JP6217093B2 - 道路灯 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、配線作業が容易な道路灯を提供することを目的とする。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る道路灯1を下方からみた斜視図である。図2は道路灯1の構成を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は側面図、図2(C)は底面図、図2(D)は正面図、及び図2(E)は背面図である。また図3は道路灯1の底面図である。
この道路灯1は、図1に示すように、ポール型(ストレート型とも呼ばれる)の支柱4、又は、アーム型の支柱5の先端部3に器具本体10を支持したものである。支柱4、5は路肩等の道路脇の地面に立設された柱であり、ポール型の支柱4は、その先端部3が鉛直方向に真っ直ぐに延び、アーム型の支柱5は、柱の途中から曲がって先端部3が水平方向に水平、或いは所定角度傾いて延びている。この道路灯1の器具本体10は、支柱4、5の両方に取り付け可能に構成されている。
なお、本実施形態では、ポール型の支柱4に支持する道路灯1について主に説明する。
器具本体10は、ベースケース体(灯具本体)20と、下カバー体(下面パネル体)21と、蓋体22とを備え、これらが器具本体10の略箱型のケース体を構成する。これらベースケース体20、下カバー体21、及び蓋体22は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性があり、なおかつ、熱伝導性が高い材料(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を用いて形成されている。高熱伝導性の材料を用いることで、後述する光源ユニット25の発熱がケース体(本実施形態では、特にベースケース体20)から放熱され、光源ユニット25の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。
ベースケース体20は、器具本体10の六面の外側面のうち、天面10C、正面側、及び左右側の外側面10D、10E、10Fを構成し、下カバー体21は、器具本体10の底面10Aを構成する。また蓋体22は、器具本体10の天面10Cに開閉自在に設けられ、当該天面10Cの一部から背面10Bを構成する。
器具本体10には、蓋体22が開いて露出する箇所に後述するクランプユニット(クランプ)26が内設され、また道路側を向く他端11Bの側に光源を構成する複数(本実施形態では6個)の光源ユニット25及び光源ユニット25の電源80が内設されている。なお、図6では、電源80を省略している。
ベースケース体20は、図4及び図7に示すように、その内部が器具本体10の一端11Aの側のクランプ取付室27Bと、他端11Bの側の光源室27Aとに仕切28で仕切られている。クランプ取付室27Bにはクランプユニット26が配設され、光源室27Aには光源ユニット25及び電源80が配設されている。
クランプユニット26は、器具本体10のアーム用挿入孔15、又は、ポール用挿入孔16から挿入された支柱4、5の先端部3に挿入されて取り付けられる支柱取付具である。また光源ユニット25は、道路灯1の光源であり、発光素子を備えて構成されている。電源80は、光源ユニット25に電源を供給して光源ユニット25の点灯を制御する制御装置であり、この電源80については後述する。
LED基板34は、COB型LED35の発熱を裏面に効率良く伝えるために、高熱伝導性を有する例えばセラミック等で形成されている。
COB型LED35は、多数のLEDをLED基板34の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部35Aを形成したチップオンボード(COB)構造の発光デバイスである。この面状の発光部35Aは、この面に略垂直な方向(以下、単に直下方向と言う。)に光軸Fを有し、この光軸Fが器具本体10の底面10Aを指向する姿勢で器具本体10の中に配置される。COB型LED35は、多数のLEDが密集配置されていることから大光量で高輝度な灯具が得られる。
反射鏡ベース板37は、反射鏡38の組み付けベースとなる板材であり、上記絶縁シート36、及びLED基板34を上記ベースケース体20との間に挟むようにして当該ベースケース体20にネジ止め固定される。上記LED基板34は、反射鏡ベース板37による挟み込みにより、その裏面がベースケース体20に密接した状態で固定される。
台座面40は、ベースケース体20の天井面20Aに一体に形成されており、高熱伝導性を有するLED基板34を通じてCOB型LED35の発熱が伝えられる。台座面40の熱は、ベースケース体20の天井面20Aに伝えられ、当該ベースケース体20の天面10Cから外部に放熱され、これにより、COB型LED35の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。なお、COB型LED35に代えて、他の構造のLED、或いは有機EL等の他の発光素子を用いても良いことは勿論である。
図8は蓋体22を開いた状態を示す道路灯1の側面図であり、図9は同状態を示す道路灯1の上方斜視図である。
これらの図、及び前掲図7に示すように、ベースケース体20の天面10C、及び背面側には、クランプ取付室27Bを露出する開口47が形成されている。具体的には、開口47は、クランプ取付室27Bの天井に対応する箇所の天面10Cから背面10Bに亘る範囲を露出するように形成されており、さらに、クランプ取付室27Bの左右の両側面の側も露出するように形成されている。
かかる蓋体22は、ベースケース体20の天面10Cの略中央(より正確にはクランプ取付室27Bと光源室27Aとの境界近傍)に設けたヒンジ金具46に、光源室27A側に突出したヒンジ側端部22A(図6)を結合してベースケース体20に取り付けられる。したがって、蓋体22の開閉軸が天面10Cの上になることから、蓋体22を開いた場合に当該蓋体22が天面10Cの上に移動する。このため、器具本体10の背面10Bの側の近くに壁面等の構造物が有る場合でも、開蓋時に蓋体22が干渉することがなく、蓋体22を大きく開くことができる。
また、器具本体10の天面10Cは、前掲図2(B)に示すように、正面側(すなわち光源室27Aの側)の他端11Bから背面側(すなわちクランプ取付室27B)の側にかけて流線20Lを描く形状とされている。これにより、図8に示すように、器具本体10が水平面Hに対して所定角度αの傾斜角度で他端11Bを上を向けた姿勢で取り付けられた場合に、天面10Cに降り注ぐ雨水や積雪を背面側に移動させつつ、天面10Cの両側からスムーズに落下させるようになっている。
さらに、この器具本体10には、クランプ取付室27Bの近傍の光源室27Aの天面10Cに、左右の両側に亘って横断し排水溝としての機能を有する横溝45が形成され、また、前掲図2に示すように、他端11Bから背面側に向けて延び、上記横溝45に合流する複数本の誘導溝48が形成されている。これにより、光源室27Aの側の他端11Bから背面側への雨水等の移動を促進し横溝45からスムーズに落下させることができる。
本実施形態では、各誘導溝48が上述の台座面40の直上に対応した位置に設けられており、台座面40を通じて伝熱される光源の熱で積雪を溶かし、横溝45に効率良く案内されるようになっている。
また蓋体22の結合側の縁部は横溝45に沿って配置され、横溝45が蓋体22の開閉に要するクリアランスも兼ねている。この横溝45の中には、蓋体22に結合される上記ヒンジ金具46が収められておりヒンジ金具46が露出しないようにすることで意匠が高められている。このとき、ヒンジ金具46は、横溝45の底面45Aから高い位置であり、かつ、蓋体22のヒンジ側端部22Aで覆われた位置に配設されている。これにより、ヒンジ金具46が風雨に曝され、また横溝45の雨水に浸水し難くなり、水による腐食が抑制される。
ストッパー機構49は、蓋体22の裏面に設けたレール50と、ベースケース体20に一端51Aが結合され他端51Bがレール50に案内自在に係合し蓋体22を支持する支持棒51とを備えている。レール50には、蓋体22の開閉に伴って支持棒51の他端51Bが移動する直線状の孔である案内路50Aが設けられている。開蓋時には、蓋体22が90度以上(本実施形態では115度)の開き角度β(図8)に開いた状態で支持棒51が案内路50Aの下端部50A1に引っ掛かって蓋体22を支持する。また案内路50Aには、下端部50A1を略L字状に上方(天面10Cの側)に延ばした支え用端部50A2が設けられている。この支え用端部50A2に支持棒51が引っ掛かることで、支持棒51が蓋体22の開き角度βが90度以下の状態で蓋体22を閉蓋不能に支持する。
すなわち、開いた蓋体22が閉じるには、作業者が分岐路50A4に支持棒51の他端51Bを案内するように操作する必要がある。このような操作が成されずに、例えば風等の影響で蓋体22が閉じようとする場合には、支持棒51の他端51Bが案内路50Aを直線状に勢いよく移動し、ストレートに上端部50A3に到達して蓋体22が全閉する前に係止され、作業中に不意に蓋体22に挟まれるといった事を防止できる。
上記包囲壁41のうち、クランプ取付室27Bに面する箇所は上記仕切28によって構成されており、この仕切28には、電源線引込孔43が開口し、この電源線引込孔43を通じて電源80から延びる電源線が光源室27Aからクランプ取付室27Bに引き込まれる。このとき電源線引込孔43をシールするために、この電源線引込孔43にブッシング44を嵌合し、このブッシング44に電源線を通して配線される。ブッシング44を通された電源線は、端子台70に接続される。
図10は、電源80を示す分解斜視図である。
電源80は、光源ユニット25のCOB型LED35(図6)から延びる電線が接続されるとともに、ブッシング44から延びる電源線が接続されており、電源線から供給された電源を、電線を介してCOB型LED35に供給するとともに、COB型LED35の点灯を制御する制御装置である。電源80は、上述したように、仕切28で仕切られたベースケース体20の光源室27Aに設けられている。より詳細には、光源室27においては、複数(本実施形態では、6個)の光源ユニット25は器具本体10の道路側を向く他端11B(先端)側に寄せて配置されており、電源80は器具本体10の一端11A(基端)側である仕切28側に配置されている。
光源としてナトリウムランプ等を用いた従来の照明器具では、ナトリウムランプからの発熱量が多いため、器具本体10から滴下する水滴は凍りにくく、氷柱は形成され難い。
これに対し、本実施形態の道路灯1のように、光源にCOB型LED35等の発光素子を用いた照明器具の場合、発光素子の発熱量が比較的少ないため、このままでは器具本体10に氷柱が形成されやすい。
以下、器具本体10の高温部の温度と、器具本体10の滴下部の温度との温度差を所定温度以内に収めて、氷柱の形成を抑制する構成について本発明の第2実施形態の道路灯100を例に説明する。
図11は、第2実施形態に係る道路灯100の底面図である。図12は図11のIII−III線における断面図であり、図13は図11のIV−IV線における断面図である。
器具本体10は、下カバー体21の外縁部21Aをベースケース体20の外側面10D、10E、10Fが覆うように構成されている。したがって、天面10Cの温度は天面10Cに積もった雪が融ける温度まで上昇すると、融けた雪は水滴となって天面10Cの曲面形状に沿ってベースケース体20の外側面10D、10E、10Fに流れ、外側面10D、10E、10Fの下端10D1、10E1、10F1から滴下する。
さらに、本実施形態では、光源ユニット25及び電源80の熱を滴下部となる下端10D1、10E1、10F1に伝熱する伝熱板(伝熱部材)60を設けている。以下、図11−図15を参照し、この伝熱板60の詳細な構成について説明する。なお、第2実施形態の道路灯100は、伝熱板60を備える以外は、第1実施形態の道路灯1と略同一の構成であるため、図11−図15では、道路灯1と同一の部分に同様の符号を付して示し、説明は省略する。
伝熱板60は、図14に示すように、例えばアルミや銅等の熱伝導性を有する素材で形成された板状部材である。この伝熱板60は、図11−図13に示すように、底面視において包囲壁41に囲まれた光源室27Aの略全体に亘る大きさに形成され、ベースケース体20とLED基板34との間に配置されて、ねじ(固定手段)61でベースケース体20に固定されている。
また、詳細な説明を省略するが、伝熱板60には、例えば絶縁シート36や反射鏡ベース板37の固定手段等の部材を露出させる貫通孔が設けられている。
ベースケース体20には、左右の外側面10E、10F近傍(例えば、包囲壁41)に、段部20Bが形成されており、伝熱板60がベースケース体20に取り付けられると、側端上面63A及び側端面63Bがベースケース体20の段部20Bに接触するようになっている。
一方、伝熱板60を必要としない場合には、伝熱板60をベースケース体20から取り外すだけでよく、器具本体10の再設計を行うことなく、道路灯1を寒冷地帯に設置されない通常の照明器具とすることができるので、器具本体10の汎用性が向上する。
例えば、上記実施形態では、電源80を光源室27Aの仕切28側に設けたが、これに限定されるものではなく、光源室27Aの任意の位置に設けることができる。例えば、道路灯を前方配光とする場合には、光源室27Aにおいて、電源80を器具本体10の他端11B(先端)側に設け、光源ユニット25を仕切28側に設けてもよい。
また、上記実施形態では、反射鏡38を設けたが、反射鏡38は省略してもよい。
4,5 支柱
10C 天面
13 グローブガラス(グローブ)
20 ベースケース体(灯具本体)
20A 天井面(取付面)
21 下カバー体(下面パネル体)
26 クランプユニット(クランプ)
27A 光源室
35 COB型LED(発光素子)
38 反射鏡
80 電源
Claims (5)
- 支柱に固定されるクランプが設けられた灯具本体と、当該灯具本体の下面を覆う下面パネル体と、当該下面パネル体に支持されたグローブと、を備え、
前記灯具本体は、当該灯具本体の外側面が前記下面パネル体の外縁部の外側に位置し、当該灯具本体の下端が水滴の滴下部となるように形成され、
前記灯具本体に包囲壁に囲まれた光源室を設け、前記光源室に発光素子と、当該発光素子の電源を組み付け、
前記灯具本体の天井面には、前記発光素子及び前記電源を設置する台座面が形成され、
前記天井面には、前記台座面を露出し、前記包囲壁に接触して前記発光素子及び前記電源の熱を前記滴下部となる前記灯具本体の下端に伝熱する伝熱部材を設け、
前記発光素子及び前記電源は露出した前記台座面に固定されることを特徴とする道路灯。 - 前記灯具本体の基端側に前記クランプを設け、前記灯具本体の先端側に光源室を設け、
前記電源は、前記クランプと前記光源室との間を仕切る仕切側に寄せて前記光源室に配置されることを特徴とする請求項1に記載の道路灯。 - 前記電源、及び前記発光素子の熱を前記灯具本体の天面に導いたことを特徴とする請求項2に記載の道路灯。
- 前記光源室には、前記発光素子、前記発光素子の光を配光する反射鏡、及び前記電源を、前記光源室の取付面に載置して設け、
前記反射鏡を前記グローブに近接させて配置するとともに、前記グローブに近接する前記反射鏡の厚みの範囲内に、前記電源を収めたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の道路灯。 - 前記グローブが前記光源室に当接してシールすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の道路灯。
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