト状に形成された第1操作部材151を有している。当該第1操作部材151は、固定フランジ部111の第1操作用穴113Aを介して、スライド移動可能に取り付けられており、このスライド移動によって、後述する第1保持部160の第1係止部材161を揺動させ得る(図36、図37参照)。
そして、第2解除操作部155は、レジスタ100を閉鎖状態から開放状態にするための解除操作が行われる解除操作部の一つである。第2解除操作部155は、レジスタ100の開口部を介して、第1解除操作部150と対向する対向位置に配設されており、略シャフト状に形成された第2操作部材156を有している。当該第2操作部材156は、固定フランジ部111の第2操作用穴113Bを介して、スライド移動可能に取り付けられており、このスライド移動によって、後述する第2保持部165の第2係止部材166を揺動させ得る(図36、図37参照)。
第1保持部160は、固定フレーム110の第1操作用穴113A近傍(即ち、第1解除操作部150近傍)に配設されており、固定フレーム110の固定側係止孔114、可動フレーム120の可動側係止孔122を利用して、固定フレーム110と可動フレーム120の位置関係を閉鎖状態に保持する(図36等参照)。当該第1保持部160は、第1操作部材151の操作に連動して揺動するように配設された第1係止部材161と、前記第1係止部材161を揺動可能に保持する第1ホルダ部材162と、第1係止部材161に対して付勢力を作用させるコイルスプリング170と、を有している。
第1係止部材161は、固定フレーム110の固定側係止孔114、可動フレーム120の可動側係止孔122と係合することによって、固定フレーム110に対して、可動フレーム120を閉鎖状態で保持する部材である。第1係止部材161は、第1係止爪161Aと、第1揺動軸161Bと、第1連結アーム161Cと、第1連結軸161Dと、第1スプリング保持部161Eとを有しており、第1操作部材151の操作に連動して揺動する。
第1係止爪161Aは、第1係止部材161における前方側端部に形成されており、第1係止部材161の揺動に伴って、固定フレーム110の固定側係止孔114、可動フレーム120の可動側係止孔122の内側に進入可能に形成されている(図36、図37参照)。第1揺動軸161Bは、第1係止部材161における前後方向中央部に形成されており、第1係止部材161の揺動動作の中心軸である。第1連結アーム161Cは、前記第1係止部材161の第1揺動軸161Bから、レジスタ100の背面側であり、且つ、レジスタ100の外径側に伸びるアームである。
第1連結軸161Dは、第1連結アーム161Cの先端側(即ち、第1揺動軸161B側とは逆側の端部)に形成されており、後述する操作連動部材175の一端部が回動可能に連結される。即ち、第1連結軸161Dは、第1係止部材161における第1揺動軸161Bよりもレジスタ100の背面側であり、且つ、レジスタ100の外径側において、操作連動部材175の端部と回動可能に連結されている(図35〜図37参照)。第1スプリング保持部161Eは、第1係止部材161の背面側端部に形成されており、後述する箱状を為す第1ホルダ部材162の内面側との間に、コイルスプリング170を保持する。当該コイルスプリング170の付勢力によって、第1係止部材161は、第1係止爪161Aがレジスタ100の内径側に向かうように付勢される。
そして、第1ホルダ部材162は、固定フレーム110の外周面に固設されており、第1係止部材161を揺動可能に保持する。当該第1ホルダ部材162は、第1解除操作部150近傍に形成された固定側係止孔114の形成位置に対応して固設されており、一面が開放された略箱状に形成されている。第1ホルダ部材162の開口縁には、第1軸保持部162Aが形成されており、第1係止部材161の第1揺動軸161Bを保持し、第1係止部材161を揺動可能に軸支する。
第1解除操作部150に対する操作に伴う第1保持部160の動作について、図面を参照しつつ説明する。第1操作部材151をレジスタ100の背面側に向かってスライド移動させると、第1係止部材161に当接する為、第1係止部材161は、第1揺動軸161Bを中心にして揺動する。この時、第1操作部材151は、第1係止爪161Aよりもレジスタ100の外径側の位置で、第1係止部材161と当接しているため、第1係止部材161は、第1係止爪161Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第1揺動軸161Bを軸として揺動する。従って、第1係止部材161の第1係止爪161Aが、少なくとも可動フレーム120の可動側係止孔122内から抜け出ることになるため、第1保持部160は、第1解除操作部150に対する操作によって、固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除し得る。
又、第1保持部160において、コイルスプリング170は、第1係止部材161の第1スプリング保持部161Eに取り付けられており、第1スプリング保持部161Eは、第1係止部材161において、第1係止爪161Aよりもレジスタ100の外径側に位置している。従って、第1係止部材161は、コイルスプリング170の付勢力によって、第1係止爪161Aがレジスタ100の内径側に移動するように付勢される(図36、図37参照)。この結果、第2実施形態においても、固定フレーム110に対して、可動フレーム120を押し込み、固定側係止孔114と可動側係止孔122の位置を合わせることで、第1係止部材161の第1係止爪161Aが、固定側係止孔114、可動側係止孔122の内部に進入し、閉鎖状態に保持することができる。
第2保持部165は、レジスタ100の開口部を介して、第1保持部160を介して、第1保持部160と対向する位置に配設されており、固定フランジ部111の第2操作用穴113B近傍(第2解除操作部155近傍)に配設されている。第2保持部165は、第1保持部160と同様に、固定フレーム110の固定側係止孔114、可動フレーム120の可動側係止孔122を利用して、固定フレーム110に対して可動フレーム120を閉鎖状態に保持している(図36参照)。第2保持部165は、第2操作部材156の操作に連動して揺動するように配設された第2係止部材166と、前記第2係止部材166を揺動可能に保持する第2ホルダ部材167と、第2係止部材166に対して付勢力を作用させるコイルスプリング170と、を有している。
第2係止部材166は、第1係止部材161と同様に、固定フレーム110の固定側係止孔114、可動フレーム120の可動側係止孔122と係合することによって、固定フレーム110に対して、可動フレーム120を閉鎖状態で保持する部材である。第2係止部材166は、第2係止爪166Aと、第2揺動軸166Bと、第2連結アーム166Cと、第2連結軸166Dと、第2スプリング保持部166Eとを有しており、第2操作部材156の操作に連動して揺動する。
第2係止爪166Aは、第2係止部材166における前方側端部に形成されており、第2係止部材166の揺動に伴って、固定フレーム110の固定側係止孔114、可動フレーム120の可動側係止孔122の内側に進入可能に形成されている(図36、図37参照)。第2揺動軸166Bは、第2係止部材166における前後方向中央部に形成されており、第2係止部材166の揺動動作の中心軸である。第2連結アーム166Cは、前記第2係止部材166の第2揺動軸166Bから、レジスタ100の前面側であり、且つ、レジスタ1の外径側に伸びるアームである。
第2連結軸166Dは、第2連結アーム166Cの先端側(即ち、第2揺動軸166B側とは逆側の端部)に形成されており、後述する操作連動部材175の他端部が回動可能に連結される。即ち、第2連結軸166Dは、第2係止部材166における第2揺動軸166Bよりもレジスタ100の前面側であり、且つ、レジスタ100の外径側において、操作連動部材175の端部と回動可能に連結されている(図35〜図37参照)。第2スプリング保持部166Eは、第2係止部材166の背面側端部に形成されており、後述する箱状を為す第1ホルダ部材162の内面側との間に、コイルスプリング170を保持する。当該コイルスプリング170の付勢力によって、第2係止部材166は、第2係止爪166Aがレジスタ100の内径側に向かうように付勢される。
そして、第2ホルダ部材167は、固定フレーム110の外周面に固設されており、第2係止部材166を揺動可能に保持する。当該第2ホルダ部材167は、第2解除操作部155近傍に形成された固定側係止孔114の形成位置に対応して固設されており、一面が開放された略箱状に形成されている。第2ホルダ部材167の開口縁には、第2軸保持部167Aが形成されており、第2係止部材166の第2揺動軸166Bを保持し、第2係止部材166を揺動可能に軸支する。
第2解除操作部155に対する操作に伴う第2保持部165の動作について、図面を参照しつつ説明する。第2操作部材156をレジスタ100の背面側に向かってスライド移動させると、第2係止部材166に当接する為、第2係止部材166は、第2揺動軸166Bを中心にして揺動する。この時、第2操作部材156は、第2係止爪166Aよりもレジスタ100の外径側の位置で、第2係止部材166と当接しているため、第2係止部材166は、第1係止爪161Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第2揺動軸166Bを軸として揺動する。従って、第2係止部材166の第2係止爪166Aが、少なくとも可動フレーム120の可動側係止孔122内から抜け出ることになるため、第2保持部165は、第2解除操作部155に対する操作によって、固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除し得る。
又、第2保持部165において、コイルスプリング170は、第2係止部材166の第2スプリング保持部166Eに取り付けられており、第2スプリング保持部166Eは、第2係止部材166において、第2係止爪166Aよりもレジスタ100の外径側に位置している。従って、第2係止部材166は、コイルスプリング170の付勢力によって、第2係止爪166Aがレジスタ100の内径側に移動するように付勢される(図36、図37参照)。この結果、第2実施形態においても、固定フレーム110に対して、可動フレーム120を押し込み、固定側係止孔114と可動側係止孔122の位置を合わせることで、第2係止部材166の第2係止爪166Aが、固定側係止孔114、可動側係止孔122の内部に進入し、閉鎖状態に保持することができる。
操作連動部材175は、レジスタ100の背面側において、第1保持部160と第2保持部165の間に位置するレジスタ100の開口部をわたるように配設されるバー状の部材である。当該操作連動部材175は、一端部に第1連結孔175Aを有しており、他端部に第2連結孔175Bを有している。そして、操作連動部材175は、鈍角を為すように形成されると共に、第1連結孔175A側よりも第2連結孔175B側が短く形成されている。
第1連結孔175Aは、第1係止部材161の第1連結軸161Dによって挿通され、操作連動部材175を第1係止部材161に対して回動自在に連結している。一方、第2連結孔175Bは、第2係止部材166の第2連結軸166Dによって挿通され、操作連動部材175を第2係止部材166に対して回動自在に連結している。これにより、操作連動部材175は、第1保持部160における第1係止部材161の動作と、第2保持部165における第2係止部材166の動作を連動させ得る。
第2実施形態に係るレジスタ100における保持機構部140全体の動作について、図面を参照しつつ説明する。先ず、第1解除操作部150を操作して、レジスタ100を閉鎖状態から開放状態に変更する際の保持機構部140の動作について説明する。
上述したように、第1解除操作部150の第1操作部材151を、レジスタ100の背面側に向かってスライド移動させると、第1係止部材161に当接する為、第1係止部材161は、第1係止爪161Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第1揺動軸161Bを軸として揺動する。従って、当該レジスタ100は、第1解除操作部150に対する操作によって、第1保持部160による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除し得る。
この時、第1係止爪161Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第1係止部材161が揺動すると、第1連結アーム161Cの先端に形成された第1連結軸161Dは、第1揺動軸161Bを中心として、レジスタ100の背面側且つ、内径側に向かって移動する。そして、操作連動部材175は、第1連結孔175Aによって、第1連結軸161Dに対して連結されている為、操作連動部材175は、第1係止部材161の揺動に連動した第1連結軸161Dの移動に伴って、第1保持部160側においてレジスタ100の内径側に向かって移動する。この時、第2保持部165側においては、当該操作連動部材175は、レジスタ100の外径側に向かって移動することになる。
第2保持部165側において、操作連動部材175がレジスタ100の外径側に向かって移動することによって、操作連動部材175の第2連結孔175Bは、レジスタ100の外径側に向かって移動する。上述したように、第2連結孔175Bには、第2連結軸166Dが挿通されており、第2連結軸166Dは、第2揺動軸166Bよりもレジスタ100の前面側であり、且つ、レジスタ100の外径側に延びた第2連結アーム166Cの先端に形成されている。この結果、第2保持部165側において、操作連動部材175がレジスタ100の外径側に向かって移動することで、第2係止部材166は、第2係止爪166Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第2揺動軸166Bを軸として揺動する。即ち、第2係止部材166の第2係止爪166Aが少なくとも可動側係止孔122内から抜け出ることになる為、第2保持部165における可動フレーム120の保持を解除し得る。
従って、当該レジスタ100は、第1解除操作部150に対する操作によって、第1保持部160による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除すると同時に、操作連動部材175を介して、第2保持部165による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除し得る。
次に、第2解除操作部155を操作して、レジスタ100を閉鎖状態から開放状態に変更する際の保持機構部140の動作について説明する。上述したように、第2解除操作部155の第2操作部材156を、レジスタ100の背面側に向かってスライド移動させると、第2係止部材166に当接する為、第2係止部材166は、第2係止爪166Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第2揺動軸166Bを軸として揺動する。従って、当該レジスタ100は、第2解除操作部155に対する操作によって、第2保持部165による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除し得る。
この時、第2係止爪166Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第2係止部材166が揺動すると、第2連結アーム166Cの先端に形成された第2連結軸166Dは、第2揺動軸166Bを中心として、レジスタ100の背面側且つ、外径側に向かって移動する。そして、操作連動部材175は、第2連結孔175Bによって、第2連結軸166Dに対して連結されている為、操作連動部材175は、第2係止部材166の揺動に連動した第2連結軸166Dの移動に伴って、第2保持部165側においてレジスタ100の内径側に向かって移動する。この時、第1保持部160側においては、当該操作連動部材175は、レジスタ100の外径側に向かって移動することになる。
第1保持部160側において、操作連動部材175がレジスタ100の外径側に向かって移動することによって、操作連動部材175の第1連結孔175Aは、レジスタ100の外径側に向かって移動する。上述したように、第1連結孔175Aには、第1連結軸161Dが挿通されており、第1連結軸161Dは、第1揺動軸161Bよりもレジスタ100の背面側であり、且つ、レジスタ100の外径側に延びた第1連結アーム161Cの先端に形成されている。この結果、第1保持部160側において、操作連動部材175がレジスタ100の外径側に向かって移動することで、第1係止部材161は、第1係止爪161Aがレジスタ100の外径側に移動するように、第1揺動軸161Bを軸として揺動する。即ち、第1係止爪161Aの第1係止爪161Aが少なくとも可動側係止孔122内から抜け出ることになる為、第1保持部160における可動フレーム120の保持を解除し得る。
従って、当該レジスタ100は、第2解除操作部155に対する操作によって、第2保持部165による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除すると同時に、操作連動部材175を介して、第1保持部160による固定フレーム110に対する可動フレーム120の保持を解除し得る。
続いて、レジスタ100を開放状態から閉鎖状態に変更する場合の保持機構部140の動作について、図面を参照しつつ説明する。
上述したように、開放状態から閉鎖状態にする場合、乗員は、可動フレーム120を固定フレーム110に対して押し込むように移動させる。これにより、可動フレーム120は、レジスタ100の背面側に向かって移動するので、各可動フレーム120の可動側係止孔122は、夫々、固定フレーム110の固定側係止孔114に対応する位置(すぐ内径側)に位置する(図36、図37参照)。
ここで、第1保持部160において、第1係止部材161は、第1スプリング保持部161Eに取り付けられたコイルスプリング170の付勢力によって付勢されている。第1係止部材161において、第1スプリング保持部161Eは、第1係止爪161A及び第1揺動軸161Bよりも、レジスタ100の外径側に位置しており、レジスタ100の背面側から第1係止部材161を付勢している為、コイルスプリング170の付勢力は、第1係止爪161Aがレジスタ100の内径側に移動するように付勢している。
又、第2保持部165において、第2係止部材166は、第2スプリング保持部166Eに取り付けられたコイルスプリング170の付勢力によって付勢されている。第2係止部材166において、第2スプリング保持部166Eは、第2係止爪166A及び第2揺動軸166Bよりも、レジスタ100の外径側に位置しており、レジスタ100の背面側から第2係止部材166を付勢している為、コイルスプリング170の付勢力は、第2係止爪166Aがレジスタ100の内径側に移動するように付勢している。
従って、固定フレーム110に対して、可動フレーム120を押し込み、固定側係止孔114と、可動側係止孔122の位置を合わせると、第1係止爪51A、第2係止爪56Aは、コイルスプリング170の付勢力によって、夫々、固定側係止孔14、可動側係止孔22の内部に進入する。これにより、当該レジスタ100は、第1保持部160及び第2保持部165における可動フレーム20の保持を実現し得る。この結果、当該レジスタ100によれば、可動フレーム120を固定フレーム110に向かって押圧操作することにより、第1保持部160、第2保持部165によって可動フレーム120を保持させることができ、レジスタ100を閉鎖状態とすることができる。
以上の構成を有する第2実施形態に係るレジスタ100によれば、複数の可動フィン130によって可動フレーム120の開口部を閉塞した状態で、可動フレーム120が固定フレーム110の前方側に位置する開放状態とすることで、空調ダクトDからの空調空気を、複数の吹出孔112から吹き出す状態にし得る。この場合、空調空気は、各吹出孔112から吹き出された後、可動フレーム120の可動フランジ部121によってガイドされ、車室内装材I表面に沿って流れる。即ち、当該レジスタ100は、上記のような状態に変更することで、空調空気を乗員に直接吹き付けることのない間接送風を実現し得る。
尚、レジスタ100によれば、複数の可動フィン130を回動させて、可動フレーム120の開口部を開放すれば、乗員に空調空気を直接的に吹き付ける直接送風を実現し得ることはもちろんである。この場合、固定フレーム110と可動フレーム120の位置関係を問題とするものではなく、開放状態、閉鎖状態の何れであってもよい。例えば、閉鎖状態であれば、開口部のみから空調空気を送風することになるため、集中的な直接送風(スポット風)を実現することができる。又、開放状態であれば、複数の吹出孔12からの送風と、開口部からの送風による空調空気の送風も可能である。
又、当該レジスタ100によれば、複数の可動フィン130を回動させて、可動フレーム120の開口部を閉塞し、且つ、固定フレーム110と可動フレーム120を閉鎖状態とすれば、当該レジスタ100からの空調空気の送風を停止することができる。
以上説明したように、第2実施形態に係るレジスタ100は、固定フレーム110における所定位置に配設された第1解除操作部150と、対向位置に配設された第2解除操作部155とを有している。操作連動部材175は、前記第1解除操作部150と前記第2解除操作部155の何れか一方に対して、前記解除操作が行われた場合に、前記第1解除操作部150と前記第2解除操作部155の何れか一方にあたる所定位置又は対向位置における前記可動フレーム120の保持を解除することに連動して、前記第1解除操作部150と前記第2解除操作部155の何れか他方にあたる対向位置又は所定位置における前記可動フレーム120の保持を解除する。当該レジスタ100によれば、乗員は、第1解除操作部150と第2解除操作部155の何れに対して解除操作を行えば、第1保持部160及び第2保持部165における可動フレーム120の保持を解除することができる。即ち、当該レジスタ100によれば、第1解除操作部150に対する解除操作と、第2解除操作部155に対する解除操作を夫々要求することなく、一の操作で、直接送風と間接送風を切り替えることができ、乗員の利便性を高めることができる。
そして、第2実施形態に係るレジスタ100において、第1解除操作部150は、車室内装材Iに対して垂直な方向(レジスタ100の前後方向)にスライド移動可能に配設された第1操作部材151を有しており、第1保持部160は、コイルバネ125と、第1係止部材161と、コイルスプリング170とを有している。第1保持部160は、第1操作部材151をスライド移動させた場合に、第1係止部材161を揺動させて可動フレーム120の保持を解除する。
第2解除操作部155は、対向位置において、車室内装材Iに対して垂直な方向(レジスタ100の前後方向)にスライド移動可能に配設された第2操作部材156を有しており、前記第2保持部165は、コイルバネ125と、第2係止部材166と、コイルスプリング170とを有している。第2保持部165は、第2操作部材156をスライド移動させた場合に、第2係止部材166を揺動させて可動フレーム120の保持を解除する。
ここで、操作連動部材175の一端は、前記第1係止部材161の第1揺動軸161Bよりもレジスタ100の背面側であり、第1揺動軸161Bよりもレジスタ100の外径側に位置する第1連結軸161Dを、軸として回動可能に連結されており、前記操作連動部材175の他端は、前記第2係止部材166の第2揺動軸166Bよりもレジスタ100の前面側であり、且つ、第2揺動軸166Bよりもレジスタ100の外径側に位置する第2連結軸166Dを、軸として回動可能に連結されている。操作連動部材175が、第1係止部材161と第2係止部材166を連結しているので、第1係止部材161と第2係止部材166の何れか一方が、可動フレーム120の保持を解除するように揺動すると、第1係止部材161と第2係止部材166の何れか他方も、可動フレーム120の保持を解除するように揺動する。当該レジスタ100によれば、第1操作部材151と第2操作部材156の内、何れか一方のスライド移動という簡単な操作で、レジスタ100の異なる位置に配設された第1保持部160及び、第2保持部165による可動フレーム120の保持を解除することができ、直接送風と、間接送風を切り替えることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、上述した第1実施形態、第2実施形態においては、固定フレーム、可動フレームを円筒形状とし、固定フランジ部、可動フランジ部を円環状に形成していたが、この態様に限定されるものではない。固定フレームの固定フランジ部に形成された複数の吹出孔を、可動フレームの可動フランジ部によって閉塞可能であれば、種々の形状を採用し得る。
又、第1実施形態、第2実施形態においては、円筒形状を為す可動フレームの開口部を、4枚の可動フィンによって閉塞可能な構成としていたが、可動フィンの枚数は、これに限定されるものではない。例えば、可動フィンの枚数を2枚、3枚と少なくしてもよいし、5枚、6枚というように多くしてもよい。
そして、第1実施形態に係るレジスタ1では、操作連動部材60を、第1係止部材51と別部材として構成し、操作連動部材60の第1連結孔60Aと、第1係止部材51の第1連結軸51Cを介して、第1係止部材51と連結していたが、この態様に限定されるものではない。即ち、操作連動部材60の一端部を、第1係止部材51と同様の形状とし、第1係止部材51と、操作連動部材60を一体に成型することも可能である。