JP6218077B2 - 有機ホウ素化合物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機ホウ素化合物及びその製造方法に関する。
有機ホウ素化合物は、鈴木−宮浦クロスカップリング反応の原料として広く知られており、医薬品や液晶材料等の高機能性材料の製造原料として利用価値の高いことが知られている。また近年は、それにとどまらず、有機ホウ素化合物自体が生理活性物質や半導体材料等の高機能性材料として利用可能であることも報告されてきており、その重要性が益々高まっている。
有機ホウ素化合物の合成では、2種の原料化合物間で反応を行い、炭素原子(C)とホウ素原子(B)との間で新たに炭素−ホウ素結合(C−B)を形成する手法が採用されてきている。例えば、他の炭素原子と三重結合を形成している炭素原子にホウ素原子が結合した構造(−C≡C−B(−)−)を有する有機ホウ素化合物のうち、ジアルコキシアルキニルボランは、分子の末端に炭素原子間の三重結合を有し、この三重結合を形成している末端の炭素原子に水素原子が結合した構造(−C≡C−H)を有する末端アルキンにおいて、水素原子をリチウム原子に置換(−C≡C−Li)して有機リチウム化合物とした後、これをトリアルコキシボランと反応させることで合成できる(非特許文献1参照)。そして、有機ホウ素化合物で他の構造のものも同様の方法で合成される。しかし、その過程で生じる含水素化合物と含リチウム化合物は、いずれも不要物で廃棄が必要となる。また、この過程は複数の工程からなり、工程が長くて煩雑である。これは、上記の有機リチウム化合物を経由することが原因である。さらに、前記有機リチウム化合物の調製に反応性が高いブチルリチウムが必要であり、得られる有機リチウム化合物とこれを用いて得られる有機ホウ素化合物の構造には制約があって、汎用性が低い。そこで、上記のような有機リチウム化合物を経由せずに、目的物である有機ホウ素化合物を、例えば、脱水素ボリル化反応を利用して、2種の原料化合物から直接合成する方法の開発が望まれている。このような方法によれば、工程が短縮化されるだけでなく、生じる不要物は上記の含水素化合物と含リチウム化合物に代わり、水素のみとなる。
脱水素ボリル化反応を利用する有機ホウ素化合物の合成方法としては、例えば、下記式で示すように、触媒量のイリジウム(Ir)化合物(式中、「cod」はシクロオクタジエンを示す)共存下で、ベンゼンと下記式(2)で表される化合物(ナフタレン−1,8−ジアミノボラン)とを反応させ、下記式(8)で表される化合物を得る方法が開示されている(非特許文献2参照)。また、これ以外にも、触媒量のルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)又はパラジウム(Pd)等の貴金属化合物を用いた方法も開示されている。
Figure 0006218077
しかし、これら貴金属化合物を用いた方法は、反応によって脱水素される水素原子との結合がsp2混成軌道又はsp3混成軌道による炭素原子を有するものに原料化合物がほとんど限定され、脱水素される水素原子との結合がsp混成軌道による炭素原子、すなわち、他の炭素原子と三重結合を形成し、水素原子とも結合している炭素原子を有する原料化合物(末端アルキン)を用いた、有機ホウ素化合物の合成方法は、僅かに一例が開示されているに過ぎない(非特許文献3参照)。
Jiao Jiao et al., Journal of Organometallic Chemistry 721−722(2012)3−16 Noriyuki Iwadate et al., Journal of Organometallic Chemistry 694(2009)1713−1717 Chun−I Lee et al., Journal of the American Chemical Society,2013,135,3560−3566
非特許文献3に記載の方法は、上述のように、他の炭素原子と三重結合を形成している炭素原子にホウ素原子が結合した構造を有する有機ホウ素化合物の、脱水素ボリル化反応を利用する初めての合成方法である点で重要であるが、触媒として用いるイリジウム化合物は、多数の工程を経なければ調製できず、結果として目的とする有機ホウ素化合物を安価且つ簡便に得られないという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、他の炭素原子との三重結合とホウ素原子との結合を共に有する炭素原子(C≡C−B)を含む有機ホウ素化合物を、脱水素ボリル化反応を利用して、安価且つ簡便に製造する方法、及び新規の前記有機ホウ素化合物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、分子の末端にエチニル基を有する化合物と、下記式(2)で表される化合物とを、ルイス酸の共存下で反応させ、前記エチニル基の水素原子が結合している炭素原子と、前記式(2)で表される化合物のホウ素原子とを結合させる、有機ホウ素化合物の製造方法を提供する。
Figure 0006218077
本発明の有機ホウ素化合物の製造方法は、前記エチニル基を有する化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、前記有機ホウ素化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006218077
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基である。)
本発明の有機ホウ素化合物の製造方法は、前記ルイス酸が亜鉛化合物であることが好ましい。
本発明の有機ホウ素化合物の製造方法は、分子の末端にエチニル基を有する化合物と、前記式(2)で表される化合物とを、さらに有機塩基の共存下で反応させることが好ましい。
また、本発明は、下記一般式(3)で表される有機ホウ素化合物を提供する。
Figure 0006218077
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基である。)
本発明によれば、他の炭素原子との三重結合とホウ素原子との結合を共に有する炭素原子(C≡C−B)を含む有機ホウ素化合物を、脱水素ボリル化反応を利用して、安価且つ簡便に製造する方法、及び新規の前記有機ホウ素化合物が提供される。
本発明に係る有機ホウ素化合物の製造方法は、分子の末端にエチニル基を有する化合物(以下、「エチニル化合物」と略記することがある)と、下記式(2)で表される化合物(ナフタレン−1,8−ジアミノボラン、以下、「化合物(2)」と略記することがある)とを、ルイス酸の共存下で反応させ、前記エチニル基の水素原子が結合している炭素原子と、前記式(2)で表される化合物(化合物(2))のホウ素原子とを結合させるものである。
かかる製造方法は、水素原子との結合がsp混成軌道による炭素原子を反応点として、化合物(2)との間で脱水素ボリル化反応を行うことにより、他の炭素原子との三重結合とホウ素原子との結合を共に有する炭素原子(C≡C−B)を含む有機ホウ素化合物を、簡略化された工程で安価且つ簡便に得るものである。
Figure 0006218077
<化合物(2)>
化合物(2)は公知のものであり、例えば、「Journal of Organometallic Chemistry 694(2009)1713−1717」(上述の非特許文献2)に記載の方法で製造できる。化合物(2)は安定であり、精製することも可能である。また、化合物(2)が安定であることにより、前記エチニル化合物との反応において副生成物の量も抑制される。
本発明に係る製造方法では、化合物(2)を用いることで、上述の脱水素ボリル化反応が可能となっている。また、化合物(2)のナフタレン骨格又はアミノ基中の水素原子が、短鎖アルキル基等で置換された化合物であっても、前記脱水素ボリル化反応が可能である。
反応時の化合物(2)の使用量は、前記エチニル化合物に対して、1〜6倍モル量であることが好ましく、1〜4倍モル量であることがより好ましい。
<エチニル化合物>
前記エチニル化合物は、分子の末端にエチニル基(−C≡C−H)を有するものであればよく、下記一般式(1)で表すことができる。
Figure 0006218077
(式中、Rは有機基である。)
式中、Rは有機基であり、本明細書において「有機基」とは、構成原子として炭素原子を含むものを意味し、例えば、1個以上の炭素原子が炭素原子以外の原子で置換されたものでもよく、また、金属錯体等、構成原子又はイオンとして金属原子又は金属イオンを含むものでもよい。
本発明に係る製造方法では、Rの種類によらず、幅広い前記エチニル化合物を用いて、下記一般式(3)で表される種々の前記有機ホウ素化合物が得られる。
Figure 0006218077
(式中、Rは有機基である。)
は、目的物である前記有機ホウ素化合物の収率が向上する点から、アミノ基及び置換アミノ基を有しないものが好ましい。前記置換アミノ基は、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されたものであり、水素原子以外の基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基が例示できる。なお、前記置換アミノ基には、イミド基、アミド基等は含まれない。
なかでもRは、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基であることが好ましい。
すなわち、前記エチニル化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と略記することがある)であることが好ましく、この場合、得られる前記有機ホウ素化合物は、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」と略記することがある)である。
Figure 0006218077
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基である。)
[化合物(1)]
における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、前記アルキル基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。そして、前記アルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
なかでも、直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
環状の前記アルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、該アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示でき、さらに、これら環状のアルキル基の1個以上の水素原子が、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基で置換されたものが例示できる。ここで、水素原子を置換する直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基としては、Rにおけるアルキル基として例示した上記のものが挙げられる。
なかでも、環状の前記アルキル基は、炭素数が3〜15であることがより好ましく、3〜10であることが特に好ましい。
における前記アルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、シクロヘキセニル基等、前記アルキル基における炭素原子間の1個の単結合(C−C)が、二重結合(C=C)に置換された基が例示でき、二重結合の位置は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。
前記アルケニル基は、炭素数が2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましく、2〜10であることが特に好ましい。
における前記アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、炭素数が6〜20であることが好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が例示でき、これらアリール基の1個以上の水素原子が、さらにこれらアリール基や、Rにおける前記アルキル基で置換されたものも例示できる。これら置換基を有するアリール基は、置換基も含めて炭素数が6〜20であることが好ましい。
これらのなかでも、前記アリール基は、炭素数が6〜15であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
における前記アリールアルキル基としては、ベンジル基(フェニルメチル基)、フェニルエチル基等、前記アルキル基において、1個の水素原子が前記アリール基で置換された一価の基が例示でき、炭素数が7〜21であることが好ましく、7〜16であることがより好ましい。
における前記ヘテロアリール基としては、Rにおける前記アリール基のうち、芳香環骨格を構成する1個以上の炭素原子が、又は前記炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、ヘテロ原子で置換され、且つ芳香族性を有する基、及びRにおける環状の前記アルキル基において、炭素原子間の1個以上の単結合(C−C)が、二重結合(C=C)に置換され、さらに環骨格を構成する1個以上の炭素原子が、又は前記炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、ヘテロ原子で置換され、且つ芳香族性を有する基が例示できる。前記ヘテロ原子で好ましいものとしては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子等が例示できる。
芳香環骨格を構成するヘテロ原子の数は、特に限定されないが、1〜2であることが好ましい。そして、芳香環骨格を構成するヘテロ原子の数が2以上である場合、これら複数個のヘテロ原子は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記ヘテロアリール基は、例えば、芳香族複素環に炭化水素環が縮環した構造のものでもよい。
好ましい前記ヘテロアリール基としては、チエニル基(2−チエニル基、3−チエニル基)、ピリジル基(2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基)、フリル基(2−フリル基、3−フリル基)、イミダゾリル基(2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基)、チアゾリル基(2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基)等が例示できる。
における前記ヘテロアリールアルキル基としては、ヘテロアリールメチル基等、前記アルキル基において、1個の水素原子が前記ヘテロアリール基で置換された一価の基が例示でき、炭素数が4〜23であることが好ましく、4〜18であることがより好ましい。
における前記アルコキシ基としては、メトキシ基、シクロプロポキシ基等、前記アルキル基が酸素原子に結合した一価の基が例示でき、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
における前記アルケニルオキシ基としては、エテニルオキシ基(ビニルオキシ基)、2−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、シクロヘキセニルオキシ基等、前記アルケニル基が酸素原子に結合した一価の基が例示でき、炭素数が2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましく、2〜10であることが特に好ましい。
における前記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等、前記アリール基が酸素原子に結合した一価の基が例示でき、炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜15であることがより好ましく、6〜10であることが特に好ましい。
における前記アリールアルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基(フェニルメチルオキシ基)、フェニルエチルオキシ基等、前記アルキル基において、1個の水素原子が前記アリール基で置換されたものが、酸素原子に結合した一価の基が例示でき、炭素数が7〜21であることが好ましく、7〜16であることがより好ましい。
における前記ヘテロアリールオキシ基としては、前記ヘテロアリール基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
における前記ヘテロアリールアルキルオキシ基としては、ヘテロアリールメチルオキシ基等、前記アルキル基において、1個の水素原子が前記ヘテロアリール基で置換されたものが、酸素原子に結合した一価の基が例示でき、炭素数が4〜23であることが好ましく、4〜18であることがより好ましい。
における前記アルキルシリル基としては、シリル基(−SiH)の1〜3個の水素原子が前記アルキル基で置換された一価の基が例示でき、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基及びトリアルキルシリル基のいずれでもよく、ケイ素原子に結合しているアルキル基が複数個(2〜3個)の場合、これらアルキル基は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、ケイ素原子に結合しているアルキル基が3個の場合には、2個のみ同一であってもよい。
前記アルキルシリル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
前記モノアルキルシリル基としては、メチルシリル基、エチルシリル基等、シリル基(−SiH)の1個の水素原子が前記アルキル基で置換された一価の基が例示できる。
前記ジアルキルシリル基としては、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、メチルエチルシリル基等、シリル基(−SiH)の2個の水素原子が前記アルキル基で置換された一価の基が例示できる。
前記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等、シリル基(−SiH)の3個の水素原子が前記アルキル基で置換された一価の基が例示できる。
における前記アルキルシリルオキシ基としては、モノアルキルシリルオキシ基、ジアルキルシリルオキシ基、トリアルキルシリルオキシ基等、前記アルキルシリル基が酸素原子に結合した一価の基が例示でき、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
における前記メタロセニル基は、メタロセンから1個の水素原子が除かれた一価の基である。
前記メタロセンは、金属原子がシクロペンタジエニル環(C )で挟まれたサンドイッチ構造を有するものであり、このときの金属種としては、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン、バナジウム、ルテニウム、オスミウム等が例示でき、シクロペンタジエニル環以外に他の配位子がさらに配位したものでもよい。
前記メタロセンのうち、ビスシクロペンタジエニル金属化合物としては、[Fe(C](フェロセン)、[Ni(C](ニッケロセン)、[Co(C](コバルトセン)、[Cr(C](クロモセン)、[Mn(C](マンガノセン)、[V(C](バナドセン)、[Ru(C](ルテノセン)、[Os(C](オスモセン)等が例示でき、これらの中でもフェロセンが好ましい。すなわち、前記メタロセニル基は、フェロセニル基であることが好ましい。
における前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基(以下、「アルキル基等」と略記することがある)が「置換基を有する」とは、これら基(前記アルキル基等)の1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されているか、あるいはこれら基の1個以上の炭素原子が単独で、又は1個以上の炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、他の基で置換されていることを意味する。そして、水素原子及び炭素原子が共に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル基等が有する置換基は、特に限定されないが、目的物である前記有機ホウ素化合物の収率が向上する点から、アミノ基以外の基、置換アミノ基以外の基であることが好ましい。ここで、「置換アミノ基」は、上述のRが有しないものとして説明した置換アミノ基と同様である。
水素原子を置換する好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基等が例示できる。
前記置換基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記置換基におけるアルコキシ基、アリールオキシ基及びアリールアルキルオキシ基としては、Rにおけるアルコキシ基、アリールオキシ基及びアリールアルキルオキシ基と同様のものが例示できる。
炭素原子を単独で、又は炭素原子をこれに結合している水素原子と共に置換する好ましい前記置換基としては、カルボニル基、エステル基、カルボキシ基、イミド基、ホウ素原子、酸素原子、窒素原子(ただし、アミノ基又は置換アミノ基を形成しているものを除く)、硫黄原子、セレン原子、リン原子等が例示できる。
前記アルキル基等が有する置換基は、1個でもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これら置換基はすべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記アルキル基等における置換基の位置は、特に限定されない。
で2個以上の置換基を有するものとしては、後述する実施例に記載のフタルイミドイル基、ピナコールボリル基等が例示できるが、これらはごく一部に過ぎず、これらに限定されるものではない。
<ルイス酸>
ルイス酸は特に限定されず、公知のものを用いることができる。
なかでも、目的物である前記有機ホウ素化合物の収率が向上する点から、ルイス酸は、亜鉛化合物又は鉄化合物であることが好ましく、亜鉛化合物であることがより好ましい。
またルイス酸は、同様の理由から、金属スルホナート、金属スルホンイミド又は金属ハロゲン化物であることが好ましい。
前記金属スルホナートとしては、下記一般式(41)で表される化合物(以下、「M(OTf)」と略記する)及び下記一般式(42)で表される化合物(以下、「M(ONf)」と略記する)が例示できる。
前記金属スルホンイミドとしては、下記一般式(43)で表される化合物(以下、「M(NTf」と略記する)が例示できる。これらはいずれも公知の化合物である。
Figure 0006218077
(式中、Mは金属原子であり;nは1以上の整数である。)
式中、Mは金属原子であり、nは1以上の整数であり、Mの種類によって決定される。
前記金属スルホナート又は金属スルホンイミドで好ましいものとしては、Mが亜鉛(Zn)又は鉄(Fe)であるものが例示でき、亜鉛であるものがより好ましい。すなわち、より好ましい金属スルホナートとしては、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(Zn(OTf))、ノナフルオロメタンスルホン酸亜鉛(Zn(ONf))が例示でき、より好ましい金属スルホンイミドとしては、ジ[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛(Zn(NTf)が例示できる。
前記金属ハロゲン化物は、金属フッ化物又は金属塩化物であることが好ましく、フッ化亜鉛(ZnF)又は塩化亜鉛(ZnCl)であることがより好ましい。
ルイス酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は適宜調節できる。
ルイス酸は、Zn(OTf)、Zn(ONf)、Zn(NTf、ZnF又はZnClであることが好ましい。
反応時のルイス酸の使用量は、触媒量であることが好ましく、前記エチニル化合物(例えば、化合物(1))に対して、1〜12モル%であることが好ましく、1.5〜10モル%であることがより好ましく、2〜8モル%であることが特に好ましい。ルイス酸の使用量が前記下限値以上であることで反応性がより向上し、ルイス酸の使用量が前記上限値以下であることで、過剰使用が抑制され、反応後の後処理もより容易となる。
<有機塩基>
本発明においては、前記エチニル化合物、化合物(2)及びルイス酸以外に、これらのいずれにも該当しない有機塩基を用いて反応を行うことが好ましい。ルイス酸と共にさらに有機塩基の共存下で前記エチニル化合物及び化合物(2)を反応させることで、反応性がより向上する。一方で無機塩基を用いた場合には、無機塩基がルイス酸と相互作用又は反応してしまうことで、反応性が低下してしまう。
前記有機塩基は特に限定されず、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよく、公知のものを用いることができる。
有機塩基としては、脂肪族アミン、芳香族アミンが例示できる。脂肪族アミンは、その塩基性を発現する窒素原子に結合している脂肪族基が、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。芳香族アミンは、その塩基性を発現する窒素原子が芳香環骨格を構成しているものでもよいし、芳香環骨格を構成せずに芳香環骨格に結合しているものでもよい。また、環状の脂肪族アミン及び芳香族アミンは、単環状及び多環状のいずれでもよい。
有機塩基は、その塩基性を発現する窒素原子の数が1個でもよいし、2個以上でもよい。
有機塩基としては、アンモニア(NH)の1〜3個の水素原子が、水素原子以外の基で置換されたものが例示でき、窒素原子に結合している3個の基は、すべて同一でもよいし(ただし、アンモニアを除く)、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。また、窒素原子に2〜3個の水素原子以外の基が結合している場合、これら基が相互に結合して、前記窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、この場合の環構造は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
有機塩基において、窒素原子に結合している水素原子以外の基で好ましいものとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリールアルキル基が例示でき、これらは、上述のRにおける置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリールアルキル基と同様のものである。ただし、前記置換基としては、アミノ基も好ましいものとして例示できる。
有機塩基における前記置換基は、1個でもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これら置換基はすべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。そして、前記置換基の位置は、特に限定されない。
有機塩基は、ピリジン、キノリン、4−ピコリン、2,6−ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン又はジアザビシクロウンデセンであることが好ましく、ピリジンであることが特に好ましい。
有機塩基は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は適宜調節できる。
有機塩基を用いる場合、反応時の有機塩基の使用量は、触媒量であることが好ましく、前記エチニル化合物(例えば、化合物(1))に対して、2〜90モル%であることが好ましく、4〜75モル%であることがより好ましく、6〜60モル%であることが特に好ましい。有機塩基の使用量が前記下限値以上であることで、有機塩基を用いたことによる効果(反応性の向上)がより顕著となり、有機塩基の使用量が前記上限値以下であることで、過剰使用が抑制される。
<その他の成分>
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記エチニル化合物、化合物(2)、ルイス酸及び有機塩基以外に、これらのいずれにも該当しないその他の成分を用いて反応を行ってもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、その種類は特に限定されず、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は適宜調節できる。
前記その他の成分の使用量も特に限定されない。
<溶媒>
本発明においては、前記エチニル化合物及び化合物(2)を、溶媒の共存下で反応させることが好ましい。
前記溶媒は特に限定されないが、前記エチニル化合物及び化合物(2)の反応を妨げないものが好ましく、反応で用いる原料の溶解性が高いものが好ましい。
溶媒は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれの化合物でもよく、脂肪族及び芳香族のいずれの化合物でもよい。
好ましい溶媒としては、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル(シアノ基を有する化合物);トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素(置換基としてハロゲン原子を有する炭化水素);1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル(エーテル結合を有する化合物)等が例示できる。
溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して混合溶媒としてもよく、2種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
反応時の溶媒の使用量は、化合物(2)の濃度が、0.05〜5mol/Lとなる量であることが好ましく、0.08〜3mol/Lとなる量であることがより好ましい。
<その他の反応条件>
前記エチニル化合物及び化合物(2)を反応させるときの温度(反応温度)は、適宜調節すればよいが、30〜150℃であることが好ましく、50〜130℃であることがより好ましく、70〜110℃であることが特に好ましい。
前記エチニル化合物及び化合物(2)を反応させる時間(反応時間)は、反応温度等、その他の条件に応じて適宜調節すればよいが、1〜100時間であることが好ましく、2〜80時間がより好ましく、4〜60時間が特に好ましい。
本発明においては、前記エチニル化合物及び化合物(2)の反応終了後、公知の手法によって、必要に応じて後処理を行い、目的物である前記有機ホウ素化合物を取り出すことができる。すなわち、反応終了後、適宜必要に応じて、ろ過、洗浄、抽出、pH調整、脱水、濃縮等の後処理操作をいずれか単独で、又は2種以上組み合わせて行い、濃縮、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等により、前記有機ホウ素化合物を取り出すことができる。また、取り出した前記有機ホウ素化合物は、さらに必要に応じて、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー、抽出、溶媒による結晶の撹拌洗浄等の操作をいずれか単独で、又は2種以上組み合わせて一回以上行うことで、精製してもよい。
前記有機ホウ素化合物は、反応終了後に必要に応じて後処理を行った後、取り出すことなく、目的とする用途に引き続き用いてもよい。
得られた前記有機ホウ素化合物は、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法、質量分析法(MS)、赤外分光法(IR)、紫外・可視分光法(UV−VIS吸収スペクトル)等、公知の手法で構造を確認できる。
上述の製造方法によれば、水素原子との結合がsp混成軌道による炭素原子を反応点として、化合物(2)との間で脱水素ボリル化反応を行うことにより、他の炭素原子との三重結合とホウ素原子との結合を共に有する炭素原子(C≡C−B)を含む有機ホウ素化合物を、簡略化された工程で得られる。例えば、反応は、調製に煩雑な工程を必要とする触媒を用いる必要がなく、調製が容易であるか又は市販品が入手可能なルイス酸を用いて行うことができる。また、従来の方法とは異なり、有機リチウム化合物等を用いずに、2種の原料化合物から直接有機ホウ素化合物を合成できるため、上述の含水素化合物、含リチウム化合物等の不要物が発生せず、生じる不要物は水素のみであり、工程も短縮化される。また、反応性が高いブチルリチウム等を用いる必要がなく、得られる有機ホウ素化合物の構造には制約が少なく、汎用性が高い。このように、目的とする多様な構造の有機ホウ素化合物を、安価且つ簡便に製造できる。
前記有機ホウ素化合物のうち、化合物(3)は新規化合物である。また、前記有機ホウ素化合物は、例えば、クロスカップリング反応に利用でき、医薬品や液晶材料等の高機能性材料の製造原料として有用である。例えば、前記有機ホウ素化合物から、医薬品であれば、乳がん治療薬として有効な抗エストロゲン剤であるトレフェミン、タモキシフェン等を製造できる。さらに、前記有機ホウ素化合物は、他の化合物の製造原料としてではなく、それ自体が生理活性物質や半導体材料等の高機能性材料として利用できる可能性がある。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下に示すルイス酸及び有機塩基の使用量(mol%)は、すべて化合物(1)を基準とした量である。また、「単離収率(%)」及び「NMR換算収率(%)」は、いずれも化合物(1)を基準とした目的物(化合物(3))の収率(%)であり、「NMR換算収率(%)」とは、内部標準として塩化メチレンを用いた場合のNMR測定データから求めた収率である。また、濃度の単位「M」はmol/Lを示し、「mmol」は10−3モルを、「μmol」は10−6モルをそれぞれ示す。さらに、各略号はそれぞれ以下のものを示す。
Et:エチル基
n−Pr:n−プロピル基
i−Pr:イソプロピル基
t−Bu:tert−ブチル基
n−Hex:n−ヘキシル基
Cy:シクロヘキシル基
Ac:アセチル基
Ph:フェニル基
PI:フタルイミドイル基
Zn(OTf):前記式(41)で表され、MがZnであるルイス酸
Zn(ONf):前記式(42)で表され、MがZnであるルイス酸
Zn(NTf:前記式(43)で表され、MがZnであるルイス酸
<化合物(2)の製造>
[製造例1]
「Noriyuki Iwadate et al., Journal of Organometallic Chemistry 694(2009)1713−1717(非特許文献2)」に記載の方法に従って、下記式に示すように、化合物(2)を製造した。
すなわち、乾燥塩化メチレン(60mL)中に1,8−ジアミノナフタレン(20mmol)を液温が0℃となるように溶解させ、ここへジメチルスルフィドボラン(BH・S(CH)(20mmol)を30分以上かけて滴下した後、反応液を0℃で30分、さらに室温で24時間撹拌した。
反応終了後、反応液を濃縮した後、110℃、40Pa(0.3mmHg)の条件で蒸留することによって、化合物(2)を得た(収率84%)。
化合物(2)の同定データを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.85(br s, 2H), 6.32(d, J=6.8Hz, 2H), 7.09(d, J=8.4Hz, 2H), 7.16(t, J=7.6Hz, 2H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 106.2, 118.3, 120.9, 128.0, 136.8, 141.0.
11B NMR (128 MHz,non-decoupled, CDCl3) δ 26.7(d, J=109Hz)
IR(KBr) 3398, 2544 cm-1.
HRMS (EI) m/z Calc. for C10H9BN2 (M+): 168.0859, found: 168.0861.
Figure 0006218077
<化合物(3)の製造>
[実施例1]
容器中でZn(OTf)(20μmol)を減圧下、150℃で2時間加熱処理した後、室温まで冷却し、雰囲気をアルゴン置換した。ここへ化合物(2)(0.6mmol)とプロピオニトリル(0.4mL)を加え、内容物を室温で3分間撹拌した。次いで、ここへRがn−ヘキシル基である化合物(1)(0.4mmol)とピリジン(80μmol)を加え、100℃で20時間反応させた。各原料化合物の使用量及び反応条件を表1及び2に示す。なお、表1中、ルイス酸及び有機塩基の使用量は、「mol%」単位で示している。
反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(0.5mL)を反応液に加え、酢酸エチル(5mL)で水層を3回抽出し、有機層を飽和食塩水(1mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水して、セライトろ過した後、減圧濃縮して、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、目的物である化合物(3101)を取り出した。化合物(3101)の単離収率は84%であり、NMR換算収率は87%であって、NMR換算収率は単離収率とほぼ一致した。
得られた化合物(3101)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.91(t, J=6.9Hz, 3H), 1.24-1.37(m, 4H), 1.37-1.47(m, 2H), 1.56(quint, J=7.3Hz, 2H), 2.28(t, J=7.1Hz, 2H), 5.76(bs, 2H), 6.26(dd, J=7.3, 0.9Hz, 2H), 6.99(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.07(dd, J=8.2, 7.3Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ14.1, 19.6, 22.5, 28.4, 28.6, 31.3, 105.2, 105.7,117.8, 119.8, 127.5, 136.3, 140.7.
Figure 0006218077
[実施例2]
反応時間を20時間に代えて24時間とした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)の単離収率は77%であり、NMR換算収率は80%であって、NMR換算収率は単離収率とほぼ一致した。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例3]
反応時間を20時間に代えて16時間とした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は71%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例4]
反応温度を100℃に代えて90℃とした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は69%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例5]
反応温度を100℃に代えて80℃とした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は56%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例6]
Zn(OTf)(5μmol)に代えてZn(NTf(5μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は76%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例7]
Zn(OTf)(5μmol)に代えてZn(ONf)(5μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)の単離収率は78%であり、NMR換算収率は80%であって、NMR換算収率は単離収率とほぼ一致した。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例8]
Zn(OTf)(5μmol)に代えてZnF(5μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は63%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例9]
Zn(OTf)(5μmol)に代えてZnCl(5μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は29%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例10]
Zn(OTf)(5μmol)に代えてZn(OAc)(5μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は18%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例11]
Zn(OTf)(5μmol)に代えてFe(OTf)(5μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は9%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例12]
ピリジンを用いなかった点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は18%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[参考例1]
Zn(OTf)を用いなかった点以外は、実施例1と同様に反応を行ったところ、化合物(3101)はほとんど生成せず、NMR換算収率は1%未満であった。
Figure 0006218077
Figure 0006218077
上記結果から明らかなように、本発明により、脱水素ボリル化反応を利用して、安価且つ簡便に化合物(3)を製造できた。そして、反応温度及び反応時間を変化させても、反応性に大きな影響は見られなかった。また、ルイス酸として様々な種類のものを用いて、化合物(3)が得られた。また、有機塩基を用いなくても化合物(3)が得られたが、有機塩基を用いた方が、化合物(3)の収率が高かった。一方、ルイス酸を用いなかった場合には、化合物(3)がほとんど得られなかった。
[実施例13]
ピリジン(80μmol)に代えてキノリン(80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は45%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例14]
ピリジン(80μmol)に代えて4−ピコリン(80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は69%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例15]
ピリジン(80μmol)に代えて2,6−ルチジン(80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は66%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例16]
ピリジン(80μmol)に代えて4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は61%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例17]
ピリジン(80μmol)に代えてトリエチルアミン(80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は55%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例18]
ピリジン(80μmol)に代えてエチルジイソプロピルアミン(80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は48%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例19]
ピリジン(80μmol)に代えて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(ジアザビシクロウンデセン、DBU、80μmol)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は27%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例20]
プロピオニトリル(0.4mL)に代えてブチロニトリル(0.4mL)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は74%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例21]
プロピオニトリル(0.4mL)に代えてクロロベンゼン(0.4mL)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は68%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例22]
プロピオニトリル(0.4mL)に代えてトルエン(0.4mL)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は58%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例23]
プロピオニトリル(0.4mL)に代えて1,4−ジオキサン(0.4mL)を用いた点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は33%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例24]
ピリジンの使用量を0.4mLに代えて0.2mLとした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は56%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例25]
ピリジンの使用量を0.4mLに代えて1mLとした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は60%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例26]
化合物(2)の使用量を0.6mmolに代えて0.4mmolとした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は67%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例27]
プロピオニトリルの使用量を0.4mLに代えて0.8mLとし、Zn(OTf)の使用量を20μmolに代えて4μmolとした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は44%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
[実施例28]
Zn(OTf)の使用量を20μmolに代えて8μmolとした点以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。化合物(3101)のNMR換算収率は40%であった。
得られた化合物(3101)のNMRデータは、実施例1と同じであった。
Figure 0006218077
Figure 0006218077
上記結果から明らかなように、本発明により、脱水素ボリル化反応を利用して、安価且つ簡便に化合物(3)を製造できた。そして、有機塩基又は溶媒として様々な種類のものを用い、また、これらの使用量を変化させても、化合物(3)が得られた。
[実施例29]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3102)を得た(単離収率65%)。
得られた化合物(3102)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.24-1.34(m, 3H), 1.41-1.61(m, 3H), 1.66-1.80(m, 2H), 1.80-1.91(m, 2H), 2.46(tt, J=9.4, 3.8Hz, 1H), 5.78(bs, 2H), 6.27(dd, J=7.3, 0.9Hz, 2H), 7.00(dd, J = 8.2, 0.9Hz, 2H), 7.08(dd, J= 8.3, 7.3Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ24.9, 25.8, 29.8, 32.4, 105.7, 109.2, 117.8, 119.8, 127.5, 136.3, 140.8.
Figure 0006218077
[実施例30]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3103)を得た(単離収率88%)。
得られた化合物(3103)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.59(t, J=7.6Hz, 2H), 2.89(t, J=7.6Hz, 2H), 5.72(bs, 2H), 6.27(dd, J=7.3, 1.2Hz, 2H), 7.0(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.2, 7.3Hz, 2H), 7.20-7.28(m, 3H),7.28-7.36(m, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 21.8, 34.8, 104.0, 105.7, 117.8, 119.8, 126.5, 127.5, 128.4, 136.3, 140.3, 140.7(一つのシグナルは、他のシグナルに重なったため、明瞭に確認できなかった。).
Figure 0006218077
[実施例31]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3104)を得た(単離収率72%)。
得られた化合物(3104)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.02(quint, J=6.6Hz, 2H), 2.50(t, J=6.9Hz, 2H), 3.69(t, J=6.3Hz, 2H), 5.77(bs, 2H), 6.28(dd, J=7.3, 0.9Hz, 2H), 7.01(dd, J=8.5, 0.9Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.4, 7.2Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 17.0, 31.0, 43.5, 102.6, 105.8, 117.9, 119.8, 127.5, 136.2, 140.6.
Figure 0006218077
[実施例32]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3105)を得た(単離収率71%)。
得られた化合物(3105)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.90(quint, J=6.6Hz, 2H), 2.08(s, 3H), 2.40(t, J=7.0Hz, 2H), 4.21(t, J=6.3Hz, 2H), 5.78(bs, 2H), 6.28(dd, J=7.3, 1.0Hz, 2H), 7.00(dd, J=8.4, 1.0Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.3, 7.3Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 16.4, 21.0, 27.4, 62.9, 103.1, 105.8, 117.9, 119.8, 127.5, 136.2, 140.7, 171.1.
Figure 0006218077
[実施例33]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3106)を得た(単離収率92%)。
得られた化合物(3106)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.00 (quint, J=6.6Hz, 2H), 2.39(t, J=6.9Hz, 2H), 3.87(t, J=6.6Hz, 2H), 5.61(bs, 2H), 6.22(dd, J=7.4, 0.9Hz, 2H), 6.99(dd, J=8.7, 0.9Hz, 2H), 7.07(dd, J=8.2, 7.3Hz, 2H), 7.59-7.65(m, 2H),7.82-7.88(m, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 17.5, 26.7, 37.3, 103.5, 105.7, 117.7, 119.7, 123.2, 127.5, 132.1, 133.9, 136.2, 140.7, 168.5.
Figure 0006218077
[実施例34]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3107)を得た(単離収率91%)。
得られた化合物(3107)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 4.76(s, 2H), 5.79(bs, 2H), 6.26(dd, J=7.2, 1.0Hz, 2H), 6.96-7.04(m, 5H), 7.08(dd, J=8.1, 7.2Hz, 2H), 7.28-7.38(m, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 56.3, 97.6, 106.0, 114.8, 118.2, 119.9, 121.6, 127.5, 129.6, 136.2, 140.3, 157.6.
Figure 0006218077
[実施例35]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3108)を得た(単離収率91%)。
得られた化合物(3108)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.10(s, 6H), 0.92(s, 9H), 2.51(t, J=7.1Hz, 2H), 3.78(t, J=7.1Hz, 2H), 5.75(bs, 2H), 6.27(dd, J=7.4, 0.9Hz, 2H), 7.00(dd, J=8.3, 0.9Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.53, 7.3Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ -5.2, 18.4, 24.1, 25.9, 61.7, 101.7, 105.8, 117.9, 119.8, 127.5, 136.3, 140.7.
Figure 0006218077
[実施例36]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3109)を得た(単離収率65%)。
得られた化合物(3109)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.81(t, J=5.5Hz, 1H), 2.58(t, J=6.2Hz, 2H), 3.79(q, J=5.8Hz, 2H), 5.80(bs, 2H), 6.28(dd, J=7.2, 1.0Hz, 2H), 7.01(dd, J=8.5, 0.9Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.4, 7.2Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 24.0, 60.8, 101.1, 105.8, 117.9, 119.8, 127.5, 136.2, 140.6.
Figure 0006218077
[実施例37]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3110)を得た(単離収率91%)。
得られた化合物(3110)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.56-1.71(m, 4H), 2.09-2.21(m, 4H), 5.80(bs, 2H), 6.23-6.32(m, 3H), 7.00(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.2, 7.4Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 21.3, 22.2, 25.8, 28.9, 104.6, 105.8, 117.9, 119.8, 120.3, 127.5, 136.3, 137.7, 140.7.
Figure 0006218077
[実施例38]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3111)を得た(単離収率84%)。
得られた化合物(3111)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.91(bs, 2H), 6.32(dd, J=7.3, 0.9Hz, 2H), 7.03(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.11(dd, J=8.2, 7.1Hz, 2H), 7.32-7.41(m, 3H), 7.49-7.55(m, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 102.4, 105.9, 118.0, 119.9, 122.4, 127.5, 128.4, 129.1, 132.1, 136.3, 140.1.
Figure 0006218077
[実施例39]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3112)を得た(単離収率88%)。
得られた化合物(3112)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.50(s, 3H), 5.88(bs, 2H), 6.32(dd, J=7.2, 0.9Hz, 2H), 7.03(dd, J=8.4, 0.9Hz, 2H), 7.10(dd, J=8.3, 7.3Hz, 2H), 7.16(td, J=9.2, 1.6Hz, 1H), 7.20-7.30(m, 2H), 7.48(dd, J=7.6, 0.9Hz, 1H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 20.8, 101.3, 105.9, 118.0, 119.9, 122.2, 125.6, 127.5, 129.1, 129.5, 132.5, 136.3, 140.6, 140.8.
Figure 0006218077
[実施例40]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3113)を得た(単離収率81%)。
得られた化合物(3113)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.35(s, 3H), 5.89(bs, 2H), 6.31(dd, J=7.1, 0.9Hz, 2H), 7.02(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.10(dd, J=8.3, 7.3Hz, 2H), 7.15-7.28(m, 2H), 7.28-7.39(m, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 21.2, 102.7, 105.9, 118.0, 119.9, 122.2, 127.5, 128.3, 129.2, 130.0, 132.7, 136.3, 138.1, 140.6.
Figure 0006218077
[実施例41]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3114)を得た(単離収率91%)。
得られた化合物(3114)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.37(s, 3H), 5.89(bs, 2H), 6.31(dd, J=7.3, 0.9Hz, 2H), 7.02(dd, J=8.5, 0.9Hz, 2H), 7.10(dd, J=8.3, 7.3Hz, 2H), 7.15(dt, J=7.8, 0.7Hz, 2H), 7.41(dt, J=8.2, 1.8Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 21.6, 102.7, 105.9, 118.0, 119.3, 119.9, 127.5, 129.2, 132.0, 136.3, 139.4, 140.7.
Figure 0006218077
[実施例42]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3115)を得た(単離収率94%)。
得られた化合物(3115)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.83(s, 3H), 5.89(bs, 2H), 6.31(dd, J=7.3, 0.9Hz, 2H), 6.87(dt, J=8.9, 2.4Hz, 2H), 7.02(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.10(dd, J=8.2, 7.3Hz, 2H), 7.46(dt, J=8.9, 2.3Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 55.3, 102.6, 105.8, 114.1, 114.4, 117.9, 119.9, 127.5, 133.7, 136.3, 140.7, 160.2.
Figure 0006218077
[実施例43]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3116)を得た(単離収率73%)。
得られた化合物(3116)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.91(bs, 2H), 6.32(dd, J=7.2, 0.9Hz, 2H), 7.04(dd, J=8.3, 0.9Hz, 2H), 7.11(dd, J=8.3, 7.2Hz, 2H), 7.59-7.65(m, 4H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 100.6, 106.1, 118.3, 120.0, 123.8(q, 1J(C ,F)=271.3Hz), 125.4(q, 3J(C, F)=3.8Hz), 126.2, 127.6, 130.8(q, 2J(C, F)=32.6Hz), 132.3, 136.3, 140.4.
Figure 0006218077
[実施例44]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3117)を得た(単離収率15%)。
得られた化合物(3117)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.92(bs, 2H), 6.34(dd, J=5.8, 0.8Hz, 2H), 7.06(dd, J=6.7, 0.7Hz, 2H), 7.12(dd, J=6.6, 5.8Hz, 2H), 7.66(dt, J=7.2, 1.7Hz, 2H), 8.24 (dt, J=7.1, 1.7Hz, 2H).
Figure 0006218077
[実施例45]
表5及び6に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3118)を得た(単離収率82%)。
得られた化合物(3118)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.92(bs, 2H), 6.33(dd, J=7.2, 1.0Hz, 2H), 7.03(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.11(dd, J=8.3, 7.3Hz, 2H), 7.37(tt, J=7.3, 1.6Hz, 1H), 7.46(tt, J=7.4, 1.5Hz, 2H), 7.56-7.63(m, 6H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 102.3, 105.9, 118.1, 119.9, 121.2, 127.0, 127.1, 127.5, 127.8, 128.9, 132.5, 136.3, 140.1, 140.6, 141.9.
Figure 0006218077
Figure 0006218077
Figure 0006218077
[実施例46]
表7及び8に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3119)を得た(NMR換算収率90%)。
Figure 0006218077
[実施例47]
表7及び8に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3120)を得た(単離収率83%)。
得られた化合物(3120)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 4.17-4.34(m, 7H), 4.49(t, J=1.8Hz, 2H), 5.85(bs, 2H), 6.31(dd, J=7.3, 1.1Hz, 2H), 7.02(dd, J=8.2, 0.9Hz, 2H), 7.10(dd, J=8.4, 7.2Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 63.7, 69.2, 70.2, 71.9, 102.3, 105.8, 117.9, 119.8, 127.5, 136.3, 140.7.
Figure 0006218077
[実施例48]
表7及び8に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3201)を得た(単離収率81%)。
得られた化合物(3201)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.88(bs, 2H), 6.31(dd, J=7.2, 1.0Hz, 2H), 7.02(dd, J=8.3, 1.0Hz, 2H), 7.10(dd, J=8.3, 7.3Hz, 2H), 7.17(dd, J=4.9, 1.3Hz, 1H), 7.29(dd, J=5.0, 3.0Hz, 1H), 7.56(dd, J=3.0, 1.1Hz, 1H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 97.4, 105.9, 118.1, 119.9, 121.6, 125.6, 127.5, 130.0, 130.5, 136.3, 140.6.
Figure 0006218077
[実施例49]
表7及び8に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3202)を得た(単離収率74%)。
得られた化合物(3202)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.94(bs, 2H), 6.34(dd, J=7.2, 1.0Hz, 2H), 7.04(dd, J=8.4, 1.0Hz, 2H), 7.11(dd, J=8.4, 7.2Hz ,2H), 7.30(ddd, J=7.9, 4.9, 0.9Hz, 1H), 7.79(dt, J=7.8, 1.8Hz, 1H), 8.59(dd, J=4.8, 1.8Hz, 1H), 8.76(dd, J=2.0, 0.9Hz, 1H).
Figure 0006218077
[実施例50]
表7及び8に示す条件で反応を行った点以外は、実施例1と同様にして化合物(3301)を得た(単離収率51%)。
得られた化合物(3301)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.65(q, J=1.9Hz, 6H), 1.03(t, J=7.9Hz, 9H), 5.82(bs, 2H), 6.28(dd, J=7.2, 1.0Hz, 2H), 7.01(dd, J=8.4, 1.0Hz, 2H), 7.08(dd, J=8.2, 7.3Hz, 2H).
13C NMR(100MHz, CDCl3) δ 4.2, 7.4, 105.8, 108.7, 118.0, 120.0, 127.5, 136.3, 140.5.
Figure 0006218077
Figure 0006218077
Figure 0006218077
上記結果から明らかなように、本発明により、脱水素ボリル化反応を利用して、安価且つ簡便に化合物(3)を製造できた。そして、化合物(1)として種々の化合物を用いて、広範な種類の新規な化合物(3)を製造できた。
<化合物(3)の利用>
[製造例2]
下記式に示すように、化合物(3101)を用いて、化合物(9101)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
雰囲気をアルゴンガスで置換した容器中に、化合物(3101)(0.2mmol)、1,4−ジオキサン(2mL)を仕込み、さらにここへピナコール(0.6mmol)、6M塩酸(0.2mL、HClとして1.2mmol)を加え、室温で12時間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液に水(10mL)を加え、ジエチルエーテル(10mL)で3回有機層を抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水して、セライトろ過した。次いで、得られたろ液を減圧濃縮し、濃縮物をさらに蒸留して、無色のオイル状物質として目的物である化合物(9101)を得た(単離収率90%)。
得られた化合物(9101)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.88(t, J=7.0Hz, 3H), 1.18-1.45(m, 6H), 1.27(s, 12H), 1.53(quint, J=7.5Hz, 2H), 2.25(t, J=7.2Hz, 2H).
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いて、ホウ素原子を含む環骨格を置換して、他の有機ホウ素化合物を収率よく製造できた。
[製造例3]
下記式に示すように、化合物(3111)を用いて、化合物(9102)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
雰囲気をアルゴンガスで置換した容器中に、塩化銅(I)(0.02mmol)、トリフェニルホスフィン(0.02mmol)、炭酸カリウム(0.2mmol)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI、0.5mL)を仕込み、得られた溶液を脱酸素させ、さらにここへ化合物(3111)(0.24mmol)、ヨードベンゼン(0.2mmol)を室温下で加え、120℃で22時間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液に3M塩酸を加え、ジエチルエーテル(10mL)で3回有機層を抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水して、ろ過した。次いで、得られたろ液を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製し、白色個体として目的物である化合物(9102)を得た(単離収率91%)。
得られた化合物(9102)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.30-7.39(m, 6H), 7.49-7.58(m, 4H).
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いたクロスカップリング反応により、他の有機ホウ素化合物を収率よく製造できた。クロスカップリング反応による有機ホウ素化合物の合成反応としては、例えば、化合物(3111)のフェニルアセチレン基の代わりに、3,5−ジブロモベンゼン−1−イル基を有する化合物を用いたものが上述の「Journal of Organometallic Chemistry 694(2009)1713−1717」に開示されている。しかし、ここで開示されている合成反応では、炭素−ホウ素結合(C−B)ではなく、炭素−臭素結合(C−Br)がクロスカップリング反応に関与しており、ここに示した化合物(9102)の合成反応では、炭素−ホウ素結合(C−B)がクロスカップリング反応に関与するという点において、上記文献に記載のものとは反応機構が全く異なっており、化合物(3111)は新たな用途を提供できる点で有用である。
[製造例4]
下記式に示すように、化合物(3101)を用いて、化合物(9103)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
雰囲気をアルゴンガスで置換した容器中に、炭酸カルシウムに担持したパラジウム(Pd/CaCO、5質量%、0.015mmol)、1,4−ジオキサン(1mL)、化合物(3101)(0.5mmol)、ピリジン(1μL)を仕込み、室温下で水素ガスを吹き込みながら2.5時間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液をろ過して、ろ液を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン/酢酸エチル=20/1)により精製し、白色個体として目的物である化合物(9103)を得た(単離収率94%)。
得られた化合物(9103)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.77-0.98(m, 5H), 1.19-1.50(m, 12H), 5.60(bs, 2H), 6.29(dd, J=7.3, 0.9 Hz, 2H), 6.99(dd, J=8.2, 0.9 Hz, 2H), 7.09(dd, J=8.0, 7.3Hz, 2H).
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いた還元反応により、他の有機ホウ素化合物を収率よく製造できた。
[製造例5]
下記式に示すように、化合物(3111)を用いて、化合物(9104)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
雰囲気をアルゴンガスで置換した容器中に酢酸銅(II)(0.2mmol)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI、2mL)、化合物(3111)(0.2mmol)を仕込み、60℃で6時間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液に1M塩酸(30mL)を加え、ジエチルエーテル(10mL)で3回有機層を抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄した後、ろ過した。次いで、得られたろ液を減圧濃縮し、目的物である化合物(9104)を得た(NMR換算収率39%)。
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いたホモカップリング反応により、炭素−炭素結合(C−C)を新たに形成して、炭化水素化合物を製造できた。
[製造例6]
下記式に示すように、化合物(3111)を用いて、化合物(9105)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
容器中に化合物(3111)(0.2mmol)、トランス−カルコン(0.4mmol)、塩化メチレン(2mL)、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(0.4mmol)を仕込み、40℃で24時間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液に水(10mL)を加え、ジエチルエーテル(10mL)で3回有機層を抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水して、ろ過した。次いで、得られたろ液を減圧濃縮し、目的物である化合物(9105)を得た(NMR換算収率63%)。
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いた1,4−付加反応により、炭素−炭素結合(C−C)を新たに形成して、芳香族不飽和化合物を製造できた。
[製造例7]
下記式に示すように、化合物(3111)を用いて、化合物(9106)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
容器中にアルゴンガス雰囲気下で[RuCl(PPh](0.025mmol)、化合物(3111)(0.5mmol)、エタノール(0.75mL)を仕込み、得られた溶液を脱酸素させ、さらにここへ水素ガスを吹き込み、0℃で7日間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液に水(10mL)を加え、ジエチルエーテル(10mL)で3回有機層を抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水して、ろ過した。次いで、得られたろ液を減圧濃縮し、目的物である化合物(9106)のシス体及びトランス体の混合物を得た(シス体のNMR換算収率75%、シス体:トランス体=95:5)。
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いた半還元反応により、シス体の有機ホウ素化合物を優先的に製造できた。
[製造例8]
下記式に示すように、化合物(3101)を用いて、化合物(9107)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
容器中に酢酸銅(II)(6μmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(20質量%トルエン溶液、0.021mmol)、メタノール(1mL)を仕込み、80℃で30分間撹拌した後、室温下で減圧濃縮した。次いで、得られた濃縮物に化合物(3101)(0.3mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.39mmol)、BuSnOCH(0.39mmol)トルエン(1mL)を加え、室温で18時間撹拌して反応させた。次いで、得られた反応液を酢酸エチルで希釈した後、セライトろ過し、有機層を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。次いで、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(10質量%無水炭酸カリウム−シリカゲル、移動相:酢酸エチル)により精製し、目的物である化合物(9107)を得た。
Figure 0006218077
このように、化合物(3)を用いたボリルスタニル化反応により、含スズ有機ホウ素化合物を製造できた。
本発明は、医薬品、高機能性材料等の製造に利用可能である。

Claims (5)

  1. 分子の末端にエチニル基を有する化合物と、下記式(2)で表される化合物とを、ルイス酸の共存下で反応させ、前記エチニル基の水素原子が結合している炭素原子と、前記式(2)で表される化合物のホウ素原子とを結合させる、有機ホウ素化合物の製造方法。
    Figure 0006218077
  2. 前記エチニル基を有する化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、前記有機ホウ素化合物が下記一般式(3)で表される化合物である、請求項1に記載の有機ホウ素化合物の製造方法。
    Figure 0006218077
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基である。)
  3. 前記ルイス酸が亜鉛化合物である、請求項1又は2に記載の有機ホウ素化合物の製造方法。
  4. 分子の末端にエチニル基を有する化合物と、前記式(2)で表される化合物とを、さらに有機塩基の共存下で反応させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機ホウ素化合物の製造方法。
  5. 下記一般式(3)で表される有機ホウ素化合物。
    Figure 0006218077
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はメタロセニル基である。)
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