JP6217093B2 - 道路灯 - Google Patents

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Description

本発明は、支柱に支持される道路灯に関する。
従来、道路の路肩等に立設した支柱に器具本体を支持し、器具本体内に備える光源(高圧放電ランプ)によって路面を照明する道路灯が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4061438号公報
しかしながら、上記従来の道路灯では、ランプの電源が支柱に設けられているため、道路灯の設置箇所においてランプと電源とを配線しなければならず、配線作業が繁雑であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、配線作業が容易な道路灯を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の道路灯は、支柱に固定されるクランプが設けられた灯具本体と、当該灯具本体の下面を覆う下面パネル体と、当該下面パネル体に支持されたグローブと、を備え、前記灯具本体は、当該灯具本体の外側面が前記下面パネル体の外縁部の外側に位置し、当該灯具本体の下端が水滴の滴下部となるように形成され、前記灯具本体に包囲壁に囲まれた光源室を設け、前記光源室に発光素子と、当該発光素子の電源を組み付け、前記灯具本体の天井面には、前記発光素子及び前記電源を設置する台座面が形成され、前記天井面には、前記台座面を露出し、前記灯具本体の包囲壁に接触して前記発光素子及び前記電源の熱を前記滴下部となる前記灯具本体の下端に伝熱する伝熱部材を設け、前記発光素子及び前記電源は露出した前記台座面に固定されることを特徴とする。
上記構成において、前記灯具本体の基端側に前記クランプを設け、前記灯具本体の先端側に光源室を設け、前記電源は、前記クランプと前記光源室との間を仕切る仕切側に寄せて前記光源室に配置してもよい。
上記構成において、前記電源、及び前記発光素子の熱を前記灯具本体の天面に導いてもよい。
上記構成において、前記光源室には、前記発光素子、前記発光素子の光を配光する反射鏡、及び前記電源を、前記光源室の取付面に載置して設け、前記反射鏡を前記グローブに近接させて配置するとともに、前記グローブに近接する前記反射鏡の厚みの範囲内に、前記電源を収めてもよい。
上記構成において、前記グローブが前記光源室に当接してシールしてもよい。
本発明によれば、ランプに比べて寿命が長くメンテナンス不要とされる発光素子とともに電源が光源室に収められるので、発光素子と電源との間の配線を済ませた状態で製造出荷でき、設置現場での配線作業が容易となる。
本発明の第1実施形態に係る道路灯を下方からみた斜視図である。 道路灯の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図、(D)は正面図、及び(E)は背面図である。 道路灯の底面図である。 図2(A)のI−I線における断面視図である。 図3のII−II線における断面図である。 器具本体の分解斜視図である。 ベースケース体の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図、(D)は正面図、(E)は背面図である。 蓋体を開いた状態を示す道路灯の側面図である。 蓋体を開いた状態を示す道路灯の上方斜視図である。 電源を示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る道路灯の底面図である。 図11のIII−III線における断面図である。 図11のIV−IV線における断面図である。 伝熱板を示す図であり、(A)は側面図、(B)は底面図、(C)は背面図である。 図13の部分Aを拡大して示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、照明器具の一例として道路灯を説明する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る道路灯1を下方からみた斜視図である。図2は道路灯1の構成を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は側面図、図2(C)は底面図、図2(D)は正面図、及び図2(E)は背面図である。また図3は道路灯1の底面図である。
この道路灯1は、図1に示すように、ポール型(ストレート型とも呼ばれる)の支柱4、又は、アーム型の支柱5の先端部3に器具本体10を支持したものである。支柱4、5は路肩等の道路脇の地面に立設された柱であり、ポール型の支柱4は、その先端部3が鉛直方向に真っ直ぐに延び、アーム型の支柱5は、柱の途中から曲がって先端部3が水平方向に水平、或いは所定角度傾いて延びている。この道路灯1の器具本体10は、支柱4、5の両方に取り付け可能に構成されている。
器具本体10は、アルミダイカスト等で形成され、図1、及び図2に示すように、一端11Aから他端11Bにかけて長い平面視略矩形の箱型を成し、その一端11Aの近傍で上記支柱4、5の先端部3に支持され、他端11Bを道路側(車道側)に向けて設置される。器具本体10の底面10Aには、一端11Aの側に照射開口12が形成され、この照射開口12が平板状の透明なグローブガラス(グローブ)13(図2(C))で覆われている。なお、図1、及び図3は、グローブガラス13から器具本体10の内部を透視して示したものである。
器具本体10は、背面10B(すなわち一端11A近傍の外側面)にアーム用挿入孔15(図2(E))が設けられ、また一端11A近傍の底面10Aにポール用挿入孔16が設けられている。ポール型の支柱4に器具本体10を支持する場合には、当該支柱4の先端部3が器具本体10の底面10Aからポール用挿入孔16に挿入され、またアーム型の支柱5に支持する場合には、当該支柱5の先端部3が器具本体10の背面10Bからアーム用挿入孔15に挿入される。これらアーム用挿入孔15、及びポール用挿入孔16のうち、先端部3が挿入されていない方は閉塞板17で閉塞される。
なお、本実施形態では、ポール型の支柱4に支持する道路灯1について主に説明する。
図4は図2(A)のI−I線における断面視図であり、図5は図3のII−II線における断面図である。図6は器具本体10の分解斜視図である。
器具本体10は、ベースケース体(灯具本体)20と、下カバー体(下面パネル体)21と、蓋体22とを備え、これらが器具本体10の略箱型のケース体を構成する。これらベースケース体20、下カバー体21、及び蓋体22は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性があり、なおかつ、熱伝導性が高い材料(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を用いて形成されている。高熱伝導性の材料を用いることで、後述する光源ユニット25の発熱がケース体(本実施形態では、特にベースケース体20)から放熱され、光源ユニット25の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。
ベースケース体20は、器具本体10の六面の外側面のうち、天面10C、正面側、及び左右側の外側面10D、10E、10Fを構成し、下カバー体21は、器具本体10の底面10Aを構成する。また蓋体22は、器具本体10の天面10Cに開閉自在に設けられ、当該天面10Cの一部から背面10Bを構成する。
器具本体10には、蓋体22が開いて露出する箇所に後述するクランプユニット(クランプ)26が内設され、また道路側を向く他端11Bの側に光源を構成する複数(本実施形態では6個)の光源ユニット25及び光源ユニット25の電源80が内設されている。なお、図6では、電源80を省略している。
下カバー体21は、ベースケース体20の下面にネジ19(例えば図5)でネジ止め固定され、当該ベースケース体20の下面を閉じる部材であり、上述した照射開口12、及び、ポール用挿入孔16が形成されている。また、下カバー体21は、図5、及び図6に示すように、照射開口12を覆うようにグローブガラス13が上側から嵌め込まれて当該グローブガラス13を担持する。このグローブガラス13の縁部には、シール部材としての環状のパッキン42が全周に亘って嵌め込まれており、当該パッキン42によって下カバー体21の照射開口12がシールされる。また、下カバー体21をベースケース体20に取り付けた際には、下カバー体21とベースケース体20との間でパッキン42が挟み込まれて、当該ベースケース体20の内部がシールされるが、その詳細については後述する。
図7はベースケース体20の構成を示す図であり、図7(A)は平面図、図7(B)は側面図、図7(C)は底面図、図7(D)は正面図、図7(E)は背面図である。
ベースケース体20は、図4及び図7に示すように、その内部が器具本体10の一端11Aの側のクランプ取付室27Bと、他端11Bの側の光源室27Aとに仕切28で仕切られている。クランプ取付室27Bにはクランプユニット26が配設され、光源室27Aには光源ユニット25及び電源80が配設されている。
クランプユニット26は、器具本体10のアーム用挿入孔15、又は、ポール用挿入孔16から挿入された支柱4、5の先端部3に挿入されて取り付けられる支柱取付具である。また光源ユニット25は、道路灯1の光源であり、発光素子を備えて構成されている。電源80は、光源ユニット25に電源を供給して光源ユニット25の点灯を制御する制御装置であり、この電源80については後述する。
クランプユニット26は、前掲図6に示すように、支柱4、5の先端部3に挿入される筒部29と、この筒部29の外周面29Cに設けられた鍔部30とを備えている。この鍔部30がベースケース体20のクランプ取付室27Bの左右両側に設けられたクランプユニット固定部18にボルト31A、及びナット31Bで締結固定される。また筒部29の外周面29Cには周方向から、複数本の締め付け用のダブルナット32が挿入され、これらダブルナット32によって支柱4、5の先端部3に筒部29が締め付け固定される。また、ポール型の支柱4に取り付けられるクランプユニット26にあっては、筒部29の下側の一端29Aがポール用挿入孔16の近傍に配置され、上側の他端29Bがクランプ取付室27Bの奥に入り込み、この他端29Bに、支柱4の中を通じて先端部3から引き出された電気配線を保持するホルダ33が取り付けられる。
光源ユニット25は、道路灯1の光源であり、発光素子を備えて構成されている。具体的には、前掲図6に示すように、光源ユニット25は、LED基板34に実装されたCOB型LED(発光素子モジュール)35と、絶縁シート36と、反射鏡ベース板(固定板)37と、反射鏡38と、レンズ体(光学素子)39とを備え、これらの順に重ねるように組み付けて構成されている。
LED基板34は、COB型LED35の発熱を裏面に効率良く伝えるために、高熱伝導性を有する例えばセラミック等で形成されている。
COB型LED35は、多数のLEDをLED基板34の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部35Aを形成したチップオンボード(COB)構造の発光デバイスである。この面状の発光部35Aは、この面に略垂直な方向(以下、単に直下方向と言う。)に光軸Fを有し、この光軸Fが器具本体10の底面10Aを指向する姿勢で器具本体10の中に配置される。COB型LED35は、多数のLEDが密集配置されていることから大光量で高輝度な灯具が得られる。
絶縁シート36は、開口36Aが形成され、当該開口36Aから発光部35Aを露出させつつLED基板34の実装面を覆い、このLED基板34と上記反射鏡ベース板37との間を電気的に絶縁するシート材である。
反射鏡ベース板37は、反射鏡38の組み付けベースとなる板材であり、上記絶縁シート36、及びLED基板34を上記ベースケース体20との間に挟むようにして当該ベースケース体20にネジ止め固定される。上記LED基板34は、反射鏡ベース板37による挟み込みにより、その裏面がベースケース体20に密接した状態で固定される。
反射鏡38、及びレンズ体39は、COB型LED35の配光を制御する配光制御部材であり、これらの配光制御により、道路の走行方向に合わせて左右に延びた横長の配光が実現されている。具体的には、レンズ体39は、COB型LED35の発光部35Aを覆って配置されて、当該COB型LED35の光軸F近傍の光を左右方向(道路の車線方向)に配光する機能を備える。また反射鏡38は、このレンズ体39の周囲を囲む反射面38Aを有し、レンズ体39から側方に出る光を反射することで、背面側へ向かう光を抑えつつ、正面側の遠方(道路灯1が設置された道路の対向側の路肩近傍)に光を指向させるといった前後方向(道路の横断方向)の配光を制御する機能を備える。
図7に示すように、光源室27Aの天井を構成するベースケース体20の天井面(取付面)20Aには、LED基板34の裏面と面接触して支持する台座面40が所定の間隔で略格子状に設けられている。各台座面40は、LED基板34の各々が同一水平面(照射開口12の開口面から一定の距離)に位置するように天井面20Aからの高さが設定されている。
台座面40は、ベースケース体20の天井面20Aに一体に形成されており、高熱伝導性を有するLED基板34を通じてCOB型LED35の発熱が伝えられる。台座面40の熱は、ベースケース体20の天井面20Aに伝えられ、当該ベースケース体20の天面10Cから外部に放熱され、これにより、COB型LED35の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。なお、COB型LED35に代えて、他の構造のLED、或いは有機EL等の他の発光素子を用いても良いことは勿論である。
本実施形態では、ベースケース体20には、光源室27Aの側に各光源ユニット25を包囲する平面視矩形枠状の包囲壁41を設け、この包囲壁41の中を水密にすることで、光源室27Aを防水することとしている。すなわち、前掲図5に示すように、包囲壁41の全周に亘り、その先端41Aが、下カバー体21に担持されたグローブガラス13のパッキン42に密着し、これにより包囲壁41の内部が水密にシールされる。グローブガラス13は、前掲図4に示すように、平板状に形成されるとともに、反射鏡38に近接して配置されており、これにより、光源室27A側の器具本体10の厚みを薄くしている。
蓋体22は、上記クランプ取付室27Bを覆い、上記ベースケース体20の天面10Cにヒンジ金具46で開閉自在に取り付けられている。
図8は蓋体22を開いた状態を示す道路灯1の側面図であり、図9は同状態を示す道路灯1の上方斜視図である。
これらの図、及び前掲図7に示すように、ベースケース体20の天面10C、及び背面側には、クランプ取付室27Bを露出する開口47が形成されている。具体的には、開口47は、クランプ取付室27Bの天井に対応する箇所の天面10Cから背面10Bに亘る範囲を露出するように形成されており、さらに、クランプ取付室27Bの左右の両側面の側も露出するように形成されている。
これにより、図9に示すように、クランプ取付室27Bの背面側がベースケース体20に覆われることなく開放されることとなり、クランプ取付室27Bでの作業が容易となる。特に、図9に示すように、器具本体10がポール型の支柱4に取り付けられる場合、クランプユニット26の筒部29はクランプ取付室27Bの中で上下に延び外周面29Cが背面側に対面するように配設される。したがって、支柱4の先端部3を固定するダブルナット32が器具本体10の背面側に面するようにクランプユニット26が配置されることで、背面側から開口47を通じてダブルナット32を簡単に操作することができ、器具本体10の取付作業が容易となる。
蓋体22は、クランプ取付室27Bの開口47を閉じるものであり、クランプ取付室27Bに対応する天面10Cと背面10Bとが一体に形成されている。蓋体22の背面10Bに対応する箇所には、アーム用挿入孔15が形成されており、このアーム用挿入孔15が不使用である場合には、閉塞板17が取り付けられて閉塞されている。
かかる蓋体22は、ベースケース体20の天面10Cの略中央(より正確にはクランプ取付室27Bと光源室27Aとの境界近傍)に設けたヒンジ金具46に、光源室27A側に突出したヒンジ側端部22A(図6)を結合してベースケース体20に取り付けられる。したがって、蓋体22の開閉軸が天面10Cの上になることから、蓋体22を開いた場合に当該蓋体22が天面10Cの上に移動する。このため、器具本体10の背面10Bの側の近くに壁面等の構造物が有る場合でも、開蓋時に蓋体22が干渉することがなく、蓋体22を大きく開くことができる。
器具本体10の天面10Cは、前掲図5に示すように、左右の略中央部を頂点にして左右両側が低くなるように弧を描いて緩やかに屈曲した曲面形状を成し、天面10Cに降り注ぐ風雨、及び積雪が左右両側に促されるようになっている。
また、器具本体10の天面10Cは、前掲図2(B)に示すように、正面側(すなわち光源室27Aの側)の他端11Bから背面側(すなわちクランプ取付室27B)の側にかけて流線20Lを描く形状とされている。これにより、図8に示すように、器具本体10が水平面Hに対して所定角度αの傾斜角度で他端11Bを上を向けた姿勢で取り付けられた場合に、天面10Cに降り注ぐ雨水や積雪を背面側に移動させつつ、天面10Cの両側からスムーズに落下させるようになっている。
さらに、この器具本体10には、クランプ取付室27Bの近傍の光源室27Aの天面10Cに、左右の両側に亘って横断し排水溝としての機能を有する横溝45が形成され、また、前掲図2に示すように、他端11Bから背面側に向けて延び、上記横溝45に合流する複数本の誘導溝48が形成されている。これにより、光源室27Aの側の他端11Bから背面側への雨水等の移動を促進し横溝45からスムーズに落下させることができる。
本実施形態では、各誘導溝48が上述の台座面40の直上に対応した位置に設けられており、台座面40を通じて伝熱される光源の熱で積雪を溶かし、横溝45に効率良く案内されるようになっている。
ここで、前掲図4に示すように、光源室27A側の器具本体10は、クランプ取付室27B側の器具本体10よりも厚く形成されており、意匠性を高めるため、器具本体10の厚さ(すなわち、器具高さ方向Mの厚みTa)を光源室27Aの側からクランプ取付室27Bの側にかけて次第に厚くしている。より具体的には、器具本体10の天面10Cを構成する上記ベースケース体20は、天面10Cの板厚Tが光源室27Aの側の他端11Bからクランプ取付室27Bにかけて次第に厚くなっている。そして、上記横溝45は、クランプ取付室27Bの近傍の光源室27Aの天面10C、すなわち板厚Tが十分に厚く剛性が高い位置に設けられており、横溝45を設けられても天面10Cの剛性が確保されているようになっている。
また蓋体22の結合側の縁部は横溝45に沿って配置され、横溝45が蓋体22の開閉に要するクリアランスも兼ねている。この横溝45の中には、蓋体22に結合される上記ヒンジ金具46が収められておりヒンジ金具46が露出しないようにすることで意匠が高められている。このとき、ヒンジ金具46は、横溝45の底面45Aから高い位置であり、かつ、蓋体22のヒンジ側端部22Aで覆われた位置に配設されている。これにより、ヒンジ金具46が風雨に曝され、また横溝45の雨水に浸水し難くなり、水による腐食が抑制される。
器具本体10は、図9に示すように、支柱4、5への設置時に蓋体22を開位置で支持するストッパー機構49を備えている。
ストッパー機構49は、蓋体22の裏面に設けたレール50と、ベースケース体20に一端51Aが結合され他端51Bがレール50に案内自在に係合し蓋体22を支持する支持棒51とを備えている。レール50には、蓋体22の開閉に伴って支持棒51の他端51Bが移動する直線状の孔である案内路50Aが設けられている。開蓋時には、蓋体22が90度以上(本実施形態では115度)の開き角度β(図8)に開いた状態で支持棒51が案内路50Aの下端部50A1に引っ掛かって蓋体22を支持する。また案内路50Aには、下端部50A1を略L字状に上方(天面10Cの側)に延ばした支え用端部50A2が設けられている。この支え用端部50A2に支持棒51が引っ掛かることで、支持棒51が蓋体22の開き角度βが90度以下の状態で蓋体22を閉蓋不能に支持する。
また、閉蓋時には、支持棒51の他端51Bが案内され当該案内路50Aの直線方向の端である上端部50A3に移動する。この上端部50A3に支持棒51が引っ掛かった状態においては、蓋体22が全閉しない状態で支持棒51が蓋体22を閉蓋不能に支持する。一方、案内路50Aには上端部50A3に至る途中に、閉蓋方向Dに分岐する分岐路50A4が設けられており、この分岐路50A4に支持棒51の他端51Bが入り込むことで、支持棒51による蓋体22の支持が解かれて蓋体22が全閉する。
すなわち、開いた蓋体22が閉じるには、作業者が分岐路50A4に支持棒51の他端51Bを案内するように操作する必要がある。このような操作が成されずに、例えば風等の影響で蓋体22が閉じようとする場合には、支持棒51の他端51Bが案内路50Aを直線状に勢いよく移動し、ストレートに上端部50A3に到達して蓋体22が全閉する前に係止され、作業中に不意に蓋体22に挟まれるといった事を防止できる。
クランプ取付室27Bには、上記ホルダ33に保持された外部からの電気配線を結線する端子台70が設けられている。端子台70は、クランプ取付室27Bの包囲壁41近傍に設けられた端子固定部71に固定されている。
上記包囲壁41のうち、クランプ取付室27Bに面する箇所は上記仕切28によって構成されており、この仕切28には、電源線引込孔43が開口し、この電源線引込孔43を通じて電源80から延びる電源線が光源室27Aからクランプ取付室27Bに引き込まれる。このとき電源線引込孔43をシールするために、この電源線引込孔43にブッシング44を嵌合し、このブッシング44に電源線を通して配線される。ブッシング44を通された電源線は、端子台70に接続される。
次に、電源80について詳細に説明する。
図10は、電源80を示す分解斜視図である。
電源80は、光源ユニット25のCOB型LED35(図6)から延びる電線が接続されるとともに、ブッシング44から延びる電源線が接続されており、電源線から供給された電源を、電線を介してCOB型LED35に供給するとともに、COB型LED35の点灯を制御する制御装置である。電源80は、上述したように、仕切28で仕切られたベースケース体20の光源室27Aに設けられている。より詳細には、光源室27においては、複数(本実施形態では、6個)の光源ユニット25は器具本体10の道路側を向く他端11B(先端)側に寄せて配置されており、電源80は器具本体10の一端11A(基端)側である仕切28側に配置されている。
このように、道路灯1においては、比較的重量が大きなクランプユニット26及び電源80といった重量物が全て器具本体10に組み付けられているため、振動発生時の強度的な安定感を高めることができる。しかも、電源80は、COB型LED35とともに光源室27Aにまとめて収められているため、COB型LED35と電源80との間の配線を済ませた状態で製造出荷でき、設置現場での配線作業が容易となる。電源80をCOB型LED35とともに光源室27Aに設けることで、必要な配光に合わせて電源80を配置できるので、電源80の設置位置の自由度がある。また、電源80は、光源室27Aの仕切28側に配置されているため、器具本体10の重心位置が支柱4側に近づくため、耐振動性が向上する。この電源80は、グローブガラス13のパッキン42によって内部が水密にシールされた光源室27Aに設けられているため、電源80の防水構造を別途設ける必要がなくなるので、部品点数を削減し、電源80をコンパクトに配置できる。さらに、電源80は、ランプに比べて寿命が長いCOB型LED35に合わせて比較的寿命が長くなるように形成されており、COB型LED35及び電源80のメンテナンスは不要であるため、設置箇所においてグローブガラス13を外す必要がないため、パッキン42のシール性を確実に保持できる。
電源80は、電源基板81の部品実装面上に電子部品を実装して構成されており、この電源80には、ブッシング44から延びる電源線によって電源供給される。ここで、電源80については、電源基板81の部品実装面側を正面81A、電源基板81の裏面側を背面81Bとして説明する。電源80は、図4及び図10に示すように、電源基板81の正面81Aが光源室27Aの天井を構成するベースケース体20の天井面20Aに面するように配置され、スペーサ82によって天井面20Aから離して支持されている。電源80は、電源基板81を天井面20Aにねじ止めすることでベースケース体20に固定されている。すなわち、電源80は、COB型LED35と一体にベースケース体20に固定されている。なお、電源基板81の背面81Bは電子部品を実装せず化粧パネル面として形成し、意匠性を高めてもよい。また、電源80は、反射鏡38の出射光を遮蔽しないように、グローブガラス13に近接して配置された反射鏡38の厚みの範囲内に収められている。
天井面20Aには、光源ユニット25が設けられない仕切28側にも、台座面40が設けられている。電源基板81に実装された電源部品のうち比較的発熱量の多い電源部品83,83は、電源基板81上において、天井面20Aに設けられた台座面40に対応した位置に配置されている。電源部品83,83は、当該電源部品83,83の発熱を台座面40に放熱するための、高熱伝導性を有する材料で形成された略平坦状の放熱面83Aを有している。電源部品83,83と台座面40との間に高熱伝導性を有する放熱シート84を挟み込んで電源基板81を天井面20Aに固定することで、電源部品83,83の放熱面83Aが放熱シート84を介して台座面40に密着した状態で固定される。したがって、電源部品83,83の発熱は、高熱伝導性を有する放熱面83A及び放熱シート84を通じて台座面40に伝えられる。そして、台座面40の熱は、ベースケース体20の天井面20Aに伝えられ、当該ベースケース体20の天面10Cから外部に放熱される。台座面40に密着していない他の電源部品についても、天井面20Aに近接して設けられていることから、他の電源部品の発熱も天井面20Aに伝えられ、天面10Cから外部に放熱される。これにより、電源80の温度を動作に適切な温度に維持できる。このように、COB型LED35の熱だけでなく、電源80の熱を天面10Cに導いているため、天面10Cに降り積もった雪を融かすことができる。
また、光源室27Aの各光源ユニット25及び電源80とクランプユニット26とは、側面視略水平に延びるベースケース体20に、クランプユニット26による支柱4、5への固定箇所Pと、器具本体10の重心位置Qとの高さ方向のズレを抑えて(理想的には、同一水平面上に)配置した。これにより、器具本体10の共振点が下がることから道路灯1の設置箇所の振動の影響が少なくなり、使用環境が拡大される。
以上説明したように、本実施形態によれば、支柱4に固定されるクランプユニット26が設けられたベースケース体20と、ベースケース体20の下面を覆う下カバー体21と、下カバー体21に支持されたグローブガラス13と、を備え、ベースケース体20に光源室27Aを設け、光源室27AにCOB型LED35と、COB型LED35の電源80を組み付ける構成とした。この構成により、ランプに比べて寿命が長くメンテナンス不要とされるCOB型LED35とともに電源80が光源室27Aに収められるので、COB型LED35と電源80との間の配線を済ませた状態で製造出荷でき、設置現場での配線作業が容易となる。
また、本実施形態によれば、電源80、及びCOB型LED35の熱をベースケース体20に導き放熱する構成とした。この構成により、電源80、及びCOB型LED35の発熱がベースケース体20から放熱されるので、これらの動作に適切な温度に抑えることができる。
また、本実施形態によれば、電源80、及びCOB型LED35の熱をベースケース体20の天面10Cに導く構成とした。この構成により、電源80、及びCOB型LED35の熱によって、天面10Cに降り積もった雪を融かすことができる。
また、本実施形態によれば、光源室27Aには、COB型LED35、COB型LED35の光を反射する反射鏡38、及び電源80を、光源室27Aの取付面となる天井面20Aに載置して設け、反射鏡38をグローブガラス13に近接させて配置するとともに、グローブガラス13に近接する反射鏡38の厚みの範囲内に、電源80を収める構成とした。この構成により、電源80によって反射鏡38の出射光が電源80で遮蔽されることがない。
また、本実施形態によれば、グローブガラス13が光源室27Aに当接してシールする構成とした。この構成により、光源室27Aをシールするために別途の部材を設ける必要がないので、部品点数を削減できる。
ところで、この道路灯1は、積雪の比較的多い地方に設置された場合には、器具本体10に積もった雪が光源ユニット25の熱で融けて水滴となり、水滴が器具本体10から滴下する際に凍って、器具本体10に氷柱が形成される可能性がある。
光源としてナトリウムランプ等を用いた従来の照明器具では、ナトリウムランプからの発熱量が多いため、器具本体10から滴下する水滴は凍りにくく、氷柱は形成され難い。
これに対し、本実施形態の道路灯1のように、光源にCOB型LED35等の発光素子を用いた照明器具の場合、発光素子の発熱量が比較的少ないため、このままでは器具本体10に氷柱が形成されやすい。
氷柱の形成条件を検証した結果、器具本体10の高温となる高温部の温度と、器具本体10から水滴が滴下する滴下部の温度との温度差が所定温度(望ましくは、3℃)以内であれば、氷柱が形成され難いことが判明した。
以下、器具本体10の高温部の温度と、器具本体10の滴下部の温度との温度差を所定温度以内に収めて、氷柱の形成を抑制する構成について本発明の第2実施形態の道路灯100を例に説明する。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る道路灯100の底面図である。図12は図11のIII−III線における断面図であり、図13は図11のIV−IV線における断面図である。
器具本体10は、下カバー体21の外縁部21Aをベースケース体20の外側面10D、10E、10Fが覆うように構成されている。したがって、天面10Cの温度は天面10Cに積もった雪が融ける温度まで上昇すると、融けた雪は水滴となって天面10Cの曲面形状に沿ってベースケース体20の外側面10D、10E、10Fに流れ、外側面10D、10E、10Fの下端10D1、10E1、10F1から滴下する。
このように、下カバー体21の外縁部21Aをベースケース体20の外側面10D、10E、10Fが覆うことで、滴下部となる外側面10D、10E、10Fの下端10D1、10E1、10F1を、光源ユニット25及び電源80の熱により温度が上昇するベースケース体20に設けることができるので、光源ユニット25及び電源80の熱をベースケース体20を介して下端10D1、10E1、10F1に伝熱することができ、下端10D1、10E1、10F1の温度を上昇させることができる。
また、グローブガラス13を、パッキン42を挟んで、ベースケース体20と下カバー体21との間に挟持している。パッキン42はシール部材として有効な例えばゴム等の素材を用いて構成されているが、当該素材は断熱性を有している。したがって、上記のようにパッキン42を設けることで、ベースケース体20と下カバー体21との間に断熱性を有するパッキン42が介在することとなるため、光源ユニット25及び電源80の熱が下カバー体21に伝熱されることを抑制でき、光源ユニット25及び電源80の熱を下端10D1、10E1、10F1に効率良く伝熱することができる。
さらに、本実施形態では、光源ユニット25及び電源80の熱を滴下部となる下端10D1、10E1、10F1に伝熱する伝熱板(伝熱部材)60を設けている。以下、図11−図15を参照し、この伝熱板60の詳細な構成について説明する。なお、第2実施形態の道路灯100は、伝熱板60を備える以外は、第1実施形態の道路灯1と略同一の構成であるため、図11−図15では、道路灯1と同一の部分に同様の符号を付して示し、説明は省略する。
図14は、伝熱板60を示す図であり、図14(A)は側面図、図14(B)は底面図、図14(C)は背面図である。図15は、図13の部分Aを拡大して示す図である。なお、図15では、左の外側面10E側を示すが、右の外側面10F側の構成は左の外側面10E側の構成を左右反転したものであるため、右の外側面10F側の図示を省略する。
伝熱板60は、図14に示すように、例えばアルミや銅等の熱伝導性を有する素材で形成された板状部材である。この伝熱板60は、図11−図13に示すように、底面視において包囲壁41に囲まれた光源室27Aの略全体に亘る大きさに形成され、ベースケース体20とLED基板34との間に配置されて、ねじ(固定手段)61でベースケース体20に固定されている。
伝熱板60には、図12及び図14に示すように、天井面20A(図7)から立設する台座面40を露出させる台座面露出孔62が設けられている。台座面露出孔62は、台座面40の周囲(側面)に接する大きさに形成されている。
また、詳細な説明を省略するが、伝熱板60には、例えば絶縁シート36や反射鏡ベース板37の固定手段等の部材を露出させる貫通孔が設けられている。
図13及び図14に示すように、伝熱板60の正面側の側部63は、外側面10Dの近傍まで延出している。また、伝熱板60の左右側の側部63は、下方に向けて屈曲した後、外側面10E、10F側に延出しており、側端上面63A及び側端面63Bは略平坦に形成されている。
ベースケース体20には、左右の外側面10E、10F近傍(例えば、包囲壁41)に、段部20Bが形成されており、伝熱板60がベースケース体20に取り付けられると、側端上面63A及び側端面63Bがベースケース体20の段部20Bに接触するようになっている。
このように、伝熱板60が外側面10D、10E、10F近傍に接触しているため、光源ユニット25及び電源80の熱は、LED基板34又は台座面40から伝熱板60に伝熱し、伝熱板60を介して外側面10D、10E、10Fに伝熱される。その結果、天面10Cの温度が雪が解ける温度以上に上昇した場合に、滴下部となる下端10D1、10E1、10F1でも水滴が凍りにくい温度となる。換言すれば、高温部となる天面10Cの温度と、滴下部となる下端10D1、10E1、10F1の温度の温度差が、氷柱が形成され難い所定温度(例えば、3℃)以内に収まるので、氷柱の形成を抑制できる。
しかも、台座面40を天井面20Aから立設させて形成し、伝熱板60に、台座面40を露出させるとともに台座面40に接触する台座面露出孔62を形成した上で、伝熱板60をベースケース体20から取り外し可能に形成した。これにより、伝熱板60を取り付けた場合には、伝熱板60がLED基板34及び台座面40に接触して、光源ユニット25及び電源80の熱を滴下部となる下端10D1、10E1、10F1に伝熱できる。したがって、ベースケース体20には、光源ユニット25及び電源80の熱を台座面40を介して天面10Cに伝熱する経路と、光源ユニット25及び電源80の熱を伝熱板60を介して下端10D1、10E1、10F1に伝熱する経路が形成され、高温部となる天面10Cの温度と、滴下部となる下端10D1、10E1、10F1の温度の温度差を小さくすることができる。ここで、光源ユニット25の熱だけでなく、電源80の熱を天面10Cに導いているため、光源ユニット25の熱だけを天面10Cに導く場合に比べ、高温部となる天面10Cの温度と、滴下部となる下端10D1、10E1、10F1の温度の温度差をより小さくすることができる。
一方、伝熱板60を必要としない場合には、伝熱板60をベースケース体20から取り外すだけでよく、器具本体10の再設計を行うことなく、道路灯1を寒冷地帯に設置されない通常の照明器具とすることができるので、器具本体10の汎用性が向上する。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、電源80を光源室27Aの仕切28側に設けたが、これに限定されるものではなく、光源室27Aの任意の位置に設けることができる。例えば、道路灯を前方配光とする場合には、光源室27Aにおいて、電源80を器具本体10の他端11B(先端)側に設け、光源ユニット25を仕切28側に設けてもよい。
また、上記実施形態では、反射鏡38を設けたが、反射鏡38は省略してもよい。
また、本発明は道路灯に限らず、例えば街灯等の任意の照明器具に適用可能である。また、本発明は、器具本体が支柱に限らず、例えば建物の壁等に支持される照明器具に適用可能である。
1,100 道路灯
4,5 支柱
10C 天面
13 グローブガラス(グローブ)
20 ベースケース体(灯具本体)
20A 天井面(取付面)
21 下カバー体(下面パネル体)
26 クランプユニット(クランプ)
27A 光源室
35 COB型LED(発光素子)
38 反射鏡
80 電源

Claims (5)

  1. 支柱に固定されるクランプが設けられた灯具本体と、当該灯具本体の下面を覆う下面パネル体と、当該下面パネル体に支持されたグローブと、を備え、
    前記灯具本体は、当該灯具本体の外側面が前記下面パネル体の外縁部の外側に位置し、当該灯具本体の下端が水滴の滴下部となるように形成され、
    前記灯具本体に包囲壁に囲まれた光源室を設け、前記光源室に発光素子と、当該発光素子の電源を組み付け、
    前記灯具本体の天井面には、前記発光素子及び前記電源を設置する台座面が形成され、
    前記天井面には、前記台座面を露出し、前記包囲壁に接触して前記発光素子及び前記電源の熱を前記滴下部となる前記灯具本体の下端に伝熱する伝熱部材を設け、
    前記発光素子及び前記電源は露出した前記台座面に固定されることを特徴とする道路灯。
  2. 前記灯具本体の基端側に前記クランプを設け、前記灯具本体の先端側に光源室を設け、
    前記電源は、前記クランプと前記光源室との間を仕切る仕切側に寄せて前記光源室に配置されることを特徴とする請求項1に記載の道路灯。
  3. 前記電源、及び前記発光素子の熱を前記灯具本体の天面に導いたことを特徴とする請求項2に記載の道路灯。
  4. 前記光源室には、前記発光素子、前記発光素子の光を配光する反射鏡、及び前記電源を、前記光源室の取付面に載置して設け、
    前記反射鏡を前記グローブに近接させて配置するとともに、前記グローブに近接する前記反射鏡の厚みの範囲内に、前記電源を収めたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の道路灯。
  5. 前記グローブが前記光源室に当接してシールすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の道路灯。
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